スケートリンク

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カナダWEMのスケートリンク
フィリピンSM Mall of Asiaにある国際オリンピックサイズのスケートリンク

スケートリンク: ice rink、または、(ice) skating rink)は、アイススケートをすることが可能な広さと丈夫さを持つ、水平が張られた平面、または、それを含む施設のこと。「銀盤」「アイススケートリンク」「スケート場」「スケートセンター」「アイスアリーナ」などとも呼ばれる。

語源[編集]

リンク(rink)は、スコットランド語で「コース」を意味する単語であり、カーリングをする場所の名前として使われていた。その後、この語は、他のスポーツやさまざまな用途の氷の張った場所に対して転用されるようになった[1]

概要[編集]

結氷した運河を利用したアイススケート場(カナダオタワリドー運河 - 世界文化遺産
天然氷のアイススケート場(スイスダボスVaillant Arena
製氷技術を用いる人工のスケート場の模式図。

アイススケートを実施するには、人が多数乗っても割れないほど丈夫で、摩擦が小さい平面が必要だが、冬季の気温が充分低くなって結氷する地域では、湖沼運河、あるいは、勾配が小さい河川が最も簡便にアイススケートに供されるスケートリンクとなる。湖沼等が結氷しない地域でも、ある程度の広さをもった水平の陸上(学校の校庭・河川敷・田畑など)に冬季に水をまいて氷を張り、スケートリンクとして使用される。

製氷技術を使って人工のスケートリンクを設置する場合は、冷凍機につないだ冷却管(ブライン管)を敷き詰めて水を張り、冷凍機で氷点以下に冷却した冷却水を循環させて氷を張る(冷却水は凝固点降下によって氷点以下でも氷結しない)。

近年は、滑走可能なほど摩擦が小さいプラスチック素材を使って、氷以外でスケートリンクを造る技術もある。

一般にレジャーとしてのアイススケートの参加人口が増加するのは冬季であるため、野外型のスケートリンクは需要と供給が合った施設となるが、屋内型は夏季の利用者減少が営業上の問題となる。また、屋内型は夏季の外気温の高さや電気料金の設定などにより、最も暑い時期のランニングコストが冬季に比べて数倍になる地域もある。そのため、屋内型は夏季にランニングコストがより低くて参加人口の多いプール体育館等に転用し、冬季に再びスケートリンクに戻すことを毎年繰り返す施設も多い。逆に、通常は体育館や展示会場として使用し、競技会のときのみ冷却管を敷き詰めてスケートリンクを設置する例も見られる。野外型のスケートリンクでも、夏季は運動場として利用する例も見られる。なお、亜熱帯地方などでは、夏季の外気温の高さから逃れるために、涼しい屋内スケートリンクを利用する者もいるため、夏季のアイススケート参加人口が極端には減らないとの説明もある。

スケートリンクはアイススケート競技での利用を考えて、想定される競技に合った規格で建設される例がよく見られる。スケートリンクで実施される競技として、アイスホッケーバンディリンクバンディリンゲットスピードスケートフィギュアスケートアイスストックスポーツ長靴ホッケーカーリングがある。

種類[編集]

レジャー用[編集]

特に決まった規格はなく、開設場所の事情に合わせて設置される。校庭などの土の上に水をまいてリンクをつくる場合は水平をつくるのが難しいため、あらかじめコンクリート等でリンクの大きさの水平面をつくり、その上に水をまく方法もある。

競技用[編集]

種目 リンク模式図 規格
スピード
スケート
Speedskating rink 400 meters with dimensions.svg 野外、屋内、または室内において、1周が最大400m~最小333と1/3mで、ダブルレーンを備え、2つの180度のカーブを持ったトラックが使用される[2]。カーブの内側半径は25m~26m、レーンの幅は内側が4m、外側が4m以上[2]
ショート
トラック
スピード
スケート
Shorttrack diagram.png 屋根付きの閉ざされた室内(要暖房設備)にある60m×30m以上の広さのリンクにおいて、1周が111.12mの楕円形トラックをつくって使用する[2]
アイス
ホッケー
HockeyRink-Zones.png 国際規格では最大61m×30m、最小56m×26m[2]NHLで使用される北米規格は、200フィート(約61m)×85フィート(約26m)。詳細は「ホッケーリンク」参照。
フィギュア
スケート
国際規格では最大60m×30m、最小56m×26m[2]
カーリング Curlingsheet flip.svg カーリングを参照。
バンディ Bandy pitch metric.svg バンディを参照。

日本のスケートリンク[編集]

Nuvola apps kview.svg 地図外部リンク
日本国内のアイススケート場
Searchtool.svg 現在営業中(通年&季節限定)
Searchtool.svg 閉鎖されたリンク
地図の不具合を報告

第二次世界大戦前は、大正時代末期に大阪の市岡パラダイス内に日本初の人工のスケートリンク「北極館」ができた[3]が、全国的には数が少なかった。一般的には冬季に湖水・池水の自然氷を利用して天然のリンクとして滑走したが、天候、氷の厚さ、氷の良し悪しに左右されることが多かった。しかし、第二次世界大戦後、特に高度経済成長期に人工のスケートリンクが急速に増加したことで、天候に大きく左右されるということは少なくなった。同時にスピードスケートにおいては記録の飛躍的な向上につながった。

文部科学省の社会生活基本調査[4]によれば、屋内リンクの設置箇所数は1969年には122、1985年には268、1996年には127あったが、年々減少し2008年には96箇所にまで減った。屋外リンクは1969年には270、1985年には672、1996年には278あったが、年々減少し、2008年には115箇所になった。冬季オリンピックが行われるたびに一時的に脚光を浴びるが、すぐに廃れてしまうのを繰り返している。

競技面からいえば、練習場所が少なくなるのは死活問題である。また、通年利用できる400mトラックのリンクがないため、日本国内の選手は、夏期の練習は海外に行かなければいけないのが難点であるが、2009年9月には北海道帯広市に屋内に400mトラックリンクを有する明治北海道十勝オーバルが完成し、翌年からは7月中旬にはリンクの使用を開始し、日本国内のスピードスケート競技者が夏期の練習を行う拠点になりつつある。

また関西大学の「関西大学アイスアリーナ」や中京大学の「中京大学オーロラリンク」のように大学が独自のスケートリンクを建設した例もある。

主なスケートリンク[編集]

400mトラック[編集]

スピードスケートに使用される。

ホッケーリンク[編集]

ホッケーリンクは、アイスホッケーのほか、ショートトラックスピードスケートフィギュアスケートに使用される規格であり、カーリングに対応している場合もある。多数あるので、通年で営業しているリンク[5]のみ以下に列挙する。ここで言う通年営業は、週1回程度の定休日で1年中営業日を設けているという意味である。以下の中には、一般利用と貸切使用を合わせて、1年中24時間営業をしている施設もある。

  • サイズ:メインリンクのサイズ。縦(m)×横(m)。
  • 通年化:通年営業になった年。ただし、不明の場合は開設年。通年化した後、運営者が変更になったり、営業中断期間があったり、旧施設を解体・新設したりしている場合あり。
  • 中京大学および関西大学の施設は、大学関係者および競技者の専用施設。一般開放日が設定される場合あり。
日本国内の通年営業のスケートリンク(2014年2月時点)
地方 都道府県 都市 施設名 位置 サイズ 通年化
北海道 北海道 札幌市 札幌市月寒体育館 地図 60 × 30 1971年
江守記念星置スケート場 地図 60 × 30 1985年
釧路市 大進スケートセンター 地図 56 × 26 1984年
泊村 泊村アイスセンター「とまリンク」 地図 60 × 30 1998年
東北 宮城県 仙台市 アイスリンク仙台 地図 56 × 26 1988年
関東 埼玉県 川越市 川越スケートセンター 地図 57 × 26 1978年
千葉県 千葉市 アクアリンクちば 地図 60 × 30 2005年
東京都 新宿区 シチズンプラザ アイススケートリンク 地図 60 × 30 1975年
明治神宮外苑アイススケート場 地図 60 × 30 1963年
東大和市 東大和スケートセンター 地図 60 × 30 1993年
西東京市 ダイドードリンコアイスアリーナ 地図 60 × 30 1984年
神奈川県 横浜市 神奈川スケートリンク[6][7] 地図 54 × 27 1961年
新横浜スケートセンター 地図 60 × 30 1990年
中部 新潟県 新潟市 新潟アサヒアレックスアイスアリーナ 地図 60 × 30 2014年
長野県 軽井沢町 軽井沢風越公園アイスアリーナ 地図 60 × 30 2009年
愛知県 名古屋市 名古屋スポーツセンター(大須スケートリンク) 地図 56 × 26 1953年
邦和スポーツランド みなとアイスリンク 地図 60 × 30 1981年
豊田市 中京大学アイスアリーナ「オーロラリンク」 地図 60 × 30 2007年
長久手市 愛・地球博記念公園アイススケート場 地図 60 × 30 2006年
近畿 大阪府 大阪市 浪速スポーツセンター アイススケート場 地図 60 × 30 2005年
高槻市 関西大学アイスアリーナ 地図 60 × 30 2006年
守口市 守口スポーツプラザVIVAスケート 地図 2006年
高石市 大阪府立臨海スポーツセンター アイススケート場 地図 59 × 27 1991年
兵庫県 西宮市 ひょうご西宮アイスアリーナ 地図 60 × 30 2013年
中国 岡山県 岡山市 岡山国際スケートリンク 地図 60 × 30 1995年
四国 -
九州 福岡県 福岡市 パピオアイスアリーナ 地図 60 × 30 1991年
久留米市 スポガ久留米 アイススケートリンク 地図 56 × 28 1967年
飯塚市 飯塚アイスパレス 地図 60 × 30 1985年
沖縄県 南風原町 スポーツワールドサザンヒル アイスアリーナ 地図 58 × 28 1997年
開業予定[編集]
日本国内に開業予定の通年営業のスケートリンク(2014年2月時点)
地方 都市 施設名 位置 サイズ 備考
東北 岩手県 盛岡市 盛岡市営リンク(新設予定)[8][9][※ 1] 地図 60 × 30 2015年夏開業予定
関東 埼玉県 上尾市 さいたま上尾アイスアリーナ(仮称)[10] 地図 60 × 30 2014年10月開業予定
神奈川県 横浜市 神奈川スケートリンク代替施設
(旧横浜総合高体育館)[11]
地図 建替期間の使用

カーリング場[編集]

カーリングでは霧状の蒸留水を散布して、「ペブル」と呼ばれる微細な氷の突起をリンク上につくる。他の氷上競技ではリンク上をより平滑にするための製氷が行われるため、「ペブル」は邪魔なものとなる。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 2016年 希望郷いわて国体の冬季氷上競技開催に合わせて、60m×30mのメインリンクとカーリング場を備えた通年営業のリンクを新設。一方、隣接する盛岡市アイスアリーナ(冬季アイススケート営業)は、スケートリンクとしての使用を廃止し、体育館に転用。

出典[編集]

  1. ^ Redmond, Gerald (1982). The sporting Scots of nineteenth-century Canada. Toronto, Ontario: Associated University Presses Inc.. p. 271. ISBN 0-8386-3069-3. 
  2. ^ a b c d e 「第71 回国民体育大会競技施設基準」の改定(案) (PDF) (希望郷いわて国体・希望郷いわて大会実行委員会)
  3. ^ 『日本のスケート発達史 ―スピード・フィギュア・ホッケー―』 ベースボール・マガジン社、124p、1981年。
  4. ^ 総務省統計局(1969・1985・1996):「社会生活基本調査」。調査種別・施設種別体育・スポーツ施設設置箇所数より抜粋。
  5. ^ 全国の通年型スケートリンク一覧 (PDF) (新潟市)
  6. ^ 神奈川スケートリンクの再整備について (PDF) (横浜市)
  7. ^ 神奈川スケートリンク再整備の事業者募集について(公益財団法人横浜市体育協会)
  8. ^ 生涯スポーツ施設整備事業 (PDF) (盛岡市)
  9. ^ カーリング場、盛岡常設 15年夏開設 通年練習可河北新報 2014年2月24日)
  10. ^ 上尾にアイスアリーナ 国際規格の屋内リンク、14年10月開設埼玉新聞 2013年9月20日)
  11. ^ 旧高校体育館に代替、神奈川スケートリンク再整備期間/横浜神奈川新聞 2014年3月5日)

外部リンク[編集]