サバット

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サバット
Savate
Savate coup de pied bas 1.JPG
別名 フランス式ボクシング
発生国 フランスの旗 フランス
発生年 ブルボン朝時代
創始者 ミッシェル・カスー
主要技術 蹴り技
オリンピック競技 無し
  

サバットSavateフランス語で“”の意味)、またはサファーデ(英語読みはソバット)とは、インドのカラリパヤットの鳥(フラミンゴ)の型を起源とし、回教徒の武術の弾腿の脚術を基にして生まれた。ブルボン朝時代にフランスで紳士の護身術として広まった格闘技。その後、フランス革命時に革命家たちに広まった。 本来サバットは、離れた間合いにおいて杖(ステッキ)を用いる『ラ・カン』、互いの手足が届く間合いで打撃を繰り出す『ボックス・フランセーズ(Boxe française, フランス式ボクシング)』、相手の手足を掴んで投げ飛ばす『パリジャン・レスリング』といった多彩な技術体系を包含しているが、日本では特にボックス・フランセーズが、蹴り技主体の格闘技として知られている。 本項でもボックス・フランセーズを中心に解説する。

概要[編集]

蹴り技の練習

シューズを履いて戦う為、靴を利用した足首から先を使った蹴り技が多い。シューズはボクシングシューズのように柔らかいものではなく靴底などがしっかり作られていて固く、実質この靴を武器として用いる。当時のフランスでは靴にナイフを仕込む輩が多かったので、キックボクシングのように脛で蹴りを受けるとポイントを取られる。使用されるグローブはボクシング用の物とやや異なり、掌底部分と甲にクッションが入っており、これが攻撃を受ける防具の役目も兼ねている。ジェラルド・ゴルドーや、K-1王者のアーネスト・ホーストがサバットのチャンピオンである。

サバットが一番似ている格闘技にキックボクシングムエタイがあるが、膝、肘の攻撃、ナックルパート以外の腕での攻撃(バックブロー等)、靴以外での足の攻撃(脛の部分で蹴る等)、踵落しが禁止されているなど、そのルールにはかなりの差異が存在する。

サバットでは接近時に膝蹴りが使えず、他の近距離で使える足技も2種類あるが技術的に難しい為に、インファイトにおいてはほぼ手技のみで対応することになり、ナックルパート以外での攻撃も禁止なので、一見ボクシングに近い状態に思える。

これは、サバットがもともと足技主体の護身術であり、そこにあとから正式な手技を導入した経緯がある。

そのためサバットでは、フットワークを使い、遠くからキックで間合いを計り、なおかつ牽制しながら相手の出方を探り、タイミングを見計らって遠い間合いから一気に跳び込んでパンチで止めを刺すという戦い方がセオリーとなっている。

何故遠くからなのかというと、キックボクシングの場合、ローキックを打つ時には軸足を返さない[1]ので近距離でしか打てないが、サバットの場合、ローキックを打つ時でも軸足を返すので、キックボクシングのローキックよりも遠くの相手に当てることが可能となる。 またキックボクシングやムエタイでは蹴りは基本的に脛を当てるものであるため、足首より先、つま先などの蹴りも使うサバットのキックは脛の蹴りよりも遠くに届く。

蹴りで主体となるのはサイドキックで「シャッセ」という。

歴史[編集]

1985年3月23日に、パリにて11カ国による国際サバット連盟が設立された(連盟はカンヌ・ド・コンバットも統括する)。

他の格闘技との違い[編集]

サバットはキックボクシングやムエタイとは似て非なる格闘技術である。靴が武器であるサバットでは蹴りを脛で受けない。キックボクシングやムエタイでは蹴りは脛を当てるが、サバットでは靴のつま先を当てる。また、サバットは膝蹴りが禁止されている。

試合形式[編集]

サバットにはコンバと呼ばれるフルコンタクト形式。アソーと呼ばれる技術とスピードを重視してポイントで判定するライトコンタクト形式。2人組で演武するディオ形式の3種類の形式が存在する。ただし、ディオはあまり普及していない。

関連項目[編集]

  • 截拳道 - ブルース・リーが技術を大きく取り入れている。
  • ソバット - 主にプロレスで使用される後ろ蹴りの一種。サバットが語源となっている。

サバットが登場する映画[編集]

  • ルパン(2004年)- 少年時代のアルセーヌ・ルパンが、父テオフラストから手ほどきを受け、随所で技を見せている。

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  1. ^ 軸足を返す種類のローキックもある

外部リンク[編集]