裸の大将放浪記
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裸の大将放浪記(はだかのたいしょうほうろうき)は、画家の山下清をモデルに描いた人情テレビドラマ。
目次 |
[編集] 概要
1980年から1997年にかけて制作:東阪企画・関西テレビ、フジテレビ系列の「花王名人劇場」→「花王ファミリースペシャル」のシリーズとして放映された。芦屋雁之助主演で彼の代表作となった。名人劇場の後期~ファミリーSPの時代はタイトルから「放浪記」が削られ単に『裸の大将』として放送されたこともあった。作品は『裸の大将放浪記』との題名だった前期(1980年~1983年)と、『裸の大将』のみになった後期(1984年~1997年)に大きくわけられる。
2007年9月1日、「土曜プレミアム」枠でお笑いコンビ・ドランクドラゴンの塚地武雅が山下清役で10年ぶりに復活。『裸の大将~放浪の虫が動き出したので~』として放送された(ビデオリサーチ社が調査した関東地区の平均視聴率は、18.4%)。シリーズ化は未定だが、視野には入れているとのこと。(2008年5月24日に第2弾の放送が予定されている)10年前と違い、制作担当(配信)局は関西テレビからフジテレビに変更され(発掘!あるある大事典IIの捏造事件の絡みで)、映像はハイビジョン制作、音声はステレオ放送、字幕放送・番組連動データ放送(地上波デジタル放送のみ)が実施された(字幕放送とデータ放送は「土曜プレミアム」の枠そのものが対応している)。10年前と同様なのは、著作が東阪企画であることと、主題歌も前作と同じくダ・カーポの「野に咲く花のように」を使用すること、劇中音楽も小林亜星が引き続き担当することである。
注意:以降の記述で物語に関する核心部分が明かされています。
[編集] あらすじ
八幡学園の生徒・清があてのない放浪の旅に出て、各地のいがみ合う人たちの人情を呼び覚ましみんな仲良く納まり大団円となる。また、清は線路を伝って移動することが多い。
第1回目は清がまだ無名のまま放浪を続ける「戦時中」から描かれ、終戦を経て「放浪の天才画家」として有名になるまでが描かれた。また、清は旅の最後にその街の風景の貼り絵を仕上げ、その絵と名前によって彼が放浪の画家「山下清画伯」であるという肩書きが露見して皆がちやほやしだすとこっそりと街から姿を消し、次なる旅に出てしまう。ほぼ毎回このようなあらすじであったがマンネリ化は否めず、1990年代に入ると清が幽霊や、宇宙人と会うという奇想天外なストーリー、盲導犬をテーマとしたストーリーも制作された。
[編集] 前期と後期および21世紀版との違い
前述のように本作は前期と後期に分けられている。これは主演の芦屋雁之助が「50になって裸になるのはしんどい」と言って降板を申し入れたのを機に、1983年の13回目で一旦終了しストーリー上でも清が亡くなるところで前期が終了。
しかし、視聴者の熱い要望で翌1984年に復活。13回目で死亡した前期とはストーリーは完全に区切り、後期の初回ではすでに清が天才画家として有名になったところから始まる。1997年まで放送され、その最終回は放浪癖をやめて、八幡学園に戻ったところで終わっている。また、同作に登場する「八幡学園(やわたがくえん)」は、現在も実在する(同名称の児童福祉(養護)施設は複数あるが山下清が実際に行ったのは千葉県市川市に所在する施設[1])ことを配慮してか、21世紀版では母校の設定が「市幡学園」(架空の学校)に変更されている。
[編集] ドラマと実在の山下清との相違
このドラマはあくまでも山下清という実在の人物をモデルにし、ドラマティックな展開を考慮した上で脚色されたものであり、ドラマ化に際し、実在の山下とは異なるオリジナルの設定がある。例えば、ドラマでは毎回山下が旅先で貼り絵を作成することが決まり事になっているが、実際の山下は放浪する際、画材道具やスケッチブックは持参しておらず、八幡学園に帰ってきた時に、旅して見てきた風景を思い出して描いていた。また、その貼り絵も自発的に作成するのではなく、施設の先生に促されてからしか作業しなかったと言う。
[編集] 清のいでたち
清は「ルンペン」として扱われ、短く刈り込んだ坊主頭にランニングシャツに半ズボン、リュックに傘、スケッチブックを抱えているといういでたちである。冬には袢天を着ることもある。
八幡学園に連れ戻されたシーンでは、スーツにベレー帽といった服を着せられていっぱしの画家のいでたちにさせられて管理されていることを暗示している。
[編集] 食事
清はおむすびが好物で、たずね行く街で「お母さんに死ぬ間際に『おなかがすいたら出会った人たちからおむすびをもらって食べるように』言われた」といって人々から施しを受ける。しかしこれは方便であり、ドラマまたは史実も含め、清の母は清の死後に亡くなっており、清の最期も看取っている。
また清を演じた芦屋雁之助は、晩年は糖尿病のため食事制限が必要だったが、ドラマの清役のイメージが強かったため、ファンからおむすびの差し入れが多くあった。ファンに気を使って目の前で無理をして食べてみせることもあったという。
細かいところではあるが、21世紀版は「おむすび」では無く「おにぎり」に変更されている。
[編集] みどころ
画家・山下清を原作テーマにしているだけに、清の街々で仕上げる『貼り絵』(あるいは、ちぎり絵)作品も山下作品に遜色のないように設定されていて見所である(花火のある夜景など)。
ちなみに貼り絵は筆記具や塗料で仕上げる水彩画や油絵と違い道具が多く必要であり工程も多いことから山下自身は実際には放浪先で絵を仕上げることはほとんど無かったとされる。つまり記憶を頼りに作品を仕上げたのである。
[編集] ロケ
日本各地でロケーションを行い、それぞれゲスト俳優が登場しストーリーが展開される。また、その土地土地で地元の住民が、エキストラという形で出演している。ただ関西制作バラエティ番組のドラマシリーズという性質上、制作予算の都合から山下が放浪していた時代を完全に再現することは難しく、町を行く自動車で当時存在し得ない車種・年式の車両が登場したり(テレビもまたリモコンを用いる撮影当時の最新式が置いてあったシーンもある)、メインのゲスト俳優たちが昭和30~40年代のいでたちであるのにエキストラである町の人々は現代の服装(=住民たちが着てきた服そのまま)だったり、当時は国鉄だったのに列車の車体に"JR"のマークが付いていたりというちぐはぐなシーンが多々見られた。
作中には清が蒸気機関車から追われるシーンが多々あった。そのため前期は蒸気機関車を多く動態保存している大井川鐵道でロケが多く行われた。
[編集] 登場人物
[編集] 20世紀版
- 清(山下清):芦屋雁之助
- 米川ヨメ子(八幡学園の女生徒):高見知佳
- 前期に登場。八幡学園の卒業生であり職員。清に想いを寄せていて清のお嫁になると公言して、ヨメ子という名を聞き間違えられてお嫁さんだと町の人に誤解される。前期の終盤では、透け透けの水着を着用し、視聴者の男性を釘付けにしたことがある。最後は白血病で倒れ、清らに看取られて息を引き取る。前期最終話ラストシーンで死去した清と雲の上で再会し、いっしょにおむすびを食べる。
- 園長先生:森繁久彌
- ヨメ子を伴い清を連れ戻しにやってくる。清に逃げおおせられる場合と、清を無事連れ戻す場合がある(前編・後編の両方に登場している数少ないキャラクター)。
- 馬宮先生:山本學
- 前期第1話で登場した八幡学園の主任。清が挙動不審でお巡りさんに捕まった時に清を連れて帰り、清に貼り絵を教える。その後、病気で倒れ、清と母に看取られ清に「お前は裸の大将だ」と言い残して息を引き取った。
このときに清は「先生がお巡りさんから僕を守ってくれた。今度は僕が死神から先生を守るんだ」という趣旨の発言をして「死」の影から先生を身を挺して守ろうとしていた。
- 前期第1話で登場した八幡学園の主任。清が挙動不審でお巡りさんに捕まった時に清を連れて帰り、清に貼り絵を教える。その後、病気で倒れ、清と母に看取られ清に「お前は裸の大将だ」と言い残して息を引き取った。
- お巡りさん
- 清の天敵。必ず清を怪しいルンペンと見咎めて職務質問しようとするが、大抵は逃げられる。度々追いかけられるため、清は一度も悪事を働いたこともないのにお巡りさんを恐れている。また、八幡学園に連絡されて放浪の旅が終わるのを本能的に恐れているともいえる。
- 山下絹(清の母):日高澄子、大路三千緒、千石規子など
- 清の母。ヨメ子と一緒に清を連れ戻しに行ったこともあった。清が旅先で施しを乞う際「お母さんは死んだ」と必ず言うが、情で訴えるための清の作り話で、ドラマ上でも史実でも清が逝去するまで母は存命している。前期と後期とでは役者が異なっている。
- 詐欺師・一平:横山やすし
- ニセモノの宝石を売ったりしながら全国をまわっている。清のことをニセモノと思っており、清を利用して悪事をはたらく。後期に出演。また横山やすしは前期にも違う役で出演していた。同じような役柄で由利徹も何話か出演していた。
- 大場先生:中条静夫
- 後期に出演。日本の有名な教授であり、あらゆる名所に出かける際に清に同行を勧める。精神病理学者・式場隆三郎がモデルである。
[編集] 21世紀版
- 山下清:塚地武雅
- 米山ヨメ子:水川あさみ
- 園長先生:津川雅彦
- みどり先生:久本雅美
- お巡りさん:生瀬勝久
- 泥棒:温水洋一
- 詐欺師:森本レオ
- ヨメ子の母:萬田久子
- 樽井(旅館の番頭):鈴木拓
- 新橋寿々(旅芸人の娘):美山加恋
- 旅館の客:藤村俊二
- 川島なお美
- 六平直政
- 猫ひろし
ほか
[編集] 主なゲスト出演者
- 芦屋小雁
- 原田美枝子(第1回目のヒロイン)
- 山田五十鈴
- 浅野ゆう子
- 山本陽子
- 岸部一徳
- 早見優
- 明石家さんま
- 本木雅弘
- 大場久美子
- 渡辺裕之
- 西村晃
- 藤岡琢也
- 加賀まりこ
- 内藤武敏
- 星野知子
- ケーシー高峰
- 津川雅彦(20世紀版・前期には医師役、21世紀版では園長先生役)
- 名古屋章
- 朝丘雪路
- 布川敏和
- 藤田弓子
- 山岡久乃
- 角野卓造
- 竜雷太
- 薬丸裕英
- 日色ともゑ
- 小栗一也
- 柴俊夫
- 藤吉久美子
- 浅田美代子
- 前田吟
- 菅井きん
- 藤原紀香
- 織本順吉
- 原日出子
- 左とん平
- 赤木春恵
- 芳本美代子
- 西岡徳馬
- 竹中直人
- 野川由美子
- 蟹江敬三
- 美保純
- 大和田獏
- 吉川十和子
- 鹿内孝
- 川上麻衣子
- 高橋かおり
- 松村雄基
- 荒井注
- 中江有里
- 中居正広
- 秋野太作
- なべおさみ
- 山口達也
- 井川比佐志
- 綿引勝彦
- 沢田雅美
- かとうれいこ
- デーブ・スペクター
- 細川ふみえ
- 太平サブロー・シロー
- 牧瀬里穂(20世紀版(後期)最終回のヒロイン)
- 小林亜星(おたまじゃくしの大将)
- 木の実ナナ
- 大塚寧々(20世紀版及び21世紀版ともヒロイン)
- 軽部真一(フジテレビアナウンサー 友情出演)
- 東国原英夫(知事本人役で出演。)
- 佐々木六華(UMKテレビ宮崎アナウンサー)
- 赤間瞳(UMKテレビ宮崎アナウンサー)
など
[編集] 主題歌
- 『結婚するって本当ですか』のヒットで有名なデュオ『ダ・カーポ』を起用。
- 作曲は小林亜星。番組内の音楽も担当していた。
- この曲は後に数名のアーティストがカヴァーしており、21世紀版ドラマでは槇原敬之の歌うバージョンが劇中歌として使われた。
[編集] 再放送
この作品は現在でも人気が高く全国各地の放送局で再放送もされている。最近では「ルンペン」が放送禁止用語に当たるとしてこの部分を無音にして放送しているところもある。また、前期の最終回を放送せず後期の放送をすることもある。
[編集] パロディー
このドラマの知名度から、雁之助の演じた清を真似たキャラクターを様々な人物が扮していたり、漫画・ゲーム等に登場している。
- 雁之助はん
- 漫才師の太平シロー(太平サブロー・シロー)がフジテレビ系列のお笑いバラエティー番組『オレたちひょうきん族』の番組内において、ランニングシャツに半ズボン、リュックサックに傘といういでたちで演じる。『雁之助はん』は、セットの影などに潜み明石家さんまに「あら!雁之助はん(そんなところで何をしているのですか?)」と突っ込みを入れられると、狼狽した様子で咳き込み「いや、はや、えらい所で見つかってしもうた!」と言葉を残して去っていくというパロディーキャラクターであった。これがきっかけでサブロー・シローも『裸の大将』に、山下清のニセモノとそのマネージャー役として1回出演している。逆に『オレたちひょうきん族』に芦屋雁之助本人が『雁之助はん』にランニングシャツに半ズボン、リュックサックに傘といういでたちで1回(本物として)出演している。
- たま・石川
- TBS系列の音楽オーディション番組『三宅裕司のいかすバンド天国』(通称:イカ天)から登場して『さよなら人類』などのヒット曲を世に出した「イカ天バンド」の『たま』でパーカッションを担当した石川浩司は清を演じた雁之助に類似した扮装(坊主頭にランニングシャツに半ズボン)をトレードマークにしていた。その風貌にちなみ、TV番組で「山下清」を正解としたクイズのヒントとして引き合いに出されたり、雑誌の企画でコンビニエンスストアで販売されるおにぎりの食べ比べをすることもあった。
- はだかのたいぞう
- 吉本新喜劇のたいぞうが朝日放送クイズバラエティ番組『クイズ!紳助くん』の番組内において『なにわ突撃隊』のロケで『裸の大将放浪記』の山下清は、扮装パロディーのスタンダードの一つになっていった。
- キヨブー
- 任天堂ゲームボーイアドバンスソフト『ワリオランドアドバンス』に敵キャラクター「キヨブー」が登場する。ランニングシャツを着たブタのような風貌で、スケッチブックに敵キャラクターを描いてそれを実体化させる。
- ガンちゃん
- あさりよしとお氏の漫画『宇宙家族カールビンソン』に登場。ガンヘッドと山下清がモデルとなっている。
- ヤポンスキー・小林
- スケッチブックを使ったネタを披露するお笑いコンビ『ヤポンスキー』のボケ担当・小林英彦は、ステージ上では清を演じた雁之助に類似した扮装(坊主頭にランニングシャツに半ズボン)をしている。小林はネタに使うイラストを描いており「画伯」とも呼ばれている。

