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国道317号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
一般国道
国道317号標識
国道317号
地図
地図
総延長 189.5 km[注釈 1]
実延長 172.4 km[注釈 1]
現道 158.1 km[注釈 1]
陸上区間 174.4 km
海上区間 015.1 km
制定年 1970年昭和45年)指定(1982年(昭和57年)延伸)
起点 愛媛県松山市
市役所前交差点(北緯33度50分21.91秒 東経132度45分52.85秒 / 北緯33.8394194度 東経132.7646806度 / 33.8394194; 132.7646806 (市役所前交差点)
主な
経由都市
愛媛県今治市
終点 広島県尾道市
尾道大橋入口交差点(北緯34度24分40.79秒 東経133度12分52.85秒 / 北緯34.4113306度 東経133.2146806度 / 34.4113306; 133.2146806 (尾道大橋入口交差点)
接続する
主な道路
記法
国道11号標識 国道11号
国道196号標識 国道196号
国道2号標識 国道2号
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路
全ての座標を示した地図 - OSM
全座標を出力 - KML
国道317号 起点(国道11号上)
愛媛県松山市 市役所前交差点

国道317号(こくどう317ごう)は、愛媛県松山市から今治市を経由して、広島県尾道市に至る一般国道である。

概要

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愛媛県今治市吉海町(大島
(2020年7月撮影)

四国側の松山市から瀬戸内海の島々を渡り、本州側の尾道市へ達する路線である。海上区間を含む一般道路の現道のほかに、本州四国連絡道路3路線のうちの1路線、尾道・今治ルートとして整備された並行する自動車専用道路である西瀬戸自動車道(しまなみ海道)は、国道317号の有料バイパス扱いである[1]来島海峡に架かる来島海峡大橋は、世界初の3連吊橋として知られる[2]

路線データ

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一般国道の路線を指定する政令[3][注釈 2]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。

歴史

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路線状況

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今治市別宮町付近
(2015年5月)

起点の松山市役所前には、四角柱型の国道7路線の起終点も兼ねた起点標が建つ[10]。四国側にある今治市の山間部分は、ブラインドカーブも多くうねった片側一車線とは別に緩いカーブの片側一車線の新線が完成し、安全性が向上した。同様の改良手法は、国道56号国道378号でも採られている。

バイパス

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  • 藤野バイパス
    • 松山市玉谷町 - 藤野町間延長600 mのバイパスで交通事故減少と時間短縮を目的に、2002年平成14年)から工事を着手し、2006年(平成18年)11月22日に開通した[11]
  • 今治玉川バイパス
    • 今治市玉川町龍岡下から鈍川温泉入口交差点(愛媛県道154号東予玉川線との交点)間の山間部では2005年まで、急なカーブなどの線形不良区間が続いていたが、2002年から改良工事に着手し2005年に完成した。現在その区間の松山方面には登坂車線が設けられている。また松山から今治方面に向かう際、直線の急な下り坂となっているが、下り坂直後に信号があるため注意が必要である。
  • E76 西瀬戸自動車道

重複区間

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国道11号(重複区間)との分岐
松山市勝山町・勝山交差点
  • 国道11号(愛媛県松山市二番町・市役所前交差点(起点) - 松山市勝山町・勝山交差点)

海上区間

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一般道路部の海上区間は今治港 - 下田水港や井口港 - 垂水港など7区間あるが、西瀬戸自動車道(しまなみ海道)の開通によって、海上区間は事実上解消されている[12]国道30号瀬戸大橋ルートとは異なり、しまなみ海道は全区間を徒歩で歩くこともできることが道路の特徴であるが、国道317号としての機能は自動車専用部のみで、歩行者用道路部は県道の指定となっている[12]

  • 愛媛県今治市(今治港) - 同(下田水港)
  • 愛媛県今治市宮窪町宮窪 - 同市伯方町木浦
  • 愛媛県今治市伯方町伊方 - 同市上浦町瀬戸
  • 愛媛県今治市(井口港) - 広島県尾道市(垂水港)
  • 広島県尾道市因島洲江町 - 同市因島田熊町
  • 広島県尾道市因島大浜町 - 同市向島町
  • 広島県尾道市向東町 - 同市(尾道港)

道路施設

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来島海峡大橋

主な橋

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(三連吊橋、第三は中央支間長1,030 m、第二は中央支間長1,020 m)

主なトンネル

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  • 湧ヶ淵トンネル(延長256 m、幅不明、平成8年開通)
  • 雄嶽隧道(延長99 m、幅不明、昭和44年開通)
  • 日浦トンネル(藤野バイパスの一部、延長266 m、幅不明、平成18年開通)
  • 水ヶ峠トンネル(延長2,804 m、幅9.3 m、平成8年度完成)
  • 青影トンネル

道の駅

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交通量

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24時間交通量(台) 道路交通センサス

観測地点 平成22(2010)年度
尾道市瀬戸田町萩 01,635
尾道市因島洲江町江尻 02,729
尾道市因島中庄町恵美須崎 14,322
尾道市向島町富浜 08,026
尾道市向東町三ツ石 23,374

(出典:「平成22年度道路交通センサス」(国土交通省ホームページ)より一部データを抜粋して作成)

地理

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今治市上浦町井口(大三島
(2018年4月撮影)

四国・松山市には道後温泉があり、山を越えて瀬戸内海へ出ると国内有数のタオルの生産地で知られる今治市の市街地である[13]。今治から瀬戸内海に浮かぶ馬島大島見近島伯方島大三島生口島因島向島と巡り渡って本州の尾道市を走る国道2号で終わり、国道路線の中でも最も多くの島を渡る国道である[14]。独特の風情ある風景の美しさではよく知られる瀬戸内海とその島々は、瀬戸内海国立公園内の観光地でもあり、島ごとに温泉や道の駅なども点在する[13]

通過する自治体

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交差する道路

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ギャラリー

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脚注

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注釈

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  1. ^ a b c 指定区間西瀬戸自動車道60.2 km(愛媛県区間32.1 km、広島県区間28.1 km)を含む。
  2. ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
  3. ^ a b c d 2005年1月16日から今治市の一部。
  4. ^ a b 2006年1月10日から尾道市の一部。
  5. ^ 2005年3月28日から尾道市の一部。
  6. ^ a b c d e f g h 2022年3月31日現在
  7. ^ 同事業は用地買収や平成30年7月豪雨により工事が難航し事業開始から20年かけて開通に漕着けた[9]

出典

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  1. ^ 佐藤健太郎 2014, p. 125.
  2. ^ 佐藤健太郎 2014, p. 33、「国道の名所を行く」
  3. ^ 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2019年10月31日閲覧。
  4. ^ a b 一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2012年10月14日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h 表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況” (XLS). 道路統計年報2023. 国土交通省道路局. 2024年4月18日閲覧。
  6. ^ 一般国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(昭和56年4月30日政令第153号)”. 法庫. 2012年12月24日閲覧。
  7. ^ 水ヶ峠トンネル”. 石手川ダム. 国土交通省四国地方整備局松山河川国道事務所石手川ダム管理支所. 2022年2月24日閲覧。
  8. ^ a b c “因島のバイパス工事本格化”. 中国新聞 (中国新聞社). (2016年3月20日). オリジナルの2016年4月20日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160420165420/https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=231317&comment_sub_id=0&category_id=110 2016年4月5日閲覧。 
  9. ^ 青影バイパス29日利用開始 因島」『中国新聞日刊』第45991号、中国新聞社広島県広島市中区、2022年7月7日、地域、22面。2022年7月7日閲覧。
  10. ^ 佐藤健太郎 2014, pp. 125–126.
  11. ^ 平成18年11月22日、国道317号の藤野バイパス(日浦トンネル)が開通しました”. 愛媛県. 2015年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月4日閲覧。
  12. ^ a b 松波成行 2008, p. 87.
  13. ^ a b 佐藤健太郎, pp. 126–127.
  14. ^ 佐藤健太郎, p. 156.

参考文献

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  • 佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社〈講談社現代新書〉、2014年10月20日。ISBN 978-4-06-288282-8 
  • 松波成行「国道317号」『酷道をゆく』、イカロス出版、2008年3月20日、87頁、ISBN 978-4-86320-025-8 

関連項目

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外部リンク

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