川村万梨阿

半保護されたページ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

かわむら まりあ
川村 万梨阿
プロフィール
本名 永野 繁代(ながの しげよ)[1](旧姓:川村[2][3]
性別 女性
出身地 日本の旗 日本東京都世田谷区[4]
生年月日 (1961-11-21) 1961年11月21日(62歳)
血液型 AB型[5][6]
職業 声優
女優
歌手
事務所 フリー(営業業務の一部を複数プロダクションに委託・提携)
配偶者 永野護
公称サイズ(時期不明)[7]
身長 / 体重 157 cm / 43 kg
活動
活動期間 1983年 -
デビュー作 チャム・ファウ(『聖戦士ダンバイン』)[8]
声優テンプレート | プロジェクト | カテゴリ

川村 万梨阿(かわむら まりあ、1961年11月21日[5] - )は、日本声優女優歌手フリー[4]。夫はメカニックデザイナー漫画家永野護

経歴

子供の頃は、両親の他に祖父母、曾祖父母と同居の4世代家庭で育つ[9]。小さい頃は映画が好きで、中でも映画『こんにちは赤ちゃん』が好きで、4回ぐらい見ていた[8]。この主題歌も好きで、自然に「歌手になろう」と思うようになっていた[8]。小学生の時に新宿コマ劇場で歌謡ショーとミュージカルの2部構成の「江利チエミショー」を観に行ったことが初めて観た本格的な演劇であり、この時ミュージカルに魅了されたという[9]。中学校進学後、その頃、人気があった『エースをねらえ!』に憧れており、テニス部に所属していた[8]。中学時代に入っていた文芸部が定員割れで演劇部と合併し、演劇を体験したことから女優を志す[8]富士見高校入学後は、マンガ研究会に入って放送劇に参加しつつ[10]、アニメファンの活動をしており、江古田にあったアニメファンのたまり場の喫茶店「まんが画廊」で、小牧雅伸ゆうきまさみ蛭児神建らとともに常連客であった[11]。「まんが画廊」の友人の誘いでアニメ雑誌の編集のアルバイトをするようになった[12]

高校卒業後の1980年(昭和55年)に、東映の演技研修所の研修生となる[8]。初仕事は、ワイドショー小川宏ショー』のレポーターで[8]、女優デビューは『太陽戦隊サンバルカン』第8話(紳士服店の店員役。本名の川村繁代名義)。その他にも東映制作のスーパー戦隊シリーズや『特捜最前線』『Gメン75』など実写のドラマに出演するなどの活動をした[12][8]。東映研修所を卒業し、研修所付属の東映演研プロダクションに所属。

その頃、友人の手伝いでアニメ雑誌でアニメ監督の富野由悠季を取材し、しばらくして新作のオーディションを受けるように誘われて[注 1]1983年(昭和58年)に『聖戦士ダンバイン』(チャム・ファウ役)で声優デビュー[14]。『聖戦士ダンバイン』の後番組である1984年(昭和59年)放送の『重戦機エルガイム』のガウ・ハ・レッシィ役のオーディションに合格したことから、声優への転身を決意し、東映演研プロダクションから設立されたばかりの声優プロダクション、アーツビジョンへ移籍する[15]。富野由悠季作品には、その後も、1985年(昭和60年)の『機動戦士Ζガンダム』(ベルトーチカ・イルマ役)と、同枠の作品に続けて出演。

鶴ひろみ富沢美智恵らとともにお嬢様・高飛車キャラクターを演じて名を挙げる。

日髙のり子は、かつて、ラジオで、松井菜桜子とともに「女王様声の双璧」と挙げている。

また、後輩である林原めぐみには松井とともに「頭が上がらない声優仲間」の1人として挙げられている。

2001年(平成13年)半ば、体調を崩し一時休養するが、この際当時担当していた『ぐ〜チョコランタン』のスプー役を降板[注 2]。親交の深かった後輩声優の橘ひかりが、役を引き継ぐこととなった。

2003年(平成15年)頃、アーツビジョン[7]の所属から離れ、その後フリーで活動。2010年(平成22年)12月現在、営業業務の一部を複数プロダクションに委託・提携している。

月刊ホビージャパン(2011年10月号でキャラの!から移籍)で『川村万梨阿&椋本夏夜の淑女的日常』というコラムを執筆している。

2014年5月10日より、期間限定公式ツイッターを始める。

2014年6月18日 歌手活動、31周年記念アルバムBOX「ΟΔΥΣΣΕΙΑ(オデッセイ)」を発売。「限定生産BOX、LPジャケットサイズ、ジャケットイラストは永野護書下ろし」

2014年10月2日 デビュー記念としてプライベートで製作した"ファッションドールmomoko"カスタムモデルの『川村万梨阿momoko』2体が、製作先のペットワークスにて写真公開した[16][17]

2023年3月11日 第17回声優アワードにて高橋和枝賞を受賞[18]

人物・エピソード

特色

演じる役柄は女性役が多く、気が強く女王様気質のキャラクターが目立っている[19]

コスプレ

上記の通り、アニメファンとしての活動歴があり、その当時から何度かコスプレを公の場で披露している。

  • 1981年(昭和56年)2月22日に『機動戦士ガンダム』映画化にあたって新宿東口で行われたイベント「アニメ新世紀宣言」では、ララァ・スンのコスプレで「ファン代表」として登場している。
  • うる星やつら』のアニメ化記念イベントにラムのコスプレで参加しており、当時の「週刊少年サンデー」のカラーグラビアにもその姿が掲載されている。
  • 聖戦士ダンバイン』でチャム・ファウの声を演じていたが、当時の『アニメック』誌上の折り込みグラビアで、レオタードにタイツ、背羽根までつけたチャム・ファウのコスプレを披露している。
  • アメリカのアニメファンのイベントに招待された時、『スレイヤーズ』シリーズのナーガをイメージした黒い衣装を着て登場し、「能あるライバルは爪を隠す」を歌った。またその際、「アメリカにやってきたナーガ」という設定で台詞も喋っている。

交友関係

富野由悠季アニメデビュー作『聖戦士ダンバイン』の監督で、芸名「万梨阿」の漢字の名付け親でもある[20]。「マリア」という名称自体は、それ以前から本人が名乗っていた。

漫画家の新谷かおるとは高校時代からの知り合いであり、『クレオパトラD.C.』では当初スエン役でオーディションにエントリーしていたが、新谷の要望により主人公・クレオパトラ役を引き受けることになった[21]

デビュー作で共演した主演の中原茂とは、アフレコ現場で彼によく面倒を見てもらった事を契機に、今でも交流が続いており、「茂ちゃん」「万梨阿ちゃん」と呼び合う仲でもある。

モデルキャラクター

『ジ・アニメ』によれば、『戦闘メカ ザブングル』の登場人物マリア・マリアは川村をモデルにしていたとしている。これはまだ川村が声優としてのデビューを果たす前の「ファン代表」だった頃のエピソードである。劇中での声は島本須美能村弘子らが担当していた。

漫画家のゆうきまさみとは知り合いであり、『究極超人あ〜る』に登場する西園寺まりいは川村をモデルとした。同作品のドラマCDやOVAでは、川村が声を担当した。その際、川村が「この役のせいで、高飛車お嬢様しか役がこなくなった」と愚痴をこぼしているが、ゆうきは「何言ってんだ!ノリノリだったくせに!」とツッコみ、スタッフはこれ以上ないハマり役だったと褒めている(同ドラマCDの歌詞カードより)。

矢野健太郎の漫画『インジュカーシス』の固有名詞のいくつかは、実在の地名や人名のローマ字の逆綴りから命名されているが、「アイラム=アルマワック(AIRAM-ARUMAWAK)王家」、登場人物の1人「ウロマモ=ナガン(UROMAMO-NAGAN)」など、川村(と永野)に由来するものがある。

家族

妹が居る[9]

デザイナー永野護と12年の交際の末、1991年11月に挙式仲人は、アニメーション監督の富野由悠季夫妻が務めた[22]

上記の「アニメ新世紀宣言」イベントのとき永野はシャア・アズナブルのコスプレをして宣言を読み上げていた[23][24]。ただし後にイベントの際、最前列のファンがその話をしていたのを聞きつけ、「それは禁句」と言ったという。1980年代中盤頃の話である。

永野がメインで関わるアニメ作品には大抵の場合何らかの形で関わっており、『ファイブスター物語』のイメージアルバムではメインボーカルを担当。パンクロックポップスバラードの各々を歌いあげた。また、同作品が映画化された際もヒロインであるラキシスを担当している。永野の初アニメ映画監督作品『花の詩女 ゴティックメード』ではヒロイン・ベリンを演じ、主題歌「空の皇子 花の詩女」の歌唱と作詞も担当。

出演

太字はメインキャラクター。

テレビアニメ

1983年
1984年
1985年
1986年
1987年
1988年
1989年
1990年
1991年
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
1997年
1998年
1999年
2000年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2015年
2016年
2018年

劇場アニメ

1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代

OVA

1985年
1986年
1987年
1988年
1989年
1990年
1991年
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
1997年
2002年
2003年
2004年
2010年
2011年

ゲーム

1992年
1993年
1994年
1996年
1997年
1998年
1999年
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年
2017年
2019年
2021年
2022年

ドラマCD

吹き替え

映画

テレビドラマ

アニメ

テレビドラマ

映画

ラジオ

インターネットテレビ

  • 宮路一昭、川村万梨阿のアニタメ温故知新!(ニコニコ生放送、声優グランプリチャンネル:2014年4月15日 - 2014年9月9日)
  • 宮路一昭、川村万梨阿のアニタメ温故知新!(ニコニコ生放送:辰巳出版グループ「tatsumi01、(たつみぜろわん)」ユーザーコミュニティー:2014年10月8日 - 2015年4月8日)、(ニコニコ生放送、たつみTVチャンネル:2015年5月7日 - 2015年11月5日)月1回

CD & DVD

その他

NHK関係

書籍

  • 私も悩んでおとなになった―声優っておもしろい(自分探しの旅シリーズ) (ポプラ社 1998年4月) ISBN 4-591-05571-X
  • 川村万梨阿写真集 M@RIA (TOYSPRESS 1998年6月20日)
  • 川村万梨阿と椋本夏夜の淑女的日常 (ホビージャパン 2015年1月17日)ISBN 978-4-7986-0921-8

脚注

注釈

  1. ^ この時、電話で富野は「ああ、思った通りの声だった。よかったよかった」と言っている[13]
  2. ^ 2019年10月の『ふしぎな汽車でいこう〜60周年記念コンサート〜』にて復帰し、約18年ぶりにスプーの声を担当。
  3. ^ EDクレジットでは氷上恭子と誤表記。

シリーズ一覧

  1. ^ 第1作(1995年)、『RETURN』(1996年)、『ぐれえと』(1997年)、『ごぅじゃす』(1998年)、『ぷれみあむ』(2001年)
  2. ^ 第1作(1985年)、第2作『PARTII 秘密く・だ・さ・い』(1986年)
  3. ^ 第1期『すぺしゃる』(1996年 - 1997年)、第2期『えくせれんと』(1998年 - 1999年)
  4. ^ 「無印」(1998年)、『ZERO』(1999年)、『F』(2000年)、『F.I.F』(2001年)、『DA』(2002年)、『NEO』(2002年)、『SEED』(2004年)、『SPIRITS』(2007年)、『WARS』(2009年)、『WORLD』(2011年)、『3D』(2011年)、『OVER WORLD』(2012年)、『GENESIS』(2016年)
  5. ^ UX』(2013年)、『BX』(2015年)、『X』『X-Ω』(2018年)
  6. ^ 『時獄篇』(2014年)、『天獄篇』(2015年)

出典

  1. ^ 掛尾良夫 編「男性篇」『声優事典 第二版』キネマ旬報社、1996年3月30日、385頁。ISBN 4-87376-160-3 
  2. ^ 「声優クローズあっぷ」『ジ・アニメ』1985年5月号、近代映画社、1985年4月、128頁。 
  3. ^ 『日本タレント名鑑(1991年版)』VIPタイムズ社、1991年、393頁。 
  4. ^ a b プロフィール”. Automatic Flowers. 2020年1月27日閲覧。
  5. ^ a b 川村万梨阿(かわむらまりあ)のプロフィール・画像・出演スケジュール|【スタスケ】(0000035577)”. ザテレビジョン. 2020年1月27日閲覧。
  6. ^ 川村万梨阿”. 声優グランプリWEB. 声優名鑑. 主婦の友インフォス. 2023年9月10日閲覧。
  7. ^ a b 『日本タレント名鑑(2003年版)』VIPタイムズ社、2003年4月25日、514頁。ISBN 978-4-9901242-1-2 
  8. ^ a b c d e f g h 「アニメ・スクランブル」『マイアニメ』1985年9月号、秋田書店、1985年8月、134-135頁。 
  9. ^ a b c 昭和50年男(株式会社ヘリテージ)2023年3月号(Vol.021)pp.124-127「ガール イズ マイン 川村万梨阿」
  10. ^ 川村万梨阿『私も悩んでおとなになった』ポプラ社、1998年、pp.44-52。
  11. ^ 吉本たいまつ「おたくの起源」NTT出版、2009年。
  12. ^ a b 「声優インタビュー 川村万梨阿さんの巻」『月刊OUT』1983年7月号、みのり書房、pp.95-100。
  13. ^ 天本伸一郎編「第4章/異世界へ アンケート 富野由悠季とその仲間たちCHAP.04 川村万梨阿」『富野由悠季 全仕事』キネマ旬報社〈キネ旬ムック〉、1999年6月9日、ISBN 4-906649-00-9、199頁。
  14. ^ 『私も悩んでおとなになった』pp.68-73。
  15. ^ 『私も悩んでおとなになった』pp.85-91。
  16. ^ 川村万梨阿公式サイト”. お知らせ、その他. 2015年1月15日閲覧。
  17. ^ PW-momoko「MARIA KAWAMURA momoko」サイト”. 川村万梨阿が「花の詩女 ゴティックメード」劇場公開時に舞台挨拶やイベン. 2015年1月15日閲覧。
  18. ^ “第十七回声優アワード 受賞者”. 声優アワード. https://www.seiyuawards.jp/winning/winning_17/ 2023年3月11日閲覧。 
  19. ^ 【声優の履歴書】第61回 元祖女王様声の一人でガンダムの生みの親、富野由悠季監督とも親交が深い・川村万梨阿”. リアルライブ (2014年8月28日). 2023年9月10日閲覧。
  20. ^ 『私も悩んでおとなになった』p.74。
  21. ^ 「クレオパトラD.C コンプリートDVD」内の冊子「QUEEN OF FORTUNE」原作者 新谷かおるインタビュー を参照。
  22. ^ 『Newtype別冊 コミックGENKi』1992年1月号、角川書店
  23. ^ 氷川竜介藤津亮太編「第三章 映画版への志 解説〜新世紀宣言〜」『ガンダムの現場から 富野由悠季発言集』キネマ旬報社、2000年10月16日。ISBN 4-87376-537-4、167頁。
  24. ^ 小牧雅伸『アニメックの頃… 編集長ま奮闘記』NTT出版、2009年、p.219。
  25. ^ Character TV Series”. 聖戦士ダンバインWeb. サンライズ. 2022年10月9日閲覧。
  26. ^ 重戦機エルガイム”. サンライズワールド. サンライズ. 2022年10月9日閲覧。
  27. ^ 作品データベース キャッ党忍伝てやんでえ”. タツノコプロ. 2022年11月7日閲覧。
  28. ^ 作品データベース ロビンフッドの大冒険”. タツノコプロ. 2022年11月7日閲覧。
  29. ^ トラップ一家物語”. 日本アニメーション. 2016年5月18日閲覧。
  30. ^ ロミオの青い空”. 日本アニメーション. 2016年6月23日閲覧。
  31. ^ 快傑ゾロ”. 株式会社 葦プロダクション 公式サイト. 葦プロダクション. 2023年5月28日閲覧。
  32. ^ CHARACTER[ノヴィス・ノア]”. ブレンパワード アニメ公式サイト. サンライズ. 2023年3月26日閲覧。
  33. ^ 口裂け女が登場するはずだった第3怪「あたしきれい?口裂け女」は口唇口蓋裂の障害者団体からの抗議を受け、放映中止となった。
  34. ^ CAST・STAFF”. TO BE HEROINE. 2017年5月10日閲覧。
  35. ^ STAFF&CAST”. 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』公式サイト. サンライズ. 2022年10月9日閲覧。
  36. ^ クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス”. メディア芸術データベース. 2016年10月23日閲覧。
  37. ^ 公式サイト のStaffを参照。2011年8月31日閲覧。
  38. ^ 源氏 第一部”. ジェー・シー・スタッフ. 2023年10月31日閲覧。
  39. ^ キャラクター紹介”. CAPCOM : エクストルーパーズ. 2012年6月30日閲覧。
  40. ^ 『グランブルーファンタジー』登録者数800万人突破&『スレイヤーズ』×『グランブルーファンタジー』コラボレーションイベントを開催!”. 『グランブルーファンタジー』公式サイト. Cygames (2016年1月18日). 2016年1月18日閲覧。
  41. ^ "キャラクター紹介26". タクティクスオウガリボーン. 2022年11月2日閲覧

外部リンク