国道1号

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一般国道
国道1号標識
国道1号
地図
地図
総延長 765.0 km
実延長 765.0 km(全国2位)
現道 649.3 km(全国2位)
制定年 1952年昭和27年)指定(原型は1885年明治18年))
起点 東京都中央区
日本橋
北緯35度41分2.8秒 東経139度46分28.1秒 / 北緯35.684111度 東経139.774472度 / 35.684111; 139.774472 (日本橋)
主な
経由都市
神奈川県川崎市横浜市小田原市
静岡県静岡市浜松市
愛知県豊橋市名古屋市
三重県四日市市滋賀県大津市
京都府京都市
終点 大阪府大阪市北区
梅田新道交差点
北緯34度41分53.6秒 東経135度30分2.3秒 / 北緯34.698222度 東経135.500639度 / 34.698222; 135.500639 (梅田新道交差点)
接続する
主な道路
記法
国道4号標識 国道4号
国道20号標識 国道20号
国道16号標識 国道16号
国道52号標識 国道52号
国道23号標識 国道23号
国道19号標識 国道19号
国道25号標識 国道25号
国道8号標識 国道8号
国道24号標識 国道24号
国道9号標識 国道9号
国道2号標識 国道2号
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路
全ての座標を示した地図 - OSM
全座標を出力 - KML
国道1号 起点
日本橋中央の日本国道路元標
国道1号 終点
(大阪市道路元標)
大阪市北区 梅田新道交差点

国道1号(こくどう1ごう)は、東京都中央区から神奈川県静岡県愛知県三重県滋賀県京都府をそれぞれ経由し、大阪府大阪市に至る一般国道である。

概要

東海道および京街道(大坂街道)を前身とする路線で、日本国道路元標があることでも知られる東京都中央区日本橋を起点に、関東地方の西側にあたる神奈川県中部地方静岡県愛知県近畿地方三重県滋賀県京都府を経由し、終点である、大阪府大阪市北区梅田新道に至る路線で、旧東海道および京街道の経路をほぼ踏襲している。

路線データ

一般国道の路線を指定する政令[1][注釈 1]に基づく起終点および経過地は次のとおり。

歴史

国道1号 起点
東京都中央区日本橋

国道1号の起源は、江戸時代五街道に数えられた東海道の「東京(江戸) - 京都」および、京街道の「京都 - 大阪(大坂)」で、現在でもほぼその経路を踏襲している。起点を日本橋としている点も旧東海道と同じである[5]。ただし東京 - 横浜、静岡県内、京都市内等においてはその当時とは大きく異なっている。

箱根付近で、旧東海道を逸れて箱根七湯[注釈 11]を巡るルートとなった経緯は、明治時代福沢諭吉の判断によるといわれており、福沢は外貨獲得のため外国人を集める観光資源が必要だと考えて、明治維新後に樹立した明治新政府に対し、湯治場として人気があった箱根温泉を巡る交通の便の良い道路にするように進言したところから箱根ルート選定の由来となっている[6]。箱根七湯を経由する経路は、1887年(明治20年)に塔之沢 - 宮ノ下間に、2年後の1889年(明治22年)に宮城野まで人力車が通れる有料道路が開通し、国道を整備する際にそのまま国道1号に指定されている[7]

年表

  • 1876年明治9年) - 「太政官達第60号(道路ノ等級ヲ廢シ國道縣道里道ヲ定ム)」で國道、縣道、里道が指定される(道路を國道・縣道・里道のそれぞれ1等 - 3等に分類する等級制で、現在の番号による分け方ではない)。
  • 1885年(明治18年)2月24日 - 「内務省告示第6号(國道表)」で、國道路線が番号を付与、指定される。
    「國道1號(東京ヨリ横濱ニ達スル路線)」、「國道2號(同(東京ヨリ)大坂港ニ達スル路線)」他、44路線が指定される(当初の國道1號は現在の国道15号に相当する区間とそこから横濱駅(現桜木町駅)を経由し、現在の国道133号を経て横浜港に至る路線である)。
    • 現在の国道1号に相当するルートは、当時の國道2號である。
  • 1920年大正9年)4月1日 - 道路法に基づく「路線認定」が施行される。国道番号の順は、1番目が東京から神宮に達する路線、2番目が東京から各府県庁所在地に達する路線の順とされる(現在の国道1号に相当するルートは、「國道1號(東京市ヨリ神宮ニ達スル路線)」、「國道2號(東京市ヨリ鹿兒島縣廳所在地ニ達スル路線(甲))」となる)。
  • 1934年昭和9年)5月1日 - 國道1號との重複区間である、「國道36號(東京市ヨリ横濱港ニ達スル路線)」(日本橋 - 横浜港)の日本橋 - 神奈川間の経過地を変更する形で、国道初のバイパスとなる新京濱國道の建設を決定する。
  • 1936年(昭和11年) - 新京濱國道の建設を着工。
  • 1952年(昭和27年)12月4日 - 新道路法に基づく「路線指定」で、東京都中央区 - 大阪府大阪市北区間の「一級国道1号」として指定される。
  • 1965年(昭和40年)4月1日 - 道路法改正によって一級・二級の別がなくなり「一般国道1号」となる。

旧道

路線状況

桜田通り
東京都港区芝公園4丁目

通称

バイパス

国道1号(富士由比バイパス)と
富士山駿河湾
薩埵峠から撮影、2016年2月)

国道1号のバイパス道路とされる区間は30か所以上あり、ほとんどは旧道が移管されて現道化されたバイパス道路が多い。新旧双方が国道1号に路線指定され続けているバイパスは、神奈川県が最多で7区間ある[8]

重複区間

国道8号との重複(五条バイパス
京都府京都市東山区清閑寺山ノ内町

国道0号が存在しないため、すべての路線が下位路線となり、案内板や地図上では国道1号で案内される。

  • 国道15号(東京都中央区・日本橋(起点) - 東京都中央区・日本橋交差点)
  • 国道20号(東京都中央区・日本橋(起点) - 東京都千代田区・桜田門交差点)
  • 国道16号(神奈川県横浜市西区桜木町・高島町交差点 - 横浜市西区浜松町・浜松町交差点)
  • 国道138号(神奈川県小田原市・市民会館前交差点 - 足柄下郡箱根町・宮の下交差点)
  • 国道42号(静岡県浜松市中央区・篠原交差点 - 湖西市・大倉戸IC)
  • 国道247号(愛知県豊橋市・西八町交差点 - 豊川市・宮下交差点)
  • 国道473号(愛知県岡崎市本宿町・新箱根入口交差点 - 岡崎市本宿西・本宿町沢渡交差点)
  • 国道477号(三重県四日市市北町・四日市橋南詰交差点 - 四日市市中部・中部交差点)
  • 国道25号(三重県四日市市・大治田IC - 亀山市・東海道関宿西交差点[10]
  • 国道8号(滋賀県栗東市・栗東IC - 京都府京都市下京区・烏丸五条交差点)
  • 国道9号(京都府京都市下京区烏丸五条・烏丸五条交差点 - 京都市下京区堀川五条・堀川五条交差点)
  • 国道170号(大阪府枚方市走谷・走谷2丁目交差点 - 枚方市北中振・出口交差点)
  • 国道163号(大阪府大阪市旭区・関目五丁目交差点 - 大阪市北区・梅田新道交差点(終点))

道路施設

橋梁

トンネル

道の駅

地理

京都市下京区の烏丸五条交差点
国道8号など、多くの国道起終点となっている。(2019年8月)

国道1号は、日本一多くの都道府県をつなぐ国道の一つで、東京都 - 神奈川県 - 静岡県 - 愛知県 - 三重県 - 滋賀県 - 京都府 - 大阪府の8都府県を通過する[11]。また、東京都特別区を除いて、通過する政令指定都市の数も日本一多く、東京から順に川崎市、横浜市、静岡市、浜松市、名古屋市、京都市、大阪市の7市を通過する[11]

通過する自治体

交差する道路

横浜新道新湘南バイパス西湘バイパス小田原箱根道路箱根新道東駿河湾環状道路静清バイパス藤枝バイパス掛川バイパス磐田バイパス浜名バイパス北勢バイパス京滋バイパス 久御山IC以東、阪神高速8号京都線京都外環状線交点以南 - 久御山JCT第二京阪道路を除く。それぞれの接続路線については各記事を参照。

東京都

神奈川県

静岡県

  • 国道136号(三島市・南二日町IC)
  • 国道246号国道414号(沼津市・上石田IC)
  • 国道139号(富士市・富士東IC)
  • 国道52号(静岡市清水区・興津中町交差点)
  • 国道149号(静岡市清水区・清水駅前交差点)
  • 国道362号(静岡市葵区・常磐町2丁目交差点)
  • 国道473号(島田市・大代IC)
  • 国道152号(浜松市中央区・北島IC)
  • 国道150号(浜松市中央区・石原町交差点)
  • 国道150号バイパス(浜松市中央区・福塚交差点)
  • 国道257号(浜松市中央区・篠原IC)
  • 国道301号(浜松市中央区・篠原IC -(重複)- 湖西市・栄町交差点)
  • 国道42号(浜松市中央区・篠原IC -(重複)- 湖西市・大倉戸IC入口交差点)
  • 国道42号(湖西市・白須賀IC)

愛知県

三重県

滋賀県

京都府

大阪府

主な峠

ギャラリー

脚注

注釈

  1. ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
  2. ^ 2003年4月1日に静岡市と合併して、静岡市発足。
  3. ^ 2005年5月5日に島田市と合併して島田市発足。
  4. ^ 2010年3月23日に湖西市に編入。
  5. ^ 2010年2月1日に豊川市に編入
  6. ^ 2006年4月1日に十四山村を編入合併して弥富市として市制施行。
  7. ^ 2005年1月11日に亀山市と合併し、亀山市発足。
  8. ^ 2004年10月1日に水口町・土山町甲賀町甲南町信楽町が合併して甲賀市発足。
  9. ^ 2001年10月1日に市制施行し、栗東市発足。
  10. ^ a b c d e f g 2021年3月31日現在
  11. ^ 箱根湯元、塔之沢、堂ヶ島、底倉、木賀、芦之湯の7つの温泉。

出典

  1. ^ 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2021年2月28日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g 表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況” (XLS). 道路統計年報2022. 国土交通省道路局. 2022年3月9日閲覧。
  3. ^ 一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2021年2月28日閲覧。
  4. ^ 国道1号小田原箱根道路に並行する現道区間、国道246号山北バイパスに並行する現道区間を移管 〜国管理から県管理へ〜』(プレスリリース)国土交通省関東地方整備局横浜国道事務所・神奈川県、2017年3月27日。 オリジナルの2019年6月2日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20190602084826/http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/yokohama_00000396.html2017年4月1日閲覧 
  5. ^ ロム・インターナショナル(編) 2005, p. 50.
  6. ^ ロム・インターナショナル(編) 2005, p. 51.
  7. ^ ロム・インターナショナル(編) 2005, p. 52.
  8. ^ a b 浅井建爾 2015, p. 93.
  9. ^ 浅井建爾 2015, p. 92.
  10. ^ a b 三重県内“初”「関宿」へのアクセスがわかりやすい交差点名称へ” (PDF). 国土交通省中部地方整備局三重河川国道事務所 (2017年2月23日). 2017年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年3月2日閲覧。
  11. ^ a b 佐藤健太郎 2014, p. 152、「最も多くの県・県境を通過する国道」より。

参考文献

  • 浅井建爾『日本の道路がわかる辞典』(初版)日本実業出版社、2015年10月10日。ISBN 978-4-534-05318-3 
  • 佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社講談社現代新書〉、2014年10月20日。ISBN 978-4-06-288282-8 
  • ロム・インターナショナル(編)『道路地図 びっくり!博学知識』河出書房新社〈KAWADE夢文庫〉、2005年2月1日。ISBN 4-309-49566-4 

関連文献

関連項目

外部リンク