クラヴ・マガ
| クラヴ・マガ
(קרב מגע)
|
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|---|---|
| 競技形式 | 競技なし(近接格闘術・逮捕術・護身術) |
| 発生国 | |
| 発生年 | 20世紀前半 |
| 創始者 | イミ・リヒテンフェルド |
| 源流 | ストリートファイト |
クラヴ・マガ(英語:Krav Maga、ヘブライ語:קרב מגע)は、20世紀前半、イスラエルで考案された近接格闘術で、様々なイスラエル保安部隊に採用されることで洗練され、現在、世界中の軍・警察関係者や一般市民にも広まっている。一般市民向けのコースでは、軍・警察関係者向けに教えられている殺人術は除外する形で、武道の一環として護身術に重点を置いたレッスンが提供されている。
目次 |
[編集] 名前の由来
名前中、マガ(מגע)は「接近」「接触」、クラヴ(קרב)は「戦闘」を意味する。このため、直訳するとかえって混乱を招きかねないので、ヘブライ語のままクラヴ・マガと呼ばれる。
なお、クラヴ・マガはもともとカパップ(ヘブライ語:קפ"פ Kapap Krav Panim El Panimの省略。白兵戦の意)と呼ばれていた。
[編集] クラヴ・マガの商標登録問題
クラヴマガ・ジャパンの松元國士は、国際クラヴマガ協会・日本総支部として活動していた2002年8月に、国際クラヴマガ協会の会長エヤル・ヤニロブ[1]と連名で「クラヴ・マガ」の名称を商標登録している(松本國士は2003年10月にクラヴマガ・ワールドワイドと提携)。
クラヴ・マガは、国際的な統括団体が複数存在する、世界的に広まっている護身術であるが、上記のように「クラヴ・マガ」の名称が商標登録されているため、少なからずトラブルが発生している。
まず、松元國士は、『イスラエル軍式護身術 クラブマガ入門』(イミ スデ・オー、エヤル・ヤニロブ共著、原書房、2001年)の監修者である、横山雅始[2]のクラヴ・マガの関連の肩書きを消去するようにと出版社やマスコミ、武道関係者[3]に要求。
その後、松元國士は、日本でクラヴ・マガを指導している、アヴィ・マザルトとボアズ・ハガイに対して、クラヴ・マガの名称を使用しないよう文書を送っている[4]。そのため、アヴィ・マザルトは「IKMF クラヴ・マガ」、ボアズ・ハガイは「K.M.」や「Imi Krav maga ve Hagana astsmit」の名称を使用して教室を開いている。
[編集] 歴史
[編集] イミ・リヒテンフェルド & イミ システム
クラヴ・マガの原型となる仕組みは、1930年代、ハンガリー生まれスロバキア育ちのユダヤ人、イミ・リヒテンフェルド[5]によって、ハンガリーとチェコスロバキアにおいて考案された。イミはボクシング、レスリング、体操など様々な競技においてヨーロッパチャンピオンのタイトルを手にした、生まれながらのアスリートだった。また、警察官の父親がおり、彼も他の警察官に戦闘・護身技術を指導するほどの、すぐれた能力の持ち主だった。イミは、そんな父から直接、実戦に即したストリートファイトを学び、当時紛争状態にあった東ヨーロッパのなかで生き延び、同時に数々の仲間の命を救った。この仕組みは体系化され、ブラチスラヴァ在住のユダヤ人らに、ファシズム信奉者の暴漢らに対する防衛手段として教えられた。
イミは、イスラエル建国前にイギリス委任統治領パレスチナに移り住み、ここでユダヤ人民兵組織ハガナーに近接戦闘術を教え始めた。イスラエル建国後は、クラヴ・マガとはイスラエル軍・警察に教えられる近接格闘術を指す一般名詞を意味していた。イスラエル移住後、イミは自らの姓をヘブライ語に訳し、スデ=オーと名乗った。イミは、クラヴ・マガの教官として勤めていたイスラエル軍から退職した後は、一般市民への指導を開始した。こうして、一般的に知られる護身術としてのクラヴ・マガが発達したのである。
[編集] イスラエル国外への普及
1980年、クラヴ・マガのエキスパートはイスラエルに住んでいた。イスラエル人のクラヴ・マガ エキスパートとアメリカ在住でクラヴ・マガに興味を持つ候補生との間にて交流が始まった年とされている。
1981年、6人のクラヴ・マガ インストラクターの一団は、主にユダヤ人のコミュニティセンターにてクラヴ・マガのテクニックのデモンストレーションを実施するために渡米した。このことが、順々にニューヨークのFBI支局やFBIの主なトレーニングセンターでのデモンストレーション実施に至った。その結果、1981年夏、基本クラヴ・マガ インストラクターコースに参加するために、アメリカからイスラエルへ22人が訪問する結果となった。そのコースの卒業生がアメリカへ帰国し、それぞれの地元でトレーニングセンターを立ち上げ創めた。
追加の候補生が1984年にイスラエルを訪問し、インストラクターになるために再び1986年に訪問した。同時期、イスラエルからのインストラクターが訪米を重ねていた。
1985年よりアメリカの警察関係者向けのトレーニングが開始した。
[編集] 創始者の死後
イミの死去後、多数の流派・協会が世界中で誕生した。誰がイミの真の後継者か、『クラヴ・マガ』という表現が特定の武術を指すのか、もしくはボクシングのように『クラヴ・マガ』という表現は商標登録されていないなど激しい論争が続いているが、現在、一般的に10の主流クラヴマガ統括団体が認められている。
[編集] トレーニング
[編集] 基本理念
クラヴ・マガにおいては、柔道や空手などの規則が確立されているスポーツに対して、そういったものは存在しないため、競技として大会が行われることはない。クラヴ・マガはむしろ、実生活で起こりうる状況の中で最高の効率性を発揮することに重点を置いている。また一般的に、学習者にとって不利な状況を想定しており、股間への攻撃、頭突きなど、効率的で相手に最大のダメージを与えることを念頭においている。
クラヴ・マガのテクニックにおける基本行動理念は、
- 脅威の排除
- 怪我の防止
- 防御から攻撃への素早い転換
- 反射神経の利用
- ダメージを受けやすい部分を狙うこと
- 近くにある道具や物体の利用
である。
基本的には、相手の最初の攻撃に対処し、次の攻撃を予防し、そして相手を制圧することを、緊迫した状況下で正確に行うことである。中でも、攻撃を仕掛ける相手から、いかに早く主導権を奪うかということが最も重要視されている。
[編集] テクニック
クラヴ・マガは、人間が本能的にもっている条件反射を動きに取り入れており、いざという時に、身体が自然に護身の動きとして反応するという特徴を持っている。その首尾一貫した合理的な考え方により、短期間の訓練で性別、年齢、体格、体力を問わず、誰でも高いレベルの護身スキルの取得を可能とするとされている。
サバットやキックボクシング、ムエタイ(蹴り、パンチの技術)また柔術や柔道、レスリング(身のこなしの技術)などとも共通点を持っているものの、訓練法はこれらと異なっており、不利な状況での護身を重要視している。実戦を徹底的に意識しており、敵は必ずしも素手ではなく、ナイフや拳銃などの凶器を保持しているケースも想定して訓練を実施している。また、敵が一人とも限らないため、複数の相手を想定した訓練も実施している。
訓練はエアロビクスと、敵に見立てたパッドを多用するのが特色である。これにより、訓練を受ける者は手加減なしで反撃の練習が可能だし、パッドを保持する側もクラヴ・マガの効果を、反撃される者の立場で体感することができる。そのため、パッドを保持する者も、攻撃を加える者と同じくらい激しい運動をしたことになるという。
人間は不意に襲われたときはパニック状態に陥り、思考能力が急激に低下するため、訓練においては、ラウドスピーカー、ストロボスコープ、霧発生器といった装置を導入し、生徒が周囲の状況に余計に迷わされず、敵にダメージを与えることに集中するよう指導することもある。また身体や言葉を使い、実力行使をせざるを得ない状況に入ることを防ぐ方法が教えられることもある。
一般的なクラヴ・マガのトレーニングセンターでは、訓練は約1時間で、エアロビクスと護身術を組み合わせた指導が行われるが、難度が上がるにつれ次第にエアロビクスよりも護身法に重点が移される。まず、指導員は心拍数を上げるための激しい運動を行わせる。そしてストレッチを行った後、いくつかの護身法が教えられる。この中では、まず相手にダメージを与える方法(パンチ、蹴りなど)または身のこなしの技術(相手の制圧下からの抜け出し方など)が指導され、その後にこれらの技術とエアロビクスを組み合わせた指導がされる。最後に、生徒をバーンアウトさせて終了するが、これは訓練の最初に実施されることもある。
[編集] 書籍
- 『イスラエル軍式護身術 クラブマガ入門』 イミ スデ・オー、エヤル・ヤニロブ共著(原書房、2001年)
- 『戦慄!最強戦闘術―戦いのプロだけが知る制敵の秘技』アヴィ・マザルト(東邦出版、2007年)
- 『クラヴマガ・ダイエット―最強しなやか美人になる!』アヴィ・マザルト(東邦出版、2008年)
[編集] DVD
- 『ナイフで殺されないために』 アヴィ・マザルト(フルコム、2009年)
[編集] 採用例
イスラエルでは、イスラエル国防軍や警察、特殊部隊、イスラエル諜報特務庁でクラヴ・マガが採用されており、イスラエル国外でも、CIA、FBI、スカイマーシャル、SWAT、GIGN、イラン警察、ブラジル警察などがクラヴ・マガを導入している。
また、1964年にイスラエル国防軍を退職した、創始者イミは一般市民へのクラヴ・マガの指導を始めたため、現在のイスラエルでは、小学校から高校までに及ぶ国立の指導要領に加え、ウィンゲート・インスティテュートと呼ばれる体育学校、またイスラエル・スポーツ・教育省管轄下のすべての人にも指導されている。また、イスラエル国外でも、アメリカ合衆国、カナダ、ブラジル、イギリス、アイルランド、フランス、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、ドイツ、オーストリア、スイス、ベルギー、オランダ、ロシア、イタリア、ポーランド、タイ、オーストラリア、ハンガリー、デンマーク、ニュージーランド、インドなどで、一般市民に教えられている。
[編集] 掲載メディア
[編集] 出典
[編集] 外部リンク
[編集] 関連項目
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