猛暑
猛暑(もうしょ)とは普段と比べて著しく暑いときのことである。酷暑(こくしょ)と類義であり、しばしば報道や日常会話で用いられる。主に夏の天候について用いるが、晩春や初秋でも使用する。世界気象機関が推奨する定義は「最高気温の平年値を、連続5日間以上、5℃以上上回ること」としているが、各国はそれぞれの気候傾向によって様々な定義で運用している。日本国内においては2007年以降、1日の最高気温が35℃以上の日のことを「猛暑日」と言う。
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原因とメカニズム
一般に夏季において背の高い(空の高いところから低いところまで鉛直に長い構造の)高気圧に覆われて全層に渡って風が弱く、周囲の比較的冷たい空気や湿気の流入が弱く快晴状態の場合に起こりやすい。内陸の盆地状地形では周囲の山岳により外部の大気との混合が妨げられ、昇温した空気が滞留しやすいため他の地域よりも猛暑となりやすい。主な観測地点は北海道旭川市、山梨県甲府市、京都市、大分県日田市など。
またフェーン現象が発生すると、山塊の風下部では乾燥した高温の大気によって盛夏でなくても猛暑となりやすい。主な観測地点は日本海側各地、夏季の関東平野各地など。一方西日本では標高の高い山が少ないので水分の放出が充分に行われず吹き下ろしの風に水分が含まれているので、気化熱の影響で極端な高温風にはなりにくい。気象官署での観測史上2番目の40.8℃が山形市で記録された1933年7月25日も日本海に台風があり、2000m級の飯豊連峰を南西の強風が吹き下りたことによりこのフェーン現象(風炎現象)が発生した。
近年、三大都市圏を中心とする都市部で最高気温の記録更新が相次いだり熱帯夜の増加や冬日の減少が起こったりするのは、ヒートアイランド現象が一因と考えられる。また日本では1998年 - 2002年に5年連続で猛暑となるなど1990年代以降、猛暑となる年が急増している。その後も東日本以北で冷夏傾向となった2003年を挟み(但し2003年は南西諸島では猛暑であった。また南西諸島以外では7月は記録的低温だったものの6月は高温、かつ8月下旬-9月は顕著な残暑に見舞われるなど冷夏の規模は小さかった)、2004 - 2008年も5年連続の猛暑となった。1994 - 2008年の15年間のうち猛暑年は13年に達し、これに関しては地球温暖化も影響すると考えられているが全てが地球温暖化で説明できるわけではなく様々な気象要因が考えられている。さらに山梨県甲府市で40.4℃、東京都心で39.5℃など南関東で観測史上最高の猛暑を記録した2004年7月はヒートアイランド現象に加えて背の高い高気圧、フェーン現象が重なった例である。
2007年春以降、「2007年の夏はラニーニャ現象の影響で日本各地で猛暑になる」と大きく報道された。研究や過去の統計からラニーニャ現象が発生するとフィリピン近海の海水温が上昇するため、上昇気流が発生する。その北に位置する日本付近では下降気流が発生し、そこに勢力の強い太平洋高気圧が形成される。そのため、日本列島が猛暑となりやすいと考えられている。また地球温暖化が進むと同様にフィリピン付近の海水温上昇により太平洋高気圧の勢力が強大化して、日本列島は他の地域よりも猛暑になりやすいとも考えられる。
しかし、猛暑の原因となり得るものは他にもある。ダイポールモード現象が発生すると日本付近では降水量が減り猛暑になりやすいという考えや北極振動や北大西洋振動が負になるとオホーツク海高気圧が弱まり猛暑になりやすいという考えもあるし、近年日傘効果をもたらす火山噴火が起きていないため猛暑が何年も連続するとの指摘もある。また、猛暑の原因が揃っていても冷夏の要因となるような現象が起こって相殺されたりすることもあり確実に猛暑となるとは言えない。
影響
冷房などの空調設備の稼動増により電力需要が急増する他、ビールや清涼飲料水、冷菓、氷菓、殺虫剤及び虫刺され用薬などの販売が大きく伸び外出先ではプール、海水浴場、また冷房の効いた屋内施設などの利用者が増えるなど経済活動によい影響(経済効果)がある。しかし電力需要が供給量を超えた場合は停電となり、多大な被害が出ることもある。また猛暑となると熱中症の件数も増し、熱中症が原因となる病気で倒れる人も増える。
猛暑の年は米が豊作になりやすいとされるが、穂が出る時期の高温により品質が低下するという側面もある。
猛暑が長期間継続した場合、少雨による渇水や旱魃が起こりやすくなる。また対流活動が活発化するなどして大気が不安定になりやすく雷雨や集中豪雨の発生が増え、強くなる傾向にある。
過去の猛暑
世界
- 1936年 米国全域
- 1976年 イギリス
- 1980年 米国全域
- 2000年 米国南部
- 2001年 米国東部
- 2003年
- ヨーロッパ全域
- 米国全域
- 2006年
- ヨーロッパ全域
- 米国東部
- 2007年 ヨーロッパ南東部
- 2009年 オーストラリア南部
- 2010年
- ロシア
- 中国全域
- 米国東部
- ヨーロッパ南部
- 2011年
- 米国中東部・カナダ東部
日本
昭和時代
- 1942年
- 7月下旬から8月中旬にかけては全国的に顕著な高温となり名古屋市の39.9℃のほか福島市(39.1℃)、長野県松本市(38.5℃)、滋賀県彦根市(37.5℃)、鹿児島市(37.0℃)など多くの地点でこの年に観測された最高気温が現在でも史上1位の記録となっている。また区内観測所の記録では愛知県豊田市で41.8℃、瀬戸市と奈良県御所市(41.0℃)など東海地方から中国・四国地方の内陸部を中心に17地点で40℃以上を観測した。
- 1946年
- 北日本、東日本で猛暑となった。7月16日には長野県軽井沢で最高気温34.2℃、栃木県奥日光で最高気温30.2℃を観測した。
- 1955年
- 空梅雨で梅雨期間の降水量が少なく、梅雨明けも全国的に早かった。太平洋高気圧が北へ張り出しやすかった影響で7月は特に北日本、東日本で顕著な高温となり北日本では1978年と並ぶ記録的に暑い7月だった。8月以降は東日本以西では気温はやや低めとなったが、北日本では引き続き気温は高めだった。なお、この年の猛暑は1954年春から1956年冬にかけて発生したラニーニャ現象が一因とみられる。
- 1961年
- 全国的に猛暑となり、干害が発生した。また、豪雨や台風の接近も多かった。この年は9月以降も高温傾向が著しく、当時としては極めて稀に見る顕著な残暑、暖秋となった。
- 1964年
- 西日本から東日本にかけて猛暑となり、水不足が各地で発生した。水不足の影響で東京オリンピックの開催も危ぶまれた時期もあり、東京では「東京砂漠」などと呼ばれた。
- 1967年
- 梅雨明け後は全国的に晴れて厳しい暑さとなった。盛夏期は降水量がほぼ全国的にかなり少なく、西日本では干害の被害が発生した。
- 1973年
- 6月は梅雨寒が続いたが梅雨前線の活動は梅雨期間を通して不活発で少雨傾向が著しく、7月には全国的に平年よりかなり早い梅雨明けとなった。7 - 8月は太平洋高気圧に覆われ晴れて厳しい暑さが続いた。空梅雨だった影響で水不足や干害も発生した。
- 1978年
- 記録的に梅雨明けが早く7月上旬から最高気温が35℃を超える猛暑となり北日本から関東地方、北陸地方にかけての多くの地点で夏(6月から8月)の平均気温が観測史上最も高く昭和時代では有数の猛暑年となった。年間最高気温は山形県酒田市で40.1℃、山形県鶴岡市で39.9℃、富山県高岡市伏木で39.4℃などを観測した。1978年は太平洋高気圧の勢力が非常に強く、快晴状態が続き猛暑に加え梅雨明け後の降水量が少なく水不足が深刻化した。
- 1984年
- 1983年11月から1984年5月にかけては20世紀後半では有数の低温で1980年から1983年にかけては冷夏傾向が続き冷害が頻発したため夏の気温が懸念されていたが6月以降は一転して高温傾向に転じ、夏の平均気温は平年を1度ほど上回る猛暑となった。猛暑に加え、春以降降水量が少ない状態が続いたため、西日本を中心に水不足が発生した。この年は6月頃から規模の大きいラニーニャ現象が発生し翌年秋まで継続した。
- 1985年
- 6月はオホーツク海高気圧が発達して梅雨寒が続いたが7月には解消して気温の高い日が多くなり、8月は多くの台風が接近したためフェーン現象が頻発し、最高気温の月平均は兵庫県豊岡市で35.2℃、新潟県小出町で34.7℃、年最高気温は富山県高岡市伏木で38.5℃など、上位11地点のうち9地点が北日本および北陸地方から山陰地方の日本海側であった。この年は猛暑が起きやすいといわれるラニーニャ現象が前年から継続していた。
1990年代
- 1990年
- 空梅雨で降水量は少なく梅雨明け後は各地で最高気温が35℃を越す記録的な猛暑となり、各地で水不足となった。特に西日本で猛暑が著しく猛暑日の日数は大分県日田市で43日、京都市で28日、大阪市で20日に達した。秋以降も太平洋高気圧の勢力が例年以上に強かったため、9月以降も高温傾向で顕著な暖秋となった。また台風の上陸が多く11月30日には台風28号が和歌山県白浜町に上陸し、観測史上最も遅い日本への上陸記録となった。
- 1991年
- 6月は全国的に、7月は東日本以西で高温が持続した。特に6月は全国平均で2011年現在でも観測史上第1位の平均気温となっている。夏季の平均気温も東北地方を除き1971-2000年の平年を上回った(東北地方は平年並み)。また東京では梅雨明け後の7月下旬の平均気温は29.6℃となるなど、全国的に顕著な梅雨明け十日となった。但し8月に入ると発達したオホーツク海高気圧の影響を受けて南西諸島を除き低温となり、東北地方を中心に冷害も発生した。さらに梅雨後半の前線の活発化などもあって、不順な夏という印象も大きい。南西諸島では夏期間を通じて高温が持続し、戦後第1位となる記録的な猛暑年となった。
- 1994年
- 全国的に早い梅雨明け後、全国的に平年を1 - 2℃上回る観測史上最高の猛暑となった(2010年に記録が破られる)。全国各地で最高気温が35℃を超える暑さとなり、40℃を越えた地域も3ヶ所(アメダス)あった。8月の月平均気温が大阪市で30.2℃、広島市で30.1℃となり沖縄県石垣市以外の国内では観測史上初めて月平均気温が30℃を突破し(特に7月中旬から8月上旬の1ヶ月間では、大阪市の30.8℃を筆頭に東海地方以西の19ヶ所で平均気温が30℃以上となる)名古屋市と大阪市では最高気温の月平均が35℃を超えた。京都市では最高気温が4日間連続して39℃を超え、最高気温の旬平均が37.9℃(任意の5日間では39.2℃)に達した。大分県日田市では22日間連続を含む計45日間猛暑日を観測した。東京都心でも8月3日に東北地方に上陸した台風11号に南風が吹き込んだため最高気温39.1℃を観測した。米は豊作であったが空梅雨で降水量が少なかったことが災いし、全国的な水不足に見舞われた。なおこの年は9月以降も残暑が厳しく、10月以降も季節の進行がかなり遅く顕著な暖秋だった。この猛暑や残暑の要因としてインド洋の西側の海水温の上昇によってエルニーニョ・ラニーニャ同様に世界的異常気象を引き起こすダイポールモード現象が指摘されている。1994年の猛暑 (日本)も参照。
- 1995年
- 梅雨入りの6月は平均気温が平年を下回っていたが7月下旬以降は太平洋高気圧に覆われ晴れた日が続き、北日本を除いて前年に引き続き猛暑となった。大阪市(30.3℃)、名古屋市(30.1℃)、岐阜市(30.3℃)で月平均気温が30℃を超え、名古屋市と岐阜市では最高気温の月平均も36℃を超えた。この年は猛暑の原因となるラニーニャ現象が発生していた。このように8月は記録的高温に見舞われたものの9月に入ると南西諸島を除き一転して平年並みからやや低い気温で推移し、1990年代以降では珍しく残暑は一時的であった。
- 1996年
- 東海地方から南西諸島を中心に暑夏となった。7月上旬に一時低温となったものの6月は高温傾向、また7月中旬から8月中旬までの盛夏期は高温多照となり、特に西日本で顕著となった。また夏季の平均気温が平年並みであった関東でも8月中旬は顕著な高温となり、東京大手町で観測史上第3位となる38.7℃、茨城県つくば市館野で観測史上第1位となる37.8℃を記録した。一方でこの年はオホーツク海高気圧の勢力も強くその影響を大きく受けた北海道では平年よりも気温は低めとなるなど、期間を通して北冷西暑の夏となった。また全国的に8月下旬から9月上旬は低温傾向に転じ、1990年代以降では珍しく残暑が殆どない早い秋の訪れとなった。
- 1997年
- 東日本、北日本を中心に、梅雨の合間となる6月下旬から7月上旬に顕著な猛暑に見舞われた。特に関東地方では7月上旬は記録的猛暑となった(埼玉県熊谷市で観測史上第2位となる39.9℃、茨城県水戸市で観測史上第1位となる38.4℃など)。
- 1998年
- 西日本から南西諸島にかけて暑夏となった。特に西日本太平洋側では8月の平均気温は記録的な高温となった。また前年に引き続いて東日本から西日本では6月下旬から7月上旬はこの時期としては稀に見る猛暑に見舞われ、特に関東地方では7月上旬は記録的猛暑となった(群馬県上里見で観測史上第1位となる40.3℃、東京大手町で36.1℃など)。
- 1999年
- 北日本、東日本では晴れて厳しい暑さとなった。太平洋高気圧が例年より北へ張り出しやすかったため、北海道でも多くの地域で連日最高気温が30℃以上の真夏日となった。北日本では平均気温が平年を1.6℃上回る著しい高温となり札幌市、青森市、秋田市などでは夏の平均気温が観測史上最も高かった。一方、太平洋高気圧の西への張り出しは弱く、さらに前線、熱帯低気圧、暖湿気流などの影響を受けやすかった西日本と南西諸島では曇りや雨の日が多く気温も平年程度にとどまった。9月以降も全国的に残暑が極めて厳しく10月の本州でも連日真夏日になるなどかなり暖かい日が続き、顕著な暖秋となった。この年の猛暑、残暑はラニーニャ現象による影響とみられる。
2000年代
- 2000年
- 南西諸島を除き全国的に晴れて猛暑が続いた。特に北日本では前年に引き続いて顕著な高温となった。但し大気の状態が不安定な日が多く、全国的ににわか雨や雷雨が起こりやすかった。東日本、西日本では梅雨明けが早く7月以降は降水量が少ない状態が続いたため水不足となる地域があった。なお前年ほどではないものの残暑が厳しく、暖秋だった。
- 2001年
- 6月下旬から既に暑く7月は太平洋高気圧が本格的に強まって東北南部から南西諸島の広範囲で猛暑となり、特に東日本で著しい高温となった。東京都心、埼玉県熊谷市をはじめ関東地方の多くの地点では7月の月平均気温が観測史上最高となった。[[7月24日には群馬県前橋市で40.0℃、静岡県佐久間町では40.2℃と観測記録を更新した。また関東・甲信地方の梅雨明けは7月1日と、1951年以降で最も早い梅雨明けとなった。但し北日本太平洋側や関東地方では8月以降発達したオホーツク海高気圧の影響で冷たい北東風が吹き込みやすかったため8月は一転して気温が低く、曇りや雨の日が多くなった。また8月中旬に台風11号が上陸したあとは全国的に一気に涼しくなり猛暑、暖秋傾向が著しい2000年代以降としては盛夏期は比較的短く秋の訪れも早い方であった。なお北日本では7月に東北南部で猛暑となった以外は天候不順気味で、東北北部の梅雨明けは特定できなかった。
- 2002年
- 北日本を除き7 - 8月は気温が高く、東・西日本を中心に2000年から3年連続で猛暑となった。この年はオホーツク海高気圧、太平洋高気圧共に勢力が強く梅雨明け後は最高気温35℃以上の猛暑日が連続し8月中旬に台風13号が接近し通過後は一気に涼しくなるが、8月終盤から再び厳しい暑さとなり9月中ごろまで残暑が継続した。一方、北日本はオホーツク海高気圧が優勢で北海道の一部地区では気温がかなり低く東北地方では前線が停滞したため集中豪雨が頻発した。
- 2004年
- 全国的に梅雨明けは早く、7月を中心に各地で1994年に匹敵するような猛暑となった。7月20日には東京都心で39.5℃、翌21日には山梨県甲府市で40.4℃など観測史上1位の最高気温を記録した。また9月も残暑が厳しく梅雨期も高温で経過したため真夏日の日数が非常に多く熊本市が105日、京都市と大阪市で94日、東京都心で70日となり観測記録を更新した。しかし相次いで台風が接近、上陸し風水害・塩害が頻発したため1994年とは違い米の出来は平年並みにとどまった(地域別でみると天候が安定した東北地方太平洋側や関東地方、甲信(東山)地方で豊作、台風の影響を受けやすかった九州地方では不作となるなど地域差が大きい)。この猛暑の要因は太平洋高気圧が例年より北に偏って張り出したため、日本列島が高気圧の圏内になったものとされている。その他にも都市部ではヒートアイランド現象も要因のひとつに挙げられる。
- 2005年
- 盛夏期は前年のような著しい猛暑とはならなかったものの6月が記録的高温で7 - 8月も平年並みかやや高めであったため、結果的には前年に続き上位となった。真夏日日数は日田市が109日、熊本市が106日を記録した。6月は西日本を中心に記録的な少雨だったが7月は一転して大雨となり盛夏期も太平洋高気圧の張り出しが不安定で曇りや雨の日も多く雷雨が多発するなど、高温とはいえやや天候不順気味な夏だった。
- 2006年
- 6月は天候による気温差があったが東北南部以南では気温は高めであった。7月は天候不順気味で全国的に梅雨明けが遅く広範囲で記録的大雨となったが、8月に入ると一転して各地で猛暑に見舞われた。関西・瀬戸内地方を中心に月平均気温が29℃を超えたほか大阪市では最高気温の月平均が35.0℃となった。北東気流や台風の影響でそれほど高温にならなかった東北地方太平洋側から関東地方の沿岸部や東海地方の沿岸部を除き、8月の平均気温は全国的に顕著な高温となり、寒暖差があったものの夏季の平均気温は全国的に高くなった。2006年夏の大雨、猛暑の要因は太平洋高気圧、オホーツク海高気圧とも勢力が強く偏西風が蛇行したことが挙げられる。なお、この年の7月の記録的大雨に対しては気象庁が平成18年7月豪雨と命名した。
- 2007年
- 6月は空梅雨気味で気温の高い日が多く、北日本で記録的高温となった地点があった。梅雨明けが関東・甲信・北陸地方以北では8月にずれ込むなど、7月は北日本から九州北部の広範囲で低温となった。しかし8月中旬は本州付近で太平洋高気圧に覆われ晴天が続き、関東・東海地方を中心に顕著な猛暑となった。最高気温が40℃以上を観測した地点が5ヶ所・のべ7日間(内アメダスが4ヶ所・6日間)にものぼり8月16日には岐阜県多治見市と埼玉県熊谷市で40.9℃を観測し、1933年に山形市で記録した国内最高気温40.8℃を74年ぶりに更新した。7月が低温だったものの6月が高温、8月が顕著な高温であったため結果的に夏の平均気温は0.5℃前後上回り高温となった。9月は台風9号が東日本を縦断した以後に太平洋高気圧の勢力が強まり、特に西日本では平年を3℃前後上回る残暑が続いた。西日本を中心に全国の気象台・観測所153地点のうち64地点で9月の月平均気温の最高記録を更新し真夏日日数は熊本市が99日、鹿児島市が96日など九州各地で85日以上を記録した。また札幌市で現地の観測史上最も遅い真夏日を、大阪市で全国歴代2番目に遅い猛暑日を観測した。なお2007年の記録的な猛暑や残暑は地球温暖化が原因という指摘もあるが、その他には2007年春から発生しているラニーニャ現象が原因の一つと考えられる。2007年の猛暑 (日本)も参照。
- 2008年
- 6月は全国的に平年並の気温で推移したが7月に入ると全国的に平年を大きく上回る高温に転じ東日本、西日本を中心に顕著な高温・少雨・多照となった。愛知県東海市で7月25日から27日に3日間連続で日最高気温が38℃以上を記録し、また27日には大阪市で日最低気温が29℃以上となるなど前年8月に匹敵する高温を各地で記録した。7月中旬 - 8月中旬の最高気温平均値は名古屋市で35.4℃、京都市で35.1℃など1994年、1995年、2010年など歴代の猛暑年に匹敵する猛暑となった。東海以西では真夏日や猛暑日の日数が軒並み平年を大きく上回り、観測史上有数の記録となった地点が多かった。この高温・少雨・多照傾向は8月中旬までの長期間に亘って持続し、8月上旬に気象庁の異常気象分析検討会として検討された。8月下旬になるとオホーツク海高気圧の影響などによりようやく全国的に低温傾向となり厳しい猛暑から解放されたものの7月から8月中旬までの顕著な高温傾向が反映され、夏の平均気温は東日本から沖縄・奄美地方にかけて高温となった。高温傾向は東海~西日本で顕著であったが、7月から8月の高温傾向が比較的小さく8月下旬の低温が顕著となった東北・北海道では夏平均気温は平年並みとなった。また特に8月下旬は大気の状態が不安定であったため広い範囲でにわか雨や雷雨が起こりやすく前線を伴った低気圧の影響で東海地方や関東地方で豪雨となり、大きな被害が発生した(詳しくは平成20年8月末豪雨を参照)。前年ほどではなかったもののこの年も残暑は厳しく一時的に涼しくなった8月下旬から一転して9月は再び全国的な高温が持続した。
2010年代
- 2010年
- 6月下旬、北海道各地では日最高気温が足寄町で37.1℃、北見市で37.0℃を観測するなど平年を15℃以上も上回り、釧路市では6月としての従前の最高気温を4℃以上も上回り観測史上最高気温を大幅に塗り替えた。7月終盤は曇りや雨のところが多く一度暑さは収まったものの8月に入り再び全国で猛烈な暑さとなり月平均気温は大阪市と岡山市で国内歴代2位タイの30.5℃、高松市で30.4℃を観測するなど島しょ部を除く本土での観測記録を更新した。また最高気温の月平均は兵庫県豊岡市で35.7℃、大分県日田市で35.6℃を観測し各地で猛暑となった。9月1日、気象庁は6月から8月の平均気温が平年比+1.64℃となり観測史上最高気温となるなど記録的な猛暑となったのでこの夏の猛暑を異常気象と認定した。2010年の猛暑 (日本)も参照。
- 2011年
- 6月24日、埼玉県熊谷市で39.8℃となるなど全国53地点で猛暑日を観測し65地点で6月の観測史上最高気温を記録した[1]。6月29日も山梨県甲州市で38.5℃となるなど全国74地点で猛暑日を観測し、71地点で6月の観測史上最高気温を観測した[2]。6月下旬の平均気温は東日本で平年比+3.8℃、西日本で平年比+3.3℃とそれぞれ2005年の平年比3.3℃、2.8℃を大きく上回る1961年の統計開始以来最高値となった[3]。7月は北日本・東日本で平年比やや高温、8月は全国的に平年並みの暑さとなる。
夏期(6、7、8月)の各年の平年比
出展:日本の地域平均気候データ、季節の地域平均気候表・気象庁
- ■:平年比+1.5℃以上
- ■:平年比+0.6〜+1.4℃
- ■:平年比+0.1〜+0.5℃
- ■:平年比-0.5〜0.0℃
- ■:平年比-1.4〜-0.6℃
- ■:平年比-1.5℃以下
| 年 | 北日本 | 東日本 | 西日本 | 沖縄・奄美 |
|---|---|---|---|---|
| 1951年 | +0.5 | -0.5 | -1.0 | -1.0 |
| 1952年 | 0.0 | -0.5 | -0.7 | -0.3 |
| 1953年 | -0.8 | -0.7 | -0.2 | +0.3 |
| 1954年 | -2.1 | -1.5 | -1.1 | 0.0 |
| 1955年 | +1.3 | +0.7 | +0.2 | -0.6 |
| 1956年 | -1.5 | -0.6 | -0.2 | +0.5 |
| 1957年 | -0.8 | -0.8 | -0.8 | -0.2 |
| 1958年 | -0.2 | -0.3 | 0.0 | -0.6 |
| 1959年 | -0.3 | -0.3 | -0.1 | -0.2 |
| 1960年 | +0.1 | -0.1 | +0.2 | -0.3 |
| 1961年 | +1.0 | +0.6 | +0.7 | +0.3 |
| 1962年 | +0.1 | -0.2 | -0.4 | 0.0 |
| 1963年 | -0.2 | +0.1 | +0.1 | -0.2 |
| 1964年 | -0.5 | +0.2 | +0.3 | -0.6 |
| 1965年 | -0.6 | -0.3 | -0.4 | -0.5 |
| 1966年 | -0.9 | -0.5 | -0.2 | -0.4 |
| 1967年 | +0.5 | +0.5 | +0.5 | 0.0 |
| 1968年 | -0.1 | -0.5 | -0.8 | -0.6 |
| 1969年 | -0.6 | -0.6 | -0.5 | -0.6 |
| 1970年 | +0.1 | -0.5 | -0.6 | -0.1 |
| 1971年 | -0.7 | -0.1 | +0.1 | +0.6 |
| 1972年 | +0.5 | -0.3 | -0.5 | -0.4 |
| 1973年 | +0.5 | +0.2 | +0.2 | -0.8 |
| 1974年 | -0.5 | -0.6 | -0.8 | -0.7 |
| 1975年 | +0.2 | -0.1 | -0.1 | -0.5 |
| 1976年 | -1.0 | -1.1 | -1.0 | -0.7 |
| 1977年 | -0.3 | -0.5 | -0.2 | +0.1 |
| 1978年 | +2.0 | +1.4 | +0.9 | -0.4 |
| 1979年 | +0.2 | +0.4 | +0.1 | -0.2 |
| 1980年 | -1.1 | -0.8 | -0.9 | +0.6 |
| 1981年 | -0.7 | -0.3 | +0.1 | -0.3 |
| 1982年 | -0.3 | -1.2 | -1.1 | -0.6 |
| 1983年 | -1.7 | -0.6 | -0.1 | +0.2 |
| 1984年 | +1.4 | +0.7 | +0.7 | +0.1 |
| 1985年 | +0.4 | +0.2 | +0.2 | -0.6 |
| 1986年 | -1.0 | -0.6 | -0.2 | +0.1 |
| 1987年 | 0.0 | +0.5 | 0.0 | 0.0 |
| 1988年 | -0.6 | -0.6 | -0.3 | +0.6 |
| 1989年 | 0.0 | -0.7 | -0.6 | 0.0 |
| 1990年 | +1.1 | +1.1 | +1.2 | +0.3 |
| 1991年 | +0.3 | +0.4 | +0.3 | +1.0 |
| 1992年 | -0.3 | -0.4 | -0.7 | -0.3 |
| 1993年 | -1.8 | -1.5 | -1.2 | +0.5 |
| 1994年 | +1.4 | +1.6 | +1.4 | +0.3 |
| 1995年 | +0.1 | +0.4 | +0.3 | 0.0 |
| 1996年 | -0.6 | +0.2 | +0.4 | +0.4 |
| 1997年 | -0.1 | +0.3 | +0.2 | -0.5 |
| 1998年 | -0.6 | +0.3 | +0.8 | +0.9 |
| 1999年 | +1.6 | +0.7 | 0.0 | +0.1 |
| 2000年 | +1.4 | +1.0 | +0.7 | -0.1 |
| 2001年 | 0.0 | +1.0 | +0.9 | +0.9 |
| 2002年 | -0.4 | +0.9 | +0.7 | +0.2 |
| 2003年 | -1.2 | -0.6 | -0.3 | +0.6 |
| 2004年 | +1.0 | +1.3 | +1.2 | +0.1 |
| 2005年 | +0.8 | +0.8 | +0.9 | +0.2 |
| 2006年 | +0.5 | +0.4 | +0.8 | +0.4 |
| 2007年 | +0.7 | +0.4 | +0.5 | +0.6 |
| 2008年 | 0.0 | +0.5 | +0.6 | +0.6 |
| 2009年 | -0.3 | +0.1 | +0.2 | +0.4 |
| 2010年 | +2.3 | +1.8 | +1.1 | +0.3 |
| 2011年 | +1.0 | +0.9 | +0.5 | +0.3 |
猛暑日
猛暑日(もうしょび)とは気象庁が2007年4月1日に予報用語の改正を行い、日最高気温が35℃以上の日のことを「猛暑日」と制定した用語である。制定前の2006年までは、非公式ではあるが「酷暑日(こくしょび)」と言われていた。ただし「酷暑」が気象庁の予報用語として定義されているのに対して、「猛暑」は定義されていない。近年の温暖化傾向もあり北海道を含む各都道府県で毎年のように観測されているが、沖縄県は海洋性気候なのでほとんど観測されていない。
- 年間最多日数 - 45日 大分県日田市(1994年)
- 連続日数 - 22日 大分県日田市(1994年7月3日から24日)
- 最も早い猛暑日 - 5月13日 埼玉県秩父市、群馬県前橋市(ともに1993年)
- 最も遅い猛暑日 - 9月28日 富山県高岡市伏木(1991年)[4]
- 日最高気温 - 40.9℃ 埼玉県熊谷市、岐阜県多治見市(ともに2007年8月16日)
- 日最高気温の月平均 - 36.1℃ 岐阜県岐阜市(1995年8月)[5]
関連する表現
猛暑、酷暑などは夏の天候に対して使う言葉であり類似の表現として気象庁が定義した「暑夏」がある。これはひと夏の天候について言う気象用語で、6月から8月の平均気温が3階級表現で「高い」に該当した夏のこと。冷夏の対義語である。また「熱波」というのは英語のHeat waveに対応する言葉で気象庁ではとくに定義を設けていないが、一般には夏に著しい気温の上昇をもたらす暖気が到来すること。寒波の対義語である。
脚注・出典
- ^ 暑い! 埼玉・熊谷で39.8度、6月の最高更新 猛暑日は全国53地点 産経ニュース 2011年6月24日
- ^ 6月なのに…山梨で38度超 列島また記録的猛暑 47NEWS 2011年6月29日
- ^ 6月下旬の暑さ、50年間で最高=九州では記録的大雨-気象庁 時事ドットコム 2011年7月1日
- ^ 気象台における観測。アメダス観測でも9月28日の富山県朝日町泊(1991年)。
- ^ 気象台における観測。アメダス観測では36.2℃の岐阜県多治見市(1995年8月)。
関連項目
外部リンク
- 過去の気象データ検索(気象庁)