撃術

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北朝鮮の兵士。

撃術(げきじゅつ、朝鮮語 격술、キョクスル、gyeok sul)とは朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)で訓練されている近接格闘術主体撃術(しゅたいげきじゅつ)ともいう。

概要[編集]

北朝鮮では人民軍だけでなく、諜報機関などでも訓練されている。元朝鮮労働党作戦部工作員安明進によると、その訓練は太いで体を打つ、コンクリートで作った打撃台を打つなど過酷なもので、死者が出ることもあるという。

1980年代には、「命令-027号」という映画をきっかけとして若者の間で流行した。映画の内容は北朝鮮の特殊部隊韓国に潜入して諜報活動をするというものであるが、娯楽の少ない北朝鮮では映画の影響は大きく、映画の登場人物が使う撃術や投擲術が若者に大流行する事となった[要出典]。北朝鮮の中でも、上陸工作の時に工作員を護衛する「案内員」と呼ばれる工作員や、朝鮮人民軍総参謀部偵察局所属24偵察大隊(平壌に駐屯。平壌の緊急時に出動する)には撃術の優れた遣い手が多いとされる。

朝鮮中央テレビでは、しばしば北朝鮮の軍人たちが撃術のを演武する様子が放映されている。また、北朝鮮系のインターネットサイトでも、YouTube等に演武の映像を配信している。

また旧ワルシャワ条約機構諸国の軍隊でも撃術が導入・教育されたケースがある。例えばドイツ民主共和国(東ドイツ)の国家人民軍では1988年に採用され、朝鮮人民軍から教官が派遣されている。国によってはアルファベット表記が Gjogsul、Gyeoksul、Kyŏksul、Kyuksul など一定していない。

技術[編集]

複数の敵を想定し、短剣鈍器武器として使用することがある。による打撃技が基本であり、空手テコンドーに近い武術といわれている。由来は公式には明らかにされていないが、以下のような武術、格闘技が元になっているといわれる。

韓武館空手
指導者が朝鮮半島出身。大山倍達なども属した。所属していた門下生が北朝鮮に渡り撃術を創始したという。
拳道会空手
総師の中村日出夫が平壌出身であり、朝鮮総連関係者にも教授している。
ITFテコンドー
テコンドー創始者の崔泓熙朴正煕大統領と対立して亡命し、後に北朝鮮に渡りテコンドーの師範を養成した。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]