国道289号

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Camera-photo Upload.svg 画像提供依頼:甲子道路開通以前に、登山国道に国道標識が設置されている状況を示す写真の画像提供をお願いします。2019年4月
一般国道
国道289号標識
国道289号
地図
総延長 275.2 km
実延長 254.3 km
現道 235.5 km
制定年 1970年指定
起点 新潟県新潟市中央区
本町交差点地図
主な
経由都市
新潟県燕市三条市
福島県南会津郡只見町白河市
終点 福島県いわき市地図
接続する
主な道路
記法
国道116号標識 国道116号
国道8号標識 国道8号
国道252号標識 国道252号
国道121号標識 国道121号
国道4号標識 国道4号
国道118号標識 国道118号
国道6号標識 国道6号
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路
新潟市中央区 千歳大橋付近(国道116号との重複区間)
福島県西郷村 甲子峠付近にて。甲子道路開通により交通量は増大傾向にある。
福島県いわき市錦町(旧勿来市)にて

国道289号(こくどう289ごう)は、新潟県新潟市から福島県いわき市へ至る一般国道である。

概要[編集]

本州の日本海岸に位置し新潟県の県庁所在地でもある新潟市から、福島県中通り白河市を経由して、東北地方南東端で太平洋岸に位置するいわき市とを結ぶ延長275キロメートル (km) ある一般国道の路線。主な通過地は、新潟県燕市三条市、福島県南会津郡只見町南会津町下郷町、白河市、東白川郡棚倉町である。国道49号と並び、新潟県と福島県を横断する国道でもある。起点である新潟市中央区本町交差点から燕市にかけては国道116号重複する。燕市からは南東へと針路をとり、新潟県中越地方と福島県にまたがる越後山脈越え(八十里越)や、福島県会津地方の南西部地域、中通りと浜通りを隔てる阿武隈高地など、経路の多くは山岳地帯を通過する。

燕市から三条市へと新潟県県央地域を西から東へ横断して福島県只見町に至るが、両県境で最大の難所である八十里越の区間については、三条市大字塩野渕から只見町大字叶津字入叶津に至る延長19.1 kmの区間が自動車の通行不能区間として残存している。両県と国土交通省北陸地方整備局長岡国道事務所では「八十里越道路」の改築事業を実施しており、数十のトンネル群が国土交通省の権限代行による直轄工事で進められている[1]。沿線は急峻な地形で豪雪地帯にあり、構造物の建設は春季から秋季にかけての約半年間に限られることから事業は長期にわたっており、全線の供用開始は2020年代半ばが見込まれている[2]

福島県南会津から甲子峠を福島県下の一般道としては最長となる甲子トンネル(全長4,345 m[注釈 1]で抜けてさらに東へと進み、福島県中通り地方の白河市の中心市街で国道4号と交差して、阿武隈高地南部の山間地を横断して太平洋側のいわき市の国道6号に至る。

路線データ[編集]

一般国道の路線を指定する政令[3][注釈 2]に基づく起終点および経過地は次のとおり。

歴史[編集]

新潟・福島県境の八十里越区間は、古くからの街道筋である旧八十里街道を踏襲する道である。八十里越と称された理由は、8里(約32 km)の道が80里に感じられるほど険しいからだといわれる[7]。現在の国道指定された八十里越の登山道区間と旧八十里街道はルートが完全に一致しておらず、明治時代に整備された旧街道筋の区間は廃道状態となっている[1]

国道289号の道筋が国道に指定されたのは、新潟県出身の衆議院議員で自由民主党幹事長を務め、のちに総理大臣となった田中角栄の影響力によるものだといわれている[8]。いわき・新潟間を結ぶ国道には他にも国道49号があったが、田中は、甲子温泉がある福島県西郷村に訪れた際に、当時この道が村道であるのはもったいないので、国道に格上げしようと発言したことが端に発しているからだとされている[8]

福島県の下郷町と西郷村の5.9 km区間(甲子峠)も長らく自動車通行不能区間であったが、33年の工事期間を費やしてバイパスの甲子道路が完成し、2008年9月21日に開通した[9]。この区間の開通により、従来80かかっていた下郷 - 白河の所要時間が50分に短縮された。また、宇都宮方面や同じ県内郡山方面からも東北道白河インターチェンジ経由で下郷町のほか、大内宿、隣接する南会津町や遠くは檜枝岐村方面も従来ルートより短縮が計れるようになった。これにより、当国道の不通区間は前述の八十里越区間のみとなった。また、甲子道路の開通まで、不通区間の西郷村側では、旅館の本館と離れをつなぐ渡り廊下の屋根を国道のルートが潜っていたり、さらにその先では人のみが通れる極めて狭い登山道に路線番号標識が立つなど[10][11]、一種の名所となっていたが、上記甲子道路の開通に伴い現在は指定から外れ、標識も撤去されている[12]

年表[編集]

路線状況[編集]

起点・新潟市 - 燕市の国道116号重複区間は住宅地や商業施設が多く立地しており、また国道116号が新潟市と柏崎市で最短で結ぶ路線であることから交通量が多い。

燕市から三条市にかけては、複数の箇所で道路が複雑にクランクしており、右左折が必要な箇所も多い。またかつて燕市東太田から同市燕橋北詰にかけては、1本の道路でつながっているにもかかわらず遠回りなルートが国道指定され、このうち同市秋葉町一丁目(秋葉町一丁目交差点から中ノ口川堤防の道路までの間)地内では吉田方面への一方通行となっている区間が存在していたが、2010年から現在のルートに変更された。

新潟県の三条市内の区間では旧国鉄弥彦線(通称・弥彦東線)の跡地(軌道敷)を転用の上拡幅整備した箇所が存在する。同様に、福島県の白河市から棚倉町にかけての区間では、JRバス白棚線専用道(かつてこの区間に運行されていた鉄道線の軌道敷を利用したもの)を転用の上拡幅整備した箇所が存在する。

バイパス[編集]

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通称[編集]

  • 289(にいぱーきゅう)
  • 柾谷小路
  • 東中通り
  • 西大通り
  • 蔵所掘通り
  • 小張木関屋線
  • 小須戸線
  • 第二産業道路
  • 会津沼田街道
  • 棚倉街道

重複区間[編集]

国道289号と349号の重複区間
福島県東白川郡鮫川村(2015年4月)

道路施設[編集]

橋梁[編集]

新潟県
福島県
  • 常盤橋(南会津郡只見町 只見川
    • 全長:113.8m
      • 主径間:37.5m
    • 幅員:8.0(10.5)m
    • 形式:鋼単純活荷重合成鈑桁橋
    • 竣工:1987年[13]
  • 永田橋(南会津郡南会津町 阿賀川
    • 全長:205m
    • 幅員:6m
    • 竣工:1960年[14]
    1984年に歩行者の安全性向上の為に幅員4mの歩道橋が設置された[15]
  • 深沢橋(南会津郡南会津町)
    • 全長:18.8m
    • 幅員:8.0(14.0)m
    • 形式:PCプレテンホロー桁橋
    • 竣工:1986年
南会津町片貝にて一級水系阿賀川水系伊南川支流の深沢川を渡る。幅員5.5mと狭隘で前後の線形も悪かった旧橋梁から県単独橋梁整備事業として架替が行われた。総工費は1億1200万円[16]
  • 鹿水橋
    • 全長:36.0m
    • 幅員:6.5(14.0)m
    • 形式:単純PCポステンT桁橋
    • 竣工:1994年度
南会津町堺にて一級水系阿賀川水系伊南川支流の鹿水川を渡る。幅員狭小と悪線形解消のためのバイパス工事に伴い架け替えが行われた。総工費は1億6500万円[17]
  • 桜橋
    • 全長:33.4m
    • 幅員:7.5(10..0)m
    • 形式:単純非合成鈑桁橋
    • 竣工:1989年
南会津町山口にて一級水系阿賀川水系伊南川支流の小谷川を渡る。1975年度より南会津町山口地区の狭隘区間の国道改良事業である山口工区が整備されるに伴い、国道橋梁整備事業として架替が行われた。総工費は1億1000万円[18]
  • 旭橋
    • 全長:87.0m
      • 主径間:63.7m
    • 幅員:8.0(14.0)m
    • 形式:上路式RC固定アーチ橋
    • 竣工:1988年
下郷町豊成から塩生に跨がり、一級水系阿賀川を渡る。1937年に全長44.9m、幅員4.5mのRCアーチ橋として先代の橋梁が建設された。以後50年に渡り下郷町の交通の要衝として地域に親しまれていたが、幅員狭小で片側通行が行われ、老朽化により重量規制が必要であったことから、1984年度より国道橋梁整備事業として架替が行われた。旧橋梁の約150m下流に付け替えられた。総工費は9億6400万円[19]
橋の西側にて分岐する取付道路部が南側の和尚壇交差点にて交差する国道4号と、その東側に並行するJR東北本線を渡る。橋梁下側には福島県道路公社の管理する有料駐車場が整備されている。
  • 貝泊大橋(いわき市)
  • 辺栗橋
    • 全長:40.5m
    • 幅員:9.5(14.0)m
    • 形式:鋼単純鈑桁橋
    • 竣工:1993年度
いわき市田人町南大平字辺栗に位置する。橋上は登坂車線が設置され合計3車線で供用されている。田人工区整備に伴い、国道橋梁整備事業として1992年度より建設された。総工費は2億3800万円[21]
いわき市田人町南大平に位置し、二級水系鮫川水系四時川を渡る。国道改良事業田人工区の関連橋梁として国道橋梁整備事業により建設された。総工費は8億7100万円[23]
  • 川平大橋(いわき市)
    • 全長:191.0m
      • 主径間:80.0m
    • 幅員:8.0(10.5)m
    • 形式:3径間連続変断面PC桁橋
    • 竣工:1988年
いわき市田人町南大平にて二級水系鮫川水系四時川を渡る。国道改良事業田人工区整備に併せて国道橋梁整備事業として建設された。総工費は7億5100万円[24]
  • 四時大橋(いわき市)
廃棄されたもの

トンネル[編集]

新潟県
  • 大江トンネル(三条市)
福島県
山口地区の小屋川に沿う狭隘な集落部を避けるためのバイパス整備のため国道改良事業として建設された。1986年に起工式が行われ、1988年12月21日に貫通、1989年12月22日に開通した。総工費は6億8900万円[26]
田人町旅人字荷路夫に位置する。1997年度より国道第一種改良事業として建設された。1997年2月4日に起工され、1998年9月24日に貫通、1999年7月5日に開通した。総工費は7億円。
  • 辺栗トンネル(いわき市)
    • 全長:797.0 m
    • 幅員:7.5 m
    • 高さ:4.7 m
    • 工法:NATM工法(上部半断面先進ベンチカット工法)
    • 竣工:1997年3月竣功[27]
    • 施工:錦・クレハ特定建設工事共同企業体
田人町南大平字江尻から字辺栗に跨る。1993年度より国道改築事業として狭隘区間の解消のために建設された。1994年1月17日に起工され、1996年2月26日に貫通、1997年10月28日に開通した。総工費は22億円[29]
  • 四時トンネル(いわき市)
    • 全長:1,439.0 m
    • 幅員:6.5(9.5) m
    • 高さ:4.7 m
    • 工法:NATM工法(上部半断面先進ショートベンチカット工法・上部半断面先進ロングベンチカット工法)
    • 施工:錦・福浜・加地和建設工事共同企業体
    • 竣工:1992年2月[27]
田人町南大平から川部町事大沢に跨る。四時ダム建設に伴う水没区間付け替えに合わせ、国道改良事業として1986年度より事業化された。1987年2月5日に起工され、1992年2月14日に開通した。総工費は26億8000万円[30]
廃棄されたもの

道の駅[編集]

新潟県
福島県

交通量[編集]

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車両通行不能区間[編集]

  • 新潟県三条市大字塩野渕 - 福島県南会津郡只見町大字叶津字入叶津間(延長19.1 km)
八十里越を経由する区間で、登山道が国道指定されている。最長の点線国道区間でもある登山道は徒歩で約13時間を要する距離があり、1日通しで通過することはほぼ不可能である[31]。2015年12月現在、八十里越道路(三条市大字塩野渕字御所 - 只見町大字叶津字入叶津間、総延長20.8 km)の建設工事に伴い、新潟県側の旧道路末端より手前側8 kmの位置に車両通行止めゲートがあり[31]、林道等を含む一部の区間が車両全面通行止となっている。ただし登山ルートで通行止となっているのは塩野渕側で工事区間に並行する「新八十里越」であり、南西の三条市大字吉ケ平を起点とする八十里越の元来の経路は徒歩のみであれば通行できる(冬季は積雪のため通行不可)。

地理[編集]

通過する自治体[編集]

交差する道路[編集]

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主な峠[編集]

  • 鞍掛峠(標高965 m) : 新潟県三条市 - 新潟県魚沼市
  • 木の根峠(八十里越)(標高845 m) : 新潟県魚沼市 - 福島県南会津郡只見町
  • 駒止峠(標高1,130 m) : 福島県南会津郡南会津町(旧南郷村) - 南会津郡南会津町(旧田島町)
  • 甲子峠(標高1,400 m) : 福島県南会津郡下郷町 - 西白河郡西郷村 : 甲子トンネルで通過

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 自動車専用道路である東北中央自動車道栗子トンネル開通以前は開通以来自動車道全体でも福島県最長であった。
  2. ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
  3. ^ 2005年10月10日に新潟市へ編入。2007年4月1日に政令指定都市へ移行して西蒲区発足。
  4. ^ 2006年3月20日に燕市ほか2町が合併して燕市発足。
  5. ^ 2005年5月1日に三条市ほか1町1村が合併して三条市発足。
  6. ^ a b 2006年3月20日に1町3村が合併して南会津郡南会津町発足。
  7. ^ a b c d e f g 2015年4月1日現在

出典[編集]

  1. ^ a b 松波成行 2008, p. 74.
  2. ^ 佐藤健太郎 2015, p. 33.
  3. ^ 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2012年11月27日閲覧。
  4. ^ 福島県次世代自動車充電インフラ整備ビジョン”. 福島県. 2014年1月11日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g 表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況 (PDF)”. 道路統計年報2016. 国土交通省道路局. p. 16. 2017年4月18日閲覧。
  6. ^ 一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2012年11月27日閲覧。
  7. ^ 佐々木・石野・伊藤 2015, p. 74.
  8. ^ a b 佐藤健太郎 2015, p. 31.
  9. ^ 佐藤健太郎 2015, p. 32.
  10. ^ 松波成行 2008, p. 75.
  11. ^ 佐藤健太郎 2015, p. 29.
  12. ^ 佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社〈講談社現代新書〉、2014年、21-24頁。ISBN 978-4-06-288282-8
  13. ^ 常盤橋1957-4-26 - 土木学会附属土木図書館
  14. ^ 永田橋1960- - 土木学会附属土木図書館
  15. ^ 平成27年度 橋梁点検結果(福島県管理道路) - 福島県土木部
  16. ^ 福島県の橋梁 昭和61年度版 - 福島県土木部
  17. ^ 福島県の橋梁 平成10年度版 - 福島県土木部
  18. ^ 福島県の橋梁 平成2年度版 - 福島県土木部
  19. ^ 福島県の橋梁 平成2年度版 - 福島県土木部
  20. ^ 平成28年度 橋梁点検結果(福島県管理道路) - 福島県土木部
  21. ^ 福島県の橋梁 平成10年度版 - 福島県土木部
  22. ^ 橋梁年鑑 田人大橋詳細 - 日本橋梁建設協会
  23. ^ 福島県の橋梁 平成4年度版 - 福島県土木部
  24. ^ 福島県の橋梁 平成2年度版 - 福島県土木部
  25. ^ 平成26年度 橋梁点検結果(福島県管理道路) - 福島県土木部
  26. ^ 福島県のトンネル 南会津建設事務所 - 福島県土木部
  27. ^ a b c d e 諸元 (トンネル銘板). トンネル本体坑口付近: 福島県. 
  28. ^ 福島県のトンネル いわき建設事務所 - 福島県土木部
  29. ^ 福島県のトンネル いわき建設事務所 - 福島県土木部
  30. ^ 福島県のトンネル いわき建設事務所 - 福島県土木部
  31. ^ a b 松波成行 2008, p. 76.

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]