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バンド (音楽)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
キング&カーター・ジャズ・オーケストラ、1921年1月テキサス州ヒューストンで撮影

バンド: band)または楽団(がくだん)、楽隊(がくたい)とは、楽曲演奏する集団のこと。主にロック、ソウル、ジャズ、ポップなどのジャンルで使用される用語である。なお、英語の“band”は音楽バンドのみならず、一まとまりの集団も意味する

概要

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大人数のクラシック・オーケストラと、ロック、ソウル、ジャズやなどのポピュラー音楽の相違点としては、オーケストラは階層的で厳粛であるのに対して、ロックのバンドメンバーは関係が平等であり、観衆とフレンドリーに交流している点があげられる。[1]クラシック音楽のオーケストラには、交響楽団、管弦楽団、吹奏楽団などがあり、木管楽器、金管楽器、コントラバスなどのファミリーで構成されている。[2]クラシックの大きな楽団を交響楽団と呼び、国立交響楽団のような楽団の場合、団員数が100人にもおよび、バンドと呼ぶには不適当な規模となる。[3]日本で使用されるユニットは、英語圏ではアルバム・ユニット(album-equivalent unit)のように、ダウンロード数とストリーミング数を合計してアルバム1枚に相当すると数える、新しい集計方法を指している。[4][5] [6]

分類

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ギター・トリオの代表的バンドであるジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスギタリストジミ・ヘンドリックス)、ベーシストノエル・レディング)、ドラマーミッチ・ミッチェル)の3人編成。

ロックバンド

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主にロックやポップ・ロックを演奏することを目的としたバンド。一般的には3人から5人、あるいはそれ以上のメンバーで構成されており(2人のこともある)、概ね以下に分類される。ただ、人数はメンバーの脱退や新規加入により変動するため、人数による分類には問題もある。専任ボーカル不在の場合は、メンバーの誰か、あるいは何人かがボーカルを兼任する場合が多い[注 1]

2人組
2人組のユニットで、ロックバンドとしての最少編成。最も簡素な編成だが、1980年代のエレクトロやシンセ・ポップの流行以降、この編成をとるバンドが増える傾向が見られた。
3人組
パワー・トリオ[7]
ギタリスト+ベーシスト+ドラマーの構成。
1960年代後半から増加したロックバンドの編成。スリーピースと呼称される場合もある。
ロック・バンドwithキーボード
キーボーディスト+ベーシスト+ドラマーの構成。
ギターでなくキーボードを入れるスリーピース。当然ながら、ギターのロックバンドではなくなる[注 4]
ギター2人+ベース
エレキギター2人とベースだったり、エレキギターとアコースティックギターにベースだったりする。
4人組
ギター、ベース、ドラムス+ボーカル
スリーピースとボーカルを個別に揃える4人タイプ。担当するパートを個別で専任にすることができる、ロックバンドのもう一つの基本的なタイプ。
ギター2人、ベース、ドラムス
ギターを2本入れるタイプ。スリーピースに比べ、ボーカルが派手にステージングしにくくなる代わりに、2本のギターで音に厚みが生まれる。
ギター2人、ベース、ドラムス、キーボード
キーボードを入れるタイプ。同様にスリーピースよりも音が厚くなる。
5人組
ギター2人、ボーカル、ベース、ドラムス
ギターは2本で、かつボーカルを専任とする5人編成。パートが多く、ボーカルも専任の場合が多い。
ギター2人以上、ボーカル、キーボード、リズム隊
ギター複数に、さらに専任ボーカルとキーボードを揃える。
変則的バンド編成
6人組
ギター・トリオ+リズム隊+ギター+ドラム(パーカッション)+キーボードなど
6人編成でドラマーを2人とするタイプ。2人のドラミングで音圧が増すが、ドラム同士のコンビネーションが求められる。
7人組
ツイン・リード・ギター
ロック・バンド+ホーン・セクション
ブラス・ロックのシカゴ、チェイス、BS&Tなど。多くのパートが存在する大人数。
ロック・バンド+ストリングス
ELOなど
ブルース・ロック・バンド。
ロック・バンド+ブルースハープ
フリートウッド・マック(初期)、ジェスロ・タル(初期)、ポール・バターフィールド、ジョン・メイオールなど
ジャム・バンド
ステージにおいて即興演奏を行うことを主体とするバンド。
グレイトフル・デッド、フィッシュなど

ソウル/R&B

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ファンク・バンド
クール&ギャング、オハイオ・プレイヤーズ、ジミー・キャスター・バンチ[注 8]、バーケイズ、コンファンクシャン、カメオ、パーラメント、スレイブ、ファットバックなど
ハウス・バンド
ブッカーT&MGズ、ファンク・ブラザーズ、MFSBなど

ラップ

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ヒップホップ・バンド
ザ・ルーツ

レゲエ

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レゲエ・バンド
ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ、サード・ワールド

ルーツ/ブルース/カントリー

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ジャグ・バンド
ジム・クウェスキン・ジャグ・バンド

ジャズバンド

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主にジャズを演奏することを目的としたバンド。

コンボ[8]
少人数の編成による音楽集団。[9]厳密にいえば三重奏から八重奏までがコンボにあたり、九人以上がビッグ・バンドとなる。また、従来のジャズバンドは生楽器による編成が基本とされていたが、マイルス・デイヴィス以降は電気/電子楽器の導入も大幅に増えた(ザ・クルセイダーズ、スタッフ、ハービー・ハンコックなど)。
ビッグバンド
大人数編成のバンド。ラロ・シフリンクインシー・ジョーンズのビッグ・バンドなど
スウィング・ジャズ・バンド
戦前のアメリカで流行したスウィング・ジャズを演奏する大人数のバンド。
デューク・エリントンベニー・グッドマンカウント・ベイシーグレン・ミラーなど
人数による分類

ジャズ、クラシックなどで使用される用語。またカルテット、クインテットなどは、ソウルやロックでも使用される。

  • 重奏団(デュオ、2ピースバンド)
  • 三重奏団(トリオ、3ピースバンド)
  • 四重奏団(カルテット、4ピースバンド)
  • 五重奏団(クインテット、5ピースバンド)
  • 六重奏団(セクステット、6ピースバンド)
  • 七重奏団(セプテット、7ピースバンド)
  • 八重奏団(オクテット、8ピースバンド)
  • 九重奏団(ノネット、9ピースバンド)
  • 十重奏団(デクテット、10ピースバンド)

クラシック音楽

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オーケストラ

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管弦楽団交響楽団とも呼称される。主にクラシック音楽及び非ポピュラー音楽の演奏を目的とした楽団。ただし「ボストン交響楽団」と「ボストン・ポップス・オーケストラ」の様な形で複数のジャンルを演奏する場合もある。ウィーン・フィルベルリン・フィルなど、活動拠点を名称にしている場合が多い。

吹奏楽団

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ポピュラー音楽

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ポップスのオーケストラは、イージー・リスニングとも呼ばれる。主にポピュラー音楽の演奏を目的とした楽団であり、指揮者自身が編曲をつとめる。

フォークソング

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大体はアコースティックギター2人、アコースティックギター2人にベースが多数を占めるが、アコースティックギター2人にドラムス、アコースティックギター2人にフルートもある。ギター2人にベースとドラムス、ギター2人にキーボード、ベースとドラムスと言う4人組、5人組もある。殆んどがフォークブーム終焉時に解散している。

その他

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男女混合バンド
女性ボーカルを担当する男女混合バンド。スージー・クアトロ、ジョーン・ジェット&ブラックハーツ、LINDBERGJUDY AND MARYDREAMS COME TRUEなど。
ガールズバンド
原則として女性だけで編成されたバンド[10]ゴーゴーズバングルス、プリンセス・プリンセス
バックバンド
原則として伴奏を受け持つバンド。ブルーコメッツのように歌手のバックバンドを多くつとめたグループもいる。キング・カーティスのキングピンズなど
コピーバンド
有名なバンドに似せた演奏を行うバンド。演奏内容だけでなく、衣装やステージアクションなどもコピーする例もある。ファンによるリスペクトや、諸事情でオリジナルのバンドを呼べない場合の代替手段など、存在理由は多岐にわたる。
コミック・バンド
バンドの名称にもある通り、社会情勢・身内・時事などをネタにした内容の演奏を行うバンド。主な例としてはクレージーキャッツザ・ドリフターズ[注 9]、ラトルズ、一人バンド扱いのギタリスト王様トリオ・ザ・ミミックビジーフォー、ハンダースなどがある。
アンサンブル
クラシックの数人から十数人程度の、小編成の演奏団体に対して用いられることが多い。他にもジャズを演奏するバンドに対しても用いられる。
インディーズ・バンド
大手レコード会社(メジャーレーベル)に所属せず、インディーズレーベルを中心に活動しているバンド。

脚注

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注釈

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  1. ^ ただし、ロックバンドにボーカルが必須という訳ではなく、ベンチャーズフォーカスなど、インストゥルメンタル主体のロックバンドも存在する
  2. ^ 「サラ・スマイル」「シーズ・ゴーン」「リッチ・ガール」など多数のヒット曲を持っている
  3. ^ エリック・クラプトン、ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーのトリオだが、ブルースとベイカーの極端な不仲は有名だった
  4. ^ ただし、エマーソン・レイク・アンド・パーマーによる「タルカス」の一部や「悪の教典#9 第1印象」で、キーボーディストが演奏の低音部を片手で担当し、ベーシストがギターを担当するという例もある。
  5. ^ 黒沢健一を中心としたバンド。黒沢健一は48歳で死去している
  6. ^ 「マイ・ジェネレーション」「サマー・タイム・ブルース」などが代表曲
  7. ^ 結成からジェフ・ベックの脱退まで。
  8. ^ バーサ・バット・ブギーなど、ファンクの名曲を多くリリースしたバンド
  9. ^ コメディアングループとしての活動が著名だが本来はバンド。

出典

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  1. ^ Differences between classical and rock wilforbismusic.com 2025年10月31日閲覧
  2. ^ Bands courses.lumenlearning.com 2025年10月23日閲覧
  3. ^ Guide to the orchestra Kennedy center 2025年10月31日閲覧
  4. ^ Standards 2025年10月21日閲覧
  5. ^ Why Album Sales Are Down 2025年10月31日閲覧
  6. ^ A decade of iTunes singles killed the music industry 2025年10月31日閲覧
  7. ^ Best Power Trio 2025年10月21日閲覧
  8. ^ コンボ shiroutojazz.com 2025年11月4日閲覧
  9. ^ [1]
  10. ^ ガールズ・バンド | 時事用語事典 | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス. 2021年10月25日閲覧

関連項目

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