三菱UFJフィナンシャル・グループ

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株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ
Mitsubishi UFJ Financial Group, Inc.
本社
種類 株式会社
機関設計 指名委員会等設置会社[1]
市場情報
東証プライム 8306
2001年4月1日上場
名証プレミア 8306
2005年10月1日上場
略称 MUFG、三菱UFJ
本社所在地 日本の旗 日本
100-8330
東京都千代田区丸の内二丁目7番1号
北緯35度40分43.8秒 東経139度45分50.87秒 / 北緯35.678833度 東経139.7641306度 / 35.678833; 139.7641306座標: 北緯35度40分43.8秒 東経139度45分50.87秒 / 北緯35.678833度 東経139.7641306度 / 35.678833; 139.7641306
設立 2001年平成13年)4月2日
(株式会社三菱東京フィナンシャル・グループ
業種 銀行業
法人番号 4010001073486 ウィキデータを編集
事業内容 傘下子会社およびグループの経営管理、ならびにそれに付帯する業務
代表者 亀澤宏規(取締役兼代表執行役社長兼グループCEO
米花哲也(代表執行役専務)
林尚見(代表執行役専務)
宮田敦(代表執行役専務)
宮下裕(代表執行役常務)
資本金 2兆1415億1300万円
発行済株式総数 136億6777万520株
売上高 連結:6兆253億36百万円
(2021年3月期)
営業利益 連結:1兆2484億23百万円
(2021年3月期)[注 1]
経常利益 連結:1兆536億10百万円
(2021年3月期)
純利益 連結:7770億18百万円
(2021年3月期)
純資産 連結:17兆7162億57百万円
(2021年3月期)
総資産 連結:359兆4735億15百万円
(2021年3月期)
従業員数 連結:135,049人
決算期 3月31日
会計監査人 有限責任監査法人トーマツ[2]
主要株主 日本マスタートラスト信託銀行(信託口):6.21%
日本カストディ銀行(信託口):5.30%
SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT(常任代理人 香港上海銀行東京支店):2.66%
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口5):2.09%
日本カストディ銀行(信託口9):1.81%
(2019年9月30日現在)[3]
主要子会社 #主なグループ企業参照
関係する人物 岩崎弥太郎
土佐藩の下級藩士として明治維新の際の戊辰戦争後に三菱財閥を創設)
鴻池善右衛門
(前身の両替商を1656年創業)
外部リンク https://www.mufg.jp/
特記事項:数値は、2019年3月期有価証券報告書による[4]
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株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(みつびしユーエフジェイフィナンシャル・グループ、: Mitsubishi UFJ Financial Group, Inc.)は、メガバンク三菱UFJ銀行などを傘下に置く三菱グループ金融持株会社東証プライム市場およびニューヨーク証券取引所(NYSE)上場企業である。略称はMUFGで、上場銘柄としての略称は「三菱UFJ」を用いている。日経平均株価およびTOPIX Core30JPX日経インデックス400の構成銘柄の一つ[5][6][7]

概要

三菱グループの三菱東京フィナンシャル・グループ(MTFG)とUFJグループUFJホールディングス[注 2](UFJHD)が2005年10月1日合併して誕生した。資産規模は約190兆円で、世界最大級の金融グループである。

現在、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は三菱UFJ銀行三菱UFJ信託銀行三菱UFJ証券ホールディングス三菱HCキャピタル三菱UFJニコスなど主要中核5社を中心とした「総合金融グループ」である。

三菱UFJ銀行の前身の旧三菱銀行・旧三和銀行・旧東海銀行はそれぞれ首都圏京阪神中京圏三大都市圏を地盤としている。外国為替専門銀行であった旧東京銀行の流れを汲み、国際業務でも優位性をもつ。また国外にアメリカの地銀ユニオン・バンクを子会社としているほか、モルガン・スタンレーの筆頭株主である。またタイアユタヤ銀行を傘下に置いており、海外進出に積極的なのも特徴である。

2015年3月期決算では、国内銀行グループにおいて初の純利益が1兆円を超えた[8][9]。また同6月25日付で委員会設置会社に移行した[10]

コーポレートカラーは「MUFGレッド」。グループスローガンは「世界が進むチカラになる。」である。

発足の経緯

三菱東京フィナンシャル・グループ(以下「MTFG」)とUFJホールディングス(以下「UFJHD」)が合併およびグループ経営統合に至った背景は、UFJ側、特にUFJ銀行の不良債権が膨張し、健全な経営姿勢が困難になったことが挙げられる。そこでUFJHDは、傘下のUFJ信託銀行株式会社を一旦2004年6月に住友信託銀行株式会社(以下「住信」)に売却する方針を発表したが、2004年7月にUFJHDは一転してMTFGとの経営統合の方針を明らかにした。これに対し、住信は東京地方裁判所にMTFGとUFJHDの統合を禁止する仮処分の申請を行った。2004年7月27日、東京地方裁判所は住信の申請を認めたものの(UFJHDが申し立てた異議も8月4日却下)、8月11日、東京高等裁判所はUFJHDの抗告を認め住信の申請を退けた。これにより翌12日、経営統合に関する基本合意を発表した。住信は8月11日に特別抗告を行ったが8月30日最高裁判所は東京高等裁判所の決定は妥当としてこの申請を退ける決定がなされた。住信はUFJHDへの損害賠償請求に切り替えて控訴したが、2006年11月21日に東京高等裁判所の提案による住信に対して25億円の和解金を支払うことで和解が成立した。

2005年2月18日に正式に2005年10月1日付での合併が決定し、グループの名称を「三菱UFJフィナンシャル・グループ」とすること、合併に際しUFJHD1株に対しMTFG0.62株を割り当てることが発表された。グループ企業も、一部を除いて旧MTFG側を吸収合併存続会社とし持株会社と同一期日に合併する方針が採られたが、普通銀行の東京三菱銀行とUFJ銀行については合併に伴う大規模なシステム障害を懸念する金融庁の勧告を受けて、ネット証券のMeネット証券カブドットコム証券の合併についてはカブドットコム証券が株式を上場したばかりで対処が遅れたため、共に2006年1月1日に変更された。リースとカード・信販はそれぞれ2007年4月1日に合併し[注 3]消費者金融であるモビットの改編も進められた[11]

歴代社長

氏名 在任期間 出身校
1 畔柳信雄 2005年10月 - 2010年4月 東京大学経済学部
2 永易克典 2010年4月 - 2013年4月 東京大学法学部
慶應義塾大学大学院経営管理研究科
3 平野信行 2013年4月 - 2019年4月 京都大学法学部
4 三毛兼承 2019年4月 - 2020年4月 慶應義塾大学経済学部
ペンシルベニア大学ウォートン校
5 亀澤宏規 2020年4月 - 現職 東京大学大学院理学系研究科

主なグループ企業

親密銀行

かつての親密企業

主要大口取引先

出資等

2008年10月13日モルガン・スタンレーに90億ドル(当時の日本円で約9000億円)の出資をし発行済み株式の21%を取得した。9月29日普通株で30億ドル、優先株で60億ドルを出資することで一旦合意をしたが、10月10日にモルガン・スタンレーの株価が急落し、当初の合意通りではMUFG側に多額の損失が生じる可能性があったため、再検討の結果全額優先株となった[16]

その後モルガン・スタンレー側が段階的に公募増資を発表したため、それに応じる形で優先株の一部償還・普通株の取得を行っているが[17][18][19]、引き続き議決権[注 4]の20%超を維持し続けている。また三菱UFJ証券とモルガン・スタンレー証券(日本法人)の統合[20]、モルガン・スタンレーへの取締役の派遣[21]など、徐々に具体的な協業体制の構築が始まりつつある。

ブランディング



MUFG Red MUFG Grey[22]
MUFGシンボルマークとMUFGグローバルロゴタイプ

ブランディング日本デザインセンター永井一正が手がけた[23]。シンボルマークは円形を重ね合わせることで、「グループの総力を結集して生み出す新しい総合金融サービス」と「お客さまと一体感のある親しみやすいサービス」を表している[22]

シンボルマークにも使用されている三菱UFJフィナンシャル・グループのコーポレートカラーは「MUFGレッド」で、「常に最高レベルのサービスを追求し、これからの金融サービスをダイナミックに変えていく活力と、お客さまとの結びつきを大切に、お客さま一人ひとりに向き合っていく情熱」を表している[22]。また「MUFGグローバルロゴタイプ」に使用している「MUFGグレー」は、「真に頼りがいのある総合金融グループとしての信頼感」を表している[22]

永井によれば、MUFG発足時に電通ランドーアソシエイツ[注 5]博報堂のコンペから博報堂が採用され、博報堂が永井とアイヴァン・チャマイエフの2人にデザイン案を出させた。永井とチャマイエフは6案ずつ、計12のデザインを提案したが、三菱UFJフィナンシャル・グループ初代社長の畔柳信雄が即決で永井が提案した現行案[注 6]にしたという[24]

2015年にロゴマークが微修正され、「MUFG」ロゴのフォントが「MTFG」のロゴに近いものになった。

脚注

注釈

  1. ^ 業務純益としての公表。
  2. ^ 登記上は「株式会社ユーエフジェイホールディングス」。
  3. ^ ただし、旧東京銀行系の東銀リース東京クレジットサービスは2015年2月現在でも統合されずに存続している。
  4. ^ 潜在的なものを含む。
  5. ^ UFJグループのロゴデザインなどを手掛けた。
  6. ^ 三菱の赤しか入っておらず、UFJの臙脂が使用されていない[24]

出典

  1. ^ コーポレートガバナンス方針 - 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ
  2. ^ コーポレートガバナンス報告書 (PDF) 三菱UFJフィナンシャル・グループ 2021年11月12日
  3. ^ 株式の状況 - 三菱UFJフィナンシャル・グループ(2020年2月閲覧)
  4. ^ 2019年3月期有価証券報告書 (PDF) - 三菱UFJフィナンシャル・グループ
  5. ^ 構成銘柄一覧:日経平均株価 Nikkei Inc. 2021年10月8日閲覧。
  6. ^ 「TOPIXニューインデックスシリーズ」の定期選定結果及び構成銘柄一覧 (PDF) jpx.co.jp 2020年10月7日公表 2021年10月8日閲覧。
  7. ^ JPX日経400・JPX日経中小型 jpx.co.jp 2021年10月8日閲覧。
  8. ^ “三菱UFJ、邦銀初の純利益1兆円超 3月期決算見通し”. 朝日新聞. (2015年4月28日). オリジナルの2015年7月26日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150726003354/http://www.asahi.com/articles/ASH4X33S4H4XULFA008.html 
  9. ^ “大手銀、純利益が3・4%減 三菱UFJは初の1兆円超”. 共同通信. (2015年5月15日). オリジナルの2015年5月18日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150518022237/http://www.47news.jp/CN/201505/CN2015051501002006.html 2015年6月26日閲覧。 
  10. ^ “三菱UFJ、委員会設置会社に移行 チーフオフィサー制も導入”. 日本経済新聞. (2015年6月25日). https://www.nikkei.com/article/DGXLASGC24H0J_V20C15A6EAF000/ 2015年6月26日閲覧。 
  11. ^ “モビット事業、分割合意を発表 三菱UFJ・三井住友”. 日本経済新聞. (2012年9月27日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASGC2700W_X20C12A9EE8000/ 2015年6月26日閲覧。 
  12. ^ カブドットコム証券株式会社の資本異動について, カブドットコム証券プレスリリース(2015年2月25日), 2016年1月6日閲覧
  13. ^ MORGAN STANLEY MSニューヨーク証券取引所 2019年2月2日確認)
  14. ^ 三菱UFJとMスタンレー提携、大型案件で実結ぶ(ウォール・ストリート・ジャーナル 2019年1月6日08:49配信) 配信日に確認
  15. ^ 2018年3月期 有価証券報告書 (PDF)  20頁~21頁(三菱UFJフィナンシャル・グループ 2018年6月公表)2019年2月1日確認
  16. ^ 三菱UFJフィナンシャル・グループによるモルガン・スタンレーへの出資実行について -グローバル・アライアンス戦略の展開を目指して- (PDF) , 三菱UFJフィナンシャル・グループ プレスリリース(2008年10月13日), 2008年10月13日閲覧
  17. ^ モルガン・スタンレーの普通株式の取得と非転換型優先株式の一部償還について(2009年5月11日)
  18. ^ モルガン・スタンレーによる公募増資の増額修正への対応について(2009年5月13日)
  19. ^ モルガン・スタンレーの普通株式の取得について(2009年6月3日)
  20. ^ 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループとモルガン・スタンレーの日本における証券会社の統合について(2009年3月26日)
  21. ^ モルガン・スタンレーへの取締役派遣について(2009年3月11日)
  22. ^ a b c d MUFG Way(三菱UFJフィナンシャル・グループ)
  23. ^ 三菱UFJグループ CIデザイン日本デザインセンター
  24. ^ a b 三菱東京UFJのロゴマーク 三菱の意向が色濃く反映されているNEWSポストセブン 2014年6月17日 2021年8月20日閲覧)

関連項目

外部リンク