狼少年ケン
| 狼少年ケン | |
|---|---|
大泉アニメゲートに設置されている「ねりまアニメ年表」の一コマ。 | |
| アニメ | |
| 原作 | 大野寛夫(月岡貞夫) |
| キャラクターデザイン | 月岡貞夫 |
| 音楽 | 小林亜星 |
| アニメーション制作 | 東映動画 |
| 放送局 | NETテレビ |
| 放送期間 | 1963年11月25日 - 1965年8月16日 |
| 話数 | 全86話 |
| テンプレート - ノート | |
| プロジェクト | アニメ |
| ポータル | アニメ |
『狼少年ケン』(おおかみしょうねんケン)は、NETテレビ(現・テレビ朝日)ほかで放送されていた東映動画(現・東映アニメーション)制作のテレビアニメである。モノクロ作品。全86話。NETテレビでは1963年11月25日から1965年8月16日まで、毎週月曜 18:15 - 18:45 (日本標準時)に放送。
NETテレビ初の国産アニメ放映作であり、また東映動画が初制作したテレビアニメでもある。
目次
ストーリー[編集]
アフリカのジャングルの中で狼に育てられた少年・ケンが、双子の子供狼・チッチとポッポや仲間たちとともにジャングルの平和を守る。主な脇役は、老齢で頑固だが仲間を大切にするボス狼、二枚目役の片目のジャック、ユーモラスで少しずる賢いところもあるブラック(以上狼たち)、ケンに襲いかかっては返り討ちに遭って崖から落ちたり木に衝突したりするドジな熊、仲間の虎(以上悪役)などである。
しかしケンがなぜ狼に育てられ、どのように成長してきたのかは物語中では明らかにされず、第1回でボス狼がケンを仲間たちに紹介するところから始まっている(その前に巨大な彗星が地球に接近して天変地異が起きる場面があるが、物語の展開との関係は不明)。
その後、ケンはチッチやポッポ、あるいは他の狼たちとともに、猿の軍団やジャングルの動物たちを奴隷にしようとする凶悪な原住民と戦ったり、狼の仲間なのに「牙」が無いと言われて海の彼方に住む白銀のライオンから牙代わりの短剣を貰ったり、墜落した飛行機から生き残った姫を救出したり、動物たちに恐れられる「悪魔の森」を探検したり、自分とそっくりな某国の王子と出会って一騒動を起こしたり、父親のために湖の底に眠るウラニウムを持ち帰ろうとして恐竜に襲われた少年を助けたりと大活躍する。
制作の経緯[編集]
1963年元日に放送開始した虫プロダクションの『鉄腕アトム』により、日本に本格的なテレビアニメの時代が到来した。3コマ撮りや止め絵・バンクシステムの多用などでテレビ向けの省力化を徹底していた『アトム』に対する東映動画関係者の評価は当初は低いものであったが[1]、同作品が高い視聴率を獲得するとその存在を無視できなくなった[2]。東映動画内部でテレビアニメの検討が開始されると、元手塚治虫のアシスタントで若手の俊英アニメーターでもあった月岡貞夫は自らテレビアニメの企画を提出した[3]。
月岡は自ら演出や原画を引き受けたが、毎週1本のペースで放送されるテレビアニメは、「天才」の異名を取った月岡といえどその全話を担当することは不可能であり、1話ごとに担当チームが組まれて制作に当たった[4]。しかし、当時は作品全体を統括する作画監督が置かれなかったこともあり、月岡はスタッフによる作品の不統一に耐えきれなかった[4]。結局月岡は放映中の1964年2月初めに東映動画を退社した[4]。
登場人物[編集]
- ケン
- 声 - 西本雄司(東映児童劇団)
- ポッポ
- 声 - 水垣洋子、青木勇嗣
- チッチ
- 声 - 田上和枝
- ボス
- 声 - 八奈見乗児
- ジャック
- 声 - 内海賢二
- キラー
- 声 - 内海賢二
- ブラック/山猫
- 声 - 大竹宏
- ゴリラ
- 声 - 神山卓三
- 大熊
- 声 - 増岡弘
- ドロシー
- 声 - 桂玲子
- ウォーリー
- 声 - ?→山本圭子
このほか、江美京子、石井祥子、野沢雅子、はせさんじ、野沢那智、永井一郎、松尾佳子、近石真介、島田彰、今西正男、小林修、小林清志、村瀬正彦、南谷智晴、麻生みつ子、柴田秀勝、坂井寿美江、飯塚昭三、俳協の関係者などが登場人物たちの声を当てている。
スタッフ[編集]
- 企画 - NET(宮崎慎一)、東映動画(籏野義文、有賀健)
- 原作 - 大野寛夫(月岡貞夫)
- 脚本 - 飯島敬、芹川有吾、押川国秋、白川大作、小沢洋、土井信、浜田稔、吉野次郎、鈴木アヤ、茂木たかし、中村一郎、有賀健、征矢茂 ほか
- 美術 - 千葉秀雄、児玉喬夫、沼井肇、横井三郎 ほか
- 音楽 - 小林亜星
- 演奏 - アンサンブル・ヒポ
- 撮影 - 菅原英明、岩崎惇、平尾三喜 ほか
- 編集 - 千蔵豊
- 録音 - 小西進
- 効果 - 音響研究所
- 記録 - 関口泰子 ほか
- 仕上 - 宮沢あき子 ほか
- 進行 - 三沢徹夫 ほか
- 作画監督 - 喜多真佐武
- 演出 - 月岡貞夫、矢吹公郎、高畑勲、池田宏、白川大作、黒田昌郎、藪下泰次、田宮武、山本寛巳、勝田稔男、勝間田具治、真野好央、芹川有吾、田中亮三、久岡敬史、明比正行、松下秀民、新田義方、宮崎一哉 ほか
- キャラクター設計 - 月岡貞夫
- 漫画 - 伊東章夫(講談社「ぼくら」連載)
- 制作 - 東映動画
主題歌[編集]
- 「狼少年ケン」オープニングテーマ
- ソノシート版では西六郷少年少女合唱団[6]の記載がある。
- テーマ曲自体にはタイトルがないため、後にテーマ集などで取り上げられる際に「狼少年ケンのテーマ」、「狼少年ケンの歌」などと表記には揺れがある。
- この歌はタイトルや歌手を変えて数社から発売されており、それぞれに表記上の違いがある。また、テレビサイズでお馴染みの「ワーオ、ワーオ、ワオー、ボバンババンボン…」というイントロも、レコード会社によって入っていたりいなかったりする。
- 『朝日ソノラマ主題歌コレクション1』のライナーノーツによると、どの社の音源が正規版なのか長い間議論されてきたが、同盤収録のモノラル版ワーオ入りヴァージョンが正規版だとほぼ断言している。『小林亜星 アニメ・トラック・アンソロジー』にはステレオ版ワーオ入りヴァージョンが収録されているが、朝日ソノラマ版とは前奏や歌い方が微妙に異なる。
- ロッテのチューインガム「Fit's」のCMでは、この曲の替え歌を使っている。
- 「狼少年ケン」エンディングテーマ
- 作詞 - 大野寛夫 / 作曲 - 小林亜星
- 伴奏 - アンサンブル・ビボ
- 歌 - ビクター少年合唱団[5](前期)、西六郷少年少女合唱団[6](後期)
サブタイトル[編集]
- 二本足の狼
- 白銀のライオン
- 魔法使いタマタン
- 怪獣ブロントサウルス
- アラビアの怪人
- くたばれ!まだら族
- 一本足の男
- 魔の岩の決闘
- トーテムポールの魔人
- 月世界の男
- 女王クレオバトラ
- おばけ嫌い
- ピストル騒動
- ジャングル最大の作戦
- 放浪の白狼
- 月夜の出来事
- チッチ・ポッポの冒険旅行
- ジャングル間違いつづき
- 毒薬騒動
- ジャングルの陰謀
- 吹矢の秘密
- 帰って来たあいつ
- サーカスから来た仲間
- 象牙の湖
- 天国はどこに
- ジャングル同盟
- 咆えろジャングル
- ぬすまれた王国
- 幻の狼
- ワーニィの神
- ジャングルの虹
- アマゾンから来たコンドル
- 悪魔の森
- 嵐のおくりもの
- ゴリラのふくしゅう
- 疑われた狼たち
- 謎の泉
- ねらわれた親子鹿
- ジャングルの太陽
- ポッポの子守歌
- つながれた狼
- 黒熊族との対決
- ケンとチノ
- 狼のおきて
- 人間と狼たち
- ジャングルの友情
- 三つの勇気
- ジャングルに来たわんぱく坊や
- ライオンの女王
- ワニ河の死闘
- 混血のジミー
- ジャングルの現代っ子
- ジャングルの無法者
- 狼族の危機
- のろまな英雄
- おく病なライオン
- 放浪児バリー
- 奇妙な逃亡者
- 魔法使いの弟子
- とび出した狼
- メロンの秘密
- 魔王の約束
- われらのボス
- 急げ!マウントジャイアントへ
- 迷い子の五匹
- 北の国から来た狼
- ○×騒動
- ジャングルの勇者
- おかしなおかしなチンパンジー
- ジャングルの星は消えず
- まだら族の王冠
- 誇りたかきゴリラ
- チッチとポッポとチッポーと
- ケンとおてんば娘
- ジャングルパトロール
- ケンと王子とお姫様
- ジャングル裁判
- 生きていた英雄
- 孤独なライオン
- とんでもない奴
- ブラックの魔術師
- 砂漠のならず者
- 地底の女王
- ユニコーンはどこに
- チビッコ旋風
- わんぱく作戦
参考:松野本和弘 『ワールドムック795 東映動画アーカイブス にっぽんアニメの原点』 ワールドフォトプレス、2010年。
放送局[編集]
キャラクター商品[編集]
本作放送当時、スポンサーの森永製菓による関連商品が発売されていた。
- まず「まんがココア」が発売された。これにはオマケとしてキャラクターシールが封入されていた。
- 後に夏向けの商品として、「まんがジュース」という名の粉末ジュースが発売された。こちらにもキャラクターシールが封入されていたが、絵柄は圧倒的に狼一族のものが多く、人間キャラクターのシールは主人公のケンを除くと少ない。
- さらにその後、「ケンキャラメル」という名のキャラメルが発売された(味はバナナ味)。オマケとしてキャラクターの起き上がり小法師が付いていた。
関連商品は好調な販売を記録し、東映アニメーションは社史において「当社の版権許諾業務における最初期の成果となった」と記している[7]。
劇場版[編集]
- 1963年12月21日、東京地区のみで第2話「白銀のライオン」と第3話「魔法使いタマタン」をブローアップ再編集したものを上映。併映作は『わんわん忠臣蔵』と『柳生武芸帳 片目の忍者』。初のテレビアニメブローアップ上映作でテストケースとなった作品。これが好評となり、以後テレビアニメやテレビ特撮が劇場で公開されるようになる。
- 1964年3月22日、第8話「魔の岩の決闘」と第5話「アラビアの怪人」を再編集したものを上映。初の全国上映作である。併映作は『西遊記』(リバイバル)。なお同年3月28日からは、東京地区のみ前述の2本に代わり、第9話「トーテムポールの魔人」と第13話「ピストル騒動」が再編集上映された。
- 1964年5月3日、第12話「おばけ嫌い」と第14話「ジャングル最大の作戦」を再編集したものを上映。併映作は『少年猿飛佐助』(リバイバル)。
- 1964年6月14日、「月夜の出来事」を上映。併映作は『路傍の石』と『おふくろ』。一般映画との併映が行われた珍しいケースの作品である。
- 1964年7月21日、『まんが大行進』の1本として第23話「サーカスから来た仲間」を上映。併映作は『少年忍者風のフジ丸』(1週間で『忍者部隊月光』と交代)、『エイトマン』、『鉄人28号』(第1作)。
- 1965年3月20日、第56話「おく病なライオン」を上映。併映作は『ガリバーの宇宙旅行』と『少年忍者風のフジ丸』。
- 1965年7月24日、「まんが大行進」の1本として第72話「誇り高きゴリラ」を上映。併映作は『少年忍者 風のフジ丸』、『宇宙パトロールホッパ』、『スーパージェッター』、『宇宙少年ソラン』。
- 1965年12月25日、「まんが大行進」の1本として第83話「地底の女王」と第86話(最終回)「わんぱく作戦」を再編集したものを上映。併映作は『わんわん忠臣蔵』(リバイバル)と『オバケのQ太郎』。劇場上映最後の作品。これにより、本作は限定上映も含めて延べ9回上映されたことになる。これはブローアップ上映作品の中では最多記録である。
メインテーマ曲の主な扱い[編集]
- エンディングのアニメーションは2種類あり、前期では止め絵で、後期ではケンや狼一族が走り回る動画だった。また主題歌も、前期の方がテンポが早かった。後期の方は後年の主題歌集ビデオ(東映ビデオ)には収録されておらず、意外に知られなかった[誰によって?]。
- 1986年、TBSのテレビドラマ『お坊っチャマにはわかるまい!』において、「狼少年ケンのテーマ」が第11話の挿入歌に使われた。
- 2004年、毎日放送のクイズ番組『クイズ!家族でGO!!』で、「狼少年ケンのテーマ」のイントロとコーダが「パパキャッチャー」の開始音楽に使われた。
- 2004年から流れたサントリーフーズ「BOSSレインボーマウンテンブレンド」のCMに、「狼少年ケンのテーマ」が使われていた。このCMにはSMAPの草彅剛が出演していた[8]。
- 2009年から流されているロッテのガム「Fit's」のCMでは、以下の「狼少年ケンのテーマ」の替え歌が使われている。
- 『ひらけ!ポンキッキ』などの子供番組でも、「狼少年ケンのテーマ」がBGMに使われることがあった。
- 元プロ野球選手・平野謙の中日ドラゴンズ在籍当時の応援歌は、平野の名前にちなんで「狼少年ケンのテーマ」を元にした曲調になっていた。
- 2012年公開の三池崇史監督の映画『愛と誠』挿入歌として座王権太役の伊原剛志が歌ったものが座王の登場シーンで使われた。2012年6月6日にフォーライフミュージックエンタテインメントから発売された『映画 愛と誠 オリジナル・サウンドトラック』に「オオカミ少年ケンのテーマ」の曲名で収録されている。
脚注[編集]
参考文献[編集]
- 大塚康生 『作画汗まみれ 改訂最新版』 文藝春秋〈文春文庫〉、2013年。ISBN 978-4-16-812200-2。
- 東映アニメーション50周年実行委員会/50周年事務局/50年史編纂チーム(編) 『東映アニメーション50年史 1956-2006 走り出す夢の先に』 東映アニメーション、2006年。
外部リンク[編集]
| NETテレビ 月曜18:15枠 | ||
|---|---|---|
| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
ロケットマン・コディ 再放送
|
狼少年ケン
(1963年11月25日 - 1965年8月16日) ↓ 狼少年ケン 再放送 (1965年8月23日 - 1966年9月26日) |
ゆかいなエドくん
(1966年10月3日 - ) |