トライアスロン
トライアスロン(triathlon)は、水泳・自転車ロードレース・長距離走をこの順番で連続して行う耐久競技である。
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[編集] 概要
triathlonは、ギリシャ語で数字の「3」を意味する接頭辞tri- と「競技」を意味するathlon の合成語で、英語発音にならって「トライアスロン」と呼ばれる。現在では、水泳(スイム)・自転車ロードレース(バイク)・長距離走(ラン)の3種目を、それぞれ距離とコースを設定し、1人のアスリートがその順番で連続して行う耐久競技を指す。
「ショート・ディスタンス(短距離)」または「オリンピック・ディスタンス」[1]のレースは、スイム1.5km・バイク40km・ラン10kmで行う(ディスタンスは距離の意)。「ロング・ディスタンス(長距離)」のレースは、一般的に、スイム3.8km・バイク180km・ラン42.195km(フルマラソン)で行う。その他にも、様々な距離設定で大会が行われている。2-3人で各種目を分担するリレー形式レースを同時開催する大会もある。
「ロング・ディスタンス」の場合、競技時間が10時間を超える場合が少なくないため、「最も過酷なスポーツ」との認識が根強い。しかし、「オリンピック・ディスタンス」等の場合はそこまで過酷ではなく、現在、このレース距離の大会が多くを占めており、一般の市民アスリートの参加が多い。
なお、2000年シドニーオリンピックより、トライアスロンはオリンピックの正式種目となった。また、2009年第64回国民体育大会「トキめき新潟国体」で、トライアスロンは公開競技として行われた。2016年「岩手国体」より、国体の正式競技となる。
[編集] 歴史
国際的な経緯
- 1977年、ハワイで、アメリカ海兵隊員達が宴会の席上、「マラソン・遠泳・サイクルロードレースのどれが最も過酷か」と議論、比較できず、「この際まとめてやってみよう」と、翌1978年、同地でアイアンマン・トライアスロンが行われた。これがきっかけとなり、この時のレース距離スイム 3.8km・バイク180km・ラン42.195kmと制限時間17時間でのレースが、アイアンマン世界選手権(Ironman World Championship)へと発展し、現在、世界各地でハワイ本戦出場をかけた予選が開催されている。
- 1982年、3種目のレース距離を短縮し、スイム1.5km・バイク40km・ラン10km、合計51.5kmとした国際基準が設定された。従来のレース距離に対し、その1/4以下という短距離(ショート・ディスタンス)となった。現在では、このレース距離の大会が多くを占めている。
- 2000年9月、シドニーオリンピックでトライアスロンが正式種目となり、競技時間の関係上、ショート・ディスタンス(短距離)形式が採用された。これ以降、国際的には、「ショート・ディスタンス」を、「オリンピック・ディスタンス」と呼ぶようになったが、日本では、現在、両者は併存している。
日本での経緯
- 1998年(平成10年)9月5日、新潟県佐渡市で、アジアでは初めて、国際トライアスロン連合 (ITU) のロング・ディスタンス(Swim3km・Bike136km・Run28km)のトライアスロン世界選手権が開催された [3] 。世界の主要プロ選手がそろったこの時の世界選手権で、志垣めぐみが、日本選手として初めてメダル(3位)を獲得した [4] 。
- 2009年(平成21年)9月27日、2009トキめき新潟国体で、公開競技としてトライアスロンがオリンピック・ディスタンスで行われた。(国体正式競技となるのは2016年岩手国体から)
[編集] 種類
それぞれの競技大会によって距離は延長・短縮される場合があるが、主に以下のような規格がある。「ディスタンス」は距離の意。基準となる規格の背景は黄色。
| 種類 | スイム | バイク | ラン | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| スーパースプリント | 0.4km | 10km | 2.5km | ODの約1/4 |
| スプリント・ディスタンス | 0.75km | 20km | 5km | ODの約1/2 |
| オリンピック・ディスタンス(OD) | 1.5km | 40km | 10km | "international distance", "standard course", or "short course" |
| ミドル・ディスタンス | 2.5km | 80km | 20km | ODの約2倍 |
| ロング・ディスタンス | 4.0km | 120km | 30km | ODの約3倍 |
| アイアンマン・ディスタンス | 3.8km | 180km | 42.195km |
| 種類 | スイム | バイク | ラン | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| アイアンマン 70.3 | 1.9km | 90km | 21.0975km | アイアンマンの半分 |
| トライアスロン101 | 3.0km | 130km | 30km | 合計約101マイル。2007年から |
- トライアスロン101
- スイム 1.86マイル - 3.0km
- バイク 80.6マイル - 130km
- ラン 18.6マイル - 30km
- 合計101.06マイル - 163km
- アイアンマンレースで、17時間の制限時間以内に完走すると“アイアンマン”(鉄人)の称号を受けられる。ただし、諸般の事情から、アイアンマン・ジャパンの制限時間は15時間である。
[編集] ルール
- ドラフティング(スリップストリーム)の禁止
- バイクパートでは、通常の自転車レースに見られる集団走行、他人を風よけに使っての走行は一般に禁止されている。
- トライアスロンでのトラブルの多くは、ドラフティングによる失格判定の問題である。ルールを明確化するためいっそのことドラフティングを認める方が良いという意見もある。しかし、ドラフティングを許してしまえば、スイム・バイクでは集団に着いていく力さえあればそれ以上の能力は不要。ランだけで勝負が決まることになるとの批判も多い。
- ただし、エリートレースにおいては、ドラフティングが解禁されているものが多い(日本の国体における公開競技など)。世界選手権やワールドカップ、オリンピックなどの国際競技でもドラフティングが可能である。もっとも、アイアンマン大会においては、自らの力で走りきることを主旨としており、認められていない。
- ドラフティング禁止というルール、そしてUCI管轄外ということでバイクに制限がない、という2点があるために、ロードレースでありながらタイムトライアルバイクに複数のボトルや補給食、スペアチューブや畳めるタイヤ、携帯工具など修理機材を積めるように小改修したバイクを使用する選手が多い。
- 第三者の手を借りてはならない。
- パンクやメカトラブルも自分で対応・処置しなければならない。
- (※:パルクフェルメ#自転車競技におけるパルクフェルメも参照)
[編集] 世界の主な大会
[編集] 世界選手権シリーズ
詳細は「世界トライアスロン選手権」を参照
[編集] ワールドカップ
ITUトライアスロンワールドカップは、世界選手権に次ぐシリーズ戦。2009年は世界5ヶ国を転戦する。日本では、石垣島大会がこのシリーズ戦に含まれる。
[編集] アイアンマン
アイアンマン・トライアスロン・ワールドチャンピオンシップがハワイで開催されており、全世界の予選会の上位入賞者が参加権を得る。
[編集] 日本の主な大会
[編集] トライアスロン
この節では、便宜的にアイアンマン・ディスタンス以外の規格の大会を扱う。
スタンダード・ディスタンス(オリンピック・ディスタンス)の大会は、全国各地で数多く行われており、多くの市民アスリートが出場している。
エリート(プロ選手・実業団等に属す選手等)の出場レースは、ランキング対象イベントの「ジャパンカップ」と、ランキング対象外イベントに分けられる。両者の同時開催やランキング対象外イベント単独開催もある。ランキング対象外イベントでよく知られている大会は国民体育大会がある。いずれもオリンピック・ディスタンスの大会である。
[編集] ジャパンカップ
NTTトライアスロンジャパンカップは1996年(平成8年)から始まった[5]。2011年(平成23年)は年間合計9大会が行われる。
選手たちは成績により、高い方から SS、S、A、B、C の5つのカテゴリーでポイントが付与される。SSカテゴリーは、ITUワールドチャンピオンシップシリーズ(トライアスロン世界選手権)の世界ランキングを点数化して付与するが、Sカテゴリー以下は各大会ごとの成績で付与される。Sカテゴリーは同シリーズの各大会にあたり、日本ではWCS横浜大会が同カテゴリーで開催される。Aカテゴリーは、日本において伝統的に国内最高峰大会に位置づけられてきた大会で、開幕戦(石垣島大会)と最終戦(東京港大会)にて行われる。石垣島大会は、ITUトライアスロンワールドカップの1つでもある。東京港大会は日本選手権にあたる。Bカテゴリーは、その他の日本国内における国際大会であり、アジアを転戦するITUアジアトライアスロン大会のシリーズ戦に含まれている(東京港大会以外のSおよびAカテゴリーもアジアのシリーズ戦に含まれる)。CカテゴリーはJTUによる国内大会である(大会名に「国際」が付いているが、ITU国際大会ではない)。
WCS横浜大会は、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の影響で当初予定の5月には開催せず、延期されることになった。
| カテゴリ |
開催日 |
大会略称 | 開催地 | フィニッシュ 地点 |
|---|---|---|---|---|
| B | 07月03日 | 仙台ベイ大会 | 宮城県七ヶ浜町・仙台市宮城野区 (湊浜海浜公園・仙台港周辺) |
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| C | 06月19日 | 酒田大会 | 山形県酒田市 (酒田港周辺) |
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| A | 10月16日 | 日本選手権 | 東京都港区・江東区 (臨海副都心) |
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| S | 05月14日 | WCS横浜大会 | 神奈川県横浜市中区 (山下公園・横浜港周辺) |
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| C | 09月25日 | 村上大会 | 新潟県村上市 (瀬波笹川流れ粟島県立自然公園) |
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| B | 06月26日 | 蒲郡大会 | 愛知県蒲郡市 (蒲郡港周辺) |
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| C | 07月10日 | 大阪大会 | 大阪府大阪市此花区 (舞洲スポーツアイランド・夢洲特設コース) |
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| B | 06月05日 | 天草大会 | 熊本県天草市・苓北町 (本渡海水浴場・本渡運動公園陸上競技場周辺) |
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| A | 04月17日 | 石垣島大会 | 沖縄県石垣市 (登野城漁港会場) |
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- 参加資格
- 日本トライアスロン連合強化指定選手(S、A、B、C)
- 認定記録会7級以上
- 加盟団体推薦選手(都道府県連合、学生連合)
[編集] ロング・ディスタンス
ロング・ディスタンスの大会は、2011年現在、日本国内では4つある。
- 佐渡国際トライアスロン大会 (新潟県・佐渡市)
- 全日本トライアスロン皆生大会 (鳥取県・皆生温泉)
- 五島長崎国際トライアスロン大会 (長崎県・五島列島)
- 全日本トライアスロン宮古島大会 (沖縄県・宮古島市)
現時点で日本最長距離の大会は佐渡国際トライアスロン大会Aタイプである(水泳3.8km・自転車190km・マラソン42.2km、合計236km、制限時間15時間30分)。
[編集] ワールドチャンピオンシップ予選
ハワイで行われる「ワールドチャンピオンシップ」への出場権を得るための大会の1つ
- 「アイアンマン・ジャパントライアスロン五島長崎」が、2009年(平成21年)まで行われていたが、2010年(平成22年)は中止となった。(下記参照)
- 2011年(平成23年)以降について、「アイアンマン」の商標権所有会社と、「アイアンマン」の商標使用に関する契約締結はなく、独自ブランド「五島長崎国際トライアスロン大会」(愛称:バラモンキング)で、2011年(平成23年)以降もトライアスロン大会を継続することになった。
[編集] 認定記録会
JTU主催の元、毎年、全国各地で認定記録会が行われている。20歳以上の場合、スイム400m、ラン5000mである。
[編集] 級
20歳以上の場合、以下のタイムを超えると、級が与えられる。
| 級 | 女子スイム | 男子スイム | 女子ラン | 男子ラン |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 4:22 | 4:00 | 16:00 | 13:55 |
| 2 | 4:30 | 4:07 | 16:29 | 14:20 |
| 3 | 4:38 | 4:14 | 16:58 | 14:45 |
| 4 | 4:46 | 4:22 | 17:26 | 15:10 |
| 5 | 4:53 | 4:29 | 17:55 | 15:35 |
| 6 | 5:01 | 4:36 | 18:24 | 16:00 |
| 7 | 5:09 | 4:43 | 18:53 | 16:25 |
| 8 | 5:22 | 4:55 | 19:41 | 17:07 |
| 9 | 5:41 | 5:12 | 20:48 | 18:05 |
| 10 | 5:59 | 5:29 | 21:55 | 19:04 |
[編集] 強化指定
スイム、ラン両方が7級を超えるとトップ・オブ・トップス大会以外のジャパンカップに出場できる。 (スイム×2+ラン)の合計タイムが(スイム5級×2+ラン5級)を超えると強化指定選手となり、ワールドカップに出場できる。
[編集] 有名人の参加
トライアスロン大会に参加・完走した経験がある有名人
- 高石ともや …日本初のトライアスロン大会(皆生)で優勝を飾る
- 近藤真彦
- リサ・ステッグマイヤー
- 東野幸治・菊地幸夫・本村健太郎 …いずれも「行列のできる法律相談所」での番組企画
- 天宮良
- 団長 (安田大サーカス)
- ヒロミ
- 錦野旦
- 東山紀之
- 村上春樹
- 前園真聖
- 猫ひろし …アンコールワット国際トライアスロン大会日本人部門1位、総合6位入賞
- 古田敦也
- 大櫛エリカ
- 道端ジェシカ
- 安田美沙子・ノッチ …「行列のできる法律相談所」での番組企画
[編集] 作品
トライアスロンが登場する小説・漫画など
[編集] 脚注
- ^ 2000年9月、シドニーオリンピックでトライアスロンが正式種目となり、ショート・ディスタンス形式が採用され、以降、国際的には「ショート・ディスタンス」を「オリンピック・ディスタンス」と呼ぶようになったが、日本では、現在、両者は併存している。
- ^ 「日本トライアスロン発祥記念碑」が同温泉に隣接する海水浴場に設置してある。[1]「皆生大会の始まり」皆生トライアスロン協会編
- ^ International Triathlon Union
- ^ Getting Started in Triathlon (International Triathlon Union)
- ^ NTTトライアスロンジャパンカップランキング(日本トライアスロン連合)
[編集] 関連項目
- 日本トライアスロン連合
- 国際トライアスロン連合
- カーボパーティ
- ビーチスポーツ
- エクステラ
- アクアスロン
- 白戸太朗 …トライアスリートとして活躍したスポーツキャスター
- 松山アヤト …トライアスリート・ラジオパーソナリティ
- ランス・アームストロング …ツール・ド・フランス7連覇を誇る自転車選手だが、学生時代はトライアスロンで活躍していた
- ITUロングディスタンス世界選手権
[編集] 1人の競技者が複数種目を行う競技
- 2種目:バイアスロン、デュアスロン、ノルディック複合、チェスボクシング
- 4種目:クアドラスロン
- 5種目:ペンタスロン、近代ペンタスロン(近代五種競技)
- 7種目:ヘプタスロン(七種競技)
- 8種目:オクタスロン(八種競技)
- 10種目:デカスロン(十種競技)
- 20種目:アイコサスロン(二十種競技)
[編集] 外部リンク
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