来島海峡

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来島海峡
来島海峡大橋

来島海峡(くるしまかいきょう)とは、瀬戸内海中部、愛媛県今治市とその沖の大島との間を隔て、水域においては西の斎灘(いつきなだ)と東の燧灘(ひうちなだ)とを隔てる海峡日本三大急潮の一つ。付近一帯は瀬戸内海国立公園に属し、糸山公園(いとやまこうえん)を初めとする景勝地が点在する。また、大島の亀老山山頂の展望台から見下ろす来島海峡の眺め、特に暮れなずむ夕景は観光写真等によく登場する。

海峡付近には島が多く、大型船舶の航行はこの海峡によらなければならないが、昔から「一に来島、二に鳴門、三と下って馬関瀬戸」と唄われるように、潮の流れが速く、海の難所として知られている。海峡は間に存する小島(馬島武志島等)によって、来島ノ瀬戸、西水道、中水道、東水道の4つの狭水道に分けられるが、いずれも狭く、また大きく湾曲している。潮流は速く、加えて小島の影響によりところにより複雑な流向、流速で、流速は時には10ノットにも達することがあり、瀬戸内海のみならず全国的にも有数の船の難所とされる。

また 鳴門海峡・関門海峡と列び、日本三大急潮にあげられている。

架橋[編集]

この海峡を挟んで、本州側から第一、第二、第三の順に西瀬戸自動車道(通称:瀬戸内しまなみ海道)の来島海峡第一~第三大橋が架けられている。これら三つが連なり、三連吊橋を形成している。総称して来島海峡大橋とも呼ばれる。

同橋には自転車・歩行者道が併設されており、徒歩で海峡を渡ることができる(徒歩無料)特徴があり、橋上から雄大な来島海峡や巨大船舶が橋の下を通過するのを眺めることができるほか、ウォークイベントも時折開催される。自動二輪車も通行可能(ただし有料)であり、日常的に通勤や所用で利用する人も居る。

船舶の航行について[編集]

来島海峡中水道を航行するセレブリティ・ミレニアム(後方は中渡島)
来島海峡海上交通センター

来島海峡は、外国船舶も含めて大小さまざまな船舶が通過し、その通航量は一日約1,200隻にも上る。加えて、その間を縫うようにして、今治下田水フェリー等も運航されている。また、春季には濃霧も発生しやすい。

馬島小島の間を「西水道」、馬島と中渡島の間を「中水道」と呼び、大型船舶はどちらかを通航することになっている。船舶の安全な通航を確保するため、潮流の流向によって通航する経路を変更する、「順中逆西」という特殊な航法によるよう、海上交通安全法に定められている。船が潮流に乗って航行する場合(順潮)の場合は短く屈曲の少ない中水道を、潮流に逆らって航行する場合は西水道を進むというものである。潮流の方向が北向きの場合は通常通り右側通行、南向きの場合は左側を通る形になり、こうした切替方式を採っているのは世界唯一。また、潮流が変わる時間『転流』の1時間前から来島海峡に入る際は、『転流時通報』をしなければならない。

こうした複雑な航行ルールがあることから、船舶の安全な航行を確保するため、海峡には4個所に潮流信号所が設置され、潮流の向き等の情報を航行する船舶に提供している。また、潮流放送とよばれるAM放送も実施されている。中渡島の信号所は、1909年(明治42年)に来島海峡で最初に設けられた歴史ある施設である。また電光掲示で潮流の状況を知らせる電光板式潮流信号所が2箇所あるほか、来島海峡海上交通センターではレーダーにより航行状況の常時監視を行っている。 中渡島にある腕木式潮流信号機は日本最後のものだったが、より詳細な情報提供のため電光表示システムへの統一が決まり、2012年3月26日に停止ボタンが押され、この腕木式潮流信号機は廃止された。その後は地元今治市で保存が検討されている。また、併設されていた、夜間用の色灯火式潮流信号所も廃止され、『中渡島灯台』として、約100年ぶりに灯台として復活した。(潮流放送、電光掲示板式潮流信号所の詳細については、潮流放送の項を参照。)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]