駐車場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
平面駐車場(San Jose)
二輪車用駐車場(日本)

駐車場(ちゅうしゃじょう、: parking lot)とは、車両、なかでも自動車駐車するための場所。パーキング(parking)とも略される。用途によって一般公共用と特定利用者の保管用(車庫など)に大別できる。

自動二輪車については、駐車場法の一部改正[1]により駐車場法第2条第4号の「自動車」の定義に大型自動二輪車及び普通自動二輪車(以下両者をあわせ「自動二輪車」という。)が加えられ自動車と同じ扱いになった。なお、自転車などを停める場所は駐輪場と呼ぶこともある。

日本における現状[編集]

日本では1957年(昭和32年)に駐車場法が、1962年(昭和37年)に自動車の保管場所の確保等に関する法律が制定されており、これらの法律に基づき、車両を保有する者は車の保管場所を確保することが義務付けられている[2]。都心部は駐車場の絶対数不足による駐車場問題が深刻化しており、駐車場ビルや、道路や新築建築物への地下駐車場化が増加している[2]

一般公共用[編集]

地方自治体は、都市計画法で定める都市計画区域内に駐車場整備地区を指定し、駐車場法で定める「駐車場整備計画」を策定することが出来る。略式表示の「P」は、駐車場の英語表記"parking lot"の略である。

店舗等では利用者に対して附置義務駐車場を無料で貸す場合もあるが、一般には用務地に駐車場がない場合などには、別に一時的に駐車するスペースを時間貸しする場合が多い。都市部においては、建物の附置義務駐車場やパーキングメータなどに加えて、違法な路上駐車を防ぐ目的で簡易な路外駐車場として増やす動きもある。

広さ的に住宅・建物を建てるのに不向きな土地、ないしは広さは十分だが用途を不確定にしている土地を駐車場に充てる場合もある。この場合は、駐車場経営について専門家ではない地主が、大手駐車場経営会社に運営を委託することが多い。

駐車場法によると、名称、管理者の氏名及び住所(法人には、名称・事務所の所在地代表者の氏名及び住所)、供用時間、駐車料金に関する事項などを管理規程に定め、供用開始後10日以内に都道府県知事に届け出なければならないとされている。各自治体では駐車場整備計画を連動させ、駐車場条例として運用している。

日本においては、2006年(平成18年)6月1日から、改正道路交通法施行により、駐車禁止の取締りが都市部の重点路線等で強化されたので(駐車監視員放置違反金制度の導入)、駐車場の需要が拡大する傾向にある。

大阪府をはじめとする西日本および中部地方の一部では、民間駐車場のことを「モータープール」と呼ぶ。元々はアメリカ軍車両部隊官庁公用車の待機所または部隊自体を指す言葉で、原語の「motor pool」に駐車場の意味はない。現在でも米軍施設自衛隊では用いられており、厳密に言えば日本各地に存在する。

歩行困難者用駐車場[編集]

公共施設等には、歩行困難者向けの駐車スペースが用意されていることがある。

自家用[編集]

集合住宅の駐車場。自動二輪車用はカーポート。
戸建て住宅の駐車場(カーポート)
自家用立体駐車場

アパートなどの住民企業の自家用、従業員用などのいわゆる自家用の駐車場に対しては、車両を公道に駐車させないことを目的にした自動車の保管場所の確保等に関する法律(略称「車庫法」)が適用される。この法律においては、自動車の保管場所という用語が用いられる。駐車するための設備建物は「車庫」あるいは「ガレージ」と呼ばれ、また、簡単な屋根を設けたものは「カーポート」などとも呼ばれる。

分類[編集]

設置場所による分類[編集]

一般公共用の駐車場について、駐車場法では、設置場所によって分類をしている。

路上駐車場(時間制限駐車区間)
路上駐車場 
駐車場整備地区内の道路の路面に一定の区画を限って設置される自動車の駐車のための施設であって一般公共の用に供されるものをいう。パーキングメーターなどにより、料金の徴収を行うことが出来る。
路外駐車場 
道路の路面外に設置される自動車の駐車のための施設であって一般公共の用に供されるものをいう。駐車場法その他の法令で安全上の基準が定められている。
附置義務駐車場 
路外駐車場の一種。延べ面積2000平方メートル規模以上(場合によっては未満でも)の建物に、駐車場を併設する義務がある。
都市計画駐車場 
路外駐車場の一種。道路交通が著しく集中し込み合う地区で、道路の効用を保持し、円滑な道路交通を確保する必要のある区域(駐車場整備地区)において、その地区内の駐車需要に応ずるため、都市計画によって定められる駐車場。

形態による分類[編集]

本項目は自家用の自動車保管場所についても適用される。

平面駐車場 
地上にある駐車場で、自動車の区画のみを区切ることで駐車スペースとなる場合が多い。
立体駐車場(中部国際空港)
ターンテーブル(転車台)が設置された立体駐車場
立体駐車場 
自走式と機械式がある。市街地郊外の大規模ショッピングセンターの場合はこのタイプが多く、ビルディングマンションなどの地下屋上に駐車場を設ける場合でもこう表現する場合もある。また、市街地で簡便なものとしては、鋼材によって組み立てられるものもある。
日本における地下駐車場は、1960年(昭和35年)に東京駅前の丸の内ビルヂング(丸ビル)と新丸ノ内ビルヂング(新丸ビル)の間に建設された収容台数約500台分の地下駐車場が最初だといわれている[2]
自走式 
複数階が斜路によってつながったもので、日本での最初の事例は1929年6月に開業した東京の「丸ノ内ガラーヂ」(鉄筋コンクリート6階建ビル形式・駐車台数208台。1966年解体。運営会社は新東京ビル駐車場を運営している。)。平面駐車場の車両制限は無い場合が多いが、自走式立体駐車場の多くは取り分け大規模なものを除いて平均1790mmの高さ制限を設けている。
地下立体駐車場(自走・機械式複合:香林坊地下駐車場(石川県金沢市))
機械式 
無人になった車が自動で運ばれるもので、1929年に大阪在住の角利吉がタワー式駐車場の実用新案を取得したが実用化はされず、1962年に至って石川島播磨重工業が東京の日本橋高島屋に循環タワー式を納入したのが最初の実用例である。多段式(39%)・2段式(25%)・垂直循環式(17%)・エレベーター式(10%)等[3]があり、自走式より厳しい高さ制限(1550mm未満が多い)と車幅制限(1850mm未満が多い)を設けており、トールワゴンSUV等のいわゆるハイルーフ車・車幅が広い高級車車高を下げた改造車、左ハンドル車は駐車できない場合が多い。狭い敷地内に建設される事も多く、ターンテーブル(転車台)が設置される場合がある。

使用契約の期間による分類[編集]

時間貸しと月極

駐車場には無料駐車場有料駐車場がある。有料駐車場を使用する場合の、駐車場使用契約を結ぶ際に使われる一般的な契約方法をあげておく。

時間貸し(コインパーキング
都市部に多い。主に30分や1時間など、一定時間が経過するごとに料金が加算される仕組みになっている。コインで支払っていたので、この名称がついたと言われている。夜間は通常より低廉な料金設定となっていることが多く、など他の施設に併設されている駐車場の場合は入庫後一定時間内に出庫すれば料金が発生しない場所もある。
時間貸しの中には最大料金を設定されている駐車場もある。最大料金まで達するとそこからは料金が加算されない。ただし、所定の時刻あるいは時間を過ぎると再度加算される[1]。最大料金は場所や立地条件等によって異なる上に適用回数も駐車場により異なる。
日貸し駐車場 
日単位で契約する。鉄道駅空港バスターミナル近隣に設置されていることが多い。
月極め(つきぎめ) 
不動産賃貸契約と同じ手法が取られるケースが多い。基本的に1箇月後も更新されることが多い。
年払い 
年間契約。

なお、駐車場の中には長期にわたる駐車場使用契約車の使用区画と一時的使用に用いられる区画と同一敷地内に設置してある場合もある。

定期契約 
時間の流れという意味があり、いろいろな契約形態が可能になり、幅広い駐車形態を生み出すことができる。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律(平成18年5月31日 法律第46号)
  2. ^ a b c 浅井建爾 『道と路がわかる辞典』 日本実業出版社2001年11月10日、初版、255頁。ISBN 4-534-03315-X
  3. ^ 他に水平循環式・多層循環式・エレベータースライド式・平面往復式 出典:「driver 2009-4-5」八重洲出版

関連項目[編集]

外部リンク[編集]