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服部克久

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服部 克久
生誕 (1936-11-01) 1936年11月1日
日本の旗 日本 東京府(現:東京都
死没 (2020-06-11) 2020年6月11日(83歳没)[1]
学歴 パリ国立高等音楽院(コンセルヴァトワール)
職業 作曲家編曲家
担当楽器 ピアノ指揮
活動期間 1959年 - 2020年
著名使用楽器
Avid Sibelius 8

服部 克久(はっとり かつひさ、1936年昭和11年〉11月1日 - 2020年令和2年〉6月11日[1])は、日本作曲家編曲家東京府(現:東京都)出身[2]

人物・来歴

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1936年、作曲家・服部良一の長男として生まれる。幼少より音楽の英才教育を受け、国立学園小学校成蹊中学校・高等学校を経てパリ国立高等音楽院へ留学。和声フーガ対位法を学んだ後、1958年卒業。帰国後すぐに戦後の復興後のテレビ放送の草創期より活動を始める。

日本テレビ『サンデーダーク』、『ハニータイム』、フジテレビ『ミュージックフェア』などを皮切りに、テレビ、ラジオ番組、ドラマ、アニメ、映画の音楽を数多く担当。1971年には、「花のメルヘン」で第13回日本レコード大賞編曲賞を受賞。

1983年より「音楽の自然食」をテーマとしたインストゥルメンタル集「音楽畑」シリーズをスタート。「ル・ローヌ」、「自由の大地」、「Friends, Love, Believing」などの代表曲とともに、全20作をリリース。オーケストラサウンドを徹底的に追求したこのシリーズは、一つのジャンルとして確立され、日本レコード大賞企画賞を2回(第32回:1990年第40回:1998年)受賞した。

毎年正月に、海外(特にアメリカ)のポップス・オーケストラの来日公演を聴き刺激を受け、「日本一のポップスオーケストラで、日本一のサウンドで、最高の演奏で聞いてもらおう」と[3]東京ポップスオーケストラを組織し活動を始めた。このオーケストラは現在も活動を続けている。

日本音楽作家団体協議会(FCA)、日本作曲家協会(JACOMPA)を歴任。生前は日本作編曲家協会(JCAA)の会長、東京音楽大学客員教授、NPO法人LIVE FOR LIFE理事長などを務めていた。

2009年、音楽家生活50周年を記念してアルバム『服部克久』、『服部克久の世界』を2枚同時リリース。記念コンサートも開催した。

2020年6月11日午前8時42分、末期腎不全のため[4]東京都内の病院で死去[2][5]。83歳没[1]

家族・親族

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弟は俳優の服部吉次(本名・良次)。他に妹が3人(自身と吉次の間)いる。その妻は女優の石井くに子。バレエダンサーの服部有吉は甥(良次の子)。宝塚歌劇団卒業生で歌手の服部富子は叔母。結婚歴は2回あり、最初の妻との間の息子に作曲家の服部隆之、その妻はバイオリニストの服部エリ、孫(隆之の子)にヴァイオリニスト服部百音がいる。自身の仲人は父親の知り合い白洲次郎(情報源は2020年8月23日山下達郎サンデーソングブック番組内の竹内まりやの発言)。

主な作品

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歌謡曲

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アニメ

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ドラマ

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テレビ

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NHK
  • みんなのうた』「アップアップアップリケ」「ぼくの町」「卒業前〜10日で100の出来事〜」
TBS系列
フジテレビ系列
その他

ラジオ

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  • 『TIME AFTER FOUR〜オールディーズをあなたに〜』(JOY FM) テーマ曲「ディオリッシモ・残香(のこりが)」(『音楽畑1』に収録)[注 3]

映画

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その他テーマ曲など

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編曲

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さだとはグレープ時代からの付き合い。また、山下・竹内夫妻の最近の楽曲のストリングス・アレンジのほとんどが服部の手によるものである。
  • THE ALFEEの楽曲のストリングス・アレンジ
THE ALFEEの楽曲とクラシックの曲をメドレー形式でアレンジしたアルバム『THE ALFEE CLASSICS』はシリーズで3作を数えている。

主な活動

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コンサート・イベント

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  • 1978年 - 西城秀樹 日比谷公会堂で行われたバレンタインコンサート・スペシャル指揮担当。演奏新日本フィルハーモニー交響楽団
  • 1980年 - 岩崎宏美シンフォニックコンサート指揮、編曲、ピアノ、MC。
  • 1980年 - 山口百恵引退コンサート音楽監督および指揮。
  • 1985年 - 第1回音楽畑コンサートを開催。
  • 1989年 - '89海と島の博覧会・ひろしま音楽プロデューサー。第一回日本海夕日コンサートを開催(2005年まで)。
  • 1990年 - 大阪 万国花博覧会 音楽プロデューサー。スペイン セビリア万博 JAPAN DAYSコンサートを開催。
  • 1991年 - ふらっと三笠音楽畑コンサート'91(北海道三笠市)をクロフォード公園(三笠鉄道村三笠ゾーン)で開催(1992年まで)。服部克久と歌う仲間達(三笠みんなで歌う会の前身)を結成し、本コンサートで共演。
  • 1992年 - 富山 第一回ジャパンエキスポ 音楽プロデューサー。テーマソングである荻野目洋子「生命の詩(うた)」の作曲を担当するが、こちらの曲は月光恵亮によるプロデュース。
  • 1993年 - 北京にて、中国電影交響楽団と友好音楽祭を開催。
  • 1994年 - 韓国 世界万博オープニングイベントにて、音楽畑オーケストラとKBSオーケストラとの合同演奏会を開催。
  • 1995年 - ジャカルタにて、インドネシア独立40周年記念コンサートを行う。
  • 1996年 - ハワイ ホノルル交響楽団とパンパシフィックコンサートを行う。
  • 1997年 - ニューヨーク国連本部総会議場とカーネギーホールにて東京ポップスオーケストラコンサートを開催。東京国際フォーラム“こけら落とし”コンサートTHE ALFEE CLASSICS〜融合〜音楽監督および指揮。
  • 1999年 - ベルリン、ブランデンブルク門にて、ドイツにおける“日本年”コンサートを実施。NHKホールにて、音楽家生活40周年記念コンサートを開催。
  • 2000年 - シドニー オペラハウスにて、音楽畑コンサートを開催。
  • 2001年 - 京都二条城にて、築城400年記念コンサートを行う。
  • 2002年 - 福島年輪ピック音楽監督。第1回MESSAGE from HYOGO音楽畑コンサートを開催。
  • 2003年 - 市町村合併による“清水市さよなら”コンサートを実施。第2回MESSAGE from HYOGO音楽畑コンサートを開催。
  • 2004年 - 全国100年に渡るコンサートを記念して、オーチャードホールにて、記念コンサートを開催。
  • 2005年 - 愛知万博クロージングテーマ(Friends Love Believing〜ぬくもりをありがとう〜EXPO2005ヴァージョン)の作曲。同閉会式にて、指揮。
  • 2006年 - みなまた未来コンサート〜海恋物語〜開催。第19回JAL音舞台@東福寺 音楽プロデューサー。
  • 2007年 - 服部良一生誕100周年記念コンサートを東京国際フォーラムにて開催。第3回MESSAGE from HYOGO音楽畑コンサートを開催。
  • 2007年 - 日本製紙PRESENTES札響ポップスコンサートVol. 5 音楽監督および指揮。
  • 2008年 - 第4回MESSAGE from HYOGO音楽畑コンサートを開催。みなまた未来コンサート〜海恋物語第二章〜開催。日本製紙PRESENTES札響ポップスコンサートVol. 6 音楽監督および指揮。
  • 2009年 - 服部克久音楽家生活50周年記念コンサート The Concertを開催。日本製紙PRESENTES札響ポップスコンサートVol. 7 音楽監督および指揮。
  • 2010年 - 日本製紙PRESENTES札響ポップスコンサートVol. 8 音楽監督および指揮。
  • 2011年 - 日本製紙PRESENTES札響ポップスコンサートVol. 9 音楽監督および指揮。
  • 2012年 - 日本製紙PRESENTES札響ポップスコンサートVol. 10 音楽監督および指揮。
  • 2013年 - 日本製紙PRESENTES札響ポップスコンサートVol. 11 音楽監督および指揮。

メディア(CD・カセットなど)

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  • アルバム 音楽畑1〜22
  • アルバム 東京ポップスオーケストラ
  • アルバム 服部良一
  • アルバム 服部克久
  • アルバム 服部克久の世界 〜works〜
  • アルバム 77-55 〜Past, Present & Future〜

プロデュースなど

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出演

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テレビ

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ほか多数

ラジオ

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CM

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ビブリオグラフィ

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著書
編著
  • 『音楽が聴けなくなる日:音楽CDの再販制度維持のための序曲』(1996年、平凡社
  • 『音楽畑ピアノソロ・ベストセレクション 水の戯れ〜ル・ローヌ(河)』(2003年、ヤマハミュージックメディア
  • 『音楽畑ピアノソロ・ベストセレクション 大地の響き〜自由の大地』(2003年、ヤマハミュージックメディア)
監修書籍
  • 『服部良一の音楽王国:昭和のジャズ&ポップス史をつくった男』(1993年、エイト社

関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ 編曲は服部隆之が担当。
  2. ^ 服部自身による、フジテレビ系ドラマ『兄弟刑事』のメインテーマのアレンジ。
  3. ^ この番組のために作曲した楽曲ではなく、アルバム発売後、テーマ曲として流用されたものである。
  4. ^ 日本での初放送は1966年にNHKで行われ、同様にバリー・グレイによるメインテーマ(インストゥルメンタル)が使用された。

出典

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  1. ^ a b c 服部克久に関するご報告”. 服部克久-Official Site (2020年6月12日). 2020年6月17日閲覧。
  2. ^ a b “作曲家の服部克久さん死去 83歳 テレビ創生期から活躍「ミュージックフェア」など手掛ける”. Sponichi Annex. (2020年6月11日). https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/06/11/kiji/20200611s00041000300000c.html 2020年6月11日閲覧。 
  3. ^ CD「Tokyo Pops Orchestra(1993)」(PCDZ-1558)ライナーノーツより
  4. ^ JCAA・日本作編曲家協会”. www.jcaa1970.com. 2020年8月10日閲覧。
  5. ^ 日本放送協会. “作曲家 服部克久さん死去 テレビ番組や映画などのテーマ曲多数”. NHKニュース. 2020年6月11日閲覧。
  6. ^ 無限のリヴァイアス :作品情報”. アニメハック. 2020年5月27日閲覧。

外部リンク

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