ソフトボール

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 ソフトボール
Pitching 3.jpg
投手のピッチング
統括団体 国際ソフトボール連盟
起源 1887年アメリカ合衆国
イリノイ州
特徴
身体接触 有(本塁上のクロスプレーなど)
選手数 グラウンド上:9人
男女混合
カテゴリ 屋外競技
ボール ソフトボール
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ソフトボール(Softball)は、野球から派生した球技で、野球と基本形は同じだがグラウンドサイズ、使用球などルールが幾分異なっている。野球に比べ、狭い土地でも行うことができ、ボールも大きく安全性が高いため、老若男女を問わずに楽しむことができる。塁球ともいう。

世界では北アメリカアメリカ合衆国カナダオセアニアニュージーランドオーストラリアパプアニューギニアアフリカボツワナ、そして日本などで行われている。特にアメリカ合衆国においてはレクリエーション・スポーツとして非常に一般的で、どこの街中にも(あるいは国外の米軍基地内においても)ソフトボール専用のフィールドが多数存在し、日本における軟式野球のような位置づけとして親しまれている。

歴史[編集]

1887年感謝祭の日、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴにおいてジョージ・ハンコック冬季に野球を練習するためのスポーツとして発明した。

そのため当時は"インドア・ベースボール"や"プレイグラウンドボール"と呼ばれていた 。

日本における最初のソフトボールは、1921年大正10年)アメリカ留学から帰国した東京高等師範学校教授 大谷武一石黒寅次によって、学校体操科の遊戯として紹介されたことにはじまる。石黒寅次は、日本初の国際審判員であり、昭和天皇からの勲章をはじめ、総理大臣からも数々の賞を授与された。

ソフトボールのルール[編集]

ファストピッチルール[編集]

投手は打者に対して下手投げでボールを投げる。この際、手と手首が必ず体側線を通過していなくてはならない。腕を風車のように1回転させて投げるウィンドミル投法が有名。腕を後ろに振り上げてから投げ下ろすスリングショット投法もあるが、現在ではほとんど用いられていない。 日本ではファストピッチルールが一般的なルールとして認識されており、オフィシャルルールブックでも下記のスローピッチに対して、前のページに記載されている。国民体育大会インターハイなどで採用されているルールはこちらである。

スローピッチルール[編集]

日本では主に野球に近いファストピッチルールで行われているが、アメリカではレクリエーションとして打撃を楽しむためのスローピッチルールでのゲームをすることが多い。スローピッチルールは様々な年齢層の人々がソフトボールをプレイするために様々なルール上の違いがある。以下、主なファストピッチルールとの違いを記す。

  • ピッチャーの投げる投球は山なりで1.5m - 3.0mの高さ(日本ソフトボール協会の場合)でなければならず、ウインドミル投法は禁止
  • 2ストライク後のファウルは三振扱いでアウトになる
  • バント、盗塁、スライディング、ホームでのクロスプレーは禁止
  • ワイルドピッチ、パスボールでも走者は進塁できない
  • 敬遠はボールを投げなくても審判にその旨を伝えればよい
  • 死球(デッドボール)になっても、一塁に進むことができない
  • 二塁、三塁も一塁と同様に駆け抜けてもオーバーランにはならない
  • 守備はファストピッチルールの9人に1人を加えた10人で行い、ショートフィルダーと呼ばれる10人目の選手は、どこを守ってもよい

以上は、日本ソフトボール協会のルールブックで定められた一般的なルールであるが、これとは別に安全性を重視したルールが採用される場合ある。二塁、三塁にもダブルベースを設置、走者と守備側のクロスプレーによる危険性を排除するため、本塁(ホームプレート)とは別に走者が最後に踏むべきベースであるスコアリングプレートを設置するといった例がある。これらは、ジョイフル・スローピッチルール全日本健康スローピッチソフトボール連盟ルールで採用されている。 スローピッチソフトボールは、上記のようにレクリエーションの要素が強く個々の大会でローカルルールが採用される場合もあるため、事前にルールを確認することが望ましい。 また、日本の中学校において2012年から必修となる学校体育ソフトボールもスローピッチルールを基本としている。

野球との代表的な相違点[編集]

  • 投手板はあるがマウンドはなく、ピッチャーズサークル内も他のグラウンドと同じく平坦である。
  • フィールドの形状は四分円が原則とされる。そのため、本塁から外野フェンスまでの距離はどこをとっても均一となる。また、芝は通常外野のみに敷かれ、内野部分は土のグラウンドが一般的である。
  • 塁間は60フィート(18.29m)で、野球の三分の二の距離である。また外野フェンスまでの最低距離も女子220フィート(67.06m)、男子250フィート(76.26m)と短めになっている。
  • 一塁ベースはダブルベース(白色ベースとオレンジ色のベースがくっついたものであり、両方とも同じ大きさ)を用いる。このダブルベースの置き方は、白色ベースが内側、オレンジ色のベースが外側で、一塁線をまたぐように置く。基本的に野手は白色、打者走者はオレンジ色のベースを使用する(ただし、走者は白色ベースを使用しなければならない)。打者が打撃後、一塁で最初のプレイが行われる場合、打者走者は一塁上のクロスプレーによる野手との接触を避けるため、ファウルラインの外側に設けられたオレンジ色のベースを踏む。一塁を通過して次の塁に進塁する場合などは白色ベースを使用してもよい。
  • 投球は、ウインドミルスリングショットエイトフィギュアのいずれかの下手投げで行う。この際、肘と手首が体側を通過しなければならない。腕の回転は2回以上回転させるとイリーガルピッチ(不正投球)となる。
  • イリーガルピッチを行うと、打者には1ボール、走者がいる場合は1つの安全進塁権が与えられる。野球におけるボークに相当するが打者のボールカウントの変化の有無が異なる。
  • 球種にも野球と異なる点があり、ライズボールという下から浮き上がる変化球がある。また、反対に落ちるボールはドロップボールと呼ばれる。基本的にソフトボールの投球にはストレートという球種はなく、ライズ系のファストボール、ドロップ系のファストボールといった具合に呼ばれている。
  • 野球のボールデッド、インプレイに加えて、ディレードデッドボールという一種のアドバンテージルールがある。
  • ピッチャーが打者への投球でボールをリリースする瞬間より前に離塁をするとその走者はアウトとなり、その時の投球以降のプレーはすべて無効となる。基本的に投手がピッチャーズサークル(投手板の中心を基準にして半径2.44mの円)内に球を持って入っている場合は走者は離塁できない。
  • イニングは7回制で行う。7回の裏終了時点で決着がつかない場合、8回からは無死二塁の状態から始まるタイブレーカーを用いた延長戦を行う。その際二塁走者は前のイニングで最後に打撃を完了した選手が入る(この際、二塁走者に代走を起用しても差し支えない)。
  • スターティングメンバーのみ、一度交代し試合から退いた後も、もう一回のみ再び同じ打順に復帰することができるリエントリー制度がある。そのため、試合の序盤から代走が起用される事も珍しくない。
  • 日本の女子選手はヘッドスライディングを用いることが多い。
  • NPBパシフィック・リーグMLBアメリカン・リーグなどで採用されているDH制を発展させた形で、DP(Designated Player 指名選手)というルールがある。
    • 打撃を専門に行うDPと、DPの守備だけを代わりに行うFP(Flex Player)(DEFO/DEFence Only)をスターティングメンバーに入れる事ができ、その場合は10名で試合を行うことになる。
    • DPを使うか使わないかは任意であるが、スターティングメンバーにDPを使わなかった場合、試合途中からDPを使うことはできない。
    • FP(DEFO)の守備位置に制限はなく、どの守備位置につかせてもよい。
    • DP・FP(DEFO)の選手にもリエントリー(再出場)が認められる。
    • DPの選手はいつでもFP(DEFO)の選手の守備も兼ねることが出来る。また、FP(DEFO)の選手はいつでもDPの選手の打撃を兼ねることが出来る。
    • DPの選手とFP(DEFO)の選手が完全に入れ替わり、DPだった選手が守備のみを、FP(DEFO)だった選手が打撃のみを行うことはできない。
    • DPはいつでもFP(DEFO)以外の選手の守備も兼務する事が出来る。但し、兼務でのスタートは認められない(プレイボール直後の申告は認められる)
    • DPが守備を兼ねた選手は打撃だけを行う。(この選手を打撃専門選手(OPO/OFFENSIVE PLAYER ONLYと呼ぶ))つまり試合から退く(打順表から抜ける)ことはなく、打順が来れば打席に立つ。
    • DPがFP(DEFO)の守備を兼務した場合はFP(DEFO)は試合から退き、試合に出場している選手は10人から9人になる。
    • FP(DEFO)がリエントリー(再出場)する場合は、10人目の守備専門選手に戻る(出場選手は9人から10人)か、DPの打撃を兼ねる(出場選手は9人のまま)かのどちらかとなる。
    • DEFOという呼称は2006年からISF(国際)ルールではフレックスプレイヤー(Flex Player)と改められた。
    • 日本でも2010年のJSAルール改正でフレックスプレイヤー(Flex Player)と改められた。

用具[編集]

ボール[編集]

皮製ソフトボール(白色球)

野球同様、本来は皮革を縫い合わせたものを使用する。いくつかの大きさがあるが、国際大会などで使用されるのは12インチのものである。色は、皮革部分、縫い糸とも白色が一般的であるが、2002年よりISF(国際ソフトボール連盟)主催の国際試合などでは、皮革部分:黄色、縫い糸:赤のものが使用されるようになった。内部の芯にはコルクカポック繊維、発泡ポリウレタンが用いられる。

日本ではそのほかに、ゴム製のものが公式球として認められており、

  • 3号球:中学生以上の一般用。大きさは12インチのボールと同じで周囲が30.5cm
  • 2号球:小学生向け。周囲は28.6cm
  • 1号球:小学生・低学年向け。周囲は26.7cm。なお、小学生の体力テストの「ソフトボール投げ」はこのボールを使用する。

ゴムボールも白色が基本だが、全面を黄色とするものも公認球として市販されている。

オフィシャルボールの規格基準
名  称 周囲と誤差 重さと誤差
1号ボール(ゴム) 26.70cm ± 0.32cm 141g ± 5g
2号ボール(ゴム) 28.58cm ± 0.32cm 163g ± 5g
3号ボール(ゴム) 30.48cm ± 0.32cm 190g ± 5g
3号ボール(皮) 30.48cm ± 0.32cm 187.82g ± 10.63g

日本のボールメーカー[編集]

日本ソフトボール協会が、2007年度に公認球メーカーとして認定しているのは以下の5社である。

「*」をつけたメーカーは皮製・ゴム製の両方のメーカーである。それ以外は皮製のみ。

バット[編集]

ソフトボールは野球と比較すると、野球より大きいボールを、野球より細いバットで打つ。 国内では、ボールに対応する3種のバットがあり、使用するボールに対応したバットを使わねばならない。

  • 3号バット:3号球を使用する場合にはこのバットを使わねばならない。なお、皮ボール対応のものと、ゴムボール専用のものの区別がある。
  • 2号バット:2号球、1号球を使用する場合に使われる。
  • 1号バット:2号球、1号球を使用する場合に使われる。

材質は、木が基本で竹製なども認められているが、現在市販されている公認バットはほぼ全てアルミ等の金属製品やセラミックス製品で、グリップ部分には安全用のテープを巻くことになっている。

オフィシャルバットの規格基準
名  称 長  さ もっとも太い部分
の直径と誤差
重 さ 安全グリップ
1号バット 78.8cm以内 5.08cm以内
+0.79mm
1.08kg以内 23.1cm以上
34.6cm以内
2号バット 81.3cm以内 5.08cm以内
+0.79mm
1.08kg以内 23.8cm以上
35.8cm以内
3号バット 86.36cm以内 5.72cm以内
+0.79mm
1.08kg以内 25.4cm以上
38.1cm以内

このように各号のバットについては下限規定がない項目が多い。従って、極端な場合ではあるが、例えば長さ78.8cm、最大直径5.150cm、質量700g、安全テープが34cmのバットは1 - 3号のいずれにも適合する。無論、同一バットが複数の号の認定を受けることは出来ない。しかし、小学生の場合には現実に1号にも適合するバットが2号バットとして販売されていることが多い。従って、購入時には号数よりも長さや質量に注意して、自分に合ったものを選択することが肝要である。

オリンピック[編集]

夏季オリンピックでは、1996年のアトランタ大会にて、女子のみが野球と共に正式種目になった。当初はアトランタ大会限定とされたが、その後2008年北京大会まで開催された。

しかし、「五輪の肥大化に歯止めをかける」との国際オリンピック委員会(IOC)の方針により、2012年ロンドン大会では、野球と共に競技種目から外された。このため、関係者は2016年大会での復活を目指し、除外決定直後からPR活動を続けたものの、IOCは2009年8月13日、2016年大会の開催競技には加えないことを決定した。

これらの過程では、男子の野球と女子のソフトボールとがペアとして扱われている。競技種目からの除外については、共に日米などの一部主要国以外の国々(特に欧州)で普及度が高いとはいえないこと、さらに野球でメジャーリーグ選手の出場がなく、世界最高レベルの競技が行われていないことが理由とされている。復活が成らなかったのも同じ理由とされたが、当該決定において追加候補とされたゴルフは既に様々な“頂上決戦”が存在するのに、ソフトボールにとって頂上決戦は五輪しかなく、五輪で行われることによってより普及が図れるとして、関係者から異論が出された。

ページシステム[編集]

  • 準決勝は予選の (A) 1位と2位、 (B) 3位と4位が対戦し、 (A)の試合の勝利チームは自動的に決勝戦へ、 (B)の試合の敗者はその時点で負け抜けとなる。
  • 翌日、準決勝 (C) として、 (A) 敗者と (B) 勝者が決勝戦進出のもう1つの枠をかけて対戦し、その勝者が準決勝 (A) 勝者と優勝を争う。
    2004年のアテネ五輪では、準決勝3試合を8月22日の1日で一括して開催し、その翌日(23日)決勝を行った。
また2006年世界選手権(北京)では予選リーグの上位8カ国(各組4位まで)が出場しているため変則な方式が採用されている。
  • (準々決勝)
A1位vsB2位(A)、B1位vsA2位(B)→それぞれの勝者は自動的に準決勝進出。
A3位vsB4位(C)、B3位vsA4位(D)→それぞれの勝者は前者はAの敗者と(E)、後者はBの敗者と(F)それぞれ敗者復活戦を行いそこで勝てば準決勝進出。
準決勝進出チームは成績上4位以上確保のため北京オリンピック出場権獲得
  • (準決勝)
Aの勝者vsBの勝者(G)→勝者は自動的に決勝戦進出。
Eの勝者vsFの勝者(H)→勝者はGの敗者と3位決定戦(I)を行い、勝てば決勝戦進出。
  • (決勝戦)
Gの勝者vsIの勝者による対戦で優勝を決める。
(これらの詳細はこのサイトを参照されたし)
なお、中華人民共和国は当大会と北京五輪のホスト国であるため、ベスト4に入った場合には規定により準々決勝敗者復活戦におけるEの敗者vsFの敗者による5位決定戦(勝者が北京五輪出場)を行う。

日本のソフトボール・トップリーグ[編集]

男子日本リーグ[編集]

  • 男子東日本リーグ

デンソー、埼玉県庁クラブ、ホンダエンジニアリング、YKK 豊田自動織機、トヨタ自動車、岐阜エコデンSC、大阪グローバル

  • 男子西日本リーグ

ダイワアクト、平林金属、旭化成、大阪桃次郎 高知パシフィックウェーブ、ジェイテクト、オール福岡 Neo長崎、 愛媛ウエスト

大学 (男子)[編集]

日本体育大学2008年度インカレ優勝-最多優勝回数27回)、国士舘大学(優勝4回)、早稲田大学2005年初優勝)の3校がずば抜けた実力を持っている。 近年では中京大学中京学院大学、なども力をつけてきている。

大会一覧[編集]

ソフトボールを扱った作品[編集]

漫画[編集]

テレビアニメ[編集]

ノンフィクション[編集]

著名なソフトボール経験者[編集]

脚注[編集]

  1. ^ [1]
  2. ^ 日テレニュース24 [2]による。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]