システマ (格闘技)

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システマ
Система
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競技形式 競技は無し
使用武器 軍隊格闘術護身術
発生国 Flag of Russia.svg ロシア
発生年 20世紀前半
創始者 ミハイル・リャブコ
源流 白兵戦
  

システマロシア語:Система; Systema)は、ロシア武術軍隊格闘術近代戦における様々な状況を想定した実戦的格闘術として、近年注目を集めている。なお、その歴史的背景と技術的特徴から、一般向けのセミナーでは護身術として整備されたプログラムを用いて指導されている。そのため現段階では競技格闘技ではない。

歴史[編集]

システマはソビエト連邦の独裁者ヨシフ・スターリンのボディーガードから教わったミハイル・リャブコ(en:Mikhail Ryabko)によって創設された。

1990年代初頭のソ連崩壊に伴い、かつては謎に包まれていた数々のロシア武術の全容が次々と明らかにされていった。その中の一つが元ロシア軍特殊部隊員ミハイル・リャブコによって公開されたシステマである。リャブコはスペツナズに所属したのち多数の特殊部隊の戦略的顧問を歴任、現在はロシア法務大臣補佐官を務めている。システマはリャブコ自身が体験した戦闘、人質奪還、武装解除、カウンターテロ作戦など数多くの実戦の中で得たノウハウから構築されているという。現在システマはロシアの特殊部隊[1]ロシア連邦保安庁など様々な機関が導入している[2]

概要[編集]

徹底した構えの脱力とスピーディかつ柔らかな動作が特徴。その形態からロシアの合気道と呼ばれることがあるが、システマはリャブコ家に家伝として伝わっていたロシアの伝統武術を源流としている[3]

ナイフ棍棒拳銃突撃銃などの武器に関する攻防技術が多く盛り込まれている。これはロシア伝統武術全般の共通理念である全局面戦闘、白兵戦における生存性の向上などを色濃く受け継いだものと思われる。

現在、システマはロシア以外にもアメリカ合衆国イギリスフランスドイツセルビアなど各国に普及が進んでいる。日本では2005年に公式ジムである「システマジャパン」が設立された。一般向けのセミナーでは殺人術などの軍事・警察関連機関向けの戦闘術は指導・公開されていない。

基本原則[編集]

システマでは個別の技よりも、身体の使い方の原理を習得することに重点が置かれている。特に以下の4つが、システマ的な身体の使い方の基本原則であるとされる。

  • Keep breathing (呼吸し続ける)
  • Stay relaxed (リラックスを保つ)
  • Keep straight posture (姿勢を真っ直ぐ保つ)
  • Keep moving (移動し続ける)

DVD[編集]

  • 『ロシア武術システマ「HAND to HAND【接近戦】」日本語版』システマジャパン ASIN: B000WPEIEW
ヴラデミア・ヴァシリエフによる基礎概念の解説

システマが登場する作品[編集]

漫画[編集]

  • ディアスポリス 異邦警察 - スペツナズ出身の元軍人、ユーリが使用。主人公久保塚は、ユーリからシステマを習得する。
  • アクメツ - 主人公アクメツの使う武術として登場。
  • TOUGH - ロシアの逃亡軍人ミハイルが使用。主人公とその父親の流派、灘神影流と同じ身体操法を使う武術であるとされる。
  • 嘘喰い - レーシィ船長の部下、ヴォジャが使用。蜂名と対峙した際、『変な動き』扱いを受ける。

小説[編集]

  • ヤングガン・カルナバル ロシアン・マフィア「ヴェルシーナ」の女性ヤングガン(若い殺し屋)、タチアナはシステマの達人という設定である。

アニメ[編集]

  • ハヤテのごとく! CAN'T TAKE MY EYES OFF YOU - 主人公ナギの妹を名乗るツグミ・ルリが操る。殴られた相手がきりもみ状に回転して派手に吹っ飛ぶ等アニメ的な誇張表現が多い。前傾姿勢で両手を後ろに上げて走る、両手を開いて腕をくねらせた奇妙な構え、掌を使った打撃が多い等、実際の動きとはだいぶ異なる。「拳を下向きに打つ」「打撃は軽いが骨に直接ダメージを与える」などの間違った解説が入る。

ゲーム[編集]

脚注[編集]

  1. ^ ロシアの場合、連邦軍内務省国内軍、諜報機関、治安組織だけでなく中央省庁が保有する特殊部隊やチェチェン人特殊部隊など、数多くの特殊部隊が存在するため(「スペツナズ」は特殊部隊という意味で、特定の部隊の名称ではない)、システマが採用されている部隊の範囲は判別しがたい。(装備や訓練も異なる、これら全ての特殊部隊で採用されているとは考えにくい)
  2. ^ ロシア連邦保安庁(FSB)の特殊部隊(FSBスペツナズ)や政府機関のボディーガード、警察官のセキュリティにも導入されている事などが公表されている。詳しくは外部リンク[1]を参照。
  3. ^ 北川貴英『システマ入門』BABジャパン、2011年、14頁。ISBN 978-4-86220-578-0

関連項目[編集]

外部リンク[編集]