少年忍者風のフジ丸
少年忍者風のフジ丸 | |
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ジャンル | 時代劇、忍者 |
アニメ | |
原作 | 白土三平(第28話までの表記) |
脚本 | 飯島敬、志原弘、内田弘三 |
キャラクターデザイン | 楠部大吉郎 |
音楽 | 服部公一 |
アニメーション制作 | 東映動画 |
放送局 | NET |
放送期間 | 1964年6月7日 - 1965年8月31日 |
話数 | 全65話 |
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『少年忍者風のフジ丸』(しょうねんにんじゃかぜのフジまる)は、1964年6月7日から1965年8月31日にかけてNETテレビ(日本教育テレビ。現:テレビ朝日)系列で全65話が放送された東映動画製作のテレビアニメである。
放送時間は、1964年6月から12月までは日曜日18時30分 - 19時。1965年1月から最終回までは火曜日19時30分 - 20時。モノクロ作品。
概要[編集]
白土三平の貸本短編集『忍者旋風』(1959年)や、週刊少年マガジンに連載されていた『風の石丸』(1960年)などを原作としたテレビアニメである。番組スポンサーの藤沢薬品工業(現:アステラス製薬)とのタイアップのため、主人公の名前(番組タイトル)が「フジ丸」と改められた。主題歌の最後にはスポンサークレジットとともに「♪フジサ〜ワ〜、フジサ〜ワ〜、藤沢や〜く〜ひ〜ん」[1]とスポンサー名を連呼する女性コーラスが入っていた[2]。
作品は全話モノクロで放送されたが、第1話のみモノクロ版とは別にテスト用として制作されたカラー版が存在する。また作品中にハーモニーカットの実験も行われ、注目を集めた[3]。
また、原作を離れ、オリジナルストーリーとなった第29話から原作者としての白土の表記もなくなった[4]。
第28話まで、番組のラストには本間千代子を聞き手に初見良昭(戸隠流34代目)が忍術を詳しく解説する実写のミニコーナー『忍術千一夜』があった。
あらすじ[編集]
物語は大きく二つに分かれる。
第1話から第28話は、白土三平の漫画「忍者旋風」のストーリーを下敷きにしており、フジ丸の生い立ちから始まり、「竜煙の書」をめぐる忍者たちの戦いを描く。赤ん坊だったフジ丸は、母が野良仕事をしている最中にワシにさらわれ、風魔十法斉率いる忍者集団の風魔一族に助けられ、少年忍者として成長する。しかし十法斉が冷酷非情の人間であり、大量殺傷兵器の製法を記した「竜煙の書」を手に入れて天下を支配しようとしているのを知り、これを阻止しようと、恐るべき秘術を持つ風魔の忍者たちや豊臣、徳川の忍者たちと死闘を繰り広げる。その間に、少女美香や身寄りのない少年太郎、わが子(フジ丸)をさらわれて自責の念にとらわれながら、それでも子を探し出そうと旅を続ける母お春などのエピソードが挿入される。
28話までの放送では、6回から10回ごとにそれまでの物語の経過を振り返る「総集編」が挿入される構成だった。
第29話から第65話(最終話)は、主人公のキャラクターをそのままに、脇役の美香と太郎をそれぞれミドリと太助に改名し、フジ丸が東映動画オリジナルの悪役と対決していくストーリー。悪役は南蛮(すなわち外国)からやってきた忍者群、忍盗羽黒族など。
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キャスト[編集]
- 風のフジ丸:小宮山清
- 太郎、太助(29話より変更):芳川和子
- チョロ:山本嘉代子、芳川和子
- 美香、ミドリ(29話より変更):加藤みどり
- ポン吉、おせん:伊藤牧子
- アイレル:中川謙二
- ガバルガ:久富惟晴
- ウィルフ:杉谷頼秀
- 山田八右衛門、マヌエル:内山森彦
- 十法斉、語り:湯浅実
主題歌[編集]
2曲ともに、作詞:小川敬一/作曲・編曲:服部公一による。
- オープニングテーマ「少年忍者風のフジ丸」
- 歌:鹿内たかし、西六郷少年合唱団
- 前期のエンディングテーマにも使用。
- 後期エンディングテーマ「たたかう少年忍者」
- 歌:西六郷少年合唱団
- 後期EDは3バージョン有り、第1バージョンは前期ED映像(静止画像)を流用し歌は1コーラス、第2バージョンは動画で歌は1コーラス、第3バージョンは第2バージョンに新映像[5]を追加し、2コーラスに拡大した。
放送リスト[編集]
- フジ丸参上
- 狼ガ原の決闘
- 風魔砦の対決
- 追跡者
- 謎の怪剣士
- 亡霊の洞穴
- 総集編
- 忍法木の葉がくれ
- 水晶の谷
- 竜煙の謎
- 乱心法暗夜の術
- 地獄砦の忍者
- 謎の女忍者
- 総集編
- 虫遁変化の術
- 恐怖の風車手裏剣
- 忍法螢火の術
- 吸血いもりの沼
- 伊賀流刃の滝
- 忍び凧の脱出
- 子の刻参上
- 死の絶壁
- 死神小僧の逃戦
- 総集編
- 忍法ぎやまん砦
- 忍法顔取りの術
- 忍法雷発の術
- 竜煙の巻 大団円
- 南蛮邪法変 謎の難破船 ※この回から原作者表記が無くなる。
- あばれ人ごま
- マシンガンの怪人
- 黒豹使いの罠
- 恐怖の黒魔術
- まぼろし島の決闘
- 忍盗羽黒族 怪盗三日月
- 忍法稲妻隠れ
- 水牢地獄
- 処刑場襲撃
- 如月城の仇討
- 那智忍者館 隠し牢の少年
- 火炎の壁
- 水底の忍者
- 月影の妖剣
- 秘薬の謀計
- 枯れ滝の対決
- 秘宝大争忍 伊賀火炎陣
- 幻水噴流法
- 疾風枯葉の術
- 南蛮幻獣法
- 忍法反射鏡
- 甲賀鉄甲術
- 忍法火炎竜
- 北條乱波党 妖鬼虚空刀
- 忍者幽鬼
- 影鬼と太助
- 副頭領幻鬼
- 鹿島流秘太刀
- 風雲大阪城
- 戦国悪商人 浪人払い
- 刀狩り
- 大砲騒動
- 暗殺者
- 悪の城
- 忍者の陰謀
- 南蛮寺の対決
スタッフ[編集]
- 原作:白土三平 ※第28話まで
- 原案:木谷梨男、福原宗司
- 企画:飯島敬、小野沢寛、斎藤侑
- 脚本:飯島敬、志原弘、内田弘三
- 演出:白川大作、矢吹公郎、田宮武
- 美術:浦田又治、ほか
- 作画監督:楠部大吉郎、羽根章悦ほか
- 音楽:服部公一
放送局[編集]
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- NETテレビ(現:テレビ朝日)
- 北海道放送(TBS系列):月曜 18:00 - 18:30[6]
- 山形放送(日本テレビ系列):木曜 18:15 - 18:45
- 福島テレビ(当時は日本テレビ・TBS系列):日曜 18:00 - 18:30
- 新潟放送(TBS系列):火曜 18:00 - 18:30
- 北日本放送(日本テレビ系列)
- 名古屋放送(当時は日本テレビ・NETテレビ系列)
- 毎日放送(当時はNETテレビ系列)
- 中国放送(TBS系列)
- 九州朝日放送(1964年9月までフジテレビ系列とのクロスネット、10月以降はNETテレビ系列単独)
- 琉球放送(TBS系列)
他
劇場版[編集]
東映系にてTVブローアップ版3本が上映されている。
- 少年忍者風のフジ丸・謎のアラビヤ人形(1964年7月21日、『まんが大行進』で公開)
- 少年忍者風のフジ丸・まぼろし魔術団(1965年3月20日公開)
- 併映は、『ガリバーの宇宙旅行』・『狼少年ケン』の2本。
- 少年忍者風のフジ丸・大猿退治(1965年7月24日、『まんが大行進』で公開)
- 併映は、『狼少年ケン』・『宇宙パトロールホッパ』・『スーパージェッター』・『宇宙少年ソラン』の4本。
映像ソフト[編集]
- 本作のビデオソフトは、古くは1971年に東映ビデオ第4回発売作品として2万5000円で発売されており[7]、当時はオープンリールの各方式で供給されていた。
- 1981年頃には東映芸能ビデオから、ミリオンセラー・シリーズとしてカラー版第1話を収録したVHSが1万2800円で発売されていた[8]。
- 2005年、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社から本作の第1話(モノクロ版)、第3話、第4話、第27話および「狼少年ケン」、「ハッスルパンチ」を収録したDVD-BOX「東映アニメモノクロ傑作選 Vol.1」が発売された。2006年には「フジ丸」単品でも発売された。
- 2013年、ベストフィールドから全話を収録したDVD-BOX全2巻が発売された。第1話はモノクロ版のみの収録となっている。本編後の「忍術千一夜」のコーナーは現存する26話分が収録されている。
- この他、1986年に東映ビデオから発売された「TVヒーロー主題歌全集 4 アニメ編」(VHS)と、1998年より同じく東映ビデオから発売されたリニューアル版「東映アニメ主題歌大全集」(VHS・レーザーディスク・DVD)に、OPとEDが収録、VHS版はカラー版OP・カラー版前期ED・後期ED第3バージョンを収録、LDとDVDはメイントラックに先述の3種類のOP・EDを収録し、ボーナストラックにはモノクロ版OP・モノクロ版前期ED・後期ED第1バージョン・同第2バージョン、そして「忍術千一夜」OP(2バージョン有り)を収録している。なおOPには藤沢薬品の提供クレジット(&CMソング)も収録されている。
脚注[編集]
- ^ エンディングでこの部分のコーラスは「♪フジま~る~、フジま~る~、風のフジ~ま~る~」と歌われていた。
- ^ こうした例としては、『鉄人28号』(1963年、エイケン、フジテレビ)や『遊星少年パピイ』(1965年、エイケン、フジテレビ)でも主題歌の最後にスポンサー名であるグリコを連呼する男性コーラスが入っている。また虫プロが製作した『ジャングル大帝』(1965年)の続編『新ジャングル大帝 進めレオ』(1966年)のオープニングでも、主題歌の後に「さんよう、さんよう、三洋電機」のコーラスが入っている。テレビ放送創成期から1960年代の主流だった、「単独スポンサー番組」ならではである。
- ^ “少年忍者風のフジ丸”. 東映アニメーション. 2013年7月10日閲覧。
- ^ 白土の『忍者旋風』、『風の石丸』に則った「龍煙の書」をめぐるストーリーが終了し、原作から離れたことを表向きにしているが、実際には東映動画側がキャラクター使用権を独占する目的で、白土を原作者から外したためである。現在、東映アニメーションの公式ページでは作品解説として「白土原作の『忍者旋風』をテレビ用にアレンジした」との記述はあるものの、スタッフ欄には白土の名前は無い。この一件以降、白土は自身の作品の映像化に関しては厳格な姿勢をとっている(「白土三平」の項による)。また本作品直後に東映京都撮影所で制作された実写映画『大忍術映画ワタリ』の内容を巡るトラブルも白土の態度を一層硬化させる要因となった(『ワタリ (漫画)』の項による)。この一件で東映と絶縁状態となった白土だが、1968年に自作「サスケ」のアニメ化で組んだ製作会社こそ、エイケン(旧名:TCJ動画センター)である。
- ^ フジ丸の屋敷内での戦闘、フジ丸の岩の飛び移り、フジ丸の「分け身の術」の3種。
- ^ 『北海道新聞』(マイクロフィルム版) 1965年(昭和40年)8月 テレビ欄
- ^ https://web.archive.org/web/20040429160457/http://www.jva-net.or.jp/jva/history/zuhyou/hyo_2.3.html
- ^ 「ビデオコレクション1982」1981年、東京ニュース通信社、「週刊TVガイド」臨時増刊12月2日号
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 公式サイト - 東映アニメーション
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