芳本美代子

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よしもと みよこ
芳本 美代子
生年月日 (1969-03-18) 1969年3月18日(55歳)
出生地 日本の旗 日本山口県小野田市[1]
身長 158cm
血液型 B型
ジャンル 女優アイドル歌謡曲
活動期間 1984年 -
配偶者 金山一彦(1996年 - 2013年)
松井哲也(2016年 - )
事務所 ブリスクコーポレーション(マネージメント業務)
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芳本 美代子(よしもと みよこ、1969年昭和44年〉3月18日[2] - ) は、日本の女優歌手。大学教授[3]愛称みっちょん[1]血液型はB型。身長158cm。所属事務所はブリスクコーポレーション(マネージメント業務)、歌手活動当時の所属レコード会社はテイチク

山口県宇部市出身。明治大学付属中野高校定時制卒業。

略歴

1969年3月18日、山口県小野田市(現・山陽小野田市)の病院で三姉妹の次女として誕生する[4]。小学2年生時まで山口県宇部市で育ち[4]、小学3年生から父の転勤により広島市己斐に移る[4][5]。小学5年生途中時に宇部市に戻る[4]。小学生時代は石野真子のファンで、石野真子のような歌手になりたいと思っていた[4]。小学3年生の時、チェリッシュが司会の『全日本選抜ちびっこものまね歌合戦!』に出場し、広島地区で優勝して初めて東京に訪れた[6]。それで子供ながらに地元で有名になり、これが「芸能界」を意識した切っ掛けであり、同時に本人はこの時を芸能界デビューと見做している[7]。『ちびっこものまね』に出場して以降、それまで男児のように育てられていた芳本は一変して、綺麗に着飾って広島市八丁堀の音楽学院に毎週連れて行かれるようになった。芳本は「ああ、こういう仕事をすると、良くしてもらえるんだ!」と喜んだ[7]。中学時代はバスケット部に所属。中学3年在学中の1983年KBC九州朝日放送主催のオーディション、第5回福岡音楽祭・新人登竜門ビッグコンテストに応募、本選に進むも無冠に終わる[6]。しかし、テレビ放送を見たテイチクレコードのスタッフからスカウトされ、山口から福岡に通う形で歌のレッスンを始める[7]

1984年3月に大手芸能事務所の芸映がマネジメントを引き受け[6]、同年8月に上京。当初の3ヶ月は寮にいたが、その後は信濃町のソニー・ミュージックスタジオの裏で一人暮らししていた[7]。なお、デビュー前にニッポン放送のラジオ番組『前略一世風靡セピア』の中で「美代子のハーピット占い」という機械を使ってリスナーの相性占いをするというコーナーを担当していた。

1985年3月21日に同じ所属事務所の先輩女性アイドル・石川秀美の妹分として、シングル曲『白いバスケット・シューズ』でアイドル歌手としてデビュー[1][8]。所属の芸映は岩崎宏美河合奈保子―石川秀美とトップアイドルを世に送り出してきたが、「歌手専業」という点で一貫していた。芳本もまた歌手一本でのスタートとなったが[9]、社会現象にまでなったおニャン子クラブを始め、斉藤由貴南野陽子中山美穂など、超激戦区となった85年デビュー組の中で大健闘を見せた[1]。テイチクレコードの80年代アイドルで、チャートのトップテン入りを果たしたのは芳本だけであったとされる[1]。85年の賞レースでは、中山美穂、本田美奈子松本典子らと激戦を繰り広げた[10]。翌1986年に人気音楽番組『ザ・ベストテン』に『青い靴』と『Auroraの少女』の計2曲がランキング入りした。

一方、この頃から飾らない言動や明るくてひょうきんな素顔が知られ始め、ミッチョンというニックネームの響きそのままの元気さと親近感で多くのファンを獲得[11]。バラエティ番組の常連タレントとなっていく。それを買われて、1987年から一年間、NHKの若者向け音楽番組『ヤングスタジオ101』に月替わりアシスタントとしてレギュラー出演。並行して歌手活動も地道に続け、CHAGE and ASKAに依頼した2枚のシングルやサザンオールスターズのカバーなどの作品も発売している。

1990年、ミュージカル『阿国』に出演し、第28回ゴールデン・アロー賞・演劇新人賞を受賞する[6]。これを契機に芸能活動の主体を歌からテレビドラマや舞台に切り替え、数多くの作品に出演する。以来中堅女優としてテレビドラマや舞台などで活躍している。

私生活では1996年、俳優の金山一彦と結婚。その後金山の女性問題(河合美智子との不倫)が元で一時別居状態になるも復縁し、2001年3月19日、第一子となる女児を出産したものの2013年7月に離婚。2016年7月、松井哲也と再婚[12]

2017年1月末日で、デビュー以来30年以上所属した芸映を退社して独立する[13]

2009年、劇団アクターズ・マップの旗揚げ舞台公演「宇宙旅館」にて初演出も手がける。

2018年7月26日テレビ朝日スマートフォンデュ』にて約28年ぶりに歌番組に出演した。

2023年春より大阪芸術大学短期大学部メディア・芸術学科舞台芸術コース教授に就任[3]

エピソード

  • 風見しんごは小学校の先輩。
  • デビュー当初憧れていた芸能人は石野真子松田聖子真田広之
  • 若手時代にレコード会社対抗の運動会に出場したが、運動音痴であったため1回出場して以来期待されなくなった[7]
  • 芸能界で一番嬉しかったことは仕事で何度も海外に連れて行ってもらったこと[7]
  • 1980年代、当時は新曲をリリースするサイクルが早かったため歌詞と降り付けを覚えるのに苦労したといい、先行予約を兼ねて販促イベントで日曜日にデパートの屋上でフルコーラス歌うのもプレッシャーとの戦いであった[7]。覚える暇がなかったため会場に来たファンの口元を見て後追いで歌うようなこともあった[7]
  • 1980年代はジャニーズ系のアイドルと共演しただけで女性アイドルは異性のファンから嫉妬されてバッシングを受けることがあったが、芳本は同性のファンばかりだったのでそうした経験はなかった。恋愛を疑われることとも芳本は無縁であった[7]
  • 八重歯がチャームポイントだったが21歳のときに抜いて差し歯にした[8]

ディスコグラフィ

  • シングルは1985年から1990年までの間に19タイトルが発売され、オリコンチャートでは内5枚がベスト10入りした。最高位は「ヴァニティ・ナイト」の週間5位。
  • アルバムは1985年から1989年までの間にオリジナル盤が10枚、ライブ盤が1枚、ベスト盤は1986年-1989年に3枚と2003年に1枚がそれぞれ発売されている。オリコンチャートでは内1枚がベスト10入りした。最高位は「WING」の週間売り上げ10位。
    • テイチク所属の女性アイドルで1970年 - 1980年代にオリコンチャートでシングルベスト10に到達したのは高田みづえと芳本美代子の二人だけ。アルバムチャートでベスト10に到達したのは芳本美代子が唯一である[1]
  • TBSの『ザ・ベストテン』には1986年に2曲計2週チャートインした。最高位は「Auroraの少女」の8位。もう1曲チャートインしたのは「青い靴」の10位。『紅白歌合戦』の出場実績はない。

シングル

# 発売日 A/B面 タイトル 作詞 作曲 編曲 規格品番
1 1985年
3月21日
A面 白いバスケット・シューズ 松本隆 井上大輔 RE-667
B面 海辺のテレフォン・ボックス
2 1985年
6月26日
A面 プライベート・レッスン 井上大輔 中村哲 RE-676
B面 Endless Love Song 宮城伸一郎
3 1985年
9月11日
A面 雨のハイスクール 財津和夫 大村雅朗 RE-678
B面 ワンサイデッド・ラヴ 宮城伸一郎 佐藤準
4 1985年
12月4日
A面 アプリコット・キッス RE-700
B面 16才の場面 竜真知子 井上大輔 萩田光雄
5 1986年
3月5日
A面 心の扉 松本隆 財津和夫 RE-710
B面 哀しみのレイン 竜真知子 井上大輔
6 1986年
6月4日
A面 青い靴 松本隆 筒美京平 船山基紀 RE-720
B面 天然色の夏
7 1986年
9月10日
A面 Auroraの少女 RE-730
B面 Feel So Fine
8 1986年
12月24日
A面 横顔のフィナーレ 松本一起 難波弘之 大村雅朗 RE-740
B面 悲しきチャーリー 森雪之丞 八島順一
9 1987年
3月25日
A面 ヴァニティ・ナイト 戸沢暢美 久保田利伸 RE-750
B面 シャ・ラ・ラ 山川恵津子
10 1987年
6月24日
A面 東京Sickness 佐藤健 山川恵津子 RE-770
B面 It's a Wave
11 1987年
9月16日
A面 Heroes 大村雅朗 RE-780
B面 綺麗なブロークン・ハート 大村雅朗
12 1987年
12月2日
A面 涙のイヤリング 小林和子 和泉常寛 山川恵津子 RE-801
B面 複雑なセレナーデ 森雪之丞 井上ヨシマサ 矢島賢
13 1988年
3月9日
A面 恋するブランニュー・デー 和泉常寛 小林信吾 RE-820(EP)
10CH-8(CD)
B面 ハートのPuzzle TRAP
14 1988年
6月15日
A面 センチメンタル・カーニバル 阿部敏郎 鷺巣詩郎 RE-838(EP)
10CH-18(CD)
B面 太陽の密会 売野雅勇 Frankie T.
15 1988年
9月21日
A面 サカナ跳ねた 飛鳥涼 矢賀部竜成 RE-858(EP)
10CH-29(CD)
B面 隠したJe táime 澤地隆 CHAGE
16 1989年
1月21日
A面 真冬のウサギ RE-879(EP)
10CH-43(CD)
B面 You… 飛鳥涼
17 1989年
7月21日
01 BAD BOY… 田口俊 S.Kipner
A.Goldmark
S.Kipner
S.Lindsey
CARC-12
02 Two To The Power of Love S.Kipner / P.Beckett
18 1990年
5月1日
01 桑田佳祐 小林信吾 TEDA-6
02 The Last Shadow Dance 田口俊 亀田誠治
19 1990年
9月21日
01 愛しのバカヤロー 田口俊 小林信吾 TEDA-25
02 My (all in all) MIYOKO 柿原朱美 山川恵津子

アルバム

※複数日付はアナログ媒体(LP・カセットテープ) / CDの各発売日。

オリジナル・アルバム

  • SURF WIND(1985年7月5日/21日)
  • PARADISE PARK(1986年4月1日/21日)
  • MIYOKO WAVE(1986年7月21日) - 12インチ、ミニアルバム
  • WING(1986年10月1日)
  • I'm the one(1987年7月21日)
  • YESTERDAY'S(1987年12月16日)
  • Miss Lonely Hearts(1988年10月21日)
  • Starry Night(1988年12月16日) - ピクチャーCD
  • Power Of Love(1989年8月1日)
  • MY(1990年10月21日)

ベスト・アルバム

  • Pisces(1986年12月16日)
  • ベストコレクション(1988年3月21日)
  • ORIGINAL SUPER BEST(1989年3月21日) - 2枚組ベスト
  • コンプリート・80'sシングルズ(2003年7月24日) - 2枚組ベスト

ライブ・アルバム

  • ミ・ヨ・コ Friendship Concert'85(1985年12月4日/16日)

その他

映像作品

  • ミ・ヨ・コ Friendship Concert'85(1985年12月) - ライブ
  • EXPLOSION(1986年12月1日) - ライブ
  • アース・アーク・芸映フェスティバル 武道館が燃えた!(1987年1月25日) - 当時の芸映プロ所属タレント総出演のチャリティーイベントライブ
  • Landing Road(1987年)
  • 以下、イメージビデオ
    • ROMANCING(1988年3月25日) - 書籍扱い
    • White Whisper(1990年)
    • VIEW〜不思議ね〜(1992年3月23日)
    • アイドル黄金伝説 芳本美代子(2002年4月26日) - White WhisperのDVD化再発

出演

テレビドラマ(レギュラー出演)

テレビドラマ(ゲスト・単発出演)

映画

オリジナルビデオ

舞台

  • 阿国(1990年初演) - 第28回ゴールデン・アロー賞・演劇新人賞受賞[1]
  • 夏の夜の夢(1991年)
  • スライス・オブ・サタデーナイト(1992年、アトリエダンカン)
  • D・Live Rock To The Future(1996年 - 1997年、劇団新感線)
  • 髑髏城の七人(1997年、劇団新感線)
  • こどもの一生(1998年、G2プロデュース)
  • 検察側の証人(1999年、自転車キンクリートSTORE)
  • マクベス(1999年、自転車キンクリートSTORE)
  • ピーターパン(2001年 - 2002年、ホリプロダクション)
  • ジンジャーブレッド・レディ(2002年 - 2003年、博品館劇場)
  • 妄想ラジオ ぴんた&ぽんた(2008年7月、劇団アクターズマップ)
  • どんまいマインド(2008年10月 - 11月)
  • Live,Love,Drive. 死神の精度(2009年11月)
  • 軋み(2011年1月)
  • 海街diary(2022年3月30日 - 4月3日 シアターサンモール、4月9日 - 10日 ABCホール)
  • STRAYDOG Produce「幸せになるために」(2022年8月3日-7日、東京都「劇」小劇場 / 8月13日・14日、大阪HEP HALL)[15]

バラエティ番組

生活情報番組

  • 芳本美代子のワン・ラブショッピング(2010年10月 - 、全国系列ローカル局、独立U局、BS、CS)

通販情報番組

  • 野々村真・芳本美代子のフィットライフショッピング(2013年、ローカル局

ラジオ番組

ゲーム

CM

書籍

写真集

  • 芳本美代子ファースト(1985年7月5日初版)
  • 美代子(1986年3月1日初版)
  • 頬杖ついて(1987年3月10日初版)
  • Be My Lady(1987年10月24日初版)
  • 芳本美代子写真集 It's a beautiful memory(1988年4月5日初版)
  • Risky(1989年3月30日初版)
  • ESPER(1990年5月3日初版)
  • Why not!(1991年5月10日初版)
  • 檸檬(1995年10月10日初版)

エッセイ他

  • ミッチョン元気印!(1986年7月5日初版)
  • BIGアイドルカセットおしゃべり文庫 芳本美代子(1988年8月8日発行) - 書籍扱い

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i 別冊宝島2611『80年代アイドルcollection』p.97
  2. ^ a b c 『DJ名鑑 1987』三才ブックス、1987年2月15日、183頁。NDLJP:12276264/83 
  3. ^ a b "芳本美代子、教授になっていた「本当に私で良いの?」4月から大阪芸大短期大学部で演技基礎講義". スポーツ報知. 報知新聞社. 26 September 2023. 2023年12月14日閲覧
  4. ^ a b c d e BOMB学研)1985年7月号「芳本美代子 巻頭大特集」
  5. ^ ふるさと通信 〜トップページ〜
  6. ^ a b c d "芳本美代子語る"寝起きドッキリ番組"の怖さ「ホテルのドアチェーンが外されてた」". 女性自身. 光文社. 10 April 2022. 2022年4月10日閲覧
  7. ^ a b c d e f g h i 別冊宝島2611『80年代アイドルcollection』p.52-55.
  8. ^ a b 芳本美代子 アイドルから舞台人、そしてユーチューバー!自然体で挑み続ける「みっちょん」の“野望” 東京スポーツ 2021年7月18日
  9. ^ 『80年代アイドルカルチャーガイド』洋泉社、2013年10月26日、117頁。ISBN 978-4-8003-0227-4。C9476。 
  10. ^ 「特集・'85新人賞レースを総括する!美代子・美奈子・典子・美穂が大活躍!激戦に次ぐ激戦。新しいアイドルが続々誕生だ!」『BOMB』1986年2月号、学習研究社、190-191頁。 
  11. ^ 『BOMBアイドル30年読本』学研パブリッシング、2010年3月25日、59頁。ISBN 978-4-05-605882-6。C9472。 
  12. ^ 芳本美代子、一般男性と昨夏再婚していた「素の自分で向き合える」”. サンスポ (2017年1月3日). 2018年3月21日閲覧。
  13. ^ “芳本美代子 再婚していた 事務所からも1月いっぱいで独立へ”. デイリースポーツ. (2017年1月4日). https://www.daily.co.jp/gossip/2017/01/04/0009801109.shtml 2017年1月4日閲覧。 
  14. ^ “「アイゾウ」2夜連続スペシャルに鈴木浩介、駒木根葵汰、加藤小夏らゲスト出演”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2023年3月20日). https://natalie.mu/eiga/news/517240 2023年3月20日閲覧。 
  15. ^ 廃工場に5組の家族が集められ…“STRAYDOG”「幸せになるために」主演は鳥居みゆき”. ステージナタリー. ナターシャ (2022年5月23日). 2022年5月23日閲覧。
  16. ^ 『読売新聞』1988年3月24日朝刊第32面(『読売新聞縮刷版』1988年3月号p.1118)および夕刊第20面(同前p.1142)のテレビ番組表に番組放送予定と「芳本美代子」の記載あり。
  17. ^ 「スーパーヒーロージェネレーション」,強敵が集結するEXステージの情報を公開。仮面ライダーバースやスサノオなどの参戦も判明”. 4Gamer.com (2014年8月22日). 2014年8月23日閲覧。

外部リンク