メーザー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

メーザーを放出する水素メーザーキャビティ(注:ピンク色の光はメーザーではない。メーザーは肉眼では不可視である)
メーザーを放出する水素メーザーキャビティ(注:ピンク色の光はメーザーではない。メーザーは肉眼では不可視である)

メーザー(MASER)とは、誘導放出によって発生する、コヒーレントマイクロ波のこと。

Microwave Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出によるマイクロ波増幅)の略称である。

目次

[編集] 概要

水素メーザー発生装置の概要
水素メーザー発生装置の概要

レーザーと同様に反転分布を用いて発生(発振)させる。固体メーザーにおいては常磁性共振による原子の放射を直接利用しており、適切なキャリアを封入したキャビティ(共振筒)内にマイクロ波を照射し、キャリアの共振によって発生する特定波長・コヒーレンスなマイクロ波を取り出すことによって得られる。[要出典]

メーザーの特性はレーザー同様、非常に指向性・単波長性が高い。

指向性の高さから、先端科学用ピンポイント加熱装置などに用いられることがある。[1]また、分子構造の解析にも利用される。

フォノンを増幅・発振させたフォノンメーザーも存在する。たとえば超低温としたクロムイオン含有ルビーにマイクロ波でポンピングを行い、超音波を発振させる実験が1963年に成功している。

[編集] 歴史

理論研究の発表は1952年ジョセフ・ウェーバーによって行われた。これは量子力学の応用に基づくものであった。実際の発振は1954年コロンビア大学チャールズ・タウンズらによる。これはレーザーの発明(理論:1958年・初の発振:1960年)に先行するもので、メーザーの開発発展がレーザーを生むことになった。

初の発振はアンモニアメーザーによって行われた。その後、1958年にルビー結晶メーザーが、1960年に水素メーザーが開発された。 [2]

これらの発見によって電磁波工学技術が飛躍的に発展した。また原子時計や極めて高精度の周波数カウント技術の発展に繋がった。

[編集] 天体

メーザーを発振している「メーザー天体」が宇宙には存在し、観測の対象となっている。

[編集] 架空の兵器

超電子バイオマン』のバイオロボによる必殺技(剣技)は「スーパーメーザー」と呼ばれる。

またファミリーコンピュータビデオゲームサンサーラナーガ」にて、主人公が装備できる最強の攻撃力を持つ武器として「メーザーほう」という武器が存在し、精密機器という説明がなされている。

Marathonシリーズのサードパーティーシナリオ「Rubicon」において、「ダンギ・メーザー」という武器が登場する。メーザーの特徴通り発射されても軌跡が見えず、威力の高い兵器となっている。

[編集] 脚注

  1. ^ http://www.jspf.or.jp/Journal/PDF_JSPF/jspf2006_06/jspf2006_06-376.pdf
  2. ^ http://www.joem.or.jp/img/k_ph_07-3-2.pdf

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献

  • 長倉三郎、他(編)「岩波理化学辞典-第5版」岩波書店 (1998/02)

[編集] 関連リンク