仮面ライダーV3対デストロン怪人

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仮面ライダーV3対デストロン怪人
Masked Rider Vs. Destron
監督 山田稔
脚本 伊上勝
原作 石森章太郎
ナレーター 中江真司
出演者 宮内洋
藤岡弘
佐々木剛
小林昭二
千波丈太郎
納谷悟朗
音楽 菊池俊輔
主題歌 斗え!! 仮面ライダーV3」(宮内洋、ザ・スウィンガーズ)
撮影 川崎龍治
編集 菅野順吉
製作会社 東映
配給 東映
公開 日本の旗 1973年7月18日
上映時間 32分
製作国 日本の旗 日本
前作 仮面ライダーV3
次作 仮面ライダーX
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ロケに使われた「ホテル奥道後」
「高知城」の天守閣

仮面ライダーV3対デストロン怪人』は、1973年昭和48年)7月18日に「東映まんがまつり」の一編として公開された東映の中編映画作品。

カラー、シネスコ[注釈 1]、上映時間は32分[1]

概要[編集]

日本列島を「変身ブーム」に包んだ『仮面ライダー』の続編『仮面ライダーV3』の劇場オリジナル映画。同年3月の「東映まんがまつり」の春興行では、テレビ本編の第2話「ダブルライダーの遺言状」(1973年2月24日放送)をシネスコサイズにトリミングしたものが上映されたが、劇場用完全オリジナルとしては本作が初となる。併映のアニメ作品『マジンガーZ対デビルマン』を意識してか、決定稿脚本は『V3対ダブルライダー』と題されていた[2][3][4][注釈 2]

公開当時のキャッチコピーは、「ついにきた全面戦争のとき ゆけ! 戦え! 三人の仮面ライダー」。

テレビ本編第2話で退場した仮面ライダー1号・2号が、本編に先駆けて再登場した[5]。素顔では登場していないが、藤岡弘佐々木剛が声を担当している。

ロケ四国を中心に敢行され、「日本高速フェリーK.K」の「さんふらわあ」や「ホテル奥道後」とタイアップし、「奥道後バス」や「くるしまドック」などの関連施設、高知城など四国の名所を織り込んで行われた。当時は仮面ライダー人気が好調で作品知名度も高かったため、白バイでパレードを組まれたこともあった[6]。このロケは同工異曲のストーリーによって、テレビ本編の第20話「デストロン四国占領作戦」や第21話「生きていたダブルライダー」と同時進行で行われたこともあり、ギロチンザウルスやドクバリグモは映画・テレビにまたがって登場する[2][4][7][8]。両怪人とも本来はタイホウバッファロー同様、映画用の新怪人として用意されたが、放送局側との取り決めによりテレビに先行登場する形となった[2][4]。本作での四国タイアップロケは、そっくりそのまま同じ形式で『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年)でも、テレビ本編と劇場版のロケ順路として使われている。

テレビでも散見される火薬による大規模な爆発は、本作でもふんだんに採り入れられている[2][4][5]室戸岬を舞台とした無人島基地の撮影は、地元の網元の孫がV3ファンだった縁もあり、漁業協同組合の許可を得て行われたが[6]、あまりの爆発の勢いに海岸の地形が変わってしまったほどで[9][注釈 3]、担当官庁から叱責を受けたという。また、くるしまドック内での爆発撮影では、近所の民家から通報される騒ぎとなっている[10]。ここまで大掛かりになった理由は、軽トラック一杯に用意された火薬が些細な運転ミスで大爆発事故を引き起こしかねず、持って帰りたくなかったからすべて現地で使ってしまったためだという[6]

最終決戦のロケは、四国ではなく青梅市の採石場で行われた[11][8]。四国ロケに運ばれた怪人のスーツはタイホウバッファロー、ギロチンザウルス、ドクバリグモの3体のみであり[12]、ドクトルG役の千波丈太郎も同行していない。

あらすじ[編集]

原子物理学者・沖田徹夫博士は、四国山脈の山奥で幻の超放射能元素と言われたサタンニウム[注釈 4]を発見した。それは原子爆弾の原料に使われるウラニウムの数百倍の放射能を持つ、特殊な鉱石だった。悪用を恐れた沖田は、東京への帰路でフェリー・さんふらわあからサンプルの鉱石を海に捨てようとするが、それはデストロンの狙うところとなっていた。沖田は鉱石ごと、黒服の男によって和歌山県勝浦沖で拉致されてしまう。

風見志郎と立花藤兵衛は、勝浦沖のデストロン無人島基地に向かって沖田を救出したが、彼は怪人タイホウバッファローに殺されてしまう。

やがて、志郎と藤兵衛は珠純子やシゲルとともにデストロンを追って四国に向かい、そこを舞台に仮面ライダーV3とデストロンの戦いが展開する。さらに、オーストラリアでデストロンと戦っていた仮面ライダー1号・2号が帰国し、V3に加勢する。

登場怪人[編集]

タイホウバッファロー
本作のための新怪人。バッファローと大砲の機械合成怪人。両肩に2門の大砲を備えている[3]。単独で砲撃できるが、最終決戦の際には戦闘員に弾込めをさせていた。「バァ〜フォ〜」と鳴く。
3人ライダーとの戦闘で、自身の攻撃で再生怪人軍団を失い、3人ライダーを体内にある自爆用の爆弾で道連れにしようとするが、ライダーダブルキックとV3キックの連続攻撃を受け、爆死する。
当時の資料にはタイホウバッハローの表記も見られる[15]
のちに付加された設定によると、デストロン在籍時の結城丈二がダム建設の岩石爆破用に開発した改造人間である。結城とタイホウバッファローは映像作品への登場時期が異なるが、特写によるグラビア上で共演している[16][3]
漫画『仮面ライダー11戦記』
ガイストの再生強化怪人として登場[17]
ドクバリグモ
黒服の男(演:中村文弥)に姿を変え、フェリー上で沖田博士を拉致。デストロンの無人島基地に連行した。さらに鉱脈の地図を追って、四国各地を暗躍する。仮面ライダーを狙ったタイホウバッファローの砲撃を浴びて粉々になった。テレビ本編のように腕の注射器を使うシーンはなかった。
ギロチンザウルス
ドクバリグモを援護して、ホテル奥道後の錦晴殿に現れる。
再生怪人軍団
ピッケルシャークとジシャクイノシシが紀伊半島沖のデストロン無人島基地内で志郎を待ち受ける[注釈 5]
クライマックスではジシャクイノシシ、スプレーネズミ、ピッケルシャーク、ミサイルヤモリ、ドリルモグラ、クサリガマテントウ、バーナーコウモリ、レンズアリ、ガマボイラー(名乗り順)の9体が登場[注釈 6]。3人の仮面ライダーと戦った。タイホウバッファローの砲撃の巻き添えを食らって全滅した。
クサリガマテントウの鎖鎌以外、装備武器が使用されることはなかった。
レンズアリは格闘場面で、右手のパーツが勢い余って飛んでいくアクシデントがそのまま写っている。

スタッフ[編集]

※ 映画クレジット順

主題歌[編集]

斗え! 仮面ライダーV3
作詞:石森章太郎 / 作・編曲:菊池俊輔 / 歌:宮内洋、ザ・スウィンガーズ
「V3のマーチ」[注釈 7]
作詞:伊上勝、丘灯至夫 / 作・編曲:菊池俊輔 / 歌:水木一郎コロムビアゆりかご会

キャスト[編集]

※ 映画クレジット順

映像ソフト化 [編集]

いずれも東映ビデオより発売。

  • VHS(セル、レンタル)共通。2000年6月21日にVHSが発売された[18]
  • LD(セルのみ)
  • DVD:「仮面ライダー THE MOVIE BOX 1972-1988」(2003年12月5日発売)、単巻.VOL.2(2006年3月21日発売)、「復刻! 東映まんがまつり 1973夏」(2011年10月21日発売)
  • BD:「仮面ライダー THE MOVIE Blu-ray BOX 1972-1988」(2011年5月21日発売)に収録。

併映作品[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 35mmフィルムの上下を省いた簡便な「擬似シネスコ」である。
  2. ^ 書籍『仮面ライダー映画大全集』では、『マジンガーZ対デビルマン』のタイトルは前2作品『仮面ライダー対ショッカー』『仮面ライダー対じごく大使』を意識したものと推測している[4]
  3. ^ 助監督の長石多可男は、音と衝撃波が凄まじいものであったことを証言している[9]
  4. ^ 資料によっては「サタンニュウム」と表記されている[13][14]
  5. ^ 脚本ではハサミジャガーとナイフアルマジロだった[8]
  6. ^ 脚本では「カメバズーカ以下の怪人軍団」と記述している[8]
  7. ^ エンディングでは「少年仮面ライダー隊の歌」と誤表記。

出典[編集]

  1. ^ DVD「復刻!東映まんがまつり」特集 仮面ライダーV3対デストロン怪人 - 東映ビデオ
  2. ^ a b c d 大全集 1986, pp. 224-225, 「仮面ライダー劇場用作品製作メモ」
  3. ^ a b c d 怪人大全集 1986, p. 136, 「仮面ライダー劇場用怪人大全」
  4. ^ a b c d e 映画大全集 1993, p. 132, 「仮面ライダー劇場用映画作品研究」
  5. ^ a b & 仮面ライダー1971-1984 2014, p. 403, 「COLUMN 映画の世界に進出したライダー オリジナル劇場用作品初期4作」
  6. ^ a b c 村枝賢一、鶯谷五郎『魂の仮面ライダー爆談!! [COMPLETE+]』辰巳出版、2011年4月、p.98。ISBN 978-4-7778-0905-9
  7. ^ 宇宙船SPECIAL 1998, p. 48.
  8. ^ a b c d OFM10 2004, pp. 23-29, 「特集 よみがえる怪人たち ショッカーからバダンまで 再生怪人軍団の系譜」
  9. ^ a b 怪人大全集 1986, p. 218, 「仮面ライダーSTAFF CAST SPONSORインタビュー STAFF編」
  10. ^ 『仮面ライダーSPIRITS 受け継がれる魂II』(講談社)[要ページ番号]
  11. ^ 宇宙船SPECIAL 1998, p. 49.
  12. ^ 怪人大全集 1986, p. 184, 「仮面ライダー怪人再登場作品一覧」.
  13. ^ 大全集 1986, p. 121, 「仮面ライダーV3対デストロン怪人」.
  14. ^ DVD「復刻!東映まんがまつり」特集[要文献特定詳細情報]
  15. ^ 『カラー図鑑 7人ライダー [復刻版]』秋田書店、2012年9月、p.128。ISBN 978-4-8354-4883-1
  16. ^ 『テレビマガジン』1974年2月号、pp.26 - 27
  17. ^ 『仮面ライダー11戦記 時空英雄仮面ライダー 宇宙の11仮面ライダー銀河大戦』(ISBN4-8130-1078-4)のP17からP34より。
  18. ^ 「2000TV・映画 特撮DVD・LD・ビデオ&CD」『宇宙船YEAR BOOK 2001』 朝日ソノラマ宇宙船別冊〉、2001年4月30日、67頁。雑誌コード:01844-04。

参考文献[編集]

  • 大全集シリーズ(講談社
    • 『創刊15周年記念 テレビマガジン特別編集 仮面ライダー大全集』 講談社、1986年5月3日ISBN 4-06-178401-3
    • 『創刊15周年記念 テレビマガジン特別編集 仮面ライダー怪人大全集』 講談社、1986年10月10日ISBN 4-06-178402-1
    • 『テレビマガジン特別編集 劇場版シリーズ第10作「仮面ライダーZO」公開記念 仮面ライダー映画大全集』 講談社、1993年6月10日ISBN 4-06-178415-3
  • 宇宙船SPECIAL ’70年代特撮ヒーロー全集』 監修 金田益実、朝日ソノラマ1998年5月30日ISBN 4-257-03533-1
  • 『KODANSHA Official File Magazine 仮面ライダー Vol.10 仮面ライダーZX』 講談社、2004年10月25日ISBN 4-06-367093-7
  • 『仮面ライダー1971-1984 秘蔵写真と初公開資料で蘇る昭和ライダー10人』 講談社 編、講談社、2014年11月20日ISBN 978-4-06-218566-0

関連項目[編集]