十五少年漂流記
十五少年漂流記 Deux Ans de Vacances | ||
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著者 | ジュール・ヴェルヌ | |
発行日 | 1888年 | |
ジャンル | 冒険小説 | |
国 | フランス | |
言語 | フランス語 | |
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『十五少年漂流記』(じゅうごしょうねんひょうりゅうき、仏: Deux Ans de Vacances)は、ジュール・ヴェルヌが1888年に発表した少年向けの冒険小説で、無人島に漂流した少年達が力を合わせて生活していく物語を描いている。日本語版題名としては原題の直訳『二年間の休暇』も用いられる。
翻訳[編集]
日本では1896年(明治29年)に森田思軒により博文館の雑誌『少年世界』に『冒険奇談 十五少年』(「冒険」という単語はこの翻訳時に造語された)として英訳から抄訳・重訳して連載され、12月には単行本『十五少年』として出版され評判となった(使用英訳書は不明[1])。
『十五少年漂流記』というタイトルは、森田思軒の娘・下子の夫である白石実三により命名されたという。後に新潮社が子供向けに内容を簡略化した作品を『十五少年漂流記』というタイトルで1951年(昭和26年)に出版し、昭和の中頃にはこの作品名が完全に定着した。
その後、福音館書店が短縮しない、原作に沿った内容の翻訳を1968年(昭和43年)に『二年間の休暇』というタイトルで刊行し、版を重ねるロングセラーになっている。
あらすじ[編集]
- プロローグ
- 1860年2月15日。イギリスの植民地であるニュージーランドの首都オークランド市に建つチェアマン寄宿学校は、夏休みに入った。100人余りの生徒はいずれも白人で、島に渡ってきたイギリス、フランス人、ドイツ人、アメリカ人などの子供たちだった。
- 1年生から5年生に渡る14人の子どもたちは、翌朝に帆船スラウギ号に乗って、2か月をかけてニュージーランド沿岸を一周する旅に出ることになっていたが、出港が待ちきれなかった14人の子どもたちは、夜のうちにスラウギ号に潜入してしまう。だが、ある人物の行動により、14人の少年とボーイの黒人少年を乗せたスラウギ号は、船長や船員たちを乗せないまま出航してしまう。
- 無人島生活の始まり
- 少年たちを乗せたスラウギ号は、南アメリカ大陸の南端にある群島の一つ・ハノーバー島まで流された。だが少年たちは、そこがチリ沿岸の島であることはおろか、島なのか大陸なのかさえ判断できなかったが、赤道近くでは見られない植物があることから、ニュージーランドよりも南極寄りに流されたことだけは分かった。
- 幸いスルギ号には、2か月分の食料をはじめとして、ピストル、猟銃、散弾銃、信号弾、大砲などの武器、通信用ラッパ、望遠鏡、ゴムボート、寝具などが積み込まれていた。その他、大工道具、針や布、図書室の本がぎっしりと詰まっていた。
- 島の探索
- ここは大陸かもしくは島なのか。主張が対立した少年達は、確認するために海岸から内地へと調査に繰り出す。住まいとしていたスラウギ号から探索に向かった先で、島の奥に洞穴を発見する。中には、テーブルや椅子、ベッドまであり、1冊のノートを見つけた。1807年という記載や難破船の船名もあった。さらには、かつて島に流れ着いて洞穴に1人で住んでいたと思われるフランス人が作ったらしい地図によると、ここは孤島で、島の真ん中に大きな湖があるらしいが、近くに陸地などがないことがわかった。
- 少年たちは、この島を「チェアマン島」、その洞穴を「フランス人の洞穴」と名付けて、海風や波にさらされて傷んでいくスルギ号から洞窟に移り住むことを決断する。
- 初代大統領の選出
- 年長の3人のリーダー格の少年たちが中心となり、15人の少年の「チェアマン島」での生活が本格的に始まった。そして、リーダーである初代大統領を選ぶことになり、最年長で思慮深く穏健派のゴードンが選ばれ、15人の植民地として運営していく体制を整えていく。島内で新たに発見する動植物や、工夫を重ねた道具の作成などで島での生活は次第に潤っていく。
- ゴードンはまず、島での生活の日課表を作った。年長の少年たちが交代で教師役を担当になって、午前・午後には2時間ずつの勉強時間に当てた。少年たちそれぞれに、食事や洗濯などを分担し、寒暖計と気圧計の数字を毎日記録する役目、日付と時刻を正しく管理する役目、日曜日は一日休みとした。
- 厳しい冬
- 南半球であるため6月に入ると冬になり、氷点下10度~12度を指すようになって、大雪が降り始める。少年たちは、厳しい冬を越すために薪集めをして、あざらしを獲って毛皮を手に入れたり、あざらしの肉を大鍋で煮詰めて明かりに使う油を作ったり、砂糖かえでの木の汁を煮詰めて砂糖を作ったりした。クマやカバ、ラマなどに遭遇しながらも、島での共同生活を続けた。
- 新しい大統領
- 厳しい冬を越して1年が過ぎた頃、ゴードンの大統領の任期が満了し、頭の回転が速く心の豊かなブリアンが投票により次の大統領に選ばれた。ブリアンと対立していた負けず嫌いで威張りたがりのドノブァンは自分こそがと思っていたが、取り巻きの3人からしか票を得ることができなかった。
- やがて、ブリアンとドノブァンとの対立を軸にした仲間割れは、15人の結束に少しずつひびを入れていき、ドノブァンは仲間を引き連れて独立して別居を始める。だが、ブリアンがドノブァンの命を助けたことから、2人の関係は修復する。
- さらに、ブリアンの弟ジャックの抱えていた秘密が、ブリアンに大きな衝撃を与える。なんと、少年たちを乗せたスルギ号が勝手に出港してしまったのは、ジャックがいたずらで縄をほどいたことが原因だったのだ。
- 新しい漂流者たち
- 島に流れ着いて1年半ほどが経ったころ、少年たちは浜辺で大人が倒れているのを発見。森の中では、毛皮の服を着て腰にショールを撒いた婦人・家政婦のケイトが倒れているのを見つけた。少年たちは彼らの話から、サンフランシスコを出港した商船の中で、ウォルストンという水夫が仲間をそそのかして謀反を起こし、船長らを殺害するも数日後に火事があり、船を捨てたウォルストン一味7名がボートで「チェアマン島」に流れ着いたことを知った。
- 船の運転士のエバンスがウォルストン一味の元から逃げ出し、「フランス人の洞穴」にやってきて、少年たちは「チェアマン島」がチリ沿岸の島であることを知った。少年たちはエバンスと協力して、鉄砲や大砲で、凶悪なウォルストン一味を退治してしまう。
- オークランドへの帰還
- 少年たちは、ウォルストン一味が乗って来たボートで漕ぎだし、スルギ号の遭難を知っていた汽船の船長の好意で、2年ぶりにオークランドの港に帰り着いた。オークランド市民は諦めていた少年たちが15人全員戻ってきたことに歓喜する。そして、1人の少年がチェアマン島でつけていた日記が出版されると、世界中で読まれることになった、
登場人物[編集]
十五少年と動物[編集]
以下に漂流した15人の少年と、その飼い犬の紹介を記す。年齢は1860年時。ブリアン、ゴードン、ドノブァンの年長者3人を中心にして、ストーリーは展開していく。
- ブリアン(フランス人、13歳)
- 土木技師の息子で、ジャックの兄。勉強嫌いなため成績は悪いが、頭の回転は速く心の豊かな少年。下級生を助けるためには上級生との喧嘩もいとわず、また、漂流先でも大統領として下級生に厳しかったゴードンから庇ったりしたことから、みんなから慕われる。後に、二代目大統領になる勇敢なリーダー。ドノブァンとは仲が悪く一方的に敵意を持たれていたが、物語の終盤近くで彼の命を助けた事で和解した。
- ゴードン(アメリカ人、14歳)
- 15人の中では最年長で唯一のアメリカ人。天涯孤独の身で、ニュージーランドに住む引退した領事に引き取られている。そのためか最初の探検の結果、漂着地が島と判明した際にも、他の漂流仲間ほどには堪えなかった。几帳面でありながら、冷静沈着で物事を考えることから皆から尊敬されている。その人柄故に初代大統領に命じられ、何かと対立するブリアンとドノブァンの仲裁も行う。物事をこまめに手帳に書き留めている。ペットの猟犬ファンを連れてきている。植物についても造詣が深く、チェアマン島に自生する草木から、有用な種を見つけ出したりしている。
- ドノブァン(イギリス人、13歳)
- とある金持ち地主の息子。15人の中で多数を占めるイギリス人のリーダー的存在。すぐにいばりたがるため「ドノブァン卿」とあだ名を付けられている。頭が良く、負けず嫌いなこともあって成績は良い。また射撃の名手で、集団で狩猟する際には隊長を任される。ブリアンの方が人気があるため、彼に突っかかり、張り合っていって、ついには漂流先での別居をも試みる。
- 翻訳によっては(特に子供向けの場合)ブリアンの事は口も聞きたくないほど嫌っていて、後半の重要なシーンでブリアンに命を助けられて改心する等、完全な敵役(さすがに根っからの悪役にはされない)にされる事がある。だがブリアンとの和解後は、ジャックが自らの過ちを皆に明かした際にはまっ先に許したり、ブリアンを守るために身を投げ出したりと、根は優しい。
- 後述のアニメ『瞳のなかの少年』では、ブリアンと張り合っているのは同じだが原作ほど険悪ではなく、コスターからも慕われており、またジャックが重要な秘密を真っ先に打ち明けた相手で彼の罪をあえて自分が被ってやる等、当初から「根はいい奴」という改変がされている。原作のようなブリアンとの和解のシーンはない(和解する必要があるほど険悪ではないため)。なお、名前は「ドノバン」との翻訳もある。
- ジャック(フランス人、10歳)
- ブリアンの弟。歌とスケートが上手い。本来はいたずら好きで明るい性格だが、漂流してからは別人のようになってしまい、ブリアンに心配される。
- クロッス(イギリス人、13歳)
- ドニファンの従兄で、やはり地主の息子。取り立てて優れたところはない凡人だが、ドノブァンの腰巾着的存在であり、ドノブァンの言うことにはいつも賛成し、彼を尊敬している。ドノブァンの別居計画にも、ウェッブやウィルコックスとともに参加した。なお、名前は「クロス」との翻訳もある。
- バクスター(イギリス人、13歳)
- あまり裕福ではない商人の息子。エバンスも驚くほど大工仕事が上手く、手先の器用な少年で、漂流先でも様々な工夫を凝らして道具などを自作し、みんなの生活を助ける。書記に命じられ、島での日記を付ける。
- ウェブ(イギリス人、13歳)
- 父親は裁判所に勤めている。なお、名前は「ウェップ」との翻訳もあり、出版社によっては年齢が12歳である事もある。我の強い性格だが、ドノブァンのことは尊敬しており、彼の意見にはいつも賛成する。
- ウィルコックス(イギリス人、13歳)
- ウェブと同じく、父親は裁判所に勤めている。島での獲物を捕らえる手段は銃が主流だったが、ウィルコックスは投げ縄などの罠を考案。弾丸や火薬を消費せずに狩りが出来るとして、大いに重宝された。出版社によっては年齢が12歳とされている事もある。クロス、ウェブ同様、ドノブァンの腰巾着的存在であり、彼の意見にはいつも賛成する。
- ガーネット(イギリス人、12歳)
- スラウギ号の所有者で、船長を務める予定だった元商船団長の息子。サービスと仲が良く、共に家畜の飼育を担当。アコーディオンが大好きで漂流先にもちゃんと持ってきており、行事の際にもみんなに演奏を披露する。上級生による島での探検に参加したことはない。
- サービス(イギリス人、12歳)
- 一番陽気で、ユーモアがありムードメーカー。愛読書は「ロビンソン・クルーソー」と「スイスのロビンソン」。島での生活では、家畜の飼育や料理を担当するようになる。ロビンソンに憧れて、島にいたダチョウに似た鳥、レアを飼い慣らそうとする(「スイスのロビンソン」の中にダチョウを飼いならして乗る場面がある)。2度目の探検時にグアナコを発見して生け捕った際には、その背に乗って帰ることを望んだが、ゴードンに諭されて思いとどまる。
- ジェンキンス(イギリス人、9歳)
- ニュージーランド王立科学協会の会長の息子。チェアマン寄宿学校では一番の優等生である。名前は「ジェンキンズ」との翻訳もある。
- アイバースン(イギリス人、9歳)
- 牧師の息子。ジェンキンスと同じく、優等生。名前は「アイバーン」との翻訳もある。
- コスター(イギリス人、8歳)
- ニュージーランド陸軍将校の息子で登場人物では最年少。食いしん坊。
- ドール(イギリス人、8歳)
- コスターと同じくニュージーランド陸軍将校の息子。コスターよりも6ヶ月年上。甘い物が好き。
- モーコー(黒人、12歳)
- 見習い水夫として船に乗り込んでいて、漂流に巻き込まれた唯一のスラウギ号乗組員。黒人であるため、島での大統領選挙における投票権はないが、非常に器用で料理やボートの操縦など様々なことをこなす。島での生活を通して、ブリアンを慕うようになる。ジャックの秘密を兄ブリアンへの告白時から知っていた唯一の人物。なお、名前は「モコ」との翻訳もある。
- ファン(犬)
- ゴードンの連れてきた猟犬。狩りで活躍するが、他にも節々で重要な役割を果たす。なお、名前は「フヮン」との翻訳もある。
セバーン号の関係者[編集]
以下は終盤近くに登場する、セバーン号関連の登場人物。彼らが火災の際に脱出に使ったランチが、15少年らの帰還にも使われた。
- エバンス
- 元セバーン号の操舵手。悪徳水夫に監禁されていたが逃げ出てフレンチ・デンに辿りつき、15少年の上級生たちを率いて悪党退治に立ち上がる。
- ケイト
- ニューヨーク近郊に居を構えるペンフィールド家の家政婦。セバーン号の乗客のうち、悪徳水夫に殺されなかった唯一の人物。
- ウォルストン
- 元セバーン号の水夫。悪党達のリーダー的存在。名前は「ワルストン」との翻訳もある。
- ブック
- ウォルストンの仲間の一人。名前は「ブルック」との翻訳もある。
- ブラント
- ウォルストンの仲間の一人。以上の3人は悪党達の中でも特に質が悪い。
- ロック
- ウォルストンの仲間の一人。一時退却の途中で落とし穴に落ちて死ぬ。戦いが終わってフォーブスも死んだ後で、コープとともに死亡が確認された。
- コープ
- ウォルストンの仲間の一人。ブリアンを庇ったドニファンに重傷を負わせるが、エバンズやゴードンらの一斉射撃でやられる。
- パイク
- ウォルストンの仲間の一人。エバンズや少年の上級生たちとの戦いで最初に討ち取られた。
- フォーブス
- ウォルストンの仲間の一人。家政婦のケイトを殺さずに生かしておくなど、気の良い一面を持つ。計略のためフレンチ・デンに近づいた際に囚われるがそのなかで改心し、ジャックを救おうとウォルストンに立ち向かうも倒された。最後はエバンズやケイト、ゴードン、ブリアンらに看取られつつ死去。フランソワ・ボードアンの墓の傍らに葬られる。
- ヘンリー
- ウォルストンの仲間の一人。セバーン号の原因不明による火災の際に海に飛び込んで自害した。名前は「ヘンフリー」との翻訳もある。
用語[編集]
以下に本作品の主な用語を記す。
- チェアマン寄宿学校
- 少年達が通う寄宿学校。ニュージーランドにあり、地元の上流家庭の子供が通っている。
- スラウギ号
- 少年達が乗っていた船で、100トンほどの大きさのスクーナー。漂着後は島の生活を支える資材として解体される。
- なお、名前は「スルギ号」との翻訳もある[1]が、原書のつづり(solughi)は犬の品種の「サルキー」の意味であり、原語の発音は「サルーキ」に近い[4]。
- チェアマン島
- 少年達が漂着した無人島。50年前、フランス人の高級船員、フランソワ・ボードワンが遭難している(そのため、後に自分たちが住む洞窟にフレンチ・デン(フランス人の洞窟)という名前を付けている)。自分たちの寄宿学校の名称にちなみ、チェアマン島と名付けた。また島内の地勢にも、望郷の念にちなんだ命名が多用されている。大陸からも離れた孤島と認識されていたが、エバンス漂着後、彼によって南米大陸に沿った群島の一部であることが証明された。
- なお、チェアマン島のモデルは、作中ではマゼラン海峡にあるハノーバー島とされている[5]が、まったく別の島ではないかという説(園田学園女子大学名誉教授の田辺眞人の提唱)もあり、その説を元に「椎名誠の感動2万マイル!「十五少年漂流記」の謎の島を行く」(TBS 2005年(平成17年)7月18日放送)という番組が作成された。
- この説によれば、小説の記述と細かいところまでぴったりと一致することなどから南太平洋のチャタム島がモデルとされる。上記の番組では、現在も保管されている十五少年漂流記の草稿には「チャタム島」という記述が3回出てくる(これは刊行ヴァージョンも同じ)ことも根拠とされたが、これはハノーバー島のすぐ近くに実在する同名の別の島のことであり、南太平洋のチャタム島のことではなく、完全なミスリードである。
- 田辺眞人によれば、当時、チャタム島は航路からはずれていたため船が通ることは無く、少年たちが救出される可能性が低いためハノーバー島にされたと推測される(パナマ運河が無かった時代、同島があるマゼラン海峡は主要航路で船の往来が盛んだった)。
- 田辺説のもっとも強力な根拠は、日付変更線を定めたことからチャタム島に注目が集まった1885年のワシントン国際子午線会議でイギリスとフランスが対立し、アメリカが仲介に入ったという構図が『十五少年漂流記』の人間関係を想起させるというもの。しかし、ヴェルヌはすでに1886年に発表した『征服者ロビュール』[6]15章-17章で チャタム島(Chatam) を登場させていることをこの議論は無視している。
- この小説の最新の訳者である私市保彦も、実証的見地および作品構成の両面から、訳者解説においてチェアマン島=チャタム島説に否定的な見解を示している(岩波少年文庫)。
人種差別性との関連[編集]
本作品では黒人に選挙権がないことを当然視していることをもって、人種差別だと指摘されることがある。 ただし、黒人であるモーコー自身は有能な人間として描写されており、その他の面で白人の子供達から差別的態度を取られていたわけでもない。選挙権を与えなかったのは当時の大人の社会を真似しただけであり、少年たちに悪意があったわけではない(なお、ドニファンが「モーコーは自分より先に大統領になるだろう」と言っていることから被選挙権は与えられていたと推測される)。
テレビアニメ[編集]
1978年版[編集]
1978年3月2日から3月30日にかけて、TBS系列のまんが世界昔ばなしにて全5話構成で放送されている。
1982年版[編集]
1982年8月22日の日曜日16:05 - 17:20に、フジテレビ系列の「日曜スペシャル」枠で「日生ファミリースペシャル」として放送された。東映動画、フジテレビ製作。「日生ファミリースペシャル」枠では、外国人作家を原作とする作品としては最後のものである。
アニメ化にあたって、同局で当時放送中の『うる星やつら』の原作者高橋留美子がキャラクター原案を担当した。また、原作にないオリジナルキャラとして、ケートという少女が登場した。
- キャスト
- スタッフ
- 主題歌
フジテレビ系列 日生ファミリースペシャル | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
十五少年漂流記
(1982年版) |
1987年版[編集]
『瞳のなかの少年 十五少年漂流記』は、1987年10月19日の月曜日19:30 - 20:54に、フジテレビ系列でNTTグループ単独提供の「NTTスペシャル」として放送された。日本アニメーション製作。
この枠は『月曜ドラマランド』の枠だが、『月曜ドラマランド』扱いはされていない。
なお、2002年には『アニメ英会話 十五少年漂流記〜瞳のなかの少年〜』としてPlayStation 2でゲーム化された。CS放送局では、カートゥーン ネットワークで何度か再放送されている。
- キャスト
- 十五少年
- セバーン号の関係者
- その他
- スタッフ
- 主題歌
-
- 「瞳のなかの少年」
- 作詞・作曲・歌 - 種ともこ
テレビドラマ[編集]
1960年頃NHKで実写版が作られた。また、1986年にはTBSでドラマ化された。
1986年版[編集]
『十五少年漂流記 忘れられない夏休み』は、1986年8月31日の日曜日14:00 - 15:24に、TBS系列の「サンデースペシャル」枠で放送された。
舞台は日本に変えられ、漂流する子供も進学塾の子供となっている。
関連作品[編集]
本作をモチーフとして作られた作品として、以下のものが挙げられる。
小説[編集]
- 蝿の王(ウィリアム・ゴールディング) - 第三次世界大戦下でイギリス人少年たちが無人島に漂着する。本作とは異なり、少年たちは対立が高じて陰惨な闘争を繰り広げる。
- 少年連盟 - 「十五少年漂流記」を翻案した、佐藤紅緑による少年小説(児童小説)。「少年倶楽部」掲載。少年たちの国籍が英米日独仏伊シナと世界各国になり、日本人少年富士夫が活躍する。
- 15少年の物語 - 北朝鮮の朝鮮中央放送が一時期「ラジオドラマ」として放送。登場人物は全て朝鮮風の名前になっていた。
- 神秘の島 - ヴェルヌ自身が本作品以前に発表した、5人の男たちが漂流する物語。『海底二万里』にも登場したネモ船長が登場する。
映画[編集]
- 少年漂流記(東映映画、1960年) - 水木襄主演
- 盗まれた飛行船(チェコスロバキア映画、1967年) - 「ジュール・ヴェルヌ原作」とし、本作と『神秘の島』を合わせたような内容。
- 喜多郎の十五少女漂流記(松竹映画、1992年)
- 十五少年漂流記〜海賊島DE!大冒険〜(アニメーション映画、2013年)- キャラクターを猫に置き換え、舞台を現代に変えたアニメ映画。
舞台[編集]
アニメ[編集]
- 恐竜冒険記ジュラトリッパー
- 機動戦士ガンダム - 宇宙版『十五少年漂流記』として企画され、若者達だけで運航するホワイトベースの原型となった。
- 銀河漂流バイファム - 上記のガンダムで企画された、宇宙版『十五少年漂流記』が再構築されて制作された。ジャックが主人公ロディ・シャッフルの原形となった。
- 無人惑星サヴァイヴ - 「ソリア学園」の生徒たちが木星への修学旅行途中、重力嵐に巻き込まれ未開の惑星に漂流する。
- デジモンアドベンチャー
- 15美少女漂流記
- 無限のリヴァイアス - 物語のストーリー展開や主要人物など、『十五少年漂流記』や『蠅の王』が色濃くモチーフにされている。
漫画[編集]
- 漂流教室 - 楳図かずおの漫画作品。物語を参考に学校ぐるみという構想で作られた。
- 冒険ガボテン島 - 豊田有恒、久松文雄原作の漫画作品。アニメ化された。
- 十五少年漂流記 - 作画・しわすだによる、この小説をモチーフにした漫画作品。『月刊コミックジーン』で連載されていた。
- マンガでよめる!十五少年漂流記 - 宇野比呂士による、この小説をモチーフにした漫画作品。
- 彼方のアストラ - 篠原健太のミステリー要素も交えた漫画作品。アニメ化された。
日本語訳[編集]
- 『二年間の休暇』(福音館古典童話シリーズ)(朝倉剛翻訳)福音館書店 ISBN 4-8340-0133-4
- 福音館文庫版(上) ISBN 978-4834018059
- 福音館文庫版(下) ISBN 978-4834018066
- 『二年間の休暇(上)』(完訳版)(大友徳明翻訳)偕成社 ISBN 4-03-652020-2
- 『二年間の休暇(下)』(完訳版)(大友徳明翻訳)偕成社 ISBN 4-03-652030-X
- 『十五少年漂流記』 新潮社文庫 ISBN 4-10-204401-9
- 『十五少年漂流記』(子どものための世界文学の森)(瀬川昌男翻訳)集英社 ISBN 4-08-274024-4
ほか多数。
注[編集]
- ^ a b 波多野完治『十五少年漂流記』 新潮社文庫
- ^ 『十五少年』 - 国立国会図書館5ページNDLJP:1168345/5 思軒居士 例言
- ^ 十五少年
- ^ 創元SF文庫版『十五少年漂流記』荒川浩充 訳、1993年、ISBN 4-488-60605-9。「訳者あとがき」p.461
- ^ 本編中エヴァンズは舞台の島の位置について「マゼラン海峡の北の方を見てごらん。南はケンブリッジ島と、北はマドレ・デ・ディオス島やチャタム島と細い水路で隔てられている島があるだろう。そら、南緯五十一度辺りにある島だよ。これがハーノヴァー島だ。」と説明している。
(創元SF文庫版『十五少年漂流記』荒川浩充 訳、1993年、ISBN 4-488-60605-9。「第27章」p.412) - ^
Jules Verne. Robur le conquérant. - ウィキソース.
外部リンク[編集]
- 『十五少年』 - 国立国会図書館
- 十五少年 PD図書室 No.932
- “十五少年 森田思軒 訳”. 物語倶楽部. 2004年8月15日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2011年9月7日閲覧。 インターネットアーカイブ
- Notes for the E-text of "Fifteen Boys" - ウェイバックマシン(2008年1月5日アーカイブ分) - 物語倶楽部のコンテンツから森田思軒訳『十五少年』を公開している。
- 瞳のなかの少年 十五少年漂流記(日本アニメーション公式ホームページ)
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