修斗

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修斗(しゅうと、: Shooto)は、1984年佐山聡が創始した格闘技。現在では総合格闘技のひとつ。打撃と組み技の高いレベルでの融合を理想とし、これを「打投極(だ、とう、きょく)」と表す。

歴史[編集]

修斗の歴史は、1984年に前年、新日本プロレスを退団した元タイガーマスク=佐山聡が自らの格闘技理論の研究、実践のために「タイガージム」(後にスーパータイガージムに改称)を開設したことに始まる。ここでの格闘技は、初期の新格闘技という名称を経てプロレス隠語であるシュートからシューティングと呼ばれたが、射撃競技との混同を避ける等の理由から、のちに「斗いを修める(たたかいをおさめる)」という意が当てられ修斗という名称となった。

当時、関節技などのサブミッションホールドプロレスにおける裏技的なものであり、プロでも「技は教えてもらうものではなく盗むもの」という風潮があり、やられることによって逃げ方を覚え、後輩にかけて覚えるという感じで技術体系が確立されていなかった。しかし、佐山はそのプロの技を一つ一つ言葉で説明して体で実践して生徒(素人)に教えた。これが現在の総合格闘技の源となっており、この佐山の大きな心がなければ現在の格闘技は存在し得なかった。

初期には技術の体系化の他、専用のヘッドギアオープンフィンガーグローブ等の開発が行われた。また、普及や運営に際してスポーツ武道の精神が導入され、特に重要視された。その後、競技人口の増加にともない1987年に修斗協会が設立され、1989年5月18日にプロ第一戦「初代チャンピオンシリーズPART1」が行われた。1996年には修斗コミッションが設立された。

1996年に佐山聡が一切の運営から身を引くものの、この頃から2000年頃までは佐藤ルミナ桜井"マッハ"速人宇野薫らがファッションサブカルチャーの分野で取り上げられ人気を博した。一方で総合格闘技の隆盛とともに、有力なプロ選手が修斗を採用しない団体へ活動の場を移すことが多くなっていった。この傾向は現在も続いており、タイトルの返上やタイトルマッチの延期など影響が表れている。

1999年に興行運営会社として株式会社サステインを設立。以降、都内におけるプロ修斗興行のほとんどを同社が主催に当たる(東京以外では地元プロモーター主催となるが、サステイン主催あるいは共催となる興行もある)。

2003年、「インターナショナル修斗コミッション」設立。ランキングが世界、環太平洋、欧州、米大陸に分かれる。

現在も修斗の普及は進んでおり、1994年より年1回行われている全日本アマチュア修斗選手権をはじめとして、アマチュアの大会が日本全国各地で行われるようになっている。また、日本国外への普及も進み、各地域で公式な団体による大会が開催されるようになった。2005年に各地区で公式タイトルの運用が始まり、プロ選手が来日することなく実績を上げる例が増えるようになっている。同様にアマチュアの大会も整備が進められ、2006年にはヨーロッパ選手権が開催され、2009年に創立20周年を迎えた。

2010年末に一部ジム関係者より指摘された経営不透明、理事選出不透明、納税の不徹底などの問題からはじまった混乱は、2011年8月5日、ISC(インターナショナル修斗コミッション)コミッショナーである浦田昇が、混乱収束のため同日付で日本修斗協会全理事並びに役員を罷免し、理事会の解散を命じた。今後、日本修斗協会はISCの管理下に置き、日本修斗協会の運営は浦田の裁定で行われることになり、アマチュア大会、新人王トーナメントの実施などは、必要に応じて運営実行委員会を組織し、その組織によって運営することとなった[1]

2012年10月1日、一般社団法人化。

2014年1月16日、コミッショナーであり一般社団法人化した日本修斗協会の会長も務めていた浦田昇が死去する。

修斗の理念[編集]

佐山聡が修斗に携わる者の心構えとして説いたもの。

打てという「打」ではなく
投げろという「投」ではなく
極めろという「極」ではない
また単に打投極を総合的に斗えばいいというものでもない
自然なる斗いの流れの中での技術が途切れなく連係し
なめらかに回転することが修斗の姿である
そして斗いを修めていく修斗の思想が競技者を人格的に正しく導く
修斗によって斗いのなかから人格形成が成される
それこそが修斗の理念である
礼に始まり礼に終わる
礼の姿勢こそが修斗の基本姿勢であり
自然に礼を発せられることが修斗体得の第一歩である

技術[編集]

修斗で用いられる技術は、現在では総合格闘技と同様である。パンチキックなどの打撃、または関節技絞め技をもって相手を制するのを狙い、それを行いやすい有利な状態を作り出すためにテイクダウンポジショニングの技術が用いられる。

試合形式・ルール[編集]

国や地域によって異なる場合もあるが、選手の技術レベルや実績によりクラス分けされ、それぞれのクラスにルールや試合形式が設定されている。プロアマ共通の事項として、マウスピースファウルカップオープンフィンガーグローブの着用義務があげられる。ルール面では頭突き掌底打ち肘打ち等が反則行為となる。また、選手がダウンした場合はレフェリーが10カウント以内に続行を確認できるまでカウントを行い、その間相手の選手はニュートラルコーナーで待機させられる。このダウンカウント方式はアマチュアでは継続されたが、プロでは2009年から廃止され、打撃のダウン後も試合は続行されるようにルールが変更された。

プロ[編集]

試合は全てリングで行われ、1ラウンド5分、ラウンド間に1分のインターバルという形式で行われる。選手は実績によりクラスAとクラスBというカテゴリーに属し、クラスAは3ラウンド、クラスBは2ラウンドで試合が行われる。グラウンド(足の裏以外の部位が継続的に接地している状態)の選手の頭部への蹴り、膝蹴りは反則行為となる。

アマチュア[編集]

試合はリングの他、柔道場、円形のマットで行われる。ヘッドギアレガース等の防具の着用を義務付けられる。グラウンドの選手への打撃は全て反則行為となる。組み技の攻防ではテイクダウンやポジショニング等にポイントが設定されており、ポイントの得点が判定の際の基準となる。主要な大会ではクラスCのルールが採用され、4分1ラウンドまたは3分2ラウンドで試合が行われる。他にも初心者のためのクラスや女子選手のためのクラス等が設定されており、それぞれのクラスにおいて個別のルールが定められている。

修斗グラップリング[編集]

一切の打撃を反則とし、組み技のみで行われる修斗。防具やオープンフィンガーグローブは着用しない。4分1ラウンドまたは3分2ラウンドで試合が行われる。一本による勝利の他、一定のポイントを得点するとその時点で勝利となる。プロ選手も大会に参加することができ、近年では修斗グラップリングのみの大会も開催されている。

勝敗[編集]

  • 一本(Submission、S) - 関節技や絞め技を極められた選手がタップ、あるいはギブアップした場合。
  • テクニカル一本(Technical Submission、TS) - 関節技や絞め技によるレフェリーストップ。
  • ノックアウト(KnockOut、KO) - ダウンした選手が10カウント以内に試合続行の意思を示せなかった場合。
  • テクニカルノックアウト(Technical KnockOut、TKO) - 打撃や関節技によるレフェリーストップやセコンドのタオル投入があった場合。
  • 判定
  • 反則失格

近年のルール変更[編集]

2008年9月1日より、グラウンド状態では後頭部への加撃が禁止となった。また2009年1月1日より、有効な打撃でダウンしても、レフェリーストップが無い場合は試合続行となり、10カウントは廃止された。

階級[編集]

プロ、アマチュア同様に以下の階級が体重別に設定されている。

階級名称 体重
スーパーヘビー級 100.0kgから無制限
ヘビー級 100.0kg以下
クルーザー級 91.0kg以下
ライトヘビー級 83.0kg以下
ミドル級 76.0kg以下
ウェルター級 70.0kg以下
ライト級 65.0kg以下
フェザー級 60.0kg以下
バンタム級 56.0kg以下
フライ級 52.0kg以下
ストロー級 48.0kg以下
ミニマム級 44.0kg以下

テレビ放送[編集]

修斗を扱った作品[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]