ポカリスエット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ポカリスエット (POCARI SWEAT) は、大塚製薬から発売されている清涼飲料水。日本におけるスポーツドリンク普及の起爆剤になった存在としても知られている。略称は「ポカリ」。
開発における商品コンセプトは「飲む点滴」で、ヒトの体液に含まれる7種類のイオンを含有する。カロリーは100ml当たり27kcal。
目次 |
[編集] 概要
1980年、245ml缶と希釈用のパウダータイプで発売された。価格は缶タイプで当時120円(この時点のコカ・コーラ社製品の250ml缶は100円であった)。当初は缶の構造も一般の缶飲料とは異なり、上下の平面部分に独特の窪みが付けられていた。ちなみにアルカリ性の飲料水というイメージが強いが、実際は体内に入る前は酸性である。
ヒトの体液に近い組成と浸透圧の生理食塩水(リンゲル液)が、発汗によって失われた水分を補給するのに効率が良い事は、旧日本陸軍など様々な研究機関で研究されていた。アメリカ合衆国では、そうしたリンゲル液を飲みやすい味に仕上げたスポーツドリンクとして、ゲータレードが商品化されていた。
大塚製薬は元々、病院などで使用される点滴用のリンゲル液を手がけていたため、先行商品であるゲータレードがリンゲル液の組成に近い事はすぐに判明した。また長時間の手術を終えて疲労した医師が水分補給にリンゲル液を飲用している事実も知っていた。そのため、その自社のリンゲル液を元にして開発が進められた。各種イオン濃度は綿密に調整され、ヒトの体液に極めて近い組成及び浸透圧になっている(「アイソトニック飲料」という用語もここから生まれた)。また、先行商品であるゲータレードに対抗するために、食味の研究も入念に行われ、赤穂の塩味饅頭をヒントに塩味と甘みの絶妙のバランスを図った。
無果汁と表記されているが、果汁を使用していることでも知られており、少量のグレープフルーツ果汁が使用されている。なお、果汁5%未満であれば無果汁表記と果汁%表記が選択できるため、違法ではないが、現在はほとんどが果汁%表記なので、不思議に思われることが多い。大塚ベバレジのマッチでも同様である。
「味覚感がない」という理由から飲料水パッケージにはほとんど採用されてこなかった青色を、缶デザインに初めて大々的に取り入れる斬新なデザインで清涼感を強く打ち出し、後のスポーツ飲料のイメージを決定付けた。
現在は日本や東南アジアをはじめ、多くの国で発売されている。ただ、アメリカ合衆国(米国)など英語圏の国々では商品名が「スウェット=汗」(=臭い)を連想させる、と指摘されることもある。米国内でスポーツドリンクといえば、老舗のゲータレードの方が強い。
また、リトルリーグなどの統括団体日本少年野球連盟の公認スポーツドリンクである。 なお、最近になって環境問題に配慮してすでに販売している製品の一部でエコボトルが採用している。
[編集] コマーシャル
斬新な広告デザイン・手法を選択する。近年のCMはポカリスエットブランドマネージャーの大塚太郎の企画による。
[編集] テレビCM
1986年に、「ポカリスエット・イメージガール・コンテスト」で優勝した森高千里は、糸井重里と共演したCMが話題となった。森高千里主演のポカリスエット・ムービーキャラバン第1作「あいつに恋して」は興行的に成功しなかった。しかし、1990年代からは、CMキャラクターに宮沢りえ、一色紗英、中山エミリらを起用する傍らで、CMソングは織田哲郎、ZARD、B'zらを擁するビーインググループとタイアップし、多くのヒット曲を生み出した。
当初から夏期はイメージを、冬期は機能を全面に押し出すCM戦略をとっている。
2001年10月には国際宇宙ステーション内でCMを撮影。2002年の年始からキャンペーン「PLANET BLUE」として放映した。
2006年のCMキャッチコピーは「RE-BODY」(リボディ)であった。
2007年のCMキャッチコピーは「ACTION」(アクション)。 企画、制作は電通。クリエーティブディレクター小松洋支、プランナー高崎卓馬、アートディレクター高橋秀明・小島義広。
2008年のCMキャッチコピーは「汗を楽しめ!! FAST SUPPLY,KEEP LONG!」( - ファストサプライ,キープロング)。
2009年のCMキャッチコピーは「KEEP YOU BEST」( - キープユーベスト)。
[編集] CM出演者
- 男性
- マット・ビオンディ、糸井重里、舘ひろし、江川芳文、菅谷栄二、池内博之、浅里昌吾、三谷幸喜、ローリング・ストーンズ、勝地涼、ジャン・レノ、金城武、森且行、草刈正雄、福山雅治、鮎川誠、ヒロミ、玉木宏、寿里、中村俊輔、中村竜、平岡祐太、香取慎吾、SMAP
- 因みに1998年に森且行が出演、2007年に森以外、つまり現行のSMAPメンバーが順次出演するので、9年間の間を挟みつつも「森脱退後に森を含むSMAP6人が同じ商品(= ポカリスエット)のCMに出た」ことになるはずだったのだが、木村拓哉が他社の清涼飲料水のCMに出演しているため、他社の清涼飲料水の契約が終わる6月まで実現しなかった。ちなみに草彅剛はイオンウォーターのCMにも出演している。
- 女性
- フランチェスカ・マクベス、マーゴ・ヘミングウェイ、エバ、シンディ・クロフォード、石原真理子、森高千里、斉藤慶子、宮沢りえ、一色紗英、中山エミリ、おくはらあい、坂上みき、鈴木杏、後藤理沙、上村時恵、高沢れい子、YUKI (JUDY AND MARY) 、松井真朝子、加藤夏希、MIMI、綾瀬はるか、川口春奈
[編集] 提供番組
- 我が町バンザイ - 1980年代に東北地方の中波ラジオ局6局で放送されたラジオ番組。投稿が採用されたリスナーにポカリスエットをプレゼントしていた。
- ブカツの天使 - 2008年4月から日本テレビ系列ほかで放送されているテレビ番組。
[編集] 広告媒体
1997年12月に日本エアシステムのジェット旅客機A300-600Rの機体 (JA8562) に「POCARI SWEAT」のロゴをデザイン。定期空路に用いる旅客機では日本初の機体広告となった[1]。これより以前に東亜国内航空時代の1982年には機内広告を掲出していた。
1989年と2005年の夏期に軽飛行機による飛行機雲で文字を作り広告を行うスカイメッセージを実施した。
[編集] 関連商品
- ポカリスエットイオンウォーター
- 2006年発売。イオン濃度を変えずに、カロリーを100ml当たり8kcalに抑え、甘味も控えめとした製品。CM出演は片瀬那奈。
- ポカリスエットステビア
- 1990年発売。ステビアの葉から抽出した天然甘味料を使用。カロリーは100ml当たり11kcal。2007年4月に終売となった。
- ホットポー
- 粉末をお湯で割って飲む、「ホットポカリスエット」。冬に大々的に売り出された。
- ビーンスターク・ポカリスエット
- 乳児用に濃度を薄めたもの。果汁入り。
[編集] エピソード
- ポカリスエットの製品化の話が持ち上がった際、会議で一部役員から商品として弱い、売れないなどの否定的な意見が出る中、サンプルを見た大塚明彦社長(当時)の「これは売れる」という鶴の一声で一気に話が進んだという。
- 広告などが全て刷り上って準備万端の発売寸前に、グループ会社である大塚食品の社員から「食品関係のパッケージに青は絶対に使わない」と言われ、商品に関わったものたちは順調な売れ行きを知るまでの期間を戦々恐々として過ごした。青色を採用した理由は色々あるが、製薬畑で過ごし、食品販売に携わったもののいない企画・営業や開発者一同は、当時頑なに守られていた食品業界の「青色のタブー」を全く知らなかったのである。青色のパッケージを採用した理由とともに後日談として、大塚製薬の広報や開発者が出演したテレビ・雑誌などでよく語られている。
- 石原裕次郎が1981年に心臓の手術を受けた後、「喉が渇いている、ポカリスエットが飲みたい。」と筆談でしきりに懇願し、兄の慎太郎が記者たちの前でそのことを口にしたところ、その日からポカリスエットの売上が急増し、大塚製薬からはトラック1台分のポカリスエットが病院に届けられ、兄の家にはポカリスエットが数ケースが届けられたという。これが縁となってか、大塚製薬は「21世紀の石原裕次郎を探せ!」オーディションの冠スポンサーを務めている。
[編集] 歴代タイアップ曲
- 1981年:まぎれなく恋(レモン・トリー)
- 1983年:まぎれなく恋(チェリッシュ)
- 1985年:DEJA-VU(デジャヴー)(杏里)
- 1986年:硝子のレプリカント(早瀬優香子)
- 1987年:きまぐれSummer Wind (BOUND)
- 1987年:アイ・フィール ユア・ラブ (BEN E KING)
- 1989年:CO-COLO上天気 (Mich Bronsnan)
- 1990年:君が降りてきた夏 (MOJO CLUB)
- 1991年:Shiny Day(川島だりあ)
- 1992年:いつまでも変わらぬ愛を(織田哲郎)
- 1993年:揺れる想い (ZARD)
- 1994年:瞳そらさないで (DEEN)
- 1995年:突然 (FIELD OF VIEW)
- 1995年:200倍の夢 (Letit go)
- 1996年:心を開いて (ZARD)
- 1997年:エスケープ (Dr.StrangeLove)
- 1998年:さまよえる蒼い弾丸 (B'z)
- 1998年:夏の魔法(ペパーランド・オレンジ)
- 1999年:GOING TO THE MOON (TRICERATOPS)
- 1999年:Sunny Day Sunday(センチメンタル・バス)
- 2000年:Brand New Wave Upper Ground (JUDY AND MARY)
- 2000年:ミュージック・アワー(ポルノグラフィティ)
- 2000年:サウダージ(ポルノグラフィティ)
- 2001年:あたしをみつけて (JUDY AND MARY)
- 2001年:スカート (CHARA)
- 2001年:Free World (LOVE PSYCHEDELICO)
- 2001年:travellin' man(玲葉奈)
- 2002年:SONS OF THE SUN(麻波25)
- 2003年:それがすべてさ(福山雅治)
- 2004年:RED×BLUE(福山雅治)
- 2005年:未来 (Mr.Children)
- 2006年:ハネウマライダー(ポルノグラフィティ)
- 2007年:SMAP No.5(SMAP)
- 2009年:一粒大の涙はきっと、だから一歩前へ踏み出して(Hi-Fi CAMP )
[編集] 備考
- ポカリスエット15周年記念キャンペーンで「みんなの夢航海」が実施された。
- ポカリスエットのCMは、韓国、台湾、中国、香港、インドネシア、中東でも放送されている。台湾、中国と香港では、日本と同じスポットが放送されている。音声は差し替え。
- ポカリスエットは2006年12月にカタール・ドーハで行われたアジア競技大会(アジア大会)の公式飲料となっていた。大塚製薬はアジア大会では、1998年のバンコク大会、2002年のプサン大会に続いて3度目のスポンサーとなった。
- Dragon Ashの『休日』の歌詞にも登場する。
- 2007年の大塚製薬主催のコンサート「エキサイティング・サマー・イン・ワジキ」でトリを勤めたHOME MADE 家族はアンコール後最後の曲の歌詞を「ポカリスエット」と変更して歌唱した。
- ZARDの追悼ライブツアー"What a beautiful memory 2008"においては、終演後に来場者宛に500mlペットボトルが供されている。また「ZARD 坂井泉水 展 “What a beautiful memory”」においても来場者に供された。
- ケツメイシのライブツアー"ドキッ!オヤジだらけの歌合戦 目指せ金メダル2008 ポロリもあるよ!?"でも、一部の会場で終演後に来場者宛に500mlペットボトルが供されている。
- UVERworldの2008年のライブツアーでもペットボトル配られている。また、2008年12月のUVERworldの日本武道館公演および大阪城ホール公演もポカリスエットが提供している。
[編集] 脚注・出典
[編集] 関連項目
- スポーツドリンク
- オールナイトニッポン - ニッポン放送系(土曜日のみ)
- ラジアンDX ポカリスエット・ザ☆学校キャラバン - JFNC系
- 徳島ヴォルティス - ユニフォームスポンサー
- 徳島県鳴門総合運動公園陸上競技場 - 2007年5月に同公園の命名権が大塚製薬と結ばれ、メインスタジアムの名称が「ポカリスエットスタジアム」となる。
- ローリング・ストーンズ - 1990年に来日公演を行った時のスポンサー
- POCARI SWEAT BLUE WAVE THE ROCK ODYSSEY 2004 - ロック・フェスティバル
- レーション
- アクエリアス - コカコーラ社のスポーツドリンク、最大のライバル飲料。ポカリスエットのほうが甘いというのが定説である。
- OS-1 - 「飲む点滴」としての機能に特化した特殊用途飲料(特保病者用食品)。飲用に際し医師の指示が必要であることから、販売ルートが限られている。
[編集] 外部リンク
|
||||||||||||||||||||

