魔法科高校の劣等生

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魔法科高校の劣等生
ジャンル SFファンタジーバトルアクション
小説
著者 佐島勤
イラスト 石田可奈
出版社 KADOKAWA アスキー・メディアワークス
その他の出版社
中華民国の旗 台湾国際角川書店
中華人民共和国の旗 広州天聞角川動漫
掲載誌 小説家になろう
電撃文庫MAGAZINE
レーベル 電撃文庫
連載期間 2008年10月12日 - 2013年8月10日
刊行期間 2011年7月10日 - 以下続刊
巻数 既刊19巻(2016年2月現在)
その他 メカニックデザイン:ジミー・ストーン
カラーコーディネート:末永康子
漫画
漫画:魔法科高校の劣等生 入学編
原作・原案など 佐島勤(原作)
石田可奈(キャラクターデザイン)
林ふみの(構成)
作画 きたうみつな
出版社 スクウェア・エニックス
掲載誌 月刊Gファンタジー
レーベル GFC SUPER
発表号 2012年1月号 - 2013年10月号
発表期間 2011年12月17日 - 2013年9月18日
巻数 全4巻
話数 全22話
漫画:魔法科高校の優等生
原作・原案など 佐島勤(原作)
石田可奈(キャラクターデザイン)
作画 森夕
出版社 KADOKAWA アスキー・メディアワークス
掲載誌 月刊コミック電撃大王
レーベル 電撃コミックス
→電撃コミックスNEXT
発表号 2012年6月号 -
発表期間 2012年4月27日 -
巻数 既刊6巻(2015年12月現在)
漫画:魔法科高校の劣等生 九校戦編
原作・原案など 佐島勤(原作)
石田可奈(キャラクターデザイン)
林ふみの/長岡千秋(構成)[注 1]
作画 きたうみつな
出版社 スクウェア・エニックス
掲載誌 月刊Gファンタジー
レーベル GFC SUPER
発表号 2013年11月号 -
発表期間 2013年10月18日 -
巻数 既刊4巻(2015年10月現在)
漫画:魔法科高校の劣等生 横浜騒乱編
原作・原案など 佐島勤(原作)
石田可奈(キャラクターデザイン)
作画 天羽銀
出版社 スクウェア・エニックス
掲載誌 月刊Gファンタジー
レーベル GFC SUPER
発表号 2013年11月号 - 2015年11月号
発表期間 2013年10月18日 - 2015年9月18日
巻数 全5巻
漫画:魔法科高校の劣等生 追憶編
原作・原案など 佐島勤(原作)
石田可奈(キャラクターデザイン)
作画 依河和希
出版社 KADOKAWA アスキー・メディアワークス
掲載誌 月刊コミック電撃大王
レーベル 電撃コミックスNEXT
発表号 2014年4月号 - 2015年9月号
発表期間 2014年2月27日 - 2015年7月27日
巻数 全3巻
漫画:魔法科高校の劣等生 よんこま編
原作・原案など 佐島勤(原作)
石田可奈(キャラクターデザイン)
作画 tamago
出版社 KADOKAWA アスキー・メディアワークス
掲載誌 コミック電撃だいおうじ
レーベル 電撃コミックスNEXT
発表号 Vol.8 -
発表期間 2014年4月27日 -
巻数 既刊1巻(2015年3月現在)
アニメ
原作 佐島勤
監督 小野学
キャラクターデザイン 石田可奈
メカニックデザイン ジミー・ストーン、出雲重機
音楽 岩崎琢
アニメーション制作 マッドハウス
製作 魔法科高校製作委員会
放送局 放送局参照
放送期間 2014年4月6日 - 9月28日
話数 全26話
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル漫画アニメ
ポータル 文学漫画アニメ

魔法科高校の劣等生』(まほうかこうこうのれっとうせい、The Irregular at Magic High School)は、佐島勤による日本ライトノベル

本作の英題に込められた「Irregular」は、「劣等生」「優等生」双方におけるイレギュラー異端者)を表しており[1]スピンオフ作品に『魔法科高校の優等生』(まほうかこうこうのゆうとうせい、The Honor at Magic High School)がある。

原作小説の出版は電撃文庫からで、担当編集は三木一馬イラストはキャラクター担当の石田可奈の他、メカニックデザインをジミー・ストーン、カラーコーディネートを末永康子が担当する。

2014年4月から9月までテレビアニメが放映された。監督小野学

2015年3月時点で累計発行部数560万部を記録。

作風と世界観

体系化された魔法を扱う職業「魔法師」を養成する架空の教育機関「魔法科高校」を舞台とした学園バトルアクション。公式サイトなどでは「スクールマギクス」と呼称されている。

タイトルに魔法と名は付いているが、ジャンルはSFエンターテイメントの一形態である「超能力もの」だと作者は明かしている。また、敵が運良く見逃してくれたり「潜在能力が覚醒した」などのご都合展開をタブーとし、最初に設定したことから逸脱しないよう設定を作り込む作風。そのご都合主義のタブーを踏まえ、「幸運に頼らず自分の力でトラブルを踏み越えていく物語」を綴りたいと語っている[2]

西暦1995年から歴史が分岐した、架空の近未来を舞台にしている。歴史が分岐する以前からも、表に出ない形で超能力者や忍術使いなどは存在しており、歴史の分岐後、科学的な超能力開発によって普及・体系化されたものが本作における「魔法」である。物理法則を操ることで現象を起こすため、物理学に基づいたリアルな作用が発生するのが描写上の特徴。

先述した通り、ライトノベルよりもSFジュブナイル小説を意識して書かれている。また、魔法学園ものという点では『ハリー・ポッター』と『魔術士オーフェン』からの影響を受けており[3]、特に魔法競技大会である「九校戦」は、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』における三大魔法学校対抗試合やクィディッチインスパイアされていると文庫3巻のあとがきで仄めかされている。

制作背景

元々はWebサイト「小説家になろう」にて2008年10月12日から連載されていたオンライン小説で、同サイトで累計3000万PVを超え[4]、累計ランキング1位を長らく独占していた。 2011年12月13日、「横浜騒乱編」の大幅な加筆修正などを理由とし、Web掲載していた「魔法科高校の劣等生 初年度の部」の削除が作者から告知される[5][6]。その「初年度の部」は11巻まで文庫化され、『電撃文庫MAGAZINE』 Vol.28(2012年11月号)からVol.33(2013年9月号)にかけて「魔法科高校の劣等生 二年度の部 ダブルセブン編」が完全新作として連載された(後に加筆されて文庫12巻に収録)。

ストーリー

かつて「超能力」と呼ばれていた先天的に備わる能力が「魔法」という名前で体系化され、強力な魔法技能師は国の力と見なされるようになった。20年続いた第三次世界大戦が終結してから35年が経つ西暦2095年、魔法技能師養成のための国策高等学校の一つ、国立魔法大学付属第一高校に、エリートとして将来を約束された「一科生」の妹と、その補欠である「二科生」の兄が入学した時から、卒業するまでの物語である。

四葉家という秘密主義の家系の次期当主候補として将来を縛られた妹・深雪と、そのガーディアンとしてやはり束縛されている兄・達也が、自分たちの自由を掴み取ろうとする物語が大筋となっている。兄妹の高校在学期間を舞台とし、「優等生」も「劣等生」もひっくるめた、学内・学外を問わない多数のキャラクターの物語が繰り広げられる。

入学式から3学期の終わりまで(3年遡った回想エピソードも含む)を描いた「初年度の部」が完結しており(全6編)、進級後を描いた「二年度の部」が現在刊行されている(全5編予定で現在5編目を発刊中)。更に次の年度の4編を加えた全15編で作品完結予定[7][注 2]

「初年度の部」は、全国魔法科高校親善魔法競技大会(通称「九校戦」)や全国高校生魔法学論文コンペティションなど、全国の魔法科高校の生徒が集う高校行事を軸にして、大亜連合やUSNA(北アメリカ大陸合衆国)といった他国の魔法師との戦いが展開する。

「二年度の部」では前年度のエピソードを受け継ぎつつ、国内の魔法師集団「十師族」同士の陰謀争いが色濃くなり、そこに海外からの陰謀も絡みあう中で、平穏を守ろうとする魔法科高校の生徒たちの奮闘が描かれる。進級に応じて達也の立場も変化し、作者曰く[8]、物語は「魔法科高校の革命児」とでも呼ぶべき様相を呈していく。

エピソード一覧

本作品は、単独で完結する複数のエピソードから構成されており、各編は1巻から3巻の長さがある。

初年度の部
  • 第一話「入学編」(上・下)
  • 第二話「九校戦編」(上・下)
  • 「夏休み編+1」(短編集)※書き下ろし
  • 「横浜騒乱編」(上・下)
  • 「追憶編」
  • 「来訪者編」(上・中・下)
二年度の部
  • 「ダブルセブン編」
  • 「スティープルチェース編」
  • 「古都内乱編」(上・下)
  • 「四葉継承編」
  • 「師族会議編」(上・中・下)

Web掲載時に各編は「第〜章」とナンバリングされていたが、文庫版では「第〜話」の単位に変更され、また第二話より後はナンバリング自体がされていない。「来訪者編」はWeb掲載時では二編構成であったが、文庫化時に一編に統合された[9]。「二年度の部」からは商業化以降に公開されるエピソードとなる。

魔法科高校について

全国に九校のみ設置されている、魔法技能師(魔法師)の養成を目的に設立された国策高等学校・国立魔法大学付属高校を魔法科高校と呼ぶ。各校の校名は略して、「第一高校」「一高」のように通称されている。旧制高等学校のようなナンバースクールのイメージだが、あくまで現代の高等学校(=中等教育)の分科したものであり、地域も旧制高等学校とは対応していない。

第一高校
国立魔法大学付属第一高等学校関東地方東京都八王子市に位置する。一学年定員200名。一科・二科制度を採る。学生服は緑を基調とし、八枚花弁のエンブレムをシンボルとする。
第一高校は卒業生の65%が国立魔法大学へ進学している最難関の高等魔法教育機関として知られている。それは優秀な魔法師を最も多く輩出しているエリート校だということだが、魔法教育だけでなく、それ以外の教育のレベルも全国上位クラスと評価されている。
二科生は一科生の補欠で、一科生の欠員が無い限り何の価値もないように一科生からは扱われているが、一高からの合格者が100名とすると卒業生の内、魔法大学不合格者(非受験を含む)と防衛大進学者が54名、つまり卒業できなかった者が46名と多数に上るがその描写はない。一方、一科の欠員が0名としても二科生が毎年30名国立魔法大学へ進学しているので単なる補欠ではない事になるが、その指摘は作中では誰もしていない(二科生が補欠でないことは、真由美が過去の二科設立の経緯から述べてはいる)。
2096年度からは魔法技術者を育成する目的で魔工科(エンブレムは八歯の歯車)が新設された。
第二高校
国立魔法大学付属第二高等学校近畿地方の旧兵庫県西宮市に位置する。一学年定員200名。第一高校同様に一科・二科制度を採る。
第三高校
国立魔法大学付属第三高等学校北陸地方の旧石川県金沢市に位置する。一学年定員200名。第一・第二高校同様に一科・二科制度を採るが、第三高校では専科・普通科と呼び分けられている。学生服は赤を基調とし、八芒星のエンブレムをシンボルとする。
戦闘系の魔法実技を重視し、「尚武の第三高校」と呼ばれる。
第四〜九高校
いずれも一学年定員100名。所在地は四校が東海地方(旧静岡県浜松市)、五校が東北地方(旧宮城県仙台市)、六校が山陰地方(旧島根県出雲市)、七校が四国地方(旧高知県高知市)、八校が北海道地方(北海道小樽市)、九校が九州地方(旧熊本県熊本市)。
第四高校は第三高校と対照的に、技術的に意義の高い複雑で工程の多い魔法を重視している。木の葉を組み合わせたようなエンブレムをシンボルとする。
第七高校は水上・海上で実用性が高い魔法を通常のカリキュラムとは別に教えており、「海の七高」の異名をとる。
第八高校は寒冷地帯や高山地帯といった厳しい生活環境において有益な魔法の野外実習を取り入れている。

上記の通り、一学年の定員が200名となっているのは一高から三高までで、この3校では一科生(専科生)にしか指導教員が付かない。四高〜九高は全生徒に指導教員が付くが、その質は一高〜三高のそれにワンランク落ちると言われている。

また、各校のカリキュラムは基本的に国立魔法大学の定める要綱に従うが、三高・四高のように特色ある校風を掲げる学校や、土佐湾沿いにある七高や豪雪地帯にある八高のように地理的な環境が特性に反映されている学校もある。

魔法科高校間の交流行事としては、以下のものがある。

全国魔法科高校親善魔法競技大会
通称、九校戦。9つある国立魔法大学付属高校の生徒がスポーツ系魔法競技で競い合う全国大会である。「九校戦編」および「スティープルチェース編」の舞台となる。
例年「富士演習場南東エリア」の会場で夏季に10日間開催され、観客はのべ10万人ほどになる。2086年から定例行事化されており、2094年度末までに9回開催され、優勝回数は、第一高校は5回、第二高校は1回、第三高校は2回、第九高校は1回である。
全国高校生魔法学論文コンペティション
通称、論文コンペ。日本魔法協会主催で行われ、魔法学や魔法工学の研究成果を大学、企業、研究機関などに向けて生徒が発表する。「横浜騒乱編」および「古都内乱編」の舞台となる。
毎年10月の最終日曜日京都横浜で交互に開催される。2095年は横浜開催で、10月30日に横浜国際会議場で行われた。2096年は京都開催。

なお、魔法科高校は週休一日制であり、体育祭文化祭修学旅行は行っていない(魔法以外のテストは無い。そのため、カリキュラムがびっしりである。魔法科高校の生徒が勤勉なのは、そのためである)。

登場人物

※担当声優は断りのない限りアニメ版のもので、他にオーディオドラマDVD版及び各種ゲーム版のキャスティングがある(司波達也、司波深雪、風間玄信、真田繁留は両者共通)。学年については特に記載がない場合、2095年度のもの。

第一高校

主人公

司波 達也(しば たつや)
声 - 中村悠一
本作の主人公。身長178cm、体重70kg。1年E組(二科生)→2年E組(魔工科生)。風紀委員会(2095年4月〜2096年3月)→生徒会副会長(2096年4月〜2096年9月)→生徒会書記長[10](2096年10月〜)。
生年月日は2079年4月24日。身長は約178センチメートル、筋肉質な体つきをしているが着痩せするタイプ(大柄という描写もある)。容姿は自己評価で中の上、女子生徒からの評価は「まあまあ」とそこそこの評価を下されている。妹の深雪は双子ではなく早生まれの年子の妹であるが、2097年に四葉真夜の意向により婚約者となった(後述)。家族には他に、故人となっている生母の司波深夜、疎遠となっている父・司波龍郎、継母の司波小百合、叔母であり2097年から戸籍上の母親となった四葉真夜がいる。
魔法実技の成績は最低クラス、魔法理論ではダントツのトップというアンバランスな結果を残した二科生として魔法科高校に入学する。将来は魔法技能師の中でも、魔法機具の作成、調整などを行う魔法工学技師を志望している。二年進級時に今までの実績から新設された魔工科(E組は同じ)に転科し、あずさと花音の取り決めから、深雪と同様に生徒会副会長となる。深雪の生徒会長就任後、深雪の「お兄様の役職が自分より低いのは許容できない」という意向により書記長に選任された(生徒の多くはそれを微笑ましく見ている)。
生来使える魔法は分解再構築だけ(一種のBS魔法師)で、通常の魔法(状態の変更と定義される)の才能を持たずに生まれるが、6歳のとき「人造魔法師実験」の被験者にされ、「人工魔法演算領域」を与えられた唯一の成功例となる。魔法科高校における実技の成績が悪いのは、この人工魔法演算領域の性能が一般的な魔法師が生来持つ演算領域と比べて著しく劣るためである。どのくらい性能が劣るかというと、自由落下の慣性エネルギーを完全に打ち消せず、高所からの落下で大怪我をしてしまうほどである。このため実母の司波深夜からは、「ガーディアン(後述)としてしか使い物にならない」と見なされていた。
しかもその演算領域のスペースを確保するために意識領域内の「強い情動を司る部分」をたった一つの感情を除いて全て消失させられたため、ある振れ幅以上の感情は発生しえなくなった。そのため常に達観した考えを持つ冷静沈着な性格であり、中には「枯れている」と評する友人もいる。達也に残された、ただ一つ激情を感じ得る衝動は「深雪への兄妹愛」のみであり、妹が絡むと普段の態度からは考えられない行動(激しい怒りや狼狽など)を見せることがある。いわば、妹としての深雪という存在を唯一の生き甲斐とし、心の支えにしているところがある。
叔母の四葉真夜が現当主である「四葉家」においては、2097年の慶春会までガーディアンと呼ばれる低い階級にあり、次期当主候補である妹の深雪を命に代えても守護するという使い捨てのボディガード任務を負わされていた。もっとも、四葉の任務がなかろうと妹を守ることは彼自身にとって最優先事項である。四葉に対しては面従腹背の立場であり、いつか深雪と共に四葉の支配から自由になることを目指して日夜研鑽を積んでいた。
自宅に魔法工学研究施設を持ち、最新鋭のCAD(術式補助演算機)調整機器を自身や深雪の調整に用いている。タフな体質で、毎日妹よりも遅くまで起きて魔法の研究をし、妹よりも早起きして武術の修行をするという、妹が心配するほどハードなスケジュールを常に続けている。
通常の魔法を使えないのは、現代魔法としては最高難度とされる「分解」と「再成」に生来の魔法演算領域を完全に占有されているためで、そこに限れば「四葉」直系に恥じない特級の処理能力を持つ。現在でも、この二つ以外の魔法は全て「人工魔法演算領域」でしか行使できない。また総合的な魔法力の欠陥を補うように魔法関係の知識は豊富で、魔法工学のエンジニアとして優れた才能があり、若くして魔工師、特にソフト開発者として世界有数の実績を持ち、それに見合う収入も得ている。精神改造の副作用で直観像記憶と似た記憶力を持ち、高校生離れした知識量はそれによる所がある。
純粋な学力だけでなく、赤子のときから魔法に頼ることなく戦えるよう訓練を受けてきた為に、非常時や実戦における咄嗟の対応力や戦闘能力は超一流のレベルである。過去の事情から国防陸軍の実験的な部隊に事実上組み込まれており、「戦略級魔法師・大黒竜也特尉」の偽名で登録されている。異名は摩醯首羅(まけいしゅら/マヘーシュヴァラ)で、3年前の大亜連合による沖縄侵攻の際に、侵攻軍と内通していた国防軍の叛逆者によって深雪を傷つけられたことから、侵攻軍に対して報復することを決意。「分解」と「再成」を駆使し、侵攻してきた大亜連合軍をほぼ殲滅、投降まで追いやった。それらの行動から「分解」は「Demon Right(悪魔の右手)」、「再成」は「Divine Left(神の左手)」と畏怖され、達也自身は「摩醯首羅」の異名で呼ばれており、レイモンドからは「破壊神(ザ・デストロイ)」と呼ばれている。
貢の話によると、2062年の真夜の大漢拉致事件の悲劇から、四葉家において魔法師を超えた”超越者”の誕生を望む思想が起こり、深夜の妊娠が判明してから、彼女の精神構造干渉魔法によって自分たちの望みを叶える超越者に生まれることを期待され、自分たちの願いを深夜とお腹の子に言い聞かせた結果、自分たちの願いと深夜の世界への憎悪から世界を破壊する魔法を備えて生まれ落ちた。その後、自分たちの行いと達也への恐怖から分家当主が分家の総意として達也の抹殺を唱えたが、当時の当主であった英作が四葉の力とするべく、最強の実戦魔法師として鍛え上げ、魔法の暴走を抑えるために人造魔法師計画で人工魔法演算領域と引き換えに、実母の深夜の手によって情動のほとんどを奪われた。その力で6歳の時には、30代の実戦魔法師を殺し合いの末、血の海に沈めている。しかし真夜の話では、世界への復讐を望んだのは深夜ではなく真夜の方であった。この背景から分家の当主達からは、自分たちが深夜の気持ちも理解せず身勝手な願望が生み出した忌子として忌避され、周りの使用人たちには徹底して魔法力の低いだけの存在であると認識させてきた。一方、同世代の四葉家分家の跡継ぎ達からは親の世代に反して、能力等から概ね好意的に受け取られている。
戦闘任務に赴く魔法師としては、分解と再成、及びその副産物である特殊な知覚能力、そして並外れて大きなサイオン保有量を応用した戦術で魔法力の弱さをカバーしている。四葉家による過酷な戦闘訓練を基礎として、陸軍部隊への所属と同時期から忍術使い・九重八雲に師事し、兄弟子でもある部隊長に準じる体術の技量も備える。愛用のCADは、高性能な特化型CADシリーズ「シルバー・ホーン」のチューンナップモデル「トライデント」が二挺。二科生であるにも関わらず(魔法力を除いて)高い能力を持ち、様々なトラブルを解決したため今まで二科生を見下していた一科生の生徒の態度を改めさせたことも少なくない。だが、本人はあくまで誇ったりはしておらず、むしろあまり表舞台には立ちたくないと思っている。
中学生の頃はその高い能力と達観した考えの持ち主から、一部の女子生徒から好意を抱かれていたが、近づきがたい雰囲気から告白されることは少なかった(告白されても断っていた)。高校入学後も当初は二科生という事もあり侮られていたが、風紀委員および九校戦での活躍と鍛えられた姿勢や雰囲気などの要素から九校戦終了後は女子からの人気を集め、進級後は暴走する深雪を鎮めた件も含め三年女子からも理想の「お兄様」と称されるようになる。尚、明確に好意を抱いているのは、現在のところ深雪とほのかと亜夜子であるが、他にもエリカや紗耶香も当初は好意を抱き、真由美やリーナも好意を抱いている節がある。
本人は否定しているが、トラブルを招きやすい性質であり、周囲からは「トラブルに愛されている」とまで言われている。友人たちによるイメージは、勇者賢者というよりもマッドサイエンティスト魔王、更には魔王を倒した後に出で来る黒幕・大魔王・ラスボスなどである。
現在登場している「分解」のバリエーションは、物質元素イオンへと分解する「雲散霧消(ミスト・ディスパージョン)」、起動式や魔法式を直接分解・無効化する「術式解散(グラム・ディスパージョン)」(使用には「精霊の眼(エレメンタル・サイト)」が必要だが、「術式解体(グラム・デモリッション)」に比べ、消費サイオン量が少なく射程も長い)、領域干渉・情報強化・対象物の分解を一連の行程として三連続で発動させる「トライデント」、物質を熱エネルギーに分解する戦略級魔法「質量爆散(マテリアル・バースト)」などがある。達也の戦略級魔法は非公開であり、管理されなければならない国家機密でもある。使用には数々のセーフティを施された専用CAD「サード・アイ」を用いる(サード・アイを用いなくても質量爆散は使用可能であるが、その場合、有効射程距離が著しく低下する。サード・アイを用いた場合はOTH【オーバー・ザ・ ホライゾン=超水平線】精密射撃が可能となる)。
また、7巻で詳細が明かされた「再成」は、エイドスの記録を遡り読み込んだ過去の情報をそのまま対象に上書きして、24時間以内に起こったあらゆる負傷・損傷をなかったことにするという破格の魔法である。即死でさえなければどんな怪我でも一瞬で完治させられる(なかったことにできる)が、代償として対象のエイドスの情報を読み込む過程で対象者が味わった苦痛を何倍にも圧縮して味わわなくてはならない。この魔法の応用として、自分が一定以上の損傷を受けた場合、肉体を一瞬で無傷な状態に復元する「自己修復術式」が登場しているが、深雪が生徒会長や風紀委員長に軽く嫉妬した程度で悪戯として自動復元が発生する程のお仕置きを達也に与えた際に「自己修復術式」が行われた(1巻)のが初出である。上記の二つの魔法に加えて、最高クラスのサイオン保有量を活かした対抗魔法「術式解体(グラム・デモリッション)」を使いこなす。来訪者編でリーナのブリオネイクを見てFAE理論の実証を目撃し、十三束との模擬戦で雲散霧消が通用しない相手に備えて、FAE理論を用いた新魔法「バリオン・ランス」の開発を九重寺で行い、2097年の元日までには完成させていた。
また、生来の魔法の副産物としてイデアに直接アクセスする特殊かつ高精度の知覚能力「精霊の眼(エレメンタル・サイト)」を持っているため、障碍物に関係なく存在を知覚したり、「情報」そのものである起動式や魔法式を視認して瞬時に解析し分解できる。
CADのソフトウェア開発の分野で第一線級のプロのエンジニアとしてFLTのCAD開発第三課と共に多くの功績を上げているが、それらは息子の才能を羨み恐怖した実父の策略で「トーラス・シルバー」という架空のエンジニア(後述の牛山を参照)の功績とされ、本人が直接の脚光を浴びることはない(ただし、達也本人は地位や名声といったものに興味がないので気にしていない)。
2097年度の慶春会で真夜が達也を四葉に引き留めるための策として、真夜の息子であるという虚偽の発表がされ、次期当主である深雪の婚約者として指名された。その際に深雪の秘めた気持ちを知ることになったが、今は妹としか見れず、深雪を拒絶することも出来ないため、返答を保留している。
司波 深雪(しば みゆき)
声 - 早見沙織
達也の妹(2097年からは対外的には従兄妹)で、本作のヒロインにしてもう一人の主人公。身長160cm、体重49kg。
1年A組→2年A組の女子生徒(一科生)。生徒会書記(2095年4月〜2095年9月)→生徒会副会長(2095年10月〜2096年9月)→生徒会会長(2096年10月〜)。入学試験をトップの成績で合格し、新入生総代も務める。生年月日は2080年3月25日。達也と共に成長期だが、身長差は深雪が15センチメートル以上低い(つまり約160センチメートル)。
兄と同様に着やせするタイプで、同年代と比べて発育も良く、その神懸かったスタイルと美貌から、全校生徒から羨望の的となっている。
実母は故人、実父は後妻宅に泊まりきりのため、中学時代から兄妹で二人暮らしをしている。周囲には秘匿していたが、十師族「四葉家」現当主の実の姪であり、次期当主候補の一人(2097年に正式に次期当主に指名)。母・深夜から達也と兄妹として接することを禁じられて育ったため、情動の薄い達也を不気味に思い、苦手としていた。しかし2092年の大亜連合軍による沖縄侵攻を切っ掛けに、実の兄である達也を誰よりも敬愛し「お兄様」と尊称するようになった。兄が四葉家や第一高校で不遇な扱いを受ける状況を常に憂いているが、しかし四葉家の決定に逆らうことはできずジレンマを抱えていた。
神秘的と言えるほどに稀有な美貌を有しており、同級生から上級生まで、男女問わずに認める「校内一の美少女」。その美貌は、異性のみならず同性の視線まで強奪してしまうほどで、もはや暴力的とまで言えるもの。それに加え、魔法の実力や学力の高さも相まって、校外にまで広がる絶大な人気を得ることになる。
才色兼備の具現ともいえるような、礼儀作法を崩さない一流の女子生徒である。「愛すべき欠点」とされるのが重度のブラコンであること(そのブラコンの度合いは常軌を逸するものである)。兄への愛情を隠そうとすることなく、兄妹としては際どい関係を思わせる振る舞いも見せるが、本心か冗談が分かりきらない部分がある。達也が他の女性と親しげにしているとプレッシャーを放つ笑顔となり、嫉妬のオーラを漂わせるのが常。嫉妬の感情自体は認めているものの、それが「恋愛感情」かどうかは友人らに対して否定していた。実際は達也に対する恋愛感情を自覚しているが、実の兄妹であることから結ばれることができないと自らに言い聞かせており、次期当主になることで兄の立場を改善できるという期待と同時に、兄以外の男を婚約者として迎えなければならないことへの嫌悪感との板挟みに苦しんでいた。しかし真夜の策略で、達也が自分の婚約者として指名され、さらに自身の出生の秘密を知り、達也と肉体的に結ばれることに何ら問題がないことを知ると、それまで抑えていた想いを達也に打ち明けた。
2097年の慶春会にて正式に次期当主として指名され、さらに達也との婚約を真夜から発表された。それに伴い、それらの事実が1月2日に四葉家から魔法協会を通じて十師族、師補十八家、百家などの「数字付き」有力魔法師各家に通知がなされ、二人が四葉家の後継者であることが正式に発表された。
高度な魔法を駆使し、中でも分子運動を減速させる振動系魔法(冷却魔法)を得意分野とする。その魔法力は強大で、一点ではなく面や空間全体に作用する魔法に適性が高い。広域振動減速魔法「ニブルヘイム」や、空間内の温度を極寒と灼熱に二分する魔法「氷炎地獄(インフェルノ)」などを難なく使いこなすが、いずれも難易度が高いとされる魔法である。ただし、振動系の冷却魔法の高い適性は、彼女が本来生まれ持った魔法が物理世界に干渉する形へと姿を変えたものでしかなく、本当の得意魔法は精神に干渉し凍結させる系統外魔法「コキュートス」である。精神干渉系の適性は持ち主が限定されるものだが、「魔法的な素質は遺伝する」という魔法学のセオリーに基づき、事実上実母の深夜から適性を受け継いでいる。
実は調整体であり、調整体の欠点の全てを克服し、人間以上に人間として完成された『完全調整体』魔法師として四葉の最高傑作とされている。世界を破壊し得る達也の魔法を抑え込むために生み出されたと、真夜は語っている。
基本的に誰にでも心優しく穏やかな性格であるが、その反面負けず嫌いで芯の強い一面もある。ブラコンが行き過ぎて、達也に対する敵意や他の女性と付き合っている素振りを見ると過敏に反応し、魔法を暴発させることもある。魔法が暴発しやすいのは未熟の証でもあるが、通常は意識しなければ効力を発揮しないのが魔法であるため、無意識による魔法の暴走は非常に高い事象干渉力の裏付けでもある。暴走は、達也の魔法力を制限する「誓約」のため、制御力の半分を常に使用されている副作用である。魔法師の評価基準となる魔法力が破格なだけではなく、体内に保有するサイオン量も最高クラス(これは父親からの遺伝であり、達也も同様)。また、四葉家の特殊な技術により、魔法式のイメージを皮膚接触によって達也と伝達しあうことができる。
生徒会役員(会長以外)の一科生限定条件の廃止案を提案した生徒総会での質疑応答で騒ぎを起こした生徒達に、魔法の暴走未遂を起こすほどの怒りを見せ、以降は本人には不本意なあだ名(氷の女王女王陛下スノー・クイーン)を着けられ、同時に彼女の暴走を止められるのが達也だけという認識を全校生徒に植え付けることとなる。翌年には信任100%で生徒会長に就任し、達也のために「書記長」という役職を作りそれを容認させるなど、生徒たちを驚かせた(しかし支持する生徒たちはむしろ楽しそうに見ており、本人は達也が会長だったらと思っている)。
達也ほどの腕前ではないが、九重八雲の道場で武術の修行を受けており、八雲を「先生」と呼んでいる。そのため、身体能力の面でも同世代の女子より優れており、2096年の九校戦では『スティープルチェース・クロスカントリー〈女子の部〉』で優勝を果たしている。

達也・深雪の同級生

西城 レオンハルト(さいじょう レオンハルト)
声 - 寺島拓篤
1年E組→2年F組の男子生徒(二科生)。1年時の達也のクラスメイトで友人。通称レオ。山岳部所属。身長180cm、体重75kg。
父親がハーフ、母親がクォーターであるが故に、髪は黒くても顔立ちは白人的で彫りが深い。将来は機動隊山岳警備隊などの「体を動かす系」の仕事を志望しているが、勘は鋭く、二科生とはいえ第一高校の入学試験を通っている時点で学力が低いわけでもない。
得意分野は対象の相対位置を固定する収束系の「硬化魔法」。自分が身に着けているものをCADごと硬化させ、肉体的な強さに物を言わせた肉弾戦を得意とする。また、逐次展開と呼ばれる技法により継続的に魔法を更新できるため、持久戦にも強い。愛用のCADは現在では少々珍しい音声入力式で、プロテクターを兼ねている。二年生時の論文コンペで京都での偵察の際にはローゼン・マギクラフト社製の完全思考操作特化型CADを装備している。
自分の肉体の力だけで魔法に匹敵する威力の拳を繰り出せるほどの、驚異的な運動能力と耐久性を持つ。父方の祖父(故人)は遺伝子操作により肉体の耐久性を強化された調整体魔法師であり、ドイツで開発された「城塞シリーズ(ブルク・フォルゲ)」の数少ない成功例の一人だった。失敗例の多くは精神を病んで狂死しているため、調整体としての体質を受け継いでいることからそれを恐れることもあり、天寿を全うした祖父のように目的もなく自由に彷徨することを半ば意識して行なっている。本人的には、自分のルーツが調整体であることをコンプレックスに思っている節がある。なお、姉に花耶(かや)がいるが、彼女には魔法師の素質はない。
自宅は草加市にあり、民間厚生施設や仕事斡旋業を営んでいる。曽祖父の代までは古いタイプのヤクザ組織だったが、レオの祖父が婿入りする際に廃業している。また、愛用のプロテクター型CADはこの祖父から譲り受けたものである[11]
エリカとはいつも憎まれ口を叩き合う間柄であるが、口喧嘩ではいつも彼女に言い負かされている。九校戦ではエリカのコネで応援に駆けつけていたが、妨害工作によって競技への参加が不可能になった正規メンバーの代役として指名された達也に選ばれる形で、幹比古と共にモノリス・コードに出場する羽目になった。その後、横浜騒乱編でエリカから勝負の決め手がないと指摘され、千葉家の「秘剣・薄羽蜻蛉」をエリカから伝授された結果、以降の戦闘においては弟子扱いされている。
2097年1月に達也と深雪が四葉家の人間だと知るも、あまり日本魔法界と深い関わりを持たないためか達也たちに対する態度も変わらなかった。
千葉 エリカ(ちば エリカ)
声 - 内山夕実
1年E組→2年F組の女子生徒(二科生)。1年時の達也のクラスメイトで友人。身長162cm、体重52kg。テニス部に入部しているが、ほとんど幽霊部員に近く、紗耶香の頼みで剣道部の手伝いに混ざることもある。
学年No.2の美少女との呼び声が高い。スレンダーなスタイルと明るい髪の持ち主で、実はドイツ人の祖父を母方に持つクォーター。
幹比古は家同士の付き合いがある幼馴染。レオとは口論になりがちの割りには互いに信頼している仲であるが、レオとワンセットと見做される発言をされると憤慨する。そのくせ、幹比古と美月を平気でからかうことを繰り返す。深雪とはどこか通じ合う面があるようで、初対面から打ち解けるようになった。深雪や美月には異性として達也に好意を抱いていると思われていたが、2年進級前後辺りからはそのような雰囲気はなくなっている。
「剣の魔法師」の二つ名を持つ百家本流の一つ「千葉家」の次女。千葉家は剣術(剣技と魔法の複合白兵戦闘技術)の道場と武装デバイスの製造で有名であり、警察や軍関係者とは師弟関係と武装デバイスの提供による強い繋がりを持っている。エリカも剣術家として自己加速・自己加重の術式を用いた白兵戦を得意としており、「来訪者」編以降はレオ、幹比古を引っ張りつつ、トリオとして戦うことが多くなっている。
日常で私有する武装デバイスは、刻印魔法と呼ばれる技術で製作された伸縮式警棒状のもの。この武装デバイスの製作には同じ百家である「五十里家」の五十里啓が関わっており、エリカと啓は顔馴染みである。また、「大蛇丸」の小型版としてエリカに与えられた「ミヅチ丸」も五十里家が作ったもの。
純粋な剣術の技量は千葉家の中でも上位にあり、門下生である風紀委員長の摩利を上回る。その腕前と彼女自身の魅力により、千葉一門のアイドル的地位を掴み取っている。千葉家が誇る「秘剣・山津波」を習得するためだけに長い年月をかけて修行を積んでおり、専用の武装デバイス「大蛇丸」を使いこなせるのは事実上エリカのみである。また、達也の見解によると、エリカの「速さ」は作中随一であるとのこと。
エリカは父親が愛人に産ませた娘であり、父親からは冷遇されている。千葉の姓を名乗るようになったのは実母の死後であるため、主要な魔法師の家系を諳んじている達也でも、千葉家本家の娘としてのエリカの存在を知らなかった。名家の娘らしく、身内の前では「育ちの良い」言葉遣いをしているが、本人は自分らしくないと思っている。腹違いの兄が2人、姉が1人いる。次兄の修次を慕っており、先輩である摩利を一方的に毛嫌いしているのは、この次兄の交際相手であるためであり、深雪からはブラコンと指摘されている。長兄である寿和に対しては、幼少期からの力関係や、妹が千葉家に対して屈服することがないようにという寿和の対応から父親の次に敵対心を抱いており、常に挑戦的な態度を見せていた。それでも2097年の箱根テロ事件の捜査中に寿和が殉職した際には、犯人に対し怒りを覚え、達也との立ち合いの後に涙を流していた。来訪者編で、達也が四葉家の関係者であることに感づくが、藪蛇になることを恐れ、それ以上深く考えないようにしていた。2097年1月にその事実が正式に発表され、そのことで幹比古と美月が達也と距離を取るようになった際には二人を叱責し、友達としてこれからも達也と付き合っていくよう説得した。A組男子からは、2年女子の中での実力者の一人として認知されている。
柴田 美月(しばた みづき)
声 - 佐藤聡美
1年E組の女子生徒(二科生)→2年E組(魔工科生)。達也のクラスメイトで友人。美術部所属。身長158cm、体重52kg。
魔法師の家庭の生まれではないが、隔世遺伝で魔法の素質が発現し、二科生ながら達也と同じく魔法工学技師を志望している。母親は翻訳家。外見は癒し系の爆乳美少女であり、同学年よりも上級生に人気が高い。
「霊子放射光過敏症」という症状を緩和するために、眼鏡(オーラ・カット・コーティング・レンズ)を常に装着している霊視能力者。二科生とはいえ一校に入学している以上、自身の魔法的視力をある程度は制御できるはずなので、それでもなお外的な手段で症状を抑えているという事実が、霊視力の並外れた強さを示している。現に、古式魔法師にとって希少な才能とされる「水晶眼」の持ち主。達也はこの力で自分の秘密を知られるかもしれないと警戒していたが、魔法訓練時に能力の一端を気づかれた結果、二科生としての前向きな姿勢を美月に感心されるのみで終わった。
兄である達也と話したいのに、取り巻く一科生達に迷惑していた深雪に代わって一科生達を怒鳴り付けるなど、大人しい性格の割に思い切った行動をする一面がある。最近では幹比古に気があるようで、周囲からは温かい目で見守られている。
2097年1月に達也と深雪が四葉家の人間だと知ると、幹比古同様に達也たちとぎこちなくなったが、エリカの叱責で幹比古が友達として向き合うと決めた直後に、エリカに言われて幹比古同様に以前通りに付き合うようになった。
吉田 幹比古(よしだ みきひこ)
声 - 田丸篤志
1年E組の男子生徒(二科生)→2年B組(一科生)。1年時の達也のクラスメイトで友人。風紀委員会(2096年4月〜2096年9月)→風紀委員長(2096年10月〜)。
旧家にして古式魔法の名門・吉田家の次男で、エリカとは幼馴染。右目の目尻にあるホクロがトレードマーク。
「精霊魔法(吉田家では「神祇魔法」と呼ぶ)」と呼ばれる種類の系統外魔法を伝承する家系の直系として生まれ、家伝の魔法の中核を成す「喚起魔法」の腕前は次期当主(長男が次期当主になるが、自分よりふさわしい者がいた場合その者に譲るのが徳とされる家風がある)である兄を凌ぎ、神童と称されるほどだった。しかし入学の1年前に吉田家の伝統として行われる「星降ろしの儀」によって竜神の喚起を水晶眼を用いずに行おうとした結果、竜神によって自分の限界以上の演算を行わされたことにより魔法の感覚を急激に引き上げられ、自分の魔法の速度が遅くなったと錯覚に捕らわれてしまい、著しく魔法力を損なう。以後座学や武術の鍛錬に精を出すようになるが、結局は一科生ではなく二科生として第一高校に入学する。
失った力を取り戻そうと焦る日々を送っていたが、体育の授業をきっかけに達也やレオと交流を持ち始める。九校戦で達也の魔法のアレンジにより演算領域を限界まで作動させられ、儀式で竜神を喚起した時以上の速さを体験させられることで自分の錯覚に気づき、以前のように魔法が使えるようになり克人らに目を掛けられるようになった。着々と実力をつけ『神童』と呼ばれていた時よりも魔法を使えるようになり、二年進級時に一科生に転科した。達也が生徒会入りして風紀委員を脱退したことで、後任として生徒会推薦枠で風紀委員会入りし、秋には風紀委員長に就任する。
吉田家は宗教法人でなく、魔法の修行道場である私塾である(女性が多いため、幹比古は女慣れしている)。宗教的枠組みから飛び出し、必要な技術を無差別に取り込んだ点で伝統派と共通点があるが、神へと至る術法を目指すという思想から単純に強さのために無節操に力を求める伝統派とは対立している。2097年1月に達也と深雪が四葉家の人間であることを知り、一時は達也たちから距離を置くも、エリカの叱責により友達として以前どおり付き合うことを選んだ。
魔法師としての力と自信を取り戻してくれた達也に対しては深い恩義を感じている。また、美月に対しては当初、神霊すら認識しうる「水晶眼」の持ち主として関心を抱いていたが、最近では純粋に美月に気があるようで、バレンタインデーに美月から明らかな義理チョコを渡された際には、少し不満げな表情を見せていた。
1年次には、筆記試験で、達也、深雪に次ぎ、学年3位をマークしている。
光井 ほのか(みつい ほのか)
声 - 雨宮天
1年A組→2年A組の女子生徒(一科生)。深雪のクラスメイトで友人。雫とは幼い頃からの親友で、魔法のライバルでもある。SSボード・バイアスロン部所属。身長162cm、体重53kg。生徒会書記(2095年10月〜2096年9月)→生徒会会計(2096年10月〜)。
少々気の弱い面もあるが、魔法の実力は実技、理論とも4位で、総合は深雪に次ぐ学年総合2位。「光井」の名の通り、光波振動系(に干渉する魔法)に特化した適性を持つ、光のエレメンツの血統。複雑な工程を多く含む魔法を難なくこなせる研究者タイプの資質で、複雑な処理を持続させる技術は深雪も真似できないというほど。他の一科生達と違い、二科生自体を見下すような考え方をしないが、達也の全く無駄のない「綺麗な魔法」を入学試験時に目撃して感銘を受けていたため、二科生として入学していた事実がほのかにとっては裏切られたような感覚を持つ(それ自体を後日反省する)。基本的には優しく穏やかな性格の持ち主で、エレメンツ血統のため、他者への依存性が高い。深雪と行動を共にするようになってからは達也やその友人らと交流を持つようになる。 なお、達也と深雪の友人の中では美月に次ぐ巨乳の持ち主で、身体全体の凹凸では1番である。
入学直後にA組生徒とE組生徒が一悶着を起こした際、反射的に魔法を使ってしまい、風紀委員の処罰対象になりかけたが、達也の便宜で助けられ感謝をしている。それから達也に強い関心を持つようになるが、その後、達也にエンジニアを担当された九校戦を通じて、尊敬と明確な思慕を抱くようになり、その後告白するも、恋愛感情を持てない達也は恋人を作ることはできないという理由で振られる結果となった。しかし、それでも想い続けることを告げており、アタックを継続している。2097年1月に達也と深雪が四葉家の人間であることを知り、さらに達也と深雪が婚約したと聞かされて激しく取り乱す。そして、雫に提示された選択肢[1.諦める 2.アタックを続ける 3.愛人となる]から「アタックを続ける」を選び、今後とも達也を巡って深雪と競うことを深雪に告げた。
スピンオフの『魔法科高校の優等生』ではレギュラー格のキャラクター。達也だけでなく深雪に対しても強い憧れを抱く様子が追加されている。おっちょこちょいな性格も強調され、A組とE組の接触時に魔法を使った場面では、あくまで乱闘を制止したい思いであったという内心も表現されている。また、同作では「SSボード・バイアスロン部」に所属している設定も明かされ、同じ一科生である明智英美との出会いも描かれている。
1年二学期の10月から新規の生徒会の書記を務めている。2096年度九校戦にも出場し、ミラージ・バットで優勝。スティープルチェイス・クロスカントリーでは雫と並んでゴールし五位となった。
後述のピクシーは、中のパラサイトがほのかの想念を元に自我を形成したため、半身とも呼べる存在となっている。
北山 雫(きたやま しずく)
声 - 巽悠衣子
1年A組→2年A組の女子生徒(一科生)。身長158cm、体重47kg。深雪のクラスメイトで友人。ほのかとは家族ぐるみの付き合いがある親友同士。SSボード・バイアスロン部所属。風紀委員会(2096年4月〜)。
ほのかとは昔からの親友で、中学時代は唯一のライバル。魔法実技では深雪に次いで学年2位の実力者。
ほのかと共にクラスメイトの深雪の友人となり、深雪を介してE組の達也らと交流を持つ。実は、日本の大実業家である北山潮を父に持つご令嬢。家族には両親のほか、祖母と小学5年生の弟がいる。ほのかとは小学校の頃からずっと一緒に行動しており、雫の両親もほのかを雫の姉妹のように思っている。達也に恋心を抱くほのかを応援しており、いろいろな協力やお膳立てをしている。また自分自身も達也に非常に懐いており、達也の説明を熱心に聞いたり、褒められると嬉しそうな反応を示す。
基本的に口数は少なく達也以上に感情を表に出さないな少女だが、達也に褒められて喜ぶところや、自分の胸を見て悲しげな表情になるなど、感情がまるっきり出ない訳ではない。ボソッとする発言は時に鋭く、友人たちの会話ではツッコミが多い。Aランク魔法師である母親の遺伝から大出力の振動・加速系魔法を得意分野としており、「共振破壊」「フォノンメーザー」などの術式を持ち技にしている。出力・速度が売りであり、精度が求められる細かい制御は苦手で、達也以前のCAD調整では苦手な制御を補完する設定を望んでいた。
一年時の九校戦ではスピード・シューティング新人戦優勝、アイス・ピラーズ・ブレイク新人戦準優勝と好成績を残す。九校戦で達也のエンジニアとしての腕を買い、専属でなくとも雇いたいと勧誘しているが、達也からは「その件はライセンスを取得してから」と断られている。九校戦の際には達也からフォノン・メーザーの術式と複数CADの同時操作技術を伝授されており、大会後には同術式がインストールされた小型拳銃型のシルバー・ホーンをセカンドマシンとして購入した。
スピンオフの『魔法科高校の優等生』では、ほのかと共にレギュラー格。ほのかを誘ってバイアスロン部に入部した経緯や、明智英美との交友を得る様子も描かれている。
2年から部活連推薦枠で風紀委員に入る。風紀委員会では幹比古と並ぶ委員長候補だったが、本人が嫌がったために幹比古に譲った。それでも幹比古が京都の警備に行く際に委員長の代理を任せられるなど、実力と親密度から幹比古の補佐を務めることもある。2096年度九校戦にも出場し、アイス・ピラーズ・ブレイクで花音とペアを組んで優勝。スティープルチェイス・クロスカントリーでは、ほのかとともにゴールし六位となる。
A組男子からは「影の風紀委員長」と呼ばれ、2年女子の中で最も注意すべき人物と評されている。
森崎 駿(もりさき しゅん)
声 - 大原崇
1年A組→2年A組の男子生徒(一科生)。深雪のクラスメイト。風紀委員会とコンバット・シューティング部に所属。
百家の支流である森崎家は魔法そのものよりも、CADの操作技術の修練によって魔法の発動スピードを高めようとする技術により評価されている。「早撃ち(クイック・ドロウ)」と呼ばれるその技術は、達也やエリカが模範演技映像を見た経験があるなど、それなりの知名度がある。家業としてボディガードの仕事をしており、森崎もボディガードのサポートを学生時代から経験している。
風紀委員や九校戦の出場選手に選ばれるなど、対人戦闘では一年生の中でも実力は高く、入学直後に教師推薦枠で風紀委員入りしている。自らが一科生、ブルームである立場を誇りに思っていて、逆に二科生である達也たちをウィードと呼び見下す考え方に疑いを持たない。プライドが高く、達也が称賛される姿に嫉妬しながらも落ち込む場面もある。
数字持ちである百家本流に比べると先天的魔法力で劣っているものの、それを技術の向上で補う愚直な努力と、それにより明らかに自分より才能のある上位陣に喰らいつく成績、得意といえないスピード・シューティングで準優勝して見せた勝負への執着心など、才能の差を努力で埋めて結果を出している姿から、一年一科生の間では高評価である。しかし、自分と周りを比べすぎることから、自分より下の者を見下して自分のプライドを支えようとする短所が見られ、その事で深雪、ほのか、雫からはあまりいい印象を持たれておらず、ほのかと雫、そして教師陣からは「技術はあるが、自力は他人を見下せるほどじゃない」と評価されている[12]
2095年度の九校戦では新人戦男子代表に選抜。スピード・シューティングでは個人二位を獲得するも、モノリス・コードの予選第二試合で相手校の反則攻撃により重傷を負ってしまい、リタイアすることになる。
スピンオフの『魔法科高校の優等生』では、空気を読まない目立ちたがり屋の一面が強調されている。授業見学時には深雪に良いところを見せて点数稼ぎをしようとしたり、二科生と一緒に勉強なんてできるわけがないと深雪の前で平気で口にしたりなどのシーンが追加されている。
短編「優等生の課外授業」(文庫5巻収録)では主役となる。非魔法師の女性である孫美鈴のボディガードを偶然請け負った体験を経て、非魔法師に対して魔法師が特別であるという考えに疑問を持ち、自らの実力不足を受け入れられるようになったものの、経緯が経緯なだけに達也との気まずい関係は継続されている模様。
明智 英美(あけち えいみ)
声 - 西明日香
1年B組→2年B組の女子生徒(一科生)。フルネームは「アメリア=英美=明智=ゴールディ」で、愛称は「エイミィ」。狩猟部所属。スピンオフの『魔法科高校の優等生』ではほのかや雫と親しく、準レギュラーのような扱い。ほのかと雫を巻き込んで「少女探偵団」というチームを作ったりと、謎解きを好む一面がある。
この世代の魔法師にしては珍しいクオーターで、ルビーのような光沢の紅い髪が特徴な小柄な少女。通称「砲撃魔法」という、大質量の物体を高速で短時間移動させる移動系統魔法を得意とする。学年末試験では学年総合4位をマークする優等生。底抜けに明るい性格の持ち主。
ゴールディ家は元々古式魔法を伝承する一族でありながら、現代魔法の勃興と共にこれを修めてイングランドにおける現代魔法の権威の一角を占めるようになった家系で、家伝の秘儀として「魔弾タスラム」と呼ばれる術式を伝えている。この魔法を扱えることがゴールディ本家の一員である証とされ、英美はゴールディ家現当主の伯母にあたる祖母からこの魔法を伝授されている。
魔弾タスラムに絡んだ事件から十三束鋼と親しくなり、その後から仲を深めようと積極的になっている。2年進級時に十三束のいるE組に突撃し、そこで達也の友人たちとも知り合う。2096年度の九校戦では千秋と仲良く話す十三束の姿に不機嫌になっているが、エリカがけしかていることもあり、周囲からは三角関係を半ば好奇の目で見られている。
2095年度の九校戦で新人戦女子代表メンバーに選抜。スピード・シューティングでは個人二位、アイス・ピラーズ・ブレイクでは個人三位を獲得。2096年度の九校戦にも代表選手として選ばれており、新種目のロア・アンド・ガンナーに久美子とペアで出場し1位となった。
初めて達也の調整を受けた際、自分を構成するすべてを観察されるという感覚に恐怖を感じた。また、横浜事変で達也がゲリラの腕を切り落としたことを聞いた時も恐怖を抱いた。それでも達也に対して信頼を寄せており、ロアガンで複数の標的に魔法を当てる練習が行き詰った際に助けを求め、散弾型に改造した「インビジブル・ブリッド」を授けられ、優勝する。
里美 スバル(さとみ スバル)
声 - 斉藤佑圭
1年D組→2年D組の女子生徒(一科生)。美少年と見紛うばかりの外見の少女。伊達眼鏡がトレードマーク。この時代の伊達眼鏡は男性的なファッションであり[13]、わざと中性的に振舞っているだけでなく、言動や行動がどことなく芝居がかっている。一人称は「僕」。
英美と同じく九校戦出場選手で、それ以降友人となった。「跳躍」の魔法を得意とするほか、「認識阻害」の先天性スキルがあり、前述の芝居がかった言動や行動は「誰にも気づいてもらえなくなるスキル」の反動である。
2095年度の九校戦新人戦、ミラージ・バットでほのかに次いで二位の成績。
2096年度はミラージ・バット本戦でCAD調整はあずさが担当し、達也の不敗記録(彼がCAD調整をした選手は、他の者が調整した選手に負けない)を破ると宣言したがほのかに次いで2位となり、達也の不敗記録は更新中。新種目であるスティープルチェイス・クロスカントリーでは深雪や花音とともにトップを走るも、罠にかかり八位となる。
英美のことを気にかけているのか、千秋と仲良くしてばかりの十三束には厳しめの態度を取っている。
滝川 和実(たきがわ かずみ)
声 - 諏訪彩花
1年C組→2年生の女子生徒。操弾射撃部所属。九校戦の新入生女子代表メンバー。スピードシューティングでは雫、英美に次ぐ三位の成績を収めている。
魔法科高校の優等生では達也の不敗記録が最も破られかねない試合、実力上位である第三高校の十七夜 栞に三位決定戦で勝っている。
九校戦の後、自らの成績不振と達也への対抗意識から焦りを覚えている森崎を諌めている。
アニメ版で追加された発足式後の担当エンジニアとの初顔合わせのシーンにおいて、達也を名前で呼ぶほのかと雫に対して茶々を入れていた。
春日 菜々美(かすが ななみ)
声 - 久野美咲
1年生→2年生の女子生徒(一科生)。
九校戦の新人戦代表メンバー。
桜小路 紅葉(さくらこうじ あかは)
1年B組→2年B組の女子生徒(一科生)。
英美のクラスメイトで、彼女とスバルの友人。私服にゴスロリ風の服を着ていて、テーマパーク好き。英美が迷子になった際に「落ち着きがない」「方向音痴」と陰で言うなど、スバルから英美への態度に疑問を持たれていた。
十三束 鋼(とみつか はがね)
声 - 山下大輝
1年B組の男子生徒(一科生)→2年E組(魔工科生)。2年次からの達也のクラスメイト。部活連執行部所属(2096年4月〜)。マーシャル・マジック・アーツ部所属。
マーシャル・マジック・アーツは魔法を併用した徒手格闘術で、小柄な体躯ながらその実力は校内屈指。風紀委員の沢木碧は部活の先輩でもある。一学期末は実技・理論とも5位の総合4位、学年末試験では総合5位をマークする優等生。しかし、自らの特性から九校戦選手には選ばれない。
生まれつきサイオンを強く引き寄せる体質を持ち、本来なら体から流れ出るはずのサイオンが本体から離れようとしないため、体に密着する範囲でしか魔法式を展開できない。それゆえ「Range Zero(レンジ・ゼロ)」という二つ名で呼ばれ、遠隔魔法が苦手だという揶揄と共に、ゼロ距離では無類の強さを発揮するという敬意も込められている。高密度のサイオンを身に纏っているため、自分に触れた魔法式を無効化する「接触型術式解体」を使用できる。ただし通常の魔法師としての欠陥は無視できず、進路としては魔法工学に関心がある。
錬金」の異名を持つ十三束家は百家の中でも有数の実力を誇り、また国内の魔法師の中でも指折りの資産家とされる一族である。夏休みにテーマパーク「ワンダーランド」でアルバイトをしている最中、英美の事件に巻き込まれる。その一件から英美と親しくなるも、以降、英美の積極的なアプローチに圧倒されている一方、十三束自身は横浜争乱の一件以降、千秋を気にかけていることが多いため、エリカを中心とする同級生たちからはその三角関係を半ば好奇の目で見られている。
二年進級時に魔工学科のE組に進学し、達也たちと親しくなる(ただしエリカ達と違い、学外での交流はない様子)。部活連執行部でもあり、後輩である琢磨の問題行動に頭を悩ませ、その価値観を覆させるため達也に模擬戦を挑んで好戦を演じた。2096年度の九校戦に出場し、シールド・ダウンで桐原とペアを組んで出場し、優勝を飾った。
平河 千秋(ひらかわ ちあき)
声 - 田辺留依
1年G組の女子生徒(二科生)→2年E組(魔工科生)。
九校戦で技術スタッフとして参加していた平河小春の妹で、2年次からは達也のクラスメイト。一学期定期考査では、魔法工学の試験で達也に次ぐ学年2位の成績を上げている。
高い工学系スキルを持つ達也に対して憧憬のようなものを一方的に抱いていたが、九校戦の不正を見抜けなかった姉が思い詰めたのは達也の所為と(周に意識を誘導され)決めつける。復讐心から達也を尾行している時に花音に咎められ、五十里に捕まえられそうになると、スクーターに付けたロケット推進という無謀な方法で逃亡する。デモ機調整現場でパスワードブレイカーを所持していたところを紗耶香に見咎められ、催涙ガス発生ダーツで紗耶香、桐原、エリカから逃走しようとするが、脇にいたレオによって組み伏せられる。その後は病院で保護されつつも、達也を恨み続けるが、自分が得意とするハードウェア分野ならば魔法工学で達也を超えられる可能性を元生徒会会計の鈴音に示唆され(鈴音的には騙して)ひとまず落ち着いた。横浜事変の際、避難中に助けてくれた十三束鋼には心を開いている。進級後も同じクラスとなった達也への敵愾心は変わらず、そのことからエリカから不興を買っている。熱核融合炉の恒星炉実験では十三束から誘われ、不承不承ながらも技術者として協力していた。2096年度九校戦では技術スタッフとして参加、十三束のサポートをしていた。
五十嵐 鷹輔(いがらし ようすけ)
2年生の男子生徒。バイアスロン部所属。部活連会頭(2096年10月〜)。
女子バイアスロン部の去年の部長である五十嵐亜実の弟で、やや気弱な性格。服部の後任の部活連の新会頭で、生徒会に就任の挨拶に来た時には深雪を前に上がりまくっていた。
ほのかと雫からの評価では、実力はあるがここぞという場面で一歩退いてしまい、そのくせ追い詰められると無謀な賭けに出て自滅するなど性格的に勝負弱い面があり、副将・参謀向きでリーダーには向かないといわれている。

達也・深雪の一年先輩

中条 あずさ(なかじょう あずさ)
声 - 小笠原早紀
2年A組→3年生の女子生徒(一科生)。身長150cm、体重41kg。生徒会書記(〜2095年9月)→生徒会会長(2095年10月〜2096年9月)。入学時は新入生総代を務めた。成績は入学時・進学時とも理論1位・実技2位、総合は服部と1位・2位を分け合う。
気弱な性格で、彼女を「あーちゃん」と呼ぶ真由美にはいつも振り回されている。性格面では真由美達に終始押されがちでこそあるが、それでも尚生徒会役員に任命され、生徒会長であった事実が彼女の実力の高さを示している。服部とは入学のときから実力を競うライバル同士で、彼女にとって唯一敬語を使わずに話せる男子生徒である。
使用には厳しい制約があるものの、一定のエリア内にいる人間をある種のトランス状態に誘導する情動干渉系(意思・意識ではなく、衝動・感情に働きかけるタイプ)の系統外魔法「梓弓」の固有スキルを持つ。個人ではなくエリアに働きかける系統外魔法は極めて稀少であり、無秩序な混乱を鎮圧することに適している。ただし前述の通り、ちょっとした出来事でも涙目になる程に気弱なため、悪用はできないだろうと評されている。
極度のデバイスオタクで、CADなどの魔法機具の薀蓄を語りだすと周りが見えなくなる時もしばしば。将来は魔工師を志望しており、魔工師として「トーラス・シルバー」というエンジニアを尊敬している。九校戦で達也の魔工師としての腕の違いを見せられ、彼がシルバーではないかと疑いから確信を持つようになった。
2095年10月に真由美に代わって生徒会長に就任した。性格的に生徒会長への立候補を辞退していた為、達也から非売品のシルバーモデルの飛行デバイスを生徒会長就任の祝いの品という人参として前渡しされたことにより立候補を受諾した。性格の気弱さは変わらないものの、しっかりと役目を勤めている。入学での新入生総代として挨拶したときには在校生や新入生をあたふたさせた演説をしていた。
2096年度の論文コンペでは五十里のサポートとしてメンバー入りする。
服部 刑部少丞 範蔵(はっとり ぎょうぶしょうじょう はんぞう)
声 - 木村良平
2年B組→3年生の男子生徒(一科生)。身長175cm、体重67kg。生徒会副会長(〜2095年9月)→部活連会頭(2095年10月〜2096年9月)。学校には「服部刑部(はっとりぎょうぶ)」で籍を登録している。
入学時には次席であり、首席入学のあずさとは実力を競い合う仲。本人はフルネームや刑部ではなく範蔵と呼ばれるのを拒んでいるが、真由美には「はんぞーくん」と呼ばれている[注 3]
当初は二科生を見下しており、生徒会副会長の身であるも関わらず「ウィード」という差別発言を行っていた。実際、入学直後の達也を睨み付けたり、挨拶もせずただ素通りするという態度を取っていた(ただし、それは主に真由美に弄り倒されているせいで溜まるストレス故ではないかと摩利は分析している)。
模擬戦で負けた経験は入学以来から一度も無く、真由美、摩利、克人に次ぐ実力者である。中距離以上の広範囲を攻撃する魔法を得意し、どちらかと言えば1対1の個人戦は不得手であるものの、特に苦手な分野は無い。飛び抜けて強力な得意魔法や圧倒的な処理速度などを持ち合わせていない代わりに、多種多様な魔法をどんな場合でも安定的に行使できるのが持ち味である。複数の魔法工程を一つの術式に纏め上げるのではなく、それぞれの魔法が起こす現象を組み合わせて個々の総和より大きな効果を得る魔法技術である「コンビネーション魔法」の練度が高い。作中では「這い寄る雷蛇(スリザリン・サンダース)」を披露する場面がある。
魔法至上主義者であり、入学当初は十師族の魔法師に対しても対抗心を持っていたが、九校戦で真由美や克人の実力を目の当たりにして多少性格が丸くなった。このときから真由美に対して憧れを抱くようになるが、十師族の直系である彼女が高嶺の花であることを認識し、半ば諦めているところがある。彼の二科生への差別意識はここから根を下ろしており、しかし同時に魔法至上主義ゆえに魔法において自分たちとは違う力を示した達也のことはしこりが残るものの認めるようになった[14]
非公開ではあるが達也と模擬戦を行い敗北を喫してしまい、それ以降は心情的に蟠りは多少残るものの、達也の実力はある程度認めており、達也を九校戦のエンジニアとして採用するかどうかを決める会議の際には、自らの感情を抑えて賛成意見を述べた。
2095年の10月から克人に代わり部活連の会頭に就任する。3年への進級後には部活連の体制を変え、生徒会や風紀委員会を超える勢力に盛り上げたり、次期リーダーの育成に力を入れたりと克人を上回る組織運営を見せる。二科生への差別意識もなくなり、達也への接し方も普通になっている。新入生である香澄と泉美には真由美のことで目を付けられており、彼女たちに苦手意識を持つ。
沢木 碧(さわき みどり)
声 - 四宮豪
2年D組→3年生の男子生徒(一科生)。風紀委員会とマーシャル・マジック・アーツ部に所属。
後述の辰巳と同じく、一科・二科の区別に関係なく相手の実力を評価できる人格の持ち主。威勢のいい喋り口調が特徴。女性的な名前がコンプレックスで、下の名前で呼ばれることを嫌っている。
第一高校のマーシャル・マジック・アーツ部部長でエース級の腕前を持ち、同学年では服部に次ぐ強者とされる。魔法無しでも100キログラム近い驚異的な握力を誇る。
2096年度の九校戦では新競技のシールド・ダウンのソロとスティープルチェイス・クロスカントリーに出場、シールド・ダウンで優勝を収めた。
五十里 啓(いそり けい)
声 - 斉藤壮馬
2年C組→3年生の男子生徒(一科生)。生徒会会計(2095年10月〜2096年9月)。千代田花音とは許婚同士。
中性的な風貌の美少年で、華奢な体格もあって「スラックススカートにはき変えれば背の高い女子で通りそう」とまで言われているが、魔法理論では2年トップ、実技成績も常に上位をキープしている優秀な魔法師である。同性の友人があまりできないのが悩み。
刻印魔法の権威として知られる百家本流の一つ「五十里家」の直系。千葉家とは家同士の付き合いがあり、エリカのCADに組み込まれている刻印型術式は彼が組んだもの。達也程ではないがエンジニアとしても優秀で、達也を二科生として見下すことはなく、むしろ友好的な先輩。2095年度の論文コンペでは達也に術式の調整を完全に任せており、第一高校内でCADソフトウェアに最も精通した人材だと評価していた。逆に啓は模型制作を担当し、周囲から「普通なら(達也と役割が)逆だと思う」と言われていたが、逆に達也も啓のハード制作技術を「自分よりも数段上」と率直に評価している。達也の熱核融合炉の実験にも積極的に協力したが、琢磨と香澄が問題を起こした際には達也に仕事を押し付けるといったこともある。2096年度の九校戦でも達也と技術スタッフの中核を担い、同年の論文コンペではメイン執筆者として「投影型魔法陣」の発表を行ったが、惜しくも優勝は逃した。
千代田 花音(ちよだ かのん)
声 - 大西沙織
2年生→3年生の女子生徒(一科生)で風紀委員長(2095年10月〜2096年9月)。五十里啓とは許嫁同士。陸上部所属。
百家本流の一つ「千代田家」の直系。千代田家の人間は“地面”という概念を有する固体に強力な振動を与える振動系魔法の「地雷原」を得意魔法にしており、地雷原を作り出す者という意味で「地雷源」の二つ名を持つ。彼女もその例に漏れず、対物戦闘能力は摩利をも凌ぎ、陸上兵器相手なら十師族の実戦魔法師に勝るとも劣らない戦闘能力を発揮する。魔法師としては魔法の使い方が豪快なタイプだが、本人も快活で大雑把な性格であり、整理整頓はできるが取捨選択の判断が良すぎると達也に評されている。
摩利が特に目をかけている後輩で、次期風紀委員長に据えようと根回しをしていた。2年生の10月からは摩利に代わって風紀委員長となる。整理整頓はやるほうだが大雑把な性格のため、必要なものまで捨ててしまうという失敗を何度か犯している。また短絡的すぎる一面もあり、何度か失言めいたことを言っては許嫁の五十里啓に注意を受けている。啓が絡むと別人のように態度が変わる。
2096年度の九校戦にも代表として出場。アイス・ピラーズ・ブレイクで雫とペアで優勝。スティープルチェイス・クロスカントリーでは、罠にかかりながらも二位となった。
壬生 紗耶香(みぶ さやか)
声 - 戸松遥
2年E組→3年生の女子生徒(二科生)。剣道部所属。身長162cm、体重53kg。
中学3年生において、中等部剣道大会の女子部で全国2位だった。本人のルックスも相まって、当時は「美少女剣士」や「剣道小町」などと呼ばれていた。
魔法科高校では魔法の成績だけしか評価されずに、クラブ活動でも一般競技系の部活が魔法系競技の部活に比べて、差別的な待遇を受けていると考え、不満を抱いていた。その不満ゆえに剣道部の部長(司甲)がブランシュの下部組織に勧誘し、司一のマインドコントロールを受けて魔法大学の非公開資料を盗み出すために利用される。また、桐原達の暴動をたった1人で解決した達也の実力を見て、剣道部に勧誘するものの断られている。ブランシュ事件の後、解決に尽力した桐原と交際を始める。また、事件中に一対一で真剣勝負をしたエリカとは入院中に仲良くなり「さーや」と呼ばれるようになった。
剣道家としての技術は桐原に特別視されており、殺し合いの実戦では使ってほしくないと頼まれている。剣道とは別に魔法による投剣術を修得しているため、戦闘時はそちらの技を用いている。父親の壬生勇三は内閣府情報管理局局員で、投剣術は父直伝のものである。
2096年度の論文コンペでは、あずさの護衛に選ばれている。
桐原 武明(きりはら たけあき)
声 - 杉田智和
2年生→3年生の男子生徒(一科生)。部活連執行部所属(2096年4月〜)。剣術部所属。身長173cm、体重66kg。
一昨年の中等部剣道大会男子部の関東1位。2年生の中では第一高校トップの実力者と目されている。海軍所属の軍人の息子でもある。
新入生勧誘週間の折、デモンストレーションの試合で紗耶香に逆上して殺傷性の高い魔法である「高周波ブレード」を使用するが、達也に取り押さえられる。騒ぎを起こした理由は、中学時代に綺麗だと思うほど感銘を受けた紗耶香の「剣道」が、演舞ではただ強さを求めるだけの剣になっていたことに憤りを感じたためであり、その後は騒ぎを大きくした罪を認めている。
強さの信奉者で、強いか弱いかが人を判断する第一基準となっているため、一科生、二科生に対するこだわりがあまりなく、弱いものには一科生であっても興味を抱かず、強いものなら二科生であっても敬意を払っている。そんな中で紗耶香の強さを「技」として昇華しようとする姿に惹かれ彼女に好意を抱くようになった。
ブランシュ日本支部メンバーの掃討戦に参加し、解決に尽力した。その際に、紗耶香の剣を汚した元凶であるリーダーの司一を前にして達也ですらたじろぐほどの怒気を見せた。事件後は、入院中毎日見舞いに行っていた紗耶香と交際を始め、剣道部と剣術部の合同練習を経て仲を深めている。なお、この交流が魔法系と一般系に別れた同系統の部活が歩み寄りを見せる契機となった。さらに、それ以降はCADの調整実験の被検体に立候補するなど、達也との関係も親しくなっている。ただし、ブランシュ掃討戦で達也が見せた尋常でない殺気から、彼が実戦経験豊富な軍人ではないかと疑っている。2095年度九校戦ではクラウド・ボールに出場するも敗退する。3年時には部活連の執行部として新入生勧誘期間の見回りを任されており、去年自分が問題を起こしたことを振り返って感慨を漏らしていた。剣道部の練習にも個人的に参加をしている。2096年度九校戦では十三束とペアでシールド・ダウンに出場し、優勝する。
2096年度の論文コンペでは、三七上の護衛に選ばれている。
県 謙四郎(あがた けんしろう)
達也たちより一学年上の男子生徒で、2096年度の山岳部部長。豪快な性格で、疲れ果てた部員たちに45度の熱湯をかけて奮い立たせるなどスパルタ指導を行う。時々練習に混ざる達也を歓迎している。
千倉 朝子(ちくら ともこ)
達也たちより一学年上の女子生徒(一科生)。2096年度の九校戦でシールド・ダウンのソロとスティープルチェイス・クロスカントリーに出場し、シールド・ダウンにて優勝した。論文コンペではあずさの護衛に選ばれている。ベクトル反転術式を得意とする。
三七上 ケリー(みなかみ ケリー)
達也たちより一学年上の男子生徒(一科生)。金髪に黒い肌をもつインド&ブリテン系の人種。2096年度の九校戦で、幹比古とともにモノリス・コードに出場する。2096年度の論文コンペの代表メンバーにも選ばれている。
個々の魔法に関する知識が豊富で、相手が使う魔法を一発目で正確に把握し、二発目以降を最適な魔法で相殺するという特技を持つ。その実力から一高の中で上位の戦闘力を持つ。
国東 久美子(くにさき くみこ)
2096年度3年B組の女子生徒(一科生)。ボート部所属。下級生の英美に対して自分のことを「クーちゃん」と呼んでもらうようにいうなど、英美が第一印象でそう感じるほどフランクな性格。あずさとは互いに「あーちゃん」、「クーちゃん」と呼び合うほどの仲で、ときどき下級生の前でもかまわずあだ名で呼んで、あずさから苦情を言われることもある。九校戦ではロア・アンド・ガンナーで英美のペアとして出場した。
魔法的資質を持たず、魔法師の血筋を持たない両親から生まれた「第一世代」と言われる突然変異的魔法師であり、一般的な「第一世代」の女性と同様に暴力忌避を示す。そのため男子生徒に苦手意識を持ち、特に威圧的な男子の前だと身体がすくんで思うようにしゃべれなくなり、人が変わったようにおとなしくなる。横浜事変で横浜国際会議場にて達也がゲリラの腕を容赦なく切り落とした場面を目撃しており、そのため達也に対しては悪い人間ではないと思っていながらも苦手意識を持っている。しかし、ロアガンの練習で動く的を狙い撃てない英美のために散弾型のインビジブル・ブリッドを用意してきたときには驚愕し、苦手意識も忘れて達也に問い詰めていた。それを機に達也の前でも普段の振る舞いを見せるようになった。なお、達也は久美子のことをおとなしい人物だと思っていたため、久美子の素の振る舞いを見て「猫をかぶっていたのか」と疑問を抱いていた。

達也・深雪の二年先輩

七草 真由美(さえぐさ まゆみ)
声 - 花澤香菜
3年A組の女子生徒(一科生)→魔法大学。生徒会長(〜2095年9月)。身長155cm、体重48kg。
十師族「七草家」の長女で深雪同様、入学試験を首席で突破した才女である。2095年の第一高校では部活連会頭の克人と風紀委員長の摩利と並び、「三巨頭」と称される。フワフワに巻いたロングヘアの美少女で、身長は155センチメートルほどと小柄であるが、バストとヒップは平均的な身長の同世代の平均的な数値と変わらないトランジスターグラマー。二人の異母兄と同母妹の香澄と泉美がいる。妹たちを可愛がりつつも、奔放でトラブルメーカーな彼女らには頭を悩ませることも多い。
七草家は苦手とする系統が無いことを以って逆説的に「万能」の二つ名で呼ばれるが、その中でも真由美は遠隔精密射撃魔法の分野では十年に一人の逸材にして世界屈指の使い手と謳われ、既に高校生の域ではない。ドライアイスや氷の亜音速弾を自分から離れたポイントで生成・発射する狙撃魔法「魔弾の射手」を習得しているだけでなく、遠隔視系の知覚魔法「マルチスコープ」を併用する効果により圧倒的な精度を実現している。その卓越した実力と見た目のイメージから「エルフィン・スナイパー」または「妖精姫」の異名で呼ばれているが、小柄な体型にコンプレックスのある本人はその名を嫌っているものの自身のルックスやスタイルには密かな自尊心があったが、深雪と出会って以降、自信を喪失している。酒には弱いが、記憶はしっかり残るタイプ。
ルックスの良さと高い魔法力、優れたディベート能力もあり生徒会長としての支持も厚い。普段は人当たりの良いお嬢様のよう振る舞っているが、彼女が認めた一部の人々にだけは猫被りをやめて、彼女本来の小悪魔的な性格で接するタイプ。在学中に一科生と二科生の対立を改善したいと考えており、二科生である達也を風紀委員に任命することでその切っ掛けを作ろうとした。五輪家の洋史は婚約者候補であったが互いに交際は乗り気ではなく、2097年1月に解消された。
達也の入学式当日、最初に話しかけてきた生徒で、達也のペーパーテストの成績に高く評価し、それ以降も達也と深雪の兄妹に特別な興味を注いでいる(本人曰く弟や妹のよう)のだが、達也には何かとしてやられており、卒業後も関わる機会が多い。ほのかには達也に対して特別な感情があるという疑いをもたれ、在学中も摩利に達也の事でよくからかわれていた。名倉の件に関連して達也に好意があると指摘され否定するも京都では達也と2人きりになった時に食事に誘ったり、「先輩後輩」の呼び名を禁止させるなど、指摘する人間が居ない場では積極的になっている。以前から達也が四の数字落ちではないかと疑問を抱くも、今の関係が壊れることを恐れて深く考えないようにしていたが、2097年1月に司波兄妹が四葉の血縁者と知らされ、達也が真夜の息子であったことに衝撃を受ける。家柄では同格以上となった達也への好意を認めつつも、既に深雪と婚約関係にあることから関係を進展させることには消極的だが、真由美の意志に関わらず弘一は真由美の婚約者に達也を迎えることを画策している。将輝とは十師族の一員同士互いに認識があったが、2096年の10月に京都で共に名倉の死の真相を追った。その後も2097年2月の箱根のテロ事件で共闘し、事件後も将輝の個人的な要望に対して屋敷に招待し、要望を聞きながら妹たちと共に彼をからかうなど、親密になった。
十文字 克人(じゅうもんじ かつと)
声 - 諏訪部順一
3年生の男子生徒(一科生)→魔法大学。部活連会頭(〜2095年9月)。クロス・フィールド部に所属。身長186cm、体重90kg。
首席入学した真由美とは実力を競い合う仲だった。身長は185センチメートル前後。大男というわけではないが、制服の上からでも分かる程の隆起した筋肉を持つ。何よりも、そこに居るだけで強大な存在感を示す人物。達也曰く「巌のような人」で、あらゆる意味で「自分の天敵」だと認めている。二人の弟と妹が一人いる。
鉄壁」の二つ名で呼ばれる十師族「十文字家」の次期当主。既に師族会議に十文字家当主代理として参加し、実務をこなしている。十文字家の魔法師は一騎当千をモットーとし、天性の優れた空間認識能力を更に磨き上げ、数々の領域防御魔法を駆使する。克人もそのモットーの通り、卓抜した魔法力によって十文字家の代名詞である「ファランクス」(全系統全種類の障壁魔法と対抗魔法を絶え間なく展開し続けて圧倒的な防御力と物理攻撃力を誇る攻防一体の魔法)を使いこなし、一対多の戦闘であっても傷一つ負わず勝利を収めている。克人によるファランクスの防壁は達也にも破れないと思わせるほど。
無理さえ強引に押し通してしまう程の強引な性格かつ天然。だが、三巨頭の中でも一番の人格者とされ、真由美や摩利と同じく、一科生と二科生との対立性について考えている一人である。
父親であり当主の和樹が魔法力低下の病にかかっていたため、表向き次期当主でありながらも実質的に十文字家の当主を任されており(独立魔装大隊の真田はこのことを知っていた)、2097年2月4日の師族会議によって父から正式に十文字家当主の座を継承した。翌日の箱根テロ事件に対処するため、ヘイグ捜索の実働部隊の総責任者となる(ただし、実権は年長の七草智一が受け持つ)。七草家とは別に捜索部隊を率いることになり達也、将輝、真由美を仲間に引き入れる。
渡辺 摩利(わたなべ まり)
声 - 井上麻里奈
3年生の女子生徒(一科生)→防衛大学校。風紀委員長(〜2095年9月)。身長168cm、体重54kg。
女子生徒から慕われやすい麗人タイプで、真由美や克人と並ぶ「三巨頭」の一人。百家の支流であり、渡辺綱の末裔ともされる「渡辺家」の出身で、同家の中でも一人だけ飛び抜けた魔法の才能を持つ。源氏の秘剣である「ドウジ斬り」を習得している。
風紀委員会では「姐さん」と呼ばれることもあるが、呼ぶと制裁が下される。達也に対しては「達也君」と名で呼ぶが、深雪に対しては「司波」と呼び方が違うのが他の人と違い特徴的。整理整頓が苦手で、達也が整理するまで風紀委員会室は散らかり放題であり、CADマニアと思しき過去の風紀委員が残したCADの存在にすら気付いていなかった。
集団戦、個人戦を問わない、対人戦闘のエキスパート。気流を操作して揮発性の薬物を特定の対象だけに経鼻投与する技術を持つ。向精神作用のある香水を複数組み合わせ、違法な薬物を一切使わずに自白剤と同等の効果を引き出すことなども可能。
達也の魔法の才能に興味を持ち、高く評価している。また真由美と同様、一科生と二科生との対立性を解消したいと考えている一人。そのために達也の風紀委員加入を提案した人物である。中学時代は千葉家で剣術を学んでおり、その縁でエリカの次兄である千葉修次と交際中(呼び名は「シュウ」)。修次に悪影響を与えた女という理由で、エリカからは毛嫌いされている。
第一高校卒業後は防衛大学へ進学するが、聴講生として魔法大学によく訪れており、真由美の相談に乗っている。
市原 鈴音(いちはら すずね)
声 - 中原麻衣
3年生の女子生徒(一科生)→魔法大学。生徒会会計(〜2095年9月)。身長165cm、体重54kg。
常に無表情で冷静沈着な女子生徒。表情を変えずに冗談や爆弾発言を投下する人物でもあり、「リンちゃん」と呼ばれながらもめげずに真由美をあしらえる、数少ない人物の一人。
周囲には明かしていないが、市原家は「一花家」の数字落ちの家系である。それを幼少期から薄々感じていたため魔法師のコミュニティに対して帰属意識を持てないでいた過去があるが、そんな自分に手を差し伸べてくれた真由美に強い恩義を抱くと共に、母校である一校に強い愛着を持っている。一校の将来のためにと、生徒の人材強化にも手段を選ばない面がある。
魔法の制御の精密さでは三巨頭をも上回ると称されるほどの使い手。達也が試合で服部相手に使用した無系統魔法の仕組みを一目で見破るなど、分析能力にも優れている。一花家の血統に依存した魔法として、CADを不要とした人体への直接干渉魔法を身に付けている。
辰巳 鋼太郎(たつみ こうたろう)
声 - 浜田賢二
3年C組の男子生徒(一科生)→卒業。風紀委員会(〜2095年9月)。
委員会での上司にあたる摩利を「姐さん」と呼ぶ。一科・二科の括りに頓着せずにきちんと相手の実力を評価できる人物。
がっしりとした体格の持ち主だが、鈍重そうな外見に反して3年生でも有数のスピードファイターである。また、単一系統の術式において卓越した干渉強度を誇る。
司 甲(つかさ きのえ) → 鴨野 甲(かもの きのえ)
声 - 加藤将之
3年F組の男子生徒(二科生)→退学。剣道部所属(主将)。
旧姓「鴨野(かもの)」。両親・祖父母のいずれにも魔法的因子は見られなかったが、その実は賀茂氏の傍系の血を引いており、ある種の先祖返りとして美月と同じ霊子放射光過敏症を抱えている(ただし、その性能は美月のものよりも数段劣る)。
母親の再婚相手の連れ子である義理の兄・司一によるマインドコントロールを受けており、その義兄が日本支部長を務める反魔法活動団体「ブランシュ」の下部組織である「エガリテ」に所属している。第一高校には義兄の指示により入学し、剣道部を始めとして生徒達をエガリテに勧誘するなどしていた。アンティナイトを必要としない達也の魔法無効化技能に目をつけ、ブランシュに報告したのも彼である。
事件解決後は自主退学し、自分のやりたいこと(剣道)に邁進するだろうと言われており、具体的な描写はなされていなかったが、14巻の奈良にて達也と再会。ブランシュの一件もあって、本家である「鴨野」に姓を再変更し、修行に励んでいる。
小早川 景子(こばやかわ けいこ)[15]
声 - 浅倉杏美
3年生の女子生徒(一科生)→防衛大学校。
九校戦で選手として出場していたが、「無頭竜」の妨害工作で事故に遭い、精神的ショックによる魔法への猜疑心から魔法技能を失ってしまう。転校を考えていたが、摩利を通じて「魔法が使えなくても魔法の知識と感受性を活かす道がある」という達也の助言を聞き、摩利と同じ防衛大への進学を決意する。卒業パーティで、その道を示してくれた達也に感謝の言葉を述べた。
平河 小春(ひらかわ こはる)
3年C組の女子生徒(一科生)→卒業。
九校戦で技術スタッフとして参加。担当選手の小早川が魔法技能を喪失した事故の責任を感じ、退学を考えるまで思い詰めていた。そのため本来参加するはずだった論文コンペを辞退し、達也が代理として選ばれる。これが、妹の千秋が達也への逆恨みから大亜連合の工作員に唆され、妨害活動に加担する切っ掛けとなる。
和泉 理佳(いずみ りか)
声 - 飯田友子
3年生の女子生徒(一科生)→卒業。九校戦で女子担当の技術スタッフとして参加。性格は自負心の強いタイプ。同級生の真由美から「イズミん」と呼ばれて嫌がっている(理佳からの呼び方は「七草」)。
関本 勲(せきもと いさお)
声 - 大山鎬則
3年生男子生徒(一科生)→卒業。風紀委員会所属。
論文コンペの校内選考次点だった生徒。自負心が強く、思想の違いから鈴音と衝突していた。魔法式と起動式の知識を世界中で共有すべきという思想を持ち、そこに付け込んだ大亜連合の工作員がマインドコントロールを与えてスパイ活動に利用する。達也から勾玉のレリックを奪おうとして失敗し、花音に捕まり特殊鑑別所に送られた。
五十嵐 亜実(いがらし つぐみ)
3年生の女子生徒→卒業。ほのかと雫が所属する「SSボード・バイアスロン部」の部長。『魔法科高校の優等生』第10話で登場(本編未登場)。
穏やかそうな印象の先輩だが、正当防衛で攻撃魔法を容赦なく振るうなど、OGの颯希や涼歌に劣らず過激な一面も持っている。
ほのか達の同学年に「五十嵐鷹輔」という同姓の男子生徒(学年末試験では、ほのかに次ぐ学年総合3位)が在籍するが、亜実の弟であり、服部の後任の部活連会頭でもある。

達也・深雪の一年後輩

桜井 水波(さくらい みなみ)
調整体魔法師「桜」シリーズの第2世代で深雪のガーディアン。1年C組。生徒会書記(2096年10月〜)。山岳部と料理部所属。
司波深夜のガーディアンであった桜井穂波の遺伝子上の姪にあたり、面影も良く似ている。「障壁魔法」を得意とし、その実力は十文字家の「ファランクス」に迫るほどで、ガーディアンとしての役割では達也が敵勢力の排除、水波が障壁魔法で深雪を守護するという分担になっている。ただし戦闘が不得手なわけではなく、四葉家でガーディアンとして養成されたため、司波兄妹には及ばないまでも同年代の魔法師と比ると極めて戦闘能力は高い。
両親を亡くした後、四葉家のメイドをしていたが、2096年4月に四葉真夜の指示によって第一高校に入学、司波兄妹のメイド兼深雪のガーディアン見習いとして同居を始める。高校入試では、真夜の意向で実力を抑えていたが、本気なら首席をとれる実力があると達也と深雪は評した(ただし筆記試験の成績は、四葉の洗脳技術の応用で植え付けられた知識によるものである)。
対外的には達也と深雪の従妹という体裁(2097年に司波兄弟が四葉の縁者と発表されたため、それに合わせて四葉家に援助してもらっている身に訂正している)であり、二人を「達也兄さま」「深雪姉さま」と呼ぶが、本人は「四葉家のメイド」としての職業意識が高く、「達也様」「深雪様」と呼ぼうとすることも多い。基本的には司波兄妹に従順だが、当初は家事に関しては達也の世話を焼きたがる深雪と主導権争いをしていた。司波兄妹は穂波を姉のように慕っていたため、水波も使用人ではなくほとんど家族の扱いをしており、達也も「数少ない信を置ける魔法師」と全幅の信頼を寄せている。
表情は控えめなものの、決して感情に乏しいわけではなく、深雪の自分に対するからかい交じりの高評価に顔をこわばらせたり、雫から誘われたパーティに行く際に深雪が自分のドレスの着替えを手伝うと申し出た際にもかなり動揺していたり、エリカ達とは違い、まだ慣れていないのか2人が出す甘い雰囲気についていけていない(呆れている)ような描写も見受けられる。2096年の九校戦では、新人戦女子シールド・ダウンで優勝する。
達也達の元に住み込むまで、同世代との男性との出会いや面識が殆ど無かった事もあってか、京都で出会った光宣には過剰に意識したり、好意を抱く様な場面が見受けられる。
七草 香澄(さえぐさ かすみ)
十師族「七草家」の次女。真由美より3学年下の妹で泉美の双子の姉。2096年に第一高校の入試では3番目の成績で入学。1年C組。風紀委員会所属(2096年4月〜)。
ショートカットのボーイッシュな少女で一人称は「ボク」。姉の真由美を強く慕っており、彼女に寄り付く男を悪い虫と見なして寄せ付けないようにしている。真由美と親しげに話していた達也に過剰なまでに警戒意識を抱いており、達也と接していると口撃せずにはいられないようでその度に達也にあしらわれているため、今では毛嫌いしている。ただし深雪にとって香澄は、達也に近寄る可能性も薄く、侮っているわけでもなく、姉への想いゆえの敵愾心だと理解できるため、むしろシンパシーの対象となっている。
泉美とは遺伝子のみならず、精神の魔法演算領域の特性も一致しているため、二人で全く同じ魔法技能を扱え、一人では発動できない魔法を二人の力を合わせて発動できる「乗積魔法(マルチプリケイティブ・キャスト)」を扱える。この異能故に、魔法師の世界で「七草の双子」と言えば香澄と泉美の二人を指す。
男勝りな性格のため、喧嘩っ早いところがあり、魔法の無断使用も度々であるため、その都度に真由美から制裁を受けている。泉美の生徒会入りの後、遥から達也が風紀委員で一番目立っていたと聞かされ、自分も職員室推薦枠で風紀委員会に入った。2096年の九校戦では新人戦女子ロアー・アンド・ガンナーで優勝。
2097年1月に司波兄妹が四葉の血縁者だと知っても、真由美や泉美ほど交流がなかったせいで驚きは最小限に留まっており、その後の真由美の婚約者に達也を迎えるという弘一の案の方に反発していた。
七草 泉美(さえぐさ いずみ)
十師族「七草家」の三女で香澄の双子の妹。2096年に第一高校の入試では次席の成績で入学。1年B組。生徒会書記(2096年4月〜2096年9月)→生徒会副会長(2096年10月〜)。
肩に掛かるストレートボブのフェミニンな少女で一人称は「私(わたくし)」。香澄同様、姉の真由美を強く慕っている。言葉遣いはとても丁寧で、ざっくばらんな香澄を宥める役目を行う。同時に意外と熱が入りやすい性格で、香澄からは「少女趣味(ロマンチスト)」と呼ばれている。初めて会った深雪を「理想のお姉さま」と崇拝以上の好意を寄せ、真由美をも戸惑わせ、深雪からは内心で敬遠されるほどの熱烈ぶりを見せた。一方で達也に対しては香澄ほど敵対的ではないが辛辣な態度を見せている。2096年に総代の琢磨が生徒会入りを断ったため、生徒会入りを果たし、2097年度の副会長に就任して深雪が京都へ下見に行っている間は会長代理を任された。2096年の九校戦では新人戦女子アイス・ピラーズ・ブレイクで優勝。
2097年1月に司波兄妹が四葉の血縁者だと知ると真由美同様に衝撃を受けるが、それよりも深雪と達也の婚約に不満を露にしていた。辛辣な態度を見せる達也についても「私如きでは計り知れない方」と評すなど唯一、達也の異質さを感じ取っている。箱根テロ事件の終結後に真由美が将輝を屋敷に招いたときから将輝と面識を持ち、姉と一緒になって将輝のデートプランに散々ダメ出しを出した。なお、そのときから香澄と一緒になって将輝に値踏みするような視線を向ける。将輝が深雪を映画に誘った際には、映画を見終わった将輝たちを香澄や達也たちのクラスメイトたちと一緒に待ち伏せした。
七宝 琢磨(しっぽう たくま)
師補十八家「七宝家」の長男。2096年度における第一高校の新入生総代。1年A組。部活連執行部所属(2096年4月〜)。
七宝家が開発した群体制御魔法「ミリオン・エッジ」を操る。上昇志向が強く、十師族になれない今の七宝家や当主である父に不満を持ち、十師族になろうとしている。精神的にまだ未熟な部分があり、感情をうまく制御できない。同じ「七」の数字持ちで十師族の七草家には激しい敵対心を持つため七草香澄といざこざを繰り返し、二十八家でない魔法師の人間を無意識のうちに見下してしまうなど、彼の身勝手な行動は上級生にとって悩みの種となる。
女優の小和村真紀と「新秩序(ニューオーダー)」の思想を共有して結託し、その目的のため有望な魔法師の手駒を欲していた。ほのかと雫を自分の派閥に取り込もうと真紀を通じて接触を行うが、真紀の嘘に誘導されて司波兄妹を七草一派だと思い込み、強い対抗意識を抱く。そのため生徒会の勧誘を断り、部活連の執行部に加入した。達也への不遜な態度から深雪や水波の不興を買い、彼女たちからは嫌われている。模擬戦で十三束に敗北し、さらに達也と十三束の試合を目の当たりにして自分の実力不足を痛感した。
以降は変わる努力を続け、九校戦時には一年男子の纏め役を担うまでに成長した。新人戦モノリス・コードに出場、ディフェンスを担当するも文弥率いる四高に敗北し、準優勝となった。
4月の件で達也に非礼を働いて十三束に殴り倒されたときに、唯一心配してくれたほのかに対し、恋愛感情までではないが好意を抱くようになった。九島家が十師族を退いた際に四葉家の推薦で七宝家が十師族に加わった際には、そのことが嬉しかったようで2年E組のクラスまで出向き、達也に感謝の言葉を述べた。箱根テロ事件が起こると、悪化していく反魔法師論調に対抗するため再び真紀と接触、メディア工作を依頼する。
隅守 賢人(すみす けんと)
2096年4月に1年G組に入学した二科生。プラチナブロンドに銀眼の白人で、両親がUSNA出身の帰化2世(日本名の隅守はSmithに漢字を当てたもの)。
実技は得意ではなく、進級後は2096年度から新設された魔工科を志望している。九校戦でエンジニアとして破格の実績を出した達也に憧れて一高に入学した。入学直後の部活動での勧誘ではその容姿から先輩女子の間で引っ張りだこになり、達也にとってはエリカに続く二度目の騒動になる。2096年度の九校戦では1年生ながら技術スタッフとして帯同し達也の助手を務め、達也も筋が良いとその才能を認めていた。

教職員ほか

百山 東(ももやま あずま)
校長。年齢は70歳ほど。魔法教育と高等教育の権威とされ、魔法師としては十師族の派閥争いに対して中立派を保っている。イギリスに住む英美の祖母とは古い知り合い。
八百坂(やおさか)
教頭。年齢は50代前半。
廿楽 計夫(つづら かずお)
声 - 荻野晴朗
2年生を担当している教師。実家は百家本流の「廿楽家」。
本職は魔法大学の講師で、魔法幾何学を専攻し魔法工学にも造詣が深い。多面体理論という分野の若き権威であり、若くして助教授になりかけたものの、自由すぎる研究姿勢から「教育者としての経験を積んで来い」という理由で第一高校に足踏みする結果になった。だが本人は「自由に研究できる」とさして気にしていない。そういうマイペースな気質から、一科生、二科生にこだわらないが、生徒のペースを考えない変人である。一人称は「小生」。
構造物を三角や四角柱等の単純な多面体の集合体に抽象化し、その構成要素である仮想単純立体を操作することで大規模構造物全体の変化を制御する「ポリヒドラ・ハンドル」の使い手。横浜騒乱時の地下道崩落の際には、この能力を使い死者・重傷者などを防いだ。
小野 遥(おの はるか)
声 - 丹下桜
達也たちのクラスの総合カウンセラーの一人。美人と言うよりも、愛嬌のある顔立ちの若い女性。身長160cm、バスト90cm、体重55kg。爆乳カウンセラー。
学生時代は精神衛生を専攻して、医師の資格を所有している。人のエモーショナルコントロール術にも長けている。
正体は公安(警察省公安庁)のスパイ。そちらの業界では、正体不明の女スパイとして「ミズ・ファントム」の名でも呼ばれている。ただしカウンセラーの資格は本物であり、本人もカウンセラー業の方に情熱を注いでいる。話術には長けているが、いじられ気質でもある。
系統外に属する気配隠蔽の「隠形魔法」に特化したBS魔法師で、達也でさえイデアにアクセスして存在を探らない限り捕捉できないほど見事な腕前を持つ。また達也同様、後述の九重八雲門下の一人でもある(師事するようになったのは彼女の方が後なので、達也は兄弟子にあたる)。
魔法科高校の受験に失敗した後、理科高校に進学し、大学で精神医学を専攻し、精神科医師免許を取得した。そして精神科医のキャリア形成のためにカウンセラーとなった。自らのBS魔法を仕事に使う気はなかったが、自分の魔法技能を試したいという出来心で最初はちょっとしたいたずらを行っていたが、次第にエスカレートしていって最終的に明らかな犯罪行為を行ってしまい、そこを自分のBS魔法の天敵である「自らの五感に対してあらゆる魔法的干渉を受けない」BS魔法をもつ公安警察に見つかってしまった。そこで自分の犯罪行為を見逃してもらう代わりに、公安のスパイとなることを承知させられる。こういう経緯から、もともと公安のスパイになることを望んでいたわけではなく、本人は早く公安の仕事を辞職したいと考えている[16]
藤林響子と同年代であり、魔法科高校に入学できなかった遥にとって、高校時代に九校戦のヒロインだった響子は憧れの対象であった。
安宿 怜美(あすか さとみ)
声 - 柚木涼香
保健医の女性教師で、ホンワカした雰囲気で男子に人気がある。本人の自己申告では戦闘力は皆無だが、実は合気道の有段者で、患者である千秋が暴れ出した時には組み伏せていた(本人曰く「看護」)。生体放射を視覚的に捉え肉体の異常個所を把握する医療系の特化型能力者で、視るだけで精密機器以上の正確な診断ができる。
ジェニファー・スミス
2096年4月から魔法工学科クラスの担任教師となった女性。元々は魔法大学の講師で、同僚だった廿楽と面識がある。
銀髪碧眼の北方系白人で、年齢は推定40代。18年前にUSNAから日本に帰化している。USNAの現代魔法研究の中心地でもあるボストンの出身。
ピクシー
声 - 東山奈央
正式名称は「3HタイプP94」。3Hとはヒューマノイドホームヘルパー(人型家事手伝いロボット)の名称で、P94はその型番(Pはパーソナルユースの略、94は年式)。大手メーカーからロボット研究部に貸し出されているモニター用製品。型番の読みから、ロボット研究部ではピクシーという愛称を与えられている(音声コマンドの呼び出しでも「ピクシー」で登録されている)。
校内に合わせて、通常の3Hよりも低年齢の少女の外見(10代後半)に設定されており、衣服で隠される胴体部分を除けば本物の人間そっくりのデザイン。ロボット研究部の趣味なのか、メイド衣装を着せて運用している。第一高校に訪れた白覆面の吸血鬼、ミカエラ・ホンゴウに寄生していたパラサイトが新たな器として入り込んでおり、バレンタインの日に達也からチョコのお礼を受け取った時のほのかの想念をコピーして自我を形成した。ほのかの「達也の役に立ちたい」という願いが自我の核となっているため、達也に仕えることを存在理由とし、達也を「ご主人様(マスター)」と呼び、彼の役に立つことに喜びを感じている。この事情により、達也はピクシーを第一高校から買い取っている。自分の自我のもととなったほのかはいわば「母」と呼ぶべき存在で、想念のきっかけとなった髪飾りの水晶を通じてほのかと一種のつながりを持っている。二年度の部からは生徒会室に配置されており、卒業した真由美に代わって、達也から受けたハッキング技術によって校内の監視システムを掌握している。

第二高校

九島 光宣(くどう みのる)
九島烈の孫にして、九島現当主・真言の末息子。2096年度時点で第二高校の一年生→生徒会副会長(2097年2月時点)。だが病弱なためほとんど学校に通えていない。
遺伝子上の父親が真言、母親が藤林家当主に嫁いだ真言の末の妹という、実の兄妹の配偶子を掛け合わせて生み出された調整体。そのため藤林響子とは異父姉弟にあたる。この事実を光宣自身が知っているかは言及されていない。
結果、深雪やリーナと並ぶ美貌と魔法力を手に入れるも、代償として1年の4分の1を病床で過ごす体を負ってしまい、一人前の魔法師としては欠陥を背負っている。達也の調べでは強すぎるサイオンの活動に器であるサイオン体が耐えられず、損傷と修復を繰り返していることが原因と診断された。才能を発揮できない自分の体に苦しめられており、祖父の烈からは特別気に掛けられている。
光宣にとって烈は尊敬する祖父である。戸籍上の従姉にあたる響子とは、他のいとこの中でも特に仲が良い。14巻にて烈の計らいもあり、達也、深雪、水波と邂逅する。水波が動揺するほどの美青年で、エリカからも「深雪の男子版」と評される。病弱で家にこもりがちな現状から、同年代の友人と話す機会を切望しており、達也たちに好意的に接し、彼の仕事に積極的に協力した。性格の面では伝統派などの敵対勢力に対しては、達也と気が合うほどの毒舌と抜け目のなさを持つ一方で、達也たちと一緒に話をして楽しそうにしたり、達也たちが九島家に泊まっていかないことに寂しそうな顔をしたり、自分を見詰めている水波が過剰な態度で逃げ去った際に固まるなど、年相応の少年の面を持つ、素直で無邪気な面がある。実戦では高い魔法力を活かした戦いをとり、九島の秘術パレードをリーナを超える精度で披露したり、難易度の高い魔法を下準備として使い捨てるなど高レベルな技術を見せる。達也の作った完全思考型CADをたった二か月で完璧に使いこなすなど高いセンスも持つが、実戦経験の乏しさからくる弱点がある。
2096年の論文コンペでは、急病で休んだ発表者の代役で出場、「精神干渉系魔法の原理と起動式に記述すべき事項に関する仮説」というテーマで二高を優勝へと導いた。この事は作中において、「新たなスター」の誕生と称されている。

第三高校

一条 将輝(いちじょう まさき)
声 - 松岡禎丞
第三高校の1年生→2年生の男子生徒。「爆裂」の二つ名を持つ十師族「一条家」の御曹司。顔良し腕良し頭良しの三拍子が揃ったエリートである。
2092年における新ソ連の佐渡侵攻作戦に際し、当時まだ13歳で義勇兵として戦列に加わり一条家現当主・一条豪毅と共に「爆裂」を以って数多くの敵を屠った経験を持つ。その際に「敵と味方の血に塗れて戦い抜いた」姿への敬称として「クリムゾン・プリンス」の名で知られている。
一条家の切り札にして代名詞でもある発散系魔法「爆裂」は、対象物内部の液体を強制的に気化させてその体積変化を攻撃力として利用する魔法で、純粋に軍事目的で開発されているため殺傷ランクはA。
九校戦の折、深雪に一目惚れしたが最終日のパーティまで彼女が達也の妹だとは気付かなかった。2095年度九校戦で自身を打ち破った達也をライバル視し、達也を倒せるようになるまで深雪に告白しないことを真紅郎に宣言している。2096年度九校戦では男子スティープルチェース・クロスカントリーで優勝する。
京都での論文コンペの折、エリカ達を助けた事で達也が軍の人間である事を知る。同時に光宣とも面識を持つようになった。達也から横浜事変にて敵の手引きを行ったのが周公瑾であることを聞かされ、騙されたことに憤慨し達也の任務に協力する。真由美の名倉殺害事件の捜査にも加わり、周の潜伏先を突き止めた際には達也とともに突撃をかけ、周を追いつめた。2097年1月に司波兄妹が四葉の血縁者で二人が婚約したことに衝撃を受けるが、豪毅に対して深雪への想いを告げる。その後、起こったヘイグによる箱根テロ事件では克人率いる捜索チームに参加するため上京、学校間ネットワークで三高のカリキュラムを受けるために一時的に第一高校に通学することになった。なお、その時期に関する出来事を日記につけており、その日記の存在は吉祥寺も知らない。その事件をきっかけに七草家(主に真由美と妹たち)と親交を深めるも、終始弄ばれる羽目になった。
吉祥寺 真紅郎(きちじょうじ しんくろう)
声 - 村瀬歩
第三高校の1年生→2年生の男子生徒。「カーディナル・ジョージ」の異名を持ち、将輝からは「ジョージ」の渾名で呼ばれている。一条家に恩を感じる過去があり、将輝の参謀役を自認している。将輝の妹で小学生の茜から好意を抱かれており、将輝からロリコン疑惑の濡れ衣を着せられたことがある。
わずか13歳で仮説上の存在だった「基本コード」の一つである「加重系統プラスコード」を発見した天才で、前述の異名は「基本(カーディナル)コード」と名前の「真紅(カーディナルレッド)」から付けられたものである。自身が発見した基本コードを利用した、対象の作用点に直接加重をかける加重系魔法「不可視の弾丸(インビジブル・ブリット)」を使いこなす。
基本コード発見の経歴から、魔法学の分野においては絶対の自信を持っていたが、九校戦で見た達也の技術によって心に敗北感を刻み付けられた。以降は技術者として達也をライバル視し、達也に勝つ事を目指しているが二度目の九校戦(2096年度)でも女子ロア・アンド・ガンナーのペアで自分の得意魔法であるインビジブル・ブリッドを散弾型に改造したものを英美たちに使われた際には激しく動揺し、悔しがっていた。女子アイス・ピラーズ・ブレイクのペアでも参謀を務めたが、インビジブル・ブリッドの衝撃から脱しきれず、花音の地雷原を封じる策を立てるも、地雷原にこだわりすぎて他への攻撃への脆弱性に気付かないなど達也から本調子でないと評され、敗北した際に走り去るなど達也に完全に出し抜かれてしまっている。
前田 千鶴(まえだ ちづる)
第三高校校長。国防軍の退役軍人で、高校時代の豪毅の一年先輩で今でも交流がある。年齢は43歳。
在学中は豪毅を含めて並み居る猛者をねじ伏せ、実技トップに輝いており豪毅をも上回る豪放さから未だに頭が上がらない女傑。

魔法科高校の優等生オリジナルキャラクター

一色、十七夜、四十九院は『魔法科高校の優等生(九校戦)』にて登場し、深雪、雫、ほのかと接戦となるライバルキャラクターとして登場。『魔法科高校の劣等生』本来の入賞者とは異なってるが、それ以外は整合性を取れるようにしている。[17]

一色 愛梨(いっしき あいり)
第三高校の1年生→2年生の女子生徒で、師補十八家「一色家」の令嬢。移動魔法を使った剣さばきの鋭さから、「エクレール・アイリ」の通称で知られている。プライドが高く、二十八家や百家以外の一般の魔法師には目もくれないという差別意識はあるが、内には優しく外には冷たい、達也のような性格。懇親会で見た深雪の姿に畏怖を覚え、声をかける。
一色家は神経に干渉する魔法を得意としており、愛梨の得意とする「稲妻」は感覚器の電位差を直接読み取り、運動神経の電位差を直接操作する魔法。これにより反応や肉体の動作を脳を介さず、精神から直接操作できる。
十七夜 栞(かのう しおり)
第三高校一年の女子生徒(2095年時点)。九校戦の代表選手として出場しており、愛梨や沓子と共に行動している。卓越した空間把握能力と演算能力を持ち、破片状のような細かな物体が無数に散乱している状態でも、その破片の一つ一つを正確に把握し、軌道を計算することができる「数学的連鎖(アリスマティックチェイン)」を得意とする。
元々は数字落ちの家系の生まれで、数字落ちであることの劣等感と不満から日々言い争いの絶えない両親に辟易していた。3年前のリーブル・エペーの試合で愛梨と対戦したことをきっかけに愛梨に目をかけられ、彼女の伝手で金沢魔法理学研究所の特訓を受け、持ち前の空間把握能力を磨きあげた。十七夜家の養子縁組が決まったことを機に両親と決別することを選ぶも、未だに両親たちから植え付けられた劣等感と元の居場所に戻ってしまうことへの恐怖が心の中に存在している。
スピードシューティングでは、自分の得意魔法で勝ち進み、優勝候補とされていたが、準決勝での雫との対戦で彼女の次世代汎用型CADと雫の魔法力を活かした作戦に追いつめられ、その時に過去のトラウマからくる幻聴に心を捕らわれてしまい敗北。その後、引きずるように三位決定戦で実力下位の滝川に対しても敗北し、閉じこもってしまう。しかし、愛梨の叱咤と先輩の水尾から愛梨の境遇を聞いて、立ち直った。
四十九院 沓子(つくしいん とうこ)
第三高校一年の女子生徒(2095年時点)。九校戦の代表選手として出場しており、愛梨、栞と行動を共にしている。年寄じみた言葉づかいが特徴である。
四十九院家は神道の大家「白川家」に連なる家系で、代々神道系の古式魔法を受け継いでいた由緒ある家系。「白川」の名の通り水に干渉する魔法を得意としている。また、特別な直観を備えているらしく、彼女の直観ならそうなるだろうと愛梨も信頼している。励ませなかった栞の代わりに、上がり症と妨害工作の可能性に怯えているほのかに対し、同じバトル・ボードに出場するにも拘らず、励ますなど飄々としているが性格は良い。

第四高校

黒羽 亜夜子(くろば あやこ)
声 - 日笠陽子(オーディオドラマDVD版)
四葉家の分家である「黒羽家」の長女で文弥の双子の姉。達也と深雪の一学年下の再従妹(はとこ)で、深雪とは3ヶ月しか年が離れていない。収束系魔法の適性が高く、「極致拡散」「疑似瞬間移動」などの魔法を高度に使いこなす。得意・不得意がハッキリしたタイプの魔法師であり、近接直接戦闘は不得意としている。
黒羽家は四葉における諜報・工作活動を統括しており、亜夜子も高校入学前から任務に就いており、その際のコードネームは「ヨル」。四葉真夜のエージェントとして折衝や工作も行い、中学3年生という若さながら情報収集や交渉術に長け、バランス大佐や九島烈相手にして任務を達成している。自身の魔法特性を教わり、魔法師としての自らのアイデンティティを確立することができた経緯から、達也に恋愛感情を抱き文弥と共に慕っているが、深雪とは年が近いこともあって互いにライバル心を抱いている。2096年に弟の文弥と共に第四高校に進学、その美貌と高い魔法力から四校のアイドル的存在で、2096年度の九校戦では真夜の命令で全力を出し、新人戦女子ミラージ・バットで優勝する。
2096年の大晦日の会食にて文弥と共に次期当主に深雪を推薦したが、翌日の慶春会で達也と深雪の婚約が発表されると、ショックのあまり体調を崩してしまった。その際に深雪は達也のために利用されていると直感するなど、真夜の思惑を薄々感じ取っていた。
黒羽 文弥(くろば ふみや)
声 - 内山夕実(オーディオドラマDVD版)
黒羽家の長男で、亜夜子の双子の弟。四葉家中では深雪に次ぐ次期当主候補No.2だったが、2097年に深雪が次期当主に正式に指名されたことで黒羽家の次期当主になった。精神干渉系の適性があり、相手の感覚に直接痛みを与える戦闘魔法「ダイレクト・ペイン」を使う。
女の子のような可愛らしい容姿であり、亜夜子との任務活動中は変装として女装させられておりコードネームは「ヤミ」。任務では亜夜子が諜報・潜入を担当し、文弥が戦闘を担当するという役割になっている。変声期による声色の変化も無いため、本人にとってはコンプレックスを感じる点である。再従兄の達也に憧れており、それを亜夜子によくからかわれている。真夜の意向で第四高校への進学が決まったが、元々は達也のいる第一高校への進学を希望しており、かなりの未練を感じていた。亜夜子と共に四校のアイドル的存在で特に上級生の女子からの受けが良いが、達也のような”クールで頼られる男”を目指している文弥自身は内心、不満に思っている。2096年に司波兄妹の素性を隠すため、真夜の策略によりそれとなく四葉の分家である「黒羽家」の噂が公然と広まっており、そんな中、行われた九校戦では、雫の従兄の晴海のつてで達也と初対面という体で接触、真夜の命令通り新人戦モノリス・コードで琢磨たち一高のメンバーを一人で圧倒し、優勝した。
父の貢からは優しい性格が四葉の当主には向かないと考えられており、2096年大晦日の会食にて貢の意向通り次期当主候補の地位を返上、深雪を推薦する。
鳴瀬 晴海(なるせ はるみ)
第四高校の三年男子生徒で、雫の母方の従兄にあたる。今一つ地味な外見と「魔法バカ」的な性格の持ち主なため、女子生徒からの評価はいまひとつ。
四高の中では実技の成績はトップクラスであり、2096年度の九校戦には選手として出場したが本人は技術系志向であり、エンジニアとして参加を望んでいた。亜夜子の頼みを受けて達也と黒羽姉弟を仲介する役目を果たした。

十師族関係者

四葉家

達也と深雪の実家。十師族の中では七草家と並び最有力勢力だが、徹底した秘密主義を敷いており世間には現当主の名前しか公開しておらず、その家風は良く言えば自主独立、悪く言えば唯我独尊と言われている。血統的な特徴として、精神干渉系魔法か、特異かつ強力な魔法のいずれかを身に付けやすい。四葉家本邸(旧第四研跡地)は旧山梨県の北西部にあるが、認識阻害の結界により外部からは発見されにくくなっている(最寄の駅は小淵沢駅)。他家にはない独自の風習がいくつかあり、分家は四葉と悟られないよう別の姓を名乗っており、「椎葉」「真柴」「新発田」「黒羽」「武倉」「津久葉」「静」の有力七家から構成されている(「司波」は深夜の結婚に伴い新設された)。また四葉真夜誘拐事件の反省として四葉一族の重要人物には「ガーディアン[注 4]」と呼ばれる護衛が原則、就くことになっている。
2062年に起こった四葉真夜誘拐事件の報復として単独で大漢を崩壊に追い込んだ通称「2062年の悪夢」により、全世界の魔法関係者からは「触れてはならない者たち(アンタッチャブル)」と忌避されている。
また四葉家には政府とは別に「スポンサー」と呼ばれる現当主の四葉真夜ですら無碍に扱えない後援者(東道青波)がおり、四葉家の工作活動には政府の要請以外にもその人物からの依頼であるものも多いようである。
四葉 真夜(よつば まや)
声 - 斎藤千和
十師族「四葉家」現当主。司波兄妹の実母である司波深夜の双子の妹で、達也と深雪の叔母にあたるが、2097年からは達也の戸籍上の母親となった(後述)。身長165cm、体重58kg。
およそ45歳(2097年2月4日時点で47歳)という齢をまるで感じさせない若さの妖艶な美女で、「極東の魔王」「夜の女王」の異名を持つ当代における世界最強の魔法師の一人と目されている。十師族としては東海地方、長野・岐阜方面の監視・守護を担っており、他の十師族当主のように表向きの家業には就いていないが私生活では主に魔法研究に勤しんでいる。また七賢人の一人としてフリズスキャルヴへのアクセス権も持つ。
光の分布を偏らせる収束系統魔法を、生来の得意分野とする。通称「夜」とも呼ばれる魔法「流星群(ミーティア・ライン)」は、光の分布を著しく偏らせて星空のような暗闇の空間を作り出し、光球(星)から降り注ぐ光線のシャワーで物質を貫通(気化)させる。物理的な防御は無意味であり、対魔法防御での対抗も困難を極めることから世界最強と呼ばれる一因になっている。物質を気化させる結果面では達也の「分解」と同種の魔法だが、対象を直接気化させるのではなく「空間内の光の分布」を操作して間接的に分解を起こす魔法であるため、空間の構造情報を直接分解できる達也の魔法とは決定的に相性が悪い(ただし達也が真夜に対して絶対的な優位性を保っていられるのは「再成」があるからであって、あらゆる面で超一流の魔法師である真夜と戦えば無傷では済まないと分析している)
かつて七草弘一と婚約していたが12歳のときに台北で大漢に誘拐され、非人道的な魔法師開発の人体実験をされ、また子を作るためレイプされたひたび輪姦された。身体中を凌辱されたことを姉に語っている。救出されるも生殖能力を失った。その際に姉の深夜により、精神構造干渉を用いて経験の記憶を知識の記憶へと変質させられている。以降は、弘一との婚約も破談となり、姉妹仲も険悪なものとなっていたが、当主になりたての頃に「人造魔法師実験」を計画し甥の達也を実験体とした。性格は二面的で、情が深くおだやかな口調で話すも、暗殺や洗脳といった行為を日常的な口調で命じるなど、冷酷な性格でもある。また、かつて深夜と共に九島烈の教えを受けていた時期がある。
姪にあたる深雪を自らの後継者とする一方、達也を深雪のガーディアンという低い立場に置き、無関心を装っているが彼を「最悪最凶の魔法兵器」と称し注視している。司波兄妹の叛意を承知しており、深雪を次期後継者として四葉の中枢に据えようとしたり、旧交のあった穂波の姪にあたる水波を彼らへ送りつけるなどして、兄妹が四葉を裏切らないように策を張り巡らせる。2096年の大晦日に正式に深雪を後継者に指名すると同時に達也に深雪が妹ではないという””と、出生の秘密を明かす。自身の過去と未来、女としてのささやかな幸せすら奪った四葉家を含む全世界を恨み、嘲笑う姿こそが真の本性で世界を滅ぼせる力を持つ達也を自身の願望によって生まれた息子と偏愛、公に自分の息子となって深雪の婚約者となることを命じる。ただし、達也を四葉から離反させないための演出の一面と打算も含まれており、自分でも予想以上に感情的になってしまったと葉山に対し拗ねた様子を見せた。2097年1月の慶春会にて誘拐事件前に採集していた卵子を用いて、深夜を代理母として出生したという嘘が公表され、四葉一族をはじめ国内の有力魔法師に達也を息子として認知したことを発表する。2月の師族会議では弘一とお馴染みの謀略戦を繰り広げるが、弘一と周公瑾の共謀関係を暴露したことで七草家は他家からの信用を失い、相対的に四葉家の発言力を高めるなど策謀家ぶりを見せた。
司波 深夜(しば みや)
声 - 井上喜久子(オーディオドラマDVD版)
達也と深雪の実母で、真夜の双子の姉。旧姓「四葉」。故人。世間では結婚もせず、子供も作らぬまま死去したとされている[注 5]
真夜と同じく、およそ42歳だった3年前でも「少女のように可愛らしい」と言われ、実年齢が30歳、外見年齢が20歳過ぎ程度の桜井穂波と並べて歳下に映ったほど若々しい美女。禁忌の系統外魔法「精神構造干渉」を世界で唯一扱う魔法師として、「忘却の川の支配者(レテのミストレス)」の異名で畏怖されていたが、過度な魔法の酷使によって10代から健康を損ね、入退院を繰り返していた。そして本編開始直前の2094年に死去している。
真夜が計画した「人造魔法師実験」の実行役を担い、当時6歳の達也に「人工魔法演算領域」を植え付けた代わりに「強い情動を司る部分」を白紙化した張本人。深雪は「お母様自身も感情の一部を喪失している」と推測しているが、達也に対しては使用人同然に恐ろしく冷淡に接する。しかし追憶編の沖縄開戦時においては、実の息子である達也を自慢するような言い方もしていた。真夜の話では達也の魔法が暴走しないよう人造魔法師実験で感情を奪い取ろうとした際には最後まで抵抗の意思を見せ、結局息子を世界の破壊者にしないために実行し、自分の負担も惜しまずに彼の情動だけを取り除くよう配慮した。また、深雪が魔法を暴発させ、達也がコキュートスで止められないようにするため、深雪に達也への無関心を植え付けようと深雪の前で達也に対し冷淡な態度をとり、淑女として徹底的に教育を施した。
双子の妹の真夜とは仲睦まじい姉妹であった。しかし、2062年の誘拐事件で心に深い傷を負った真夜を救うために父親に命じられて精神構造干渉を用いた結果、真夜からは恨まれる結果となり以来、険悪な仲となった。また事件前は、真夜と共に九島烈の教えを受けていた時期がある。
司波 龍郎(しば たつろう)
声 - 子安武人
達也と深雪の実父。旧姓は司馬。サイオン保有量が規格外に多いという魔法資質を持ち、その遺伝子に目を付けた四葉家によって深夜と結婚させられる。達也と深雪のサイオン保有量の多さは父親譲りであるが、CADの発達により本人はその資質を成果に結びつけられず、魔法師としては大成しなかった。
四葉家が正体を隠して出資し設立したFLTの開発本部長を務める重役で「椎原 辰郎」というビジネスネームを使用している。亡き妻である深夜の持ち株を相続して最大株主となっているが、実質的には次期当主候補である深雪の管財人に過ぎず、支配権は四葉家に握られている上に、四葉本家への出入りも認められていない。
達也とは互いに無関心、深雪からは深夜の死後半年もせず元恋人の愛人(小百合)と再婚したことや、達也を息子扱いしない点などでかなり嫌悪されている。深夜の生前から仕事を表向きの理由として愛人宅で生活しており、再婚後もFLTにほど近い小百合のマンションに居住し、兄妹とは別居している。
司波 小百合(しば さゆり)
声 - 豊口めぐみ
司波龍郎の後妻。旧姓は古葉。龍郎とは同い歳で、深夜と結婚する前から恋人関係にあったが、四葉家の横車によって別れさせられ、深夜が死去するまで愛人の立場に甘んじていた。
魔法工学の研究者としてFLTに入社しながらも大した成果を上げられずに管理部門に異動させられた経歴から、研究者として華々しい成果を上げている達也に嫉妬と対抗意識を抱いており、義理の母親という立場から達也を利用しようと目論んでいる。深雪には龍郎と同じく嫌悪されており、下の名前を「さん付け」で呼ばれ、母ではなく他人の扱いを受けている。
四葉 元造(よつば げんぞう)
四葉家先々代(初代)当主[注 6]。深夜と真夜の父で司波兄妹からは祖父にあたる。故人。妻は「阿部 泰夜」という女性だが、2062年の事件以前に死去している。
2062年に大漢が真夜を誘拐した末に人体実験の実験台とした非道への報復のため、四葉の総力を挙げて復讐を成し遂げるも過度な魔法の酷使によって死亡した。この際に行われた報復により「四葉に手を出してはいけない」というタブーを世界各地に知らしめる結果となった。
九島烈とは親しい間柄だったようで、その縁で烈に深夜と真夜の家庭教師を務めてもらっていた。
精神干渉系魔法の適性があり、相手の精神に強力な”死”のイメージを与える魔法「死神の刃(グリムリーパー)」の使い手。
四葉 英作(よつば えいさく)
四葉家先代(二代目)当主。椎葉家現当主の父で深夜と真夜から見て叔父(元造の弟)に当たる。故人。
他人の魔法演算領域を解析し、潜在的な魔法技能を見通す精神分析系の能力を備えており、四葉に伝わる魔法演算領域分析系の術式の基を築いた人物。
生まれたばかりの達也の魔法資質を解析し、分家衆の反対を押し切りその有効活用を目指した。そのため、達也に幼少期から戦士としての訓練を徹底的に施した。
黒羽 貢(くろば みつぐ)
声 - 斧アツシ(オーディオドラマDVD版)
四葉家中で諜報・工作を担当する分家筆頭「黒羽家」の現当主で、亜夜子と文弥の父親。黒羽重蔵(故人)と四葉夢女(元造の妹)の息子で、深夜と真夜とは従姉弟の関係(司波兄妹から見た叔従父)。精神干渉系魔法の適性があり、対象に針などを刺して、その僅かな痛みを増幅して死に至らしめる魔法「毒蜂」を開発している。ただし毒蜂は貢固有の魔法ではなく、精神干渉系魔法への適性があれば習得出来るらしく、黒羽家の実働部隊が主に使用している。
身内のパーティなどでよく子供たちの自慢話をするなど亜夜子と文弥を溺愛しているが、二人がガーディアンに過ぎない達也と親しくするのを快く思っていない。芝居がかった大仰な口調が特徴だが、暗殺を平然と命じ、時には部下を見捨てる非情な対応をとりながらその部下に対して甘いとも言える態度を取るなど矛盾した性格で、部下でさえも本心が掴めない男性。一方、黒羽家は本家当主への絶対の忠誠を刷り込まれているため、内心で真夜を畏怖しており、また後述の理由から達也と接する時(もしくは達也が関連する時)は感情的になることが多い。
達也をガーディアンとして見下していたのではなく、出生の秘密を知るが故に「四葉の罪の結晶」と呼び、自分たちの身勝手な思いが作り出した怪物として忌避、四葉内に封じ込めておくことが自分たちの義務だと思い込んでいる。このことは新発田、椎葉、真柴、静の四家も同様である(武倉と津久葉は譲歩を見せている)。深雪が次期当主になることで達也の地位が上がることを懸念し、彼に深雪を慶春会に出席させるなと脅迫まがいの警告を発するが、達也を慕う子供達を慮り妨害工作への参加は見送っている。本家で達也と面会し、出生の秘密を明かしたうえで深雪のガーディアンを辞退するよう迫るも、達也からは「(分家当主達の理解し難い企みの動機は)センチメンタルな罪悪感」と一笑に付された。
東雲 吉見(しののめ よしみ)
四葉家の遠縁(と思われる)東雲家の娘で、黒羽貢の妻・「東雲 亜弥」の姪(兄の娘)で黒羽姉弟から見て母方の従姉にあたる。現在21歳だが大学などには通っておらず、高校も融通が利く通信制を卒業しており、在学中から黒羽の諜報任務に従事していた。キャスケットにサングラス、マフラーで人相を隠しているが世界的に稀有な異能「サイコメトリー」能力者で、人体に残った想子情報体の痕跡を読み取ることができ、この能力で死者の記憶を読み取っている。吉見の能力こそが黒羽家の奥の手であり、異様な諜報能力の高さの秘密である。
2097年2月の箱根テロ事件の首謀者であるヘイグ捜索のために召集され、自爆したテロリストやヘイグの駒となっていたジェネレーターの遺体から情報を収集している。
津久葉 夕歌(つくば ゆうか)
津久葉家現当主である津久葉冬歌の一人娘で津久葉家次期当主。身長160cm、体重48kg。現在魔法大学四年生の22歳で、大学院に進むつもりである。第一高校OGで、2091年二学期から半年間生徒会副会長を務めた。高校在学中は魔法力を隠していたが精神干渉系魔法全般に強く、母譲りの高い適性を持つ。性格は親しみやすい口調だがドライなところがあり、自分のガーディアンが死んだ際にも悲しむより自分の護衛から解放されてほっとしているだろうと淡白な返答をした。
四葉家次期当主候補の一人で深雪との関係は中立的で相互不干渉、達也に対しても本当の能力を知っているため見下すようなことはなく、むしろ達也が一族内で忌避されている理由に興味を抱いている。新発田など分家衆から妨害を受ける司波兄妹を援護し、元々母共々深雪を推していたため予定通り大晦日の会食で候補を返上、深雪を当主に推薦した。
使用する魔法は想子の音で恐怖という情動を強制的に発生させ、精神を攻撃する「マンドレイク」。想子の音で広がるため物理的に音波を妨害してもとめられないが、魔法による音波遮断であれば軽減できる。
津久葉 冬歌(つくば とうか)
四葉家の分家である「津久葉家」現当主。冬歌の母である津久葉彩歌と四葉元造が従兄妹の関係で夫は入り婿である。
精神干渉系魔法を得意とし、特に「誓約(オース)」という特殊な魔法の第一人者である。「誓約」は被術者の同意の下、半永続的に被術者の精神活動を制限する効果を持つ。「誓約」の条件として施術者の意思によらない解除用の鍵を設定しなければならないが、相手の自我を維持しつつマインドコントロールが可能な利用価値の高い魔法である。深雪の魔法力を用いた冬歌の「誓約」により達也の封印は維持されており、解除用の鍵は深雪に設定されている。
夕歌によれば「津久葉家」は「黒羽」や「新発田」に比べると、実力で一段劣るらしい。また一族の懸案事項となっている達也の処遇に対しても、他の分家当主が達也を忌避する中、武倉と共に譲歩の姿勢を表明している。
新発田 理(しばた おさむ)
四葉の分家「新発田家」現当主。理の父・四葉兵馬(故人)は元造の叔父にあたり、元造とは従兄弟の間柄。武断的な気質の持ち主で息子の勝成が四葉次期当主に相応しいと思いつつも、四葉としての魔法の資質に優れる深雪の当主指名には反対していない。
貢と同じくらい達也への忌避感が強く、勝成に深雪たちの慶春会出席を妨害を指示し、「椎葉」「真柴」「静」と共に妨害計画を主導する。
新発田 勝成(しばた かつしげ)
新発田家現当主である新発田理の一人息子。第五高校OBで、魔法大学を卒業し今年防衛省に入省した23歳。高校在学中は魔法力を隠していた。身長188cm、体重80kg。
物質の密度を直接操作する収束系魔法「密度操作」を得意とする。四葉の魔法師らしくなく普通の魔法を得意とする、普通の意味で優れた魔法師。事務職だが、体格にふさわしい格闘戦能力を持つ。四葉家が現在抱える戦闘魔法師の中でもトップクラスの実力の持ち主であり、直接的な戦闘力は深雪よりも優っていると思っている。直系の血筋である達也を見下しておらず、その実力と有益性を把握している。琴鳴とは恋人同士であり、ガーディアンにしているのは側に置くための口実である。
四葉家次期当主候補の一人だったが、深雪の当主指名自体には納得していた。理の指示で深雪たちの慶春会出席を妨害するが失敗に終わり、大晦日の会食で候補を返上、代わりに真夜にガーディアンの堤琴鳴との結婚を口添えしてもらい、2097年の慶春会で婚約を発表した。
堤 琴鳴(つつみ ことな)
新発田勝成のガーディアン。奏太の実の姉で魔法大学卒の24歳。第五高校OBだが、勝成のため年齢を一歳誤魔化して高校に通っていた。勝成とは恋人同士。身長165cm、体重58kg。
調整体「楽師シリーズ」の第二世代。「楽師シリーズ」は振動系魔法、特に音波に干渉する魔法を得意とする戦闘用に作られた魔法師である。琴鳴は攻撃的魔法より索敵や幻惑、探知妨害、ダメージ軽減を得意としている戦闘補助タイプである。「サイレントヴェール」「パッシブソナー」「音響爆弾」を得意とする。
深雪たちの慶春会出席の妨害時、奏太とともに達也と戦うが一蹴された。2097年の慶春会で勝成と婚約。
堤 奏太(つつみ かなた)
新発田勝成のガーディアンで琴鳴の弟。第五高校OBで、魔法大学二年生の20歳。ライブハウスでセミプロのミュージシャンとして活動もしている。身長170cm、体重62kg。
姉と同じ調整体「楽師シリーズ」の第二世代で音に関する魔法に高い適性を持つ。攻撃的な魔法である「フォノンメーザー」や「音響砲(アコースティック・キャノン)」を得意とする。
深雪たちの慶春会出席の妨害時、琴鳴とともに達也と戦うが一蹴された。
葉山 忠教(はやま ただのり)[18]
声 - 中博史
先代の四葉当主から引き続いて真夜に仕える序列第一位の執事長。初老に見えるが実年齢は70歳を越している。
他の執事達が各部門の統括責任者であるのに対して、主のプライベートな用向きを果たす執事は葉山のみで、主である真夜に直言出来る四葉家中の数少ない人物であり、真夜が仕事以外のプライベートや本音を含んだ会話をするなど公私にわたって信頼されている四葉家の重鎮。当主専属の執事という職業柄、四葉の内情を知り尽くしており達也の能力を知っているため達也を見下したりするようなことはなく、達也に対して四葉家の直系として敬意を抱いており、達也に対して忌避感を抱く貢を逆に戒める発言をしている。分家当主ですら知らない深雪の秘密や真夜と達也の偽りの親子関係も知らされるなど抱える情報量では四葉分家当主すら超えている。分家当主ですら立ち入ったことのない真夜の私室への入室も許されており、国防軍との達也の貸与交渉では真夜の名代として交渉を担当するなど佐伯からも一目を置かれている。
実力は高くないが実は魔法師で、その能力を給仕などに使っているとのことで、真夜をして「細やかな魔法の使い方では自分も敵わない」と言わしめるほどである。
スピンオフ『魔法科高校の優等生』の第1話では、達也に対して好意的な態度で登場している。四葉家の中で、序列の低い達也を見下していない点でも数少ない人物の一人である。
花菱(はなびし)
四葉家の仕事の斡旋を行う序列第二位の執事で四葉が外部からスカウトした魔法師。四葉の内情を知る「内陣(インナー)」。魔法力は平凡だが実戦経験が豊富な退役軍人で四葉の実働部隊(私兵)の統括、魔法関連の裏仕事のスケジュール調整や装備の支給も担当する、ある意味で四葉の司令塔の役目を果たす執事。
紅林(くればやし)
四葉家の序列第三位「内陣(インナー)」の地位にいる執事。五十代前後の外見の男性。四葉家において魔法師調整施設の管理を担当しており、調整体魔法師の製造設備だけでなく、後天的な魔法力強化施設も管理している。四葉家の内情を知る「内陣(インナー)」であることと、本人の性格から達也に対しても丁寧な態度で接する。「魔法科高校の劣等生 ドリームゲーム8」に登場する。
青木(あおき)
声 - 佐藤晴男
四葉家の財務を担当する序列第四位の執事。深雪に敬意を払う一方で、同じ血を引く達也を使用人と同列にしか見ていない(これは上位三人とは異なり、国家機密でもある達也の能力を全て知らされていないからでもある)。
黒田(くろだ)
四葉家の外部の人材採用・スカウトと村外の不動産の管理を担当する序列第五位の執事。
白川(しらかわ)
四葉家の使用人の統括において葉山の補佐を担当する序列第六位の執事。夫人は本家の家政婦を統括しているメイド長。
木村(きむら)
四葉家の本拠地の村長代行と村内の不動産の管理を担当する序列第七位の執事。
小原(おばら)
四葉家の車の手配を担当する序列第八位の執事。達也に対しては比較的まともな態度をとるが、達也の能力を全て知らされていないため目下と見做している。前歴は交通機動隊。
桜井 穂波(さくらい ほなみ)
声 - 遠藤綾(オーディオドラマDVD版)
故人。遺伝子操作により魔法資質を強化された調整体魔法師「桜」シリーズの第一世代で、生まれる前から四葉家に買い取られている。2087年頃から司波深夜のガーディアンとなり、身の回りの世話も担当していた女性。ガーディアンになる以前は、警視庁に就職してSPをしていた。
司波兄弟にとって姉のような存在で、自分の怪我に頓着しない達也を諌めたり、深雪に日焼け止めを塗ろうとしたときに怪しい笑みを浮かべたりなど、親身に接していた。
2092年8月の大亜連合による沖縄侵攻で、艦砲射撃への防御力を持たない達也を敵艦の攻撃から守るため、障壁魔法を酷使して死に至った。

七草家

七草 弘一(さえぐさ こういち)
十師族「七草家」の現当主。真由美の父親で、真由美の上には前妻の子である2人の息子、下には双子の娘がいる。右目は義眼であり、それを誤魔化すために色付きの伊達眼鏡を掛けている。表向きの家業はベンチャーキャピタル経営。現十師族当主の中では最も政界と繋がりが深く、謀略好きな性格で真由美からは「狸親父」と陰で嫌味を言われている。十文字家と共に伊豆を含む関東地方を監視・守護している(七草家が主に諜報、十文字家が戦闘という役割分担)。
魔法師としては四系統八種の各種魔法を発動直前の状態で保持、適時使用する「八重唱(オクテット)」という技術を得意とする。
年齢は四葉真夜より2歳上の、およそ47歳(2097年2月4日時点で48歳)。2062年時点では四葉真夜とは婚約関係にある恋人同士であったが大漢による四葉真夜誘拐事件の戦闘により右目を失い、実験体にされた真夜が生殖能力を失ったことで婚約も解消された過去を持つ。現在でも元婚約者の真夜を意識しており、四葉家が十師族の中で突出した存在である事を恐れている数少ない一人で、七草家の勢力を四葉家より強くするため様々な画策をしている。四葉姉妹と共に、九島烈から魔法を学んでいた時期があり今でも「先生」と呼んでいる。一条家当主の剛毅とは性格が対照的だが、年齢的な違いから弘一は剛毅を「やんちゃな弟分」と見ている。
横浜事変での名倉の報告から達也と深雪を四葉の一族と確信、達也が非公式の戦略級魔法師である可能性にも至っている。四葉の弱体化を狙い、十師族のメリットになるという建前で人間主義者の反魔法師運動で国防軍を非難する運動を煽ったり、日本で暗躍している周公瑾と陰で手を組むなど、魔法師の敵対勢力を利用している。そのことから克人や娘の真由美から非難を受け、名倉が死亡した事件では真由美の詰問をはねのけたことから大きな不信感を抱かれている。
2097年の四葉家の次期当主決定と達也と深雪の婚約、それに対する一条家の異議と将輝と深雪の婚約の申し込みを聞き、婚約阻止のため、真由美が達也に好意を抱いていることを確認したこともあり、真由美を達也の婚約者にしようと画策する。2月の師族会議では剛毅と共に真夜に対して婚約に異議を立てたが、婚約を取り消させることはできず、代わりに交際を申し込むことを許されるにとどまった。直後、真夜から周公瑾と共謀関係にあったことを暴露され、克人の証言もあって九島家を除く十師族各家から糾弾されるも、その場に現れた九島烈が、九島家も周公瑾と共謀したことを理由に九島家の十師族辞任を条件に七草家の免責を申し出たため難を逃れる。しかしこの一件で十師族他家からの信用を著しく損ない、真夜の推薦で補欠メンバーとして確執のある七宝家が加入した際も異議を唱えることが出来なかった。箱根テロ事件が起こると、周公瑾の一件の罪滅ぼしとして捜索部隊の責任者に志願し、長男の智一を派遣する。
七草 智一(さえぐさ ともかず)
十師族「七草家」の長男。弘一の息子で真由美、香澄、泉美の異母兄にあたる。年齢は27歳。香澄から「兄貴」、泉美から「兄」と呼ばれている。既に学業を終えて、結婚もしており現在は別宅で生活している。魔法力で弟の考次郎には劣るが真由美とは同レベルであり、器用さは兄妹の中で一番である。良識的かつ真面目な性格で狡賢さには欠けるが、堅実な組織運営を得意とする。荒事に対しては不向きな面がある。
2097年2月に起こった箱根テロ事件では、ヘイグ捜索の実働部隊の総責任者となる(表向きの責任者は克人)。
七草 考次郎(さえぐさ こうじろう)
十師族「七草家」の次男。弘一の息子で真由美、香澄、泉美の異母兄にあたる。年齢は24歳。魔法力は兄妹の中で一番である。現在は、旧第七研とは別に七草家が設立した魔法研究所に泊り込んでいる。
名倉 三郎(なくら さぶろう)
七草家の執事で、真由美のボディガードも務める初老の紳士。
元軍務経験者を思わせる身のこなしで、近接戦闘では真由美よりも一枚上手とされる。「名倉」の家系は魔法師開発第七研究所で開発された「七倉」の「数字落ち(エクストラ・ナンバーズ)」であり、現当主とは互いに、七草の「身内」だとは見なしていない。それゆえか弘一への態度はどこかビジネスライク的な感じがある。
第七研のテーマを実戦的でないと感じ、自ら群体制御にアレンジを加えた結果、液体に形を与えて弾にする技術を編み出した。しかしそれにより同時に操作できる数が百を満たなくなってしまい、期待した性能を出せなかったことから数字落ちとなってしまった。実際は七草家最強の戦闘魔法師で、対戦した周にも黒羽貢よりも強いと評されていた。
四葉の弱体を狙う弘一の命で周と一度手を結んだ。パラサイドールの一件で周が四葉と九島に追われることになり、周との関連が四葉に知られることを恐れた弘一の命令で周の抹殺を計る。その戦闘で逆に返り討ちにあい死亡するも、死に際に自分の血液を周に残しており、それが達也たちが周を打倒するきっかけになった。

一条家

一条 剛毅(いちじょう ごうき)
十師族「一条家」の現当主。一条将輝の父で、将輝の他に2人の娘を持つ。石川県金沢在住。42歳。
一条家は海底資源採掘会社を表向きの家業としており、その会社の社長である。北陸・山陰地方を監視・守護している。
2092年における新ソ連の佐渡侵攻作戦に際し、将輝や現地指揮官だった酒井と新ソ連軍相手に激戦を繰り広げた経験を持つ(その後、強硬派の酒井とは対立の末、喧嘩別れしている)。2097年1月2日に四葉家から通知された達也と深雪の婚約に、翌1月3日に異議を申立てた上で、深雪に対し将輝との婚約を申し出た。近親婚による遺伝子の損失を避けるという理由もあるが、主に息子の将輝の恋愛のための行動であり、婚約が成立した際には将輝を四葉家に婿として差し出す姿勢を見せている。同じく達也と深雪の婚約阻止という目的から七草家の弘一から協力を申し込まれるも、利用するつもりかと好意的な反応を見せず、さらに2月の師族会議において弘一が日本に対し様々な害を与えた周公瑾と共謀したことが指摘されたことに対し、怒りを見せた。
一条 美登里(いちじょう みどり)
将輝の母であり、剛毅の妻。一条家の屋敷はメイドや使用人を雇わない方針で、美登里が専業主婦をしている。おばさんと呼ばれるのを嫌い、吉祥寺真紅郎には名前で呼ばせている。
一条 茜(いちじょう あかね)
将輝の妹で小学6年生。真紅郎には嫁入りを申し込むほどの好意を寄せているが、兄の将輝には生意気な態度を取る。2096年に名門中学への進学を果たす。2097年の箱根テロ事件終結後に吉祥寺と共に東京へ行き、そこで将輝に対し深雪と会わせることを要求する。そこで、深雪の美貌に圧倒されるとともに、達也に対し得体のしれない恐怖を感じており、将輝に警告をする。
将輝が四葉に婿入りした場合は、将輝の代わりの一条家次期当主に浮上している。
一条 瑠璃(いちじょう るり)
茜の下の妹で小学3年生。少しキツい性格をしている。

二木家

二木 舞衣(ふたつぎ まい)
十師族「二木家」の現当主。兵庫県芦屋在住。55歳。
表の職業は複数の化学工業会社と食品工業会社の大株主である。阪神・中国地方を監視・守護している。
これまでは現十師族当主の中では二番目に年長であったことから会議のストッパーを担っていたが、2097年2月4日に最年長の九島真言が十師族を退いたことで十師族当主の内最年長者が進行役を務める不文律に従い、新しい議長役となった。

三矢家

三矢 元(みつや げん)
十師族「三矢家」の現当主。神奈川県厚木在住。53歳。
表の職業は国際的な小型兵器ブローカーである。今も活発に活動し国防軍の魔法師にノウハウを提供している第三研の運用を、他の「三」の各家と協力して行っている。
「多種類多重魔法制御」を研究する第三研出身らしく、最大九つの魔法式を常時待機、最大九種類の魔法を同時に行使する「スピードローダー」という技術を得意とする。

五輪家

五輪 勇海(いつわ いさみ)
十師族「五輪家」の現当主。愛媛県宇和島在住。49歳。
表の職業は海運会社の重役で実質のオーナーである。四国地方を監視・守護している。
五輪 澪(いつわ みお)
十師族「五輪家」の長女。洋史の姉。虚弱体質であり、20歳を過ぎた辺りから移動には電動の車椅子を使用している。年齢は26歳、身長は154センチか153センチほど。東京で弟の洋史と同居している。
国家公認戦略級魔法師「十三使徒」の一人であり、日本が公式に認定している唯一の戦略級魔法師でもある。戦略級魔法「深淵(アビス)」は半径数十メートルから数キロメートルにわたり、水面を陥没させる移動系の魔法であり、海上・海中の敵にとっての天敵となる。
五輪 洋史(いつわ ひろふみ)
十師族「五輪家」の長男であり、同家の次期当主。澪の弟。
好青年ではあるが、良い人すぎるために頼りなく感じてしまう。真由美の婚約者候補の一人ではあるが、両人ともあまり乗り気でなかった。結果として、2097年2月の師族会議の直前に縁談は破談した。歳下の克人には、同じ十師族の次期当主として劣等感を抱いている。

六塚家

六塚 温子(むつづか あつこ)
十師族「六塚家」の当主。宮城県仙台在住。29歳。
表の職業は地熱発電所掘削会社の実質のオーナーである。東北地方を監視・守護している。
温子個人が真夜に憧れを抱いているところがあり、議論が割れた時は真夜の側に付くことが多い。四葉分家の新発田勝成が仙台の第五高校に通っていたことも好意を寄せている理由の一つであり、四葉とは友好関係にある。

八代家

八代 雷蔵(やつしろ らいぞう)
十師族「八代家」の当主。福岡県在住。31歳。
表の職業は大学の講師で複数の通信会社の大株主である。沖縄を除く九州地方を監視・守護している。

九島家

九島 烈(くどう れつ)
声 - 清川元夢
十師族「九島家」の重鎮。日本魔法師界の長老的存在で「老師」と呼ばれることが多い。21世紀の日本に十師族と言う序列を確立した張本人で、最高にして最巧と謳われ「トリック・スター」の異名を持っていたが20年程前に、世界最強の魔法師の一人と目されたまま第一線を退いた。以前は国防軍の少将の地位にあり、その頃の経験から十師族が表向きの権力を持たないよう推奨した。
先々代の四葉家当主(四葉元造)と親しかった関係で、かつて深夜と真夜に魔法を教えていた時期がある。四葉の内情もある程度、把握しており当初から司波兄妹と四葉の繋がりに気付いており、深夜が息子の達也に行った実験のことや四葉家の背後にいる”スポンサー”と呼ばれる人物のことも知っており、自らを兵器として捉える四葉の思想故に、四葉家の勢力拡大を危険視している。また七草家現当主の七草弘一も烈の教えを受けた時期があり、未だに師族会議に対して強い影響力があり第一線を退いてもなお、優れた技量を持つ魔法師に興味を示すなど魔法師の世界に関わり続けている。
息子の真言(まこと)が九島家の現当主であり、その末子の光宣をある事情から大切に扱っている。孫の光宣の境遇から、魔法師を兵器とする行為を止めるべきと考えており、パラサイトを人型機械に憑依させた兵器「パラサイドール」の開発を行った。
事件後に達也からの面会に応じ再会した際にパラサイドールの一件を謝罪、個人的に彼に協力することを約束した。2097年2月の師族会議にて周公瑾の一件で糾弾を受ける弘一を、十師族体制維持のために庇い、パラサイドールの一件と併せて全ての責任を負った九島家を十師族から退かせる。
九島 真言(くどう まこと)
九島家の現当主で、九島烈の息子。奈良県生駒在住。64歳。
表の職業は様々な軍需産業会社の株主、出資者、債権者。京都・奈良・滋賀・紀伊方面を監視・守護している。
「世界最巧」と謳われた父親と比べ、魔法力は十師族として突出していない。自分の子供たちも同様であり、その劣等感から末息子である光宣を人工交配と遺伝子調整によって生み出したが、結果としてそれが息子に残酷な運命を背負わせることになってしまう。
父・烈とともにパラサイドールの開発を進める傍ら、父に内密に周公瑾が送り込んだ方術士の受け入れを許可する。師族会議では、最年長であることから会議の進行役を行っていたが、2097年2月の会議にて真夜が周公瑾との共謀の件で弘一を告発した際にその場に現れた烈が、九島家も同様に周公瑾に便宜を図り、明確に共謀していたことを理由に責任をとり、九島家の十師族退席を申し出たことから、途中で烈と共に肩を落としながら会議の席を後にした。その際に弘一が糾弾されてる中でも、自身の関与を明かさず保身に走った態度を烈に非難されている。

十文字家

十文字 和樹(じゅうもんじ かずき)
十師族「十文字家」の前当主。東京都在住。44歳。
表の職業は国防軍を得意先とする土木建設会社のオーナーである。七草家と共に伊豆を含む関東地方を監視・守護している。十文字家は有事の実戦闘要員としての性質が強い。
三年前から十文字家固有の魔法力低下の病に罹っており、2097年2月の師族会議の三ヶ月前に魔法技能を失っていた。会議の冒頭で克人に当主の座を継承させることを申し出て、満場一致で承認された。

七宝家

2097年2月の師族会議にて辞任した九島家に代わって十師族へ選出。

師補十八家・百家

七宝家

七宝 拓巳(しっぽう たくみ)
七宝家当主で琢磨の父。日本国内における年次気象予測の第一人者という表向きの職業から、部下には「先生」と呼ばれている。性格は臆病なほど慎重と評されるが後の師族会議で真夜は思慮深いと評しており、七草への対抗心から十師族を目指す琢磨をよく諌める。
2097年2月の師族会議で辞任した九島家の代わりの補充メンバーとして真夜が(七草家の対抗勢力である)七宝家を推薦し、選定会議で二十八家が異議を申し立てなかったため、正式に新たな十師族当主となった。しかし十師族の他家とは規模に差があるようで、九島家の代わりに担った京都方面の監視について今後は『九』の各家と協調態勢をとっていく方針を、九鬼家と九頭見家の両当主に伝えた。

九鬼家

九鬼 鎮(くき まもる)
師補十八家である「九鬼家」の前当主。60代の男性で、九島烈を先生と呼ぶ。烈を「第九研出身の家系」における盟主として尊敬し、烈の手足となるために早くに家督を長女に譲り、九頭見家の前当主と共に従っている。

千葉家

千葉 丈一郎(ちば じょういちろう)
百家本流である「千葉家」の当主で、エリカたちの父親。娘のエリカからは「剣術以外は俗物」と評されている。
千葉 寿和(ちば としかず)
声 - 木内秀信
千葉家の長男で、エリカの腹違いの兄。警察省のキャリア組で、警部。「秘剣・斬鉄」を駆使し、さらに自らの愛刀「雷丸」を用いた「迅雷斬鉄」を奥義としている。面倒くさがりな性格でよく部下の稲垣から諫められる。
エリカからは過去の関係から父親同様疎まれているが、本人は妹として可愛がっており、エリカが自分や千葉家に対して屈服しないようにあえて挑発的な振る舞いをしている。不真面目でだらしないとエリカには思われているが、弟の修次との才能の差を理解しており、その差を埋めるために必死の努力を積み重ねてきた、影の努力家。
2097年2月中旬、箱根テロ事件の調査中に稲垣を餌にした顧傑によって傀儡にされ、顧傑追跡中の達也を襲撃した。その時点で既に死亡しており、達也の手によって傀儡の術式が刻み込まれていた心臓を破壊されて解放された。遺体は、邪法を完全に解呪した上で達也と八雲たちによって千葉家へ引き渡された。
千葉 修次(ちば なおつぐ)
声 - 千葉進歩
千葉家の次男で、エリカの腹違いの兄。千刃流剣術免許皆伝の剣の達人で、「千葉の麒麟児」「幻影刀(イリュージョン・ブレード)」等の異名で呼ばれ、大亜連合軍では「幻刀鬼」の通り名で呼ばれている。父への反発から剣術以外の武術にも手を広げ、そのため千葉家では異端と呼ばれている。
防衛大学校に在籍中でありながら、3メートル以内の間合いなら世界でも十指に入ると噂される程の実力者。その実績から予備役とはいえ少尉の階級を与えられている。得物は兄や妹のように専用の刀を持たずに、汎用の小太刀を使用する。
親としての責任を果たさない父や、父の振る舞いを当然のように片付けている兄と姉に不満を持ち、千葉家で冷遇されていたエリカに唯一優しく接し、エリカからも「兄上」の敬称で慕われている。また、千葉道場の門下生であった摩利と交際中だが、エリカの言う「小手先の技」に手を出しているのは摩利との交際が原因だと思われており、交際には反対されている。エリカには普段押され気味だが、時には兄としてはっきりと嗜める発言もする。
千葉 早苗(ちば さなえ)
千葉家の長女で、寿和たちの姉。異母妹であるエリカとの仲は悪く、剣術の腕もエリカに遠く及ばない(そのコンプレックスがエリカへの敵視にも繋がっている)。同母姉弟間では仲睦まじかったようで、寿和の遺体を前にして気丈に振舞うエリカと対照に人目憚らず号泣していた。

吉田家

吉田 幸比古(よしだ さちひこ)
幹比古の父で吉田家の現当主。四人兄妹の次男に当たる。吉田家の家督の相続は以前は優れた技量を示したものに受け継がれるが、そのせいで儀式が血なまぐさいものになったため基本的に長男が家督を継ぐことになるが、弟や従兄弟が長男より優れた技量を示し続けた場合は家督を譲るのが長男の徳という不文律が存在する。これにより長男より優れた技量を示し続けた幸比古が当主の座に着いた。
現代魔法にコンプレックスを抱き忌避感を持つ吉田一族において、周囲の感情的反発を押し切って現代魔法の知識と技術を積極的に取り入れており、神霊に対する説明の際にも「情報量」、「独立情報体」といった現代魔法の言葉を用いている。
吉田 元比古(よしだ もとひこ)
幹比古の兄。吉田家の次期当主と目されている。「星降ろしの儀」では風神を喚起する腕を見せた。喚起魔法では弟の幹比古が勝っているといわれているが、兄弟仲は良好。弟とは反対に左目の下の方にホクロがある。

その他の家系

萬谷 颯希(よろずや さつき)
『魔法科高校の優等生』第9話で登場(本編未登場)。第一高校の卒業生でバイアスロン部OGの女子。髪型はショートヘア。百家本流「萬谷家」の5人兄妹の末っ子。
萬谷家は加圧系統魔法、特に「ミニチュア褶曲(フォールド)」「ミニチュア断層(フォルト)」を得意とする。上が兄4人のため、男っぽい性格で体を鍛えるのが好き。新入部員勧誘中、風紀委員長の摩利に補導されかけながらも冷静に彼女の成長を観察する余裕があるなど、魔法力は高い。

国家機関関係者

独立魔装大隊

風間 玄信(かざま はるのぶ)
声 - 大川透
陸軍一〇一旅団・独立魔装大隊隊長で、階級は少佐→中佐。その戦歴と率いる部隊の特殊性から、軍内では階級以上の待遇を受けている。
九重八雲門下の筆頭であり、師と同じく「忍術使い」に分類される古式魔法師。達也の兄弟子であると同時に、達也とまともに戦いあえる数少ない人物(CADトライデントを使用しなければ勝てない相手)の一人。魔法師としてはBランクのライセンスを持つ。
20代前半の頃、大越紛争時に大亜連合軍の先遣隊となった高麗軍に対し、ゲリラ戦で対抗していたベトナム軍に合流し、悪魔か死神のように恐れられた。その際に「大天狗」の異名で呼ばれるようになる。ただし当時の軍首脳部は、大亜連合との正面衝突を避けたかったため、帰国後は出世コースから外される結果となった。旅団長の佐伯広海は大越戦争以来の気心の知れた上司で、内情の壬生勇三は兵舎を共にした戦友。
達也とは2092年の沖縄で事件に巻き込まれた司波親子を事情聴取した際に知り合い、その後の大亜連合の沖縄侵攻時に達也と共闘したことから「質量爆散(マテリアル・バースト)」を目撃することになった。後日、国防軍の代表として佐伯と共に四葉家との達也の貸与交渉に同席している。以来、軍では達也の直属の上司となっており達也に八雲を紹介したのも風間である。
2097年1月に横浜事変の戦功で、少佐から中佐に昇進した。
藤林 響子(ふじばやし きょうこ)
声 - 伊藤静
独立魔装大隊に所属する士官で、階級は少尉→中尉。27歳。
風間の副官を務める女性で、年齢が近いためもあって達也との会話は比較的多め。古式魔法の名門「藤林家」の娘にして、十師族「九島家」の重鎮である九島烈の孫にもあたる(藤林家に嫁いだ母親が烈の末娘)。電子・電波に干渉する術式の扱いに長けており、「電子の魔女(エレクトロン・ソーサリス)」の異名を持つ。大隊のメンバーの中では達也以外で唯一九校戦に出場した経験があり、第二高校優勝時のメンバーでもある。
諜報向きの能力者であることから部隊内ではもっとも歳が近く、戦闘魔法師である達也と行動を共にすることが多く、達也も藤林から情報提供をしてもらうことが多い。また深雪の目の前で達也をからかったりするなど、性格は小悪魔的な所もある。真由美とも面識があり、互いに名前で呼び合っている。
早婚が推奨される社会風潮にあって未だに独身だが、達也も参戦していた2092年8月の沖縄防衛戦で任官したばかりの婚約者を喪った過去があり、今もそのことをひきずっているためである。それまでは魔法研究者を志していたが、その一件を機に軍に入隊することになった。
2097年1月に風間の昇進に伴って横浜事変の戦功で、少尉から中尉に昇進した。
横浜事変に関する事件から寿和とロッテルバルトで知り合い、共に食事などを行ったり、侵攻軍に対する迎撃戦では協力を行った。2097年の箱根テロ事件で再びロッテルバルトで再会し、事件捜査のために近江円麿に接触する寿和に近江と大漢の魔法師との噂を伝えた。寿和たち警察を反逆者をあぶりだすための囮に利用する独立魔装大隊の方針に異を唱え、事件解決に向け関与を主張するも同意を得られず、結果として寿和が殉職したことにショックを受けた。その際に寿和に対し好感以上の想いを抱いていたことを自覚し、深い後悔にとらわれる。
真田 繁留(さなだ しげる)
声 - 新垣樽助
独立魔装大隊の幹部で、階級は大尉→少佐。
主に魔法装備の技術開発を担当する。達也が設計したムーバル・スーツを設計以上の性能に組み立て上げたことを自慢している。外見は穏やかな印象だが、達也から見て、大隊メンバー中で最も腹黒な性格と評されている。
達也とは風間の部下として2092年の沖縄で対面しており、施設を案内するなど達也が魔法工学に興味を抱くきっかけを作った。
2097年1月に風間の昇進に伴って、横浜事変の戦功で大尉から少佐に昇進した。
柳 連(やなぎ むらじ)
声 - 川原慶久
独立魔装大隊の幹部で、階級は大尉→少佐。
相手の運動ベクトルを先読みし、体術と魔法の連動によってそれを誘導、増幅、あるいは反転させる古式魔法「(まろばし)」を得意とする他、地球の重力を瞬間的に遮断し自転の作用によって大型の装甲車すらひっくり返す加重系魔法「千畳返し」を使う。達也とまともに戦いあえる数少ない人物の一人。
達也とは風間の部下として2092年の沖縄で対面しており、深雪を殺されかけた憤怒から大亜連合軍の投降を許さず一人残らず殲滅しようとする達也を力尽くで食い止めてみせた。
真田とは憎まれ口を叩き合う間柄だが息は合っており、響子には「仲がいい」と冷やかされている。
2097年1月に風間の昇進に伴って、横浜事変の戦功で大尉から少佐に昇進した。
山中 幸典(やまなか こうすけ)
声 - 丹沢晃之
陸軍一〇一旅団・独立魔装大隊の幹部で、階級は軍医少佐。
医師であると同時に、一級の治癒魔法師でもある。達也に対し、面と向かって「人体実験をさせろ」と言ったことがある模様。かなりの酒好きで、医者でありながら何か理由をつけては酒を飲もうとするので、大隊のメンバーからも呆れられている。
佐伯 広海(さえき ひろみ)
陸軍一〇一旅団の旅団長(階級は少将)。2095年の時点で58歳。国防軍内における十師族批判の最右翼とされ、十師族に依存しない兵力の実現を目指している。本人は弱い魔法素質を持つものの、非魔法師の人間である。一〇一旅団の設立者で、腹心の風間を隊長に任命した。
四葉家との達也の貸与交渉にて国防軍の代表であった縁から、国防軍でも四葉家と連絡を取れる数少ない高級軍人。また九島家からは烈の最大の政敵と認識されており、対立関係にある。
光の加減で銀色にも見える総白髪から「銀狐」と陰で呼ばれているが、容姿は「小学校の優しい女校長先生」というイメージ。

その他の国家関係者

壬生 勇三(みぶ ゆうぞう)
声 - 山本格
壬生紗耶香の父親。所属は内閣府情報管理局で、身分は外国犯罪組織を担当する外事課長。風間玄信とは兵舎を共にした元軍人の魔法師であり、年齢も同じ。軍事機密である達也について風間から聞かされているなど、風間に信頼されている人物。外国(営利)犯罪組織担当とはいえ、公安関係者が、娘が国内テロ組織の走狗にさせられていたことを気づかない(悩んでいたことは知っていたが、何もできなかった)とはと、達也に呆れられていた(アニメでは描写はない)。
稲垣(いながき)
声 - 滝知史
魔法師の警察官で寿和の部下。千葉道場の門下生であり、上司である寿和には丁寧語だが、自分の方が歳上という理由から言葉には遠慮がない。仕事に対し消極的な寿和の尻をよく叩いている。銃弾を加速させて標的を打ち抜く魔法を使う。
2097年2月の箱根テロ事件の捜査の一環で近江円磨を訪問した際に、意識操作の魔法をかけられ操られてしまう。その後、顧傑によって傀儡にされた時点で死亡、顧傑追跡中の将輝と十文字家の配下を襲撃するも将輝の「爆裂」によって葬られ、寿和と違い遺体すら残らなかった。
桧垣 ジョセフ(ひがき ジョセフ)
声 - 竹内良太(オーディオドラマDVD版)
国防空軍の軍人。2092年の時点では、沖縄の先島防空隊、恩納空挺隊に所属する魔法師で、階級は上等兵。愛称はジョー。第三次世界大戦中、沖縄に駐留していた米軍人が残した子供達「レフト・ブラッド(取り残された血統)」の一人で、ネグロイド系の血を引く黒い肌の大男。
2092年当時は、恩納基地で教官をしていた風間の部下だった。その頃、沖縄に訪れた司波兄妹(共に中学1年生)と面識がある。
司波兄弟との出会いでは、散歩をしていた深雪に絡んだために達也に叩きのめされる。風間とともに取り調べに訪れた時に兄弟と再会し、風間とともに謝罪をした。兄弟が恩納基地に訪れた際には雪辱として達也に組み手を挑み敗北。達也の実力を認め友人となった。強い愛国心を持っており、裏切ったディックたちを必死に説得していた。
金城 ディック(きんじょう ディック)
声 - 近藤孝行(オーディオドラマDVD版)
防衛陸軍恩納基地空挺第二中隊隊員。階級は一等兵。ジョセフと同じレフト・ブラッドの一人。レフト・ブラッドであることから日本でよそ者扱いを受けていると思い、その不満から国防軍を裏切り大亜連合に寝返った。その際説得に来たジョセフに対し、「お前は魔法師だから受け入れられた」と魔法師である彼に隔意を示した。
渡久地(とぐち)
声 - 山本格(オーディオドラマDVD版)
防衛陸軍恩納基地空挺魔法師部隊隊員。階級は軍曹。学生時代はボクシングで国体に出場するほどの実力者。
南風原(はえばる)
声 - 小野友樹(オーディオドラマDVD版)
防衛陸軍恩納基地空挺魔法師部隊隊員。階級は伍長。魔法抜きの肉弾戦では、渡久地よりも優れたファイター。
神田
反魔法主義を唱える、非魔法師の国会議員。反魔法主義を唱えてはいるが、あくまでマスコミに対する受けを狙っているだけで本心で魔法を批判しているというわけではない。
酒井(さかい)
国防軍大佐。大亜連合に戦争で勝利することが平和につながるという思想を持ち、「対大亜連合強硬派」と呼ばれる派閥の代表的人物。その延長で、国防軍入りを志願する魔法科高生の増加を望んでいる。過激な思想が目立つも、日本への愛国心が根底の思にあり、たとえ立場的に敵対したとしても同じ日本人の同胞とは争わず、平和的な対応を務めるべきという考えを持つ。
2092年の新ソ連による佐渡侵攻事件では、現地の最高指揮官だった。佐渡奪回のための義勇兵を組織した一条家を支援していたが、逆侵攻を主張する酒井とそれを諌める一条剛毅とで口論となり、それ以後は一条家と交流を断っている。九島家と共に2096年度の九校戦にてパラサイトドールの運用実験を強行するも達也に計画を潰され、最後はスポンサーの意向を受けた四葉家によって失脚させられ投獄された。

その他の日本人

九重 八雲(ここのえ やくも)
声 - 置鮎龍太郎
達也や風間、遥などが師事している高名な「忍術使い」。身長177cm、体重67kg。
「忍術」と呼ばれる古式魔法の伝承者で、自らを「魔法師」と呼ぶのを嫌い、「忍び」の呼称を好む。また東道青波からは”果心居士の再来”とも評されている。姓は先代から受け継いだもので、本人曰く「数字付き(ナンバーズ)」とは無関係とのことだが、先代が第九研の実験に参加していた経緯から九島家とは因縁浅からぬ仲。「九重寺(きゅうちょうじ)」の住職として一応僧侶の身分でありながら、飄々とした雰囲気を纏いつつもどこか俗世の気配を滲ませた年齢不詳の人物である。寺は多くの門弟を抱える道場を兼ねており、毎朝通う達也に体術の手解きをしている。しかし達也は正式な弟子ではないため、指導は体術に限定されているが達也の相談によく乗っており、利害が一致している場合や八雲の気まぐれ次第でアドバイスなども行っている。また深雪のような美少女に目がなく、一高の制服姿を見て興奮したり、バレンタインデー義理チョコを配られて大喜びするなど、煩悩を捨てた僧侶らしからぬ可愛がり方をしている。
弟子筆頭の風間や、自らの指導によって互角と言えるまでの身体能力を会得した達也でさえ未だに敵わない程の実力者。また「忍び」を自称するだけあって情報収集力は極めて高く、潜入任務に長けた亜夜子でも忍び込めなかった場所に軽々と潜入出来るほどの力量、魔法関係の知識の豊かさでも達也を驚かせるほどである。古式魔法の幻術を得意とし、特に秘伝である「纏衣の逃げ水」は九島家の秘術「仮装行列」の元になっている。各種幻術も得意分野らしく、「奇門遁甲」の原初の形の幻術を難なく使い、達也でさえ手玉にとるほどの力量を持つ。
上記の理由から吸血鬼事件やパラサイトドール事件の時は直接的に達也に協力していた。2097年の箱根テロ事件では旧知の東道青波から顧傑を追う達也が”不都合な状況”にならぬよう目付け役を依頼される。達也を誘導して介入の言質をとると、最終局面でカノープスの分子ディバイダーを分解しようとした達也を制止、カノープスの関与を明かすと同時に深雪のためにもこれ以上、USNAと事を起こすような真似を自重するよう警告した。
牛山 欣治(うしやま きんじ)
声 - 田中完
FLT、CAD開発第三課の研究主任。実在しないエンジニアである「トーラス・シルバー」の片割れで、社内では「ミスター・シルバー」と呼ばれる達也と並んで「ミスター・トーラス」の異名を持つ。
トーラス・シルバーとしてはハード面の開発を担当し、ソフトウェア専門の達也から強く信頼された、良きパートナーである。達也が「遊び」で考えた試作デバイスを丸一日で完成させるなど、無理にも応える高い技術力を持つ。
独立魔装大隊の真田と知り合ったことで自らCAD開発の道を目指した達也が足りないハードウェアの知識を補うために、FLTの管理システムにハッキングして目を付けた人材。後ろめたいことの多い龍郎を脅して第三課に研修という名目で潜り込み、ループキャストシステム用CADの企画書を紙に出力して紛れ込ませるという裏工作によって自分の技術を牛山に見せたことがパートナーを組むきっかけとなった。
元々、厄介払い的な位置付けだった第三課が「シルバーモデル」の成果により高い発言力を社内で持つに至った経緯から、他の第三課のメンバーと共に達也を「御曹司」と呼び敬意を払っている。自社の重役である椎原辰郎の息子であることと実績から、将来は達也が次期リーダーとして自らの上司になると疑っていない(ただし、辰郎との親子関係は知っているものの、FLTと四葉家の事情までを知っている描写はない)。職人気質が強く、管理職になるのを嫌っているため、第三課の課長職に就かず、主任に留まったまま課をまとめている。2097年1月に達也が四葉家の直系であることを本人の口から聞かされるも、第三課のメンバーは経歴上、権力に背を向ける気質の人間の集まりであったため、達也の身分を気にすることもなく以前と同様に接する。
司 一(つかさ はじめ)
声 - 千葉一伸
反魔法活動を行う政治結社「ブランシュ」の日本支部のリーダーを務める男性。義弟にあたる司甲は、父親の再婚相手の連れ子である。
芝居がかった挙措と言動である種のカリスマ性を発揮しているが、地は臆病で、芝居がかった行動は臆病さを隠すためのもの。「邪眼(イビル・アイ)」と詐称する光波振動系の洗脳用魔法(本当の「邪眼」は精神操作の系統外魔法)で紗耶香や甲を洗脳し、第一高校に工作活動を行っていた。
第一高校に武力行為を決行し、魔法大学の機密文献の奪取を謀るも達也たちの手により失敗する。外聞を気にする性格で、二人称を「君」と落ち着いた表現をしていたが、追いつめられると「貴様」になった。達也たちによるアジトの襲撃で達也を洗脳して味方に引き入れようとするが、手の内を見抜かれ恐慌をきたし逃亡するも追いつめられ、紗耶香を利用されたことに怒る桐原に右腕を切り落とされ拘束された。
北山 潮(きたやま うしお)
雫の父であり、資産家である北山家の当主である。実業家としては「北方(きたがた)潮」というビジネスネームを使用している。
雫にはかなり甘く、秘匿されているVIP専用会議室の入室コードやパス等を教えている。雫とは違い魔法の才能はないが、雫の魔法に対する情熱は本物。北山家お抱えのエンジニアを雇う等本格的で、毎年、金にものを言わせて九校戦の観戦もさせている。雫の親友であるほのかのことも可愛がっており、彼女に少なくない金額のお小遣いを与えておりそのことからほのかに少し苦手意識を持たれている。2096年度の一高の生徒会選挙では使い捨てのカード式の投票ボタンを提供するなど、魔法事業にも乗り出している。
北山 紅音(きたやま べにお)
旧姓は「鳴瀬」。雫の母であり、振動系魔法で名を馳せたAランク魔法師。潮より9つ歳下だが、夫を「潮くん」と呼ぶ。達也を気に入っている潮とは逆に、同じ魔法師として、破格の才能を持つ達也を警戒し、自分の子供たちが彼に近付くことで不幸に見舞われるのではないかと懸念している。かなりの毒舌家。
北山 航(きたやま わたる)
雫の弟で、雫の2年進級時に小学6年生になる。姉の雫を慕っており、魔法の素養を持たないが、姉の役に立つために魔法工学を学びたいと考えている。雫の帰国パーティーで達也と知り合い、親しくなる。
黒沢(くろさわ)
北山家に雇われているハウスキーパーの女性。クルーザーやヘリを操縦できるなど多彩な技術を持つ。
西城 花耶(さいじょう カヤ)
西城レオンハルトの実姉で、レオと同じくドイツ人の血を引いている。髪はアッシュブロンドで、年齢は見た目上、20歳近い。魔法の才能は持たない非魔法師。ちなみに「Kaja(カヤ)」はドイツの女性名のひとつである。弟のレオのことは可愛がっているが、同時に魔法師である彼に対し恐怖心も抱いており、レオ本人もそれに気づいている。
アンナ=ローゼン=鹿取(アンナ=ローゼン=かとり)
ドイツ人の父と日本人の母が駆け落ちして生まれた日独ハーフ。故人。エリカの母親で、千葉家現当主の妾だった女性。容姿はエリカとよく似た美貌の持ち主。
小和村 真紀(さわむら まき)
メディアに大きな影響力を持つ「カルチャー・コミュニケーション・ネットワーク」社長の小和村喜夫(さわむら よしお)の娘で、人気の若手女優。魔法師の「新秩序(ニューオーダー)」を築くために、琢磨を同盟と称するも、実際にはおだてて利用していた。琢磨がほのかと雫を味方につけられるように、雫の従兄の恋人として接近する。女優としての実力は由緒ある映画賞の主演女優部門にノミネートされるほどで、自らの本音と行動を切り分けられるほどの技量を持つ。
達也の脅迫を受け琢磨とは暫く距離を置いていたが、2097年2月の箱根テロ事件で魔法師糾弾の世論に対抗するため協力を頼み込んできた琢磨の願いを聞き入れた。
近江 円磨(おうみ かずきよ)
表向きは、鎌倉在住の反魂術に精通する魔法研究家だが「人形師」の異名を持つ古式魔法師。死体を操り人形に変える禁断の魔法を使うと噂され魔法協会からも要注意人物に指定されており、独立魔装大隊もジード・セイジ・ヘイグの協力者の可能性があることから密かにマークしていた。実際にヘイグの同志であり、2097年2月の箱根テロ事件の後に独立魔装大隊がロッテルバルト経由で流した情報を得た寿和と稲垣が訪問した際に、稲垣に意識操作の魔法をかけた。その後、ブランシュの残党を操り第一高校の生徒を襲撃するも達也の介入により失敗、達也の精霊の眼による逆探知を受けたことを即座に感付いた顧傑により、その場で殺害された。
その出自は150年前に大陸から帰化した道士の末裔であった。
東道 青波(とうどう あおば)
僧侶のように剃髪した老人。旧第四研のオーナーであり、現在は四葉家のスポンサーである。四葉家だけでなく、九島烈や九重八雲とも繋がりがあり、八雲からは「青波入道閣下(せいはにゅうどうかっか)」と呼ばれている。
ほとんど世捨て人である八雲でも逆らえないほどの裏の権力を持っており、九島烈に至っては自身の方が年上であるにも関わらず、逆らう事ができない。またその財力も、依頼料として10億円や純金の仏像を簡単に用意できる程である。
魔法師を“作品”と呼び、実験動物として扱うことも厭わないだろうと八雲に思われている。達也のことも知っており、彼を“(魔法師として)一つの究極”と評している。
2097年2月の顧傑争奪戦の最中に九重寺を訪れ、顧傑の排除と暴力以外が勝敗を分ける“土俵”に達也を入れないため、八雲に達也に協力するよう依頼した。
風祭 涼歌(かざまつり すずか)
『魔法科高校の優等生』第9話で登場(本編未登場)。萬谷颯希と同じくバイアスロン部OGの女子。髪型はウェーブのロングヘア。風のエレメンツの血筋を持つ風使い。
慣れない相手には棘のある性格だが、颯希に対しては依存心が複雑に絡んだ好意を抱いている。スケートボードと魔法を組み合わせたテクニックが雫の憧れとなり、ほのかと共にバイアスロン部に入部を希望する切っ掛けになった人物。
颯希と共に摩利とは在校時から知り合いで、彼女からは2人まとめて不良呼ばわりされている。

USNA

レイモンド・S・クラーク
雫の短期留学先であるバークレーの魔法科高校に通う白人の少年。特技は速読と暗記。雫に気がある様子で、彼女を「ティア」と呼ぶ。
魔法師としては学内ではトップクラスだが、スターズに入れるほどの才能はない。しかしフリズスキャルヴへのアクセス権を持つ世界に7人しか存在しない「七賢人」の一人であり、その称号の証として「レイモンド・セイジ・クラーク」とも名乗る。自身は世界に影響を与えるほどの超一流の魔法師ではないことを自覚しており、フリズスキャルヴを使って”ヒーロー達”に情報を与え、彼らと一緒に冒険した気分を味わうことを生きがいとしている(それ故に事件を未然に阻止するような情報を与える気はない)。現在は、同じ七賢人であり反魔法主義のジード・セイジ・ヘイグを敵視しており、吸血鬼事件の際には彼の情報を達也へ伝えるが、その際、多少オタクの気があるのではないかと達也に疑われていた。2097年1月には誰よりも早くヘイグの日本でのテロ計画を察知し、リーナに警告を発した。
レイモンド自身はフリズスキャルヴを演出家やシナリオライターなどの”裏方”が使うツールだと考えており、箱根でテロを成功させ、フリズスキャルヴを乱用して四葉から逃走を続けるヘイグを”ルール違反”と断罪。レイモンドだけが知るフリズスキャルヴの「システムアドミニストレータ」にヘイグのアカウント削除を要請した。
ミカエラ・ホンゴウ
スターズに先立って日本に送り込まれた諜報員。本職は放出系魔法を研究する国防総省所属の魔法研究者で、テキサス州ダラスのダラス国立加速器研究所で行われた「マイクロブラックホール生成・蒸発実験」に参加していた。日系アメリカ人であり、愛称はミア。
共同研究の名目で来日した偽学生とは別口で、マクシミリアン・デバイス日本支社のセールスエンジニア「本郷未亜」としても魔法大学に潜り込んでいる。実はパラサイトに寄生された白覆面の吸血鬼であった。第一高校に潜入した際に達也たちと交戦し、器である肉体を自爆させた。
ヴァージニア・バランス
USNA統合参謀本部情報部内部監察局第一副局長。階級は大佐。任務においては冷徹だがそれ以外には常識的で、リーナからおばさん扱いされたと思い、拗ねた様子を見せるなど愛嬌ある一面もある。
ミカエラ・ホンゴウの件で本国に引き戻されたシルヴィアの代わりに、アンジー・シリウスを補佐するため来日する。達也捕獲の任務のためにブリオネイクの使用許可を出した。四葉によって抵抗する間もなく拘束され海に漂流させられたうえで、日本から救出されるという敗北を味わい、さらに四葉の使者として現れた亜夜子と個人的に手を結ぶことで達也への干渉を取り下げた。その際に四葉家との直通通信機を受け取っており、2097年1月にヘイグの日本でのテロ計画の情報を四葉家に流し、USNAの不祥事隠蔽のためにカノープスを日本へ派遣する。
クレア
USNA軍統合参謀本部直属魔法師部隊「スターダスト」捜索班(チェイサーズ)のハンターQ。Qは17番目を意味する。サイオン波のパターンを識別し、その痕跡を感知する技能を植え付けられた強化魔法師。
クレアは仮名で、コード名で呼ぶのを嫌ったリーナが便宜的につけたもの。
レイチェル
クレアと同じく、スターダスト捜索班のハンターR。Rは18番目を意味する。サイオン波のパターンを識別しその痕跡を感知する技能を植え付けられた強化魔法師。
レイチェルは仮名で、コード名で呼ぶのを嫌ったリーナが便宜的につけたもの。
ジョー=杜(ジョー=ドゥ)
USNAの非合法工作員。ジョーはジョンの短縮形で「ジョン・ドゥ」は身元不明の死体や被疑者に使われる名前であることから、偽名であると思われる。USNAからはジョセフ・ドゥと呼ばれている。顧傑を日本側へ渡さないためにUSNA軍から顧傑の逃亡の幇助、および暗殺の命を受け、活動していた。幾重もの手段を準備し、十師族の追っ手を回避するほどの高い能力を持つ。
2097年2月に座間基地付近で四葉の襲撃を受けた顧傑を救助し、以後彼の逃亡の手段を手配しており、顧傑も不信感を抱きながらも、彼の能力の高さと状況から杜を頼っていた。水陸両用車で顧傑を日本領海外の目前までおびき出したが、日本の巡視船に捕捉され、顧傑の暗殺を試みるも、顧傑に仕込まれた術式により死亡、傀儡にされ巡視船を強襲し、真由美の魔弾の射手で沈められた。

スターズ

アンジェリーナ=クドウ=シールズ
声 - 日笠陽子(ゲーム)
スターズ最強の魔法師にして、十三使徒の一人「アンジー・シリウス」のコードネームを持つ金髪碧眼の少女。階級は少佐、プライベートでの愛称はリーナ。九島烈の弟を祖父に持ち、九島の秘術である対抗魔法「仮装行列(パレード)」を用いる。幻術の応用であるパレードの使用中は赤髪、金眼に外観を偽装し、その姿を「アンジー・シリウス」としている。
雫との交換留学という形で第一高校にやってきた留学生。USNAで起こった吸血鬼事件の犯人の追跡、そして灼熱のハロウィンの大爆発の容疑者としてUSNA軍情報部が絞り込んだ51名の内の2名である達也と深雪と接触するために来日する。最強の名の通り戦闘能力は高く、能力を一部解除した深雪と渡り合った。深雪がライバルと認める存在であり、容貌においても深雪の美しさに並ぶとされる稀有な美少女。
戦略級魔法「ヘビィ・メタル・バースト」は重金属を高エネルギープラズマに変化させ、気体化を経てプラズマ化する際の圧力上昇と陽イオン間の電磁的斥力を更に増幅して広範囲にばら撒く魔法で、模造神器 「Brionac(発音はブリオネイク)」を使用すれば戦術級魔法としても利用できる。このブリオネイクには、その開発者に達也も称賛と脱帽を捧げたほどの技術が実用化されている。
「世界最強の魔法師」という立場に責任を感じているが、軍人に向かない性格だと達也から評されており、仲間の魔法師の粛清や暗殺などの任務で精神をすり減らす場面がある。また戦闘以外の部分は全体的に抜けており、料理のスキル等はなく、若きエリートであるゆえに世間知らずという面もある。そのことから「ポンコツ美少女」と揶揄されることもある。ただしスターズに入る前にバンド経験があるようで、歌唱力は高い。達也に対しては交流が深まるにつれ、よくつっかかるようになり、吊り橋効果など様々な要因から彼を意識するところが多々ある。
達也との戦闘でも非情になりきれずに隙をつかれ敗北したことから達也から退役を薦められている。自分にしかできないことであると軍の任務を遂行していたが、達也と深雪との出会いで自分ひとりで背負う必要がないことを知る。本国に帰る際には司波兄妹と一種の絆を持ち再会を約束する。
2097年にレイモンドから匿名でヘイグの情報と日本でのテロ計画を知らされバランスに報告し、日本へ渡ることを嘆願するも受け入れられず、代わりにカノープスが派遣されることになった。その後、黙っていられずに深雪たちに電話でヘイグのことを知らせた。その際に達也と深雪の素性と婚約の話も耳にしており、また彼らに電話を掛ける際には心中で彼らを「友達」と呼んだ(実際に呼ぼうとしてあわてて「知り合い」と訂正した)。
ベンジャミン・カノープス
スターズの一等星級魔法師にしてNo.2。階級は少佐、愛称はベン。スターズ第一隊の隊長で、アンジー・シリウス不在の際に総隊長を代行兼務する。大統領次席補佐官のケイン・ロウズと血縁関係にあり(父親同士が従兄弟で母親同士が再従姉妹)、バランスからベンジャミン・ロウズと呼ばれていたこと、及び「カノープス」は「シリウス」に次ぐナンバーツーのコードであることからこちらが本名と推測される。ちなみに太陽を除いて全天で一番明るい恒星は「シリウス」で二番目に明るい恒星は「カノープス」である。
剛健でありながらスマートな雰囲気を身に纏う40歳前後の男性でリーナより2つ歳下の娘を持つ。スターズの中でも有数の常識人で、一等星級の中では最も常識を備えているかもしれないとされている。
2097年1月にバランスからUSNAの不祥事の隠蔽のため、日本側のジード・セイジ・ヘイグ捜索を妨害、後に公海上で暗殺するという密命を受け、来日。軍人として正義感溢れる性格から内心では、民間人を標的にしたヘイグのテロを未然に阻止したかったが任務のため傍観に徹する。事前にヘイグの想子パターンを採取していたこともあって日本側にも気付かれず密かに追跡していたが、ヘイグが達也らに捕捉されると達也らを奇襲してヘイグの逃亡を幇助する。達也たちに追われ公海上に出たヘイグを大規模な分子ディバイダーで船ごと消滅させた。
シルヴィア・マーキュリー・ファースト
スターズの惑星級魔法師。階級は准尉、愛称はシルヴィで、マーキュリー・ファーストはコードネーム。
25歳ながらその能力を高く評価されており、「ファースト」のコードを与えられている。元々軍人志望ではなく大学時代はジャーナリズムを専攻していたが、その情報分析能力を買われてリーナの補佐に抜擢された。上司であるリーナには職務としては立場を弁えた発言をするが、普段での会話は歳上らしくリーナのズレた行動を注意する。ミカエラ・ホンゴウの一件によりパラサイト感染疑惑をかけられ本国に共強制送還された。その後は、日本での任務を経てリーナを妹のように可愛がっているようでプライベートでも付き合う仲になった。
アルフレッド・フォーマルハウト
スターズの一等星級魔法師。階級は中尉、愛称はフレディ。
脱走兵だったが、テキサス州ダラスでアンジー・シリウス少佐により射殺処分された。バイロキネシスの使い手。
チャールズ・サリバン
スターズの衛星級魔法師。階級は軍曹で、「デーモス・セカンド」のコードネームで呼ばれる。
フォーマルハウト中尉同様脱走兵だったが、東京でアンジー・シリウス少佐により射殺処分された。軌道屈折魔法の使い手。
ウィリアム・シリウス
スターズの前総隊長。故人。階級は少佐。
スターズの十八番・分子間分割術式「分子ディバイダー」を編み出した。

大亜連合

陳 祥山(チェン シャンシェン)
声 - 斧アツシ
大亜連合軍特殊工作部隊隊長。作戦遂行のためには犠牲も厭わない非情な性格。周の手引きで部下の呂と共に日本に潜伏し、千秋や関本を使い論文コンペの資料の強奪や、達也の手に渡った瓊勾玉のレリックの強奪を企てる。論文コンペ当日に大亜連合軍の艦隊と日本に潜伏させたゲリラ兵を率い横浜に侵攻。騒乱の終盤にて呂たちと共に魔法教会の関東支部を襲撃、正面で暴れる呂たちを陽動に奇門遁甲で支部に潜入するも、八雲の助言を聞いていた深雪によって看破され、氷漬けにされて捕縛された。
呂 剛虎(リュウ カンフウ / ルゥ ガンフウ)
声 - 藤原貴弘
大亜連合軍特殊部隊のエースにして、陳祥山が最も信頼する部下。白兵戦での殺人術では大亜連合随一と呼ばれる使い手で、「人喰い虎」の異名で千葉修次と並び称されている。道教系の古式魔法と中国武術を組み合わせたスタイルで戦う。千秋の失敗を聞きつけた陳から千秋の暗殺命令を受け、魔法大学付属病院に潜入し、そこで遭遇した修次と戦闘を行い、摩利の加勢により手傷を負い退却。その後、関本の暗殺を受け、特殊鑑別所に向うもそこで再び摩利と、真由美、達也と遭遇。二人の援護を受けた摩利に倒され捕まるも、論文コンペ当日に仲間の手により脱走。横浜での侵攻の最中に陳と共に魔法教会関東支部に完全武装した状態で襲撃をかける。そこで再び遭遇した摩利に雪辱を晴らそうとするも、摩利への敵愾心により周りに対する注意を怠ってしまい、そこをエリカ、レオ、摩利の連携を受け、真由美の「ドライミーティア」で止めを刺された。

十三使徒

各国により、国威発揚を目的としてその存在が国際的に公にされている戦略級魔法師13名の総称。

アンジー・シリウス
#スターズを参照。アンジーは愛称であり、本名は秘匿されている。戦略級魔法は「ヘビィ・メタル・バースト」。USNA所属。
エリオット・ミラー
アラスカ基地に在住している。戦略級魔法は「リヴァイアサン」。USNA所属。
ローラン・バルト
国外のジブラルタル基地に在住している。戦略級魔法は「リヴァイアサン」。USNA所属。
イーゴリ・アンドレイビッチ・ベゾブラゾフ
「イグナイター」の二つ名を持つ。戦略級魔法は「トゥマーン・ボンバ」。新ソビエト連邦所属。
レオニード・コンドラチェンコ
高齢のため、基本的に黒海基地からは動かない。戦略級魔法は「シムリャー・アールミヤ」。新ソビエト連邦所属。
劉 雲徳(りゅう うんとく)
『震天将軍』の二つ名を持つ。戦略級魔法は「霹靂塔(へきれきとう)」。大亜細亜連合所属。『灼熱のハロウィン』にて戦死したことが確実視されているが、大亜細亜連合の情報統制により生死不明扱いになっている。
バラット・チャンドラ・カーン
戦略級魔法は「アグニダウンバースト」。インドペルシア連邦所属。
五輪 澪
#五輪家を参照。戦略級魔法は「深淵(アビス)」。日本所属。
ミゲル・ディアス
戦略級魔法は「シンクロライナー・フュージョン」。魔法式はUSNAから供与された。ブラジル所属。
ウィリアム・マクロード
戦略級魔法は「オゾンサークル」。イギリス所属。
カーラ・シュミット
戦略級魔法は「オゾンサークル」。イギリスで開発された魔法式が協定により旧EUに公開された。ドイツ所属。
アリ・シャーヒーン
戦略級魔法は「バハムート」。日本とUSNAとの共同開発で、日本主導で供与された(日本側では五輪家が開発に携わっている)。トルコ所属。
ソム・チャイ・ブンナーク
戦略級魔法は「アグニ・ダウンバースト」。魔法式はインド・ペルシャから供与された。タイ所属。

その他のキャラクター

ダグラス=黄(ダグラス=ウォン)
声 - 谷内健
無頭竜日本拠点のリーダー。首領であるリチャード=孫の側近。九校戦で違法賭博を行い、自分たちの利益のために第一高校に対し卑劣な妨害工作を行う。深雪に対する妨害工作が原因となって達也の逆鱗に触れ、夜逃げの最中に独立魔装大隊の協力を受けた達也の分解により跡形もなく処分された。その際、達也に騙される形の命乞いで、リチャードの情報を日本側に流した。
ジェームス=朱(ジェームス=チュー)、グレゴリー
声 - 佐藤友啓(ジェームス)、柳田淳一(グレゴリー)
無頭竜日本拠点の幹部。ジェームスは国際警察に指名手犯をされている。達也の逆鱗に触れ、ダグラスを脅かす意図もありとともに分解により跡形もなく処分された。
リン=リチャードソン
漢字名は「孫美鈴(スン メイリン)」。カリフォルニアの大学に通う女子大生。魔法師ではないが、身を守るために人目を引かなくする魔法具を持っている。
無頭竜の首領、リチャード=孫が特に気に入っていた情婦の娘にして、養女。リチャードの死後、無頭竜の残党たちに新たな首領として担ぎ上げられる。一人で来日中、日本政府の内情(内閣府情報管理局)から秘密裏に狙われている所を森崎駿に助けられ、彼に受けた恩から、無頭竜の残党に日本に対する報復を禁じた。2097年2月時点では組織を復興させ実績を出しており、密貿易程度は黙認しているが、麻薬取引や人身売買を行ったものに対しては容赦なく粛清している。日本への姿勢から不満を抱く配下もいるようだが、組織を再建させた実績から表向き恭順の姿勢を見せるものがほとんどであり、そのため顧傑は無頭竜を協力者にできなかった。
ジロー・マーシャル
声 - 遠藤大智
所属国不明の非合法工作員(イリーガル)の男。会話の内容からUSNAの工作員と思われる。日本の魔法工学技術が大亜連合や新ソ連などの東側に流れないように活動する任務を受けている。肉体に強化措置を施された強化人間である。
任務の一端で達也を監視していたが、エリカ、レオ、幹比古に感づかれ戦闘に持ち込まれる。追いつめられるも拳銃を使って危機を脱出し、エリカたちに警告を残して逃走する。その最中に大亜連合の工作員である呂剛虎に見つかり抵抗するも殺害された。
周 公瑾(しゅう こうきん) / チョウ ゴンジン
声 - 遊佐浩二
小説では日本人には「しゅう こうきん」の発音だが、アニメでは通して「チョウ ゴンジン」となっている。
横浜の繁華街で活動する美麗の青年。中華料理店の青年オーナーを表の顔として、大亜連合の圧政から日本に漂着する亡命者を第三国へ送る亡命ブローカーを務めたり、逆に大亜連合の日本におけるスパイ活動に協力している。また、奇門遁甲を得意とする方術師でもある。さらに令牌と呼ばれる札から影を媒体に動物の化生体を作りだす方術と西洋魔術のハイブリッドである「影獣」と呼ばれる魔法を扱う。一つの令牌に十以上の影獣の魔法を仕込むほどの技術を持つ。日本の古式魔法師たちの結社である「伝統派」とのつながりを持ち、伝統派と対立している第九研出身の魔法師らには名を知られている。国の力は弱いほうがいいという思想から日本や大亜連合を戦わせ互いの戦力を削ろうと画策している。
人間主義運動の「大本」であるジード・ヘイグの配下であり、彼の指示で魔法師排斥運動を行う。ヘイグを「大師(マスター)ヘイグ」と敬称するも忠誠心はなく、彼を「大漢の怨霊」と影で呼び捨てるなど軽蔑感を抱いている。横浜事変では、陳と呂の日本潜入の手引きをするなどの協力を行った。陳と呂には仲間と思われていないが、周本人も彼らに仲間意識は感じておらず、横浜事変の終盤で大亜連合軍を裏切り、兵たちを拘束して義勇兵として現れた将輝に明け渡した。ヘイグの部下としてブランシュや無頭竜ともつながりをもち、ブランシュの蜂起や無頭竜の暗躍、大亜連合の陳と呂の手引きにパラサイトの密入国など、本作の事件の全てに陰で関わっている。三国志に登場する周瑜 公瑾と同じ名前から本名であるかのかをよく疑われている。年齢は戸籍上24歳となっているが、30年以上逃亡生活を続けた経歴があることや、中華街の店を「自分」から買い取ったなど経歴は謎につつまれている。本人曰く「自分たちにとって名前や年齢はラベルのようなもの」。
パラサイドールの一件でついに身元を突き止められ、黒羽貢の率いる部隊に追いつめられるも逆に貢の片腕を奪い逃走に成功する。(直後に駆けつけた達也により貢の片腕はすぐに復活している。)その後、伝統派のもとに身を隠し、弘一の命を受けた名倉も返り討ちにしてしまうも、死に際に血液を移されたのが仇となり達也と将輝との戦いにて追い詰められ、意味深な言葉を遺し、自ら身体を燃やして自決した。
顧 傑(グ ジー) / ジード・セイジ・ヘイグ
無国籍の華僑で、七賢人の一人(ミドルネームにある「セイジ」は七賢人の称号の証として名付けられているだけ)。国際的な反魔法組織「ブランシュ」の総帥で、人間主義運動の大元である。「無頭竜」の首領であるリチャード=孫の兄貴分であり、無頭竜では「黒顧(ヘイグ)大人」とも呼ばれていた。得意とする魔法技術は「ソーサリーブースター」のように人間を部品に魔法的な道具を作る技術、「ジェネレーター」のような人間を道具に変える技術、死体を操る「僵尸術」など、魔法のおぞましい側面を凝縮したような術者で反面、直接的な戦闘力は低く、敵との直接的な戦闘では周公瑾に劣る。実年齢は97歳だが、後述の不老の魔法で50歳程度の若さを保っている。髪の色は白で肌の色は黒。不老の魔法は外見を変えるだけなので、年齢のほうはヘイグ本人が単に長寿であったため。なお僵尸術を魔法師に使用する際、心臓に術式を刻むことで、魔法師の生命エネルギー(精気)を魔法の燃料とすることで、生前と同じ魔法技能を行使させることが可能であり、精気を想子に変換させ、術式解体を実行させることも可能。この魔法には達也も「邪悪」という印象を抱き、怒りを覚えている。
世界中で反魔法師運動を煽り、日本にパラサイトを送り込むなどの謀略によって日本の国力の低下を狙う。元は大漢軍方術師部隊の生き残りであり、大漢の最大の魔法師研究所であった崑崙方院の古式魔法師派の残党である。兵器として現代魔法師に劣る現状で、権力者たちの要請で不老長寿の魔法を目的に不老の魔法を開発するも、実際には外見上の若さのみを保つだけの魔法で、適正のない者に使用すると早死にするという結果となった。魔法開発の失敗で古式魔法師の派閥は粛清され、大漢崩壊以前にヘイグは周公瑾を含む数人の弟子たちを引き連れ北米へと逃れた。その後、大漢と崑崙方院を抹消した四葉家を報復の対象に替えており、その報復の根底は自身にももはやはっきりとは分かっておらず、周が評したように「怨霊」と呼べるほどに妄執に凝り固まっている。近江円磨ら自分に協力する古式魔法師たちを「古い友人」、「血盟の朋友」などと称するが、自分の身の危険が迫るとあっさり手にかけるなど、都合のいい駒程度にしか見ていない。
周の死を受け、四葉家を含む十師族を社会的に抹殺すべくUSNAの大統領次席補佐官のケイン・ロウズと結託して手に入れた小型ミサイルを持参して日本に潜伏。2097年2月の師族会議の会場となった箱根の某ホテルで死体の人形を利用した自爆テロを決行する。以降はフリズスキャルヴを使って、四葉家を始め日本のあらゆる国家権力から逃亡を続けていたがレイモンドの通報によりフリズスキャルヴのアクセス権を失った。フリズスキャルヴを失った後は近江円磨のような懐柔した協力者たちを頼りに隠れ家を転々としていたが、精霊の目をフルに活用した達也に居場所を捕捉され、マーカーを仕込まれる。達也の視線から居場所を突き止められたことに焦り、昼間にも構わず協力者のジョー=杜と傀儡とした寿和と稲垣を共に逃亡を図る。結果として日本領海の外にまで逃亡するも、日本の巡視船に捕捉され、さらに待機していたUSNA軍の駆逐艦に乗っていたカノープスの分子ディバイダーによって跡形もなく消滅させられた。
エルンスト・ローゼン
ドイツの魔法工学機器メーカー「ローゼン・マギクラフト」日本支社の、2096年からの新しい支社長。ローゼン本家の人間であり、エリカの実母、アンナ=ローゼン=鹿取の従弟。久々に来日したローゼン本家の人間ということもあり、彼の来日はエリカに関係あるのではないかと幹比古は疑っている。流暢な日本語を操る。
プライム・フォー
第九研を引き継いだ九島家・九鬼家・九頭見家共同出資の民間研究所で開発された、来訪者編終盤に九島家が回収したパラサイトを増殖させ、女性型機械兵に定着させた、パラサイドール16体中の「最初の四個体(プライム・フォー)」。相互通信に因り高度な連携戦闘能力を有する。
セイントフォー」のパロディーの、『炎の転校生』登場の「戦闘フォー」の更にパロディー(先頭フォー)であると思われ、「戦闘フォー」と同様のやられキャラである。[要出典]

ゲームオリジナルキャラクター

零乃(設定上の姓およびデフォルトネーム、変更可能)
『LOST ZERO』の主人公。かつて人の記憶を利用して力を得る禁忌の魔法技術研究を行い、社会的に抹殺されたイリーガル・ナンバー「零家」一門に連なる「零乃家」の跡継ぎ息子。信愛度に比例して対象の魔法師の能力を強化する「術師増幅(マギカ・ブースター)」という系統外魔法の使い手。「術師増幅」が危険な魔法であるという世間の誤解を解き「零家」の社会的地位を回復する使命を帯びて、妹まやかと共に第一高校(一年生、二科生)に転入する。サポート系キャラであり自らは戦闘に参加せず、外見の設定は存在しない。ゲーム中では真由美や摩利から弟のように可愛がられ、また雫からは「お兄さん」と呼ばれている。「零家」の魔法は社会的に認められておらず、主人公やまやかなどこの家系に属する者は十師族などの名門家系から排斥される傾向にあるが、真由美のように名門出身でも家同士の関係を抜きにして個人的に親しく付き合ってくれる者もおり、学園生活では出自が原因で不自由するという事はない。なお「自分の記憶を利用して他者を強化する」魔法を使う「零乃家」の他に、「他者の記憶を利用して自分を強化する」魔法を使う「零式家」があるが、魔法の性質が正反対の両家は非常に仲が悪い。この両家と「零宮家」を合わせた三家が現存する「零家」の全てである。
零乃まやか(ぜろの まやか)
声 - 内田真礼
『LOST ZERO』の主人公の妹で、ゲームのナビゲーター役。薄紫色の長髪をサイドでツインテール、襟足で三つ編みにしており、瞳は赤い。兄の「術師増幅」に補助効果をもたらす「記憶掌握(メモリーアクセプト)」という系統外魔法の使い手。「兄とのラブラブな学園生活」を夢見て主人公と共に第一高校(一年生、二科生)に転入する。深雪に勝るとも劣らない重度のブラコンで、兄が女子生徒と親しく話をしていると本能的に危険を察知して邪魔しに現れる。幼児体型のためプロポーションが良く美人の多い第一高校の女子生徒達を敵視しているが、深雪とエリカにはブラコンの同類としてシンパシーを感じている。口癖は「ぜろる」「零から始めて零で終わらせましょう」「げふんげふん」など。元は零家の魔法技術研究の被験体であり、繰り返し行われた記憶操作実験のためにCAD領域(記憶領域)が損壊してしまい精神干渉魔法に対して無防備な状態になっていたが、後に主人公からCAD領域の防護に特化した特製の指輪型CADをプレゼントされ、魔法戦闘に耐え得る力を身につけた。なお『LOST ZERO』はガチャなどで入手出来るキャラクターカードでデッキを組んで遊ぶタイプのゲームであるが、これらのカードはまやかが「GaCha(Gathering Characterの略)」と呼ばれる「個性蒐集魔法」なるものを使って作り出している、という設定になっている。2015年6月1日よりバトルなどに参加させる事が出来るようになった[19]
零式行列(マイナスパレード)
『LOST ZERO』の主人公達の前に度々現れる、「零家」の系統外魔法を使って姿・声・性格などを第一高校の生徒たちに偽装している謎の人物。また魔法そのものの名称でもある。主人公の事が心配だと言い、「零家」の任務を放棄するよう忠告してくる。またイベントなどではボスキャラクターとして登場する。
零宮あやな(ぜろのみや あやな)
声 - 種田梨沙[20]
『LOST ZERO』の主人公とまやかの幼馴染。主人公たちよりも年上らしく彼らに対して「お姉さん」と自称している。第九高校に在籍する古式魔法の使い手。素性を隠すため「令ノ宮(れいのみや)」という姓で暮らしてきたが、零宮家当主の座に就くと同時に公然と「零宮」姓を名乗り始める。一族を巡る過去の因縁から十師族に強い敵愾心を抱いている。まやかと同様に主人公に過激なまでの好意を持っている。両親の敵討ちのため、零家の力を利用していく。なお第九高校のアイドル的存在で、校内に彼女を「あやな姫さま」と呼ぶ親衛隊が存在する。
藤宮介(ふじみや かい)
『スクールマギクスバトル』の主人公。達也・深雪と同時期に第一高校に転入する(一年F組、二科生)。サイオンの配列に干渉する事で他者が使用した魔法の魔法式を強制的に改変させる「魔質改変」という特殊な魔法の使い手。この魔法により、相手が使用した魔法を反転させ使用者自身にダメージを与えたり出来る。二科生であるが一科生を遥かに凌ぐ能力を持っており、達也から不審に思われている。学校の実技などでは相手を傷付けないよう気をつけて能力を抑えているが、魔法技術研究の実験体となり辛い経験をしてきた夕を守る決意に燃えており、夕に危険を及ぼす者には一切の容赦をしない。なお養子であるため妹の夕とは血の繋がりがない。
藤宮夕(ふじみや ゆう)
介の義妹で、ゲームのナビゲーター役。日米のハーフで、ウェーブのかかった長い銀髪に蝶のデザインの髪飾りをつけている。介と兄妹になって日は浅いが、頼りにして慕っている。非常に強い能力を持っているが、魔法技術研究の被験体となりその能力を制御出来ず事故を起こしてからは使用する魔法を初歩的なものに制限している。貧乳であり、親しくなった友人たちが巨乳だらけな事に困惑している。
フローラ
夕をつけ狙う元軍人。短い金髪で、スカートスーツの上にマントを羽織っている。かつて自分を見捨てた軍に復讐するため、夕の力を手に入れようとする。

用語

魔法関連

個別情報体(エイドス)
事象に付随する情報体を指す。現代魔法学において魔法を使うということは、エイドスの「定義」の改変によって、現実世界における事象を改変することとされている。
エイドスはサイオン(想子)という非物質的な粒子で構成されており、イデアと呼ばれる情報体次元に存在するとされる。なお「エイドス」「イデア」という呼称はギリシア哲学の用語に由来するが、思想的には無関係である。
現代魔法の用語や理論は情報工学からの借用が多く、エイドスはコンピュータでいうファイルに相当し、定義の改変はそのファイルの属性の書き換えに当たる。
魔法
魔法とは、事象に付随している情報体に対して「状態の定義」を改変し作用を発生させるものでしかなく、事象そのものを作り出すことはない。例を挙げると、紙の分子の運動エネルギーを魔法で改変させて燃やすことは可能であるが、紙自体を何もない空間から魔法で作り出すのは不可能で、紙を全く別の物質へ変化させることもできない。
魔法は物理法則の埒外であるが無関係ではなく、物理法則に逆らわない形で発動された魔法であるほど、そうでない魔法に比べ、少ない力による大規模な事象改変が容易となる。また、物理法則に反しているか否かに関わらず、事象改変の規模や干渉度が大きくなればなるほど難易度の高い魔法であり、魔法師に大きな負担をかける。
現代魔法
「超能力」と呼ばれていた先天的に備わる能力の使用法を「魔法式」として体系化し、素質ある者が使用できるようにしたもの。魔法式を構築する行程を挟むため、超能力が持っていたスピードをある程度犠牲にした代わりに幅広い汎用性を得ているのが特徴である。
現代の魔法は社会的に認知されてから約一世紀の時間をかけて理論化されており、その中でも物質的な事象改変を起こすものは作用面から〔加速・加重〕〔移動・振動〕〔収束・発散〕〔吸収・放出〕の四系統八種に分類され、系統魔法と呼ばれている。八種の系統魔法は、更に正負の作用で16にも分類できる。
原理的に魔法が「物質の創造や、別の物質への変化もできない」とされるのは、これらの「作用」では不可能な現象であるからに他ならない。
系統魔法は作用面からの分類でしかないため、エイドスの書き換えではなくサイオン自体の操作を目的とした魔法を無系統魔法、物理的ではなく心霊的な現象を引き起こす魔法を系統外魔法、超感覚・ESPとも呼ばれる知覚器官外認識力を知覚系魔法と呼び区別している。
上記の分類はあくまでも超能力を元にした現代魔法の区別であり、異なる手順と伝統を持つ魔法の技術も存在する。それらは現代魔法に対して古式魔法と呼ばれる。
古式魔法
超能力が世に知られる以前から存在していた本物の魔法であり、忍術(の中でも特に、単なる身体的技能ではない奥義とされていたもの)や陰陽術、精霊魔法などと呼ばれるものが該当する。現代魔法は超能力研究の延長であるが、古式魔法はそうではないのが違い。下位分類に「SB(Spiritual Being)魔法」がある(後述)。
現代魔法と古式魔法は一長一短で、例を挙げると真正面からの打ち合いではCADで高速化された現代魔法に分があるものの、知覚外からの奇襲等では隠密性や曖昧さ等の面で優れる古式魔法に軍配が上がる。また、SB魔法は現代魔法よりも事象の改変が容易であり、限定的には威力で勝るとされている。
BS魔法
BSは「Born Specialized」の略。魔法として技術化される以前の異能、つまり「超能力者」による先天的な超能力が、現代魔法学ではこう呼ばれている。「先天性スキル」とも呼ばれている。達也の「分解」と「再成」もBS魔法である。
先天性スキル以外の魔法に適性が無い者(小野遥や生来の達也など)がBS魔法師と呼ばれるが、通常の魔法師でありながら先天性スキルを持つ、里美スバルのようなケースもある。
想子(サイオン)
心霊現象の次元に属する非物質粒子で、認識や思考結果を記録する情報素子。人間の体内にはサイオンが保有されており、それを消費して魔法式は構築される。イデアに存在するエイドスや、魔法師のサイオンを元にCADから出力される起動式もサイオン情報体である。
よほどの連続使用でない限り魔法師のサイオン保有量の大小は問題にならないが、飛行魔法などのループ・キャスト・システムを利用した継続的な魔法は、短時間に繰り返し発動するとサイオンの枯渇により体調を崩す恐れがある。例えば2095年度の九校戦では、飛行魔法のペース配分を間違えた選手がサイオン枯渇により棄権していた。ただし、サイオン枯渇は小規模な魔法の連続使用で起こるもので、強力な魔法を連続行使すると精神力がまず限界に達し、最悪ならサイオンが枯渇するよりも先に死を招くことになる。
作中では、魔法師が保有するサイオンを指して「魔法力」とも表現されるが、これは俗語としての用法である。
霊子(プシオン)
サイオンと同じく、心霊現象の次元に属する非物質粒子。思考や感情の活性化に伴う粒子と考えられているが、はっきりした事実は判明していない。プシオンが精神そのものであるという仮説もある。
霊子放射光過敏症
サイオンと比べ、プシオンの状態を認識できる魔法師は限られている。プシオンの活動によって生じる非物理的な光を霊子放射光と呼ぶが、感受性が特に鋭い者は過敏な反応を示すケースがあり、「霊子放射光過敏症」はそのような症状(ただし病気ではない)を指す。また、古式魔法では霊子放射光を「霊気」と呼び、霊子放射光過敏症は「霊視力」という名になる。
魔法演算領域
魔法師の持つ精神の機能の一部。これが魔法という才能の本体である。魔法師は魔法演算領域を意識的に使用するのではあるが、無意識領域に存在するが故に、入力した起動式や変数が処理される過程を意識することはできない。人間の精神の機能は現代科学や魔法学においても未解明な部分が多く、魔法師自身にとってもブラックボックスであると言える。
先天的に備わっているものであり、原則的に後天的に獲得するのは不可能とされている。
魔法式
事象に付随する情報を改変するためのサイオン情報体。魔法師の魔法演算領域で構築した魔法式がイデアを経由してエイドスの状態の定義を書き換え、事象を改変する作用が発生する。ただし「世界」からの復元力によって魔法式の改変効果は永続的にはならず、元の状態に戻ってしまう。長い時間対象に魔法を作用させるには魔法式の掛け直しを継続的に続けなければならない。
魔法式の内容は、以下に記述される「起動式」と「変数」の組み合わせで構築される。この構築にかかる速度を「魔法の処理速度」、規模の大きさを「魔法のキャパシティ」と呼ぶ。
起動式
「魔法式」の設計図となるプログラム。現代魔法では、魔法式を構築するための電子的データである起動式がCADに圧縮して保存されている。現代魔法を使用する魔法師は、CADにサイオンを送り込み、CADが返したサイオンの信号を起動式として読み取り、変数と共に魔法演算領域へ入力し、魔法式として出力する。
変数
魔法を使用する状況はその時々で常に異なるため、起動式には対象の座標、事象改変強度、魔法の終了条件若しくは持続時間等の要素が敢えて定義されていない。これらの部分は魔法師が魔法を実際に行使する際に、その都度状況に応じて言語や数式、映像等によって強くイメージして追加入力する必要があり、この追加データを「変数」と呼ぶ。
魔法の用途によって、これらの数値の一部を定数として起動式に組み込み、多様性を犠牲にする代わりに魔法式の構築速度を上げるテクニックも良く用いられている。一般的に変数化された項目が少ない起動式ほど処理の負担が軽く、後述の特化型CADの照準補助システムは、魔法の発動対象のエイドスの座標情報を自動取得して起動式に組み込むことで魔法師側の負担を軽減させ、処理速度を早めるためのシステムである。
基本コード仮説
系統魔法の四系統八種にそれぞれ対応した、プラスとマイナス合計16種類の魔法式が存在すると仮定し、その16種類を「基本コード」として組み合わせることで全ての魔法は構築可能であるとした仮説(「全ての魔法」には古式魔法も含まれる)で真紅郎は信じている。将輝は疑っているが、真紅郎を憚ってその考えは真紅郎にも伝えていない。
基本コードは作用力そのものを発生させる魔法式とも言え、現在確認されているのは吉祥寺真紅郎が発見した「加重系統プラスコード」のみ。ただし、基本コード仮説から逸脱した魔法である「再成」を身に付けている達也は、この説を厳密には正しくないと認識している。
CAD(シーエーディー)
術式補助演算機(Casting Assistant Device)の略称。デバイス、アシスタンスとも略される他、ホウキ(法機)という異称もある。ほのかなどはアシスタンスという呼び名を使っていたが、達也に影響を受けCADと云う呼び名に変えた。
サイオン信号と電気信号を相互変換可能な合成物質である「感応石」を内蔵した、魔法の発動を補助する機械。魔法の行使自体にCADは不要だが、CAD抜きでは発動スピードが極端に低下してしまうため、実質的には魔法師にとって必要不可欠なツールである。なお、魔法科高校での実技試験もCADを使用した結果を評価対象としている。
現代魔法の優位性を象徴する魔法発動補助具ではあるが、使用者のサイオン波特性に合わせたチューニングを始めとして、精密機械であるが故のこまめなメンテナンスを必要とする点で、古式魔法の伝統的な補助具に劣っている。そのためハード・ソフトの両面で使用者や使用用途に合わせてカスタマイズできるエンジニアの需要が高い。
CADの形状は携帯端末型、腕輪型、指輪型、拳銃型など多様であるが、大別して汎用型と特化型に分けられる。汎用型CADは多くの起動式(魔法系統を問わず、最大99種類)をインストール可能であり、特化型CADは同一系統の魔法のみを最大9種類インストール可能で魔法の発動速度に優れる。
特化型CADが拳銃形態の場合、銃身にあたる部分には魔法式の照準補助システムが組み込まれており、長い銃身であるほど機能が充実している。特化型はその性質上、攻撃的な魔法がインストールされているものが多い。
武装一体型CAD
何らかの武器に特化型CADを接続し、その武器本来の性能(貫通力、切断力など)を強化する魔法に特化させたCAD全般がこう呼ばれる。別称は「武装デバイス」。作中では、千葉家の「秘剣・山津波」専用デバイス大蛇丸や「迅雷斬鉄」専用デバイス雷丸(いかづちまる)などが代表的。
達也が設計した「小通連」もこれに属し、同名の魔法が組み込まれている。試作品はFLTの牛山が作成を担当。形状は刀剣型で、刀身の半分以上から先を分離させ、残った刀身との相対位置を硬化魔法で固定し、遠隔攻撃を可能にするという仕組み。見えない力場で刀身を延長するのと同じ効果がある。
シルバー・ホーン
達也が所有する、拳銃型特化型CADのモデル名。「シルバーモデル」の俗称でも呼ばれている。
達也が牛山と共に「トーラス・シルバー」の名で世に送り出したCADモデルである。ループ・キャスト・システムと呼ばれる、魔法を途切れさせず連続的に発動する技術に最適化されており、最小の魔法力でスムーズに魔法を発動できる点も含めて評価は極めて高い。特に警察関係者などの間で人気を集めており、現行の市販モデルであるにも関わらずプレミアム付きで取引されているほど。
サード・アイ
達也専用の、大型ライフル状特化型CAD。地球観測衛星成層圏監視カメラの映像を利用した超地平線(Over the Horizon)狙撃を可能にするが、使用に際しては厳重なロック(四重のキー認証)が掛けられており、達也の一存では装備できず、国防陸軍一〇一旅団の霞ヶ浦基地に保管されている。名称はシヴァ神の「第三の目」にちなんだもの。
また達也は密かに本物には及ばないサード・アイのレプリカを自作しており、隠し持っている。
ソーサリー・ブースター
国際犯罪シンジケート「無頭竜(No Head Dragon)」が開発・供給していたCADの一種で、ブースター(増幅器)と云う呼称ではあるが魔法の増幅作用はない。魔法師の大脳を材料とし、蠱毒の技術基盤を経て開発されたと推測されている代物で、起動式を提供するだけでなく、それを元にした魔法式の構築過程を補助する機能をも併せ持つ(達也はこれを「増設メモリー」と評した)。魔法師が本来持っているキャパシティを超える規模の魔法式構築を可能とするが、材料に人間のを使うというあまりの非人道さ故に、事実上「無頭竜」の独占供給状態となっていた。
なお、このブースターは残留思念の影響か、一つにつき一種類の魔法しか使えず、その種類の決定は脳の摘出直前に苦痛などの一定の強い感情を与えることで、ある程度コントロール可能だと推測されている。
フラッシュ・キャスト
洗脳技術の応用で記憶領域に起動式をイメージ記憶として刻みつける、四葉家の秘匿技術の一つ。
CADの代わりに記憶領域から起動式を読み込み、起動式の展開・読み込み時間を省略できる。CADを用いずに迅速な魔法の発動を可能にするが、人道上の問題が大き過ぎるため正規の軍隊ではまず採用されない技術である。また、強力な魔法師はフラッシュ・キャストのスピードに頼る必要がなく、あくまで低レベルの魔法師を強化する技術にすぎないという面もある(起動式展開後のスピードは本人の能力に左右され、事象改変の速度が増すわけではないため)。
人造魔法師である達也の場合は、意識領域内に演算領域を持つという特性を活かしてさらに発展させており、魔法式をイメージ記憶として蓄えることで魔法式を展開するプロセスまでも省略し、自身の処理速度の遅さを補っている。達也はこの技術が適用可能なのは5工程の魔法まで、と詳細を伏せて美月に自己申告している。
魔法力
魔法師の持つ才能である、魔法の「処理速度」「演算規模(キャパシティ)」「干渉強度」の3種を総合して評価したものが「魔法力」である。魔法師にとって現在の国際的な評価基準となる。過去にはサイオン(想子)保有量も重要な時代があったが、現代ではCAD技術の進歩により想子枯渇などがほとんどあり得ない為、想子保有量は評価の対象にはならない。また、達也の得意とする変数の処理速度などは評価の対象になったこともない。
A級からE級のライセンス査定に用いられるだけでなく、達也を始めとする二科生(ウィード)を一科生(ブルーム)と分け隔てる物差しにもなっている。
魔法技能師
略称は「魔法師」。魔法が実用レベルで使用できる人間を指す。多くの国で魔法師はライセンス制によって管理されているが、古式魔法の伝承者達の中には、自らを「魔法師」と称するのは避け、「忍術使い」といった独自の呼び方を好むケースもある。
日本国内では、実用レベルの魔法を使用できる中高生は年齢別の人口比でおよそ0.1%で、成人後も実用レベルを維持している者は更にその10%以下(年齢別で10,000人につき1人以下)とごく僅かである。中でも「実戦」レベルの魔法力を持っている者は更に少ない。そのため、ライセンスを持った魔法師は社会的ステータスが高いエリートとされる。なお、日本で魔法を学んでいる高校生・大学生と魔法を職業にした成人の合計数は現在30,000人程度と言われている。
魔法工学技師
魔法師の中でも、魔法機具の作成や調整等を行う技術者を特にそう呼ぶ。略称は「魔工師」または「魔工技師」。
魔法技能師に比べて社会的なステータスは低いものの、CADの調整一つ取っても魔工師の存在は不可欠であり、一流の魔工師の収入は一流の魔法師をも凌ぐほどである。
BS魔法師
先述したBS魔法(超能力)に特化した魔法師を指す。BS能力者、或いは先天的特異能力者、先天的特異魔法技能者とも呼ばれる。
固有の異能以外の魔法に適性がないため、「BSの一つ覚え」などと陰口を叩かれやすいが、特性が職務と上手く合致すれば通常の魔法師よりも遥かに優れた功績を残す者も多い。達也もまた、人造魔法師になる以前はBSに分類される魔法師だった。
戦略級魔法師
都市、または艦隊を一撃で壊滅させることが可能な威力を持つ戦略級魔法の使い手を指す。
一個人で戦略兵器に匹敵する力を持つ戦略級魔法師は各国の関心の的であり、2095年4月段階で、国家によって公表されている戦略級魔法師は13人で、この13人は「十三使徒」と呼ばれている。
秘匿、および未発見の戦略級魔法師も存在し、公表されている十三使徒を含めれば総数は50人未満とされ、達也は秘匿されている戦略級魔法師の一人である。
調整体魔法師
遺伝子調整技術により製造された魔法師を指す。魔法の素質は遺伝的素因による所が大きく、魔法師の開発の初期には、人工授精と遺伝子操作による魔法師の開発が行われた。だが魔法師の能力を左右する遺伝子が特定された後は、血統交配と遺伝子検査によって見付けられた潜在能力者の能力開発が主流となり、調整体魔法師(とその次世代魔法師)は日本国内では2割に満たない。残りの8割が、血統交配と潜在能力開発型である。
作中ではドイツで開発された「ブルク・フォルゲ」シリーズ、日本で開発された「桜」シリーズや「楽師」シリーズなどが登場している。なお、ドイツは遺伝子調整技術を最初に実用化した国家でもある。
ジェネレーター
調整体魔法師の一種で、脳外科手術と呪術的に精製された薬品の投与によって意思と感情を奪い、思考活動を特定方向に統制することで魔法発動を妨げる「雑念」を起こさないよう調整された魔法師。実戦の中で安定的に魔法を使えるように作られた生体兵器で、文字通り魔法を「発生させる道具(ジェネレーター)」に改造された魔法師。
エレメンツ
数字付きが開発される前に日本で最初に作られようとした魔法師。伝統的な魔法分類である「」「」「」「」「」「」といった元素エレメント)の属性に基づいて開発が進められた。開発の過程で、権力者への服従を促す因子を遺伝子に組み込まれており、子孫にはかなりの高い確率で主人への依存癖がみられる。
四系統八種の体系が確立された後、開発は中止された。作中ではその末裔として、光のエレメンツの家系である「光井」、風のエレメンツの家系である「風祭」が登場している(なお、両家とも末の血統には依存癖が発現している)。
系統外魔法
物質的な現象ではなく精神や心霊に関わる現象を操る魔法の総称。現代魔法と古式魔法を含み、分類は多岐に渡る。
精神干渉系魔法
現代魔法ではあずさの「梓弓」や深雪の「コキュートス」、深夜の「精神構造干渉魔法」、黒羽一族の「毒蜂」などがある。特に、英語圏では精神を直接攻撃する魔法を「ルーナ・マジック」と総称しており、これは比較的ポピュラーな精神攻撃魔法である「ルナ・ストライク」の名に由来している。
SB魔法
古式魔法の一種であり、精霊式神使い魔霊獣等の非物質存在を使役する系統外魔法の総称。SBは「Spiritual Being(心霊存在)」の略で、心霊存在使役魔法、または精霊魔法とも呼称する。
SBや精霊と呼ばれる心霊存在とは、「存在」を離れてイデアの海を漂っている、独立した非物質存在となった情報体とされ、「孤立情報体」とも呼ばれる。精霊を介した事象の改変は「世界」からの抵抗を受けにくく、限定された効果ならば現代魔法よりも少ない力で大規模な現象を起こすことができる。
精霊の本体はプシオンによって構成されており、非活性状態で潜伏している精霊を、現代魔法の魔法師が発見するのは非常に困難である。
作中に登場したものでは、九校戦で無頭竜が妨害工作に用いた「電子金蚕」がSB魔法である。有線回線を通じて電子機器に侵入し、高度技術兵器を無力化する遅延発動型の術式で、かつて大亜連合が日本軍に使用していた。プログラム本体ではなく電気信号の出力に干渉して改竄する性質を持つため、OSの種類やアンチウイルスプログラムの有無に関わらず電子機器の動作を狂わす。
知覚系魔法
いわゆる、超心理学ESPと呼ばれる知覚能力。作中では、真由美が持つ「マルチ・スコープ」などがある。
霊視能力である「霊子放射光過敏症」も魔法として制御可能なものとされている。また、基本的に魔法師はサイオン粒子への知覚訓練を受けているだけでなく、魔法式によるエイドスの改変や干渉する対象に関する感受性を持っている。精神干渉系魔法の使い手が「精神体」への認識力を持つように、適性のある事象であるほど認識力も強い。
対抗魔法
相手の魔法的な干渉を妨害する魔法の総称。その効果と種類は多岐に渡る。
情報強化
対象物のエイドスの一部もしくは全部を複写し、それを魔法式として対象に投写しエイドスの可変性を抑制する対抗魔法。情報強化を施されたエイドスは、強化された属性(例:位置情報など)に対する改変の影響を受け難い。この複写したエイドスを「エイドス・スキン」と呼ぶ。
魔法師は無意識のうちに自らの体をエイドス・スキンで覆っているために、魔法師の肉体構造そのものに魔法をかけて損傷させるのは極めて難しい。
領域干渉
一定領域に対して「自分がその領域に干渉している」「事象が改変されない」という定義内容のみを持たせた魔法式を作用させ、その領域内で他者の魔法の発動を妨害する対抗魔法。領域干渉内では、その魔法師を上回る干渉力があれば魔法を発動できるため、必然的に、領域干渉の術者には高い干渉力が要求される。
また、一定範囲の領域干渉を、自身を中心に固定して移動可能にしたものを「干渉装甲」と呼ぶ。
サイオン粒子塊射出
展開し終える前の起動式にサイオン粒子の塊を撃ち込み、魔法式の構築を阻害する無系統魔法。後述の「術式解体」のように魔法発動後の魔法式を無効化することは難しいが、大量のサイオンがなくとも射出が可能である。
術式解体(グラム・デモリッション)
名称は「魔法の記録(マギグラム)を粉砕(デモリッシュ)する」という意味。圧縮したサイオンの塊をイデアを経由させず、砲弾のように対象物へ直接ぶつけて爆発させ、そこにある起動式や魔法式を吹き飛ばす対抗魔法。
サイオンの砲弾は物理的作用ではなく、魔法式でもないため、物理的な障碍物でも領域干渉や情報強化でも防げない。また、砲弾自体の圧力がキャスト・ジャミング(後述)も寄せ付けない。強力なサイオン流で迎撃するか、サイオンの壁を何層にも重ねた防御陣を築いてようやく無効化できる。
射程の短さ以外に欠点らしい欠点が無く、現在実用化されている対抗魔法の中では最強と称されているが、並の魔法師が一日かけても搾り出せないほどの大量のサイオンを要求するため、使い手が極めて少ない超高等対抗魔法とされる。
術式解散(グラム・ディスパージョン)
魔法式を意味の無いサイオン情報体に分解し、ありとあらゆる魔法を無効化する幻の対抗魔法。
魔法式は、その性質上その情報構造が露出しているため、魔法式そのものを対象とした干渉は防げるものではなく、術式解体と並ぶ最強の対抗魔法とされる。だが、魔法式を分解するためには発動までのコンマ数秒でその情報構造を把握しなくてはならず、ただのデータの塊にすぎない魔法式を一瞬で読み取り把握するなど通常不可能である。それゆえに、予め使用される術式が判明している実験ならともかく、実用化は不可能だというのが一般的な考えである。
達也は対象の情報構造を把握する「精霊の眼」を持っているため、「分解」の照準を直接魔法式に合わせることでこの対抗魔法を行使できる。
キャスト・ジャミング
魔法式が対象物のエイドスに働きかけるのを妨害する無系統魔法で、無意味なサイオン波を大量に散布してそのプロセスを阻害する。ただしジャミングの発動には四系統全ての魔法を阻害できるサイオンのノイズを発生させることが必要不可欠であり、「アンティナイト」と呼ばれる特殊な稀少鉱物を利用しなければその条件を満たすサイオンノイズは作り出せない。
理論上はアンティナイトを用いない発動も可能とされてはいるが、諸々の条件から現実的には不可能と考えられている。加えてアンティナイトが現代の技術では再現不可能な一種のオーパーツであり、産出地が極めて限定されている事実から、一般的な魔法師には縁のない対抗魔法である。ただし、非魔法師であってもアンティナイトにサイオンを注入さえすればキャスト・ジャミングは使用可能であり、魔法師にとっての脅威となる。
達也は二つのCADを同時に使用する際、この理論を元にした「ジャミングもどき」の技術を偶然発見している。CAD同士の干渉を利用するため、アンティナイト無しでも発動できるが、特定の魔法しか妨害できず、発動させにくくするだけである。その上、妨害対象に向けて無系統魔法として放つ技術にも才能が必要。
キャスト・ジャマー
USNAが開発したCADの機能を阻害するサイオンのノイズを放つ。
仮装行列(パレード)
元は古式魔法の幻術に由来する九島家の秘術。情報強化の応用で自身のエイドスの「色」、「形」、「音」、「熱」、「位置」に関する情報を複写・加工して本体と異なる姿を映し出し、ダミーの情報体を作り上げる対抗魔法。
魔法式を投射するためには五感の情報を元に対象の座標を特定しなければならないため、ダミーの情報体を認識して魔法式を投射しても、魔法は不発に終わる。なお、対抗魔法としてだけではなく変装の効果もある。
剣術
日本の刀剣術と魔法を組み合わせた魔法戦闘技術。特に、「剣の魔法師」と呼ばれる千葉家が体系化した技術を指す。日本陸軍の歩兵部隊や、警察の機動隊に所属する魔法師の多くが千葉一門の剣術を学んでいる。
魔法師の世界では「剣術」と「剣道」が区別されており、魔法を併用するものを剣術と呼ぶ。そのため、第一高校には「剣術部」と「剣道部」が別々に存在している。
マーシャル・マジック・アーツ
魔法を併用した近接戦闘技術で、USNA軍の海兵隊にて開発された。略して「マジック・アーツ」とも。日本では徒手格闘競技として普及しており、魔法科高校にもクラブ活動が存在する。
パラサイト
「Paranormal Parasite(超常的な寄生体)」の略称で、古式魔法の世界における国際定義のひとつ。生物寄生し変異させる魔性であり、各国で妖魔や悪霊デーモンなどと呼ばれている存在。一説には、精神に由来する情報生命体と目されている。
作中で遭遇したパラサイトの場合、プシオンを核としサイオンの触手を手足とした情報構造体である。USNAで行われたマイクロブラックホール生成・蒸発実験により次元の壁が揺らぎ、この世界に入り込んだとされる。このケースのパラサイト本体には生存本能以外の自我はほとんどなく、寄生した宿主によって行動原理が決定する。人間に寄生した場合は、その宿主の最も強い想念(「祈り」と呼ばれるもの)によってその自我を形成する。
このパラサイトは複数で個別の意思を持ちながらも意識を共有しており、一定範囲なら仲間の位置も特定できる。「生き延び、仲間を増やす」という同一の目的に従い、宿主となる可能性がある人間に自らの一部を送り込み増殖を図ろうとした。しかし対象の衰弱死による失敗が続き、被害者らが血を一定量失うことから「吸血鬼」と呼ばれ世間を騒がせた。
一科生と二科生
魔法科高校は国から予算が交付されている国策学校であり、一定の成果を求められている。しかし魔法の才能は心理的な理由によって容易に失われてしまい、思春期では特にその傾向が顕著である。毎年それが原因で少なくない魔法科高校の生徒が魔法力を失い退学してゆく。そのための彼らの補欠要員が二科生であるとされている。
二科生は一科生とは違い、教師から魔法実技の個別指導を受けられない。一科生は二科生よりも、平均的に見れば魔法の成績が優秀であり、このような制度も相まって、一科生は二科生に対して差別を行うケースがある(一科生全てがそうではなく、中には真由美や摩利、ほのかや雫のような例がある)。
ただし、一科生と二科生の区別はあくまでも実技の授業の都合上、成績で分けているだけである。その二科生制度自体も、実際は初期の魔法科高校において、年度途中に追加募集された生徒を指導するための十分な数の教師を確保できなかったことから、苦肉の策として進級するまでは集中的に理論を教え、実技を二年生以降から教えるという枠組だった筈が、「補欠」だと誤解されたままになっているだけなのだが、この事実を知る人間は極めて少ない。
ウィード
第一高校内での二科生への蔑称。一科生の制服の胸と肩には八枚花弁のエンブレムがあるが、二科生の制服は無地であるため、一科生は自らを花の形から「ブルーム」と呼び、二科生をの開かない雑草と揶揄して「ウィード」と呼ぶ。二科生に対する差別発言として、風紀委員の摘発対象である。また「紋無し」という異称もあり、こちらも禁止用語に抵触する可能性がある。
なお、この蔑称の由来となっているエンブレムが二科生の制服に無いのは、当時急遽魔法師を増員するために年度途中から募集をかけて集めた追加の生徒用の制服が、発注ミスによりエンブレムが無地の状態で用意されてしまったためで、当時の官僚達が自らのミスを認めず改善しようとしなかったため定着してしまったものである。これも知る者の少ない真相である。七草真由美は、元の経緯が経緯な上に二種類あるということで無駄に製造コストが掛かり、差別の温床ともなっているこの制服制度は廃止すべきだと考えている。

組織

日本国内

数字付き(ナンバーズ)
日本では、優れた魔法的素質を持つ魔法師の家系は慣例的に数字を含む名字を持っている。そのため、数字を冠した姓を持った後述の「十師族」および「師補十八家」、並びに「百家」の本流は総称して「数字付き」の隠語で呼ばれている。
数字の大小が実力に直結する訳ではないが、家名に数字が入るかどうかは、血筋が大きくものを言う魔法師にとって力量をある程度推測する目安となる。ただし、数字付きの慣例とは無関係に、偶然数字の入った名字を持つ魔法師の家も存在している(「四方堂」「四月一日」など)。
十師族(じゅっしぞく)
日本で最強の魔法師集団。表立った権力を放棄する代わりに、国家の裏で不可侵に等しい権力を手にしている。
後述する「魔法技能師開発研究所」出身の魔法師で構成されており、計28ある家系が4年ごとに行う「師族会議」で改選される。「その時代に強力な(優秀な、ではない)魔法師を数多く輩出している」順に選ばれた10の家系が「十師族」を名乗り、選ばれなかった残りの18の家系が師補十八家(しほじゅうはっけ)となって十師族を補佐する。
現在の十師族は、「一条」「二木」「三矢」「四葉」「五輪」「六塚」「七草」「八代」「九島」「十文字」から構成されている(17巻終盤に、「九島」から「七宝」に代わった)。一から十までの数字が並んでいるのは、十師族という枠組みが結成されて初めてで、かつては一から十の数字に欠番および重複が存在した(17巻終盤から数字の重複がある)。現在の十師族では、四葉家と七草家の二家が特に高い発言力を有しており、十文字家がその二家に次ぐ3番目に有力な家である。
なお、現在の師補十八家は「一之倉」「一色」「二階堂」「二瓶」「三日月」「五頭」「五味」「六角」「六郷」「六本木」「七宝」(17巻の中盤まで)「七夕」「七瀬」「八朔」「八幡」「九鬼」「九島」(17巻終盤から)「九頭見」「十山」の18家。正式な名称ではないが、十八家と十師族を合わせて「二十八家」と呼ぶケースもある。
百家(ひゃっけ)
十師族に次いで優秀な魔法師を輩出している家系の総称。
百家という名称は100の家系を総称しての呼称ではなく、単純に「十の位」の次は「百の位」という一種の言葉遊びで、「十師族に次ぐ位の家柄」を意味している。
本流と支流に分かれており、本流を構成する家系は姓に11以上の数字が入っている。十三束、廿楽(廿の字は20を意味する)、五十里、千代田、萬谷などが百家本流。数字の入っていない渡辺や森崎などが支流である。
数字落ち(エクストラ)
「エクストラ・ナンバーズ」の略称。
かつて魔法師が兵器であり実験体であった頃に、「成功例」として数字を与えられながら、「成功例」に相応しい成果を上げられなかったとして数字を剥奪された魔法師に捺された烙印。現在では「数字落ち」という名称自体の使用は公式に禁じられており、「数字落ち」である点を理由に差別的扱いをするのも魔法師のコミュニティにおいて重大な非違行為とされている。現在作中で確認されている「数字落ち」は、「七倉」から落ちた「名倉」と、「一花」から落ちた「市原」の二家のみ。
魔法技能師開発研究所
略して「魔法師開発研究所」とも。日本が魔法師の実験開発を目的に設けた研究機関であり、第一研究所から第十研究所まである。その半数は現在閉鎖されているが、前述した二十八家を生み出す元となっている。非人道的な研究内容を含み、事実を知る者も少ない現代魔法史の暗部とされるようになった。
2031年から2039年にかけて設立され、研究所の番号はその設立された順による。それぞれ「第一研」などと略して呼ばれ、各研究所には特徴的な設立目的がある。
第一研究所
「一条」「一之倉」「一色」を輩出し、数字落ちに「一花」がある。研究テーマは対人戦を想定した「生体への直接干渉」。一条家は「体液への干渉」、一之倉家は「体温への干渉」、一色家は「神経への干渉」を得意としている。一花家も神経への干渉を得意としているが、相手の体を操る形での干渉であったため、数字落ちとされた。
旧石川県金沢市にあった跡地は現在「金沢魔法理学研究所」となっている。地理的には第三高校に近い。
第二研究所
「二木」「二階堂」「二瓶」を輩出。研究テーマは「無機物に干渉する魔法」の開発。淡路島に設立され、現在も稼働中。地理的には旧兵庫県にある第二高校に近い。
第三研究所
「三矢」「三日月」を輩出した他、「三枝」が「七草」と名を変えて第七研に移動している。「多種類多重魔法制御」を研究テーマとし、他の研究所にも研究成果を開放していた点でも珍しい性格を有している。
旧神奈川県厚木市に設立され、現在も稼働中。地理的には東京都の第一高校に近い。
第四研究所
「四葉」のみを輩出。「精神干渉魔法による魔法演算領域そのものの強化」を目指していたとされる。魔法師としての強さのみを追求し、「死の魔法師工場」の異名で呼ばれていた。第四研は特別に秘密主義が強く、四葉家もまた自主独立傾向の一族となった。跡地(現在の四葉家本邸)は旧山梨県の北西部にあるが、外部には旧東京都との県境付近という推定しかされていない。国とは別のスポンサーによって設立され、第一研以前から運営されていたという噂がある。
第五研究所
「五輪」「五頭」「五味」を輩出。研究テーマは「物質の形状に干渉する魔法」の開発で、大質量の水に干渉する移動系魔法「深淵(アビス)」の他、USNAとの共同開発による「バハムート」という2種の戦略級魔法を開発した。
旧愛媛県の宇和島市に設立され、現在も稼働中。地理的には旧高知県にある第七高校に近い。
第六研究所
「六塚」「六角」「六郷」「六本木」を輩出。研究テーマは「魔法による熱量制御」で基礎研究機関の色彩が強い。旧宮城県の仙台市に設立され、現在も稼働中。地理的には第五高校に近い。
第七研究所
「七草」「七宝」「七夕」「七瀬」を輩出した他、数字落ちに「七倉」がある。研究テーマは首都防衛を兼ねた対集団戦であり、「群体制御魔法」の開発に繋がる。なお第三研出身の七草家は、第三研の多種類多重魔法制御と第七研の群体制御の技術を共に有している。
東京に設立され、現在は閉鎖。地理的には第一高校に近い。
第八研究所
「八代」「八朔」「八幡」を輩出。研究テーマは「魔法による重力、電磁力、強い相互作用、弱い相互作用の操作」。第六研以上に基礎研究機関の色彩が強い。旧福岡県北九州市に設立され、現在も稼働中。地理的には旧熊本県にある第九高校に近い。
第九研究所
「九島」「九鬼」「九頭見」を輩出。「古式魔法の再体系化」を研究テーマとする。
旧奈良県にあった跡地は現在「第九種魔法開発研究所」となっているが、魔法師の間ではいまだ「旧第九研」と呼ばれている。地理的には旧兵庫県にある第二高校に近い。
第十研究所
「十文字」「十山」を輩出。研究テーマは「大火力に対する領域防御魔法」。中でも十文字家の「ファランクス」は第三研の研究成果を利用して開発されている。東京に設立され、現在は閉鎖。地理的には第一高校に近い。
伝統派
宗派を越えた古式魔法師による魔法結社。京都を中心とした地方の諸家が連なっている。
結社の目的は、現代魔法に対する古式魔法の独自性を維持すること。特に第九研出身の魔法師らと対立している。かつて第九研には大勢の古式魔法師が参加したが、秘術を盗まれ利用されるだけとなった。その結果への怒りと怨念が伝統派を組織する理由となっている。しかし実際は研究の協力に対する報酬は契約書に記載されており、魔法の提供というのは古式魔法師たちの風習による思い込みであった。内部には様々な派閥が存在し、旧第九研に対する怒りは共通だが、思想や行動は一貫しておらず、中には過激な行動をとる者たちについて行けず、わだかまりをのこしながらも報復を放棄したものもいる。周公瑾によって大陸の古式魔法師たちを取り込むことで勢力を伸ばしている派閥も存在し、その中で鞍馬山と嵐山の派閥は完全に周たち大陸の術者に乗っ取られている。
国防陸軍一〇一旅団
一〇一は「イチマルイチ」と読む。霞ヶ浦基地に本部があり、佐伯広海少将を旅団長とする部隊。陸軍の通常の編成とは別系統で、魔法装備を主兵装とした実験的な組織である。沖縄防衛戦の直後、佐伯少将のプランにより創設された。
独立魔装大隊
一〇一旅団の中でも更に、新開発された武装のテスト運用を担う部隊。風間玄信少佐を隊長とする。
佐伯少将が十師族から独立した魔法戦力を備える目的で創設したため、古式魔法師の比率が高い。その性質上、機密の度合いが通常の軍事機密よりも更に5、6段階ほど跳ね上がっている。
隊の基本理念は十師族から独立した戦力だが、大黒竜也特尉を貸与してもらっている関係上、四葉家とは協力関係にあるのが実情。
フォア・リーブス・テクノロジー
通称、FLT(Four Leaves Technology)。秘密裏に四葉家が出資し設立した魔法工学機器メーカー。CAD完成品はサジタリアス・シリーズなども生産していたものの、元々は完成品よりも魔法工学部品で知られた企業であり、謎の天才魔工師「トーラス・シルバー」が開発したシルバー・モデルと飛行デバイスの発表によってCADメーカーとして飛躍的に知名度を増した。
四種の系統魔法に因んで「Four Leaves(四葉)」を意味する言葉を冠した社名は魔法関連企業ではありふれているため、社名自体が四葉との繋がりのカモフラージュになっており、今や四葉家の主要な資金源の一つにまでなっている。

世界各国

北アメリカ大陸合衆国
通称はUSNA(United States of North Americaの略)、もしくは「アメリカ」や「ステイツ」。USAカナダメキシコなどの北米国家を併合した連邦制国家であり、列強を代表する覇権国の一つ。日本とは同盟関係にある一方で、日本の太平洋地域における影響力の拡大を危惧しており2095年の大亜細亜連合の横浜侵攻においては意図的に援軍を遅らせるなどの謀略を見せている。現在は「灼熱のハロウィン」を引き起こした日本の非公表の戦略級魔法師の情報開示を要求しており、非公表を貫く日本側との関係が緊張化している。
3名の戦略級魔法師を公的に抱え、内1名は国外のジブラルタル基地を拠点にしている。
スターズ
USNA軍統合参謀本部直属の魔法師部隊で、海兵隊から分離する形で成立している。軍隊内でも秀でた力を持つ魔法師が所属し、USNA軍の魔法戦闘の主軸となる。「世界最強の魔法部隊」を自称し、USNA最強の魔法師を総隊長の「シリウス」にすると定められている。その人物が軍属でなかった場合は謀略を用いてでも軍に引き込み、シリウスの地位に据える。
その編成は軍組織としては変則的で、地位と階級がリンクしていない。現在12人いる隊長の内6人が大尉だが、残りの6人は現総隊長と同じく少佐の階級である(ただし隊長の階級が総隊長より上回るケースは今までない)。隊員は正規の戦闘員である「一等星(スター・ファースト)級」、「二等星(スター・セカンド)級」、「星座(コンストレーション)級」と、後方スタッフや非合法工作員である「惑星(プラネット)級」、「衛星(サテライト)級」に分かれている。
USNA軍の魔法師全員がスターズに配属されるわけではなく、スターズにならなかった魔法師は、国内外の基地や、スターズ同様に統合参謀本部直属の魔法師部隊である「スターダスト」などに配属される。
マクシミリアン・デバイス
Maximilien Device、通称は「マクシミリアン」。世界トップメーカーの座をローゼン・マギクラフト社と争う、USNAの大手CADメーカー。
大亜細亜連合
大亜連合ともよばれる。中国が周辺諸国を征服して生まれた連合国。構成国の中心は「大亜連合中華」であり、各衛星国は「大亜連合高麗」(元は朝鮮)、「大亜連合吐蕃」(元はチベット)などの名称となっている[21]
日本とは、第三次世界大戦終結後も講和条約や休戦協定も結んでおらず、大亜連合軍は2092年に沖縄侵攻、2095年に横浜侵攻を作戦している。横浜侵攻作戦では、公的に抱える1名の戦略級魔法師を投入した。しかし、「灼熱のハロウィン」によって鎮海軍港と総艦艇の三割を失った大亜細亜連合は、2095年11月に講和条約を締結した。
大漢
大亜連合が現在の形になる前に、中国政府は南北分裂を経験している。2063年に南側の「大漢」は内部崩壊した後、現政府側に吸収された。消滅した大漢は中国における現代魔法研究の中心であったため、大亜連合は現代魔法師の開発が遅れ、伝統的な古式魔法を主流にしている。
新ソビエト連邦
略称は「新ソ連」。ロシアウクライナベラルーシを再吸収して成立した連邦国家。日本に対しては、大亜連合の沖縄侵攻に同調して非公式に佐渡島へ侵攻している。
2名の戦略級魔法師を公的に抱える。
ヨーロッパ連合
欧州連合が第三次世界大戦後にフランスドイツイタリアを境に東西に分裂。各国の統合も分裂以前より弱くなっている[22]
ローゼン・マギクラフト
Rosen Magicraft、通称は「ローゼン」。ドイツにある大手のCADメーカーで、日本にも支社を持つ。ローゼン家が経営する同族会社であり、新しく日本支社長となったエルンスト・ローゼンも本家の出身。エルンストのおじは親族の反対を押して日本に移住しており、千葉エリカの祖父(母親のアンナ・ローゼン・鹿取の父親)でもある。この事件以降ローゼン家は日本への印象を悪くし、長い間本家の人間を日本支社に送ってこなかった。
国際魔法協会
第三次世界大戦の勃発から一年後、2046年に設立された国際的な魔法師の団体である。放射能により地球環境を回復不能なまでに汚染する熱核兵器の使用阻止が、世界中の魔法師にとって最優先される義務とする「国際魔法協会憲章」を軸としている。
下部組織として、日本には「日本魔法協会」がある。本部を京都に構え、副本部的な位置づけの関東支部が横浜ベイヒルズタワー[23]にある。
ブランシュ
世界各国で魔法師排斥運動を行う反魔法組織。七賢人であるジード・ヘイグを総帥とし、日本支部のリーダーを司一が務めていた。いくつかの下部組織を持ち、そのうちの一つである「エガリテ」に司一の義弟・司甲や彼に誘われた多くの一高生が所属していた。2095年4月に第一高校襲撃を実行し、達也たちによって阻止される。さらに達也たちによる掃討戦において日本支部は崩壊した。
無頭竜(ノー・ヘッド・ドラゴン)
魔法を使い犯罪行為を行う華僑の犯罪シンジケート。首領はリチャード=孫。対抗組織や認められた部下以外には、粛清の際にも首領が姿を見せない様子から「頭の無い竜」と呼ばれ今の組織名がつけられた。
九校戦の最中、独立魔装大隊によって日本拠点が崩壊し、同時にリチャードの情報を入手したことで日本の国防軍が首領を抹殺した。現在は彼の養女である孫美鈴が新たな首領となっている。さらに、彼の甥の従兄弟であるロバート=孫が少数の兄弟分を連れて別グループを率いている。
七賢人
エシュロンIIIに潜む、追加拡張システム「フリズスキャルヴ」へのアクセス権を持つ7人のオペレーターの総称。
フリズスキャルヴはバックドアを利用するためにエシュロンIIIのメインシステムよりも情報収集効率が極めて高いが、7人のうち誰かがそれで情報を収集すれば、検索履歴がフギンとムニンという検索効率化の為のシステムである二種類のエージェントのうちのムニンに記録され残ってしまい、他の6人にそれが知られるというリスクがある。アクセス権を得る基準は完全にランダムであり、学生であるレイモンドやブランシュのリーダーであるジードが持ったりと極めてバラバラである。このように一つの組織というわけではなく、各個人が別個の考えで動いている。

九校戦

九校戦
正式名称は「全国魔法科高校親善魔法競技大会」。毎年夏に開催される全国九つの魔法科高校がそれぞれ選りすぐりの魔法科高生たちを集め、学校単位で競い合う魔法の競技大会。政府関係者や魔法関係者だけでなく、一般企業や海外からも大勢の観客やスカウトが集める。大会の主催や会場の提供は軍が行っている。

競技種目

各校から一つの競技にエントリーできるのは三名で、一人の選手が出場できるのは二種目までと決められている。大会の開催期間は十日間で、一年生のみが出場する競技「新人戦」も設けられている。本戦は学年制限はない。新人戦は四日目から八日目にかけて行われる。
九校戦の勝敗/順位は各競技のポイントの合計で決まる。一位が50ポイント、二位が30ポイント、三位が20ポイントという配分である。スピード・シューティング、バトル・ボード、ミラージ・バットは四位が10ポイント。クラウド・ボールとアイス・ピラーズ・ブレイクは三回戦敗退の四位三チームにそれぞれ5ポイントが与えられる。九校戦の花形競技、モノリス・コードは一位チームに100ポイント、二位チームに60ポイント、三位チームに40ポイントが与えられ、ポイント上で最も比重の大きな競技になっている(「新人戦」のポイントは二分の一にして総合順位点に加算される)。個人戦出場選手は6校が3名、3校が2名の24名で、前年度同一種目で下位に入った3校が2名枠という逆シードになる。
2095年度からは新人戦がそれまで男女分けなしだったものが、それぞれ男子と女子に分かれる。
2096年度は軍事色の強い3種目へと入れ替えが行わる。出場できるのが「スティープルチェース・クロスカントリー」を除き一種目のみで、一種目の出場者は「ミラージ・バット」を以外は、ソロ1名(本戦)とペア1組2名(本戦&新人戦)になった。スティープルチェース・クロスカントリーは2年生以上が全員参加可能で、実質2年生以上は全員2種目出場になる。ペアの1位が60点、2位が40点とソロよりも高い、3位は20点と同じ配点。
スピード・シューティング
通称「早撃ち」。クレー射撃のように空間に射出された標的を魔法で破壊する。紅白の標的が百個ずつ用意され、自分の色の標的を破壊した数を競う。予選は五分の制限時間内に破壊した標的の数を競う、各個人のスコア型。準々決勝以降は対戦型。その為予選とトーナメントでは、使う魔法が異なるのが普通。
クラウド・ボール
通称「クラウド」。圧縮空気を用いたシューターから射出された直径6センチの低反発ボールを、ラケットまたは魔法を使って制限時間内に相手コートへ落とした回数を競う競技。1セット3分の試合時間で、透明な箱にすっぽり覆われたコートの中へ20秒ごとにボールが追加射出され、最終的には9個のボールを選手は休みなく追いかける。女子は3セットマッチ、男子は5セットマッチで行われる。
バトル・ボード
通称「波乗り」。もともと海軍の魔法師訓練用に考案されたもので、選手はサーフィンのような一枚のボードに乗り、加速魔法などを駆使して全長三キロの人工水路を三周し、勝者を競うレース。ルールとして、他の選手に魔法で直接的に干渉することは禁じられているが、魔法で水面に干渉して他の選手を間接的に妨害する事は許可されている。予選を一レース四人で六レース、準々決勝を一レース三人で二レース、三位決定戦を四人で、決勝レースを一対一で競う。
アイス・ピラーズ・ブレイク
通称「棒倒し」。省略してピラーズ・ブレイクと呼ばれることもある。選手は自陣奥に設置された高さ四メートルの櫓(やぐら)の上に立ち、十二メートル四方の自陣に配置された氷柱十二本を守りながら、十二メートル四方の敵陣の氷柱を十二本先に倒す、または破壊するという競技。選手は純粋に遠隔系魔法のみで競い、肉体を使う必要はない。そのため、この競技に参加する選手のユニフォームは自由で、規制は唯一つ「公序良俗に反しないこと」。結果、昨今の女子ピラーズ・ブレイクは九校戦のファッションショーとも言われる。3ブロックに分け8名のトーナメント、各ブロックで残った者でリーグ戦。2096年度からはソロとペアに分かれ、ソロ1名にペア2名。新人戦はペアのみとなった。
ミラージ・バット
通称「ミラージ」「フェアリーダンス」。空中に投影されたホログラム球体目掛け、魔法を使って飛び上がりスティックで打つ競技。九校戦で試合が最も少ない競技だが、試合時間は最長である。試合中、選手は絶え間なく空中に飛び上がり魔法を発動し続けるため、選手に掛かる負担はフルマラソンに匹敵するとも言われている。女子のみの種目で、凝った衣装を身にまとい空中を飛び回る女子たちの姿が妖精のようだと評され、九校戦の花形競技のひとつといわれている。
2095年度の決勝で全員が飛行魔法を使用し棄権が続出、保有霊子量(とその消費効率)で勝敗が決まる様相になった為、翌年の2096年度において以下の様にルール追加。離床後1分以内に着地しなければならないという、飛行魔法の連続使用を規制する。
モノリス・コード
通称「モノリス」。男子のみの競技。「ステージ」と呼ばれる試合会場で、敵味方各々三名の選手によって「モノリス」を巡り魔法で争う。相手チームを試合続行不能にするか、敵陣にあるモノリスを二つに割り隠されたコードを送信することで勝敗が決まる。相手チームへは、魔法攻撃以外の直接戦闘行為は禁止されている。しかし、質量体を魔法で飛ばして相手にぶつけることは許可されている。モノリスを割りコードを読み取るためには、無系統の専用魔法式をモノリスに打ち込まなければならない。専用魔法式は十メートル以内で打たなければ効果を発揮せず、一度分割されたモノリスを再びくっつけることは禁止されているが、分割そのものを魔法で防ぐことは許可されている。その内容から、九校戦の中でもっとも人気があり、白熱する競技である。
ロアー・アンド・ガンナー
2096年度からの種目。略して「ロアガン」。エントリーはソロ1名にペア2名。新人戦はペアのみ。
ボート上から水路に設置された的を破壊しながらゴールするタイムを競う。ペアは一人がボートを走らせ、一人が的を撃つ。ソロはこれを一人で行う。水路はバトル・ボードのものを使う。的は水路の脇と頭上に設置され、水上をミニチュアボードの標的が走り回る。
同時に複数の選手(ペア)が出走する競技ではなく、一人(一組)ずつ走る完全なタイムトライアル方式。
出走順による有利・不利をなくす為、一週目は練習走行に当てられ、二週目が本番となる。
ゴールタイムから破壊した的の個数に応じた時間(破壊1個につき、最短ゴールチーム時間を最多命中チーム命中数で割った時間)を差し引き、差引合計時間が最も短いチームが優勝。命中1つが全競技者が終了するまで何秒に値するか分からない為に計算が立て辛く、命中を重視した深紅郎は、命中を軽視しした最短時間の七校に敗れ準優勝となった。
例.1 最短時間チーム 44.00秒 命中13個 44.00-(44.00/20)×13=15.40
例.2 最多命中チーム 60.00秒 命中20個 60.00-(44.00/20)×20=16.00
例.3 その他のチーム 52.50秒 命中17個 52.50-(44.00/20)×17=15.10
シールド・ダウン
2096年度からの種目。エントリーはソロ1名にペア2名。新人戦はペアのみ。
プレーヤーは盾を持つかあるいは腕に付け、相手の盾を攻撃する。盾の装着位置は肩から先。
先に相手選手を失格させると勝利。ペアの場合は先に相手チームを2名とも失格させると勝利。
失格条件は盾の破壊、場外落下、盾を5秒以上放す、反則。盾は一枚の板でなければならない。ただし二つ以内のハンドルを付けることは許可されている。
盾の形状に制限なし。曲面も可。ただし曲げの方向が逆転してはならない。半球のような曲面は認められるが、波形の板は認められない。
盾は男子0.5平方メートル。女子0.3平方メートル以上で、重さ、厚さに制限なし。材質は木材であれば制限なし。ただし樹脂その補強材の注入は禁止。補強材を注入しない圧縮は可。魔法による強化も可。盾の総面積の3割以上が失われた状態を破壊済みと定義する。
十三塚の接触型術式解体とか、防壁魔法(盾が無くてもできるが、領域を明確化するのに盾と云う視認しやすいものはそれなりに有効)があっての競技。
練習では盾の押し合いによる押し出しと盾破壊により勝敗は決まっている。
空気弾、インビジブル・ブリッドなどはともかく、魔弾の射手や幹彦の雷撃等の任意の方向から攻撃される魔法或いはダイレクト・ペインや分解の様に盾で防げない魔法に対して盾の意味は少ない。
そういった、盾が無効な魔法の撃ち合い(盾を使わず防ぎ合い)や、逆に盾破壊を目指すなど一般的な勝ち方が確立されていない。
ルールが不明確な点として、腕に付けるとあるが、ハンドルと呼ぶ形状のものが2か所では付けられず、バンド等のルールが載っていない。武装一体型CADの使用は(当然人体への攻撃は不可と推定するが)、盾破壊の為には可能か分からない。こういう盲点を達也なら付きかねない。
スティープルチェース・クロスカントリー
林間コースに障害物を配置して行う、クロスカントリー競技。コースは2040年代に建設が始まった富士東演習場人工林を使用。「スティープルチェース(Steeplechase)」は障害競走のことである。
障害物は岩壁、落とし穴、泥沼といった古典的な物から自動射撃装置、ネット弾投擲装置、国防軍魔法師による妨害といったこの競技ならではの物も取り揃えられている。
コースは幅4キロ、長さ4キロのエリアで、そのエリア内であれば何処を通っても良く、スタート地点もゴール地点も横に4キロのライン上であれば何処から出発、何処に到着しても有効。選手は成層圏プラットフォームを利用した広域測位システム(WPS: Wide area Positioning System)連動の発信機を身に着け、審判はその信号をトレースすることで各選手の位置を把握する。
コースを逸脱した選手は失格。また木の高さより上に飛び上がることも反則で失格となる。
木と木の間にネットが数多く張り巡らされ、障害物を避けて不用意に飛び上がるとネットに衝突してダメージを受けたりネットに絡まって時間をロスしたりする。
得点配分は男女別に1位::50点、2位:30点、3位:20点、4位~6位:5点となっている他、1時間以内にゴールした選手全員に1点が与えられる。この競技は全選手(男女各12名)エントリー可能。つまり最高で男女各121点が獲得できることになり、モノリスコードを上回る逆転勝利の可能性を秘めた最終競技となっている。
2096年の九校戦から採用されたため攻略戦術はまだ確立していないが、障害物を排除する為にチームで挑む学校と、難度の高い障害物に遭遇するリスクを分散する為にソロまたはペアで挑む学校に分かれる。
もともと山道の走行という危険な競技に加え、障害物や魔法による妨害といった要素まで組み込んでいることから軍の魔法師でさえ音を上げるような過酷な競技であり、これを高校生に行わせることには軍人である風間や荒行・苦行を日常的に行う八雲でさえ耳を疑ったほどだった。

その他

二十年世界群発戦争
2045年から2065年にかけて20年続いた、第三次世界大戦。二十年戦争とも呼ばれ、世界的な寒冷化による食糧難を主要原因として始まった。
USNAや大亜連合、新ソ連などが国土を拡大し、欧州連合は東西に分裂し、アフリカや南米では国家が消滅ないし分立するなどの激変を世界にもたらした。
全国高校生魔法学論文コンペティション
通称「論文コンペ」。全国の高校生が魔法学、魔法工学の研究成果を発表する場。注目度も高く、発表チームの代表が魔法研究機関からスカウトされるだけでなく、発表された論文がそのまま魔法大全に収録され大学や企業に利用されることもある。九校戦が「武」の対抗戦とするならば、論文コンペはこれと双璧をなす「文」の対抗戦といえる。魔法理論を教える高校は実質魔法大学付属高校の九校のみなので、九校戦同様魔法科高校九校で行われる。
非魔法科高校を対象とした弁論大会や研究発表会と論文コンペの最大の違いは、発表内容の実演がプレゼンテーションに含まれるという点にある。つまり論文の発表には、魔法装置を作って檀上で魔法を実演することが含まれる。実演のためには、魔法装置の設計から術式補助システムの製作、それを制御するためのソフト、搭載するためのボディなど、高度かつ手間のかかる準備が必要となる。コンペ直前の時期ともなれば、各高校総じて、技術系クラブ、美術系クラブはもちろんのこと、純理論系のクラブや実技の成績上位者も本番の成功へ向けて総動員される。
開催日は毎年十月の最終日曜日と決められており、開催地は日本魔法協会の設置されている京都と横浜で交互に開催される。開催地によって論文の評価の傾向が異なり、横浜では技術的なテーマが評価され、京都では純理論的なテーマが評価される。
第一高校では、論文コンペの出場者は校内の論文選考会で決定され、論文の作成とプレゼンの準備は選出された三人が共同で取り組む。基本的には、方向性の統一のため、メインの執筆者一名とサブ二名の役割分担をしたチーム構成となる。2095年度メインは市原鈴音、2096年度メインは五十里啓。
なお、論文コンペには「魔法大学関係者を除き非公開」の貴重な資料が使われるため、産学スパイの標的になることがある。チンピラが小遣い稼ぎのために行う程度のレベルだが、置き引きや引ったくりなどが頻発し、実際にプレゼンターが襲われて怪我をした実例があるため、各校はコンペ開催の前後数週間、参加メンバーに護衛をつけている。会場では魔法協会が手配したプロの魔法師たちが警護を務めているが、九校から集められた共同警備隊も巡回に参加している。警備隊の総責任者は九校戦のモノリス・コードの優勝校から出すという不文律がある。
大漢崩壊(2062年の悪夢)
発端は2062年4月に台湾で行われていた「少年少女魔法師交流会」に出席していた四葉家の息女・四葉真夜(当時12歳)が何者かに誘拐される。真夜は3日後に大漢の魔法師開発機関「崑崙方院」の研究所から救助されたが非人道的な実験の実験体にされ、心身ともに深い傷を負っていた。真夜の父で四葉家当主・四葉元造は即座に一族を召集し、大漢への報復を決定する。事件から半年間で四葉家中の戦闘魔法師が次々と大漢へ侵入、大漢の政府・軍関係者、魔法研究者および各種施設などへの暗殺・破壊工作が行われた。この一連のテロ活動により大漢側は4000人あまりの犠牲と現代魔法研究の成果を悉く喪失、国家機能を麻痺させ内部崩壊の果てに翌2063年に北部の大亜細亜連合に併合された。
一方、四葉側も一連の活動で大きな被害を出しており、当主である元造をはじめ一族内の有力魔法師30名が戦死し一族内に癒えぬ傷跡を残し、以後は全世界の魔法関係者からは「触れてはならない者たち(アンタッチャブル)」と忌避されるようになる。
四葉家中では、この一連の事件のことは「復讐戦」と呼称されている。
沖縄防衛戦
2092年8月に大亜細亜連合(以下、大亜連合)が日本の沖縄に奇襲した戦闘。日本側も予期していなかった大亜連合軍の電撃的な侵攻により慶良間諸島周辺の制海権を早々に失い、さらに沖縄本島の国防軍基地では内部で大亜連合に内応した叛乱事件も起こり、敵軍に上陸を許すなど国防軍は圧倒的劣勢に陥る。この時、司波達也は休暇中の深夜と深雪に付き添って沖縄に滞在しており非常事態につき達也が国防軍に志願、達也を組み込んだ国防軍恩納空挺部隊の反転攻勢により地上部隊を降伏に追い込み、大亜連合艦隊の艦艇も達也の「マテリアル・バースト」にて殲滅された。後日の捕虜交換にて大亜細亜連合本国にも一人で戦況を覆した謎の魔法師「摩醯首羅」の噂が広まり、軍が情報統制する事態となった。
灼熱のハロウィン
2095年10月の大亜細亜連合による横浜侵攻(横浜事変)を発端にし、同月31日に日本侵攻に向け鎮海軍港に集結していた大亜細亜連合艦隊および鎮海軍港を日本側が消滅させた戦闘。戦後の各国の調査で質量・エネルギー変換魔法が使用されたことが確認されており、後世において人類史、軍事史の転換点と評されることになる。
この一件を機に日本と大亜細亜連合は講和条約を締結することになった。
人間主義
人間は人間に許された力だけで生きよう」と主張する反魔法主義、魔法師排斥運動の総称。これらを煽る大本が”ジード・セイジ・ヘイグ”こと「顧 傑」であり、代表格が反魔法組織「ブランシュ」であった。「ブランシュ」は各国政府の締め付けにより弱体化が著しいが、人間主義は着実に各国へ浸透し始めており、各国政府にも賛同する勢力が相当数いると言われている。USNAは最も活動が激しく、日本でも東京から地方へ広がり始めており、各国魔法関係者による対策が急務となっている。
HAR(ハル)
ホーム・オートメーション・ロボットの略で、先進国で普及している自動家事システム。セキュリティ管理を始めとして料理、食器洗浄などを行い、移動マニピュレーターや人型端末(後述の3H)があれば配膳・食器の片付けも可能である。
3H(Humanoid Home Helper)
「人型家事手伝いロボット」であるピクシーは、本来HARの遠隔制御端末(音声認識インターフェース)として開発されている。「手伝いロボット」としての単体の性能はあくまでHARのオプションであり、サイズ的制約から高度なセンサーは搭載されておらず、精密作業には向いていない。現在は家庭への普及が始まったばかりの技術で、第一高校のピクシー(3H-P94)も、HARの大手メーカーからモニター目的で貸し出されている。
女性型機械兵(F-type machanical soldier)
軍事用に開発されたガイノイド。軍事目的ならば非ヒューマノイド型ロボットの方が費用対効果が高いという結論で開発がストップしていたはずだったが、2096年時点でパラサイトを利用した兵器「パラサイドール」の試作体に九島家が利用している。
キャビネット
電車線を利用した、2095年の日本で主流の公共交通機関。中央管制されたリニア式小型車両で、通常2人乗りと4人乗りが運行している。高度に発達した交通管制システムによって満員電車は解決されており、短距離路線だけでなく都市間路線もキャビネットに置き換えられている。

既刊一覧

原作文庫

巻数 タイトル 初版発行日付 ISBN
1 魔法科高校の劣等生 (1) 入学編〈上〉[24] 2011年7月10日付 ISBN 978-4-04-870597-4
2 魔法科高校の劣等生 (2) 入学編〈下〉[25] 2011年8月10日付 ISBN 978-4-04-870598-1
3 魔法科高校の劣等生 (3) 九校戦編〈上〉[26] 2011年11月10日付 ISBN 978-4-04-870998-9
4 魔法科高校の劣等生 (4) 九校戦編〈下〉[27] 2011年12月10日付 ISBN 978-4-04-870999-6
5 魔法科高校の劣等生 (5) 夏休み編+1[28] 2012年4月10日付 ISBN 978-4-04-886522-7
6 魔法科高校の劣等生 (6) 横浜騒乱編〈上〉[29] 2012年7月10日付 ISBN 978-4-04-886700-9
7 魔法科高校の劣等生 (7) 横浜騒乱編〈下〉[30] 2012年9月10日付 ISBN 978-4-04-886701-6
8 魔法科高校の劣等生 (8) 追憶編[31] 2012年12月10日付 ISBN 978-4-04-891158-0
9 魔法科高校の劣等生 (9) 来訪者編〈上〉[32] 2013年3月10日付 ISBN 978-4-04-891423-9
10 魔法科高校の劣等生 (10) 来訪者編〈中〉[33] 2013年6月7日付 ISBN 978-4-04-891609-7
11 魔法科高校の劣等生 (11) 来訪者編〈下〉[34] 2013年8月10日付 ISBN 978-4-04-891610-3
12 魔法科高校の劣等生 (12) ダブルセブン編[35] 2013年10月10日付 ISBN 978-4-04-866003-7
13 魔法科高校の劣等生 (13) スティープルチェース編[36] 2014年4月10日付 ISBN 978-4-04-866507-0
14 魔法科高校の劣等生 (14) 古都内乱編〈上〉[37] 2014年9月10日付 ISBN 978-4-04-866860-6
15 魔法科高校の劣等生 (15) 古都内乱編〈下〉[38] 2015年1月10日付 ISBN 978-4-04-869167-3
16 魔法科高校の劣等生 (16) 四葉継承編[39] 2015年5月9日付 ISBN 978-4-04-865116-5
17 魔法科高校の劣等生 (17) 師族会議編〈上〉[40] 2015年8月8日付 ISBN 978-4-04-865313-8
18 魔法科高校の劣等生 (18) 師族会議編〈中〉[41] 2015年11月10日付 ISBN 978-4-04-865512-5
19 魔法科高校の劣等生 (19) 師族会議編〈下〉[42] 2016年3月10日付 ISBN 978-4-04-865809-6

文庫未収録外伝

  • 外伝・魔法科高校の少年少女 美少女と野獣(著:佐島勤、Webサイト「小説家になろう」)
  • 魔法科高校の劣等生 十一月のハロウィンパーティ (魔法科高校の劣等生 オーディオドラマDVD 追憶編 特典小説)
  • 魔法科高校の劣等生 ドリームゲーム 1 (著:佐島勤、BD/DVD版 魔法科高校の劣等生 入学編 1 完全生産限定版特典小説)
  • 魔法科高校の劣等生 ドリームゲーム 2 (著:佐島勤、BD/DVD版 魔法科高校の劣等生 入学編 2 完全生産限定版特典小説)
  • 魔法科高校の劣等生 ドリームゲーム 3 (著:佐島勤、BD/DVD版 魔法科高校の劣等生 入学編 3 完全生産限定版特典小説)
  • 魔法科高校の劣等生 ドリームゲーム 4 (著:佐島勤、BD/DVD版 魔法科高校の劣等生 九校戦編 1 完全生産限定版特典小説)
  • 魔法科高校の劣等生 ドリームゲーム 5 (著:佐島勤、BD/DVD版 魔法科高校の劣等生 九校戦編 2 完全生産限定版特典小説)
  • 魔法科高校の劣等生 ドリームゲーム 6 (著:佐島勤、BD/DVD版 魔法科高校の劣等生 九校戦編 3 完全生産限定版特典小説)
  • 魔法科高校の劣等生 ドリームゲーム 7 (著:佐島勤、BD/DVD版 魔法科高校の劣等生 九校戦編 4 完全生産限定版特典小説)
  • 魔法科高校の劣等生 ドリームゲーム 8 (著:佐島勤、BD/DVD版 魔法科高校の劣等生 横浜騒乱編 1 完全生産限定版特典小説)
  • 魔法科高校の劣等生 夏の休日(アニメバージョン)<上> (著:佐島勤、BD/DVD版 魔法科高校の劣等生 横浜騒乱編 2 完全生産限定版特典小説)
  • 魔法科高校の劣等生 夏の休日(アニメバージョン)<下> (著:佐島勤、BD/DVD版 魔法科高校の劣等生 横浜騒乱編 3 完全生産限定版特典小説)
  • 魔法科高校の劣等生 竜神の虜(著:佐島勤、電撃文庫MAGAZINE Vol.41 2015年1月号)
  • 魔法科高校の劣等生 ショットガン!(著:佐島勤、電撃文庫MAGAZINE Vol.42 2015年3月号)
  • 魔法科高校の劣等生 一人でできるのに(著:佐島勤、電撃文庫MAGAZINE Vol.42 2015年3月号)
  • 魔法科高校の劣等生 目立とうミッション(著:佐島勤、電撃文庫MAGAZINE Vol.43 2015年5月号)
  • 魔法科高校の劣等生 × ソードアート・オンライン ドリームゲーム ― くろすおーばー ―(電撃文庫MAGAZINE Vol.39 2014年9月号) ※著:佐島勤/監修:川原礫
  • ソードアート・オンライン × 魔法科高校の劣等生 バーサスII(電撃文庫MAGAZINE Vol.40 2014年11月号) ※著:川原礫/監修:佐島勤

オーディオドラマ

  • オーディオドラマDVD 『魔法科高校の劣等生』(2012年12月20日発売、ASIN: B0098RH28Y)
「魔法科高校の劣等生 追憶編」(佐島勤脚本)を収録。また、佐島勤書き下ろしの短編小説「十一月のハロウィンパーティ」が同梱されている。

漫画

魔法科高校の劣等生
きたうみつな(作画)、林ふみの(構成)、石田可奈(キャラクターデザイン)。原作の「入学編」に相当する。月刊Gファンタジー2012年1月号から2013年10月号まで連載された。
巻数 発売日 ISBN
1 2012年9月10日[43] ISBN 978-4-7575-3722-4
2 2013年1月26日[44] ISBN 978-4-7575-3869-6
3 2013年7月27日[45] ISBN 978-4-7575-4019-4
4 2013年12月27日[46] ISBN 978-4-7575-4191-7
魔法科高校の優等生
司波深雪を主人公とした、森夕作画によるスピンオフ漫画。月刊コミック電撃大王2012年6月号より連載開始。
なお、1巻については、発行レーベルの変更により、電撃コミックスの旧版と電撃コミックスNEXTの新装版がある。内容は同一でカバーイラストが異なる。
巻数 発売日 ISBN
1(旧) 2012年10月27日[47] ISBN 978-4-04-891103-0
1(新) 2013年6月7日[48] ISBN 978-4-04-891781-0
2 2013年7月10日[49] ISBN 978-4-04-891782-7
3 2014年2月8日[50] ISBN 978-4-04-866303-8
4 2014年9月27日[51] ISBN 978-4-04-866916-0
5 2015年3月10日[52] ISBN 978-4-04-869309-7
6 2015年12月10日[53] ISBN 978-4-04-865706-8
魔法科高校の劣等生 九校戦編
きたうみつな(作画)、林ふみの/長岡千秋(構成)、石田可奈(キャラクターデザイン)。原作の「九校戦編」に相当する。月刊Gファンタジー2013年11月号より連載開始。
巻数 発売日 ISBN
1 2014年4月10日[54] ISBN 978-4-7575-4272-3
2 2014年9月10日[55] ISBN 978-4-7575-4408-6
3 2015年3月27日[56] ISBN 978-4-7575-4597-7
4 2015年10月27日[57] ISBN 978-4-7575-4785-8
魔法科高校の劣等生 横浜騒乱編
天羽銀(作画)、石田可奈(キャラクターデザイン)。原作の「横浜騒乱編」に相当する。月刊Gファンタジー2013年11月号から2015年9月号まで連載。
巻数 発売日 ISBN
1 2014年4月10日[58] ISBN 978-4-7575-4273-0
2 2014年9月10日[59] ISBN 978-4-7575-4409-3
3 2015年1月10日[60] ISBN 978-4-7575-4532-8
4 2015年6月27日[61] ISBN 978-4-7575-4681-3
5 2015年11月27日[62] ISBN 978-4-7575-4816-9
魔法科高校の劣等生 追憶編
依河和希(作画)、石田可奈(キャラクターデザイン)。原作の「追憶編」に相当する。月刊コミック電撃大王2014年4月号から2015年9月号まで連載された。
巻数 発売日 ISBN
1 2014年6月10日[63] ISBN 978-4-04-866615-2
2 2014年12月10日[64] ISBN 978-4-04-869058-4
3 2015年9月10日[65] ISBN 978-4-04-865302-2
魔法科高校の劣等生 よんこま編
tamago(作画)、石田可奈(キャラクターデザイン)。原作を題材とした4コマ漫画である。コミック電撃だいおうじVol.8より連載開始。
巻数 発売日 ISBN
1 2015年3月10日[66] ISBN 978-4-04-869308-0

テレビアニメ

スタッフ
原作 佐島勤(株式会社KADOKAWA
アスキー・メディアワークス
電撃文庫
原作イラスト
キャラクターデザイン
石田可奈
監督 小野学
CAD・メカニックデザイン ジミー・ストーン、出雲重機
メカ作画監督
エフェクト作画監督
ジミー・ストーン[注 7]
美術デザイン 石本剛啓、谷内優穂、平澤晃弘
美術監督 小田理恵
色彩設計 野口幸恵
3D監督 薮田修平
撮影監督 川下裕樹
編集 木村佳史子
音響監督 本山哲
音楽 岩崎琢
音楽制作 アニプレックス
プロデューサー 柏田真一郎、三木一馬木村康貴
金庭こず恵
アニメーションプロデューサー 橋本健太郎
アニメーション制作 マッドハウス
製作 魔法科高校製作委員会[注 8]

2014年4月から同年9月まで放送された。全26話。

原作イラストを担当している石田可奈が引き続きキャラクターデザインを担当しており、話によっては総作画監督や、その修正分をさらに修正する総総作画監督も担当している。

放送開始の前週には一部の放送局で事前特番『第一高校入学ガイダンス』が放送され、監督小野学、主要声優中村悠一早見沙織へのインタビュー、主題歌歌手LiSAELISAからのコメントが紹介された。

物語は基本的に原作を沿って描いているが、第1話で「追憶編」の一部が時系列通りに組み込まれたほか、その後の「夏休み編+1」が省略された。

『アニメ!アニメ!』(イード)が実施した「春アニメ2014何を見ますか?」では総合ランキングで第1位[67]、男性ランキングでも第1位[68]、女性ランキングで第2位[68]を記録した。また、『ガジェット通信』(東京産業新聞社)が実施した「アニメ流行語大賞2014」では深雪の台詞「さすがはお兄様です」が第7位[69]を記録した。

2016年3月には劇場映画化が発表された[70]

主題歌

オープニングテーマ
Rising Hope」(第1話 - 第3話、第5話 - 第13話)
作詞 - LiSA、田淵智也 / 作曲 - 田淵智也 / 編曲 - 堀江晶太 / 歌 - LiSA
第1話ではエンディングテーマとして使用。第4話では未使用。
grilletto」(第14話 - 第26話)
作詞 - メイリアtoku / 作曲 - toku / 編曲・歌 - GARNiDELiA
エンディングテーマ
ミレナリオ」(第2話 - 第13話、第18話)
作詞 - zopp / 作曲 - しほり / 編曲 - 佐々木裕 / 歌 - ELISA
「Mirror」(第14話 - 第17話、第19話 - 第26話)
作詞 - yumeiroecho、田中秀典玉井健二 / 作曲 - 林奈津美 / 編曲 - 玉井健二、釣俊輔 / 歌 - 安田レイ
第19話から第25話までエリカの髪型がポニーテールに変更されている。
挿入歌
「Silhouette of a Ballerina」
作詞 - かの香織 / 作編曲 - 岩崎琢 / 歌 - スージー・キム
「Métaphore」、「Fraud」
ラップ・作詞 - IGOR / 作編曲 - 岩崎琢
「code break」
ラップ・作詞 - Lotus Juice / 作編曲 - 岩崎琢
「Vespertine Bloom」
作詞 - かの香織 / 作編曲 - 岩崎琢 / 歌 - Jennifer Skidmore

各話リスト

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 アクション作監 総作画監督
第1話 入学編 I 菅原雪絵 小野学 松村政輝 吉川真帆 富岡隆司 石田可奈
第2話 II 木澤行人 祝浩司 金田貞徳 熊膳貴志、高炅楠
石田可奈
岩瀧智 宮前真一
第3話 III 中本宗応 熊澤祐嗣 中津環 香月邦夫、河田泉 吉川真帆
石田可奈
第4話 IV 菅原雪絵 宮崎修治 金二星 富岡隆司 宮前真一
第5話 V 木澤行人 川村賢一 久保山英一 小畑賢 岩瀧智 吉川真帆
第6話 VI 島津裕行 福田潤 野田康行 富岡隆司
ジミー・ストーン
石田可奈
第7話 VII 吉田りさこ 高炅楠 岩瀧智 吉川真帆
第8話 九校戦編 I 菅原雪絵 熊澤祐嗣 松村政輝 平野勇一、宗崎暢芳 富岡隆司 宮前真一
第9話 II 祝浩司 金田貞徳 吉川真帆、石田可奈
熊膳貴志
- 吉川真帆
石田可奈
第10話 III 伊藤尚往 中津環 香月邦夫、河田泉 富岡隆司 宮前真一
第11話 IV 宮崎修治 金二星、吉川真帆 岩瀧智 吉川真帆
第12話 V 中本宗応 川村賢一 白石道太 小畑賢 富岡隆司 宮前真一
石田可奈
第13話 VI 島津裕行 横田一平 野田康行 岩瀧智
ジミー・ストーン
石田可奈
第14話 VII 吉田りさこ 吉川真帆、玉木李枝 富岡隆司 吉川真帆
第15話 VIII 木澤行人 小島正士 松村政輝 宗崎暢芳、平野勇一 岩瀧智 宮前真一
第16話 IX 熊澤祐嗣 中津環 河田泉 富岡隆司 吉川真帆
第17話 X 川村賢一 倉谷涼一 横田和彦、山下敏成
松岡秀明、河野祐樹
越智博之、高瀬言
岩瀧智 石田可奈
第18話 XI 宮崎修治 金二星 富岡隆司 吉川真帆
第19話 横浜騒乱編 I 中本宗応 川村賢一 小畑賢 宮前真一
第20話 II 島津裕行 横田一平 野田康行 石田可奈
ジミー・ストーン
第21話 III 菅原雪絵 吉田りさこ 玉木李枝、橋口隼人 岩瀧智 吉川真帆
第22話 IV 小島正士 倉谷涼一 横田和彦、山下敏成
越智博之
富岡隆司 宮前真一
第23話 V 数井浩子 関大 金二星 岩瀧智 吉川真帆
第24話 VI 木澤行人 川村賢一 松村政輝 宗崎暢芳、平野勇一 富岡隆司 宮前真一
第25話 VII 林明偉 中津環 河田泉、香月邦夫 岩瀧智 吉川真帆
第26話 VIII 小野学 横田一平
吉田りさこ
野田康行、石田可奈 富岡隆司 石田可奈
ジミー・ストーン

放送局

放送地域 放送局 放送期間 放送日時 放送系列 備考
事前特番『第一高校入学ガイダンス』
東京都 TOKYO MX 2014年3月29日 土曜 0:00 - 0:30(金曜深夜) 独立局 リピート放送あり
栃木県 とちぎテレビ 2014年3月30日 日曜 0:30 - 1:00(土曜深夜)
群馬県 群馬テレビ
日本全域 BS11 2014年4月6日 日曜 0:30 - 1:00(土曜深夜) BS放送 ANIME+』枠
本放送
東京都 TOKYO MX 2014年4月6日 - 9月28日 日曜 0:30 - 1:00(土曜深夜) 独立局 E!TV』枠
栃木県 とちぎテレビ
群馬県 群馬テレビ
近畿広域圏 毎日放送 日曜 2:58 - 3:28(土曜深夜) TBS系列 アニメシャワー』第3部
埼玉県 テレ玉 2014年4月7日 - 9月29日 月曜 1:00 - 1:30(日曜深夜) 独立局
千葉県 チバテレ
神奈川県 tvk
愛知県 テレビ愛知 月曜 2:05 - 2:35(日曜深夜) テレビ東京系列
福岡県 TVQ九州放送 2014年4月8日 - 9月30日 火曜 2:30 - 3:00(月曜深夜)
北海道 テレビ北海道 2014年4月9日 - 10月1日 水曜 2:05 - 2:35(火曜深夜)
日本全域 AT-X 水曜 23:30 - 木曜 0:00 CS放送 リピート放送あり
ニコニコ生放送 2014年4月12日 - 10月4日 土曜 23:00 - 23:30 ネット配信
ニコニコチャンネル 土曜 23:30 更新
BS11 2014年4月13日 - 9月28日[注 9] 日曜 0:30 - 1:00(土曜深夜) BS放送 『ANIME+』枠
dアニメストア 2014年4月13日 - 10月5日 日曜 12:00 更新 ネット配信
GyaO!
バンダイチャンネル 2014年4月27日 - 10月19日

関連商品

BD / DVD

発売日 収録話 規格品番
BD限定版 DVD限定版 DVD通常版
入学編 1 2014年7月23日 第1話 - 第2話 ANZX-11301/02 ANZB-11301/02 ANSB-11301
2 2014年8月27日 第3話 - 第4話 ANZX-11303/04 ANZB-11303/04 ANSB-11303
3 2014年9月24日 第5話 - 第7話 ANZX-11305/06 ANZB-11305/06 ANSB-11305
九校戦編 1 2014年10月22日 第8話 - 第9話 ANZX-11307/08 ANZB-11307/08 ANSB-11307
2 2014年11月26日 第10話 - 第12話 ANZX-11309/10 ANZB-11309/10 ANSB-11309
3 2014年12月24日 第13話 - 第15話 ANZX-11311/12 ANZB-11311/12 ANSB-11311
4 2015年1月28日 第16話 - 第18話 ANZX-11313/14 ANZB-11313/14 ANSB-11313
横浜騒乱編 1 2015年2月25日 第19話 - 第20話 ANZX-11315/16 ANZB-11315/16 ANSB-11315
2 2015年3月25日 第21話 - 第23話 ANZX-11317/18 ANZB-11317/18 ANSB-11317
3 2015年4月22日 第24話 - 第26話 ANZX-11319/20 ANZB-11319/20 ANSB-11319

CD

発売日 タイトル 規格品番
2014年4月30日 ミレナリオ SECL-1495/6(初回盤)
SECL-1497(通常盤)
SECL-1498/9(期間生産限定盤)
2014年5月7日 Rising Hope SVWC-70001(初回盤)
SVWC-70003(期間生産限定盤)
SVWC-70005(通常盤)
2014年7月2日 魔法科高校の劣等生 オリジナルサウンドトラック1 SVWC-7998
2014年7月30日 grilletto DFCL-2074/5(初回盤)
DFCL-2076(通常盤)
DFCL-2077/8(期間生産限定盤)
2014年9月3日 Mirror SECL-1571(初回盤)
SECL-1573(通常盤)
SECL-1574(期間生産限定盤)
2014年10月22日 魔法科高校の劣等生 オリジナルサウンドトラック2 SVWC-70018

Webラジオ

魔法科高校の劣等生WEBラジオ 満開!ブルーム放送委員会
2014年4月9日から10月29日までテレビアニメ公式サイトにて配信されたWEBラジオ番組。隔週水曜日更新。同年3月23日に第0回がプレ配信された。パーソナリティは、雨宮天(光井ほのか 役)、巽悠衣子(北山雫 役)。作中用語や裏設定について作者に公開質問する「教えて!佐島先生」のコーナーがある。
ゲスト
ほのかと雫の魔法塾
テレビアニメ公式サイトにて配信された動画コンテンツ。2014年3月30日は特報(第0回)、同年4月11日 - 10月3日は第1回から第26回。毎週金曜日更新。パーソナリティは「雨宮天」、「巽悠衣子」、辻本耕志ナレーション)。公式サイトでの配信後を経て一定期間後には、YouTubeのaniplexチャンネルにて公開視聴が可能。
番組構成など
設定上では、本編の1年前にほのかと雫が通っていた「魔法塾」での出来事を描く「半ドキュメンタリー・フィクション」の予定だったが、その前提は第1話で既に崩れている。アニメに登場する魔法理論を実験を交えて分かりやすく説明するという名目で、2人がクイズや大喜利などのゲームで対決する。

ゲーム

電撃文庫 FIGHTING CLIMAX
2014年3月18日から稼働しているセガアーケード用と2014年11月13日からPS3/PS Vita用ソフト対戦型格闘ゲーム
2014夏に司波深雪(プレイヤーキャラクター)、司波達也(サポートキャラクター)の追加参戦が発表されている[71]
魔法科高校の劣等生 Out of Order
2014年12月25日発売のPS Vita用ソフト。ジャンルは戦略級の魔法対戦アクション。
魔法科高校の劣等生 スクールマギクスバトル
2014年6月10日よりMobageで配信されているソーシャルゲーム。アイテム課金制。
中条あずさ役の小笠原早紀が参加している。約1か月に1回チームの募集をしている。(毎回リセットしている)2015年6月20日で第10期のメンバーが決まっている[72]
魔法科高校の劣等生 LOST ZERO
2014年9月4日よりiPhone用とAndroid用に配信されているスマートフォンゲーム。アイテム課金制。

ニコニコ生放送

  • 「魔法科高校の劣等生」巽悠衣子×GARNiDELiA×安田レイ出演!論文コンペ壮行会SP (2014年9月6日)
  • 【出演:内山夕実巽悠衣子】「魔法科高校の劣等生 LOST ZERO」配信決定記念特番 (2014年8月27日)
  • 【出演:内山夕実&巽 悠衣子】ロストゼロ情報局 #1(魔法科高校の劣等生 LOST ZERO) (2014年10月20日)
  • 【出演:内山夕実&巽 悠衣子】ロストゼロ情報局 #2(魔法科高校の劣等生 LOST ZERO) (2014年12月11日)
  • 【出演:内山夕実&巽 悠衣子】ロストゼロ情報局 #3(魔法科高校の劣等生 LOST ZERO) (2015年01月29日)
  • 【出演:内山夕実&巽 悠衣子】ロストゼロ情報局 #4(魔法科高校の劣等生 LOST ZERO) (2015年03月25日)
  • 【出演:内山夕実&巽 悠衣子】ロストゼロ情報局 #5(魔法科高校の劣等生 LOST ZERO) (2015年05月29日)
  • 【出演:内山夕実&巽 悠衣子】ロストゼロ情報局 #6(魔法科高校の劣等生 LOST ZERO) (2015年09月05日)

備考

アクセル・ワールド
同じ電撃文庫から発売されている『アクセル・ワールド』のアニメ中(6・7・24話)でビルに『魔法科高校の劣等生』の広告がある。
「深雪の秘密がついに達也にばれてしまい……!」「発売! 最新第108巻 20… 電撃文庫」と記載されている。
ラジオ、ニッポン放送ミュ〜コミ+プラス
2014年12月9日放送にて【ミューコミプラス!ポップカルチャー大賞2014】セリフ部門にて『さすがです、お兄様!』がノミネートされた[73]

脚注

注釈

  1. ^ 2014年2月現在、1,3,5,7話を林、2,4,6話を長岡が担当。
  2. ^ なお、このコメントの時点では2編だったものが統合されて1編減少しているが、ここでは数えられていない短編集の「夏休み編+1」を数に入れると合わせて15編となる。
  3. ^ 歴史上の人物と同じ名前になってしまうということからである。
  4. ^ その任務は永久的なものでガーディアンを外れるのは、護衛対象に解任された場合か、死亡した場合のみである。
  5. ^ このことから、達也と深雪のパーソナルデータ(戸籍にあたる)上の母親は作中では2097年の正月まで明かされておらず、無頭竜や北山家ですら二人の詳細を突き止められなかった。
  6. ^ 四葉の始祖は「司馬 空哉」という人物だが、一族としての体を成したのは元造が当主となってからであるため、初代当主と認識されている。
  7. ^ 第1話 - 第3話・第10話はメカ作画監督、第4話 - 第6話はエフェクト作画監督、第24話はクレジットなし。
  8. ^ アニプレックス、KADOKAWA アスキー・メディアワークスBC、スクウェア・エニックスムービック
  9. ^ 最終回は2話連続放送

出典

  1. ^ 『魔法科高校の劣等生』2巻あとがき。
  2. ^ 『アニメージュ』2014年3月号。
  3. ^ 『ダ・ヴィンチ』2012年7月号。
  4. ^ 書籍化後は累計5000万PVも達成している。株式会社KADOKAWAオフィシャルサイト|魔法科高校の劣等生 (3) 九校戦編〈上〉”. 2013年11月5日閲覧。
  5. ^ お礼とお詫び - 佐島勤の活動報告」小説家になろう2011年12月13日
  6. ^ Web小説版『魔法科高校の劣等生』は12月一杯で削除」テンプルナイツ2011年12月14日
  7. ^ 電撃文庫『魔法科高校の劣等生』”. Twitter (2011年11月7日). 2013年10月26日閲覧。
  8. ^ 『魔法科高校の劣等生』11巻あとがき。
  9. ^ 電撃文庫『魔法科高校の劣等生』”. Twitter (2013年3月11日). 2013年10月24日閲覧。
  10. ^ 本来は書記。
  11. ^ 満開!ブルーム放送委員会 第3回(2014年5月7日放送。アニメ『魔法科高校の劣等生2014年5月7日閲覧、その後で記載内容に変更あり)
  12. ^ 満開!ブルーム放送委員会第11回より。
  13. ^ 電撃文庫『魔法科高校の劣等生』”. Twitter (2011年8月8日). 2013年10月8日閲覧。
  14. ^ 満開!ブルーム放送委員会第6回より。
  15. ^ 名前はアニメ第9話の中で登場。
  16. ^ 満開!ブルーム放送委員会第10回より。
  17. ^ 愛梨、栞はコミックス版九校戦編4巻で応援席に姿が確認できる。
  18. ^ 名前はアニメ第7話のエンドクレジットから。
  19. ^ ファミ通App「『魔法科高校の劣等生 LOST ZERO』全ユーザー待望の”零乃まやか”プレイアブル化が決定!」
  20. ^ 電撃App「『魔法科高校の劣等生 ロストゼロ』にオリジナルの新キャラ(声優:種田梨沙)が追加!」
  21. ^ 電撃文庫『魔法科高校の劣等生』”. Twitter (2011年8月18日). 2013年10月16日閲覧。
  22. ^ 第12巻P.21。
  23. ^ 港の見える丘公園跡地に建てられた超高層ビル。初出は第4巻。
  24. ^ 魔法科高校の劣等生 (1) 入学編〈上〉 2013年10月11日閲覧。
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外部リンク