スケートボード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

スケートボード

スケートボード(Skateboard)とは、一枚の板に車輪が付いた乗り物。SkateまたはSk8と書いてスケートと略される他、日本ではスケボーとも呼ばれる。

スケートボードに乗ることはスケートボーディング(Skateboarding)と呼ぶ他、日本の愛好者間では「滑る」と呼ぶ事が多い。

目次

[編集] 概要

通常は四つの車輪を持つ一枚の板に足を固定せずに立って乗る。上の画像に見られる全長31インチ程度のものが一般的。サーフィンスノーボードの陸上版とも言えるスポーツであり、それらと平行して行う愛好者も見られる。

日本でのプロ認定やその為の競技会はAJSA(日本スケートボード協会)が行なっている他、JFSA(日本フラットランドスケートボード協会)もフラットランドコンテストを行っている。

[編集] 歴史

スケートボード専門用語はスケートボーディングの種類以下を参照。

[編集] 1960年代(第一世代)

ローラースケートを流用した四輪キックスクーターからハンドルを取ったものが原型と言われている[1]。その後カリフォルニアのサーファーがすり鉢状のプールにローラースケートの部品を取り付けた木製の板に乗った事から流行が本格化する。当時は「サイドウォークサーフボード」「ロックライダー」などと呼ばれていた。ウィール(車輪)の材質はゴムプラスチック粘土など。

[編集] 1970年代(第二世代)

スラローム向け
プール

それまでの単なるサーフィンの練習用のものから、グラスファイバーを使ったスラローム向けの小さめ(幅約15cm)の板と、合板を使ったランプ向けの大きめ(幅約25cm程)の板に分派した。ウィールはポリウレタンが一般化する。

プレイスタイルとしては、ボウルやハーフパイプを備えたスケートパークが建設され、様々な技が生み出される。パーク以外でもフラットランドスケートボーディングが発達する。1978年にはアラン・ゲレファントがランプ(斜面)で手を使わずにボードを浮かせる技「ノーハンドエアリアル」を開発する。この技は彼のニックネームである「オーリー(Ollie)」の名で広まった。

またこの時代より、大きめの板の「裏側」に着目して飲料水メーカーなどのグラフィックが描かれる様になる。この裏面のグラフィックアートが、その世代の流行を反映しながら今日まで続いている。

[編集] 1980年代(第三世代)

アラン”オーリー”ゲレファンド
トニー・ホーク

トニー・ホークやクリスチャン・ホソイがヴァートランプで名を馳せた。 また、フラットランドで活躍したロドニー・ミューレンによってオーリーを織り交ぜたトリックが開発され、ストリートスタイルの発展に大きく貢献する。この頃から優秀なスケーターにはスポンサーがつき、シグネチャ・モデルのスケートボードが登場する。また、バスケットシューズを発展させたスケートボード専用シューズが登場する。

この時代にはロックミュージックのジャンルスラッシュメタルが「スケートロック」とも呼ばれてスケーターに支持され、スケートボード裏面にはレコードジャケットのようなグラフィックが主に用いられた。

  • ボード
材質は合板が一般化する。デッキ(表面)の縦にコンケーブ(凹み)、更に滑り止めとして、前足部及び後ろ足部に荒い紙やすり状のグリップテープが張られ、デッキ裏にはスライドをし易くする為のレールガードが付けられた。テール部にも角度(キックテール)がつけられた。また1970年代からもあった小技だが、オーリーの成功率をより高く、高さもより飛べるようにつま先を引っ掛ける為のU字型の簡易ドアノブをノーズに付けるのが流行した。
  • 競技
ヴァートランプで発展したトリックがストリートでも用いられる。マーク・ゴンザレスがオーリーを駆使して様々な場所を攻め、スケートボーディング誌を華々しく飾った。[2]
  • 環境
1970年代から活発な活動をしていたZ-BOYSのトニー・アルバが設立した「アルバスケーツ」を筆頭に、スケートボードの宣伝が各社により活発になった。また本格的にスケートボードウェアーを開発するメーカーも現れた。「THRASHER」をはじめとするスケートボード専門誌が設立され、世界的にも広く普及し始めた。

[編集] 1990年代(第四世代)

ヒールフリップ・スライド・マニュアルなどのプレイスタイルを主体とし、文字どおり街頭の建造物を使用したストリートスタイルが発展する。デッキ裏面には時代の流行音楽を反映し、ハードコアパンクオルタナティブロックヒップホップ調のグラフィックがあしらわれた。また、有名企業の商標をパロディしたものも流行した。

  • ボード
デッキの寸法は(幅187.5×縦800mm (7.5"×32") )程に収斂されて行く。ボードを回すトリックが発達し、それに合わせてノーズもテールと同様の形になり、コンケーブも強めになる。どちらの向きでも乗る為、表側全面にデッキテープが貼られる。ウィールの直径は50~56mm。
逆にそういった主流からはずれ、サーファーやスノーボーダー向けに意図的なスライドやボードの傾斜を意識したボード・メーカーも登場し、特殊なボードが開発されて行く(下記ギャラリー参照)。
  • 競技・環境
スケートボードの宣伝がさらに活発になり、ビデオマガジンが発売された。また、スケートボードやシューズのブランドがスポンサーとなり、プロスケートボーダー4~6名のチームによる活動を始めた。[3]

[編集] 2000年代

従来のスケートボードはストリートスタイル普及の結果、街頭の建造物がスケートボーダーにより破壊される問題が発生し、街頭でのスケートボーディングが一部制限される。代わりにストリートセッション中心の公共スケートパークが増え、パークスケートボーディングが発展した。

[編集] スケートボーディングの種類

ストリート(Street)/ パーク(Park)
ストリート(街中)に存在する斜面、縁石、手摺り等を技に利用する事から発展し、それらと同様の構造物を設置したスケートパークも作られる様になった。
フリースタイル(Freestyle)/ フラットランド(Flatland)
ボードに逆立ちする、ボードを横に倒して乗る、ボードを立てて乗るといった様々な技をフラットランド(平地)のみで行う。
バーチカル、ヴァーティカル(Vertical)/ バート、ヴァート(Vert)
大型のハーフパイプ(ヴァーティカルランプ)でジャンプ等を行う。

[編集] 主なスケートボードトリック

オーリー
ボードスライド
ノーズグラインド
  • プッシュ(Push)
地面を蹴って進む、一番の基本
  • チックタック(Tick tack)
前輪を左右に振って進む
  • フェーキー(Fakie)
後ろ向きに進む
  • マニュアル(Manual)
前輪を浮かせるウィリー走行。後輪だとノーズマニュアル
  • ボンレス(Boneless)
片手でボードを掴みながら片足で地面を蹴って飛ぶ
  • オーリー(Ollie)
テールを蹴りながら人間がジャンプし、更にノーズも蹴ってボードを浮かせる
  • キックフリップ(Kick flip)
オーリーをしながら爪先でデッキを横に蹴って回す
  • ヒールフリップ(Heel flip)
オーリーをしながら踵でデッキを横に蹴って回す
  • ハンドプラント(Hand plant)
ボードに乗ったままランプや地面に片手を着いて逆立ちする
  • スライド(Slide)
デッキをセクションに当てて滑る技。ノーズスライド、ボードスライド、テールスライドなど
  • グラインド(Grind)
トラックをセクションに当てて滑る技。50-50グラインド、5-0グラインド、Kグラインド、ノーズグラインドなど。前方はボード、後ろはトラックを掛けてグラインドするトリックもある。体重とボードの掛け方でスミスとフィーブルに分けられる。

スケートボードでは背中側に曲がる(または技をかける対象物が胸側にある)事をフロントサイド(F/S)、腹側に曲がる(または技をかける対象物が背側にある)ことをバックサイド(B/S)と呼称する。回転時の呼称に関してはサーフィンと逆である。なぜ、いつからそうなったのかは定かではないが、サーフィンの場合は波を対象として自分がどう動くかを考えているからだと推測される。

[編集] スケートボード用語

逆さにしたトラック。上部がハンガー。下部がベースプレート
  • デッキ(Deck)-板
  • ノーズ(Nose)-先端
  • テール(Tail)-後端
  • ウィール(Wheel)-車輪
  • トラック(Track)- デッキとウィールをつなげる部分
  • キングピン(Kingpin)-トラックのベースプレートとハンガーを固定するボルト
  • ブッシュ(Bush)-キングピンで挟むエラストマー
  • ベアリング(Bearing)-ウィール内にはめ込む回転部品
  • レギュラースタンス(Regular stance)-左足が前になる乗り方
  • グーフィースタンス(Goofy stance)-右足が前になる乗り方
  • スイッチ(Switch)-スタンスの変更
  • グリッチョ、グキル-足首の捻挫。日本人独自の言い回し。

[編集] 法律上の扱い

日本の法律上はスケートボード遊具に分類される(自転車は軽車両となる)。使用制限については、道路においては道路交通法第76条4項「道路における禁止行為等」において、「交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること」と挙げられている。(但し遊具であるスケートボードを公道で交通手段に使用するのは、使用者の安全確保の面からやはり推奨されない。例えば「坂道ではどうやって制動を掛けるのか?」など。これはローラースケートにおいても同様である。)まして車道と歩道が明確に分けられている路線での使用は論外である。一方、公園等ではなどの地方自治体条例により、使用を禁止する事例が多くみられるが、仙台市相模原市のように公園に専用スペースを設ける自治体もある。

[編集] 関連項目

  • スケートパーク
  • フィンガーボード (玩具) - スケートボードのミニチュア版、指で扱う。
  • フィラデルフィア美術館 - 映画「ロッキー」の撮影場所として有名。この美術館のみならず、フイラデルフィアの街全体が東海岸のスケートボーディングのメッカで、数々のプロスケーターを輩出し美術館もスケートボーディングの映像を残す恰好の場所であった。だが、あまりにも景観破壊が進んだ為(スケーターを追い出しても監視がいない時を見計らってスケーティングする「いたちごっこ」も理由にあった)、街全体でスケートボーディングが禁止となった。これにボーダーが反発し、石膏で出来た「スケートの石碑」を、街中のあらゆるスケートスポットであった場所に置くなどの行動に出た。
  • フリーラインスケート

[編集] 脚注

  1. ^ 映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にそのパロディがあり、時代こそ1955年となっているが、舞台はスケートボーディング発祥の地カリフォルニアである。
  2. ^ 特にカリフォルニアの一角には、ゴンザレスが特に攻め込んだ『ザ・ゴンズ』というポイントもあった。
  3. ^ 具体的には「FLIP」「ALIEN」「DC SHOE」など。

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ