ボッチャ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

ボッチャBoccia)とは、障害者、とりわけ脳性麻痺などにより、運動能力に障害がある競技者向けに考案された障害者スポーツである。パラリンピックの公式種目となっており、全世界で40カ国以上に普及している。なお、ボッチャとはイタリア語ボールのことである。

概要[編集]

2008年の北京パラリンピックでのボッチャの競技風景。

ボッチャはヨーロッパが発祥とされ、ペタンクローン・ボウリングから発展したとされるが、類似のゲームは世界各地に存在し、はっきりしない[1]。日本に取り入れられたのはレクリエーション的用途であり、養護学校教員であった古賀稔啓(現日本ボッチャ協会理事長)がヨーロッパでの脳性麻痺患者の国際大会出席時に、ボッチャに出合い、授業に取り入れようと持ち帰ったのが最初と言われている[2]。その後1997年日本ボッチャ協会が設立され、国際ルール[3]が紹介され、全国的に広まっていくこととなった。

障害によりボールを直接投げることができなくても、ランプス(勾配具) [注釈 1] やヘッドポインタ [注釈 2] などの補助具を用いての競技参加も可能である。また、それらが困難な場合であっても、意思伝達が可能であれば介助者による補助具や車椅子移動の補助は許されているため、それにより狙いをつけての投球が可能であれば競技への参加ができる [注釈 3] 。 使われるボールは、中は硬質の素材だが表面は柔らかな素材で包まれており、表面が少々つまめるほど柔らかで、あまり転がらず弾まない。

個人、ペアないしは3人1組のチームで行うのが基本であるが、さらにパラリンピックでは、男女の区別はなく、BC1~BC4のクラスに別れて行われる。

ルール[編集]

ゲームの目的は、赤又は青(コイントスでどちらを選ぶか決める。赤ボールチームが先攻)の皮製ボールを投げ、ジャック(jack)と呼ばれる白い的球(まとだま)にどれだけ近づけられるかを競うことである。

長さ12.5m、幅6mのコートを用いてゲームの始めに的球を投げる。的球は、コートにV字型に引かれたジャックボールラインを越えなければならず、両サイドが交互に的球がコート内の有効エリアに収まるまで投球を繰り返す。続いて1巡目の投球は的球を投げた側の先行、次に相手側の順で的玉に向けてボールを転がす。2巡目以降ボールが尽きるまでの投球は、的球に遠いボールを投げたサイドが、相手チームよりも近いボールを投げられるまで連続して投球を行う。

各ラウンドの終了、すなわちエンドの度に審判は的球と投げられたボールとの間の距離を測定し、そのエンドで負けた側の最も的球に近いボールよりもさらに的球に近いボールに各1点が与えられる。ゲーム終了後に高得点を上げたチームないしは競技者が勝ちとなる。

エンドの数及び各エンドで使用するボールの数は場合によって異なる。個人対抗戦の場合、エンドは4、そして使用するボールは6である。一方、ペア対抗戦では、エンドは4、そして使用するボールは各ペア6(1人当たり1エンドに3投)である。さらに、チーム対抗戦となると、エンド数は6、ボールは1チーム6(1人当たり1エンドに2投)となる。

注釈[編集]

  1. ^ ランプスとは、のようにボールを一方向に転がすことのできるもので作成されたスロープのこと。ボールを勾配のある場所に置けば、重力によって勝手に転がってゆくことを利用する、ボールを打ち出すための装置である。選手の膝の上で使用するものや、自立式のものなど、様々なタイプのランプスが存在する。スロープの方向を変えることでボールを打ち出す方向を変えられる。また、スロープ上に置くボールの初期位置(地面からの高さ)を変えれば、ランプスから転がり出た時のボールの速度が変わるので、ボールを転がす距離の調整も可能である。
  2. ^ ヘッドポインタとは、ヘッドバンドにランプス上のボールを抑える棒がついた器具。脳性麻痺であっても、首から上は比較的自由に動かせる場合があり、そのためにこれが使用される。
  3. ^ ただし、競技においては意思を伝えるのに時間制限が存在する。脳性麻痺患者には言語障害が存在する場合があるものの、この時間制限は緩和されない。

出典[編集]

  1. ^ 公益社団法人日本ペタンク・ブール協会 ペタンクの概要・歴史
  2. ^ Paraphoto : 国際障害者スポーツ写真連絡協議会 - 2008年07月10日 10年かかった、パラリンピック初出場。日本ボッチャ協会常務理事、渡辺美佐子さんインタビュー
  3. ^ BISFedルール2013日本語版

外部リンク[編集]