犬吠埼

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犬吠埼
犬吠埼灯台 (Inubozaki Lighthouse) 07 Aug, 2009 - panoramio.jpg
岬に屹立する犬吠埼灯台関東最東端)
犬吠埼の位置を示した地図
犬吠埼の位置を示した地図
場所 日本の旗 日本
千葉県銚子市犬吠埼
座標 北緯35度25分 東経140度31分 / 北緯35.42度 東経140.52度 / 35.42; 140.52
年代 中生代白亜紀(1億2000万年前)
犬吠埼
犬吠駅(関東の駅百選)
日本の旗 日本
都道府県 Flag of Chiba Prefecture.svg 千葉県
市町村 Flag of Choshi, Chiba.svg 銚子市
面積
 • 合計 0.588967511km2
人口
2019年令和元年)8月1日現在)[2]
 • 合計 655人
等時帯 UTC+9 (日本標準時)
郵便番号
288-0012[3]
市外局番 0479[4]
ナンバープレート 千葉

犬吠埼(いぬぼうさき、:Inubosaki)は、関東平野最東端に位置する千葉県銚子市太平洋に突出する水郷筑波国定公園に含まれる景勝地。岬には犬吠埼灯台が屹立する。岬一帯の町名にも犬吠埼が使用されている。郵便番号は288-0012[3]

本項では、犬吠埼を名称に冠した周辺施設についても解説する。

概要[編集]

岬の航空写真(国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成)

日本三大河川の一つである利根川一級河川)の河口付近にあり、付近一帯は水郷筑波国定公園に含まれる銚子半島の景勝地である。風光明媚な海岸線はかつて数々の文人墨客が訪れ、文豪の地として親しまれた。海岸線沿いは歌碑、詩碑が立つ。

日本一早い初日の出スポットとして有名である[注釈 1]。岬周辺の白亜紀地層は国の天然記念物に指定され、日本の地質百選にも選定されている。

沿岸には遊歩道が設けられており、北側には古くから「関東舞子」と呼び親しまれ、日本の渚百選にも選ばれた君ヶ浜(君ヶ浜しおさい公園)があり、国土地理院では君ヶ浜(東経140度52分21秒)を関東および千葉県の最東端としている。

犬吠埼の岬には犬吠埼灯台が太平洋に向かって立つ。日本を代表する灯台の一つで、「世界灯台100選」「日本の灯台50選」にも選ばれている。歴史的文化財的価値が高く、国の登録有形文化財に登録され、海上保安庁により「Aランク保存灯台」ともなっている。灯台の出入口横に灯台の色に合わせた白く塗られた郵便ポスト丸型1号ポスト(郵便差出箱1号)が設置されている。

自然[編集]

白亜紀浅海堆積物(国の天然記念物)

太平洋に突出した銚子半島には、中生代白亜紀)から現代までの様々な地層が姿を見せている。海岸の植物や磯の動植物なども種類は豊かで、分布上も注目されるものが多い。

海洋動物[編集]

ウミウウミネコなどの海鳥類が多く渡来する。

かつて一帯にはアシカ(ニホンアシカ)が繁殖しており、明治時代には200 - 300頭のアシカが生息していたと伝えられる。

崖地植物[編集]

自生する崖地植物(岬先端)

犬吠埼や海鹿島、犬若など古い地層の崖地や岩場では、スカシユリ(ユリ科)やハマヒルガオ(ヒルガオ科)など海岸沿いにしか生息しない特有な崖地植物が集っている日本有数の海岸である[5]絶滅危惧Ⅱ類 (VU) であるハマサワヒヨドリなど非常に希少価値の高い植物も生息する[6]。犬吠埼灯台下遊歩道、犬吠埼園地周辺に多く生息する。

犬吠埼灯台下遊歩道には崖地植物についての生態展示(名札板設置)がされている。

白亜紀浅海堆積物[編集]

銚子半島の東海岸の黒生から長崎鼻にかけて、1億3000万年前から1億年前の恐竜時代の地層を見ることができる。

犬吠埼は1億2000万年前の地層であり、海底痕跡を数多くみることができる学術的に貴重な地層となっている。そのため「犬吠埼の白亜紀浅海堆積物」として2002年に国の天然記念物に指定された。また2007年には「日本の地質百選」にも選定されている。一部は遊歩道上から間近に観察することが可能。砂岩泥岩互層の地層が見られる。

文学[編集]

風光明媚な海岸線はかつて数々の文人墨客が訪れ、景勝地は「文豪の地」として親しまれた[7]

日本の俳人、詩人、小説家として有名である、高浜虚子佐藤春夫、尾張穂草など、海岸沿いには数多くの歌碑、詩碑が立つ。

代表作[編集]

「犬吠の 今宵の朧 待つとせん」

「ここに来て をみなにならひ 名も知らぬ草花をつむ みづからの影踏むわれは 仰がねば 燈台の高さを 知らず 波のうねうね ふる里のそれには如かず ただ思ふ 荒磯に生ひて 松のいろ 錆びて 黝きを わが心 錆びて黝きを」

「わかれても 故郷の海の あゐいろが 目にあり秋よ さびしくあるかな」

尾張穂草

地名の由来[編集]

犬吠埼という地名には諸説があるが、中でもよく知られるものが源義経愛犬「若丸」が岬に置き去りにされ、主人を慕う余り、7日7晩鳴き続けたことから犬吠(犬が吠く)と名付けられたという説である。他にはかつて一帯にはアシカ(ニホンアシカ)が繁殖しており(近隣には海鹿島があり、明治時代には200 - 300頭のアシカが生息していたと伝えられる)、その鳴き声が犬に似ていたことから、犬吠埼と名付けられたという説もある。他に、アイヌ語のエンボウ(突出した岬)が変化したものとの説もある。

岬と埼[編集]

埼という字が最後に付く岬は珍しい。この土偏の「埼」という字は、草木が生えない荒れ地が突出している地形を表している。古くから海軍が海図に掲載した地名に「埼」が使われていたということの、なごりという説もある。一方、岬、崎は山がそのまま海に迫り上がった地形を指し、石偏の碕は、石がゴロゴロとしている海岸が突き出た地形を表す、といわれている。他に土偏の埼が用いられる岬では和歌山県日ノ御埼などがあり、山偏の岬に静岡県石廊崎城之崎がある。また石偏の碕が付く岬は島根県日御碕が著名である。

日本一早い初日の出[編集]

犬吠埼からの日の出

富士山のような高地や離島を除く日本国内で、元旦初日の出が一番早く(午前6時46分)拝める場所として知られている。その為、各テレビ局での元旦早朝の初日の出中継では、犬吠埼から生中継を行うことも多い。

初日の出時刻 (参考)[編集]

国立天文台が「国内の初日の出時刻のランキング」を公開している[8]。高地や離島を除く日本国内中、北海道本州四国九州の平地で一番早いとなっている。

以下初日の出時刻参考。

1月1日(元旦)の日の出時刻
主な場所 時間 備考
1 犬吠埼 6:46 北海道・本州・四国・九州の平地で一番早い
2 納沙布岬 6:49 最東端(岬)
3 千葉市 6:49 近隣(千葉県庁所在地)
4 根室市 6:50 最東端(市町村)
5 東京都 6:50 近隣(首都)

犬吠埼園地[編集]

犬吠埼灯台下遊歩道

千葉県立の自然公園施設として犬吠埼灯台から外川漁港方面へかけての海岸線一体が園地として整備されている。

芝生の園地遊歩道、トンネルなどが整備されており、周辺にはレストランやホテル、お土産店等の施設のほか、文学散歩(佐藤春夫詩碑、高浜虚子の句碑など)などが楽しめる。犬吠埼灯台下遊歩道は灯台を一周する磯づたいの遊歩道で、白亜の灯台を中心に砂浜岩礁、希少な崖地植物、漁港風景を鑑賞できる。

自然公園名 水郷筑波国定公園
施設の種類 園地、道路(歩道)
所在地 銚子市犬吠埼
面積 園地0.39ha、遊歩道延長1.37km
施設 園地、公衆トイレ、遊歩道
管理 銚子市
交通 銚子電鉄「犬吠駅」下車徒歩約10分

メディア[編集]

犬吠埼へ打ち寄せる白波

東映の映画のオープニング映像「荒磯に波」は、灯台南側下の岩場にて撮影されたものである。撮影地点は立ち入りを禁止されているが、灯台施設外周を周回する遊歩道より撮影された岩を、上方からではあるが安全に眺めることが出来る。

世帯数と人口[編集]

2019年(令和元年)8月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[2]

町丁 世帯数 人口
犬吠埼 364世帯 655人

小・中学校の学区[編集]

市立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる[9]

番地 小学校 中学校
全域 銚子市立高神小学校 銚子市立第二中学校

町名の変遷[編集]

銚子市と高神村の合併後、銚子市大字高神の内、以下の小字が再編されて犬吠埼となった[10]

実施後 実施年月日 実施前
犬吠埼 1938年6月1日[11] 鵜ノ屎(一円)、酉明(天王台に編入された10,159-10,195番地[12]を除いた部分)、犬吠(一円)[13]

周辺施設[編集]

犬吠埼より望む君ヶ浜
  • 犬吠埼灯台
    • 銚子ギフト プリズム(犬吠埼灯台前お土産屋)
    • キーズカフェ 犬吠テラス店
  • 犬吠埼温泉
    • 絶景の宿 犬吠埼ホテル(旧:犬吠埼京成ホテル、黒潮の湯源泉)
    • ぎょうけい館
    • 犬吠埼観光ホテル(潮の湯温泉源泉)
    • ホテルニュー大新
    • ホテルなぎさ本店
  • マークガーデン犬吠埼 (サービス付き高齢者向け住宅)
  • 君ヶ浜海岸
  • 君ヶ浜しおさい公園

交通[編集]

公共交通機関[編集]

鉄道[編集]

高速バス[編集]

自動車[編集]

一般道路[編集]

高速道路[編集]

駐車場[編集]

  • 犬吠埼灯台駐車場(無料)

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 富士山のような高地や、離島を除く。

出典[編集]

  1. ^ 千葉県銚子市の町丁・字一覧” (日本語). 人口統計ラボ. 2019年8月19日閲覧。
  2. ^ a b 町丁字別人口および世帯数・各年齢別人口”. 銚子市 (2019年8月8日). 2019年8月19日閲覧。
  3. ^ a b 郵便番号”. 日本郵便. 2019年8月19日閲覧。
  4. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2019年8月19日閲覧。
  5. ^ 銚子市生涯学習ガイド〜犬吠埼の自然植物”. www.city.choshi.chiba.jp. 2019年2月13日閲覧。
  6. ^ 犬吠埼の自然 - 犬吠埼ブラントン会”. www.inubo.net. 2019年2月13日閲覧。
  7. ^ 観光情報 銚子市”. www.city.choshi.chiba.jp. 2019年2月13日閲覧。
  8. ^ 初日の出情報(2019年1月)” (日本語). 国立天文台(NAOJ). 2019年2月13日閲覧。
  9. ^ 銚子市立小・中学校通学区域一覧 2019年8月19日閲覧 (PDF)
  10. ^ 『続銚子市史Ⅰ 昭和前期』p.337,343 銚子市 1983
  11. ^ 『続銚子市史Ⅰ 昭和前期』p.337 銚子市 1983
  12. ^ 『続銚子市史Ⅰ 昭和前期』p.341 銚子市 1983
  13. ^ 『続銚子市史Ⅰ 昭和前期』pp.343-344 銚子市 1983

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

座標: 北緯35度42分28秒 東経140度52分10.3秒 / 北緯35.70778度 東経140.869528度 / 35.70778; 140.869528