FN ブローニングM1910

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
FN ブローニングM1910
FN BROWNING-M1910
FN ブローニングM1910
概要
種類 自動式拳銃
製造国 ベルギーの旗 ベルギー
設計・製造 ジョン・ブローニング
ファブリックナショナル
性能
口径 .32口径(7.65mm)
.38口径(9mm)
銃身長 88mm
使用弾薬 .32ACP弾(7.65x17mm)
.380ACP弾(9x17mm)
装弾数 7+1発(.32ACP弾)
6+1発(.380ACP弾)
作動方式 ストレートブローバック
全長 151mm
重量 570g

FN ブローニングM1910(FN Browning Model 1910)は、ジョン・ブローニングが設計し、ベルギーファブリックナショナル(FN)が製造した自動式拳銃

概要[編集]

FN ブローニングM1900の後継として開発された。服の下から取り出す際、極力引っかからないように設計されているため、ストライカー式の撃発機構を採用しハンマーレスとするなど露出物を極限まで減らしている。その最たる物がサイトの省略であり、そのためスライド上部には溝が掘られ、その内部に極小のサイトを用意して代用している。

本銃はメインとなった.32ACP弾(7.65x17mm)モデルの他に.380ACP弾(9x17mm)モデルが存在し、前者の装弾数は8発(弾倉7発+薬室1発)、後者の装弾数は7発(弾倉6発+薬室1発)である。

本銃は軽量小型で携帯性に優れており、信頼性や性能も良好でかつ安価、また、特徴的な美しい外観ゆえに評価が高く世界に輸出され、20世紀前中期を代表するベストセラー拳銃のひとつとなった。

バリエーション[編集]

M1922
M1910のメカニズムをそのままに、フレーム・スライド・銃身を延長されたモデル。1922年に発表されたことからM1922と呼ばれた。
M1955
一説では第二次世界大戦後に生産されたモデルを指すとされている。

採用国[編集]

制式採用されたのは主に欧州だが、積極的に輸出されたため欧州以外でも使われていたようである。そのうえ、当時は拳銃の携行は比較的自由であり、好きな銃を持ち歩いていたような時代だったため、どの国の軍人が使っていたかを断言できないとも言える。

日本
M1910を装備する特別警備隊

日本大日本帝国)においても、通称ブローニング拳銃として.32ACP弾モデルが多数輸入されていた。民間販売の他、主に帝国陸軍将校准士官の護身用拳銃[1]として本銃は最も人気が高かった[2].32ACP弾日本軍制式の8x22mm南部弾(十四年式拳銃実包)と共に、七・六五粍拳銃実包として軍造兵廠において生産供給されていた。また、欧米からの拳銃輸入が困難となった第二次世界大戦時には、本銃をベースに国産拳銃として浜田式自動拳銃が開発。量産されて同じく将校の護身用拳銃として使用された。

軍に限らず警察でも、私服警察官特別警備隊隊員の装備として、また、外地(満州など)駐留警官の間でも使用されていた。

他にも現在も一部の地方では女性警官に支給されていると言われているが実際のところは不明である[3]

ブローニングM1910の登場する作品[編集]

007シリーズ
第1作『ドクターノオ』で主人公ジェームズ・ボンドが32口径サプレッサー付きを使用。
226
反乱した帝国陸軍の青年将校が所有。斎藤實を射殺する際や、野中四郎の自決および安藤輝三自決未遂時などに使用。
ANGEL PARA BELLUM エンジェルパラベラム
ミツルが射撃の練習に使用。
月光仮面
1958年テレビ版。月光仮面の二丁拳銃は本銃。ほかに刑事たちも使用。
ココロ図書館
カージーズエンジェル達が使用。
ジパング
草加や滝ら大日本帝国の将校などが所持している。
西部警察
平尾刑事が使用している。
日本のいちばん長い日
畑中健二少佐黒沢年男)が使用。近衛第一師団長森赳中将島田正吾)殺害時、日本放送協会で館野守男放送員(加山雄三)に決起主旨説明の放送を強要する際、および皇居での自決時に登場する。
鋼の錬金術師
リザ・ホークアイ中尉がシルバーモデルを使用している。
古畑任三郎
第1シーズン第12話で、小暮音次郎警視菅原文太)が最愛の孫娘を手に掛けながら証拠不十分で無罪になったチンピラを殺す場面にて使用。
流星人間ゾーン
第4話で防人蛍がサチオに対して使用。
ルパン三世
峰不二子の愛銃。ガーターベルトに挟んでいる。
ルパン三世Y
不二子以外に、インターナショナル・クライム・ロジスティックス社長のヨーコが使用している。
ルパン三世 ルパンVS複製人間
マモーが使用。シルバーモデル。次元に二発発砲するがかわされ、敗北する。マモーは他にもフリントロック・ピストルも所持しているが、こちらは発砲なし。

脚注[編集]

  1. ^ 軍服に限らず軍刀拳銃嚢に至るまで将校准士官の軍装品は私物であり、各々の嗜好による自費調達が基本であった。拳銃はベルギーアメリカドイツスペインなど欧米からの輸入品を中心に様々な物が使用されており、民間の銃砲店や偕行社酒保部にて購入した
  2. ^ 同時期の国産自動拳銃である南部式大型自動拳銃は大型かつ高価で敬遠されていたため。なお、二十六年式拳銃十四年式拳銃は、主に下士官用の官給品
  3. ^ 常識的に考えれば老朽化のため使用していないと考えるのが普通であり、噂の域にすぎないと思われる

関連項目[編集]