モルック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
モルックをプレーする様子

モルック : Mölkkyフィンランド語発音: [ˈmølkky])は、フィンランド発祥の投擲競技である。

概要[編集]

1996年にLahden Paikka社(以前の社名はTuoterengas)によって考案された。カレリア地方発祥の数百年の歴史を持つ投擲競技キイッカ英語版(kyykkä)を連想させる。

しかしながら、モルックはキイッカほど肉体的な強さを必要とせず、年齢や健康状態にかかわらず全ての人々により適している。モルックは特別な道具を必要とせず、運と技術の組み合わせが成功の基礎である。

Lahden Paikka社はフィンランドで20万セットをこれまで販売した。現在は版権はTactic社に移譲され、Tactic社が製造販売を行っている。

ルール[編集]

モルックとスキットル

プレイヤーは木製のピン(「モルック」と呼ばれる)を使って、木製のピン(「スキットル」と呼ばれる)を倒そうとする。

新しいゲームのためのピンの配置

標的のピンと投げるピンの寸法はほとんど同じであり、標的のピンには1から12までの数字が印されている。標的ピンは最初は投擲場所から3–4メートル離れた位置に寄せ集めて立てられる。配置は横1列目が1/2、2列目が3/10/4、3列目が5/11/12/6、4列目が7/9/8である。

ピンを1本倒すとピンに書かれた数字と同じ点数が得られる。2本以上のピンを倒すと、倒したピンの数と同じ点数が得られる(例えば3本倒すと3点)。投げたピン(モルック)あるいは数字が書かれたピンに寄り掛っているピンは点数とならない(倒れ、地面に完全に着地していなければ点数として数えない)。毎投擲後、ピンは倒れて移動した位置で再び立てられる。

最初に点数が50点ちょうどになったプレイヤーが勝者となる。50点を超えてしまうと、点数は25点に戻る。3回連続で標的のピンに1つも当たらなければ失格となる。

組織と大会[編集]

2016年モルック世界選手権

モルックのフィンランド選手権は1997年から南部タヴァスティア(英語版)のユースクラブを中心にラハティで開かれていた。

また、タンペレ工科大学の学生が2001年にモルックの大学世界選手権を組織した。競技とそのサブカルチャーを振興するため、フィンランド国際モルック協会(FIMA)が2001年に結成され、モルック世界大会の開催が始まった。

現在は国際モルック連盟(IMO)が毎年モルック世界大会を主催し、2016年以降はフィンランド国外でも開催されるようになった。

2010年と2011年にオーストラリア選手権が開催された。

アメリカ合衆国では、モルックUSAとUSモルック協会が2014年以降米国大会を認可し、毎年米国チャンピオンを発表している。

日本での普及[編集]

日本大会は2014年から毎年開催されている[1]

日本モルック協会によると、2011年に協会が設立された時点での日本における競技人口は100人未満だった[2]

2019年にお笑い芸人の森田哲矢さらば青春の光)らが、モルックの日本代表としてフランスで行われた世界大会に出場し[3]、メディアでPRしたことをきっかけに競技人口が増え、2018年時点では約1,000人であったのが、2020年時点では5,000~8,000人まで増加している[2]

2021年6月にさらば青春の光森田哲矢と俳優の植田圭輔が日本モルック協会の公式アンバサダーに就任した[4]

モルックを題材とした作品[編集]

テレビ番組[編集]

ウェブ番組[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 2019年は台風接近のため、2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催中止。
  2. ^ a b 北欧生まれの新競技 さらば青春の光・森田さんで注目”. 朝日新聞デジタル (2020年6月26日). 2021年2月17日閲覧。
  3. ^ モルック日本代表のさらば青春の光・森田、いざ世界へ!仏へ出発”. サンスポ.com (2019年8月15日). 2021年2月17日閲覧。
  4. ^ さらば森田が日本モルック協会の公式アンバサダー就任、意外とまだなっていなかった”. お笑いナタリー. 2021年6月17日閲覧。

外部リンク[編集]