国道418号
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一般国道 | |
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国道418号 | |
総延長 | 268.2 km |
実延長 | 177.1 km |
現道 | 172.1 km |
制定年 | 1982年 |
起点 | 福井県大野市 上神明交差点(地図) |
主な 経由都市 |
岐阜県本巣市、山県市、関市、 美濃加茂市、加茂郡川辺町、加茂郡八百津町、恵那市 長野県下伊那郡平谷村、阿南町 |
終点 | 長野県飯田市(地図) |
接続する 主な道路 (記法) |
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国道418号(こくどう418ごう)は、福井県大野市から長野県飯田市に至る一般国道である。
概要[編集]
福井県大野市の上明神交差点から岐阜県南部を東西に横断して、長野県南部の飯田市南信濃和田で国道152号に至る延長268.2キロメートル (km) の一般国道の路線である。起点・大野市から岐阜県本巣市まで国道157号と重複する。主な通過地は、岐阜県本巣市、関市、美濃加茂市、恵那市であり、国道157号重複区間の温見峠を皮切りに、尾並坂峠、平谷峠、売木峠(旧道)などの峠を越えていく線形をとっている。
岐阜県加茂郡八百津町南戸(みなと)の岐阜県道353号篠原八百津線分岐点から恵那市笠置町笠置ダム付近までの木曽川が流れる深沢峡沿いの道は長らく通行不能な区間で道路は荒れ果てており、国道指定はなされているが事実上の廃道状態となっている[1][2]。この付近で事業中の新丸山ダム建設に伴い、将来道路がダム湖によって水没する予定であることから[3][2][4]、北岸にバイパス道路(丸山バイパス)の建設が進められており、一部区間は2010年3月に供用を開始した。途中にある新旅足橋は、川の水面まで200メートル (m) という非常に高い場所に橋がかけられている[5]。
路線データ[編集]
- 起点:福井県大野市神明町(上神明交差点 = 国道157号上、国道476号起点)
- 終点:長野県飯田市南信濃和田(国道152号交点)
- 総延長 : 268.2 km(福井県 40.4 km、長野県 48.5 km、岐阜県 179.3 km)重用延長を含む。[6][注釈 1]
- 重用延長 : 91.1 km(福井県 40.4 km、長野県 0.4 km、岐阜県 48.3 km)[6][注釈 1]
- 未供用延長 : なし[6][注釈 1]
- 実延長 : 177.1 km(福井県 - km、長野県 48.2 km、岐阜県 128.9 km)[6][注釈 1]
- 指定区間:国道41号と重複する区間
歴史[編集]
- 1982年(昭和57年)4月1日 - 一般国道418号(長野県飯田市 - 岐阜県本巣郡根尾村)として指定。長野県飯田市から下伊那郡売木村は国道151号と重複。
- 1993年(平成5年)4月1日 - 長野県下伊那郡南信濃村(現:飯田市) - 下伊那郡売木村並びに、岐阜県本巣郡根尾村(現:本巣市) - 福井県大野市を編入して起終点の方向を入れ替え、福井県大野市 - 長野県下伊那郡南信濃村(現:飯田市)となる。
路線状況[編集]
起点・福井県大野市から岐阜県本巣市までの温見峠越えの区間は国道157号と重複する。福井・岐阜県境の温見峠越え付近は1車線の狭隘路、洗い越し、ガードレールが無いなどの俗にいう酷道の区間で知られる[7]。同重複区間である、本巣市根尾能郷の冬期閉鎖ゲート付近も狭隘路となっており、道路状況に対する注意喚起のため、道端に「落ちたら死ぬ!!」と書かれた看板が設置されている[7]。
本巣市根尾樽見から国道157号より分岐して単独区間となり、国道256号まで1.5車線の道路が続く[8]。関市 - 美濃加茂市間は、2車線の快走路となり[8]、東海環状自動車道へのアクセス道路にもなっている。
岐阜県八百津から恵那までの木曽川右岸に沿う現道区間の一部は、狭隘路、未舗装、落石や法面崩壊が見られ交通の安全確保が困難な状況にあることから通年通行止め規制がかけられ、さらに将来はダム湖に沈む計画がされていることから災害復旧も放棄されて廃道同然の状況となっており、国道に指定された道路区域でいながら国内の一般国道の中で「最も過酷で難所を極めた酷道」[2]「最凶酷道」[4]と評されるほど、荒れ果てた状態が続いていることが知られている[2]。現道指定区間の山側(北側)に並行して丸山バイパスの建設が進められており、迂回路となる岐阜県道353号、402号、412号とつないで、恵那市笠置町川合の木曽川に架かる武並橋で国道418号現道に連絡する。 この不通区間を抱える現道指定区間で通行可能なのは、八百津側からは、丸山ダム付近から奥に進んだ二股トンネルまでで[8]、また恵那側からは、武並橋付近の岐阜県道412号恵那八百津線分岐から、木曽川沿いに約4キロメートル (km) 奥へ進んだ関西電力笠置発電所付近で不通区間の通行止めゲートがある[9]。
恵那市で重複する国道257号分岐から岐阜・長野県境の達原トンネル[注釈 2]までの約11 km区間は、すれ違い困難なほど幅員が狭まるところがある[9]。達原トンネル以東の長野県内の区間は、1.5車線から2車線の道路が続く[9]。
別名[編集]
- やまぼうし街道(関市、山県市、本巣市)
- サラサドウダン街道(岐阜市、山県市)
- 和紙の里街道(美濃市、関市)
- 木曽川ハクウンボク街道(川辺町、八百津町、恵那市)
- 恵南ハクウンボク街道(恵那市)
- 星空街道(高山市)
バイパス[編集]
- 小瀬バイパス(岐阜県)
- 富加バイパス(岐阜県)
- 八百津バイパス(岐阜県)
- 丸山バイパス(岐阜県)
重複区間[編集]
- 国道157号(福井県大野市神明町・上神明交差点(起点) - 岐阜県本巣市根尾板所)
- 国道41号(美濃加茂バイパス:岐阜県美濃加茂市山之上・美濃加茂IC - 加茂郡川辺町石神・新山川橋北詰交差点)
- 国道363号(岐阜県恵那市山岡町馬場山田 - 恵那市岩村町・裏山交差点)
- 国道257号(岐阜県恵那市岩村町・一色交差点 - 恵那市上矢作町)
- 国道151号(長野県下伊那郡阿南町新野)
長期通行止め区間[編集]
岐阜県加茂郡八百津町(岐阜県道353号篠原八百津線分岐点)から恵那市(笠置ダム付近)までの約17.7 kmは、本区間を管理する岐阜県可茂土木事務所と恵那土木事務所が通行を禁止している。巨大な落石によって災害通行止めになり、15年以上が経過する[4]。この区間は丸山ダムの嵩上げ計画である新丸山ダムにより水没する予定のため[注釈 3]、すでに山側に付け替え道路である丸山バイパスが岐阜県道353号篠原八百津線に沿って建設されており、町道十日神楽線交差点 - 笠置ダム間には一般車両が進入できないようにバリケードが設置されている[2]。ただし、山林、河川の管理道路として利用されているため完全な通行止めにはされておらず、維持管理は行われている[10]。水没予定区間には他に五月橋が架かる深沢峡に至る岐阜県道352号大西瑞浪線の起点がある。
道路施設[編集]
トンネル[編集]
起点から
- 岐阜県
- 鷲ヶ峰トンネル(丸山バイパス、加茂郡八百津町)
- 下立トンネル(丸山バイパス、加茂郡八百津町)
- 二股トンネル(現道、加茂郡八百津町)
- 達原トンネル(岐阜県恵那市)
- 長野県
- 売木トンネル(売木峠バイパス、長野県下伊那郡売木村 - 同郡阿南町)
- 清水トンネル(長野県下伊那郡天龍村 - 飯田市)
橋梁[編集]
起点から
道の駅[編集]
路線上に、以下の道の駅が所在する。
- 岐阜県
- うすずみ桜の里・ねお(本巣市)
- 半布里の郷 とみか(加茂郡富加町)
- そばの郷らっせぃみさと(恵那市)
- 上矢作ラ・フォーレ福寿の里(恵那市)
- 長野県
- 信州新野千石平(下伊那郡阿南町)
地理[編集]
通過する自治体[編集]
交差する道路[編集]
- 国道157号、国道158号、国道364号、国道476号(大野市)
- 国道157号(本巣市)
- 国道256号(山県市)
- 東海環状自動車道関広見インターチェンジ、国道156号(関市)
- 東海環状自動車道美濃加茂インターチェンジ(美濃加茂市)
- 国道41号(美濃加茂市、加茂郡川辺町)
- 国道19号、国道363号、国道257号(恵那市)
- 国道153号(下伊那郡平谷村)
- 国道151号(下伊那郡阿南町)
- 国道152号(飯田市)
主な峠[編集]
- 温見峠(標高1,040 m):福井県大野市 - 岐阜県本巣市
- 尾並坂峠(標高330 m):岐阜県本巣市 - 岐阜県山県市
- 平谷峠(標高1,164 m):長野県下伊那郡平谷村 - 長野県下伊那郡売木村
- 売木峠(標高980 m):長野県下伊那郡売木村 - 長野県下伊那郡阿南町(売木トンネルにより旧道となっている)
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ a b c d e f g 2018年4月1日現在
- ^ とりわけ達原トンネルの西にある達原渓谷は上村川がV字谷を形成している区間であり、崖にへばりつく感じで道路が通っているため、かなり道路条件が厳しくなる。
- ^ 鳩山政権成立後、新丸山ダムの建設は凍結されたが、平成25年7月31日、国土交通省は、当事業を継続とした。
出典[編集]
- ^ 佐藤健太郎 (2014, pp. 75–77)では「酷道の王者」と表現しており、酷道愛好家の間で大変著名な区間であることを伝えている。
- ^ a b c d e 松波成行 2008, pp. 8–9.
- ^ 佐藤健太郎 2014, pp. 76.
- ^ a b c 鹿取茂雄 2018, pp. 42–43.
- ^ 岐阜新聞Web「丸山バイパス開通へ」
- ^ a b c d e f g “表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況
(Microsoft Excelの.xls)”. 道路統計年報2019. 国土交通省道路局. 2020年8月14日閲覧。
- ^ a b 渡辺郁麻 2008, p. 13.
- ^ a b c 渡辺郁麻 2008, p. 12.
- ^ a b c 渡辺郁麻 2008, p. 10.
- ^ 八百津町議会だより152号6ページ
参考文献[編集]
- 鹿取茂雄「国道418号〈不通区間〉」『酷道大百科』〈ブルーガイド・グラフィック〉、実業之日本社、2018年12月28日、 42 - 43頁、 ISBN 978-4-408-06392-8。
- 昭文社 (2003年7月). 全日本道路地図 (地図). 1 : 200,000. MAXマップル. 昭文社による作成. (1版17刷 ed.). p. 75. ISBN 4-398-60024-8
- 佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社〈講談社現代新書〉、2014年、75-77頁。ISBN 978-4-06-288282-8。
- 松波成行、渡辺郁麻「国道418号」『酷道をゆく』、イカロス出版、2008年3月20日、 8-13頁、 ISBN 978-4-86320-025-8。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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