ダーツ

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ダーツとは、

  1. 室内競技の一種。本項で詳述する。
  2. 洋裁・服飾デザイン用語で、製品を立体的に仕立てるために生地にV字形の切り込みを入れ、縫いあわせること。つまみ縫い。

ダーツ英語: Darts)は、射的競技の一種である。

概要[編集]

ダーツとは、ダーツボードと呼ばれる30センチから40センチの円形の的に、一定の距離から手投げの矢(ダート(dart)、複数形がダーツ(darts))を投げ、得られた得点により優劣を競う射的競技である。ポイントと呼ばれる鏃(矢尻=やじり)に金属を用いたスティール・ティップ・ダーツまたはハードダーツ(英:Steel Tip Darts)と、プラスチックなどの比較的やわらかい素材を使うことで安全性を高めたソフトダーツ(英:Soft Tip Darts)があり、スティール・ティップ・ダーツでは2メートル37センチ(厳密には236.855cm)、ソフトダーツでは2メートル44センチ(厳密には243.84cm)離れたところから投げる。ボードの狙った場所にダーツを命中させる技能性だけでなく、ゲームルールによっては高度の戦略性をも要求され、精神的な要因に結果が大きく左右される、デリケートな一面を有するスポーツである。

なお、スティール・ティップ・ダーツとソフトダーツは鏃の違いのみならず、ボードサイズやゲームルールにも若干の差異が存在している。

歴史[編集]

ダーツは形からして人類が太古の昔から狩猟のため使用していた弓矢である。

それが14世紀頃のイギリス百年戦争の最中に、酒場にたむろしていた兵士たちが、余興でワイン樽めがけて矢を放つようになったことがダーツの起こりと言われている。当時は戦争中であり、ワイン樽も貴重なものであったことから、木を輪切りにしたものを使うようになり、また矢が手投げしやすくするために短く変化していった。この木を輪切りにしたことにより、もともとあった木の年輪や乾燥によるひび割れが現在のダーツボードの得点システムの基となり、19世紀末になって現在のような得点システムが確立された。

20世紀初頭まではこのような木を輪切りにしたボードが使われていた。こうしたボードは手に入れやすい反面、水につけて矢が刺さりやすくしていたので使い込むにつれて木が傷み、不快な臭いが発生する問題があった。こうした臭いを抑えるため、1935年にイギリスのノウドー社により、船舶用ロープに用いられるサイザル麻を圧縮して作られたブリッスルボードが発明された。このブリッスルボードの発明により、得点システムと、簡便なダーツボードが揃うことになる。

1980年代になって、アメリカのメダリスト社がエレクトリックダーツと呼ばれる自動計算機能を持ち、ビットと呼ばれる矢が刺さる穴があけられたプラスチック製のダーツボードを開発した。このダーツボードではそれまでの金属製ポイントと違い、プラスチック製のポイントを使うことができるようになり、それまでの金属製ポイントとブリッスルボードで行っていたダーツを大きく変えるものであった。これ以後、ダーツはソフトダーツとスティール・ティップ・ダーツに分かれていくことになる。

日本では、歴史的に長らく愛好されてきたスティール・ティップ・ダーツは根強い人気があったが競技人口が少なかった。しかし、手軽で安全なソフトダーツが登場し、さらに21世紀になってICカードを用いて個人記録を残せたり、ネットワーク対戦機能を有する機種も登場したことにより、ソフトダーツが広く普及した。競技人口が増え、大会なども頻繁に行われ、ソフトダーツのプロトーナメントも登場し、ついにはスティール・ティップ・ダーツにも注目が集まるようになってきたのである。現在、ソフトダーツからダーツを始め、スティール・ティップ・ダーツとソフトダーツの両方嗜むプレイヤーも増えてきており、日本でのスティール・ティップ・ダーツの大会も増え始めた。また、スティール・ティップ・ダーツの最高峰であるプロフェッショナル・ダーツ・コーポレイション(PDC)が主催する世界大会、PDC ワールド・ダーツ・チャンピオンシップへの日本代表を決めるPDC CHALLENGE TOURNAMENTにおいても、ソフトダーツのトッププレイヤーやソフトダーツ出身者が優勝者を含めて決勝トーナメントを占めるなど、ソフトダーツの選手がスティール・ティップ・ダーツの大会で上位を占めてしまう例も当たり前の状況になってきた。また、昔はパブやバーに置かれていることが多く、大人のスポーツのようにとらえられてきたが、現在ではゲームセンターに置かれていたり、ダーツ専門のショップが増えたりして、学生や子供でも気軽にプレーすることができ、19歳以下の大会やユースが開催されるほどである。

スティール・ティップ・ダーツとソフトダーツの違い[編集]

スティール・ティップ・ダーツとソフトダーツの最大の違いはもちろん、鏃部分が金属製かプラスチック製かという違いである。

他の違いとしてはボードサイズがスティール・ティップ・ダーツの英国公式サイズでは13.2インチ(33.528センチ)であるのに対して、ソフトダーツでは15.5インチ(39.37センチ)であることが挙げられる。ただし、日本におけるスティール・ティップ・ダーツの公式サイズは34センチであり[1]、またソフトダーツでも家庭用ではスティール・ティップ・ダーツサイズのボードが使われるなど、そこまで厳密に区別はされていない。

このほか、スロウラインと呼ばれる、矢を投げる為に足が越えてはならないラインから的までの距離がスティール・ティップ・ダーツは237センチであるのに対してソフトダーツは244センチであるという違いや、一部のゲームにおいてルールが微妙に変わったり、エレクトリックダーツのコンピュータによる計算能力に依存しているため、スティール・ティップ・ダーツでは行われないゲームがあるなどの違いがある。

道具[編集]

ダーツ[編集]

スティール・ティップのハウスダーツ(店舗に備えられた貸出用)
ソフトダーツの構成部品

ダーツの構造は矢先方向より、ポイント、バレル、シャフト、フライトに分割される。これらのパーツはそれぞれ交換可能であることが多い。

ポイント[編集]

ポイントとはダーツの先端であり、矢でいうところの鏃(矢尻=やじり)にあたる。

スティール・ティップ・ダーツでは金属製であり、ソフトの逆と言うことでハードダーツと呼ばれることもある。 スティール・ティップ・ダーツで用いられるティップは元々交換ができないか、専用の機材が必要なものが多い。

ソフトダーツではプラスティック製であり、ティップと呼ばれることも多い。ティップは的に当たった際に折れたり、強く変形したりする消耗品である。また、種類も豊富であり、硬さや粘り強さ、長さなどがメーカーごと、種類ごとによって違う。また、近年ソフトダーツの先端だけを金属製にすることでスティール・ティップ・ダーツに対応できるようにした、コンバージョンポイントという金属製ポイントも出てきている。この他に、ティップとバレルのネジの雌雄を逆転させ、より重心が前よりでスティール・ティップ・ダーツの感覚に似せようとした、4BA規格と呼ばれる規格のソフトダーツが市販されている(通常のソフトダーツのティップは2BA規格と呼ばれる。ティップのネジ部の外径は4.7mm)。また2013年末にはダーツメーカーのMonster Barrels DesignとL-Styleの共同開発で、2BA規格よりもネジ部の外径が1.6mm細く、バレルをより細くすることが可能なNo.5という規格が登場した。

バレル[編集]

ダーツ中央の金属製の部分であり、矢で言うところの箆(の)の前半部にあたる。投げる時にはこのバレルの部分を持つことが一般的である。バレルとは樽の意であり、もともとは太く中空であったことから、樽に見立てて「バレル」と呼ばれるようになった。バレルの材質は真鍮、ニッケル合金、タングステン合金など様々である。比重の重いタングステン合金やニッケル合金で作られたものの方がより細くなり、的に当たった際に干渉し合いにくいが、同時に高価になりやすい。また、形状や滑り止めの刻み、重量なども様々である。

重量に関してはスティール・ティップ・ダーツのほうがより重いものが多く、公式ルール上は50グラムまでのバレルが認められているが、実際には20グラムから25グラムを用いる選手が多い[2]。ソフトダーツではこれより軽いものを用いることが多く、16グラムから20グラムぐらいのものが多い。これはソフトダーツマシンの破損を防ぐ意味もある。

シャフト[編集]

シャフトとはダーツ後部のフライトが取り付けられている部分であり、矢で言うところの箆(の)の後半部にあたる。

材質は金属やナイロン、グラスファイバーなど様々なものが使われている。ボード上でダーツ同士(フライト同士)がぶつかった時に干渉を避けるため、このシャフト部分が回転したり、磁石で外れたり、柔軟な素材を使うことで曲がったりすることも多い。また、フライトを取り付ける構造も様々なものが存在するが、一般的なものとしては最後部に十字の切れ込みが入っており、そこにフライトを差し込んで固定するものである。

長さも様々であり、一般的には長いものの方がフライトの効果を高める。長さは短いほうからエクストラショート、ショート、インビトウィン、ミディアムという区分で呼ばれることが多いが、メーカーによって多少、長さに差があることもあり、明確に何ミリからがどの区分である、というようには定義されていない。一般的には40ミリから50ミリ程度であることが多い。

フライト[編集]

フライトとは最後尾の翼のことであり、矢で言うところの矢羽である。材質は様々で紙、布などを使っているものもあるが、ポリフィルム製であるものが多い[3]

フライトには進行方向とダーツの向きが一致していない時、これを引き戻す役割がある。これは航空機における垂直尾翼水平尾翼と同じく水平方向、垂直方向への挙動を安定させているということである。反面、航空機と違い手を離れた後に推進力を得ることがない為、安定にエネルギーを費やした分、ダーツの速度が失われ、落下することになる。

フライト形状は非常に種類が多い。大きく分ければスタンダード/シェイプ、ティアドロップ、ストレート/スリム、ハート、V-ウイングといった種類がある。また、この他に特殊な形状をしたものもある。原則として翼面積が増えれば上記の安定性を高める効果は高くなり、同時に失速することも多くなるが、形状とシャフトの長さによって効果が変わる為、同じ面積であっても同じ効果が得られるとは限らない。また、一般的なフライトは4枚翼であるが、近年は3枚翼のものも販売されている。また、従来のシャフトの十字の切れ込みに差し込んで固定するだけでは、きちんと4枚の翼が90度間隔で開かないことがあるが、開いた状態で成形されたものやシャフトとフライトが一体成形されたものが存在する。

フライトはダーツの中でもっとも面積が広く、目立つ部分であるため、様々な意匠が施されている。また、ポリフィルム製である為、容易に自作が可能であるので、プレイヤー自身の好みの意匠を印刷し、フライトを自作しているプレイヤーもいる。材質、形状のみならず意匠まで含めて考えるとフライトの種類は極めて多いものとなり、またバレル、フライトとの組み合わせもある為、ダーツのセッティングは莫大な組み合わせが考えられるようになる。

ダーツボード[編集]

ダーツボード

ボードはスパイダーと呼ばれる線により、円を20等分してあり、外周にそのエリアにおける得点が表記されている。このエリアを横切る形で帯状の同心円が2つ存在しており、内側のものをトリプルリング(イギリスでは、TripleではなくTreble)、外側のものをダブルリングという。この帯状のエリアに関しては得点がトリプルリング内で3倍、ダブルリング内で2倍となる。トリプルリング、ダブルリングに該当しないエリアは表記されている得点そのままとなる。

1投での最高得点は、20のトリプルリングでの60点となる。

BULL[編集]

中心にある二重の円について、狭義では内側の円のみをBULL(ブル)またはBULLSEYEと呼び50点、その周辺の部分を得点と同じく25やアウターブルと呼ぶ。 広義では二重の円全体をBULLまたはBULLSEYEと言い、内側の円内をインナーブル(「ダブルブル」とも呼ばれる)、その周囲の部分をアウターブル(「シングルブル」とも呼ばれる)という[4]。 狭義の定義は、スティール・ティップ・ダーツや01で用いられることが多く、広義の定義はソフトダーツやクリケットで用いられることが多い。

01におけるダブル・アウトルールの時、インナーブルでもフィニッシュすることができ、形式的にはインナーブルはダブルとして何の問題もないが、インナーブルはダブルではないもののフィニッシュできる箇所とすることもある。

ソフトダーツにおけるBULL[編集]

ソフトダーツの01ゲームにおいては、初心者からプロまで二重円全体を50点とする場合が非常に多い。このルールをFat Bullと呼ぶ。このような背景があることもあり、ソフトダーツではBULLの定義を広義で使うことがほとんどである。ソフトダーツでは、最高点ではあるものの面積が狭いTriple 20を狙うよりも、面積が広くそこそこ高得点のBULLで得点を減らしていく方が効率的であり、スティール・ティップ・ダーツよりもはるかにBULLの重要性が高くなる。特に、最近は上級者やプロのトーナメントでFat Bullルールが採用されている場合、フィニッシュにMaster Outルール(トリプル、ダブル、BULLのみフィニッシュ可能とするルール)がほぼセットで採用されているため、トリプルやダブルに比べて面積の広いBULLでフィニッシュするのが定石であり、上級者になればなるほどBULLの重要性が高まる。

基本動作[編集]

ダーツは様々なゲームが存在するが大半のゲームでは基本動作は共通している。

プレイヤーは3本のダーツを持ってスロウイングラインに立ち、ダーツをボードに向かって投じる。ダーツを投じた後、ボードに刺さらなくても投げなおしはできない。ただし、スロウイングラインに立った後、スロウイングの流れの中で腕を伸ばした状態で投じたものについては投げたものとみなされるが、腕を伸ばした状態になる前に誤って落とした場合にはこれを拾って投げなおすことが出来る[5]

3本のダーツを投げ終えた後、エレクトリックボードであればそのまま引き抜き、次のプレイヤーに交代する。この際、ボタンを押すなど、何らかの操作が必要な場合が多い。ブリッスルボードなど、自動計算機能がついていないボードであれば、自分の点をコールした後、ダーツを抜かなければならない。コールするのはプレイヤー自身であることが多いが、大会などでは公正を期すため、コールを行うコーラー(レフェリー)がつく場合もある。この場合、コーラーがコールするのを待ってダーツを引き抜き、交代する。この3本のダーツを投じることを1スロウという[6][7]

1ゲームは数人で行うが、全員がダーツ3本を投じ終え、1巡した時点で1ラウンドが終了する。これを規定ラウンド数、またはゲームによっては終了条件を満たすまで繰り返し、最終的に最も早く終了条件を満たしたプレイヤーまたは最も得点が多い(ゲームによっては最も得点が少ない)プレイヤーが勝利する。

ゲーム[編集]

ダーツでは以上の基本的な動きによって得点を獲得するが、どのように得点し、どのようにすれば勝利するのかということはゲームによって違う。ゲームによっては得点に条件がついている場合もあり、同じ動作をしながらまったく別の競技となる場合もある。また、スティール・ティップ・ダーツ、ソフトダーツでゲームは分けられてはいないが、エレクトリックボードの計算機能に頼ったゲームはスティール・ティップ・ダーツでは実質的に行えないことがある。

また、ダーツのゲームは数百にも上るとされており[8]、ここに挙げたゲームはあくまで一例である。

501ゲーム/01ゲーム[編集]

このゲームは自分の持ち点を得点分だけ減らしていき、最も早く0点としたプレイヤーが勝利するというものである。このゲームはスティール・ティップ・ダーツの公式大会で行われるものであり、もっとも基本的なゲームである。公式大会では501点を持ち点とすることから一般的には501ゲーム(ファイヴ・オウ・ワン・ゲーム)と言われる。他にも301点、ソフトダーツでは最も一般的な701点など、下二桁以外を自由に設定しゲームが行われているため、それぞれ個々を百桁以上を省略した略称として、またはこれらのゲームの総称として01ゲーム(オウワンゲーム、ゼロワン)とも呼ばれる。

ゲームはまず、投げる順番を決めるために、お互いにダーツを1本ずつ投げ、センターに近い人を先攻とする。これを「ミドル・フォー・ディドル(センターコーク)」と言う。以後、ラウンドを繰り返して持ち点を減らしていく。終了する際にはマイナスになってはならず、ちょうど0点とした時点で終わりとなる。減らしすぎてマイナスとなった場合にはバスト(英:Bust)といい、その得点は無効となって次プレイヤーと交代する。

また、Double In、Double Outというルールが存在している場合もある。Double Inとは最初の一投はダブルリング内に投じなければならず、これが投じられるまで得点がカウントされないルールである。またDouble Outとは、最後の一投、つまり0点にする一投はダブルリング内かBULLに投じなければならず、そうでなければ仮に0点となっても終了せずバストとなる。また残り点数が1点になった場合もDouble Outが不可能なためバストとなる。 スティール・ティップ・ダーツでは、Double Outは一般的であり、個人的な試合から世界大会までほぼ全てのトーナメントに採用されているものの、Double Inが採用されているトーナメントはほとんど例を見ない(しかし、Double Inが採用されている最大のトーナメントのワールド・グランプリPDC開催)は別格であり、テレビ中継も行われており賞金も高い)。

これに似たルールとしてMaster Outというルールも存在する。これは、終了時にはシングル以外でなければならないとするルールである。スティール・ティップ・ダーツで採用されることは、少なくとも公式トーナメントではなく、ソフトダーツ用のルールと考えて良い。現在、ソフトダーツの上級者やプロトーナメントの701ゲーム(Fat Bull)において一番採用されているアウトルールであるが、01ゲームが901や501で行われる場合もFat Bullが採用されていれば、多くの場合Double OutではなくMaster Outが採用されている。 当然、理論的にフィニッシュの方法はダブルアウトに比べてマスターアウトの方が増えるが、Master Outルールが採用されるときは、多くの場合Fat Bullルールで行われるため、できる限りBULLを用いた方が有利なので、実際に用いる組み合わせはMaster Outの方が少ない場合も多い[9]

なお、先攻がゼロになったらその時点でそのゲームは終了であるから、後攻は不利ということになる。そのため後攻がゲームを取る事を、テニス同様に「ブレイク」と呼ぶ。

クリケット(英:Cricket)[編集]

陣取りゲームである。チェイス(英:Chase)ミッキーマウス(英:Mickey Mouse)という別名もある。

カウント・アップ(英:Count Up)[編集]

自分のスロウごとに得点を加算していき、8ラウンドの合計得点を競う最も単純なゲームである。1ゲームで24本投げるので、最高得点は1440点となる。

ラウンド・ザ・クロック(英:Round The Clock)[編集]

まず1から順番にダーツを入れていき、早く20にダーツを入れることを競うゲームである。ローテーション・ゲーム(英:Rotation Game)と呼ばれることもある。派生ルールとして、20のあとにブル、或いは数字を問わずダブル、トリプルと入れたあと、ブルに入れるルールもある。

また、スーパー・ラウンド・ザ・クロック(英:Super Round The Clock)として、ダブルやトリプルに入った場合、単純にクリアではなく、2倍あるいは3倍した数字までクリアしたものとするジャンプアップルールを採用したものもある[10]。なお、2倍あるいは3倍した数字が20を超えてしまった場合にはパンク(英:Punk)となり、無効となるルールである。ラウンド・ザ・クロックよりも次のことを考えて狙う戦略性が必要となる。なお、最短は1のダブル、3のトリプル、10のダブルによる3投である。

ハーフ・イット(英:Half It)[編集]

40点を持ち点として、1ラウンドごとに指定されたエリアがあり、そこに入れた分を持ち点に加算していき、最終的な持ち点を競うゲームである。1スロウで1本も入らなかった場合には持ち点が半減させられる[11]。ダブル・ダウン(英:Double Down)と呼ばれることもある。

なお、エリア指定は15、16、ダブル、17、18、トリプル、19、20、ブルと進んでいき、仮に自分が1本も入らなくても次に進む点がラウンド・ザ・クロックとの大きな違いである。また、1本も入らなくても進むことから、必ず9ラウンドで終了する。

用語[編集]

アワード(英:Award)[編集]

トン(英:Ton[tʌn])
正しい発音は、「タン」に近い。01ゲームやそれに近いゲームで1ラウンドでの合計得点が、スティール・ティップ・ダーツでは、狭義で100点、広義で100点以上の場合を指す。狭義での使用時に100点を超える場合、超えた分をTonに続ける。例えば、160ならば、"Ton 60"となる。ソフトダーツでは、ほとんどの場合で後述のLow Tonを指している。
トン・エイティー(英:Ton 80)
1ラウンドで20のトリプルに3本入れることを言う。最高得点であるため、他の得点とは扱われ方がラウンド様々な面で異なる。
ハイ・トン(英:High Ton)
1ラウンドでの合計得点が150点または151点以上の場合を指す。
ロウ・トン(英:Low Ton)
1ラウンドでの合計得点が100点(ソフトダーツのみ101点とする機種もある)以上、149点または150点以下の場合を指す。
ハット・トリック(英:Hat Trick)
1ラウンドでブルに3本入れる事を言う。スティール・ティップ・ダーツでは、インナーブルに限定する場合もある。
スリー・イン・ザ・ブラック(英:Three In The Black)
1ラウンドでインナーブルに3本入れる事を言う。海外ではこの呼称はあまり使われておらず、Hat TrickやBlack Hat、Alan Evans Shotなどの呼称が好まれている。
スリー・イン・ナ・ベッド(英:Three In A Bed)
1ラウンドで同じ点数のトリプルかダブルに3本入れる事を言う。ただし、ソフトダーツでは、ダブルブルに3本入れてもこのアワードにはならない。
ホワイト・ホース(英:White Horse)
1ラウンドで20、19、18等、それぞれのゲームで得点となるエリアのトリプルに、1本ずつ入れることを言う。なお、このアワードはクリケットの時しか存在していない(クリケットはそのルール上、トリプルに入れることに大きな意味を持つため)。9マークにならない場合はアワードは成立しない。

その他の用語[編集]

ハイ・フィニッシュ(英:High finish)
「ハイ・オフ」とも。01ゲームにおいて1スロウで高い得点を取得し、フィニッシュした場合を指す。90点以上、91点以上、100点以上、101点以上、またはその試合のフィニッシュにおいて最も高い点数など、明確な条件が存在する場合もある。
シャンハイ(英:Shanghai)
1スロウで同じ点数のシングル、ダブル、トリプルに1本ずつ入れることを言う。
アウトボード
ダーツが的に刺さらないことを言う。
9ダート・フィニッシュ(英:Nine-dart finish)
「9ダーツ」とも(ただし、通常英語においてnine dartsだけでは、パーフェクトゲームを意味しない)。501ゲームにおいて、最短手順となる9投(3ラウンド)でゲームをフィニッシュさせること。501ゲームにおけるパーフェクトゲームを意味し、大規模な大会になると優勝賞金とは別に達成者に対する賞金が設定されていることが多い。

歴代のPDC ワールド・ダーツ・チャンピオンシップ日本人出場者[編集]

世界最高峰のダーツ・トーナメントであるPDC ワールド・ダーツ・チャンピオンシップ(PDC WDC)には、日本人枠が1枠有り、2009年度大会までは日本ダーツ協会が出場者を派遣していたが、2010年度大会から、誰でも参加できるPDC CHALLENGE TOURNAMENTによって出場者を決定することとなった。 PDC ワールド・ダーツ・チャンピオンシップが世界最高峰のトーナメントであり、賞金も他のダーツ・トーナメントに比べ群を抜き最多のため、その予選であるPDC CHALLENGE TOURNAMENTも、日本におけるスティール・ティップ・ダーツのトーナメントでは他の追随を許さない規模になっており、実質的に日本最高峰のトーナメントとなっている。

歴代のPDC ワールド・ダーツ・チャンピオンシップ日本人出場者は、以下の通りである[12][13]

歴代のPDC ワールド・ダーツ・チャンピオンシップ日本人出場者
年度 会場 出場選手 選手数 結果 日本人記録(テレビ中継中)
2004
(第11回)
サーカス・タヴァン 日本の旗サノトオル 48 ラスト48 WDC初参戦
2005
(第12回)
サーカス・タヴァン 日本の旗マツナガヤスヒコ 48 ラスト48
2006
(第13回)
サーカス・タヴァン 日本の旗マツナガヤスヒコ 64 ラスト64
2007
(第14回)
サーカス・タヴァン 日本の旗ワダテツヤ 64 ラスト64
2008
(第15回)
アレクサンドラ・パレス 日本の旗永川明広 68 ラスト68
2009
(第16回)
アレクサンドラ・パレス 日本の旗永川明広 70 ラスト70
2010
(第17回)
アレクサンドラ・パレス 日本の旗村松治樹 72 ラスト64 WDCでの初勝利
テレビ中継中での初勝利
2011
(第18回)
アレクサンドラ・パレス 日本の旗橋本守容 72 ラスト64
2012
(第19回)
アレクサンドラ・パレス 日本の旗村松治樹 72 ラスト64 初の対戦平均値90以上
2013
(第20回)
アレクサンドラ・パレス 日本の旗村松治樹 72 ラスト64

歴代のPDC ワールド・カップ・オヴ・ダーツ日本代表[編集]

歴代のPDC ワールド・カップ・オヴ・ダーツ日本代表は、以下の通りである[14]

歴代のPDC ワールド・カップ・オヴ・ダーツ日本代表
年度 開催地 出場選手 国数 結果 日本人記録(テレビ中継中)
2010
(第1回)
イングランドの旗 イングランド
タイン・アンド・ウィア
日本の旗村松治樹
日本の旗谷内太郎
24 ラスト24 初参戦
2012
(第2回)
ドイツの旗 ドイツ
ハンブルグ
日本の旗村松治樹
日本の旗橋本守容
24 ラスト24
2013[15]
(第3回)
ドイツの旗 ドイツ
ハンブルグ
日本の旗村松治樹
日本の旗勝見翔
24 準々決勝 初勝利、初準々決勝出場
初の対戦平均値100以上(村松)
PDC OoM2位のワールド・チャンピオン経験者(2回)に初勝利(勝見)

歴代のWDFワールドカップ日本代表[編集]

年度 開催地 出場選手
1977年(第1回) イギリス/ロンドン 江崎亨億三笠雅司加藤邦男ボブ・パーカ
1979年(第2回) アメリカ/ラスベガス 江崎亨億、青柳保之小宮久雄岡田信夫
1981年(第3回) ニュージーランド/ネルソン 江崎亨億、小宮久雄、岡田信夫、宮原時雄
1983年(第4回) スコットランド/エジンバラ 小宮久雄、谷田孝夫渡部紘士山本浩一郎岡田あおい佐々雪絵
1985年(第5回) オーストラリア/ブリスベン 谷田孝夫、キース・ワダップス、渡部紘士、小松原満小山陽子、岡田あおい
1987年(第6回) デンマーク/コペンハーゲン 渡部紘士、雄也エバンスルーベン・ロペス上総昌記小野聡子、岡田あおい
1989年(第7回) カナダ/トロント 渡部紘士、谷田孝夫、雄也エバンス、ルーベン・ロペス、小野聡子、野村律子
1991年(第8回) オランダ/ザンフォルツ 渡部紘士、雄也エバンス、佐野徹矢部菊一、岡田あおい、野村律子
1993年(第9回) アメリカ/ラスベガス 渡部紘士、金子敏明、矢部菊一、佐野徹、小山陽子、佐藤由恵
1995年(第10回) スイス/ベイズル 佐野徹、小森エイジ佐藤雅保、矢部菊一、西川ゆかり、野村律子
1997年(第11回) オーストラリア/パース 渡部紘士、小泉武夫、雄也エバンス、中野たかし、西川ゆかり、野村律子
1999年(第12回) 南アフリカ/ダーバン 渡部紘士、小野寺貞義鈴木浩小野勝康小泉みどり小野文枝
2001年(第13回) マレーシア 渡部紘士、平賀正弘、小野勝康、大久保重徳、西川ゆかり、小野文枝
2003年(第14回) フランス 渡部紘士、篠原直樹綱嶋良信竹山大輔、西川ゆかり、吉賀順子
2005年(第15回) 西オーストラリア 渡部紘士、竹山大輔、佐藤哲行谷内太郎、西川ゆかり、大内麻由美
2007年(第16回) オランダ 青木宏至、上総昌記、谷内太郎、木下望、大内麻由美、西川ゆかり
2009年(第17回) アメリカ/シャーロット 竹内淳赤松大輔、谷内太郎、青木宏至、大内麻由美、浅野ゆかり
2011年(第18回) アイルランド/キャッスルバー 清水浩明佃賢吾後藤卓也石田博生、大内真由美、大久保亜由美

主なダーツプレイヤー[編集]

海外男子
海外女子
国内男子
国内女子

出典・脚注[編集]

  1. ^ JSFD[ダーツボード]”. JSFD. 2009年9月6日閲覧。
  2. ^ JSFD[バレル]”. JSFD. 2009年9月6日閲覧。
  3. ^ JSFD[フライト]”. JSFD. 2009年9月6日閲覧。
  4. ^ さらに、二重の円全体をBULL、内側の円のみをBULLSEYEと呼ぶ用法や、内側の円をBULLSEYEと呼びその周辺の部分をBULLと呼ぶ用法もある。
  5. ^ JSFD[少し特殊なケース]”. JSFD. 2009年9月6日閲覧。
  6. ^ JSFD[基礎知識]”. JSFD. 2009年9月6日閲覧。
  7. ^ もっとも、1本のダーツを投じることを1スロウ、3本投じることを1ラウンドと解説される場合もある。
  8. ^ JSFD[各ゲームについて]”. JSFD. 2009年9月6日閲覧。
  9. ^ 例えば150をフィニッシュするとき、Double Outの場合、定石としてT20-T20-D15、T20-BULL-D20、T20-T18-D18、T19-T19-D18があげられる。Master Outの場合、勿論Double Outのように打っても良いが、BULL-BULL-BULLという方法のみが他に比べて圧倒的に難易度が低いため、実質的にプレイヤーはこの方法しか選択しない。
  10. ^ 例えば4のダブルに刺さった場合は、4×2となり、8までクリアしたものとされ、次のターゲットは9となる。
  11. ^ 仮に奇数であった場合には1を足した上で半減させる。
  12. ^ PDC World ChampionshipDarts Database
  13. ^ PDC World Japan Qualifying EventDarts Database
  14. ^ PDC World Cup of DartsDarts Database
  15. ^ Betfair World Cup of Darts - Quarter-Finals (2013)Professional Darts Corporation

関連項目[編集]

外部リンク[編集]