仙北郡

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秋田県仙北郡の範囲(緑:美郷町 水色:後に他郡から編入した区域)

仙北郡(せんぼくぐん)は、秋田県出羽国羽後国)の。本項では旧称の山本郡(やまもとぐん)についても述べる。

人口20,322人、面積168.36km²、人口密度121人/km²。(2014年11月1日、推計人口

以下の1を含む。

郡域[編集]

1878年明治11年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記1町のほか、以下の区域にあたる。

歴史[編集]

旧称の山本郡(現在の山本郡とは別)は、『日本三代実録』の870年貞観12年)12月8日条に郡名が初めて見える[1]ことから、平安時代初期に[1]平鹿郡から分離したと推定されている[2]

その後、南隣の平鹿郡、その南の雄勝郡とともに山北三郡と呼ばれ[1]、『吾妻鏡』では仙北山本郡と記され、その後中世を通じて北部を仙北北浦郡、南部を平鹿郡と合わせて仙北中郡と呼ぶこともあった。近世に入り佐竹氏が入部し、寛永4年(1664年)に領内の郡制を整備した際に仙北郡に呼称が統一され、このとき別に中世の檜山郡が新たに山本郡と改称された[1]。このような郡名の混乱の原因は、副川神社(国内最北の式内社)の比定地を政治的な理由により変更した佐竹氏の神社行政にあると見る見解がある。

「仙北」は、古い資料では「山北」「仙福」「仙乏」と表記していることもある。また、岩手県盛岡市内に「仙北町」という地名があるが、これは昔、本郡からの移住者が多かったことに由来する。

近代以降の沿革[編集]

角館町[3]荒川村、上淀川村、中淀川村、下淀川村、小種村、福部羅村、正手沢村、円行寺村、杉山田村、木売沢村、江原田村、金山沢村、強首村、九升田村、大巻村、高城村、北野目村、寺館尻引村、大沢郷宿村、大沢郷寺村、刈和野村、半道寺村、今泉村(現・大仙市土川西今泉)、心像村、稲沢村、小杉山村、三条川原村、峯吉川村、下延村、八割村、雲然村、西長野村、小勝田村、川原村、山谷川崎村、勝楽村、小館村、角館本町村、角館城廻村、田中村、角館東前郷村、熊野林村、国館村、梅沢村、院内村、鎌川村、下宮田村、上宮田村、小淵野村、上荒井村、西荒井村、門屋村、小山田村、西明寺村、下檜木内村、上檜木内村、玉川村、田沢村、生保内村、潟村、刺巻村、卒田村、若松新田村、荒川尻村、沖ノ郷村、野口村、金鐙村、村杉村、大蔵村、黒土村、長野村、館ノ郷村、袴田村、遠藤野新田村、八幡林村、野田村、釣田新田村、下桜田村、桜田村、野中村(現・大仙市)、上花園村、下花園村、上鶯野村、下鶯野村、白岩広久内村、白岩前郷村、白岩堂野口村、椿村、小沼村、八日市村、栗沢村、大神成村、太田村、小神成村、斉内村、柏木田新田村、葛川村、米沢新田村、長楽寺村、谷地乙森村、東長野村、川口村、四ツ屋村、新谷地村、長戸呂村、鑓見内村、簗場新田村、国見村、駒場村、中里村、横沢村、今泉村(現・大仙市太田町東今泉)、永代村、黒沢村、宮内村、今宿村、横堀村、元本堂村、本堂城廻村、羽見内村、板見内村、福田村、堀見内村、戸地谷村、北楢岡村、神宮寺村、南楢岡村、外小友村、内小友村、中田新田村、宮林新田村、大曲西根村、蛭川村、花館村、高関上郷村、松倉村、大坂新田村、千屋村、小荒川村、土崎村、高梨村、大曲村、飯田村、戸蒔村、東川村、荻目村、小貫高畑村、宝門清水村、川目村、藤木村、下深井村、六郷西根村、橋本村、払田村、上野田村、安城寺村、中野村、金沢東根村、上深井村、羽貫谷地村、鑓田村、畑屋村、野中村(現・美郷町)、六郷高野村、六郷川内池村、南高野村、岩野町村、天神堂村、佐野村、境田村、六郷本館村、金沢寺田村、飯詰村、二本柳村、金沢西根村、安本村、金沢中野村、金沢前郷村、野荒町村、六郷東根村、境村
  • 明治11年(1878年
    • 12月23日 - 郡区町村編制法の秋田県での施行により行政区画としての仙北郡が発足。郡役所を大曲村に設置。
    • 2ヶ所存在した今泉村がそれぞれ西今泉村(現・大仙市土川西今泉)、東今泉村(現・大仙市太田町東今泉)に改称。

町村制施行後の沿革[編集]

1.大曲村 2.神宮寺村 3.新刈和野村 4.角館町 5.六郷村 6.金沢村 7.花館村 8.淀川村 9.荒川村 10.土川村 11.大沢郷村 12.強首村 13.南楢岡村 14.内小友村 15.外小友村 16.大川西根村 17.藤木村 18.高梨村 19.四ツ屋村 20.長野村 21.神代村 22.生保内村 23.田沢村 24.檜木内村 25.西明寺村 26.中川村 27.雲沢村 28.清水村 29.白岩村 30.豊川村 31.豊岡村 32.横沢村 33.長信田村 34.千屋村 35.横堀村 36.畑屋村 37.飯詰村 38.金沢西根村(紫:大仙市 桃:仙北市 水色:横手市 赤:美郷町)
  • 明治22年(1889年4月1日 - 町村制の施行により以下の村が発足。(1町37村)
    • 大曲村 ← 大曲村、飯田村、川目村、小貫高畑村、和合村、東川村、戸蒔村(現・大仙市)
    • 神宮寺村 ← 神宮寺村、北楢岡村(現・大仙市)
    • 新刈和野村 ← 刈和野村、峯吉川村(現・大仙市)
    • 角館町 ← 角館21町[4]、岩瀬村(現・仙北市)
    • 六郷村 ← 六郷村、六郷東根村、野中村(現・美郷町)
    • 金沢村 ← 金沢村(現・横手市、美郷町)、野荒町村(現・美郷町)、金沢本町村[5]、金沢中野村、安本村(現・横手市)
    • 花館村(単独村制、現・大仙市)
    • 淀川村 ← 中淀川村、下淀川村、小種村(現・大仙市)
    • 荒川村 ← 荒川村、稲沢村、境村、上淀川村(現・大仙市)
    • 土川村 ← 半道寺村、西今泉村、心像村、小杉山村(現・大仙市)
    • 大沢郷村 ← 大沢郷宿村、杉山田村、正手沢村、円行寺村、大沢郷寺村、北野目村、高城村(現・大仙市)
    • 強首村 ← 強首村、大巻村、九升田村、金山沢村、木原田村、寺館尻引村(現・大仙市)
    • 南楢岡村(単独村制、現・大仙市)
    • 内小友村 ← 内小友村、中田新田村、宮林新田村(現・大仙市)
    • 外小友村(単独村制、現・大仙市)
    • 大川西根村 ← 大曲西根村、蛭川村(現・大仙市)
    • 藤木村 ← 藤木村、六郷西根村、下深井村(現・大仙市)
    • 高梨村 ← 高梨村、橋本村、払田村、上野田村、戸地谷村(現・大仙市)
    • 四ツ屋村 ← 四ツ屋村、新谷地村、高関上郷村、松倉村(現・大仙市)
    • 長野村 ← 長野村、北長野村、鑓見内村、長戸呂村、下鶯野村、上鶯野村(現・大仙市)
    • 神代村 ← 神代村、小松村、岡崎村、梅沢村、卒田村、角館東前郷村(現・仙北市)
    • 生保内村 ← 生保内村、刺巻村、潟村(現・仙北市)
    • 田沢村 ← 田沢村、玉川村(現・仙北市)
    • 檜木内村 ← 下檜木内村、上檜木内村(現・仙北市)
    • 西明寺村 ← 西明寺村、小山田村、門屋村、上荒井村、西荒井村、小淵野村(現・仙北市)
    • 中川村 ← 川原村、小勝田村、山谷川崎村(現・仙北市)
    • 雲沢村 ← 西長野村、雲然村、下延村、八割村(現・仙北市)
    • 清水村 ← 賢木村、黒鐙村、沖ノ郷村、野口村(現・大仙市)
    • 白岩村 ← 白岩村、白岩広久内村、薗田村(現・仙北市)
    • 豊川村 ← 豊受村、田川村、八幡林村、長谷川村、東長野村(現・大仙市)
    • 豊岡村 ← 豊岡村、栗沢村、大神成村(現・大仙市)
    • 横沢村 ← 横沢村、駒場村、三本扇村、中里村、国見村(現・大仙市)
    • 長信田村 ← 斉内村、永代村、川口村、太田村、小神成村、東今泉村(現・大仙市)
    • 千屋村 ← 千屋村、小荒川村、土崎村、黒沢村、浪花村、本堂城廻村(現・美郷町)
    • 横堀村 ← 板見内村、横堀村、福田村、堀見内村(現・大仙市)
    • 畑屋村 ← 畑屋村、安城寺村、鑓田村、羽貫谷地村、金沢東根村、中野村(現・美郷町)
    • 飯詰村 ← 佐野村、飯詰村、天神堂村、南町村、境田村、上深井村(現・美郷町)
    • 金沢西根村(単独村制、現・美郷町)
  • 明治23年(1890年3月24日 - 神宮寺村の一部(北楢岡)が分立して北楢岡村が発足。(1町38村)
  • 明治24年(1891年
  • 明治30年(1897年8月31日 - 金沢村が町制施行して金沢町となる。(4町35村)
  • 明治33年(1900年8月13日 - 新刈和野村の一部(刈和野)に刈和野村、残部(峰吉川)に峰吉川村が発足。(4町36村)
  • 明治34年(1901年7月23日 - 刈和野村が町制施行して刈和野町となる。(5町35村)
  • 明治35年(1902年6月4日 - 神宮寺村が町制施行して神宮寺町となる。(6町34村)
  • 大正11年(1922年10月1日 - 長野村が町制施行して長野町となる。(7町33村)
  • 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
  • 大正15年(1926年7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
  • 昭和28年(1953年)10月1日 - 生保内村が町制施行して生保内町となる。(8町32村)
  • 昭和29年(1954年5月3日 - 大曲町・花館村・内小友村・大川西根村・藤木村・四ツ屋村が合併して大曲市が発足し、郡より離脱。(7町27村)
  • 昭和30年(1955年
    • 3月1日 - 刈和野町・土川村・大沢郷村・強首村が合併して西仙北町が発足。(7町24村)
    • 3月31日(7町11村)
      • 神宮寺町・北楢岡村が合併して神岡町が発足[6]
      • 長野町・清水村・豊川村・豊岡村が合併して中仙町が発足。
      • 峰吉川村・淀川村・荒川村が河辺郡船岡村と合併して協和村が発足。
      • 南楢岡村・外小友村が合併して南外村が発足。
      • 高梨村・横堀村が合併して仙北村が発足。
      • 角館町・中川村・雲沢村・白岩村が合併し、改めて角館町が発足。
      • 横沢村・長信田村が合併して太田村が発足。
      • 千屋村・畑屋村が合併して千畑村が発足。
  • 昭和31年(1956年9月30日(6町7村)
    • 金沢町が横手市に編入。
    • 生保内町・田沢村・神代村が合併して田沢湖町が発足。
    • 西明寺村・檜木内村が合併して西木村が発足。
    • 飯詰村・金沢西根村が合併して仙南村が発足。
  • 昭和33年(1958年4月22日 - 仙南村が横手市の一部(金沢西根・野荒町および金沢の一部)を編入。
  • 昭和44年(1969年)4月1日(8町5村)
    • 協和村が町制施行して協和町となる。
    • 太田村が町制施行して太田町となる。
  • 昭和49年(1974年)4月1日 - 仙北村が町制施行して仙北町となる。(9町4村)
  • 昭和61年(1986年)3月1日 - 千畑村が町制施行して千畑町となる。(10町3村)
  • 平成16年(2004年11月1日 - 六郷町・千畑町・仙南村が合併して美郷町が発足。(9町2村)
  • 平成17年(2005年
    • 3月22日 - 神岡町・西仙北町・中仙町・協和町・南外村・仙北町・太田町が大曲市と合併して大仙市が発足し、郡より離脱。(3町1村)
    • 9月20日 - 田沢湖町・角館町・西木村が合併して仙北市が発足し、郡より離脱。(1町)

変遷表[編集]

市町村合併[編集]

古来、仙北郡北部の田沢湖町、西木村、角館町は「北浦」(きたうら)と呼ばれ、歴史的にもつながりが大きかったが、合併を巡っては問題が頻発している。

当初、3町村は合併して新市「仙北市」を誕生させる予定であった。ところが、庁舎の位置や、行政プロセスのあり方などを巡って西木村・田沢湖町 vs. 角館町という対立構造が顕著になり、角館町は合併協議会を離脱した。これに伴い、西木村と田沢湖町は合併して新町「田沢湖町」を誕生させる予定で交渉を進めた。

しかし、角館町議会は合併協議会解散の決議を否決し、合併の是非を問う町長の出直し選挙で合併推進派の新人候補が現職に大差で勝利した。そして、角館町が合併協議会に復帰、合併関連議案を可決したことで、2005年9月20日に仙北市が誕生することになった。なお、旧中仙町も北浦と呼ばれた地域であり、当初は北浦4町村での合併を模索していたが、離脱して大仙市に加入した。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 清野宏隆「山本郡」『秋田大百科事典』 秋田魁新報社、1981年、ISBN 4870200074
  2. ^ 新野直吉『秋田の歴史 改訂版』 秋田魁新報社、1989年、ISBN 4870200694
  3. ^ 角館城下各町の総称。「旧高旧領取調帳」には記載なし。本項では便宜的に1町として扱う。
  4. ^ 角館東勝楽町、角館田町上丁、角館田町下丁、角館竹原町、角館小人町、角館歩行町、角館川原町、角館表町上丁、角館表町下丁、角館山根町、角館細越町、角館裏町、角館岩瀬町、角館下岩瀬町、角館下新町、角館上新町、角館西勝楽町、角館中町、角館七日町、角館下中町、角館横町。
  5. ^ 金沢中野村のうち。本項では村数に数えない。
  6. ^ 山口恵一郎 『日本地名辞典 市町村編』 東京堂出版、1980年10月。ISBN 978-4490101355

参考文献[編集]

関連項目[編集]