ダーツ

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ダーツ(ダート)Darts(Dart))は、壁などに用意された的(ダーツボード、または単にボードという)に矢(ダーツ)をあてて得点を競うスポーツである。いわゆる射的、射的競技。ボードの狙った場所にダーツを命中させる技能性だけでなく、ゲームルールによっては高度の戦略性をも要求され、精神的な要因に結果が大きく左右される、デリケートな一面を有するスポーツである。

使用するダーツの矢先、的によってハードダーツとソフトダーツに分けられ、ゲームルールも若干の違いが有る。

目次

[編集] ダーツの歴史

14世紀イギリスで生まれたスポーツ。

薔薇戦争の頃、兵士がワイン樽に向けて矢を放つ遊びから始まったとされ、やがて、矢を手で投げるようになり、現在の短い矢に変化した。また、的もワイン樽から木を輪切りしたものへと変化し、木の年輪や乾燥によるひび割れが現在のダーツボードの得点システムの基となっている。現在の得点システムを作成したのは1896年のイギリスとされ、歴史は浅い。ブリッスルボードが発明されるまでは木の輪切りを用いたが、矢が刺さりやすくするために水につけて柔らかくしていた。だが、使い込むにつれて木が傷み、不快な臭いが発生する問題があった。

現在のブリッスルボードは船舶用ロープに用いられるサイザル麻を圧縮して輪切りにしたものである。初めてブリッスルボードを作成したのは、イギリスのノドア社であり、社名の由来は"No Odor"(臭わない)。現在の社名は"Nodor"となっている。

[編集] ハードダーツ

ブリッスルボードと呼ばれるサイザル麻でできた的に対し、金属製の矢先(ポイント、若しくはスティールチップ)をつけた矢を投げる。歴史的な経緯もあり、世界的にはこちらが主流で、世界大会やチャンピオンシップトーナメントはハードダーツで行われる。ダーツボードの大きさは、13.2インチ=33.528センチ(英国公式サイズ)

[編集] ソフトダーツ

穴(ビット)が開いているプラスティック製の的に対し、プラスティック製の矢先(チップ)をつけた矢を投げる。得点の計算やゲームの進行等は、的に組み込まれているコンピュータが自動で行ってくれる為、手軽で、初心者でも始めやすい。コンピュータゲーム感覚の手軽さと、ダーツバーを中心とした業態の発展により、競技人口が増加したと考えられる。日本では、ICカードを介してネットワークサーバに個人のスコアを記録し、競い合う機種が導入されたことを契機に、競技人口の増加が加速されたと思われる。また、最新のものでは、ネットワーク対戦が可能な機種も登場している。 ハードダーツとの大きな違いは、ダーツボードの大きさとスローラインから的までの距離であり、的の大きさについては、業務用筐体では一般的に15.5インチとハードボードより一回り大きいサイズとなっている(家庭用ボードでは、ハードボードと同サイズが多い)。

具体的な機種として、DARTSLIVE(MEDALIST)、Spectram e-TEC(MEDALIST)、Bar-Net(Dart-World D-1)、GALAXY2(Aracnid)、MATRIX(MJ SPORT)、PHOENIXなどが主流と言えよう。

[編集] ボードの位置

ボード(まと)の中心点は床から173cmの高さである。ボードの表面から垂直に床までおろした地点とスローイングライン(矢を投げる為に足が越えてはならない線)まではハードダーツは237cmであり、ソフトダーツは244cmである。

[編集] ダーツの構造

矢先からバレル、シャフト、フライトと呼ばれる。

矢先
ハードダーツの場合は金属製(ポイント若しくはスティールチップ)、ソフトダーツの場合はプラスティック製(チップ)を用いる。ハードダーツは長さが決まっているが、ソフトダーツはロングとショートの二種類が有る。ロングの方が的に刺さりやすい(的に開いているビットに入りやすい)が、柔軟性があるため2投目のダーツが弾かれやすく、グルーピング(近い場所にダーツを纏める事)がし辛い。
バレル
いわゆるダーツの本体。投げるときはここを持つのが基本。細くて重いものが好まれるため、密度の高いニッケルやタングステン製が多い。滑り止めの刻みや、バレル自体の形状によって好みの物を選ぶ。重さは14~26gと様々だが、ハードは20g以上、ソフトは16~20gが妥当と言われる。
シャフト
フライトをつけるためのパーツ。シャフトの長さとフライトによって直進性が変わってくる。磁気を帯びお互いを引き付けてグルーピングをし易くする物や、フライト装着部分が回転するもの等種類は多種に渡る。
フライト
ダーツの羽根の部分。安定性に大きく関与するパーツ。形状、大きさによって軌道が変わる。一般的に大きなもの(面積の広いもの)の方が揚力が得やすく、安定度が高いが、ダーツの速度が速い場合は直進性が失われる。

[編集] ダーツのルール

ゲームをする時には、プレイヤーは3本のダーツを一組として持つ。

参加するプレイヤーはスローイングラインに立ち、ボードに向かって3本のダーツを投げる。この3本のダーツを投げることを「1スロー」と言う。

ダーツを持ってスローイングラインに立った後ダーツを誤って落としても、プレイヤーの体がスローイングラインを越えた場所につかないという条件内でなら拾うことができる(ドロッピング)。

ボードに刺さっているダーツの点数を計算し、ダーツをボードから引き抜いて次のプレイヤーと交代する。

すべてのプレイヤーが一巡するまでを「ラウンド」と言い、ゲームごとに決められているラウンドまで繰り返す。

[編集] ダーツボードの説明

ダーツボード
ダーツボード

ボードは円を20等分してあり、外周に点数の数字が表記されている。

中心にある二重の円をBULL(ブル)と言い、内側は25点×2(ダブルブル、インナーブル、ブルズアイ)、その周囲は25点(シングルブル、アウターブル)。

的には2つの帯状の輪がある。一番外側にある輪をダブル(ダブルリング)と言い点数の2倍、内側の輪をトリプル(トリプルリング)と言い点数の3倍として計算する。

ダブル、トリプル、ブル以外のエリアはシングルと言い、周の点数そのままとして計算する。

ゲームの種類にもよるが、ボード上最も点数が高いのはインブルの50点ではなく、20トリプルの60点である。

[編集] ハードダーツのゲーム

世界選手権など公式競技では501ゲームと言われるルールで行われる。

投げる順番を決めるために、お互いに一本ずつの矢をダブルブル(中心)に向かって投げ、近い人を先攻とする。これを「ミドル・フォー・ディドル(センターコーク)」と言う。

ゲームは、通常、オープンイン(ストレートイン)・ダブルアウト(ダブルフィニッシュ)で行われる。これは、

  • 最初の得点に対しての制約はない(ダブルで得点するまで得点の認められない「ダブルイン」といったルールも存在する)。
  • 最後の得点はダブル(1~20あるいはブルのダブル)でなければならない(この制約がない場合は「シングルフィニッシュ」などと呼ばれる)という意味である。

先攻の人から、3本ずつ矢を交互に投げる。そして、ささった矢の得点を持ち点である501点から引いて行き、先にゼロ点にした人の勝ちとなる。

例えば40点残っている場合、ダブル20を狙って1本目がシングル20に入った時は、残り20点となり、次の2本目の矢はダブル10を狙える。更に2本目がシングル10に入ってしまった時は残りが10点なので、3本目はダブル5を狙う事になる。また、40点残っているとき、ダブル20を狙って、1本目がシングル5に入ってしまった場合は、残りが35点で、奇数になりダブルがないので、2本目は奇数のマスに入れて偶数に直さなければならない。得意なダブルが打てるようにするために大きい点数からのアレンジが重要になってくる。

残りの点数が0点を下回ることをバースト(BUST)と言い、その回の点は無効になり相手と交代し、次の順番にその前の回終了時の点数からやり直しとなる。例えば残り40点で「シングル20→ダブル12」と入れてしまった場合、最初のシングル20も無効となり、次の自分の番は残り20からではなく残り40からとなる。ダブルアウトであれば、ダブル以外で0点になったり、残りが1点になっても同様にバーストとなる。

先攻がゼロになったらその時点でそのゲームは終了であるから、後攻の人は不利ということになる。そのため後攻の人間がゲームを取る事を、テニス同様に「ブレイク」と呼ぶ。

[編集] ソフトダーツのゲーム

  • カウントアップ(count up)
プレイヤーはボード上の点数をどんどん加算していき、ゲーム終了後に最も点数の高いプレイヤーが勝者。ダーツの中でも非常に簡単なルールで、初心者にも最適とも言える。
通常は8ラウンドで行われ、計算上の限界最高点は、1ラウンド最高180点×8ラウンド=1440点となる。
  • 01ゲーム(01 games)
上述 「ハードダーツのゲーム」を参照。ルールは101、201、301、501、701など複数設けられており、コンピュータで切り替えられる(どの持ち点が利用できるかは組み込まれているソフトによる)。同時にダブルイン・ダブルアウトなどの有無も指定できる。
  • クリケット(Cricket) 別名:チェイス(Chase)、ミッキーマウス(Mickey Mouse)
陣取りゲーム。2~4人でゲームできる。
得点となる点数(番号の大きい数字5~11個+ブル。通常15~20とブルを対象とすることが多い)のエリアに3本ダーツを当てる(クローズ)ことで自陣とし、自陣となった場所にさらにダーツを当てることで得点(プッシュ)となるゲーム。ただし、相手(他のプレイヤー全員)が同じエリアをクローズした場合、「キル(kill)」となり、それ以降プッシュ出来なくなる。
トリプルは3本分、ダブルは2本分、インブルは2本分と計算される。1本目が20トリプルに入った場合はそれだけでクローズ、既にクローズしていれば60点の加算となる。
勝敗は先に得点対象のエリアをすべてクローズするか、又は設定ラウンド(一般的に20ラウンド)終了時の得点によって決まる。ただし、先にすべてのエリアをクローズしていても、20ラウンド以内で得点で負けていれば勝負続行。
スタンダードゲーム
プッシュした点数を自分の得点とし、得点の高い者を勝ちとするゲーム。プレイヤーが二人の場合は強制的にこのルールとなる。
カットスロートゲーム
プレイヤーが3人以上の場合のみ可能。プッシュした点数は、そのエリアをクローズしていない他のプレイヤー全員に加算していき、得点の低い者を勝ちとする。他のプレイヤーへの得点加算が残りのプレイヤーに見込めるため、戦略がノーマルゲームとは変わってくる。
ハイチェイス
基本ルールはクリケット(チェイス)と同じだが、ダブル・トリプルもそれぞれ1つのエリアと見なされるルールが加わる(得点は、1~20のそれぞれの数字、およびインナーブルの得点に準ずる)。
例:20のトリプルに刺さった場合は、20の三本分、またはトリプル(T)のどちらに数えるか選択でき、インナーブルに刺さった場合は、ブルの二本分、またはダブル(D)のどちらに数えるかを選択できる。
  • ラウンド・ザ・クロック(ローテーション)
1から順番に狙って投げていき、刺さった場合に次の番号のエリアを狙うことが出来る。2・3・4…と、投げていき、最後に20に早く刺した者の勝ち。
バリエーションルールとして、20の後にブル、またはダブル・トリプル・ブル(数字は問わず)と順に刺していかなければならない場合もある。
  • スーパー・ラウンド・ザ・クロック
基本ルールはラウンド・ザ・クロックと同じだが、ダブルやトリプルに刺さった場合には、その得点の数字までジャンプアップする。
例:4のダブルに刺さった場合は、4×2となり、8までジャンプアップ(次のターゲットは9)。
6のトリプルに刺さった場合には、6×3となり、一気に18までジャンプアップできる(次のターゲットは19)。
また、刺さった場所の数字が21を超える場合は、パンク(punk)となり、その矢では進むことが出来ない。
ちなみに、20までは最短で3本で到達できる(1のダブル、3のトリプル、10のダブル)。
  • ダブルダウン(ハーフ・イット)
1スローごとにエリアが指定され(途中で、ダブル・トリプル・ブルもエリアとして使用するが、その際はどの数字でも可)、刺さった分をそのまま得点として加算していく(指定エリア外に刺さった矢は無得点)。1スローで三本ともそのエリアに刺すことが出来なかった場合、ペナルティとして自分の持ち点が半分にされてしまう、シビアなルールの課せられたゲーム。

[編集] ダーツ用語

[編集] ダーツにおける賞(award)

ハットトリック(Hat Trick)
1スローでブルエリアに3本入れる事
スリーインザブラック(Three In The Black)
1スローでインブルに3本入れる事
スリーインアベッド(Three In A Bed)
1スローで同じ点数のトリプルかダブルに3本入れる事
ただし、インブル(25のダブル)に3本入れてもこの賞にはならない
トンエイティー(Ton 80)
1スローで20のトリプルに3本入れること。カウントアップや01ゲーム等では180点になる為こう呼ばれる
ホワイトホース(White Horse)(Criket Gameのみ)
1スローで20、19、18等、それぞれのゲームで得点となるエリアのトリプルに、1本ずつ入れること
(ロウ)トン((Low) Ton)
1スローでの合計得点が101点(ハードダーツの場合100点)以上150点以下の場合を指す
ハイトン(High Ton)
1スローでの合計得点が151点以上の場合を指す

[編集] その他の用語

ハイオフ(High Off)
01ゲームにて1スローで101点以上の得点を取得し、かつフィニッシュした場合を指す
シャンハイ(Shanghai)
1スローで同じ点数のシングル、ダブル、トリプルに1本ずつ入れること
アウトボード(Out Board)
ダーツが的に刺さらないこと
マスターイン、マスターアウト(Master In、Master Out)
01ゲームの特別ルールで、シングル以外のみスタート若しくはダーツアウトの対象となる

[編集] 歴代のワールドカップ日本代表

年度 開催地 出場選手
1977年(第1回) イギリス/ロンドン 江崎 亨億、三笠 雅司、加藤 邦男、ボブ・パーカ
1979年(第2回) アメリカ/ラスベガス 江崎 亨億、青柳 保之、小宮 久雄、岡田 信夫
1981年(第3回) ニュージーランド/ネルソン 江崎 亨億、小宮 久雄、岡田 信夫、宮原 時雄
1983年(第4回) スコットランド/エジンバラ 小宮 久雄、谷田 孝夫、渡部 紘士、山本 浩一郎、岡田 あおい、佐々 雪絵
1985年(第5回) オーストラリア/ブリスベン 谷田 孝夫、キース・ワダップス、渡部 紘士、小松原 満、小山 陽子、岡田 あおい
1987年(第6回) デンマーク/コペンハーゲン 渡部 紘士、雄也 エバンス、ルーベン・ロペス、上総 昌記、小野 聡子、岡田 あおい
1989年(第7回) カナダ/トロント 渡部 紘士、谷田 孝史、雄也 エバンス、ルーベン・ロペス、小野 聡子、野村 律子
1991年(第8回) オランダ/ザンフォルツ 渡部 紘士、雄也 エバンス、佐野 徹、矢部 菊一、岡田 あおい、野村 律子
1993年(第9回) アメリカ/ラスベガス 渡部 紘士、金子 敏明、矢部 菊一、佐野 徹、小山 陽子、佐藤 よしえ
1995年(第10回) スイス/ベイズル 佐野 徹、小森 エイジ、佐藤 雅保、矢部 菊一、西川 ゆかり、野村 律子
1997年(第11回) オーストラリア/パース 渡部 紘士、小泉 武夫、雄也 エバンス、中野 たかし、西川 ゆかり、野村 律子
1999年(第12回) 南アフリカ/ダーバン 渡部 紘士、小野寺 貞義、鈴木 浩、小野 勝康、小泉 みどり、小野 文枝
2001年(第13回) マレーシア 渡部 紘士、平賀 正弘、小野 勝康、大久保 重徳、西川 ゆかり、小野 文枝
2003年(第14回) フランス 渡部 紘士、篠原 直樹、綱嶋 良信、竹山 大輔、西川 ゆかり、吉賀 順子




|2007年 (第 回)||オランダ||青木 宏至、上総 昌記、谷内 太郎、木下 望、大内 麻由美、西川 ゆかり

[編集] 主なダーツプレイヤー

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ