魔術士オーフェン
| 魔術士オーフェン | |
|---|---|
| ジャンル | ファンタジー |
| 小説 | |
| 著者 | 秋田禎信 |
| イラスト | 草河遊也 |
| 出版社 | 富士見書房 |
| 掲載誌 | 月刊ドラゴンマガジン |
| レーベル | 富士見ファンタジア文庫 |
| 巻数 | 本編:全20巻 / 短編:全13巻 |
| ■テンプレート使用方法 ■ノート | |
| ウィキプロジェクト | ライトノベル・ゲーム |
| ポータル | 文学・ゲーム |
『魔術士オーフェン』(まじゅつしオーフェン、英称 Sorcerous Stabber Orphen)は、富士見ファンタジア文庫、TOブックスから刊行されている秋田禎信のライトノベル。また、これを原作とする漫画、アニメなどのメディアミックス作品群である。
目次 |
[編集] 概要
1994年シリーズ開始。神坂一の『スレイヤーズ』と並んで富士見ファンタジア文庫を代表する作品で、その人気から小説媒体にとどまらず、アニメ・ゲーム・漫画など様々なメディアへ展開された。また、神坂との合作で共闘したこともある。シリーズ公称発行部数は1000万部[1]。
タイトルの「魔術士」は作者である秋田の造語であるが、時折「魔術師」と間違えられたり混同されたりすることが多い。なお、これは作者が『機動戦士ガンダム』の「士」をもじったもの[2]で、黒ずくめの主人公も「連邦の白い奴」=ガンダムへのオマージュとなっている。また、北欧神話よりモチーフがとられており、出てくる用語や作内における挿話のほとんどがそれに由来する。
ライトノベルでの作品は、書き下ろし作品シリーズの『魔術士オーフェンはぐれ旅』と、『月刊ドラゴンマガジン』『ザ・ベスト・オブ・オーフェン』連載の1話から2話読み切りの『魔術士オーフェン・無謀編』の2シリーズがある。両作品とも2003年にすでに完結している。さらに、『魔術士オーフェンはぐれ旅』2巻をベースとしたコミックス『魔術士オーフェンはぐれ旅MAX』も出版された。
『魔術士オーフェンはぐれ旅』および『魔術士オーフェンMAX』はコミカルな部分もあるが全体的には比較的シリアスなストーリー展開であるのに対し、『魔術士オーフェン・無謀編』は突飛な内容のコメディである。時系列的に『無謀編』は『はぐれ旅』の旅が始まる前の物語であるが、それぞれの話はほぼ独立しており個別に読んでも問題のない構成となっている。なお、『無謀編』には1冊に一話、通称プレオーフェンと呼ばれる主人公オーフェンの「牙の塔」時代の物語が書き下ろしで収録されているが、これはどちらかというと『はぐれ旅』に近い雰囲気である。「キリランシェロ」が基礎クラスを出てチャイルドマン教室に編入された翌年(11歳時)から、宮廷魔術士に推挙される少し前(14歳から15歳頃)までの数年間のエピソードが順不同に並んでいる。
『スレイヤーズ』とのコラボレーション作品『スレイヤーズVSオーフェン』は、両作品の主要キャラクター(オーフェン側からはマギー3姉妹とキース)が異世界に召喚されて騒動を巻き起こすというもの。
短編連載誌での2000年に組まれた人気投票結果ではオーフェンが最優秀男性キャラ部門で支持を受けている。
さらに2008年9月から、作者のHPの雑記に後日談と思われる「あいつがそいつでこいつがそれで」が不定期に連載されていた。内容はキャラクターの名称が伏せられているが、『はぐれ旅』の後日談で、大陸の外に行くまでの話と考えられる。また、この原稿は富士見書房の企画で依頼されたため書き上げたが、紆余曲折の末企画が消失した[3]ため、日記を1年連続更新するための穴埋めとして使用していると作者本人が明言している[4]。
のちにこの後日談のパートに書き下ろしや文庫未収録分を追加して、TOブックスより2009年12月22日に秋田禎信BOXとして発売された。オーフェン関連の作品は、第1巻に“あいつがそいつでこいつがそれで”こと「キエサルヒマの終端」、さらにそれから数十年先の未来を描いた「約束の地で」「魔王の娘の師匠」が、第3巻に『-まわり道』および公式サイトでの投票で執筆が決まった「魔術士オーフェン 往時編 怪人、再び」が収録されている。
2011年秋、「キエサルヒマの終端」を9月、「約束の地で」を10月にそれぞれ単行本で発売し、11月に完全新作「原大陸開戦」を発売予定。さらに富士見ファンタジア文庫で刊行された全20巻を新装版として、9月から毎月、全10巻で発売予定。
同年冬発売予定のプレイステーション・ポータブル用ゲーム「ヒーローズファンタジア」(バンダイナムコゲームス)に参加予定。
[編集] シリーズ概要
- はぐれ旅
- 全20巻中、前10巻が西部編、後10巻が東部編と呼ばれる。それぞれキエサルヒマ大陸の東部と西部が舞台になっており、作風にも変化がある。西部編では明るめな雰囲気で話が進み、東部編では「絶望」をテーマの一つとした、暗めの雰囲気でキャラクターの精神面に焦点を当てた話が続く。
- 西部編
- トトカンタの宿屋で非合法の金貸しを営む魔術士、オーフェン。ある日いつものように宿で眠っていると、顧客である地人ボルカンに金儲けの話があるからと叩き起こされた。あまりアテにならない話だが仕方なく、彼はボルカンに連れられとある富豪の屋敷へやって来る。と、そこでオーフェンは一本の剣、そして異形の魔物の姿を目にすることになる。それは紛れも無く、5年前のあの日に行方をくらませた「彼女」の姿だった…。
- 東部編
- キムラックでの一件が終り、再び姉を捜してあての無い旅に出発したオーフェン。その行く先にはなぜかドラゴン種族が現れ、ドラゴン種族の「聖域」のエージェント「ドッペルイクス」であると名乗る。そして、聖域に対抗しているという「最接近領」の領主なる人物が現れて…。
- 無謀編
- モグリの金貸し魔術士オーフェンは今日も今日とて日々の糧を得て顧客ボルカンから金を取り立てようと様々な儲け話に飛びついていく。そんな日々の中で彼は派遣警察の捜査官であるコンスタンス・マギー(コギー)の訪問を受ける事になる。自分が非合法の金貸しであるが故に逮捕されるのかと驚くオーフェンだったが、彼女はある放浪の凶悪犯を追ってトトカンタに来訪し、その凶悪犯を知るというオーフェンに協力を求めてきたのだった。そしてオーフェンはコギーを交えた破滅的ドタバタの日常に巻き込まれていく。
- プレオーフェン
- 「牙の塔」の最エリート教室であるチャイルドマン教室。教師も7人の生徒も皆個性が強く、毎週のように騒動を引き起こしている。まだ幼さの残るキリランシェロや、その他の面々の日常(騒動含め)を書き下ろしエピソードで描く。なお、「プレオーフェン」は、チャイルドマン教室の各短編群に作者自身が名づけ、あとがきや日記で作者自身が多用している総称であるが、各話タイトルとしては「○○編」(+サブタイトル)で、「○○」には毎回別の言葉が使われているものであり、正式タイトルとして「プレオーフェン」と冠している作品は存在しない。
- まわり道
- はぐれ旅西部編の途中に当たる時間軸での番外編である。まさに『オーフェン達が「まわり道」をした』といえる内容の短編である。
[編集] 世界観
魔術士オーフェンは魔術が実在するファンタジー小説だが、一般的な「剣と魔法」的な世界観とはかなり違っている。一般人は現実の近代のようにスーツやTシャツなどに身を包み、一部を除いて剣などを持ち歩くことは殆ど無い(市街地での剣の所持には警察等への届出が必要という設定)。大都市には近代的な水道が整備され、高層建築物も数多く作られるなどその文化的・科学的水準は高い。主な照明はガス灯である。貨幣制度も発達しており、キエサルヒマ大陸の何処でも価値が変わらない金貨や銀貨と、地域や塩の相場で価値の変動するソケット(ソルト・チケットの略)紙幣が流通している。蒸気機関もほぼ実用段階に達しており、国家機密であるとされているが発電機も実用化されているらしい。実験段階で性能・信頼性は低いが拳銃などの銃火器も製造されている。
また、この世界において、魔術は重要な要素となっているらしく、喫茶店の氷の作成から医療の最終手段まで幅広く利用されている。そのため、魔術士の社会的地位は高く、最優秀の能力の持ち主なら王宮にさえ勤務できる。ただし、かつては魔術士に対する偏見が横行して「魔術士狩り」が行われた時代(約200年前)もあり、現在でも地域によっては宗教上の理由などにより魔術士が迫害される事もある。
[編集] 登場人物
声に関しては、過去に声が付いたテレビアニメ版(1作目及びRevenge)・オーディオドラマ版(無謀編及びスレイヤーズVSオーフェン)・PS2用ゲーム版において担当した声優名を記載
[編集] 主人公一行
- オーフェン
- 声 - 森久保祥太郎(全メディア版共通)
- 本作の主人公。20歳。元「牙の塔」の魔術士。本名はキリランシェロ・フィンランディ(ただしこの世界では姓をなのるには不動産を所有している必要があるため、両親の死後不動産を持たない彼はキリランシェロが正式な名前と言える)。両親は生まれてまもなく死亡しており、孤児院で育った後「牙の塔」に入学。やがて最強の魔術士を集めたチャイルドマン教室に所属し、戦闘技術、中でも暗殺技術を叩き込まれ、「サクセサー・オブ・レザーエッジ(鋼の後継)」という二つ名で呼ばれる程のエリート候補生になった。「アーティスティック・バトル・アスリート(戦闘芸術品)」とも。15歳の若年で宮廷魔術士「十三使徒」に推挙されるが、審問に失敗。その直後、ある事件が元で自ら「牙の塔」を離反、以後オーフェンを名乗り、様々な場所と職を転々としてトトカンタに流れ着く(この時点でのトトカンタでの物語が『無謀編』である)。更にトトカンタでアザリーと再会したことをきっかけに、クリーオウやマジクと共に再び各地を転々とする事になる(ここからが『はぐれ旅』の物語)。尚、塔を出奔してからトトカンタへ流れ着くまでの経緯が描かれた物語が『無謀編』に存在する。
- オーフェンとは「牙の塔」離反時に「僕は孤児(オーフェン)だ!」と叫び、つけた偽名である。また、正確には孤児「オーファン」の綴りは「Orphan」だが、「オーフェン」の綴りは「Orphen」である。元は「オーファン」として提出、以後編集者との話し合いで「オーフェン」に直されたことがファンブックにて語られている。
- 黒髪黒目、更には全身黒ずくめの服装と、とにかく黒を好む(黒魔術士の習性、とは本人の弁)。性格は「キリランシェロ」時代とは正反対で、乱暴で短気でガサツで大雑把、何かにつけて暴力を振るう傾向にある。ただし完全に暴力的な訳ではなく、軽口叩きながらも人助けをしたり正義感は強い方で仲間のピンチにはすぐに駆けつけるなど人情には厚い。「キリランシェロ」時代は、素直で二人の姉に振り回され続けているような性格だったため、イールギットなどその頃の知り合いにキリランシェロである事に気付いてもらえなかった事もあった。
- 魔術士として仕事をすると身元が割れるため非合法(モグリ)で金貸しを営んでいるが、業績はほとんど上がらず、金には常に困っている。そのため月一回の缶詰爆安市は生命線。彼にとってこれまでで最高の贅沢とは「特売日を逃したために通常値段の桃缶」らしい。
- ピアノが弾けるが、いつどこで習い覚えたかは作者にも謎。
- 工作も得意らしく、『無謀編』では時々、レンガやテーブルを破壊するほどの威力のある鉄球を発射する「エドゲイン君1号」や、ダイアン部長刑事の発注による「無能な部下を怪我させずにいたぶる」為の器具「ボンバー君」1~7号などを製作している。
- 猫好き(作者も大好き)。
- 後日談として描かれた物語では天人種族の遺産の無断使用、聖域と接触して壊滅させた罪、大陸結界の破壊等の罪により歴史上最大の罪状により王権反逆罪の賞金首になる。貴族連盟の殺し屋に追われながら魔王オーフェンとして名を広め、結界消失後のキムラック大崩壊において派遣警察を撹乱して教主や死の教師を救助などにより王権反逆罪を重ね、最終的に信仰の拠り所を失ったキムラック教徒たちといっしょに大陸の外に出ていく。新大陸の開拓に成功し、そこでの実質的な最高権力者となっているが、新天地での諸問題には頭を悩ませている。オーフェン・フィンランディと名乗り、クリーオウとの間に三人の娘をもうけている。
- キャラクター造形のモデルは、マーガレット・ワイス『ドラゴンランス』のレイストリン。
- クリーオウ・エバーラスティン
- 声 - 飯塚雅弓(アニメ版・ゲーム版)
- 金髪碧眼の少女。17歳。商業都市トトカンタに在する豪商・エバーラスティン家の末娘。興味本位でオーフェンたちについてくる。
- 商家のお嬢様だが、姉のマリアベルと同じ学校に通うのが嫌で一般市民と同じ学校に通い「戦争クラブ」に所属していた。そのため剣の技術には覚えがあるらしく、何かと剣を持ちたがるが、この時点では、技術的には素人よりも多少腕が立つ程度である。(主に剣を持って)無茶な行為をするが、その行為が必ずしもマイナスになるかというとそうでもなく、寧ろ窮地の自身やオーフェンを救ったりしている事もある。性格はオーフェン曰く「じゃじゃ馬・我がまま・世間知らず・刃物無しにはベッドに入れない猟奇娘」。前髪が2対の渦巻き状になっているという特異なロングヘアであり、「渦巻きから光線を出しそうだ」とも言われたことがある。性格とは裏腹に料理やベッドメイクなど家事は得意であるが、なぜかオーフェンたちに料理を作ると材料を台無しにしてしまう。マンガ版『はぐれ旅』4巻以降、ディープドラゴンのレキを頭に乗せていることが多い。
- 『はぐれ旅』の最後に療養のため入院し、オーフェンと別れる。しかし、彼に会いたい一心でレティシャに一年間師事し、彼を追って一人旅立ち、困難を乗り越えて再会を果たす様子が後日談で描かれた。その想いは報われて、オーフェンと結ばれ、三人の娘と幸せに暮らす様子が描かれている。
- 『魔術士オーフェンはぐれ旅』『魔術士オーフェン回り道』に登場[5]。
- マジク・リン
- 声 - 南央美(全メディア版共通)
- オーフェンがトトカンタにて間借りしている宿屋「バグアップズ・イン」の亭主バグアップの一人息子。
- 14歳と半年。稀に見られる、貴族の血を引かない金髪碧眼の美少年である。
- 『はぐれ旅』ではオーフェンの弟子として魔術を習い、オーフェンを「お師様」と呼ぶ[6]。一種異常なほど魔術の素養があり、全くの素人であったにもかかわらず2巻冒頭においてすでに魔術を使用しており、さらに同巻終盤ではオーフェンをも上回る威力の魔術を放っている。しかし制御の未熟さ故に魔術のダメージの一部が自分に跳ね返ったり、極端に衰弱して指1本動かせなくなるなどの危機に陥る事も多かった。はぐれ旅終盤には制御に問題もなくなり一人前の魔術士として認められたものの、多感な時期なためか悩みはつきない。
- 日常を送っていた『無謀編』では変人に付きまとわれたり襲われたりすることも多く、友人も殆どが変人ばかりである。上級生の女子から大量にラヴレターを貰ったりとペット感覚で人気があった模様。クリーオウとはクラスメートで部活も同じ「戦争クラブ」に所属している。彼女が不機嫌な時のストレスのはけ口は大抵彼である。
- 『はぐれ旅』の終盤、無事オーフェンの元から卒業しイザベラの正式な弟子となる。任務を終えたのちオーフェンを尋ねて新大陸へと向かい、表向きは魔術学校の教師として落ち着く。本職は魔術戦士として騎士団に所属しており、実力はオーフェン自身も認める騎士団最強と言われるまでの使い手に成長。 オーフェンの娘ラッツベインを弟子に持つ。ラッツベインには(実力を見せていないこともあり)「よわっちさ満点で頼りない」と認識されている。
- また、その任務において悪魔的な活躍をしたことやオーフェンの弟子であったことが周知の事実になって以降「ブラディバース」や「魔王の弟子」と呼ばれるようになっている。
- ちなみに彼の目が緑色であることは、何の伏線でもないことが作者HPによって発表されているが、後日談で判明した母親の正体から半分人間ではない可能性が浮上。
- レキ
- 声 - 吉田古奈美(現 吉田小南美)(アニメ版・ゲーム版)
- フェンリルの森に生息するドラゴン種族の1種、ディープドラゴンの子供。見た目は小型犬そのものだが、強力な魔術を操ることができる。なぜかクリーオウになついており、彼女の気まぐれのままに魔術を放つため、オーフェンやマジクはいつも脅威を感じている。終盤の物語のキーパーソン。
- クリーオウの頭の上が所定の位置。
- 『魔術士オーフェンはぐれ旅』『魔術士オーフェン回り道』にて登場。
[編集] キーキャラクター
- アザリー
- 声 - 篠原恵美(アニメ版)
- オーフェンの義理の姉。レティシャとは従姉妹。孤児院で共に生活していたため、牙の塔時代はキリランシェロと3人で事実上の姉弟のような関係にあった。フルネームはアザリー・ケットシーだが、不動産を所有する者にのみ家名を名乗る事が許される為、姓を名乗る事は無い。くせのある髪にブラウンの瞳、性格は基本的に大雑把。通称「天魔の魔女(ウィッチ・ケイオス)」。チャイルドマンからは天人種族の遺産について学ぶ。彼の個人的なエージェントとしての役割も勤めていたらしい。チャイルドマン教室随一の魔力を誇り、黒魔術士であると共に白魔術士でもあり、ある意味ではチャイルドマンさえも越える才能を持つ。アザリー以外に黒魔術と白魔術両方を扱うことのできるキャラクターは登場していない。ある事件により異形の姿となり、行方不明になる。
- なお『プレオーフェン』では、他人の恋路にちょっかいを出して邪魔したり、他愛の無い喧嘩で牙の塔を半壊させるなど、かなり強烈な暴走キャラクターとなっている(しかし『はぐれ旅』ではある意味でよりスケールアップしていると言えなくもない)。レティシャとの「定例姉妹喧嘩」は、周囲の恐怖の種となっていた。
- レティシャ・マクレディ
- 声 - 三石琴乃(アニメ版)
- オーフェンの義理の姉。腰まである長髪に黒い瞳。性格は神経質で潔癖症、アザリーほどではないが時々暴走する。チャイルドマンからは(主として戦場での)戦闘技術を学ぶ(しかし、その気性から戦場に立つことはないだろうと評されている)。チャイルドマン教室内でもアザリーと並ぶ実力の持ち主で、「牙の塔」時代はアザリーとたびたび諍いを引き起こしては校舎に大きな被害を出していた。ヒステリーを起こすと魔術(魔力)が暴発する悪癖があり、周囲に無差別に魔力を撒き散らす事から「死の絶叫(キーニング)」との通称がある。作中では「ティッシ」という愛称で呼ばれることが多い。『はぐれ旅』ではタフレム市に自宅を持ち、2人の弟子と、キリランシェロが昔飼っていた猫と同居しながらキリランシェロとアザリーの帰りを待っていた。後日談ではクリーオウを鍛え上げながらもフォルテとの間に子供をつくり、後に結婚。最終的には一男一女の母となる。
- 名前はロス・マクドナルド『さむけ』の同名人物から取られた。
- チャイルドマン・パウダーフィールド
- 声 - 中田譲治(アニメ版)
- 「牙の塔」教師にして大陸最強の黒魔術士であり、暗殺者。過去の経歴のほとんどが謎に包まれており、物語の鍵となっている。チャイルドマン教室を組織、7人の生徒に自分の技術・知識を一つずつ授けるが、その教え方には後に作中で疑問が呈されており、オーフェンは自らを含めチャイルドマン教室のメンバーを「鳴けない小鳥」と喩えた(殺せない暗殺者、戦えない兵士、腹心で納まらない補佐、冷静でいられない指揮官)。元々鉄面皮で必要でない事はあまりしゃべらない寡黙な性格だが、「プレオーフェン」では時々お茶目な姿も見せた。
- 彼の出自については本編中で徐々に明らかになってゆく。
- シスター・イスターシバ
- 「天人種族」最後の一人で、指導的立場にあったらしい。故人。チャイルドマンと関係があり、それは彼の名の由来とともに本編中で明かされる。
- ロッテーシャ・クリューブスター
- ナッシュウォータ市で剣術競技の道場を開いている女性。伝説の剣客ビードゥー・クリューブスターの一人娘であり、彼の遺した魔剣「フリークダイアモンド」を持っている。クリーオウと同い年だが剣の腕は一流。
- ダミアン・ルーウ
- 最接近領領主に仕える白魔術士。肉体を捨てて久しい精神士であり、オーフェン曰く「大陸でももっとも優れた魔術士のひとり」。
- 物語終盤より登場し、オーフェン・フォルテ・レティシャ・アザリーらとも幾度か戦うことになる。
- アルマゲスト・ベティスリーサ
- 「最接近領」の「領主」。物語の鍵を握る人物。魔王信仰者とも。作中で出会いは明かされてないが、コルゴンの知人で依頼者。
[編集] 地人
- ボルカン
- 声 - 伊倉一恵(全メディア版共通)
- オーフェンの営むモグリ金融業の不良債権顧客。大陸の南方にある地人領マスマテュリアに住む「地人」種族の一人だが、家出して大陸を放浪しているらしい(この際、弟・ドーチンを無理矢理巻き込んだ)。自らをボルカノ・ボルカンと呼称するが、地人には家名というものが存在しないため、本名はあくまでボルカンである。自称「マスマテュリアの闘犬」。オーフェンは「福ダヌキ」と呼ぶ。種族に共通する寸胴3等身の体はとにかく頑丈で、オーフェンの放つ攻撃魔術を受けても並大抵のものならものの数秒で復活できる。因みに物質崩壊を受けても燃え残った。
- 禁止区域でゴミあさりや焚き火などを行い、そのまま放浪したため、コギーに追われる事になる。が、本人たちに犯罪の自覚はナシ。『はぐれ旅』ではオーフェンから逃げるために更なる放浪を続ける事に。
- なまくら剣を振りかざして(大概は借金帳消しの目的で)オーフェンたちに立ち向かうが、いつも悲惨な目に合わされている(全て自業自得だが)。それでも『無謀編』では、借金を返す代わりにオーフェンに実入りのある仕事を紹介しようとしていたが、その全てが非合法なものや危険なもの、当てにならない一攫千金的なものであった。ちなみに逃げ出す直前、最後にオーフェンに紹介した仕事はエバーラスティン家(つまりクリーオウの実家)への結婚詐欺であり、全くもって救いようが無い厚顔無恥。
- 常に「○○で~~し殺す」という脅し文句を叫ぶ。また、弟であるドーチンの忠告を「黙れ!」と怒鳴って一蹴する為、最終的にオーフェンからのお仕置きを喰らう羽目になる。
- ドーチン
- 声 - 椎名へきる(全メディア版共通)
- ぶ厚いメガネがトレードマークの、ボルカンの弟。兄の家出に無理矢理付き合わされた挙句、共にオーフェンの放つ魔術の巻き添えで吹っ飛ばされて泣きを見る、このシリーズには数少ない薄幸の良識人。
- 読書家で勉強家。しかし、それが幸福に結びつかないのは、やはり周囲の劣悪な環境のせいと思われる(少なくともボルカンのせいである事は明らか)。ボルカンのオーフェンからの借金のせいで、兄によって強引に放浪の旅をする羽目に。
- ボルカン同様、地人であるため体は頑丈。そのため、兄と共にオーフェンの各種実験台にされてしまう事が多々ある。
[編集] 牙の塔
[編集] チャイルドマン教室
- フォルテ・パッキンガム
- チャイルドマン教室の教室長兼・教師補を勤める。アザリー、レティシャと同期。非常識が集まるチャイルドマン教室の中で比較的常識派。チャイルドマンからは「チャイルドマン・ネットワーク(魔術を利用した情報網)」の管理技術を学ぶ。「キリランシェロ」時代のオーフェンやハーティア、コミクロンらにとっても頼れる先輩でもあった。鉄面皮を装っているため冷徹な人間に見えるが、キリランシェロを同盟反逆罪から庇う為に尽力したり、塔に残ろうとしたマジクを諭したり、こっそり学生時代のハーティアの恋の手伝いをする等、意外に優しい一面も見せる。オーフェンによれば、外面に反して内面の冷静さに欠けていることが欠点であり、その様は「ケーキを前にして我慢できない子供のようなもの」と評された。『はぐれ旅』では「牙の塔」の内紛抗争に関わっており、アザリーと共謀してオーフェンを利用、対抗勢力を一網打尽にするなど策士的な面を見せる。オーフェンは作中でマジクに対して二度、「牙の塔に入るならチャイルドマン教室のフォルテ・パッキンガムを師に選べ」と指示している事から、オーフェンからの信頼は厚かった模様。
- 後日談ではレティシャと結婚し(法的な籍などは入れていない)、オーフェンのキエサルヒマ大陸への帰還時のメッセージを受け取り、息子をオーフェンの元へと送り込む。
- ユイス・エルス・イト・エグム・コルゴン
- 牙の塔時代のオーフェンの先輩の一人でアザリーらの後輩。教室では主に「コルゴン」と呼ばれる。任務ごとに別の名前を使い、それらを付け足したものがこの名前である。『はぐれ旅』作中でさらに幾つか付け足された(表記は牙の塔時代の物)。魔術発動のための呪文はオーフェンと同じである。他人の都合は斟酌せず、自分の都合だけで動いているような、かなりのエゴイスト。そのため「迷惑来訪者(ナイト・ノッカー)」の二つ名を持つ。作者によれば「単なる天然」。同期のコミクロンとはなぜか気があっていた様子で、彼がいなくなった後は牙の塔を出奔した模様。在籍中も塔から長期に渡り姿を消す事が度々あり、放浪癖があると言われていた。チャイルドマンから学んだものは、キリランシェロと同じく「殺す技術」であるが、コルゴンの場合は非公式であり、彼に近しい者にしかそれは知られていない。魔術士としての能力は極まっており、アザリーをして「完璧」といわしめたほど。しかし魔術を行使する事が作中においても少なく、魔術よりも剣や銃器を使いこなす。「魔術士でありながら魔術士ではない」とオーフェンは評した。寡黙で何を考えているか解らない性格ではあるが、オーフェンやアザリー、レティシャらを「家族」と呼び、自分の問題には巻き込みたがらなかったりする等、人間らしい情緒も持ち合わせている。ちなみにアニメ版ではチャイルドマンの持つ写真に、チャイルドマン教室のほぼすべての人間が写っているがコルゴンのみ写っていない(アニメ放送時にまだ、原作に出ていなかったからだろうが)。
- 本編最終章で思惑の違いからオーフェンと対立することになり、さらに後日談ではその件から来る自身の怨恨と、未だ残っていた貴族連盟との縁故からか、「魔王」の暗殺指令を受けてオーフェンの元へと向かう。
- オーフェンとの一騎打ちでは相打ちに倒れたが、その後校長となったオーフェンの下で騎士団の隊長を務めており、物語本編および後日談では描かれなかった部分で和解したと思われる。
- コミクロン
- 牙の塔時代のオーフェンの先輩の一人。「プレオーフェン」および『はぐれ旅』第1巻でのみ登場。男だが伸ばした髪を二本のお下げに結っている。常に白衣を着用。人の話をまともに聞かない傾向があり、性格的には作者いわくボルカンにそっくりである。コルゴンと同期で、彼を「助手」と称して怪しげな作業の手伝いをさせていたようだが、作中ではキリランシェロやハーティアともよく絡んでいた。医療技術(治癒魔術)に長け、レティシャやアザリーが巻き起こす騒動でキリランシェロらが怪我を負っても何とか無事だったのは少なからず彼の功績にもよると思われる。「人造人間」と称してよく解らない機械(傍から見るとガラクタの塊)を作り出し、その実験台としてキリランシェロと戦わせる等、自ら騒動を起こす事もしばしば。『はぐれ旅』ではとある理由から、チャイルドマン教室のメンバー中最も不遇であると言われる人物。レティシャに想いを寄せている。
- ハーティア
- 声 - 置鮎龍太郎(アニメ版)
- オーフェンと同窓にあたる魔術士。赤毛とそばかすが特徴で、『プレオーフェン』では女好きの一面をもつ。反面、振られるのも非常に早い。ひょんな事から入手した天人の遺産(マスク・マント・鎌の3つ1セットのもの)を身にまとうことで戦闘能力が向上し、飛行することも可能。これによって変装したときは「夢魔の貴族(ナイトメアブラッド)・ブラックタイガー」を名乗るが、エビの名前であるとドーチンに指摘されたことから、他のキャラクターからは「エビ男」と呼ばれてしまう。
- エリートであり高い能力を持つが、オーフェンが出奔した後は成績が急降下、なんとか大陸魔術士同盟トトカンタ支部に勤務する仕事を得る。オーフェンの行動によって人生が変わった人間の一人。そのことからオーフェンに対して複雑な感情を持つ。『無謀編』には彼の部下が登場するが、彼本人は登場しない[7]。チャイルドマンからは「チャイルドマン・ネットワーク」の管理の補佐(「ゴースト」の排除)の為、「行動と感情を切り離す」技術を学ぶ。しかしオーフェンによると自己顕示欲の強いところがあり、決して補佐では収まらないことが欠点とされる。
- 後日談ではそのオーフェンの指摘と懸念通り、聖域の解体に伴う壮大な混乱の中、トトカンタ支部において子飼いの勢力を纏めあげ魔術士同盟に一大派閥を作り上げる。
- 周囲からは混乱期を利用してのし上がった悪人とすら蔑まれている評価のようだったが、オーフェン自身や、牙の塔において派閥をもつフォルテからはそう思われてはいない様である。
- アニメ版では「エビ男」としてコミカルな面が強調された。アニメ版のブラックタイガーは子ども向け絵本の中のキャラクターであるという設定のため、ハーティアの「エビ男」は憧れから来る単なるコスプレと設定されており、天人の遺産とは全く関係が無い。
[編集] その他の教室など
- ウオール・カーレン
- 暗殺技術に長けたウオール教室の教師。キリランシェロを「牙の塔」へと導き、彼がチャイルドマン教室にはいるまでに暗殺術の基礎を叩き込んだ師。「牙の塔」の内部抗争においてフォルテ、ひいてはチャイルドマン教室と対立する。
- オーフェンは彼を「牙の塔最強の暗殺者」と呼んだが、当人は「真に最強の暗殺者は他にいる」と自嘲していた。
- ミラン・トラム(通称:ハイドラント)
- ウオール教室出身の魔術士。顔半分を覆う酷い傷跡がある。オーフェンと同年代だが、「牙の塔」最高執行部に名を連ねている。オーフェンとは過去の因縁がある。ハイドラント(消火栓)の通称の由来は「どこにでもいる」ことから。この世界でも消火栓は完備のようである。
[編集] 十三使徒
- プルートー
- 十三使徒の筆頭。「王都の魔人」の異名を持つ。当時キエサルヒマ大陸でも、魔術士同盟の派閥としては最大だった牙の塔ではなく、王都の貴族連盟旗下の組織である十三使徒で育てられ、牙の塔のチャイルドマンに並ぶ天才的な魔術士として名を馳せた。
- 本編では終盤、貴族連盟の意向を無視して指揮下の十三使徒を引き連れ最接近領へ突入、その途中でオーフェンに接触。オーフェン自身をチャイルドマンの後継者として認め、一時的に行動を共にする。
- 聖域の解体に伴う混乱の中、前述した「貴族連盟を無視した行為」を王権反逆罪と認定され、一転して王都から追われる身となり、大陸魔術士同盟の本拠でもある牙の塔へ亡命のような形で逃げ込む事になる。
- 後日談では壮年を向かえており、その微妙な立場から牙の塔の教師職ではあるものの教室を持つことは許されず、見習い魔術士の訓練教官をしている。
- フォルテの息子と共に魔術士学校の校長となったオーフェンの下を尋ねた際には、オーフェンから教師として招聘したい旨を告げられるが断った。
- マリア・フウォン
- 元「牙の塔」教師。チャイルドマンの同僚で、彼をライバル視する優秀な女性黒魔術士。かつては「天魔の魔女」と称されており、これが後のアザリーの二つ名と同じである理由は、やはりマリアがアザリー同様、下の世代にとって天才的かつ魔女のように厄介な人物であった為。『プレオーフェン』に時々登場する。後に「十三使徒」所属となり、イールギットらと共に本編終盤にも登場する。
- イールギット・スィートハート
- 女性黒魔術士。「牙の塔」ではマリア・フウォン教室の生徒で、師と共に「十三使徒」に移籍した。アザリーやレティシャと何かにつけて張り合い、大抵は負けていたらしい。かつてキリランシェロに気があったようだが、再会した時、変わり果てたオーフェンが同一人物だとはレティシャに指摘されるまで全く気づかなかった。
- 「はぐれ旅」では物語終盤より、オーフェン一行と衝突あるいは共闘しながら最接近領へと侵入し、アザリーの伝言をオーフェンに伝えた。
- イザベラ
- 女性黒魔術士。「牙の塔」ではマリア・フウォン教室の生徒で、師と共に「十三使徒」に移籍し、教師補となっている。
- 後にマジクを弟子として迎え、育てたことがはぐれ旅最終話および後日譚で明かされている。
[編集] 死の教師
- サルア・ソリュード
- フェンリルの森でオーフェン達が出会う「死の教師」。大陸に8振りしかないガラスの剣を持つ死の教師の中で、オレイルから直接剣術の師事を受けた剣の達人である。「骨ごと粉砕することで戦闘能力を奪う」という持論から、厚刃の剛刀を好み「コイツ(ガラスの剣)があればクオにも負けない」と自負する。
- お調子者に見える事もあるが、それは表面上だけの話であり内では自分なりの考えを持っている。尚、年齢は23歳のはずなのだが、実年齢より老けて見られる事が多い。作中では主にクリーオウにおっさん臭いと連呼されて涙していた。また、出番の割に読者からの人気は高い。
- 後日談ではキムラック難民を纏めあげる為にオーフェンと共に東奔西走し、さらにその後日ではラポワント市の市長に納まっている。オーフェンらとの交流も未だある様子。
- メッチェン・アミック
- 遺跡盗掘団の女リーダーとしてオーフェンの前に現れる「死の教師」。
- 純粋にキムラック教会を支持している。戦闘技術には非常に長けており、実戦経験も豊富。しかし、うわべだけの仲間の死にすら心を痛めるほど心優しい性格でもある。剣に対する持論からガラスの剣は使用せず、自前の剣を愛用する。年齢が近いこともあるのか、サルアとは死の教師内では一番息が合うらしい。
- 後日談ではサルアと共にオーフェンに招聘され、キムラック教徒や難民らから選抜した、開拓民護衛団の団員の養成にあたる。
- カーロッタとの闘いで負った傷が元で、右腕の筋力を損ない戦闘はできなくなった。
- ドラマ『ツイン・ピークス』に同名の女優が出演していたので、ここからの命名と思われる。
- ネイム・オンリー
- 「死の教師」メンバーの1人で最年少。クオの実子。
- 自身を魔術士と偽ってオーフェンに接触するが、その正体は、薬物を使用して能力を強制的に高めた狂気の暗殺者であった。教会を守るためオーフェンと対峙し、その結果オーフェンに強烈なトラウマを与えた。
- クオ・ヴァディス・パテル
- 「死の教師」の首長にして、最強の暗殺者。
- キムラックに侵入したチャイルドマンを、サルアの剣の師であるオレイルと共に退けたとされている。星の紋章(ムールドアウル)の剣・イフリートの鎧といった天人種族の遺産を解析し、使いこなす。その解析技術はアザリーでさえ感嘆したほど。
- カーロッタ・マウセン
- 死の教師の一人。作中では目立った立場ではなかったが、サルアの兄ラポワントを殺害し、クオの後釜に納まる。主に暗器を使用し、戦闘力は極めて高い。
- オレイル・サリドン
- 引退した死の教師。サルア・ソリュードに剣術を教え、クオ・ヴァディス・パティルと共にチャイルドマン・パウダーフィールドを退けたと言われる暗殺者。引退した直接の原因はチャイルドマンと闘った際の負傷。その時チャイルドマンが振るったナイフは彼からサルアへ、そしてサルアからオーフェンへと受渡された。
[編集] 無謀編
- コンスタンス・マギー
- 声 - 飯塚雅弓(無謀編ラジオドラマ版・ゲーム版)、高橋美佳子(スレイヤーズVSオーフェン版)
- 通称コギー。派遣警察官。ボルカンを追ってトトカンタにやって来て以降、住み着いている。マギー三姉妹の次女で、父親は商都アーバンラマの蒸気王フレデリック(故人)である。子供と見まがうほど小柄童顔で、長い黒髪をいつも頭の後ろでシニョンの形にまとめている。いわゆる管轄を超えた大陸捜査権を持つエリート警官なのだが、そうとは思えないほどドジである。ダーツが武器だが犯人への的中率は0%に近く、必ずと言っていいほど味方や一般市民に命中。遅効性の神経毒が塗られていて大騒ぎになった事もある。別名「無能警官」。その「活躍」ぶりから、作中で二等官から三等官へと降格になった。これ以外にもオーフェンや上司のダイアン部長刑事に片っ端から不名誉なあだ名をつけられ続けている(珍妙な登場人物の多い無謀編の中では、比較的常識的ではあるが)。
- どうやら、ペーパーテストのみで地位を得た典型的文官僚タイプらしく、実地は全くできない。しかしデスクワークも苦手で、軽犯罪者に誤って重罰を課しそうになった事もある。運動音痴で体力は無いはずだが、ボルカンらと共にオーフェンの魔術を喰らってもなぜか大した怪我を負わない。トトカンタ市内に下宿しているが、利便的な理由でバグアップズ・インに泊まっている事もある。
- 捜査の手伝い(実際はほぼ100%オーフェン任せ)や自分のミスの尻拭いのため、オーフェンを利用しようとすることもあるが、利益になるどころか墓穴を掘っている事の方が多い。
- 「無謀編」にて、まだ登場していなかった第1巻の「てめぇら、とっとと金返せ!」「とにかく一回死んでこい!」および、最終巻の「これで終わりと思うなよ!(前後編)」、「そこまで責任持てねえよ!」を除く全ての話に登場。サブキャラの中ではダントツの登場回数を誇る。但しラシィが登場する回では、物語前半で早々かつ強引に退場させられてしまう事が多い(最も早い時は、冒頭一ページ目で魔術に吹っ飛ばされ退場)。顔見せ程度でも毎回登場していたのは「せっかく今まで皆勤賞なんだから」という作者の意図であり、作者自身もあとがきで「コギーとラシィが絡む話を考えればいいのに」と自省はしていたようである。
- 「キエサルヒマの終焉」では派遣警察を辞め、既婚者となって登場。夫の姓を加えた名であるコンスタンス・マギー・フェイズを名乗り、実質オーフェンが指揮する開拓団実働班の警備団長として技師の夫と共に開拓プロジェクトに参加する。
- 名前はロス・マクドナルド『さむけ』の同名人物から取られた。
- ボニー・マギー
- 声 - 大原さやか(無謀編ラジオドラマ版・スレイヤーズVSオーフェン版)
- 通称ボギー。コギーの妹。栗色の髪でお嬢様口調、言動は基本的に無責任。初登場時はコギーと対立しており、オーフェンを彼女のボディーガードと勘違いしてまとめて葬り去ろうとするが、なぜかオーフェンに惚れてしまい、オーフェンの住む宿屋でウエイトレスとして働きつつ彼につきまとうことになる。コギーと一緒になってオーフェンの駄目人間ぶりを口に出す事も多く、時に本当に惚れているのか疑問となる程容赦が無い。あの手この手の嫌がらせや罠の設置が得意だが、効果はいつもいまいち。しかし非常に執念深く、懲りるという事を知らない。時々オーフェンをも凌ぐほどの身体能力を発揮することがある。ホーロー鍋でオーフェンの魔術をはね返したこともある。
- ドロシー・マギー・ハウザー
- 声 - 斎賀みつき(スレイヤーズVSオーフェン版)
- 通称ドギー。マギー家長女。アーバンラマ在住のキャリアウーマン。時折トトカンタの妹達を訪ねてくる。夫であるエドガー以外に「ドギー」と呼ばれることを嫌う。咥えタバコに小柄なスーツ姿、針金を束ねた様なロングストレートという姿だが、オーフェンを上回る格闘能力の持ち主。アーバンラマ市のカーマディ&フレデリック工房の代表であり、強引に自分のビジネスにオーフェンを引っ張り込み、鉄砲玉のような役割をさせる粗暴と理不尽の塊。しかし、その真の恐ろしさは夫と共にいる時に発揮され、その「威力」はオーフェンを半日以上行動不能に陥らせ、コンスタンスは「マギー家とフレデリック家の両親が早逝したのはあの夫婦のせいだ」と評した程である。ボニーに至っては「姉が夫と一緒に訪ねてくる」という話を聞いただけで卒倒する。
- 『スレイヤーズVSオーフェン』で妊娠している事が発覚する。同作で最強のキャラクターの一人。「キエサルヒマの終焉」においては開拓団のプロジェクトリーダー兼スポンサー。
- キース・ロイヤル
- 声 - 緑川光(無謀編ラジオドラマ版・ゲーム版)、竹若拓磨(スレイヤーズVSオーフェン版)
- ボニーの執事(正確にはマギー家の執事見習い)。タキシードに銀髪オールバックが基本の服装。執事養成学校「岬の楼閣」出身と自称しているが、キースの言である以上あてにはならない。作品中で最も謎の多いキャラクターであり、性格、能力、言動、過去の経歴、婚約者、とにかく全てが謎。ボニーと共に登場し、最初は命令どおり(?)オーフェンを葬り去ろうとするが、よくわからない内にうやむやになり、その後の言動も理解できないものが多い。慇懃ながら全てを煙にまく口調、異様な身体能力と、タフや頑丈という言葉では説明できない回復力を誇り、どこからともなく現れてオーフェンに厄介ごとを持ち込んではどこへともなく去っていく。さらに黒魔術士でもある。もはや理不尽レベルになんでもありのキャラで作者にも重宝されており、読者からの人気も高い。当初は一応(?)主人であるボニーに対し忠誠を誓っているようなフリを見せていたが、無謀編の物語が進むにつれ、彼女に対する扱いがぞんざいになっていく。
- 『スレイヤーズVSオーフェン』では、同様に規格外のキャラクター「白蛇のナーガ」と意気投合し、周囲を恐怖に陥れる。「キエサルヒマの終焉」では恐ろしい事に開拓団を新大陸へと送り届ける船舶の船長になってしまう。
- バグアップ
- 声 - 沢木郁也
- 宿屋「バグアップス・イン」の経営者でマジクの父親。体格が良い。物事に動じず、目の前でオーフェンらが大騒動を繰り広げても大抵は顔色ひとつ変えない大人物。彼自身は魔術士ではない。アイリスとは同居はしていないがたまにマジクと共に会いに行く。
- アイリス・リン
- バグアップの妻で、マジクの母。実は少年期のオーフェンやアザリーらと邂逅したこともある。オーフェンという世界観の中ではある意味最強の一人に数えられる強さを誇る。バグアップには未だにベタ惚れされているらしく、彼の方から折々に会いに来る様子。
- ダイアン・ブンクト
- 声 - 石塚運昇(無謀編ラジオドラマ版)
- 部長刑事。コギーの上司。がっしりした身体つきで、あまり長くない灰色がかった髪をオールバックにしている。オーフェンを凌ぐ毒舌家。コギー(とオーフェン)の失敗の被害者である。コギーいわく「むっつり詐欺師」。趣味 (?) は、無能な部下をいたぶること。その為の器具をオーフェンに発注したり、オーフェンのヒントで「あごの骨砕き機」なる物を開発した事もある。
- エドガー・ハウザー
- ドロシーの亭主であり、カーマディ&フレデリック工房の共同経営者。オーフェンの無差別な魔術に狙われて傷ひとつなくかわすなど、キースと同系統の変人で、実際に彼とは気が合うらしい。コギーからは、ドロシーとの結婚が、両家の親の早死にの原因であったと考えられている。義父であるドロシーらの父親に相当嫌われていたらしく、キースによれば「ぬるぬる酢イカ野郎」もしくは「ずるべた腐りジャム野郎」と呼ぶよう遺言に書かれる始末であったという。意味不明の格言を引用する癖がある。
- ラシィ・クルティ
- 魔術士。大陸魔術士同盟トトカンタ支部の司書官で、魔術士生活環境向上委員会所属。オーフェンいわく、コギー、ボギーと並ぶ「トトカンタ名物迷惑三人女」。無謀編終期のセミ・レギュラー。かなり思い込みの激しい性格で、オーフェンを「モグリさん」と呼び、彼を(無理矢理)正業に就けるべくつきまとい、ピントのずれた感のある努力を惜しまない。直属の上司はハーティアだが、彼は『無謀編』にはほとんど登場しない。オーフェンが行方不明者として捜索対象となっている「キリランシェロ」と同一人物であることに、本人の当時の写真を以てしても気づかなかった。と言うか、むしろ当初は「オーフェン=キリランシェロ」説に傾倒していたのが、写真を見た事で同一人物でないという確信に変わったらしい。
- ラッツベイン・フィンランディ
- 魔術士。「世界最強町内トーナメントが開けると評判のご近所」出身の、黒髪黒目の少女。17歳。『無謀編』最終話(時代は本編終了の約20年後)の主人公で、オーフェンの娘。母親はクリーオウと思われる(『はぐれ旅』後日談で名前明言避けつつも確実な暗示)。三姉妹の長女(後日談によると次女・エッジ、末っ子・ラチェット)。魔術の師匠はマジク。普段昼行灯としている師匠の姿ばかり目撃しているため、ラッツからすれば「弱っちさ満点」で「町内最弱」の師匠(実際は魔術戦士最強)。魔術の腕と威力は父親譲りだが、魔術士同盟には所属していないモグリである(履歴書には「特技・かなりの破壊ビーム」と記述)。精神的に弱いところがあり、逆境に立たされると暴走するので危険極まりない。座右の銘は「平和のために禍根は根こそぎ絶て」。「ワニの杖」を所持。
- 本来はボツキャラクターとしてあとがきに冗談半分で登場したのが作中に登場するきっかけ。本シリーズ最後の発刊となった無謀編最終巻の書き下ろしエピソードにて登場する。
[編集] 用語解説
[編集] 魔術
この世界の魔術は何かを媒体としなければ発生させることができない。そして、魔法と魔術は明確に区別されている。この世界で言う「魔法」とは神々が行使する万能の力であり「世界を作った力」として知られる。故に神にしか魔法は使えない。この「魔法」の秘術の一部をドラゴン種族たちが盗み出し、自分たちにも使えるように作り変えたものが「魔術」であると言われている。ドラゴン種族たちが魔術を行使するようになると世界の構造に歪みが発生した。魔術の存在とは即ち神の存在を導くもので、神々が肉体を持って世界に現出してしまった。この歪みを正すために神々はドラゴン種族を滅ぼそうとし、その追撃から逃げ込んだのがキエサルヒマ大陸であると言われている。
「牙の塔」の魔術士をはじめとする、人間の魔術士たちが使う魔術は「音声魔術」と呼ばれるもので、声を媒体とする。有効範囲は声の届く範囲までで、魔力によって構成(魔術士にしか知覚できない魔術のイメージ、当然ながら音声魔術の構成はドラゴン種族も知覚可能)を練り上げ、魔術の及ぶ範囲を呪文によって決定することで魔術が発動する。音声は魔術を行使するための媒体でしかないため発動の際に叫ぶ言葉は何でも良く、発言の意味と発動する魔術の内容には全く相関はない。ただし、あまり突拍子もない言葉を呪文にすると構成に集中しにくいなどの理由により、ほとんどの魔術士は独自の呪文を使用している。叫び声だけでなく通常の会話の声、鼻歌やうめき声であっても発動は可能である[8]為、魔術士を意識を保ったまま無力化する事は極めて困難である。
人間の魔術士の魔術は主に2種類に分類され、オーフェンらが使用する、熱や光など主に物理現象に干渉する魔術を「黒魔術」と呼ぶ。これに対して主に時間と精神を支配し、一切の物理法則を無視することさえできる「白魔術」も存在する。こちらは黒魔術に比べて扱える者が圧倒的に少なく、かつ絶大な力を持つため、現在はその使い手のほぼ全てが貴族連盟によって「霧の滝」と呼ばれる要塞に幽閉されている[9]。ただし、実際には白魔術士たちは、特に出て行く理由もない為に半ば自主的にそこにいるのであり、もし脱出しようと思えば阻止することはほぼ不可能である。この事は『無謀編』に登場する白魔術士から語られている。
白魔術士には、肉体を解消して精神だけの存在となった「精神士」が存在する。いわば幽霊に近い存在である。より効率的に魔術を行使できるが、自我を保つのが非常に困難。これに対して通常の肉体を持つ白魔術士を「肉体士」とも呼ぶ。
ドラゴン種族の扱う魔術は以下の通り
- ウィールド・ドラゴン:文字を媒体とする「沈黙魔術」
- 魔術文字を媒体として行使する魔術、魔術文字を物品に刻む事で魔術の機能を付加した品を創り出す事が可能。これらは「天人種族の遺産」と呼ばれ、指輪などの小さい品から剣などの武器、衣服、ロボット(殺人人形)、大規模な施設など、形状も機能も様々である。
- ウォー・ドラゴン:思念を媒体とする「破壊魔術」
- 破壊に特化しているとされ威力のみであれば最強の魔術とされる。ウォー・ドラゴンが(始祖魔術士を除き)作中に一切登場しない為、「破壊魔術」についての具体的な描写は作中にはない。
- ディープ・ドラゴン:視線を媒体とする「暗黒魔術」
- 視線を媒体に生物・非生物を問わず、ありとあらゆる物に暗示をかけることで支配する。視線の範囲内ならば、並みの物体を一瞬で損壊させる、空間に「距離は0である」と暗示をかけての擬似空間転移、生物の精神に暗示をかけ五感を共有した使い魔にする事や、魂を消滅させ廃人にする等極めて強力な能力を持つ。
- フェアリー・ドラゴン:契約を媒体とする「精霊魔術」
- 自然現象を助けとするとされ、精霊(=意思を持った自然現象)と契約を交わすことで魔術を行使する。契約を媒体とするため双方の同意が必要であり、契約の範疇以外のことには一切作用しないが、呼び出された精霊はあらゆる障害を無視してその契約を果たす。
- レッド・ドラゴン:自身の肉体を媒体とする「獣化魔術」
- 自らの肉体・体液を媒体とし自身の肉体の形状をいかなる状態へも変化させる魔術。特性上、手指を伸ばし鞭や槍の如く武器とすることはおろか、全身の流動化や透明化、腕を斬られても即座に再生させるどころか、斬られた腕から全身を再生させダミーを一時的に作成することも出来るなど、元の肉体の強靭な身体能力と相まって強力な能力となっている。
- ミスト・ドラゴン:においを媒体とする「大気魔術」
- 天候を操作するという能力を持ち、威力そのものは他のドラゴン種族(黒魔術士、白魔術士を除く)に比べて低いが、その効果範囲は数キロにも及ぶ。
人間が使うことができる魔術はドラゴン種族の1種であるウィールドドラゴンと人間が交わった際に遺伝的に伝わったもので、魔術の素質は厳密に血統のみに由来し、先天的素養がない人間が魔術を使うことは絶対にできない。また、たとえ素養のある者でも魔術を自在に扱えるようになるには、個人差こそあるが大抵の場合数年かかる。また魔術に覚醒した瞬間に魔力を制御できず死亡するケースも少なくなく、「牙の塔」が孤児ばかりを集めた魔術士養成機関である理由はこれによるところが大きい。
魔法が「世界を作る(万能の)力」とするなら魔術は「世界の基本を変えずに限定で作り変える力」である(『スレイヤーズVSオーフェン』では「ESPによって世界そのものに錯覚を起こさせる」とも定義されている)。故に魔術ではできる事とできない事が明確に区別(生命の創造など)されている。
[編集] 牙の塔
キエサルヒマ大陸の魔術士養成機関の最高峰の一つであり、また各地から魔術の素養のある孤児を集め、教室単位で育てている組織。大陸魔術士同盟(ダムズルズ・オリザンズ)の総本山でもあり、最高執行部、特に長老達を中心とした、ほぼ自治組織となっている。チャイルドマン教室はこの中でもさらに最高峰であり、別格の教室。
魔術の暴走などによる被害を防ぐ為、牙の塔の建造物は魔術でかなり強化されている。チャイルドマン教室の生徒数人(レティシャ、コミクロン、ハーティア、キリランシェロ)が魔術も使用して全力で戦闘を行った際も、2割程度が損壊するだけで済んだという。
なお、名前の由来はタフレム市にある天人種族の遺跡「世界図塔」からであり、建築物が特に「塔」の体裁をとっているわけではなく、構造はむしろ城砦に近い。
[編集] ドラゴン種族
ドラゴン種族とは魔術を操る各種族の総称である。広義には人間の魔術士もドラゴン種族に数えられるが、一般的にはそれ以外の6種族のことを指す。いずれの種も生物として人間をはるかに上回るポテンシャルを有しており、またその魔術も強大である。
一般的に言うドラゴン種族は次の6種。伝説では、この6種族が神より世界を作る力である「魔法」を盗み出して自らも使える「魔術」にした、とある。
- ウィールド・ドラゴン=ノルニル
- 外見は人間の女性。「天人種族」とも呼ばれる。かつては人間の指導的立場としてキエサルヒマ大陸を実質的に支配していたが、「神」に使わされた「魔獣バジリコック」と戦い、その影響で衰退・滅亡した、とされている。神々から受けた呪いにより天人種族は子孫が残せなくなっているため、人間との混血によって種族を生きながらえさせようとしたが、生まれてきたのは「人間種族」の魔術士であった。これが人間の魔術士の始まりである。
- ディープ・ドラゴン=フェンリル
- 外見は漆黒の巨大なオオカミ。元は水棲生物であったらしい。ドラゴン種族の中でも最悪を通り越して「もはやどうしようもない」と評されるほどの、生まれながらの「戦士」であり、個の意思を持たない、と言われている。呪いにより自我を奪われており、暗示をかけることで辛うじて集団的な意思を保っているに過ぎない。
- レッド・ドラゴン=バーサーカー
- 本来の外見は赤毛の大熊に似た姿だが、実際に見た者はいないとされている。魔術により常に姿を変えており、姿を変える所を見られる事は一族の恥と考えられている。暗殺に特化した身体機能を持つ。呪いにより本来の姿を忘れており、そのため交配ができない。
- ミスト・ドラゴン=トロール
- 外見は巨大な風呂釜あるいは塔を背負ったサイ。背中には数本の「砲身」があり、石や金属を食べ体内で生成した弾丸を射出する事ができ、成体なら一海里沖に浮かぶ鉄鋼艦をも砲撃で撃沈させるほどの威力を持つ。人間種族が遭遇する機会が(人間に擬態したレッド・ドラゴンは別として)最も多いドラゴン種族。知能は動物的だが極めて高い。その身体は強靭極まりなく、鉈で切りつけても傷一つ負わない鋼の如き体皮とそれと同じかそれ以上に強靭な骨や内臓器官をもち、熱を遮断する体液を纏うという地人種族も足元にも及ばない頑健さで、進行を止める手段は無く環境を支配して無差別に広域的破壊を行う為、徘徊する災害と呼ばれ、その被害は国庫を圧迫しているらしい。『スレイヤーズVSオーフェン』番外編に登場したミスト・ドラゴンは、魔王竜(ディモス・ドラゴン。スレイヤーズ世界で最強の竜)の虚無の息(ヴォイド・ブレス。あらゆる物質を消滅させる)を受けてもびくともしなかった。呪いにより、智恵を失ったとされる。
- フェアリー・ドラゴン=ヴァルキリー
- 外見はライオンのようなたてがみを持つ真紅のネコ。「平和の獣」とも呼ばれる。五感を全て失っており、外部からの刺激に全く反応しない。アイルマンカーと、聖域で、ティッシが使用した部屋に転がっている一体のみが登場している
- ウォー・ドラゴン=スレイプニル
- 外見は馬。「鋼鉄の軍馬」とも呼ばれる。作中にはアイルマンカー以外登場しない。地人領マスマテュリアに生息し、全ての個体が例外なく眠っている。地人領が寒冷なのは、ウォー・ドラゴンの体から放たれる冷気の為。
〜ドラゴンというのはあくまで魔術を操る生物としての呼び名で、本来の種名は後に来るノルニル、フェンリルなど。
いずれも他のファンタジーで描かれる爬虫類のような外見ではない。「牙の塔」のシンボルであるペンダントの意匠「剣に絡みついた1本脚のドラゴン」は、これらのドラゴン種族とは違い、力の象徴としてのドラゴンである。また、神話の中では世界に唯一、一匹だけの本物のドラゴンが存在すると言われ、それがこの剣に絡まっているドラゴンだと思われる(ミズガルズソルムル=ウロボロス)。
ドラゴン種族に共通する特徴として緑色の瞳があるが、神々の毒(呪い)により眼球が変化したものである。ただし、ウィールド・ドラゴン種及びフェアリー・ドラゴン種に関しては、彼らの残した魔術の道具を用いることで限定的ではあるが人間にもその魔術を再現することが可能である。
[編集] 運命の三女神(ウィールド・シスターズ)
北欧神話に登場する女神であるが、この世界においても信仰されている。ウルド(過去)、ヴェルダンディ(現在)、スクルド(未来)の3姉妹。かつて世界法則を元に戻すため、ドラゴン種族を絶滅させようとした。この信仰を持つ人間のおおむねはドラゴンとの混血種族である魔術士を極端に嫌っており、総本山である聖都キムラックは一切の魔術士の進入を赦さない。
[編集] キムラック教会
運命の三女神(ウィールド・シスターズ)信仰している。また、この世界の絶望(終焉)の始まり。直属の暗殺部隊「死の教師」を擁しており、彼らは大陸に八振りしかない特殊な強化ガラスの剣(刀身がガラスのため太刀筋が見えず回避が困難であるが、非常に重い。使い手によっては露骨に不評だったりと評価はまちまちである)を携帯、ドラゴンが鍛えた道具も使用している。異端の教師の暗殺を目的とし、対魔術士用の戦闘訓練も受けている。
[編集] 十三使徒
貴族連盟に従属する宮廷魔術士団。十三使徒=13人でなく、トップレベル魔術士(100人以上)で構成されている。最高責任者は「王都の魔人」プルートー。彼は貴族連盟が独自に養成した魔術士で、魔術・体術ともに極めて(非常識なほどに)強力であり、多くの魔術士から「怪物」呼ばわりされている。牙の塔にも事あるごとにエージェントを派遣し、優秀な魔術士をスカウトしている。ただし、15歳の若年で審問に推挙されたのはこれまでにキリランシェロただ1人であるらしい。
[編集] 最接近領
作中終盤にオーフェンたちが訪れることになる。名前の由来はドラゴン種族の聖域に最も近い領地であるため。都市とは違い、貴族であるアルマゲスト・ベティスリーサが領主として治めている。位置取りとしてはアーバンラマのはるか西方、東部側のフェンリルの森に近いあたりらしい。
[編集] 既刊一覧
『まわり道』に関しては絶版だが、後に秋田禎信BOXに再録された。ただし予約限定生産のみである。『スレイヤーズVSオーフェン』も完全予約限定生産。
魔術士オーフェンはぐれ旅(本編:全20巻) 二部構成。第一部は1巻から10巻、第二部は11巻から20巻。
- 我が呼び声に応えよ獣 ISBN 4829125640 1994年5月
- 我が命にしたがえ機械 ISBN 4829125853 1994年9月
- 我が胸で眠れ亡霊 ISBN 4829126086 1995年1月
- 我が森に集え狼 ISBN 4829126272 1995年5月
- 我が過去を消せ暗殺者 ISBN 4829126507 1995年10月
- 我が塔に来たれ後継者 ISBN 4829126809 1996年4月
- 我が遺志を伝えよ魔王 ISBN 4829126973 1996年8月
- 我が聖都を濡らせ血涙 ISBN 4829127295 1997年1月
- 我が神に弓ひけ背約者(上) ISBN 4829127503 1997年6月
- 我が神に弓ひけ背約者(下) ISBN 4829127775 1997年10月
- 我が夢に沈め楽園(上) ISBN 4829128119 1998年4月
- 我が夢に沈め楽園(下) ISBN 482912850X 1998年10月
- 我が運命導け魔剣 ISBN 4829128836 1999年4月
- 我が心求めよ悪魔 ISBN 4829129255 1999年10月
- 我が絶望つつめ緑 ISBN 4829129646 2000年4月
- 我が戦場に踊れ来訪者 ISBN 4829113197 2001年1月
- 我が庭に響け銃声 ISBN 4829113685 2001年8月
- 我が館にさまよえ虚像 ISBN 4829114169 2002年3月
- 我が聖域に開け扉(上) ISBN 4829115025 2003年3月
- 我が聖域に開け扉(下) ISBN 4829115572 2003年9月
魔術士オーフェン・無謀編(短編:全13巻)
- てめぇら、とっとと金返せ! ISBN 4829126671 1996年2月
- 馬鹿は一人でたくさんだ! ISBN 482912685X 1996年6月
- お前はいったいなんなんだ!? ISBN 4829127090 1996年10月
- 顔を洗って出直しな! ISBN 482912735X 1997年4月
- あきれてものも言えねえぜ! ISBN 4829127953 1998年1月
- 自分がイヤにならねえか? ISBN 4829128224 1998年7月
- 一生ひとりで遊んでろ! ISBN 4829128623 1999年1月
- それはいろいろまずいだろ? ISBN 4829128992 1999年7月
- 同情なんていらねえぜ! ISBN 4829129395 2000年1月
- なかったことに出来ねえか? ISBN 4829129824 2000年7月
- もういいかげんあきらめろ! ISBN 4829113308 2001年2月
- そのまま穴でも掘っていろ! ISBN 4829113936 2001年11月
- これで終わりと思うなよ! ISBN 4829115610 2003年10月
魔術士オーフェン・まわり道(その他)
- 悪逆の森 ISBN 4047002135 1997年11月
- ゼロの交点 ISBN 4047002542 1998年9月
スレイヤーズVSオーフェン(神坂一との合作。ドラゴンマガジン2001年4月号増刊「ファンタジアバトルロイヤル」に加筆訂正と書き下ろし短編を加えたもの) ISBN 4829175842 2005年7月
秋田禎信BOX ISBN 4904376145 2009年12月22日
- 魔術士オーフェンはぐれ旅 キエサルヒマの終端
- 魔術士オーフェンはぐれ旅 約束の地で
- 魔術士オーフェンはぐれ旅 魔王の娘の師匠
- 魔術士オーフェン 往時編 怪人、再び
- 魔術士オーフェンまわり道(1) 悪逆の森(再録)
- 魔術士オーフェンまわり道(2) ゼロの交点(再録)
「魔術士オーフェン」シリーズからは以上を収録。版元はTOブックス。 「キエサルヒマの終端」「約束の地で」「魔王の娘の師匠」ははぐれ旅終了後の物語。「怪人、再び」はプレオーフェン。
[編集] 漫画
- 魔術士オーフェンはぐれ旅(第1巻 - 第6巻)
- 魔術士オーフェンはぐれ旅MAX(第1巻 - 第2巻)
- 原作:秋田禎信
- 作画:沢田一
- キャラクター原案:草河遊也
コミックアンソロジー
- 魔術士オーフェンはぐれ旅パロディ(2冊)
- ドラゴン☆オールスターズ(2冊)
[編集] アニメ
「魔術士オーフェン (アニメ)」を参照
[編集] ラジオ
「魔術士オーフェン (ラジオ)」を参照
[編集] ドラマCD
[編集] 魔術士オーフェン 無謀編 オリジナルラジオドラマ
[編集] スレイヤーズVSオーフェン〜史上最悪の邂逅〜
- 発売日:2005年7月21日
- 発売元:キングレコード・スターチャイルドレーベル
- 富士見ファンタジア文庫を代表する2作の共演。コラボ企画小説のドラマCD化。
[編集] 登場人物・声の出演
- リナ:林原めぐみ
- オーフェン:森久保祥太郎
- ガウリイ:松本保典
- アメリア:鈴木真仁
- ゼルガディス:緑川光
- コンスタンス:高橋美佳子
- ボニー:大原さやか
- ドロシー:斎賀みつき
- 白蛇のナーガ:川村万梨阿
- キース:竹若拓磨
- ヴォイム:うえだゆうじ
- 執事:矢部雅史
[編集] ゲーム
ここでは、当作品単独のゲーム作品について記載する。2011年冬発売予定のコラボーレート参加予定のゲーム「ヒーローズファンタジア」については、当該項目を参照。
- Sorcerous Stabber ORPHEN 魔術士オーフェン
[編集] ストーリー
ボルカンが持ち込んだ儲け話を聞いたオーフェンらは、産業都市アーバンラマへ向かうために船に乗り込む。しかし、乗るべき船を間違えた挙句、船を謎の魔物に襲われてしまい、船は難破する。そして、乗り間違えた船の行き先であった怪しげな島「カオス島」に辿り着いてしまう。オーフェンらは、3人の船の同乗者と協力してカオス島の探索を始める。
[編集] 特徴
ストーリー全体に渡ってキャラクターのセリフがフルボイスとなっている。キャストはアニメ版に準拠し、オリジナルキャラクターは新規にキャスティングされている。また、公式攻略ガイドブックで小説版『はぐれ旅』のストーリー紹介のみ(アニメ版はなし)がされている事や、マジクがオーフェンを「お師様」と呼んでいる事から、原作小説の時系列の作品である可能性が高い。
[編集] 主要キャラクター
- オーフェン
- 声:森久保祥太郎
- クリーオウ
- 声:飯塚雅弓
- マジク
- 声:南央美
- ボルカン
- 声:伊倉一恵
- ドーチン
- 声:椎名へきる
- コンスタンス・マギー
- 声:飯塚雅弓
- ゲーム内の隠しムービーで登場。シナリオには絡まず、ゲスト出演に近い。
- キース・ロイヤル
- 声:緑川光
- ゲーム内の隠しムービーで登場。シナリオには絡まず、ゲスト出演に近い。
- ラン
- 声:堀江由衣
- セフィ
- 声:佐久間レイ
- 元は宮廷魔術士だったという美女。死んだ恋人を一途に想い、遺品をカオス島に届けにくる。その身のこなしの良さは常人の比ではない。また、少しだが魔術も使える。
- ゼイアス
- 声:秋元羊介
- 古風な話し方をする傭兵。生き別れの娘アゼルに会うため、カオス島にやってくる。魔術は使えないが、怪力や武器を用いた攻撃は強力無比。
- マー
- 声:そのざきみえ
- 楽器を手に旅する少年。母親を探してカオス島にやってくる。戦闘方法は他キャラと多少毛色が違い、楽器を用いる。ちなみに孤児。
[編集] 副読本等
- エンサイクロペディア魔術士オーフェン ISBN 978-4829174104 1999年03月
- エンサイクロペディア魔術士オーフェン無謀編 ISBN 978-4829174449 2000年07月
- 魔術士オーフェンはぐれ旅DX ISBN 978-4829173947 1998年09月
- 魔術士オーフェンファンブック ISBN 978-4829174586 2000年11月
- 魔術士オーフェンはぐれ旅 鋼の後継者―草河遊也画集 ISBN 978-4829191217 1998年09月
- 魔術士オーフェンはぐれ旅 黒の聖域―草河遊也画集 ISBN 978-4829191248 2002年03月
いずれもシリーズ刊行中に発売されたもの。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
[編集] 脚注
- ^ 文献によっては1200万部と発表されている例もある。
- ^ 担当編集者に「アニメとか漫画とかの面白さ」を出せないかと言われ、偶然「機動戦士Vガンダム」が目に入ったのだという。
- ^ もとは富士見書房二十周年の企画であったが、参加する作家が足りなかった旨が秋田禎信BOX第1巻のあとがきで語られている。
- ^ 作者公式サイト「モツ鍋の悲願」雑記の2008.11.19.の日記参照。[リンク切れ]
- ^ ただし、『無謀編』でもマジクに絡んで彼女らしき人物の存在が暗示されたり名前だけでの登場もある。オーフェンと会った事はないが、ほんの1シーンだけ登場した事もある。
- ^ ただしオーフェンに師事する以前の『無謀編』では「オーフェンさん」、アニメ版では「お師匠様」と呼んでいる。
- ^ 『はぐれ旅』第1巻で、ハーティアがトトカンタ支部に勤務していることをオーフェンが知っていたのはこの為。
- ^ 実際、マジクが鼻歌を媒体とした魔術で、クリーオウの入浴を覗いていたことがある。
- ^ アザリーは例外で、彼女は黒魔術士でもある事が隠れ蓑になり、貴族連盟の監視を逃れていた。