ルパン三世 カリオストロの城

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ルパン三世 カリオストロの城
Lupin III: The Castle of Cagliostro
監督 宮崎駿
脚本 宮崎駿
山崎晴哉
原作 モンキー・パンチ
製作 藤岡豊
出演者 山田康雄
小林清志
井上真樹夫
増山江威子
納谷悟朗
島本須美
石田太郎
音楽 大野雄二
主題歌 ボビー炎のたからもの
撮影 高橋宏固
編集 鶴渕允寿
製作会社 東京ムービー新社
配給 東宝
公開 日本の旗 1979年12月15日[1]#概要も参照)
フランスの旗 2019年1月23日[注釈 1]
上映時間 100分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
製作費 5億円
興行収入 日本の旗6億1000万円[6]
日本の旗MX4D版(2017年):7600万円[7]
配給収入 日本の旗3億500万円[8]
前作 ルパン三世 ルパンVS複製人間
次作 ルパン三世 バビロンの黄金伝説
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ルパン三世 カリオストロの城』(ルパンさんせい カリオストロのしろ)は、1979年12月15日に公開されたモンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』の劇場映画第2作。宮崎駿映画初監督作品。

公開時のキャッチコピーは、「前作をしのげないのなら 2作目を作る意味がない」「巨大な城が動き始める! 影の軍団が襲ってくる!」「さらにスピーディーに! さらにスリリングに! さらにスッとボケて!」「生きては還れぬ謎の古城でついにめぐり逢った最強の敵!」。

概要

1978年公開の劇場版『ルパン三世 ルパンVS複製人間』に続くアニメ『ルパン三世』の劇場版第2作目として制作され、同作と同様『TV第2シリーズ』放送中に公開された。本作はスタジオジブリ作品をはじめ、数多くの作品で監督などで携わっている事で知られる宮崎駿の映画初監督作品[注釈 2]である。日本テレビ系金曜ロードショー』ではスタジオジブリ作品と同じく現在も定期的に放送されている。

製作

宮崎本人は「ルパンや東映アニメーション時代にやった事の大棚ざらえ」と位置付けており、自らが手がけた『ルパン三世』1stシリーズ(事実上のテレビアニメ初監督)のいくつかのエピソードも元ネタにしている[9]

当初、東京ムービー新社鈴木清順等、『ルパン三世 TV第2シリーズ』(以下、『TV第2シリーズ』)や劇場版『ルパン三世 ルパンVS複製人間』(以下、『ルパンVS複製人間』)の脚本家チームが執筆した脚本を元に大塚康生へ監督を依頼していたが、気乗りしない大塚は宮崎に監督就任を要請した。当時の宮崎は日本アニメーション高畑勲等と『赤毛のアン』のレイアウトや場面設定を担当していたが、これを降板して1979年5月に制作準備に取りかかる。後の作品と同様、宮崎は脚本なしでイメージボードと絵コンテを描き始め、脚本は共同名義の山崎晴哉が手直しする形となった。後に山崎の手により、脚本を元に集英社コバルト文庫からノベライズされている。

本来、大塚は『ルパン三世 TV第1シリーズ』(以下、『TV第1シリーズ』)の作画監督で、宮崎と高畑も共に「Aプロダクション演出グループ」の匿名でTV第1シリーズ後半の演出を担当していた。その為、宮崎や大塚がデザインしたキャラクターや小道具、イメージボードは『TV第1シリーズ』に準じており、本作公開当時に放送中であった『TV第2シリーズ』や前作『ルパンVS複製人間』でルパンは赤いジャケットを着ていたが、本作では『TV第1シリーズ』で着用していた緑色のジャケットを再び着ており、車も『TV第2シリーズ』のアルファロメオではなく、『TV第1シリーズ』後半に登場したフィアット・500を使っている[注釈 3]

興行的には前作に及ばなかったが、後のテレビ放送や上映会等が繰り返された事もあって人気が高まっていき、宮崎の演出やレイアウト手法は、その後のアニメ業界に影響を与える事となった。構想や製作の期間は僅か半年という短さであり、宮崎は「この作品で初めて自分の体力の限界を知った」と語っている。途中で製作期間内に終わらないと考えた宮崎は、下水道でのシーンの絵コンテを書き直しており、不満を語っている。最終的に、製作は予定された期間より、1か月延びている。

劇場版第3作にも監督として宮崎に、まず声がかかったが、自分よりも適任者がいると、宮崎の事務所にいた押井守を監督に推薦して宮崎は辞退している[10]押井版ルパン三世は結果的に途中で制作中止となり、別のスタッフが、全く違う内容の『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』を完成させた[11][12]

デジタルリマスター版

2014年5月9日には、デジタルリマスター版『ルパン三世 カリオストロの城』が東宝映像事業部の配給で期間限定公開された。入場者特典として「完全復刻版B4チラシ」が配布され、劇場パンフレットも復刻され、販売された。原版の映像に映り込んだ汚れやゴミの除去、音声のノイズの除去、5.1chサラウンドへの再調整等のリマスタリングに3年が費やされている[13][14]

2019年10月25、26日には大野雄二による音楽シーンを生演奏する『〜映画公開40周年&大野雄二音楽活動55周年記念オフィシャル・プロジェクト〜映画『ルパン三世 カリオストロの城』シネマ・コンサート!andベストヒット『ルパン三世』ライブ!』を公演[15]

2020年8月21日~9月3日には池袋・グランドシネマサンシャイン「gdcsアニメーション映画特集 “Anime! Anime!! Anime!!!”」にて期間限定上映がされた。また、シネマサンシャインオリジナル規格のプレミアムシアター “BESTIA(ベスティア) ” での上映もされた[16]

4D版

2017年1月20日にはルパン三世生誕50周年企画として期間限定でデジタルリマスター版をベースにしたMX4D版が上映された[17]。入場者特典として特報チラシのデザインの「ポストカード」が配布された。

2019年11月8日~11月21日には劇場公開40周年を記念して『ルパン三世 カリオストロの城 [4D版]』が上映された。MX4D版は2回目の上映で、4DX版での上映は初である。また、入場者特典として「フィルム風しおり」が配布された[18]

2020年10月26日にシネマサンシャインにて、急遽4DXの期間限定上映が決定した。10月30日から順次、4DXシアターが導入されている全国のシネマサンシャインで上映される[19][20]

4K上映

2021年10月1日より2週間、ルパン三世のアニメ化50周年を記念して、全国50館でモンキー・パンチ総監督短編作品「ルパンは今も燃えているか?」との同時上映が実施された。来場者特典としては、A4クリアファイルが、数量限定で配布された。また、1979年公開当時のパンフレットを完全復刻した商品が発売されることも発表された[21]

あらすじ

世界的な怪盗ルパン三世は仲間の次元大介 石川五ェ門 [注釈 4]と共に、モナコの国営カジノの大金庫から大金を盗み出すが、それが真券同然の精巧さで知られる幻の偽札ゴート札 」であることに気づく。ルパン家の家訓の一つ「偽物に手を出すなかれ」に従い札束を撒き散らすように投げ捨てたルパンと次元は、ゴート札を次の標的に定めて、その出処と疑われているヨーロッパのカリオストロ公国に向かう。

入国したルパンは、車に乗ったウェディングドレス姿の少女が何者かに追われているのに出くわす。少女はこの国の亡き大公の娘クラリス だった。クラリスは、父に代わって国を治めているカリオストロ伯爵 に結婚を迫られたため逃げ出したのだ。ルパン達は追っ手を撃退したが、ルパンはクラリス共々崖から落ち、さらに落ちてきた枯れ木が頭を直撃して気絶、その間に別の追っ手が迫り、クラリスはルパンに累が及ばないよう単身その場を離れ、連れ去られてしまう。ルパンはクラリスが偶然その場に残した指輪を見て、彼女が、かつてゴート札を狙って公国に忍び込んだ末に重傷を負わされた自分を介抱してくれた幼女本人だったことに気付く。一方、捕らえたクラリスが指輪をしていないことに気づいた伯爵は、クラリスの逃亡を手助けしたルパンらに暗殺集団を差し向ける。

宿に現れた暗殺集団の手を逃れたルパンは伯爵にクラリス奪取を予告、五ェ門を呼び寄せるとともに、ルパンの逮捕に執念を燃やす国際警察(ICPO/インターポール)銭形警部 に情報をリークし、クラリスが監禁されている伯爵の城へ来るように仕向ける。ルパンは水道橋を伝って城内に潜入、銭形に変装して衛士隊を欺きさらに内部に潜入する。先に城に使用人として入り込んでいた峰不二子からクラリスの居場所を聞き出したルパンはクラリスと対面して指輪を返し、クラリスとしばし心を通わせるが、伯爵に見つかり地下牢獄へ通じる穴に落とされてしまう。しかしルパンは、秘かに本物とすり替えて置いた盗聴器仕込みの偽の指輪を通じ、伯爵の狙いがカリオストロ家の先祖の財宝であり、その鍵である2つの指輪の内の片方の持ち主であるクラリスに結婚を強いていたことを聞き出すと、自分が本物のクラリスの指輪を持っており、クラリスに危害を加えないよう伯爵に警告する。

ルパンは地下牢獄で先に落とし穴に落とされていた銭形と再会し、指輪奪還の為に放たれた暗殺者を協力して返り討ちにして地下牢獄から脱出する。その際、礼拝堂の地下にある偽札工場を発見したことにより義憤を抱く銭形と、クラリスを連れて城を離れたいルパンは、城からの脱出までの間、一時休戦することになる。

ルパンは銭形とともに伯爵のオートジャイロを奪い、再びクラリスの幽閉場所へたどり着いたものの、追いついた伯爵一味に胸を撃ち抜かれて重傷を負う。伯爵はルパン助命と引き換えにルパンから指輪を取り戻して投降するようクラリスに言い、すんでのところでそれを反故にするが、銭形と不二子の手でルパンは辛くも脱出、クラリスと本物の指輪を置き去りにする羽目に陥った。ルパンと別れた銭形は持ち帰った偽札の証拠を国際警察に提出し出動を要請するが、「高度に政治的な問題」であることと「クラリスをルパンから守った」伯爵を支持する世論を理由に、国際警察はゴート札について各国毎の対応に留め不動を貫き、銭形を愕然とさせる。以後、銭形はルパン捜査担当の任を解かれ、失意の内に日本へと帰国する。

3日後、大公夫妻に仕えていた庭師の老人に助けられ昏睡から目覚めたルパンは、その翌日にクラリスと伯爵の結婚式に忍び込んで奇襲を仕掛ける。一方、不二子から「ルパンが伯爵とクラリスの結婚式を襲う」と聞かされた銭形も、「ルパンによる結婚式襲撃を阻止し、同時にルパンを逮捕する」という天下御免の名目でカリオストロ公国へと再び向かう。ルパンは衛士隊と暗殺集団、そして城内に突入してきた銭形隊との乱闘に乗じてクラリスを救出、同時に指輪を奪取する。ルパンは水道橋を渡った先で逃げ込んだ時計塔で追っ手と戦うが、再び伯爵にクラリスを捕捉されてしまう。ルパンは時計塔を見て気付いた指輪の秘密を伯爵に教え、指輪を使うことで手に入るであろう宝と引き換えにクラリスを無傷で引き渡すよう要求、さもなくば指輪を湖に投げ捨て伯爵も倒すと宣言。伯爵は要求を呑むふりをして、不意打ちでルパンを窮地に陥れる。ルパンを助けるために伯爵を道連れに投身しようとしたクラリスは、伯爵によって湖へと突き落とされる。ルパンは後を追って宙に身を投げ、クラリスを抱き止めながら共に湖へと落ちて行った。

「文字盤のヤギのレリーフの目に指輪をはめ込むことにより財宝への道が開かれる」。ルパンのその言葉通り、文字盤のヤギの目に二つの指輪を収めた途端に時計が急速に動き始め、逃げ場を失った伯爵は巨大な時計の針に挟まれて無残な最期を遂げる。時計塔は崩壊して大量の水を排出し、城の地下牢獄や偽札工場も浸水する。しばらくして夜が明け、無事に湖岸へと辿り着いていたルパンとクラリスは湖の底から現れた遺跡の姿を目の当たりにする。湖は実は時計塔を水門としたダム湖で、財宝とは先祖が隠した古代ローマポリスであり、時計塔の仕掛けは湛えられている水を排出して沈んだ遺跡を表出させるための装置、そして指輪はその起動装置だったのである。

銭形が不二子とともに衛星テレビ中継で偽札工場の全容を全世界に晒したことで、ようやく国際警察も動き出し、歴史の暗部と言われたカリオストロ公国についに捜査のメスが入ることになった。

クラリスはルパンについて行くことを望むが、ルパンは葛藤しながらもクラリスに留まるよう諭し、「困った事があったらいつでも連絡しろ、地球の裏側からだってすぐ来てやるから」と言い残し、次元と五右衛門とともに去って行く。ルパンを追ってきた銭形が、“彼は何も盗んでいない、自分の為に戦ってくれた”と擁護するクラリスに、ルパンがクラリスの心を盗んだと言い当てると、クラリスは目を輝かせて「はい」と答える[注釈 5] 。いつかきっとまた会えると希望を抱きながら、クラリスはルパンと銭形たち警官隊の車が追いつ追われつしながら地平線へと消えていく光景を見つめていた。

登場人物

メインキャラクター

ルパン三世(ルパンさんせい)
- 山田康雄
本作の主人公。怪盗ルパンことアルセーヌ・ルパンの孫で、世界的な大怪盗かつ変装の達人。
ゴート札の出処と疑われているカリオストロ公国へ入国した際に追われていたクラリスを見かけ、助けるために追っ手を撃退するが、クラリスは別の追っ手に連れ去られてしまう。クラリスが残した指輪を見て、彼女が昔自分を助けてくれた幼女であったことに気付く。
峰 不二子(みね ふじこ)
声 - 増山江威子
ルパン一味の付かず離れずの紅一点で、時にはルパン達を利用したり裏切ったりすることも多い。
カリオストロ城の秘密を探るために、ルパン達より先に単独で「クラリスの召し使い」として場内に潜入している。
今回はルパン一味との関わりが少ないものの、ルパンや銭形に情報を流して陰ながらにサポートをしている。
次元 大介(じげん だいすけ)
声 - 小林清志
“コンバットマグナム”S&W M19を使う射撃の名手で、ルパンの相棒。
ルパンと共にカリオストロ公国の城に水中から潜入するもはぐれてしまい、その後は五ェ門と共に重傷を負ったルパンを匿ったり、対戦車ライフルによる射撃で援護したりした。クラリスの事を「お姫さん」と呼び、健気な彼女を良い娘と評している。
石川 五ェ門(いしかわ ごえもん)
声 - 井上真樹夫
ルパン一味の一人。大泥棒石川五ェ門の十三代目で、最強の刀「斬鉄剣」を武器に戦う剣客。
ルパン達と合流した際、ルパンがわざと銭形をカリオストロに呼んだ意図を見抜く等持ち前の勘の鋭さを見せた。
クラリスの真摯な立ち振る舞いに触れて、思わず「可憐だ」と漏らし、その後の戦闘では普段以上の冴えを見せた。
銭形 幸一(ぜにがた こういち)
声 - 納谷悟朗
インターポール所属のルパン三世専任捜査官で、階級は警部。専任捜査官である故、ルパンに関係する事件なら世界中どこでも捜査権が認められている。
ルパンの情報を聞きつけて埼玉県警隊を率いてカリオストロ公国に駆け付け、伯爵城の外周警備を行うが、カリオストロ伯爵の裏工作でインターポールから帰還命令が出る。納得できずに伯爵に掛け合おうとするが、床に仕掛けられた罠により城の地下牢獄に落とされ、途方に暮れているところを同じく落とされたルパンと合流。ゴート札の秘密を知りルパンと一時休戦して共に地下から脱出。インターポールにニセ札製造の実態を訴えるも歴史の暗部に深く噛む事案であるがゆえに歯牙にもかけられなかったため、一時は落胆して任務から退く。その後、不二子からルパンが伯爵の結婚式に乱入する気であることを知らされる。これ幸いと、ルパン逮捕を口実にニセ札の製造現場とその実態を世界に暴露するべく自らも再び現場に赴く。ルパンの大暴れによる騒ぎの中、レポーターに変装して潜入した不二子共に地下の偽札工場を偶然発見した振りをして世界中に中継しインターポールの鼻を明かした。
ルパン曰く「昭和一桁生まれ」とのこと。
他の作品と違い、手錠や拳銃を取り出す場面がない。

ゲストキャラクター

クラリス・ド・カリオストロ
声 - 島本須美[22]
本作のヒロインにしてキーパーソン。ヨーロッパ・カリオストロ公国の公女で、大公家最後の姫君。大公家に伝わる「銀の山羊の指輪」の所有者。
7年前に起きた大公の館の大火事[注釈 6] で両親を亡くして以来、永らく修道院に入っていたが、両家を統一し国を手中に収めようとするカリオストロ伯爵との政略結婚を強いられる。非道な行為を続ける伯爵に反発し、婚礼衣装の仮縫いの隙を突いて脱走する。伯爵の差し向けた追手から逃げている途中でルパンと再会し、一時は助けられるが、再び捕らわれる。
終盤では薬物により意識を奪われた状態で結婚式を挙げさせられていたが、三たび城に潜入したルパン一味に助けられ、逃亡中に次元と五ェ門にも感謝の言葉を述べた。
幼少時、若き日のルパンが伯爵の城から脱出中に負傷し行き倒れていたところを介抱した。本人はその時のことを覚えていないが、エピローグでは「ずっと昔にあの方(ルパン)に会ったような気がするの。……ルパン……。きっとまた会えるわ」と呟く。
ラザール・ド・カリオストロ伯爵
声 - 石田太郎[注釈 7]
カリオストロ公国の摂政を務める事実上の統治者。
伯爵家当主[注釈 8] で、大公夫妻の死後、摂政として公国の実権を握っている。表向きは傲岸不遜ながらも紳士的だが、本性は強欲かつ残虐非道。伯爵家の一族を「大公家の影としてカリオストロ家の暗部を一手に担ってきた」と自認しているように、裏では本物以上と評された偽札「ゴート札」の密造をも受け継いでおり、世界各国の闇の部分と深く繋がっている。
伯爵家に伝わる「金の山羊の指輪」の所有者であり、対となる「銀の山羊の指輪」を持つクラリスとの政略結婚によってカリオストロの正当な後継者としての地位と、2つの指輪に秘められたゴートの秘宝を手に入れようと目論む。
劇中ではほぼ一貫して「伯爵」と呼ばれ、ファーストネームは劇中では呼ばれない[注釈 9]
結婚式をぶち壊しにしたルパンと湖の時計塔で対峙。ルパンとはぐれたクラリスを追い詰め殺そうとするが、駆けつけてきたルパンから持ち掛けられた指輪と人質の交換条件を呑む振りをしてルパンを殺そうとし、それを止めようとして飛び掛かってきたクラリスをも蹴落とす。ルパンに教わった通りに指輪を時計の盤面の12時の位置にはめ込むが、指輪の正体が時計塔の仕掛けの起動スイッチと知らなかったため、自ら動かした時計の針に挟まれ圧死するという最期を遂げた。
ジョドー
声 - 永井一郎
カリオストロ伯爵に仕える有能な執事。裏の顔として、各国の情報機関からも恐れられる公国の特殊部隊「カゲ」の長官も兼任している。
財宝を手に入れようとするカリオストロ伯爵を献身的にサポートし、一度はルパンに瀕死の重傷を負わせる。伯爵への忠義心は厚く、伯爵が最期を迎えた際は「これでカリオストロも終わりだ」と嘆いて、五ェ門に自らを介錯するよう求めた[注釈 10]
園丁(庭師の老人)
声 - 宮内幸平
大公家公邸の庭師
自分の職務に誇りを持っており、大公家の没落後も焼失した公邸跡の庭園を管理し続けている。
クラリスのことは誕生当時から見守っており、彼女から愛犬のカールを託されている。
無愛想だが根は親切で、伯爵との戦いに敗走したルパン達を匿った。
グスタフ
声 - 常泉忠通
主に城内の警備とカリオストロ伯爵の身辺警護を務める、衛士隊長。
融通の利かない堅物気質。
機動隊
声 - 松田重治[23]
銭形が支援部隊として日本から引率してきた埼玉県警察機動隊
パトカーと2台の幌付トラックに分乗し、ジュラルミン製の大盾と木製警棒を装備している。拳銃を収納するホルスターも装備しているが、拳銃を構えたり発砲したりする描写はない。負傷者を出しながらも、サーベルで武装した衛士隊と激しく渡り合った。ラストではルパンを追う銭形と共にカリオストロ公国を出る。こじつけに近い理屈で国家の闇を明らかにしたが、大騒ぎを起こした末に笑顔を見せて去っていき、庭師からは「(ルパンたちも含めて)なんと気持ちのいい連中だろう」と言われていた。
カール
庭師の老人が面倒を見ている老犬。
大の大人を押し倒すほどの力がある大型犬。犬種は不明。
元はクラリスの飼い犬であり、大公夫妻の没後にクラリスが修道院へ入る際、老人へと預けられた。クラリスがまだ幼かった頃、カリオストロ城からの逃亡中に負傷して行き倒れていた駆け出しの頃のルパンを最初に発見した。
クラリス以外には懐かないというが、ルパンについたクラリスの匂いにより、彼の傍を離れようとしなかった。
大司教
声 - 梓欽造[24]
バチカンカトリック教会大司教
カリオストロ伯爵とクラリスの婚礼の司祭を請われてカリオストロ公国へ向かうが、城への道中で渋滞に巻き込まれる。その隙に地元の人間に変装した次元が、「近道」と称して城とは違う田舎の方向を案内することで婚礼に間に合わなくさせ、その間にルパンが大司教に変装してクラリスを救出するべく城に入った。
衛士隊
声 - 野島昭生[25]
カリオストロ公国の治安部隊。
カリオストロ伯爵は「我が国にも警察はある」と同隊を紹介していたが、その活動範囲は国境検問を除けば城外にまでは至らないような描写がされている。古風な軍服と鉄帽、サーベルを腰に下げた大時代的なスタイルが特徴。拳銃のホルスターも装備するが、使用の描写はない。
水兵
カリオストロ公国水軍の兵士。内火艇に乗艦して短機関銃で武装し水兵服を着用している。
終盤の時計塔ではルパンと直接対峙するが、塔内に突入した折、1人が歯車に巻き込まれるという壮絶な死を遂げた。
カゲ
声 - 緑川稔[26]
カリオストロ公国の特殊部隊。ルパン曰く「暗殺のプロ」。
全身に衝撃吸収を兼ねた防弾仕様の頑丈な鎧を纏っており、籠手の鋭い爪と前腕に仕込まれた鋭い刃が特徴。この鎧は次元のマグナム銃の接射も効かない。このほか、主に水中任務に特化した軽装、通称「水カゲ」も存在する。正体はカリオストロ公国の召使い達であるが、衛士に比べると年齢層が高いように描写されている。

スタッフ

音楽

主題歌

炎のたからもの[29]コロムビア・レコード
作詞 - 橋本淳 / 作曲・編曲 - 大野雄二 / 唄 - ボビー
作曲・編曲の大野雄二は主題歌製作にあたり、宮崎駿監督から「牧歌的に行きましょう」と提案されたと回想している[30]

BGM制作と選曲

主題歌である「炎のたからもの」の曲の旋律による編曲バリエーションBGMが多数作成されている。またBGM選曲は、本作のために録音された楽曲のほか、TVシリーズや劇場版前作、サウンドトラックアルバムなどから幅広く選び出された。

結婚式の場面で流れるバッハのパストラーレ・ヘ長調・BWV590は既存のレコード音源の流用ではなく、本作の音楽録音の際にエレクトーンで録音、音に広がりを出すために、スピーカーで鳴らせた音をマイクで拾っていると大野雄二はインタビューで語る[31]

銭形警部とカリオストロ伯爵の面会シーンである、朝食の場面に使用されているBGMはバッハの管弦楽組曲四番第四楽章Menuett。 城の舞踏会とその外で銭形隊がカップラーメンをすすっている場面のBGMは、ヨハン・シュトラウス2世作曲のウィーン気質(かたぎ)の第二ワルツである。

ルパンと銭形が地下牢獄から脱出するシーンで使用された「サンバ・テンペラード」は後のシリーズで何度もアレンジして使用され、現在では『ルパン三世』で屈指の人気を誇る楽曲となっている。 また、前作「ルパン対複製人間」でも使用された「銭形マーチ」のアレンジが、銭形がICPO本部から退出する際のBGMとして使用されている。

評価

興行成績は配給収入10億円の成功を収めた前作『ルパンVS複製人間』より下回ったが、関係者間での評価は公開当時から高く、商業アニメ作品が受賞することが少なかったアニメーション賞大藤信郎賞を受賞している。同時代の関係者からは、宮崎の演出手法やレイアウト、場面設計に注目が集まり、当時出された絵コンテ集はアニメ制作現場での教科書として使用されていた。美術を担当した小林七郎は、「前衛作家」の出崎統と比較して宮崎駿を「常識的」と評している[32]

第54回キネマ旬報ベスト・テン54位、映画評論家の深沢哲也のみが7位に投票している[33]。読者選出ベスト・テンは15位[33]

公開当時は『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』といったSF作品全盛期だったが、テレビでの放送が繰り返されたり、地方の学校や集会所、ファンの集まりなどへフイルムが借り出されて上映会が開催され、1981年にはアニメージュ誌が宮崎の特集を組んで取り上げた。同誌のアニメグランプリの歴代作品部門で1位を連続受賞し、情報雑誌『ぴあ』の年間アワード企画「もあテン」(もう1度見たい過去作品ランキング)では2年連続ベストワンといった成績を残す。2011年に実施された「ルパン三世アニメ40周年記念 マイ・ベストエピソード投票」の「劇場版・OVA部門」では本作が第1位になり、宮崎作品のルパンではTV第2シリーズ部門の『さらば愛しきルパンよ』とともに2冠を達成している。

日本テレビ系列では数年に一度放送されており、安定した視聴率を記録している。初放送は『水曜ロードショー』時代の1980年12月17日。他の数あるルパン映画と比べてもテレビ再放送される回数が極めて多く[注釈 11]、2020年11月20日の放送で17回を数える。当初は庭園でのプロレスごっこや大司教の車を止めるシーンなど7分間をカットしたバージョン(宮崎駿自身がカットを行った)が放送されることが多かったが、1991年10月4日の5回目の放送では100分間のノーカット放送が初めて行われ、以後は毎回ノーカット放送が行われている。1984年3月14日の『水曜ロードショー』では宮崎、山田康雄、増山江威子がスタジオに招かれ、解説の愛川欽也[注釈 12] と対談を行っている。更に山田と増山に関しては、その前週の3月7日に放送された『刑事コロンボ/策謀の結末』の終了後にも次回番宣ゲストとしてスタジオに登場し、アフレコ経験もある愛川にカリオストロ伯爵役を担当してもらい、3人でクライマックスの1シーンを実演してみせている。

1999年2月26日に『金曜ロードショー』で放送された際は視聴率23.4%を記録した。これは本作がテレビ放送された中で最高で、劇場版作品としては1位である[34]

宮崎自身の評価

宮崎本人は自著『出発点』で、「この作品は『ルパン1stシリーズ』や、東映時代にやってきたことの大棚ざらえで、だから昔からぼくの仕事を見てた人は失望したというのはよくわかるんです。汚れきった中年のおじさんを使って、新鮮なハッとする作品は作れないですよ。こういうことは2度とできないなって、思ってやりました。」と語っている。また公開当初から、本作に対して「鬱屈がある」とアニメ誌やムック誌で発言しており、『風の谷のナウシカ』公開時の『コミックボックス』(1984年5・6月号)の対談では、第二次世界大戦でモスクワを前にして撤退せざるを得なかったドイツ軍を例に挙げ、「独ソ戦のドイツみたいだといつも思うんですよ」と比喩している。制作スケジュールの問題で、本作のDパートでは仕上げに手間がかからないよう絵コンテを切ったとも述べており、ルパンがクラリスを誘拐した後にはオートジャイロによる空中戦も予定されていたが、本編では割愛された。その画像は映画公開前に東京ムービーの宣伝材料として配られた後にムック誌などにも収録されており、その名残は共同脚本名義の山崎晴哉によって書かれたノベライズ版にもある。

原作者の評価

原作者のモンキー・パンチは、「日本国外のルパン三世ファンの95%は「ファンになったきっかけ」として本作を挙げる」と述べながらも、2007年7月「ルパン三世シークレットナイト(新文芸坐)にて「(試写会で見た後の取材で)『これは僕のルパンじゃない』って言ったんですね。『僕には描けない、優しさに包まれた、宮崎さんの作品としてとてもいい作品だ』って。でもこの後半の部分が削られて、最初の一言だけが大きく取り上げられちゃいましてね(苦笑)。僕のルパンは毒って言うか、目的のためなら手段を選ばないところとか、欲望とか人間の汚いところとか持ったキャラクターですからね。あんなに優しくは描けないなぁ」と、原作と映画の違いも述べている。

2015年のテレビシリーズが放送される直前に行われた『シューイチ』のインタビューでは「この作品はむしろ大好きだ」と述べている。

山田康雄の評価

ルパン三世役の山田康雄は本作をいたく気に入っており、パンフレット内では「これがルパン三世の神髄ではないだろうか」とも語っている。

山田は本作について「とにかく決定的に面白い。オープニングも話の展開も信じられないくらいだ。構成といい、絵といい、とても質の高いもので、こんなの見たこと無い。各所でギャグがちりばめられており、じつに楽しい」「ちょっと見ただけでは見過ごしちゃうようなところに手がかかっており、細かく描き込んでいる。これがルパンの精神だと思う。シャレていると思うね」と評し、「宮崎さん、大塚さん、バンザイだ」との讃辞も贈った。

アフレコの際、宮崎は「今回はこれまでと調子を変えて、例えばクリント・イーストウッドのような[注釈 13]抑えた声をお願いしたいのでよろしく」と注文するが、自身でキャラクターを確立していた山田は「ルパンはまかしときな! 今更ごちゃごちゃ言われたくねーよ。ルパンは俺が決めてるンだ」と横柄な態度を見せた[注釈 14]。しかし、試写を見終わった山田はその質の高さに態度を一変。「先程は大変失礼なこと言いまして申しわけございません。どんな無理な注文でも仰って下さい、何百回でもやり直します」と宮崎に頭を下げたという[35]

日本国外での評価

映画監督スティーヴン・スピルバーグカンヌ国際映画祭で本作を「史上最高の冒険活劇の1つ」と評し、特に冒頭のカーチェイスを「映画史上最も完璧なカーチェイス」と評したとの噂が存在する。スピルバーグ自身がインタビュー等で発言した記録が無く事実関係が不明だったが、北米版のDVD-VideoをリリースしたManga Entertainmentは記載に足ると判断し、DVDパッケージ及びDVDに収録された予告編で、このスピルバーグの発言に言及している[36]

特色

絵コンテ

キャラクターのアクションや建築物の崩壊、車、メカ、武器、水の透明感、モブシーン、建物の構造を利用して垂直方向への移動と、ドラマの進行を重ね合わせた演出など、他作品でも宮崎駿が用いる表現が使われている。登場人物の性格も、宮崎独自の解釈で肉付けされている。

設定

劇中に登場する車や銃器類は、ほとんどが実在のものであり、宮崎駿や大塚康生の趣味が活かされ、支配階級であるカリオストロ伯爵のヨーロッパ貴族としての生活ぶりや振る舞いも考証されている。

ルパン

宮崎は「善人ルパン」を描くため、ルパンの年齢をそれまでのイメージよりかなり高く設定し、「ファンの知っているルパンよりも人生経験を積んできたのだから、当然これまでのイメージと異なっていても不思議ではない」とした。物語の中盤あたりから、推定16歳のクラリスがルパンを「おじさま」と呼んでおり、ルパンを演じた山田自身もこの作品でのルパンに「歳をとったおじさんルパン」という認識で臨んでいた。

本作のルパンはアウトローというよりお姫様を救う心優しい男として描かれており、1発の発砲さえしていない。一方、回想シーンではベンツSSKに乗り銃を何発も発砲するなど『TV第1シリーズ』を彷彿とさせるルパンのイメージが描かれており、ルパンはそのころの自分を「一人で売り出そうと躍起になっている青二才」と呼んでいる。

ヒロイン

作中に登場するクラリス姫は、宮崎駿の作品に登場するヒロインの典型である。清楚でいじらしく、主人公による救出を待つ受動的な立場(Damsel in distress)にありながら、自ら積極的に行動する気丈さと勇気も持ち合わせている。島本須美は、後に宮崎が脚本・監督を手がけた『TV第2シリーズ』最終話「さらば愛しきルパンよ」や、映画版『風の谷のナウシカ』でもヒロイン役を演じている。本作以降、ルパン三世の長編作品では不二子と異なるタイプのゲストヒロインが登場するようになり[注釈 15]、設定は作品毎に異なるものの、年齢や性格などクラリスに似せた者も数多い。

ルブラン由来の物

登場人物の名前の一部には、モーリス・ルブランの『怪盗アルセーヌ・ルパン』シリーズに由来するものがある。

「カリオストロ」はモーリス・ルブランの小説『アルセーヌ・ルパン』シリーズ『カリオストロ伯爵夫人』に登場するルパンの仇敵の名前であり、「クラリス」は同作品に登場する、産まれた男の子をカリオストロ伯爵夫人に誘拐されるルパンの恋人の名前である。また、もともとカリオストロとは近世フランス史に登場した自称錬金術師で、後世のフィクションにも多く取り上げられている人物[注釈 16] であり、これを宮崎が『ルパン三世』の映画化にあたり題材としてとりあげた。

クラリスはカリオストロ家の人物ではなく、デティーグ男爵の令嬢だった。誘拐された息子は二十数年後を描いた作品『カリオストロの復讐』で好青年へと成長し再登場する。『緑の目の令嬢』(『青い目の少女』とも)には、本作と同様に湖底から遺跡が出現するシーンがあり、ルパンとカリオストロ伯爵の対決の場となった時計塔は黒岩涙香江戸川乱歩の『幽霊塔』をモチーフにしている。

『TV第1シリーズ』との共通点

ここでは、本作と『TV第1シリーズ』との共通点を列挙する。

服装、愛車
本作公開当時、赤ジャケットの『TV第2シリーズ』が放送(1977年-1980年)されていたが、『TV第1シリーズ』の緑ジャケットで登場する。フィアット 500Rも『TV第1シリーズ』後半から登場したもので、前作で登場したSSKは回想シーンのみでの登場。ただし、フィアット500の塗色は青白色から黄色に変更され、本作以降こちらの塗色が定着する。『TV第1シリーズ』のエンディングで不二子がバイクに乗るシーンがあるが、映画での不二子の移動手段も全てバイクだった。
一方で、銭形警部が乗る日本のパトカーは、第11話「7番目の橋が落ちるとき」にて初登場した日産・ブルーバード(2代目)。本作以降、銭形警部の愛車として定着する。『TV第2シリーズ』第145話をはじめ、複数の作品で登場する。
偽札
偽札をばらまいて捨ててしまうシーンが、第10話「ニセ札つくりを狙え!」でも登場している。
掃除機
過去の回想シーンに掃除機を使って宝石店の商品を吸い取るシーンがあるが、同様の強奪手段を第16話「宝石横取り作戦」でバキュームカーを用いて行っている。
フィアット500のパンク
フィアット500のタイヤのパンクは、こちらも第16話にて同様のシーンが存在する。
次元の敵への銃撃
敵に追跡され次元が敵の車のタイヤをマグナムで撃ち抜き「やったー!」と喜ぶシーンと同様のシーンが第21話「ジャジャ馬娘を助け出せ!」にて存在する。
サーチライト
やはり思い出を語るシーンで黒の全身スーツ、拳銃入りショルダーホルスターを締めた姿でサーチライトに追われるシーンが、初期オープニングや第4話「脱獄のチャンスは一度」で描かれたルパン三世のイメージを描いている。
TVスタッフに偽装
第18話「美人コンテストをマークせよ」で、ルパンたちがTV局レポーターに偽装して会場に侵入している。乱入した五ェ門が暴れるハプニングでテレビに秘密が映ってしまうのを狙うなど、作戦も同じ。
大時計
時計塔のメカニズムが第10話「ニセ札つくりを狙え!」で登場し、大時計の針が侵入者を襲うシーンもある。ラストでやはり時計塔は破壊されてしまうが、崩壊前に機構が突然激しく動き出す演出などの共通点がある。

カリオストロ公国

本作の主な舞台であるカリオストロ公国の人口は3,500人で、世界で一番小さな国連加盟国と設定されている。壮麗な塔を持つカリオストロ城と城下町、古代ローマ時代に作られた水道橋を持ち、周囲を美しい山々と湖に囲まれた、緑豊かな国である。また、劇中の新聞やルパンが伯爵に送った予告状から、フランス語が公用語のようである。さらにクラリスはフランス系、その愛犬カールや衛士長のグスタフなどはドイツ系の名であることから、フランス系とドイツ系の国民が混在し、地理的にはフランスとドイツに挟まれた、たとえばアルザスルクセンブルクのような場所にあると推定される。ゆえにフランス語の他にドイツ語も公用語として認められている可能性が高い。

平和でのどかな風景を持つ一方で、世界中で流通する紙幣を精巧に真似た偽札「ゴート札」を製造しており東西冷戦下においては国際的に無視できない影響力を与えていた。世界最高レベルの造幣技術を誇り、「偽札界のブラックホール」と呼ばれ、400年もの間、偽札(遡っては比重さえ誤魔化す贋金)製造の秘密を守るため中世の権力闘争や世界中の政府機関、情報機関、警察機関の捜査をかいくぐってきた。

城内には脱出不可能な地下迷宮とそれに続く城内各所へ張り巡らされた落とし穴が隠されており、殺害の証拠隠滅のために、あるいは生きたまま「地下」に落とされた者の遺体が男女貴賤を問わず無数に散乱している。日露戦争中にこの地で調査を行っていたと思われる旧日本軍の軍偵が自決前に壁に刻んだ「1904 3 14 日本國軍偵 河上源之助 ここに果つ… 仇…」の文を、同じく「地下」に落とされたルパンが発見している。

カリオストロ家は400年間、大公家と伯爵家の二つに分かれていた。大公家が代々の国政を担い、伯爵家は公国の影の部分である暗殺等の謀略を司っていた中、数年前に大公夫妻が謎の火災によって死亡、大公付きの摂政を務めていたラザール・ド・カリオストロ伯爵が、統治権を大公家に戻すためという名目で、大公家最後の姫であるクラリス・ド・カリオストロ姫を強制的に自身の婚約者として迎え、公国の独裁を狙っていたが、伯爵とクラリス姫の結婚式の当日、ルパンが引き起こした混乱に乗じて城に突入した銭形らの活躍により、「ゴート札」の印刷工場が城の地下から発見され、インターポールの査察が入る事になった。

カリオストロ家の家紋は下半身が魚になったヤギをモチーフにしており、大公家と伯爵家にはその当主の証である指輪が代々受け継がれていた。大公家では青地に浮き彫り(カメオ)にされた左向きの銀のヤギ、伯爵家では赤地に、彫り込まれた(インタリオ)右向きの金のヤギが用いられている(左右対称)。指輪の外周には今は使われていないゴート文字で「光と影、再び一つとなりて蘇らん」と彫られており、さらにこの2つの指輪を合わせると、その継ぎ目には同じくゴート文字で彫られた「光と影を結び、時告ぐる高き山羊の、日に向かいし眼に我を収めよ」という大公家に伝わる詩が浮かび上がるギミックが施されている[注釈 17]

かつてこの地には古代ローマ人達が住んでいたとされ、のちにローマ人達がこの土地を離れる際に、かつて自分達の住んでいた都市を水門を使って湖の中に沈め、それを大公家が代々守り続けていた。そして結婚式の翌日、湖の水が引いた後の湖底から古代ローマの壮麗な都市遺跡が良好な保存状態のままで姿を現した。

ゴート札
カリオストロ公国が製造している“幻”とまで評される偽札。かつて本物以上と称えられた代物で、劇中のルパンの台詞によれば、古くはブルボン王朝を破滅させ、ナポレオン軍の軍資金となり、1927年の世界恐慌[注釈 18] の引き金となるなど、中世以降の世界情勢の裏に常にその影を見せていたという。
本作中にルパンと銭形警部が見つけただけでも、日本円一万円紙幣)、ドイツマルク西ドイツ[注釈 19] の千マルク紙幣)、ドルポンドルピーペソフランリラウォンの偽札を製造していた[注釈 20]
カリオストロ城の地下にある印刷工場で製造されており、現在では国営のカジノにまで出回るほどに流通している一方で、その造幣技術は往年に比べて落ちているようで、完成したサンプルも伯爵から品質の低下を指摘されていた[注釈 21]

登場する乗り物・武器

乗り物

自動車・二輪車

フィアット・500
ルパンたちが乗るイタリア製の小型大衆車。改造が施してあり、レバーを引くとスーパーチャージャーが作動して高速で走行できる。ナンバープレートは「R-33」[37]。カリオストロ伯爵の手先が放った手榴弾でフロントガラスやヘッドライトなどが損傷したが、エンディング前には修復されている。塗装はクリームイエロー。パンクしてタイヤ交換をするシーンがあるが、スペアタイヤは丸坊主(溝の無い状態)だった。
イタリアで上映された折に、事前に申告しておけばフィアットから宣伝料が出た[注釈 22] のにと言われたが、それを聞いた宮崎は「イタリアで上映すると知っていたら別のメーカーにしただろう」と述べている。これは馴染みの無い車両の方が観客は楽しめると考えての事である。
なお、劇場公開当時、大塚康生が作中に登場したものの同型車(FIAT NUOVA 500)を所有していた。
メルセデス・ベンツSSK
ドイツ製の高級車。ルパンがクラリスとの出会いを思い出す際の回想シーンに登場。
シトロエン・2CV
クラリスが城からの逃走に使用したフランス製の小型大衆車。塗装は小豆色。ナンバープレートは「F-73」[38]だが、シーンによっては「F-14」になっている[39]。カーチェイスの末に大破してバラバラになり、湖に落下して水没した。
宮崎駿は同型車を所有している。また本作に先駆けて『TV第1シリーズ』第23話でも通常型(運転手は宮崎駿本人がモデルになっている)、及びバンタイプの2CVが「だるまや弁当」の配達車として登場している。
ハンバー・スーパー・スナイプ
クラリスを追うカリオストロ伯爵の部下たちが乗るイギリス製のリムジン。ナンバープレートは「C-14」[38]。塗装は茶色。防弾仕様の特殊タイヤを履いているが、次元が撃った徹甲弾が被弾してパンクし大破した。
ダットサン・ブルーバード(410型)
銭形が乗るパトカーで、白黒塗装の日本警察仕様車。ナンバープレートは「埼玉5 た 110」。初登場時からカリオストロ城に突入するまでは右ハンドルだったが、エンディング前には左ハンドルに変わっている。ドアに書かれている所属名も左側は「埼玉県警」だが、右側は「ICPO」となっている。
ファンの間では通称「銭ブル」と呼ばれる[40]。宮崎駿が担当した『TV第2シリーズ』第145話「死の翼アルバトロス」にも銭形の愛車として登場する。
C.M.P 15-CWTトラック(キャブ13型)
機動隊員輸送車として登場。カナディアン・ミリタリー・パターン(C.M.P)、または、ゼニガタ突撃隊輸送車、1943年型カナディアンGMミリタリーパターン[40] と呼ばれる、英連邦払い下げの幌付き全輪駆動軍用トラックで、塗装は暗灰色。右ハンドルで警察仕様としてサイレン機能と屋根上にパトライト(赤色灯)がある。C.M.Pはカナダフォード、カナダシボレーの両社で製造されたが、作中のC.M.Pはラジエーターグリルが斜めのダイヤ型(フォード製は四角の網目)なのでシボレー製である[41]
1973年には大塚康生がマックス模型の製品として同車と同じトラックの1/35模型を「C.M.P小型トラック」として企画設計し、同社より商品化している。
ハーレーダビッドソン・WLA
不二子が使用したアメリカ製の軍用オートバイ。後部両サイドにサドルバッグを取り付けており、ラストシーンでは偽札の原版を入れていた。
銭形に電話を掛けるシーンとラストシーンではヘッドライトホーンの上下が逆になっているが、別個の車両ではなく作画ミスと思われる。電話を掛けるシーンに登場する、ホーンが上にあるものが本来の仕様である。

航空機

オートジャイロ(と呼称される航空機)
カリオストロ伯爵の所有する、一人乗りの架空の小型航空機。伯爵が湖の上を遊覧飛行する際に使用し、クラリス奪回作戦の時にはルパンと銭形も搭乗したが、ジョドーの銃撃で炎上。その後、木に突っ込んで爆散している。
後退翼形式の主翼のみで尾翼が存在せず、主翼端に垂直安定板方向舵を持つ、全翼機に似た機体構成で、機体後部に推進式プロペラがあり、メインエンジンの他にローターブレードの先端にはラムジェットエンジンが装備されている[42]。ブレード先端のラムジェットによってローターを自力回転させることによって垂直離着陸が可能となっており、作中では“オートジャイロ”と呼ばれているものの、垂直離着陸機に分類される航空機である[注釈 23]
製作の都合でルパン対オートジャイロのシーンは割愛されたが、劇場公開当時に販売されたポスターでは、フィアットで逃走するルパンと対戦車ライフルで応戦する次元を、本機で追うイラストが公開されていた[注釈 24]。また、イメージボードでは伯爵の手下も、本機とは別形式のオートジャイロ[注釈 25] を使用し、ルパンと対決する予定であった。
ハンググライダー
折り畳み式のグライダー。翼の色は赤。不二子がオートジャイロからの脱出時に使用。
C-119 フライング・ボックスカー
ツインブーム双胴双発のレシプロ輸送機。終盤、国連の空挺部隊を輸送して降下させるシーンで登場。

その他

水雷艇[注釈 26]
川を遡行してクラリスの追跡に現れたカリオストロ公国水軍の小艦艇。塗装は白。外観はタービニア号に酷似しており、普段はポンポン船のようなエンジン音だが、速力を上げたときには、白波をけたててタービン音を響かせている。終盤の時計塔の崩壊に巻き込まれて沈没する。
馬車
干し草を満載した農家の大型の荷馬車。五ェ門が公国入りする際に乗せてもらっていた。

武器

排莢アクションなどが省略されて描写されている。

シモノフPTRS1941
ソビエト連邦製の対戦車ライフル。「素人が撃つと肩の骨が砕ける」といわれるほどの威力と反動を持つ。マグナムすら効かない強靭なを着た敵部隊「カゲ」に対し、最終決戦で次元が使用した。この銃でもその装甲は貫通できず、後方へ吹き飛ばすだけだったが[注釈 27]、「カゲ」の大群を相手に獅子奮迅の活躍を見せる。
S&W M27 .357マグナム 3.5インチ
アメリカ製の拳銃。今作の次元はテレビアニメ版で愛用しているS&W M19ではなく、S&W M27を使用[注釈 28]。冒頭のカーチェイスで防弾タイヤを装備した追っ手の車を止めるためにボトルネックケースの徹甲弾を使うシーンがあるが、実際には使用できない(徹甲弾は砲弾。拳銃で撃てるのはKTW弾)。今作では、「カゲ」が着込んだ鎧にダメージを与えることが出来なかったため、序盤の「カゲ」の奇襲以降は出番がなくなる。
ルガー1900
ドイツ製の拳銃。ルガーP08の原型となった拳銃で、当時のスイス軍などが採用した。不二子が他の作品で使用しているブローニングの代わりに使用。設定資料ではグリップ下に銃床を装着する部品がなく、これはスイスルガーの特徴となっている。なお、スイスルガーを紹介する銃器雑誌『月刊Gun1979年4月号誌上のレポート記事[注釈 29] には、スイスルガーを「不二子に使って欲しい」という記述があった。
UZI
イスラエル製の短機関銃。最初期の木製固定銃床を装着したタイプを不二子が使用している。25連ショートマガジンを使用。
M3短機関銃
プレス加工を多用したアメリカ製の短機関銃。正確には改良型のM3A1で、その独特な形からグリースガンとの別名がある。冒頭のカジノ襲撃シーンで用心棒達が所持していた。
MG34
ドイツ製の汎用機関銃。伯爵がジョドーにオートジャイロとルパンを撃たせたシーンに登場。単脚架に載せられ、ベルト給弾の50発ドラムマガジン[注釈 30] を装備していた。
トンプソンM1928
アメリカ製の短機関銃。冒頭のカーチェイスでクラリスを追う男達が使用。
MP40
ドイツ製の短機関銃。「カゲ」達が使用。
PPSh-41
ソビエト連邦製の短機関銃。時計塔に侵入した水兵が使用。
ワルサーP38
ドイツ製の拳銃。『TV第1シリーズ』のエンディング・テーマでも歌われる、ルパンの愛用拳銃である。今作ではポケットから取り出した直後、銃口がポケットに引っかかっているうちに警備装置のレーザーで溶かされ、全く活躍していない。回想シーンでのみ発砲している。
M24型柄付手榴弾
ドイツ製の手榴弾。冒頭のカーチェイスで、クラリスの追手たちがルパンのフィアットに向けて投擲。
マークII手榴弾
アメリカ製の手榴弾。その形から通称パイナップルとも言われる。使用人の偽装を解いて迷彩服に着替えた不二子が使用。脱出路を開けるべく窓へも投擲したが、壁や窓は防爆仕様でびくともしなかった。
斬鉄剣
五ェ門愛用の日本刀。中盤では燃えたルパンのスーツを粉々に斬って助け[注釈 31]、最終決戦では、次元の対戦車ライフルでも破壊できないほどの耐久性を持った「カゲ」の鎧を、甲冑だけを軽々と斬り裂いて「カゲ」たちの素顔を露出させる斬れ味を見せた。テレビ版ではコンニャクなど斬れない物も幾つか存在する斬鉄剣だが、本作では斬れない物は登場しなかった。
警備装置
カリオストロ城の各所に設置された警備システム。警備装置の作動直後に報告された機動隊員の台詞では「対人レーダーの反応もあります」とあり、庭園や時計塔内部までいかなる場所にも張り巡らされている。しかしその実体は相手を無力化させる警報の類ではなく、侵入者を抹殺する自動銃座に近い、警備の範疇を逸脱した殺人兵器である。自在に動くアームの先端に箱形の高出力レーザー発振装置が組み込まれており、銭形が捨てた煙草を地面に落下する前に完全に焼き尽くして消失させたり、ルパンのワルサーP38を一瞬で溶解させるという恐るべき威力を持つ。
メイス
宿屋の壁に飾ってあった戦棍。設定書には「イガイガハンマー」との名称が付けられている。「カゲ」の襲撃に対してルパンが使用。柄頭から八方に棘が飛び出した形状から、別名モーニングスター(明けの明星)とも呼ばれる。
大斧
同じく宿屋の壁に飾られていた戦斧と楯。こちらは次元が使用。斧は戦闘で使い、楯は閃光弾の光を防ぐために構えた。楯の表面にはカリオストロ公国旗と同じ十字の紋章が入っている。
スパナ
ナットを締める工具だが、本作内では主に鈍器として活躍。宿屋からの逃走時にはフィアットにしがみつく「カゲ」を次元が殴った他、TV中継時ではリポーターに変装した不二子が、中継を中止させようとする伯爵の手下を殴っている。
大型レンチ
両手持ちの大型レンチ。時計塔の備品をルパンが打撃武器へ転用したもの。本来の工具として幾つかの機械部品を外して歯車を落下させた他、伯爵との一騎討ちに使用した。
十手
銭形愛用の捕り具。格闘武器としての他に指揮杖代わりとしても使用された。先祖伝来の物であるのかは不明[注釈 32]。今作では設定書こそあるが、愛銃のコルト・ガバメントは使用されていない。
サーベル
騎兵用の片手剣。衛士隊の標準装備。終盤の時計塔では伯爵も使用。
大楯&警棒
主に暴徒鎮圧に使用される機動隊の標準装備。覗視孔付きの楯はジュラルミン製で軽いが、防弾には全く役に立たない。主に機動隊員が使用。
閃光弾
ルパンが宿屋で「カゲ」から逃げる際に使用した手製の手榴弾。殺傷力はないが、人間の目を眩ますほどの強力な光を放つ。ルパンはこれを使う際に、目を守る為にサングラスを着用していた。
ロケット弾
大司教に変装したルパンのマント裏に大量に仕込まれており、結婚式会場で一斉発射された。弾頭は花火であり、殺傷よりも相手方の攪乱を狙った武器である。
指ロケット
伯爵の隠し武器。ガントレットの指先が五連装の小型ロケット弾になっている。時計塔でルパンへ向けて発射された。
かつてのカリオストロ城にあった警備装置。ルパンが若い頃を回想するシーンに登場。大量の銛を無音で侵入者に発射する仕組みで、前述のレーザー同様に、標的の捕獲よりも抹殺に重点が置かれている。ゴート札の謎を突き止めようとして、逃走しようとしたルパンの背中に突き刺さり、重傷を与える。ルパンは身動きが取れないほどの傷を負って行き倒れてしまうが、少女期のクラリスに助けられる。

ビデオソフト

日本国内

※1 下記における各メディアソフトの価格はメーカーが提示した「標準価格」的なものであり、実売価格とは異なる場合がある。
※2 ビデオソフトの市販化にあたり、ビデオやLD、DVDなどに予告編が収録されたが、冒頭部分の宮崎のコメントが削除されている。劇場で使用された予告編では、冒頭に、黒い画面に白抜き文字で「前作をしのげないのなら 2作目を作る意味がない。 宮崎駿」というコメントがある(主に上映された劇場の前上映作品『がんばれ!! タブチくん!!』にて使用)。なお、このコメントはキャッチコピーとして同時期に配布されたチラシ・新聞広告でも確認可能。削除された理由については不明。いずれにせよ市販されている媒体での「予告編完全収録」という表記は、実際には一部削除されているため不適切な表記となっている(2010年現在)。

日本国外

  • 北米では、1992年にストリームライン・ピクチャーズ (Streamline Pictures) が『The Castle of Cagliostro』のタイトルで翻訳し、MGMから発売された。日本でも1994年にリンガフォン・ジャパンより英語教材としてVHSソフトが発売されたほか、「ジブリがいっぱいCollection」として発売されたDVDにも収録されており、ルパンの名前は Wolf に変更され、セリフの内容も日本語版から大きく変えられている(参考)。ストリームライン・ピクチャーズは、ルパンシリーズでは『ルパンVS複製人間』『死の翼アルバトロス』『さらば愛しきルパンよ』も翻訳している。イギリスオーストラリアではこのストリームライン・ピクチャーズの吹き替え版を用いてManga Entertainmentが発売した。
  • 2000年にManga Entertainmentは上記のストリームラインとは別の吹き替えを用いたDVDを発売した。Mangaは2006年8月に、特別版DVDを発売。この特別版にはレコードのようにA面とB面があり、一枚のディスクの裏表両方が記録面となっている。A面には本編が、B面には大塚康生へのインタビューなどの特典映像が収録されている。2021年1月に、Disctek MediaはStreamline Picturesの吹き替えとManga Entertainmentの吹き替えを両方収録したUltra HD Bluu-rayを発売した[53]
  • フランスでは翻訳版が3つ存在し、『Vidocq contre Cagliostro』のタイトルで発売された第1バージョン、Manga Entertainmentが『Le Château de Cagliostro』のタイトルで発売した第2バージョン、IDPが同じく『Le Château de Cagliostro』のタイトルで発売した第3バージョンがある。Manga Entertainment による第2バージョンは、上記の Streamline Pictures による英語版を基にした重訳で、ルパンの名はやはり Wolf となっている。

賞歴

売上記録

(日本国内)

内容 記録 補足
興行収入 約6.1億円[6] 叶精二による推測
配給収入 約3.05億円[8]
地方動員 65万8386人[8] 2本立て(主に『Mr.Boo!ギャンブル大将』と)
首都圏・関西動員 約24.2万人[8] 単独
全国動員 約90万人[8]
『オリジナル・サウンドトラック ルパン三世・3』 約1万枚出荷[55] 1994年発売のCD
『ルパン三世 カリオストロの城 ドラマ編』 約1.5万枚出荷[55] 1986年発売のCD
『ルパン三世 カリオストロの城 完全収録盤』 約1万枚出荷[55] 1994年発売のCD
『カリオストロの城 オリジナル・サウンドトラック BGM集』 約2万枚出荷[55] 1994年発売のCD(再発)
『ルパン三世 宮崎駿作品集』 約1万枚出荷[55] 1997年発売のCD
『ルパン三世クロニクル ルパン三世
カリオストロの城 ミュージックファイル』
約1万枚出荷[55] 2003年発売のCD
DVD 約40万枚出荷[56] 2001年発売(2003年6月現在)

テレビ放送

以下の放送記録は日本テレビ系列で放送されたもののみ記載。日本テレビ系列以外で放送されたものについては「日本テレビ系列以外」欄に記載。

回数 放送日 番組名 視聴率 備考
1 1980年12月17日 水曜ロードショー 21.2%
2 1982年9月22日 21.8%
3 1984年3月14日[注釈 35] 20.3% [注釈 36]
4 1985年7月3日[注釈 37] 14.7%
5 1991年10月4日 金曜ロードショー 13.7% [注釈 38]
6 1994年9月2日 22.4%
7 1996年1月2日 今夜のルパン三世 12.1% [57]
8 1999年2月26日 金曜ロードショー 23.4%
9 2001年6月15日 21.2%
10 2004年3月26日 15.8%
11 2008年5月2日 16.4% [注釈 39]
12 2010年10月8日[58] 12.1%[59]
13 2012年3月30日 12.7%[59]
14 2015年1月16日[60] 金曜ロードSHOW! 14.5%[59]
15 2016年10月14日[注釈 40][61] 12.4%[62]
16 2018年1月19日[63] 11.0%[64]
17 2020年11月20日 10.2%[65]
日本テレビ系列以外

関連出版ほか

  • 『ルパン三世 カリオストロの城』 集英社文庫 コバルト・シリーズ 1982年、新版2000年 ISBN 4086105101
    山崎晴哉[69] による初期シナリオに基づく小説版。
  • 『あれから4年…クラリス回想』 徳間書店 アニメージュ文庫、1983年8月 ISBN 978-4196695127
    フィルムコミックのダイジェスト版、および宮崎駿の回想エッセイとインタビュー
  • 『ルパン三世 カリオストロの城 シネマ・コミックEX』 文藝春秋 文春ジブリ文庫、2019年10月 ISBN 978-4168121203
    旧版は双葉社の文庫判、1984年と1996年に分冊刊行
  • 『ルパン三世 カリオストロの城 アニメコレクション』 双葉社、1985年。下記の参考文献は新版
  • 『ルパン三世 カリオストロの城 宮崎駿 絵コンテ集』 双葉社、1984年。同上
  • 徳間アニメ絵本『ルパン三世 カリオストロの城』 徳間書店、2000年 ISBN 4198612900
  • LPレコード『ルパン・トーク・ルパン』日本コロムビア(1982年)、新版CD(1992年)
    アニメ2ndシリーズ終了後、ルパンが成長したクラリスと再会したことがルパン(声:山田康雄)によって語られる[70]

関連ゲームソフト

その後のルパン作品との関連

  • 本作公開後に放送され、宮崎駿が脚本・演出を担当したTV第2シリーズ第145話「死の翼アルバトロス」、第155話「さらば愛しきルパンよ」では、本作を彷彿とさせるシーンが存在する。その例として機動隊員や日産ブルーバードのパトカーが登場している。また、劇場版『ルパン三世 風魔一族の陰謀』でも同様にブルーバードパトカーや機動隊員が登場している(ただし、こちらは岐阜県が舞台の為、登場する機動隊員もパトカーも岐阜県警となっている)。このブルーバードパトカーは2020年時点の最新作でも、銭形警部の愛車(銭形警部専用車)として登場している。
  • 1997年放送のTVスペシャル第9作『ルパン三世 ワルサーP38』では、銭形警部に示されたICPOによるルパンの使用したワルサーP38の報告書の中に、カリオストロ公国についての記述と伯爵の顔写真が載っているのが見える。
  • 2018年4月から9月まで放送された『TV第5シリーズ』の第23話終盤には、映画本編にも登場したカリオストロ公国の湖の中にある古代都市[71]、崩壊した時計塔や骸骨の山があるカリオストロ城の地下が登場しルパン、次元、五ェ門は城の地下を隠れ家としていた。

補足

  • カリオストロ城のモデルは、サン・レーオである[72]
  • 「カゲ」達が結婚式典で被る尖った頭巾のモデルは、カピロテと呼ばれるものである。
  • 草創期のコミックマーケットでは吾妻ひでおとその周辺の同人がロリコン漫画同人誌シベール』『クラリスマガジン』を作成し、ヒロインのクラリスをロリコンキャラクターとして取り上げている。
  • ゼンダ城の虜』を初めとする、「近現代ヨーロッパの架空の小国を舞台にした冒険譚」を表す「ルリタニア・テーマ」というジャンル名を提唱した田中芳樹は、日本における代表例として本作と『天空の城ラピュタ』をあげた[73]
  • 本作のファンであった黒田清子(旧名:紀宮清子内親王)は、黒田慶樹との結婚式で着用する白いドレスのモチーフとして、デザイナーにクラリスの花嫁衣装を例示したという話が報道された[74]
  • ワルサーP38』のニューヨーク市街の日本料理店で食事をとっている銭形の下に訪ねて来たビッキー・フラナガンが持って来たルパンのワルサーP38に関する資料の中に伯爵の顔写真が写っている本作の事件と思われる資料が登場した。
  • 作中の新聞記事には1968年の発行日が記されている[注釈 41]
  • 初公開時の1979年12月に、公開記念として『ルパンの花嫁コンテスト』が開催された。「ルパン三世の花嫁を一般公募する」という内容であり、水着審査などによるコンテスト[注釈 42]優勝者が実際に山田康雄と帝国ホテルで挙式をあげ、同時にウエディングドレス、新婚旅行と称した8日間のヨーロッパ旅行ツアー、フィアット500(69年型)の3点がプレゼントされるという企画であった[75]。応募総数は、男女含め3212人であった。

脚注

注釈

  1. ^ 日本公開から40年後のフランス公開。「ルパン」が別の名前に変更されたビデオは出回っていた(#日本国外も参照)。[2][3][4][5]
  2. ^ テレビアニメ初監督作品は1978年放送の『未来少年コナン』である。
  3. ^ 本作公開後に放送された『TV第2シリーズ』の第152話・第155話(最終話)では本作と同様の黄色のフィアット500が登場している。
  4. ^ 冒頭のカジノから盗み出すシーンでは、五ェ門の姿は全く映っていないが、追っ手の車を真っ二つにしており、その後の偽札を撒き散らすシーンでは後部座席に五ェ門の後頭部と斬鉄剣が確認できる。
  5. ^ このシーンが、後のテレビ番組や雑誌等で「名シーン」「名台詞」と評されたこともある。
  6. ^ 山崎版ノベライズでは、伯爵の差し金による放火の可能性があると庭師の老人が言及している。
  7. ^ 予告編では笹岡繁蔵が担当。
  8. ^ 中世からの家系のはずだが何代目かは不明。
  9. ^ ジョドーのみ「殿下」と呼び、銭形は初対面時に「閣下」と呼んでいる。
  10. ^ 五ェ門はこれに対して「無益な殺生はせぬ」と斬鉄剣を鞘に納めた
  11. ^ 本作は宮崎駿監督作品で、製作スタッフは違うがスタジオジブリ作品の一種としても扱われているため、ジブリ作品の放映権を独占している日本テレビ系列以外での放送が出来ないという事情もある。本作は地上波以外での放送は2017年まで行われなかった。
  12. ^ 当時、水野晴郎は前年の参院選出馬(結果は落選)に伴い降板中であった。
  13. ^ 山田は生前、クリント・イーストウッドの吹き替えを専属で担当しており、自身の代表作の一つでもあった。
  14. ^ これを目にした作画監督の大塚康生は、思わず「生意気だ、降ろしてしまえ」と宮崎にささやいたという。
  15. ^ 企画倒れに終わった押井版ルパン三世でも、依頼人として登場する予定だった。
  16. ^ 2015年から放送された『TV第4シリーズ』およびこれをベースとしたテレビスペシャル『ルパン三世 イタリアン・ゲーム』およびアニメでも「カリオストロ」の名が使用されているが、こちらは自称錬金術師として実在した人物を取り上げている。
  17. ^ ただし、現在は経年により磨り減った影響で継ぎ目の文字は読み難くなっており、このギミックに気付いたルパンも最初の一部分以外は読めずにいたが、大公家の詩を継承していたクラリスのおかげで内容を知ることが出来た。
  18. ^ 正しくは1929年。
  19. ^ 映画公開当時のドイツは、西ドイツ(ドイツ連邦共和国)と東ドイツ(ドイツ民主共和国)に分断されていた(ドイツ再統一は本作公開後の1990年)。
  20. ^ これらの通貨のうち、ドイツマルク、フラン(フランス・フランベルギー・フランルクセンブルク・フラン)、リラ(イタリア・リラサンマリノ・リラバチカン・リラ)は2002年にユーロへの置き換えにより法定通貨としての効力を喪失した。(スイス・フラントルコ・リラは健在)
  21. ^ このシーンにおいて偽札製造の担当技術者は「いまのような大量生産を続けては…」と偽札の生産量が増えたことを品質低下の原因としていたが、カリオストロ伯爵は質の低下も納期の延長も認めなかった。
  22. ^ のちに製作されたOVA『ルパン三世 GREEN vs RED』では、フィアットグループオートモービルズジャパンの協力の元、当時日本への正規輸入が始まったばかりの新型500が登場している。
  23. ^ 現実のオートジャイロはローターには動力は接続しないのが基本であるが、離陸時のみクラッチを繋いでエンジンでローターを駆動し、垂直離陸を可能にする方式のオートジャイロは実在する。ただし作中のようにローターを駆動するのに別エンジンを用いる形式、また着陸時にもエンジンでローターを駆動する形式のオートジャイロは実在せず、ローターの先端にラムジェットエンジンを付加したオートジャイロも存在しない。
    ローターの先端にラムジェットエンジンを装備し、これによってローターを自力回転させることによって垂直離着陸を行える、という方式は第2次世界大戦末期にナチスドイツにおいてフォッケウルフ トリープフリューゲルという機体が設計されているが、本作に登場する“オートジャイロ”とは構造や構成が異なる。ヘリコプターであれば、このような形式が構想され、通常のヘリコプターに必須のテールローターが不要とされる機体を、アメリカのヒラー社が1950年代YH-32 ホーネットとして試作している。
    なお、設定画の通りにラムジェットエンジンであるとした場合、その作動原理上、完全停止状態からは始動出来ず、本編内の描写と矛盾する。このため、作品のファン等には補助ロケットエンジンと解釈されていることがある。
  24. ^ オートジャイロはパイロットの他に、伯爵の手下が左右主翼上に乗った三人乗り状態であった。『カリオストロの城大事典』P20。
  25. ^ 形状はフォッケウルフFw61に酷似。ただし、Fw61はオートジャイロに限りなく似たヘリコプターである。
  26. ^ 実は連絡艇(ランチ)の類である艦載水雷艇の一種。内火艇と呼称する資料もある[要出典]
  27. ^ 現実には、ここまでの耐久性を持つ個人用の防具は存在していない。また、本作では時計塔での伯爵を除き、基本的に人死にが出る生々しいスプラッタシーンは直接描写されなかった(ただし、断末魔の悲鳴等の演出はある)。
  28. ^ 映画パンフレットの次元プロフィールより。
  29. ^ 担当記者はジャック・クボタ。
  30. ^ と称しているが、弾倉は弾帯を詰め込んだ単なる容器である。
  31. ^ 前劇場版に引き続き、五ェ門は「また、つまらぬ物を斬ってしまった」と呟いている。
  32. ^ TRPG『LUPIN III CASTLE OF CAGLIOSTRO ルパン三世 カリオストロの城』のルールブックでは、先祖伝来の物とされていた。
  33. ^ 当時は、多くのソフトがVHS版では90分以下にカットされ、β版でノーカットが発売されていた。
  34. ^ 製作:トムス・エンタテインメント、発売元:ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント、VWDZ8032)
  35. ^ 当時、宮崎駿にとっては本作以来5年ぶりの監督作品となる長編劇場アニメ『風の谷のナウシカ』(3月11日公開)が公開中であった。
  36. ^ この時には監督の宮崎駿、ルパン役の山田康雄、不二子役の増山江威子がスタジオに招かれ、司会の愛川欽也と対談を行っている。
  37. ^ 当時、『ルパン三世』シリーズの映画化としては本作以来6年ぶり3作目となる長編劇場アニメ『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』(7月13日公開、監督・鈴木清順吉田しげつぐ)の公開が控えていた。
  38. ^ 今回で初のノーカット放送が実現し、以後ノーカット放送が定着する。
  39. ^ 初HDリマスター版放送
  40. ^ 広島テレビのみ、セ・リーグクライマックスシリーズファイナルステージ第3戦・広島×DeNAを急遽延長したため同16日に振替。
  41. ^ ただし、1968年の時点では作中に登場するカップ麺や100円ライターは市販されていない。また、テレビ中継用のハンディタイプの小型カメラは一般的なテレビ放送機材としては利用されてはいなかった。
  42. ^ 審査員は、モンキー・パンチ大塚康生山田康雄をはじめとしたメインキャストの5人、ファンクラブ(当時)の代表者であった。

出典

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  2. ^ カリオストロの城、フランスで「ついに上映」公開から40周年、「単純に驚いた」と話題”. J-CASTニュース. 株式会社ジェイ・キャスト (2019年2月8日). 2019年2月9日閲覧。
  3. ^ 「日本で放映されてから40年、フランスでついに『ルパン三世 カリオストロの城』の上映が実現しました。…」”. フランス政府留学局・日本支局Twitter. キャンピュス・フランス・ジャポン (2019年2月7日). 2018年8月18日閲覧。
  4. ^ BAUDOUIN ESCHAPASSE (2019年1月23日). “Pourquoi il faut voir Le Château de Cagliostro de Miyazaki(宮崎の『カリオストロの城』を見なければならない理由)/【予告映像】”. Le Point Pop . ル・ポワン. 2019年2月9日閲覧。
  5. ^ Mathieu Macheret (2019年1月23日). “« Le Château de Cagliostro » : aux origines du style Miyazaki”. ル・モンド. https://www.lemonde.fr/culture/article/2019/01/23/le-chateau-de-cagliostro-aux-origines-du-style-miyazaki_5413154_3246.html 2019年2月10日閲覧。 
  6. ^ a b 叶精二『宮崎駿全書』フィルムアート社、2006年、27頁。ISBN 4845906872
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  8. ^ a b c d e 叶精二『宮崎駿全書』28頁。
  9. ^ 宮崎駿著『出発点―1979〜1996』
  10. ^ 「アニメージュ’84年10月号」押井守版『ルパン三世』製作決定特集、押井守×宮崎駿×大塚康生の座談会
  11. ^ 宮崎駿が押井守を監督として推薦した。
  12. ^ 押井守版ルパン三世
  13. ^ 初公開から35年!『カリオストロの城』デジタルリマスター版の劇場公開が決定!”. シネマトゥデイ (2014年4月22日). 2014年4月22日閲覧。
  14. ^ 『ルパン三世 カリオストロの城』デジタルリマスター版で劇場上映”. ORICON STYLE (2014年4月22日). 2014年4月22日閲覧。
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  20. ^ /スケジュール決定\10/30(金)公開「ルパン三世 カリオストロの城」4DX版10.30-11.5のスケジュール更新しました🗒️🌼9:05🌼18:35⛔特別料金:2,300円(4DX料金込み)1日2回の上映です!お楽しみに👀”. Twitter. 2020年10月27日閲覧。
  21. ^ 「ルパン三世 カリオストロの城」4K上映の来場特典明らかに、復刻パンフ販売も”. 2022年3月12日閲覧。
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  23. ^ 指揮官を担当。劇場公開時のパンフレットの「声の出演」表記より。
  24. ^ 劇場公開時のパンフレットの「声の出演」表記より。
  25. ^ 衛士の1人を担当。劇場公開時のパンフレットの「声の出演」表記より。
  26. ^ 召し使いの1人を担当。劇場公開時のパンフレットの「声の出演」表記より。
  27. ^ インターポールの長官も担当。劇場公開時のパンフレットの「声の出演」表記より。
  28. ^ ゴート札の印刷主任も担当。劇場公開時のパンフレットの「声の出演」表記より。
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  32. ^ 朝日新聞デジタル:小林七郎、背景美術を語る - 小原篤のアニマゲ丼 - 映画・音楽・芸能
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  42. ^ 『双葉社スーパームック アニメコレクション ルパン三世カリオストロの城』 (ISBN 978-4575471694)※再販版 双葉社:刊 1999年(再販版)/1981年(初版刊行). に設定画が掲載されており、「ローターに、ラムジェットがついていて、ヘリ的能力も若干持っている。」と記述されている。
  43. ^ 「1981年東宝ビデオ総合カタログ」1981年、東宝株式会社、p2
  44. ^ 「ビデオコレクション1982」1981年、東京ニュース通信社、「週刊TVガイド」臨時増刊12月2日号、p80、p176
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  66. ^ 「銭形警部」放送記念!ついに「カリオストロの城」登場!
  67. ^ AbemaTVで「ルパン三世 カリオストロの城」とTVスペシャル5作品を無料配信
  68. ^ 日曜アニメ劇場『ルパン三世 カリオストロの城』
  69. ^ ノンクレジットだが、本文冒頭部分に辻真先の執筆と記されている。
  70. ^ [tonbori堂アニメ語り 『ルパン三世』LPレコード『ルパン・トーク・ルパン』|Web-tonbori堂アネックス https://tonbori.blogspot.com/2017/06/tonbori-lp.html?m=1]
  71. ^ 湖の古代都市は観光地になっているためか観光客らしき人が登場した。
  72. ^ 日本の姫路城も!死ぬまでに行きたい“世界の名城”って
  73. ^ 田中芳樹アップフェルラント物語』後書きより[要文献特定詳細情報]。また田中の最初の長篇『白夜の弔鐘』で登場する女性「クラリス」の名前は、本作のヒロインから取られている(梶尾真治による文庫版解説より)。
  74. ^ ウェブ報知 2005年11月15日 (Webarchive)
  75. ^ 「ルパンの花嫁が決まる!」『ジ・アニメ』1980年2月号、近代映画社

参考文献

  • アニメージュ徳間書店、1980年1月号
    本作の特集号。東宝宣伝部から「前作より低年齢向けとして宣伝した」とコメント。
  • 『アニメージュ』徳間書店、1981年1月号
    宮崎駿とおかだえみこの対談記事。モーリス・ルブラン作品と江戸川乱歩作品をモチーフにしたこと、中年の意識で描いたことが語られる。
  • 『アニメージュ』徳間書店、1981年8月号
    宮崎駿特集号。宮崎自身による自身の作品歴における位置付けと海外での評価。
  • アニメック編集部編『カリオストロの城大事典』ラポート、1982年
  • 『ルパン三世カリオストロの城』双葉社、1999年 ISBN 4575471690
    ムック型資料集。
  • 『作画汗まみれ 増補改訂版』大塚康生 / 徳間書店、2001年 ISBN 4198613613
    本作の作画監督による制作の裏話。山田康雄との裏話など。
  • 『スタジオジブリ絵コンテ全集第II期・ルパン三世カリオストロの城』宮崎駿 / 徳間書店、2003年 ISBN 4198616663
  • リトル・ニモの野望』大塚康生 / 徳間書店、2004年 ISBN 4198618909
    東京ムービー新社のアメリカでのプロモーションに本作が使用されたことなど。
  • キネマ旬報キネマ旬報社、2004年8月下旬号
    創刊85周年特集として各ジャンルのオールタイムベストテンを発表。映画評論家による投票で選定。
  • 『大塚康生インタビュー アニメーション縦横無尽』実業之日本社、2006年 ISBN 4408612553
    従来、通説とされてきた本作のモチーフと見なされていた『TV第1シリーズ』のエピソードに関する新事実など。
  • 編集 本多健治『100てんランド・アニメコレクション③ルパン三世カリオストロの城』双葉社、1981年8月16日。 

外部リンク

ルパン三世の劇場映画
通番 題名 公開日 監督 脚本 主題歌 歌手 興行収入
実写版第1作 念力珍作戦 1974年8月3日 坪島孝 長野洋 恋のチャンス ポピーズ
ブローアップ上映 ベネチア超特急 1978年3月18日 御厨恭輔 今野鑲 ルパン三世のテーマ
ルパン三世 愛のテーマ
-
アニメ版第1作 ルパンVS複製人間 1978年12月16日 吉川惣司 大和屋竺
吉川惣司
ルパン音頭 三波春夫 9.15億円
アニメ版第2作 カリオストロの城 1979年12月15日 宮崎駿 宮崎駿
山崎晴哉
炎のたからもの ボビー 6.1億円
アニメ版第3作 バビロンの黄金伝説 1985年7月13日 鈴木清順
吉田しげつぐ
大和屋竺
浦沢義雄
MANHATTAN JOKE 河合奈保子
アニメ版第4作 風魔一族の陰謀 1987年12月18日 (不在) 内藤誠 セラヴィと言わないで 麻倉未稀
アニメ版第5作 くたばれ!ノストラダムス 1995年4月22日 白土武 柏原寛司
伊藤俊也
愛のつづき 坂上伊織
アニメ版第6作 DEAD OR ALIVE 1996年4月20日 モンキー・パンチ 柏原寛司 Damegeの甘い罠 media youth
アニメ版特別作品 ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE 2013年12月7日 亀垣一 前川淳 (主題歌なし) 42.6億円
アニメ版第7作 LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標 2014年6月21日 小池健 高橋悠也 Revolver Fires Gary Stockdale
実写版第2作 ルパン三世 2014年8月30日 北村龍平 水島力也 (主題歌なし) 24.5億円
アニメ版第8作 LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門 2017年2月4日 小池健 高橋悠也 SATORI Rob Laufer 7200万円
アニメ版第9作 LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘 2019年5月31日 Innocent deceiver TAKUMI iwasky
アニメ版第10作 THE FIRST 2019年12月6日 山崎貴 GIFT 稲泉りん 11.6億円