およげ!たいやきくん

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およげ!たいやきくん
子門真人シングル
初出アルバム『およげ!たいやきくん』
B面 (両A面)いっぽんでもニンジン
(8cmCD以外、歌・なぎらけんいち
またね
(8cmCD、歌・橘いずみ
リリース
録音 1975年11月26日[1]
ジャンル 童謡
時間
レーベル キャニオン・レコード
(オリジナル盤)
アナログコーポレーション(シェイプレコード)
ポニーキャニオン
(上記以外)
作詞・作曲 高田ひろお佐瀬寿一
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 1位(オリジナル盤、11週連続オリコン
  • 57位(8cmCD、オリコン)
  • 19位(12cmCD、オリコン)
  • 1976年度年間1位(オリコン)
  • オリコン歴代シングルランキング1位
  • 44位(8cmCD、CDTV
  • 16位(12cmCD、CDTV)
  • 1位(オリジナル盤、ミュージック・ラボ)[2]
  • 子門真人 シングル 年表
    勇者ライディーン
    (1975年)
    およげ!たいやきくん
    (1975年)
    いつになれば
    UFO戦士ダイアポロン
    (1976年)
    ひらけ!ポンキッキ 年表
    たべちゃうぞ矢沢邦江(ガチャピン)
    (CX-101/1975年)
    「およげ!たいやきくん」子門真人
    (CX-102/1975年)
    そらとぶさんりんしゃ」なぎらけんいち
    (CX-103/1976年)
    試聴
    およげ!たいやきくん - YouTubeポニーキャニオン提供YouTubeアートトラック)
    いっぽんでもニンジン - YouTube(ポニーキャニオン提供YouTubeアートトラック)
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    およげ!たいやきくん
    ひらけ!ポンキッキコンピレーション・アルバム
    リリース
    ジャンル 童謡
    レーベル キャニオン・レコード
    プロデュース -
    チャート最高順位
    • 週間1位(オリコン
    • 1976年度年間1位(オリコン)
    ひらけ!ポンキッキ アルバム 年表
    ひらけ!ポンキッキ Vol.2
    (1975年)
    およげ!たいやきくん
    (1976年)
    ホネホネ・ロック パタパタママ
    (1976年)
    テンプレートを表示

    およげ!たいやきくん』は、1975年昭和50年)にフジテレビの子供向けの番組ひらけ!ポンキッキ』のオリジナルナンバーとして発表、リリースされた童謡

    作詞高田ひろお作曲編曲佐瀬寿一ディレクター小島豊美子門真人が歌ったバージョンは、2021年3月現在、日本でレコード売り上げ枚数が最も多いシングル盤(フィジカル・シングル)とされている。本項では、この曲も収録された同名のLPも扱う。

    なお『ひらけ!ポンキッキ』番組内で放送された同曲のアニメ映像内でのタイトル表記では「!(感嘆符)」がついていない。

    内容[編集]

    歌詞の内容は、「たい焼きがたい焼き屋[注釈 1]から逃げ出し、海へ逃亡する」というものである。

    オリジナル盤シングルジャケットのキャラクターデザイナーは「バボちゃん」などを手がけた田島司。アニメキャラクターの「たいやきおじさん」のモデルは売り上げ世界一を誇るたい焼き店「浪花家総本店」会長の神戸守一(2010年5月5日、満86歳で死去[3])といわれる[4]。歌詞のモデルも浪花家総本店と主張されることがあるが、作詞者の高田ひろおは、練馬駅近くで見かけた[注釈 2]たいやきから歌詞を思いついたと証言している[5]

    オリジナル盤シングルのB面(LPのB面1曲目)は、なぎら健壱(なぎらけんいち名義)の「いっぽんでもニンジン」(作詞:前田利博、作曲・編曲:佐瀬寿一)であった。数え歌で、無理問答の連鎖のような歌詞。オリジナル盤シングルは両面ジャケットのため、両A面という見方もでき、こちらも売上げに一役買った。本シングルの発売以前に、1975年キングレコードから発売されたLP『ひらけ!ポンキッキ』(SKM(H)2229)で三浦けんいちの歌で収録されている(曲名は「いっぽんでもにんじん」)。こちらでも作曲者の佐瀬寿一が編曲したことになっているが、佐瀬寿一は自身のインタビューで、SKM(H)2229収録の音源は自分の編曲したものではないと否定している[6]。映像は、1970年代では「世田谷公園」の噴水をバックに、紙で作られたニンジンなどのキャラクターを映していた(『たいやきくん』もこのパターン)が、1980年代からはオールセルアニメに変更(映像をリメイクするのは当時の『ポンキッキ』では異例)、後年の放送ではほとんどセルアニメ版を放送、紙キャラ版はフジテレビに存在するかは不明。

    発売までの経緯[編集]

    練馬駅南の飲み屋街(2023年)

    本曲を作詞した高田は、日大を卒業したのち絵本作家のかたわら『ひらけ!ポンキッキ』の楽曲を手掛けていた[7]。あるとき、練馬駅の商店街の居酒屋で友人と一杯やったあと路地で立ち小便を始めたのだが、屋台のたい焼き売りからそれを咎められた瞬間、故郷の釧路の思い出がフラッシュバックした[7]。それは凍てつく寒さの中、銭湯の帰り道に湯冷めしないようたい焼きを腹に当てて温めながら帰った記憶だった[7]。そしてなぜか、当時「鍵っ子」と呼ばれた寂しげな子供たちの姿がそのたい焼きに重なって見えた[7]。「子供たちに遊び心と冒険心を伝えたい」「たい焼きを七つの海で自由に泳がせたら面白い」と思い立ち、高田は児童小説を書き始めた[7]。『ポンキッキ』のスタッフはその話を面白がり、「ぜひ歌にして」と頼まれ生まれたのが本曲である[7]

    1975年10月5日[8]10月21日とも[9][10])に『ひらけ!ポンキッキ』で初めて流され、その後リクエストカードやフジテレビへのレコード発売の問い合わせが殺到した[10]

    オリジナルのシングル盤はキャニオン・レコード(現・ポニーキャニオン)から市販された『ひらけ!ポンキッキ』のレコードの第2弾である。第1弾として発売されたシングル盤「たべちゃうぞ」が売れず、当初はリリースする予定もなかったことからレコード発売の企画はなかなか通らなかったといい、社内からの期待値も低かったという[11]

    この曲は当初、生田敬太郎が『ひらけ!ポンキッキ』の番組内で歌っていた。だが、上述の通りレコード発売予定がなかったことから生田がテイチク(現・テイチクエンタテインメント)と専属契約を結んでしまい、キャニオン・レコードからの発売ができなくなった[12]ため、生田の歌での放送は11月27日を最後に終了、12月9日から子門真人へ交代して放送を再開した[13]

    当初1976年1月に発売予定だったが前倒しされて[1]1975年12月25日にオリジナルのシングル盤(キャニオン CX-102)がキャニオン・レコードから子門の歌唱で発売された。

    ヒット[編集]

    シングル盤は、発売前の予約だけで30万枚[13](35万枚[9]とも)に達した。発売当日に10万枚が完売し[9]12月31日までの1週間で30万枚が完売[9]、翌年1月6日には店頭出荷枚数が100万枚を突破し[14]1月7日東洋化成の福島工場で150万枚目のレコードをプレスし、その現場に子門真人が立ち会った[14]1月10日時点で出荷枚数150万枚・予約待ち50万枚[8]2月16日には、キャニオン・レコードが『およげ!たいやきくん』の370万枚達成[注釈 3]を発表する記者会見を行った[16]

    オリコン史上初のシングルチャート初登場1位・11週連続1位を記録し、現在までにオリコン調べで450万枚以上(オリコンにカウントされない売り上げを含めると、実際は500万枚以上[17]ともいわれる)のレコード・CDを売り上げている[18]1998年7月13日付のオリコンチャートでGLAYベスト・アルバムREVIEW-BEST OF GLAY』に破られるまでは、シングル・アルバムを含めたオリコン史上最大の売上作品となっていた[19]。ただし、オリコン調べにおけるシングル盤としての売上記録は保持したままとなっており、これは2016年12月現在も破られていない[20][21]。『不二家歌謡ベストテン』では1976年1月18日から13週連続1位となり、この記録は番組終了まで破られなかった。

    レコード発売前にオリコン社長であった小池聡行TBSぎんざNOW!の番組内で「およげ!たいやきくん を知ってる人居ますか?」と聞き数人しか手を挙げなかったが「発売されたら1位どころか史上最高の売り上げになりますよ」と言いスタジオが大騒ぎになった。

    1976年の第9回全日本有線放送大賞特別賞、第5回FNS歌謡祭最優秀ヒット賞、第7回日本歌謡大賞特別賞を受賞。

    同名のLP(キャニオン E-1025)も1976年2月10日に発売され、オリコンチャート6週連続1位、売上50万枚を記録し、「THE BEST OF DETECTIVE CONAN 〜名探偵コナン テーマ曲集〜」に更新されるまでは、アニメ・子供番組のコンピレーションアルバム売上記録歴代1位であった。

    再発[編集]

    1992年7月1日にシングルCD化(ポニーキャニオン PCDG-00041)された[注釈 4](当時のプレス枚数は5000枚[22])。

    1999年3月25日には「だんご3兄弟[注釈 5]のヒットに追随して5万枚が追加出荷され[22]、23年ぶりにオリコンシングルランキングの100位圏内にチャートインした。

    2005年にはこの曲の主人公である「たいやきくん」をかたどった変形アナログレコード(シェイプレコード)として再発された(アナログコーポレーション ACSV-001)[23]。これはオリジナル盤シングル同様「いっぽんでもニンジン」をB面としている。

    2007年末、クレーンゲームの景品として「たいやきくん」のぬいぐるみが投入される[24]と、2008年3月までに約30万個が獲得されるヒットとなり[25]ポニーキャニオンにCD発売の問い合わせが殺到した[24]

    2008年、「日本で最も売れたシングル曲」(当時[注釈 6])として『ギネス世界記録2009』への掲載が決定する[27]。既にCD発売の問い合わせが殺到していたこともあり[24]、2008年3月5日に『ギネス世界記録』掲載記念としてオリジナル盤シングル同様「いっぽんでもニンジン」をB面にしたマキシシングル(ポニーキャニオン PCCG-00888)を発売した[27]。同CDには『ひらけ!ポンキッキ』で放送された同曲のアニメ映像を収めたDVDが付属する[27]。2008年版のDVD付きCDは約5万枚[25]携帯電話パソコン音楽配信では約5万ダウンロード[28]を売り上げた。

    2017年11月15日、『およげ!たいやきくん』40周年記念として、CDアルバム『およげ!たいやきくん アニバーサリーベスト』(ポニーキャニオン PCCG-01634)を発売。

    ヒットの影響[編集]

    考察[編集]

    ヒットの要因としては情緒に訴えかけるメロディや[29]、シングル付属の塗り絵を求めて買われたという意見[13]がある。また明確に裏付ける資料はないが、成人層にアピールした以下のような理由がヒット当時から逸話として語られることがある[8]

    • 歌詞の内容が、会社勤めを辞めて広い世界へ飛び出したいサラリーマン(賃金労働者)の気持ちを代弁していた。
    • 国鉄の労働組合(国労動労)が起こした「スト権スト」で出勤の足を奪われて自宅にいることを余儀なくされた会社員が、子どもと『ポンキッキ』を視聴したため、耳に入る機会が増えた。

    なお、子ども調査研究所が「およげ!たいやきくん」のブームについて調査した結果によると、幼児・小学校低学年の子供とその(若い)父親からブームの火がついたとされ、レコードを購入した父親の意見は「子供が欲しがったし、親も興味があった」「子供が喜びそうなので」といったものが大半を占めたという[30]

    印税[編集]

    シングルの印税は子門・なぎら共に買い取り契約だったため、売上げに応じた歌唱印税は支払われず、子門は5万円[31]、なぎらは3万円[32]の吹込料の支払いにとどまった。吹き込み当時、アルバイトで曲を吹き込んだ子門はこの曲がメガヒットになるとは思わなかった[33]。子門には後にヒット記念としてレコード会社から100万円と白いギターが1本贈られたとされる[34]

    また、品川税務署でレコード発売の5日前に区分として童謡の指導を受けており物品税(1989年4月1日に廃止)を申告していなかったが、「成人層に脱サラの歌として売れた」ことにより物品税法上、課税対象の歌謡曲扱いか、非課税の童謡扱いかで騒動になった。しかし、1976年2月23日に、国税庁国税局により童謡であるとの正式判断が出されたため、物品税は免除された[35]

    このため、著作権印税を除いた売上(卸価格)の多くは、キャニオン・レコード(発売元)、フジポニー(原盤制作)、フジ音楽出版(現・フジパシフィックミュージック)(音楽出版社)の3社の利益となり[36]、キャニオン・レコードが「およげ!たいやきくん」のヒット後に建てた新社屋(後にニッポン放送グループだった一口坂スタジオが、2012年3月の会社清算まで使用していた)は「たいやきビル」の異名を取っている。これに関してもなぎらは「あの玄関は俺(に本来回ってくるはず)の印税で建てた」とネタにしている。

    社会的ブーム[編集]

    「およげ!たいやきくん」がヒットした1976年には児童向け楽曲のヒットが連発し、「パタパタママ[注釈 7]、「山口さんちのツトム君[注釈 8]、「志村けん東村山音頭[注釈 9]などが次々とオリコンチャートの上位にランクインした[37]

    当時の子供向けレコード市場は日本コロムビアのシェアが圧倒的だったが、キャニオンが「およげ!たいやきくん」をヒットさせたことで市場規模自体が拡大し、日本コロムビアの売上も伸びたという[38]

    他には、たい焼き屋に行列ができる、たい焼き用の鉄板が売れる[39]などの社会的影響があった。また、各種キャラクター商品も発売された。中にスポンジが入ったたいやきくんの塩ビ(ソフビ)人形は大ヒットし、子供だけではなく大人にも売れた[40]。1976年2月20日、サンケイ新聞出版局は絵本『およげ!たいやきくん』を刊行し、初版5万部、累計では公称30万部以上を発行した[41]西友ストアーではこの曲のヒットに便乗して各店舗でたい焼きを売り出した[42]。一部の地域では曲にちなみ学校給食にたい焼きを出すところも現れた(但し歌詞のように鉄板で焼いたものではなく揚げ物や冷凍食品であったりもした)[43][44]

    1975年から1976年にかけて商品先物取引である小豆市場が高騰したが、小豆の不作のほか、この曲の流行によりたい焼きの消費量が伸びたことも影響しているという風評がある[45][46][47]

    木村拓哉は、『およげ!たいやきくん』のブームでたい焼きの売り上げが伸びているという記事が「サンケイ新聞」夕刊に掲載された際に、駄菓子屋の前でたい焼きを受け取る少年としてその写真が紙面に載ったエピソードがある[48]

    千葉県の銚子電気鉄道では、この曲のヒットにあやかって1976年2月10日から観音駅で、たい焼きの販売を始めたところ大ヒットとなり[44]、人気商品になっている。観音駅のたい焼き屋は施設の老朽化などにより2017年3月末をもって閉店し[49]、同年6月24日に犬吠駅で販売を再開した[50][51]

    1976年、現ピーター・ブルック・カンパニー土取利行と当時東京芸大大学院生だった坂本龍一は、竹田賢一のプロデュースの元、限定500枚のレコードを制作するが「およげ!たいやきくん」のヒットによりプレス工場(東洋化成)の生産が追いつかず、リリースが半年遅れた。坂本龍一の幻の1stレコーディング作として後に発掘され『ディスアポイントメント - ハテルマ』というタイトルで2005年にCD化されている。

    小島豊美によると、「およげ!たいやきくん」は莫大なプレスオーダーをかけたため、当時のキャニオン営業部長の津澤正次の尽力で、東洋化成だけではなく同業他社のCBS・ソニー大井川工場(現・ソニー・ミュージックソリューションズ 大井川プロダクションセンター)などにまで協力を仰いで追加プレスを依頼したという。関東(東日本)と関西(西日本)でブームのピーク時期がずれたおかげで、ほぼ完売することができたと語っている[52]

    山藤章二は『週刊朝日』連載の「山藤章二のブラック=アングル」で、川上哲治読売ジャイアンツを退団後NHKの野球解説者に就任したことを本楽曲にかけて「およげ!哲治くん」と揶揄した[53]

    関係者[編集]

    子門の歌でレコードが大ヒットした後、一時期、生田は「およげ!たいやきくん」に関するインタビューには一切応じなくなったという[12]。生田はテイチクとの専属契約を解いた後の1978年に『ひらけ!ポンキッキ』で「おとなもなやみがあるんだな」[注釈 10]を歌っている[54]。さらに時を経た2011年2月14日には、生田による「およげ!たいやきくん」の再録音マキシシングルが発売された[55]

    LP『およげ!たいやきくん』[編集]

    A面
    1. およげ!たいやきくん(歌:子門真人)
    2. いちばんロック(歌:前田雅子&ロイヤルナイツ
    3. ママの右手は魔法の手(歌:なぎらけんいち
    4. てるてるぼうずがあるいたら(歌:竹田のぶあき)
    5. ヤセタンとコロンタン(歌:のこいのこ、ムーンドロップス)やそ」やま
    6. 看板のうた(歌:菅沼宏)
    7. コロちゃんの大旅行(歌:ロイヤルナイツ)
    8. パンダがなんだ(歌:石川進
    B面
    1. いっぽんでもニンジン(歌:なぎらけんいち)
    2. パンの唄(歌:シンガーズスリー
    3. 傷だらけのぼく(歌:天地総子
    4. こびとになれたら(歌:ピコ
    5. 雨もり寺のおしょうさん(歌:平野レミ宍倉正信サヴィーネ
    6. 野菜畑の演奏会(歌:子門真人)
    7. ぼくわるかった(歌:菅沼宏)
    8. 宇宙船地球号のマーチ(歌:ポンキッキ合唱団)

    カバー・リメイク[編集]

    カバー編曲、歌詞を追加変更したリメイク、オマージュ的な関連曲などが数多く作られている。

    公式リミックス・カバー[編集]

    ポンキッキシリーズ後継番組にて発表されたもの。

    他の歌手によるカバー[編集]

    童謡集などでは、水木一郎日本コロムビア)、宮内良池田鴻キングレコード)、杉江秀サンリオ/日本コロムビア)なども歌っている。

    また、レコーディングは行われなかったが、ザ・ベンチャーズ1976年の来日時にステージで披露している。当時はキーボードの他に女性ボーカリストが二人ツアーに同行しており、ヴォーカルナンバーとして披露されていた。

    その他リメイク[編集]

    • およげ!たいやきくんのマーチ(演奏:キャニオン・オーケストラ、シングル)
      • 行進曲に編曲。番組とは直接関係のないキャニオン第三制作部の独自企画とされ、小島豊美によれば高校野球連盟からの要望で作成されたという[58]。B面はキャニオン・ブラス・オーケストラの「そらとぶさんりんしゃのマーチ」。
      • 長くCD化されなかったが、オムニバスCD『たのしい運動会マーチ ベストセレクション』(2003年4月16日発売、ポニーキャニオン)および『およげ!たいやきくんのマーチ〜たのしい運動会マーチ ベストセレクション〜』(2008年5月9日発売、ポニーキャニオン)に収録された。
    • 正調 およげ!たいやきくん音頭(福本恵美、2000年発売シングル)
    • およげ! たいやきくん2015(藤井フミヤ

    関連曲(アンサーソング[編集]

    アルバム[編集]

    • およげ!たいやきくん アニバーサリーベスト(2017年11月15日発売)
      • 40周年記念CDアルバム。本曲および『いっぽんでもニンジン』のオリジナル盤とカバー・リメイク盤を全16曲収録。
    収録曲
    1. およげ!たいやきくん(子門真人)
    2. いっぽんでもニンジン(なぎらけんいち)
    3. およげ!たいやきあんこちゃん(つりビット)
    4. およげ!たいやきくん(BEGIN)
    5. 私の恋人、たいやきくん!(山本リンダ)
    6. およげ!たいやきくん(ジェロ)
    7. 泳げたいやき屋のおじさん(所ジョージ)
    8. およげ!たいやきくん(AGC38 feat.東京ブラススタイル)
    9. いっぽんでもニンジン(ワタナベイビー
    10. およげ!たいやきくん(スコット・マーフィー
    11. およげ!たいやきくん(水木一郎)
    12. およげ!たいやき ヤキヤキ音頭(AGC38 feat.東京ブラススタイル)
    13. およげ!たいやきくん(ダイアモンド☆ユカイ
    14. およげ!たいやきくん(バックドロップシンデレラ)
    15. およげ!たいやきくんのマーチ
    16. およげ!たいやきくん(オリジナル・カラオケ)

    関連グッズなど[編集]

    • 高田の作による絵本が出版された。
      • フジテレビ ひらけ!ポンキッキ絵本 およげ!たいやきくん(1976年、サンケイ新聞出版局、作:高田ひろお、絵:田島司、福田典高)
      • ひらけ!ポンキッキのリクエストえほん(2) およげ!たいやきくん(1988年、フジテレビ出版/扶桑社、詞:高田ひろお、絵:田島司、ISBN 4-594-00250-1
      • およげ!たいやきくん おとぎばなし(1999年、角川書店、作:高田ひろお、絵:田島司、ISBN 4-04-873199-8
      • およげ!たいやきくんjr.―はじめてのかけっこごっこ(2000年、角川書店、作:高田ひろお、絵:田島司 ISBN 4048836412
    • 2000年発行の「20世紀デザイン切手第15集」で、切手の題材になった。
    • 2003年、メディコム・トイから発売されたキューブリックシリーズの「ポンキッキーズ21 シリーズ2」には、「およげ!たいやきくん」関連として「たいやきくん」「たいやきおじさん」のフィギュアがある。
    • 2005年、平和から本楽曲をモチーフとしたパチンコ機「CRおよげ!たいやきくん」がリリースされた。

    その他[編集]

    • シングル盤はオリコンチャートで11週連続で週間売上10万枚(1万点)を達成している(1976年1月12日付〜1976年3月15日付)[64]。週間売上の最高は1976年2月16日付の72.3万枚。『オリコン・ウィーク The Ichiban』1999年3月29日号 p.17に1000枚単位でオリコン週間シングル売上の推移が記載された。
    • 8時だョ!全員集合」の学校コントコーナーで、“英語の歌詞に聞こえる曲”(逆空耳ソング)として使用された(歌詞が「My Way Rich, My Way Rich, Born Cry Were Death I Know」と聞こえるというネタ) 。
    • 藤子・F・不二雄原作の漫画ドラえもん』では、ジャイアン(剛田武)のリサイタルで当曲の冒頭部分「いやんなっちゃうよお~~♪」と、山口百恵の「横須賀ストーリー」を一緒にこの曲を歌うシーンがある[65]
    • 藤子不二雄A著『新オヤジ坊太郎』の「およげタコヤキくんの巻」では、タイヤキブームの影響でタコヤキがサッパリ売れなくなったたこ焼き屋の少年の窮状を見かねた主人公の坊太郎が、そのタコヤキ屋を大繁盛させようと日本でも一流の宣伝マンを集めて企画を展開し、夜空にタコ型のアドバルーン気球に乗った子門真人が「およげタコヤキくん」を歌って「みなさ〜ん タイヤキくんもいいけど今度からタコヤキくんもおーえんしよーね!!」と伝える場面が描かれている。
    • 1976年2月16日の『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ)では子門真人と山本リンダが共演。子門は「およげ!たいやきくん」を、リンダは「私の恋人、たいやきくん!」を歌った。子門が生放送の音楽番組に出演していたことも珍しいが、双方の曲が共にフジテレビの関連会社であるキャニオンレコードから発売されていたことも共演の理由となった。
    • この曲のヒットにより1976年の『第27回NHK紅白歌合戦』(NHK)では、子門真人が出場者の有力候補として多くのマスコミに取り上げられたが、(曲はヒットしても)歌手名のアンケートの支持が低かった[注釈 11]として落選した[66][67]。生田および子門はその後も『NHK紅白歌合戦』への出場歴はないが、1992年の『第43回NHK紅白歌合戦』にて嘉門達夫の「替え唄メドレー〜紅白バージョン〜」の一節として本曲(の一部分)が演奏された。
    • バレーボールのレシーブの一つに、「およげ!たいやきくん」にちなんだ名前の「たい焼きレシーブ」というものがある。柔道の受け身を応用したもので、モントリオールオリンピック全日本女子バレーボールチームが使った技として有名になった[68]
    • 2009年9月から放送されているアサヒビールリキュールビール風新ジャンルアルコール飲料「アサヒ麦搾り」のテレビCM木梨憲武皆藤愛子出演)では木梨が酒屋に立ち寄る際に「およげ!たいやきくん」の替え歌を歌っている。
    • コロッケが「ものまね王座」で子門真人のものまねをした時本曲を披露したが出だしの歌詞を失念しとっさにアドリブで「間違えた、すいません」と歌った。
    • NHK連続テレビ小説カムカムエヴリバディ」第66話(2022年2月3日放送)で「およげ!たいやきくん」が登場した。当時の番組の映像が使用されている。
    • 2022年11月17日に放送された「昭和歌謡ベストテンDX」(BS-TBS)の「懐かしのアニメソング特集」で1位に選ばれ[69]ささきいさおが歌唱した。

    脚注[編集]

    注釈[編集]

    1. ^ 後述の英訳詞「Swim, Taiyaki-Kun」ではfish store(魚屋)になっている。
    2. ^ 要するに麻布十番にある浪花家総本店で見たのではないということ。
    3. ^ プレス枚数[15]または出荷枚数[16]
    4. ^ ただし、B面は『ひらけ!ポンキッキ』の9代目お姉さん・橘いずみ(現・周栄良美)の「またね」(作詞:金子政路、作曲:勝誠二)に変更された。
    5. ^ NHK『おかあさんといっしょ』1999年発表曲。子供番組発祥の、菓子題材のヒット曲として『およげ!たいやきくん』と共通する。
    6. ^ 2017年時点では青山テルマ feat.SoulJaの「そばにいるね」がダウンロードを含め920万ユニットで「日本で最も売れたシングル」としてギネス世界記録に認定されている[26]
    7. ^ 「およげ!たいやきくん」と同じ『ひらけ!ポンキッキ』発祥。歌:のこいのこ
    8. ^ NHKみんなのうた』発祥。歌:川橋啓史斎藤こず恵、その他
    9. ^ TBSの『8時だョ!全員集合』発祥。歌:志村けん
    10. ^ のこいのこ「まる・さんかく・しかく」(キャニオン CX-112)のカップリング
    11. ^ この年は、同じく出場者の有力候補と目された内藤やす子も同様の理由で落選したとされる。

    出典[編集]

    1. ^ a b 小島豊美とアヴァンデザイン活字楽団『昭和のテレビ童謡クロニクル 『ひらけ! ポンキッキ』から『ピッカピカ音楽館』まで』DU BOOKS、2015年、104頁。ISBN 978-4-907583-45-3
    2. ^ 「全国ディスクベスト10」『週刊朝日』1976年2月6日号、36頁。
    3. ^ 「およげ!たいやきくん」モデル死去 毎日毎日〜焼き続け夕刊フジ、2010年5月7日。(インターネットアーカイブのキャッシュ)
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    参考文献[編集]

    • 「売れに売れた五〇〇万枚『およげ!たいやきくん』の遊泳術』」『野田経済』第1251号、野田経済研究所、1976年5月5日、30 - 33頁、NDLJP:2722685/16 

    関連項目[編集]

    外部リンク[編集]

    ウィキニュースに関連記事があります。「およげ!たいやきくん」がギネス認定―CDで再販も

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