スカイダイビング

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スカイダイビングの着地(アメリカ海軍によるデモンストレーション)

スカイダイビング (Skydiving, Parachuting) は航空機などで空へ昇り地上へ落下するスポーツ。競技としては国際航空連盟用語でパラシューティングと呼ぶ。レクリエーションの場では短くジャンプと称されることも多い。

目次

[編集] 概説

航空機で高度1000m-4000m程度まで上昇後に跳び出し(EXIT)事前に設定した高度まで降下(自由落下、フリーフォール)したらパラシュートを開いて着地する。

日本のテレビではバラエティ番組罰ゲームの扱いがあり一般的にはスピード感やスリルを楽しむレジャーと受け取られているが、落下により発生する相対風を利用した身体コントロールのスキルやパラシュートの操縦技術を競うスカイスポーツでもある。

スポーツ競技としては1952年にユーゴスラビアで第1回世界選手権が行われたのが始まりと言われている。現在では各国、各地方での大会の他、ワールドカップも行われている。パラシューティング競技世界大会および世界記録の認定機関は国際航空連盟(FAI)である。

第2のオリンピックと言われるワールドゲームズの競技種目にパラシューティングがありフリースタイル課目で日本人女性選手が銀、銅メダルを獲得した実績がある。

スカイダイビングの開始最高高度は米空軍が1959年から1960年にかけて行ったプロジェクト・エクセルシオで達成された値と一般に認識されている。ただしこれは米軍内記録であり航空宇宙世界記録としての国際航空連盟の公認はない。1960年8月16日、プロジェクト・エクセルシオ(Excelsior III)にてジョセフ・キッテンジャー(Joseph Kittinger)により31,330 mが達成された。また、米空軍の認定したドログシュート降下中(フリーフォールではなかった)の最高速度値も同ミッションで614 mph (988 km/h、該当高度での遷音速)を記録した(米空軍)。このミッションはフィルム映像記録され当時のライフ誌の表紙を飾った。

超高々度からの超音速フリーフォールを目指す計画は複数存在し[1]、宇宙空間からのフリーフォール競技の議論もある[2]

[編集] 一般的なスカイダイビングのイメージとその実際

タンデムジャンプ

命綱もなく速いスピードで落下するさまと、もしパラシュートが開かず地面に叩きつけられたら、という想像が未経験者の恐怖をたいへん煽るスポーツである。恐怖感のある初心者はインストラクターの腹に体を固定して2人でとぶタンデムジャンプからスカイダイビングを始めることもできる。

ベリーフライ(俯せの体勢)の場合の降下速度は空気抵抗重力加速度約9.8m/s2が釣り合い、時速200キロメートル程度で安定する。頭を下にした姿勢では空気抵抗が少なくなるため時速300キロメートル程度まで増速可能である。それ以上の速度の必要な試験ジャンプでは空気抵抗を少なくするためのコーンなどを使用する。もし真空中の落下であれば高度3,000mからの落下で地上では毎時871kmになる。大気中では体重の重いジャンパーほど降下速度が速くなるので他の降下者と速度を合わせるために体重の軽いジャンパーがバラストを用いることがある。

降下中は自分の落下速度との比較物が周囲にないため強烈な風圧は感じてもスピード感はほとんど無く、体験者は「強い風に乗って空に浮かんでいる感じ」という感想を述べることが多い。

パラシュートが開いた直後にジャンパーが上昇するという誤解がある。これはエアカメラマンが降下しながらパラシュートによって減速する被写体のスカイダイバーを映した映像を見て生じる誤解であり、ジャンパーが降下開始後に上昇することはない。

人間が自由落下すると自然に頭部が下になるように思われがちだが、実際には意図的に姿勢をコントロールしない限り「仰向けで腰部を折り曲げた状態」で水平面内で回転しながら落下する。頭部を下にした降下姿勢を維持することはフリーフライを習得する際の重要課目である。

[編集] 事故について

パラシュートが働かなければ死亡事故となるため、通常メインパラシュート(主傘)とリザーブパラシュート(予備傘)の2つを装備するのをはじめ器具には幾つも安全対策が施されている。上空で意識を失った場合のために自動的に低高度を検知してパラシュートを開く装置もある。リザーブパラシュートにはその使用の有無に関わらず有資格者が一定期間毎に点検する制度がある(航空機乗員用の非常用パラシュートは別扱い)。

パラシュートを開こうとしたのに全く開かなかったと言う事故はほとんど発生しないが、パラシュートが絡まって墜落したり、着地時に激しく転倒して負傷するなどの事故は発生している。しかしその原因は、不注意や技量の未熟な者が無謀にも高度なテクニックに挑戦するなど、気をつければ防ぐことの出来る事故がほとんどである。

事故率については総ジャンプ数の把握が困難なため正確な統計がない。一説には重傷を負う事故が1000回に1件、死亡事故は5万回に1件程度といわれている。米国内での死亡数が年間30名前後である。世界での数値としては年に60名程度の死亡が把握されている。一般に被訓練生の死亡事故は少ない。一旦事故が起きた場合激しい衝撃が身体に加わり脊髄損傷など重大な身体障害を受ける可能性が高い。

[編集] 競技について

アキュレシーランディング(精度着地)
パラシュートの操縦精度を競う競技。競技中の風の状況を読みながらパラシュートをコントロールして地上に置いたターゲットにどれだけ近く着地できるかを競う。スカイダイビング競技の中では最古参の部類に入る。ターゲットの中心はデッドセンターと呼ばれる直径3cmの円であり、一般的には靴の踵でそこにタッチすることを目指す。デッドセンターを踏めれば、計測は0cmとなる。世界大会レベルではデッドセンターを踏めるのは当然のスキルであり、順位は誰が先にデッドセンターをはずすかという争いとなる事も多い。
フォーメーションスカイダイビング
4人のスカイダイバーによるフォーメーション
4~16人のチームで一定の時間内で幾つの隊形(フォーメーション)を作れるか、そのスピードと正確さを競う。競技は、通常試合の前日に競技課題表の中からくじ引き方式により、1ラウンドの課題を決める。その組合せと順序は数十万通りとなり、大会の度に各チームは戦術を練る必要がある。採点はヘルメットにビデオカメラを装着したスカイダイバーが競技者と一緒に降下して撮影した映像で審判が判定する。このカメラマンはチームの一員として構成され、その撮影テクニックも採点に影響するため、空中での撮影技術も競技の重要な要素となる。
ちなみに、フォーメーションスカイダイビング競技は、スポーツの世界では珍しく男女の区別なく行われる競技で、男女混成のチームも珍しくない。
フリースタイル
演技者とカメラマンのペアでフリーフォール中に規定演技や自由演技を行い、その技術や正確さ、芸術性を競う空中の新体操かフィギュアスケートとも言える競技。
スカイサーフィン
スケートボード状の板(サーフボード)を足部に装着し、サーフィンのように空中を滑空する競技。回転や移動など、フリースタイル同様の技術を求められる。
フリーフライ
比較的新しい競技。フリースタイルと違い、個々人の回転や移動といったテクニックではなく、二人組みのペアがお互いの足と足を合わせるなど特定の「形」を演じ、その速さと正確さを競う。

(単純に垂直姿勢-椅子に座ったような姿勢、立った姿勢、逆さまの姿勢-で自由落下するだけの遊びもフリーフライに含まれる。)

キャノピーフォーメーション
自由落下ではなく、パラシュートを開いた状態で特定の「形」を演じる競技。わざと失速して素早く移動したり、足で相棒のパラシュートにしがみつくなどのテクニックを使用する。失敗するとパラシュートが絡まる恐れがあり、危険度が高い。
スープ(SWOOP)ランディング
小型の高速パラシュートで、着地寸前に滑空角度を浅くして地上すれすれを水平に滑空する着地技術。上級者は数十メートルもの距離を滑空する。

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ