Sibelius

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シベリウス (Sibelius) は、シベリウス・ソフトウェア英語版アビッド・テクノロジーの一部門)が開発、販売している楽譜作成ソフトウェアの一つ。商用。

概要[編集]

ベン・フィンとジョナサン・フィンによって開発。1993年にリリースされたが、わずか一枚のフロッピーディスクであり、メモリ使用量は1MBだった。1998年以降からウィンドウズとマッキントッシュで使用できるようになり、現在も開発が続けられている。起動音はジャン・シベリウスの交響曲の一節が引用されている。

プロの作曲家として最初にシベリウスを使用したのはリチャード・エムズレイ(ISCM横浜大会で日本初紹介)であり、エムズレイはフェイバー社内でジョージ・ベンジャミンの「アンタラ」をシベリウス清書したことで知られている。こうして、イギリスでは爆発的にシベリウスユーザーが優勢になった経緯がある。

Sibeliusの今後

2006年よりAvidに買収されたSibeliusであるが、2012年7月2日、Avidは従来Sibeliusの開発を行っていたロンドンのオフィスを経営判断から閉鎖し、従業員は転勤か退職、ソフトの開発はウクライナキエフに移すと発表した。[1][2][3] オフショアのソフトウェア研究開発会社であるGlobalLogicはウクライナで新しい開発チームを求めてプログラマを探索しており、Avidは、そこでシベリウスの開発が継続されるとしている[4] この動きに対し、Facebook内にSave Sibeliusという抗議団体が形成されている。[5] また、この結果として、Steinbergがロンドンに新たに立ち上げた「楽譜作成と教育市場の研究開発センター」にSibelius UKでシニア・プロジェクト・マネージャーだったDaniel Spreadbury氏を新オフィスのプロダクト・マーケティング・マネージャーとして、スタッフの一人Ben Timms氏をヘッドとして登用しており、今後の動向が注目されている。[6]

バージョン[編集]

Kontakt Playerの使用と音声ファイルCDの作成が可能になる。
VSTに対応、専用音源であるSibelius Sounds Essentialsが付属、「パノラマ・ビュー」を搭載。MusicXMLのインポートに対応。
「マグネティックレイアウト」(スラー、臨時記号、音符に貼り付く連音符などの位置を自動調整する機能)を搭載、「バージョン」(同一ファイル内で、編集内容を時系列的に記録し、比較ややり直しが可能)搭載、タップテンポに対応、ReWireに対応、音声入力に対応。
リボンインターフェースを導入。64ビットOSに完全対応し、マルチコアCPUにも対応。38GB以上の容量を持つ音源「Sibelius 7 Sounds」を導入。MusicXMLに完全対応。

Sibelius First[編集]

Sibeliusに対応する簡易版。特徴としては、記譜が16譜表までであり、各種記号のカスタマイズやMIDIデータの編集などに制約がある。しかし、YouTubeFacebookSoundCloudへの共有機能、スコア再生動画の作成など、Sibeliusには無い機能もあり、一概に簡易版とは言い難い面もある。

  • Sibelius 5 First
  • Sibelius 6 First
  • Sibelius First 7

他社製楽譜作成ソフトウェアとの比較[編集]

同じく楽譜作成ソフトウェアであるFinaleとは頻繁に比較検討対象となっている。たとえば、毎年新バージョンを出していたFinaleに対し、Sibeliusは2年ごとに新バージョンを出していた(現在はFinaleが毎年のバージョンアップを取りやめた)。また、FinaleはHuman Playbackを搭載して、よりリアルな演奏を可能としていたが、シベリウスではReWireや64ビットOSに対応するなどして、リアルな音源の使用や買収先であったAvidPro ToolsをはじめとしたDAWとの連携に力を入れてきた。 他にも、Finaleは米国版が発売されてから、日本語、イタリア語、ドイツ語、フランス語による各国語版が再開発されるが、Sibeliusは多言語アプリケーションであり、英語、中国語、フランス語、ドイツ語、日本語、スペイン語、イタリア語に対応している。 現在は両社とも積極的に互いの機能を取り入れたり、クロスグレード版を登場させるなど、競争は激化している。しかし、連符に使用される数字の大きさやフォント、楽譜の概観などにFinaleほどの自由がないなど様々な違いがあるため、熱烈にシベリウスを推す人とそうではない人が両方いる現況は変わっていない。

脚注[編集]

参考文献[編集]