グレートマジンガー対ゲッターロボG 空中大激突
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グレートマジンガー対ゲッターロボG 空中大激突 | |
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Great Collision[1] | |
監督 | 明比正行 |
脚本 | 藤川桂介 |
原作 | 永井豪・石川賢とダイナミックプロ[2] |
製作 |
今田智憲 有賀健、横山賢二(企画) |
ナレーター | 柴田秀勝(予告編) |
出演者 | 野田圭一、神谷明 |
音楽 | 渡辺宙明、菊池俊輔 |
主題歌 | 「おれはグレートマジンガー」(水木一郎、コロムビアゆりかご会) |
撮影 | 菅谷信行 |
編集 | 鳥羽亮一 |
製作会社 | 東映、フジテレビ |
配給 | 東映 |
公開 |
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上映時間 | 24分 |
製作国 |
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言語 | 日本語 |
前作 | グレートマジンガー対ゲッターロボ |
次作 | UFOロボ グレンダイザー(映画) |
『グレートマジンガー対ゲッターロボG 空中大激突』(グレートマジンガーたいゲッターロボジー くうちゅうだいげきとつ)は、1975年に東映まんがまつりで上映された日本のアニメーション映画作品。
概要[編集]
永井豪原作の『グレートマジンガー』と『ゲッターロボG』のクロスオーバー作品。本作では『ゲッターロボ』『ゲッターロボG』のテレビ版と異なるムサシの最期と新ゲッターロボへの交替劇が描かれている(ゲッタードラゴンのみ登場し、ゲッターライガーとゲッターポセイドンは登場していない)[注 1]。またグレートマジンガー側では、テレビ版に先駆けてグレートブースターが登場している。
グレート側の支援ロボットで登場するのはビューナスAのみで、『マジンガーZ対暗黒大将軍』以来[注 2]登場していたボスボロット(およびボスたち三人組)が初めて登場せず、またTV本編で既に登場していたロボットジュニアも登場しない[注 3]。
なお英文タイトルは『Great Collision』[1]で、直訳すると「大激突」となり、また「Great」はグレートマジンガーも意味しているので、珍しくゲッター側がタイトルに入っていない。
ゲストキャラクター[編集]
- 空魔獣グランゲン
- 謎の侵略者がゲッターロボ迎撃に出撃させた、最初の宇宙怪獣。身長35m、体重280t[4][5]。武器は両目から放つ怪光線と両肩に装備したブーメラン。いきなり空中でゲッター1に抱きついて地上へ墜落させようと狙うが、寸前でオープンゲット(分散)され振りほどかれる(この際、左腕と右脚を千切り飛ばされているが、ベアー号と激突する直前には再生している)。分散したゲットマシン各個に襲い掛かる中で、光線に目が眩んだムサシのベアー号と激突して共倒れとなり爆死した。[6]
- 結合獣ボング
- 謎の侵略者が2番目に地球に送り込んだロボット怪獣で、羽田空港を宇宙船の発着基地にしようと暴れる。身長40m、体重600t[5][7]。ロケットや戦車・軍艦などを寄せ集めたような姿をしており、武器は両目から放つ破壊光線と胸部の砲塔から放つ4万度の火炎砲[8]、両脚を分離して放つミサイルなど(そのほかにも各砲塔からミサイルを発射しているカットがある)。バラバラにされても、各パーツが無事なら瞬時に元通りになる復元力を持つ。グレートブースター開発に合わせて整備中(劇中では改造と言われている)のグレートに代わって出撃してきたビューナスAを圧倒するが、ジュンの危機に急ぎ駆けつけたグレートのサンダーブレークを食らい爆散した。だがこの直後に現れた、ピクドロンの放った光の矢によってグレートの右腕が破壊され、実はグレートをおびき寄せるための囮だったことが明かされる。[6]
- 光波獣ピクドロン
- 謎の侵略者が満を持して最後に地球へ送り込んだ怪獣型ロボット。身長28m[5]、全身に光の膜(400万ボルトの電流)を纏った初期形態での武器は、口から放たれる光の矢と、伸縮自在の腕で相手を掴んでの電撃[9]。光の矢は機械の内部に入ると内部で爆発する特徴があり、グレートの装甲である「超合金ニューZ」も容易く破壊してしまう。ビーム攻撃のエネルギーを吸収して巨大化するという特異な性質を持ち、その巨大化形態では胴体の複数の丸い突起部分からも光の矢を発射できる。グレートタイフーンで全身に纏っていた光が剥がれ落ちると、その下には機械獣や戦闘獣の様な怪獣型ロボットの正体を露にする。光の膜が剥がされ最大の武器である光の矢を失ってからは角からの電撃だけ[要出典]となってしまう。その角もグレートブーメランで切断されたところへドラゴンのダブルトマホーク[注 4]で首を落とされ、すかさず新兵器グレートブースターを撃ち込まれて爆死した。[6]
- なお一部書籍で“ピグドロン”との誤植が散見される[10][11]。
- 謎の侵略者
- 地球に3体の宇宙怪獣を送り込んだ異星人。その目的はグレートとゲッターを倒し、地球を基地にして銀河系宇宙を征服すること[12]。宇宙船から指令を送って宇宙怪獣を操っていることを鉄也に看破され、ドラゴンのゲッタービームを浴びて動けなくなったところへ新兵器グレートブースターを撃ち込まれて宇宙船もろとも爆死した。
- 宇宙怪獣の母船でもある宇宙船はマッハ8の速度で飛び、両翼の突起から破壊光線を発射する[12]。
- 劇中では暗にしか関係性が語られていない[注 5]が、前作『グレートマジンガー対ゲッターロボ』でギルギルガンを送り込んだ円盤の侵略者と同一の存在であることが当時の児童雑誌に記述されている[12]。
- なお漫画『ダイナミックヒーローズ』では、幻の映画企画『UFOロボ グレンダイザー対鋼鉄ジーグ』に登場する予定だったベガ星人の宿敵、「ダムドム星人」[13]であるとの解釈が披露されている。[14]
キャスト[編集]
- 予告編
- ナレーター:柴田秀勝
スタッフ[編集]
- 製作:今田智憲
- 企画:有賀健、横山賢二
- 原作:永井豪・石川賢とダイナミックプロ[2]
- 脚本:藤川桂介
- 音楽:渡辺宙明、菊池俊輔
- 原画:友永秀和、葛岡博、森利夫
- 動画:長崎重信、後藤紀子、山内昇寿郎、束田久美子
- 背景:阿部泰三郎、佐藤正行、沼井信朗、鳥本武
- トレース:前田峰子
- 仕上進行:高橋達雄
- 仕上検査:前田剛弘
- 特殊効果:岡田良明
- 撮影:菅谷信行
- 編集:鳥羽亮一
- 録音:池上信照 (タバック)
- 記録:的場節代
- 効果:石田サウンドプロ
- 選曲:宮下滋
- 演出助手:松浦錠平
- 製作進行:吉岡修
- 現像:東映化学
- 美術監督:福本智雄
- 作画監督:小松原一男
- 演出:明比正行
主題歌・挿入歌[編集]
主題歌「おれはグレートマジンガー」
- 作詞 - 小池一雄 / 作編曲 - 渡辺宙明 / 歌 - 水木一郎、コロムビアゆりかご会
- シリーズ前作『グレートマジンガー対ゲッターロボ』ではバックコーラス(コロムビアゆりかご会)の無いバージョンを使用したが、本作ではTV版オープニングと同じバックコーラス入りバージョンを使用している。
- 挿入歌としてもバックコーラス入りバージョンが、グレート出撃シーンに使用されている。
挿入歌「ゲッターロボ!」
- 作詞 - 永井豪 / 作曲・編曲 - 菊池俊輔 / 歌 - ささきいさお
- TVシリーズ『ゲッターロボ』『ゲッターロボG』オープニング主題歌。
- 物語冒頭、謎の円盤迎撃のためゲッター1にチェンジするシーンに使用された。
挿入歌「われらのゲッターロボ」
- 作詞 - 和泉高志 / 作編曲 - 菊池俊輔 / 歌 - ささきいさお
- 新ゲットマシン初出動からゲッタードラゴンへの初合体シーンに使用。
- TVアニメ『ゲッターロボG』のエンディングテーマ「不滅のマシン ゲッターロボ」とともに、「テレビまんがアクションシリーズ」17cmLPレコード[15]のA面に、SE・セリフ無しの素の状態で収録された挿入歌[注 6]。ほかに本作の劇場公開に合わせて『2大マシンダーの激突!!グレートマジンガーVSゲッターロボG』のタイトルで発売された混成盤(30cmLP)[16][注 7]にも収録されている。[17]
挿入歌「勇者はマジンガー」
- 作詞 - 小池一雄 / 作曲・編曲 - 渡辺宙明 / 歌 - 水木一郎、コロムビアゆりかご会
- グレートブースターによる円盤撃破シーンに使用。
同時上映[編集]
作品名 | 原作 | (声の)出演 | 備考 |
---|---|---|---|
ちびっ子レミと名犬カピより 家なき子 | エクトール・アンリ・マロ | 朝井ゆかり、フランキー堺、市原悦子 | [18] |
宇宙円盤大戦争 | 永井豪 | ささきいさお、小原乃梨子、内海賢二、松島みのり、久松保夫 | 劇場用新作 |
野生のエルザ | ジョイ・アダムソン | ヴァージニア・マッケンブ、ビル・トラバース | [19] |
秘密戦隊ゴレンジャー | 石ノ森章太郎 | 誠直也、宮内洋、畠山麦、小牧りさ、伊藤幸雄 | |
がんばれ!!ロボコン ゆかいな仲間 | 山本圭子、野田圭一、島田歌穂、大野しげひさ、加藤みどり | ||
仮面ライダーストロンガー | 荒木茂、岡田京子、小林昭二 |
映像ソフト[編集]
- 1986年12月12日に東映ビデオから『劇場版マジンガーシリーズ 3』として『宇宙円盤大戦争』『UFOロボ グレンダイザー対グレートマジンガー』とのセットでVHSにて発売された。
- 1992年7月25日に東映ビデオから『劇場版グレートマジンガーシリーズ』として『グレートマジンガー対ゲッターロボ』とカップリングでレーザーディスクが発売される。
- 2002年5月21日に東映ビデオから『マジンガーZ対デビルマン』から『グレンダイザー ゲッターロボG グレートマジンガー 決戦! 大海獣』までを一括収録したDVD-BOX『マジンガー the MOVIE 永井豪スーパーロボットBOX』が発売された[20]。
- 2003年5月21日に同じく東映ビデオから発売されたDVD『マジンガー the MOVIE 2』に『グレートマジンガー対ゲッターロボ』『UFOロボ グレンダイザー対グレートマジンガー』『グレンダイザー ゲッターロボG グレートマジンガー 決戦! 大海獣』3作とのセットで収録された。
- 2012年10月21日発売のブルーレイ『マジンガー THE MOVIE Blu-ray 1973〜1976』に収録。(新たに疑似5.1ch化した音声を併録。)
- 2013年12月6日発売のブルーレイ『マジンガー THE MOVIE vol.2』に『宇宙円盤大戦争』『UFOロボ グレンダイザー対グレートマジンガー』『グレンダイザー ゲッターロボG グレートマジンガー 決戦! 大海獣』と併せて収録。(これは『マジンガー THE MOVIE Blu-ray 1973〜1976』のBOXからDISC2を単巻でプライスダウン発売したもの[21]。)
コミカライズ[編集]
石川賢による執筆で講談社テレビマガジン1975年8月号増刊「人気まんが7大ヒーロー大行進ジャンボ号」に「グレート・マジンガー対ゲッターロボG 空中大激突!」[注 8]のタイトルで掲載、当時は秋田書店刊サンデーコミックス『ゲッターロボG』第2巻[22]に「グレートマジンガー対ゲッターロボ」[注 9]のタイトルで収録された。後に大都社刊St COMICS『ゲッターロボ大決戦』[23]に「グレート対ゲッターG・空中大撃突(“撃”の誤字は原文ママ[注 10])」のタイトルで復刻・再録されている。
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ なお本作品においては、石川賢の執筆による週刊少年サンデーと月刊冒険王の連載漫画ならびにTVアニメの『ゲッターロボG』と同じく、「ゲッターロボG」の名称は作品タイトル(と予告)以外では使用されておらず、劇中での呼称は「ゲッターロボ」もしくは「新ゲッターロボ」である(パンフレットには機体名を「ゲッターロボG」とする記述がある[3])。これは石川賢の執筆による本映画のコミカライズ版でも同様。ただし当時の各学年誌・雑誌などの記事では(映像作品では後年の映画『決戦! 大海獣』でのみ)「ゲッターロボG」あるいは「ゲッターG」と呼ばれている。
- ^ 厳密にはその前の『マジンガーZ対ドクターヘル』(TV版第57話ブローアップ版)以来。
- ^ この後『決戦! 大海獣』でビューナスとボロットが再登場するが、シローは本作を以て映画から退くため、ジュニアは登場せずじまいに終わった。
- ^ 本作ではゲッタートマホークのことをこう呼んでいるが、TVシリーズ『ゲッターロボG』におけるダブルトマホークとはゲッタートマホークの二刀流(二本使い)のことを指す(TVシリーズ第2、10話ほかと第7、9、17話などとを比較参照のこと)。
- ^ 剣鉄也の「やつら」とのセリフなど、既知の敵として対処されている。
- ^ B面は前作の主題歌・副主題歌である『ゲッターロボ!』『合体ゲッターロボ』のSE入り版。TVアニメ『ゲッターロボG』は通常の主題歌レコードのスタイルでのシングルは発売されていない。
- ^ 収録曲は以下の通り。A面-1.「おれはグレートマジンガー」2.「鉄也のテーマ」3.「ボロット音頭」4.「悪の勇者たち」5.「ぼくらの星 剣鉄也」6.「勇者はマジンガー」B面-1.「ゲッターロボ!」2.「ミチルのテーマ」3.「ぼくらのゲッターロボ」4.「われらのゲッターロボ」5.「不滅のマシンゲッターロボ」
- ^ 漫画のタイトルには、映画と違って中黒(・)と(!)が付く。
- ^ タイトルに中黒(・)無し。
- ^ 扉頁における解説文内でも本映画のタイトルを“大撃突”と表記していることから、意図的な当て字や改題ではなく誤りだと思われる。
出典[編集]
- ^ a b 「東映動画 長編アニメ大全集 下巻」(徳間書店)244頁 1978年
- ^ a b オープニング・クレジットに基づく。
- ^ 『マジンガー the MOVIE 永井豪スーパーロボットBOX』 東映ビデオ株式会社 DSTD02065 2002年5月21日 縮小復刻合本パンフレットP27
- ^ 堤哲哉・著『昭和アニメカードクロニクル』辰巳出版、2021年3月5日、ISBN 978-4-7778-2725-1、129頁。
- ^ a b c 徳間書店月刊『テレビランド』1975年8月号、68-69頁「グレートマジンガー対ゲッターロボG 宇宙からの侵略者3大怪獣全図解」。
- ^ a b c 『マジンガーシリーズ 40周年記念公式図録 狂機乱武-機械獣/妖機械獣・戦闘獣・円盤獣/ベガ獣の世界-』発行元:グラウドメディア、発売元:大洋図書、2013年5月31日、ISBN 978-4-8130-2218-3、146頁。
- ^ 堤哲哉・著『昭和アニメカードクロニクル』辰巳出版、2021年3月5日、ISBN 978-4-7778-2725-1、121、123頁。
- ^ 堤哲哉・著『昭和アニメカードクロニクル』辰巳出版、2021年3月5日、ISBN 978-4-7778-2725-1、123、124、126頁。
- ^ 堤哲哉・著『昭和アニメカードクロニクル』辰巳出版、2021年3月5日、ISBN 978-4-7778-2725-1、122頁。
- ^ 『魔神全書 MAZINGER BIBLE』双葉社、2002年1月25日、ISBN 4-575-29324-5、368頁。
- ^ 不知火プロ編『ゲッターロボ全書』双葉社、2005年6月30日、ISBN 4-575-29808-5、214-215頁。
- ^ a b c 徳間書店月刊『テレビランド』1975年8月号、66-67頁「グレートマジンガー対ゲッターロボG 謎の宇宙船あらわる!!」。
- ^ 赤星政尚、高橋和光、早川優・著『懐かしのTVアニメ99の謎〈東映動画 編〉』二見書房、1995年1月25日、ISBN 4-576-94199-2、242-244頁「幻の対戦、『グレンダイザーVS鋼鉄ジーグ』の企画書を発見!!」。
- ^ 原作・永井豪 / 漫画・越智一裕、e-manga KCDX2125『ダイナミックヒーローズ 1』講談社、2005年12月22日、ISBN 4-06-372125-6、138、146-148頁。
- ^ CH-11、日本コロムビア、1975年6月発行。
- ^ CW-7023、日本コロムビア、1975年7月発行。
- ^ 『ゲッターロボG DVD-BOX』 東映ビデオ株式会社 DSTD02235 2003年11月21日 ブックレットP39
- ^ 1970年3月17日に公開された『ちびっ子レミと名犬カピ』の改題短縮リバイバル版。
- ^ 1966年公開のイギリス映画のダイジェスト。
- ^ 「DVD & VIDEO Selection」『宇宙船』Vol.100(2002年5月号)、朝日ソノラマ、2002年5月1日、102頁、雑誌コード:01843-05。
- ^ <東映まんがまつり>公開の「マジンガーZ」関連劇場版を収めた単巻Blu-ray2タイトルが同日発売
- ^ 原作・永井豪/石川賢、絵・石川賢、秋田書店刊サンデーコミックスSC-305『ゲッターロボG』第2巻、ISBNコードなし、1976年2月15日発行。
- ^ 永井豪/石川賢/桜多吾作・著、大都社刊St COMICS『ゲッターロボ大決戦』ISBN4-88653-102-4、1998年2月5日発行。