YAH YAH YAH/夢の番人

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CHAGE and ASKA > YAH YAH YAH/夢の番人
YAH YAH YAH/夢の番人
CHAGE&ASKAシングル
初出アルバム『RED HILL
A面 YAH YAH YAH
夢の番人
B面 君はなにも知らないまま
リリース
規格 8cmCD
カセットテープ
デジタル・ダウンロード
ジャンル ポップ
ロック (#1)[1]
時間
レーベル ポニーキャニオン
AARD-VARK
作詞・作曲 飛鳥涼(#1,#2)
青木せい子(#3作詞)
CHAGE(#3作曲)
プロデュース CHAGE&ASKA
GO YAMAZATO
ゴールドディスク
チャート最高順位
CHAGE&ASKA シングル 年表
no no darlin'
(1992年)
YAH YAH YAH/夢の番人
(1993年)
Sons and Daughters 〜それより僕が伝えたいのは
(1993年)
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YAH YAH YAH/夢の番人』(ヤー・ヤー・ヤー/ゆめのばんにん)は、CHAGE&ASKA(現:CHAGE and ASKA)の31作目のシングル。「YAH YAH YAH」「夢の番人」との両A面シングル。ポニーキャニオンから1993年3月3日に発売された。

背景・リリース[編集]

前作「no no darlin'」から約5か月ぶりとなる作品[5]:400-401。公式サイトでは、「YAH YAH YAH」のみがA面として扱われているが、オリコンでは「YAH YAH YAH/夢の番人」と両A面シングルとして扱われている。また、CDジャケットでも両A面シングルで表記されたデザインが存在している[3][6][7]

当時所属していたレコード会社のポニーキャニオンと所属事務所のリアルキャストは「YAH YAH YAH」の発売を反対していた。理由はドラマの主題歌だった「SAY YES」が大ヒットしてしまったことで3,4年はドラマの主題歌をやるべきではないという内容で、ASKAも初めは賛同していた。しかし、ASKAは「ある時期にいろいろ動かなくちゃいけなくて、それがたまたまドラマの仕事だった」という考えに変わっていった。またASKAが当時最高傑作と称したアルバム『GUYS』に「何か一つ入れ忘れた楽曲がある。はじけていたいっていうか、そのような意味の楽曲を作りたい。CHAGE&ASKAのために『YAH YAH YAH』は必要」という考えもあり、ASKAはCHAGE(現:Chage)も含め事務所とレコード会社に意見を押し通したという[5]:232

「YAH YAH YAH」が主題歌に起用されたテレビドラマ『振り返れば奴がいる』で行われた当選者数100人のCDプレゼントには約17万通の応募があった[8]

受賞歴[編集]

「YAH YAH YAH」の受賞とノミネート
音楽賞 結果 出典
1994年 第8回日本ゴールドディスク大賞 ベスト5・シングル賞 [9]
グランプリ・シングル賞

チャート成績[編集]

発売日までに70万枚を出荷し、発売日のうちに30万枚の追加注文があった[8]

オリコン集計では、「if」以来のミリオンとなり、3作目のシングルミリオンセラーを記録。そして、「SAY YES」以来2作目のダブルミリオンセラーを達成し、累計売上枚数は241.9万枚(オリコン調べ)を記録した[10]。同一アーティストによる2作のシングルダブルミリオンセラー達成は、オリコン史上初の快挙となった[11][注 1]

1993年の年間ランキング期間内にシングル・アルバムの両方合わせても本作が最も多く売り上げた作品であり、1990年代(1990年 - 1999年)に発売されたシングルの中で本作は歴代7位、平成に発売されたシングルの中では歴代9位の売上を記録している[3][12][13]

2004年3月22日付のオリコン週間ランキングで、2003年に発売したSMAPの「世界に一つだけの花」の売上が本作を上回り、オリコン歴代シングル売上10位を記録した[14]。記録を抜かれる前は歴代TOP10に本作と「SAY YES」がランクインしており、同一アーティストで2作ランクインしていたのはCHAGE and ASKAのみであった[15]

収録曲[編集]

一覧[編集]

#タイトル作詞作曲編曲時間
1.YAH YAH YAH飛鳥涼飛鳥涼飛鳥涼・十川知司
2.夢の番人飛鳥涼飛鳥涼澤近泰輔
3.君はなにも知らないまま青木せい子CHAGE村上啓介
合計時間:

楽曲解説[編集]

  1. YAH YAH YAH
    フジテレビ水曜劇場振り返れば奴がいる』主題歌。また、キリンビール淡麗W」CMソング[注 2]
    タイアップとなった『振り返れば奴がいる』の主題歌の映像では、CHAGEとASKAがカメオ出演している。
    アルバム『GUYS』が比較的落ち着き目のアルバムに仕上がっているため、次回はぜひテンポ感のあるものを発表したいという気持ちがASKAにはあり[16]、「SAY YES」でついた“バラードのチャゲアス”を本楽曲で払拭できるはずだと思ったという[17][5]:232
    歌詞に出てくる「そいつを殴りに行こうか」の「相手」についてのちにASKAが古舘伊知郎のYouTubeで語ったところによると、古舘が司会を務めていたフジテレビの音楽番組『MJ -MUSIC JOURNAL-』の構成作家である秋元康が「チャゲアスの曲は演歌だ」という特集を組んだことがきっかけだった。その特集に怒りを感じたASKAは『ある場面に出くわしたら、拳を突き上げなきゃいけないときもある』という意味あいの曲にしたという。あくまで「殴りに行く相手」は番組に対しての怒りとしているが、構成を担当した秋元とは後に和解している[18]
    2005年に放送された『第56回NHK紅白歌合戦』の「スキウタ〜紅白みんなでアンケート〜」で白組50位にランクインし、レコチョクが発表したカラオケで盛り上がる1990年代の楽曲ランキングで最も支持を受け1位を獲得した[19]
    CHAGE and ASKAの活動休止中である2016年3月29日に放送されたTBS系音楽番組『UTAGE!』でChageとSMAPのメンバー中居正広草彅剛舞祭組CHEMISTRYのメンバー川畑要などで披露された[20]。中居が「中居正広のリクタイム」としてCHAGEにリクエストしテレビで披露され、テレビ披露は10年以上ぶりとなり、フルサイズで原曲キーでのバンド演奏という形での披露となった。このコラボ後にネットで「中居正広に感謝」「CHAGE and ASKAの復活を願う」「YAH YAH YAHで感動した」などの絶賛の声が上がった[21]。また、過去に同番組の同じ企画で中居はCHAGEに「終章(エピローグ)」をリクエストしている[22]
    2002年のセルフカバー・アルバム『STAMP』にも収録されている。2004年にはシングル4曲収録の企画シングル盤『SEAMLESS SINGLES』にリマスタリングされて収録された。
  2. 夢の番人
    フジサンケイグループのイベント『LIVE UFO '93』テーマソング。
    ミュージック・ビデオは「よみうりランド」で撮影が行われた。
    デモテープで歌詞が出来ていない段階では、洋風な香りを持った曲だと思っていたが、歌詞が入るとしっかり日本のポップスに仕上がってしまっており、イントロ、間奏、エンディングも歌と同じくらい印象的に作り込むことができたとASKAは述べている[16]
    シングル・バージョンは本作のみに収録。
  3. 君はなにも知らないまま
    フジテレビ系水曜劇場『振り返れば奴がいる』挿入歌。
    「ファンの期待を裏切らない純粋でシンプルなバラードを作ってみた。今あるがままの中で最大限できることに目を向けるようなプラス志向を大切にしたいと思って、ありがちな題材からどれだけ味を引っ張り出せるかということを考えた」とCHAGEは述べている[16]
    シングル・バージョンは本作のみに収録。

収録アルバム[編集]

国内盤
海外盤

カバー作品[編集]

YAH YAH YAH
君はなにも知らないまま
  • 1994年 - 14カラット・ソウル(14 Karat Soul)(カバー・アルバム『TRANSPACIFIC』に収録)

ツアー[編集]

1993年3月30日から5月5日にかけてLIVE UFOの一環としてスペシャルイベント「LIVE UFO '93 CHAGE&ASKA SPECIAL EVENT GUYS〜夢の番人〜(CONCERT TOUR 1993 "GUYS")」が開催された。このイベントの模様はVHS「SPECIAL EVENT '93 GUYS〜夢の番人〜」などで収録された。

セットリスト[編集]

  〜Opening Movie〜

  1. GUYS
  2. 夢の番人
  3. CRIMSON
  4. 恋人はワイン色
  5. ゼロの向こうのGOOD LUCK
  6. LOVE SONG
  7. SAY YES
  8. WALK
  9. 野いちごがゆれるように
  10. 光と影
  11. MOON LIGHT BLUES
  12. HANG UP THE PHONE
  13. 太陽と埃の中で
  14. LONDON POWER TOWN
  15. モナリザの背中よりも
  16. 僕はこの瞳で嘘をつく
  17. PRIDE
  18. YAH YAH YAH
  19. ロマンシング ヤード
  20. no no darlin'

〜Ending Movie〜

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 後に、Mr.Childrenも「Tomorrow never knows」「名もなき詩」で達成しており、この記録はCHAGE and ASKAと Mr.Childrenのみである。
  2. ^ 2009年に使用された。

出典[編集]

  1. ^ YAH YAH YAH/CHAGE and ASKA 収録アルバム『VERY BEST ROLL OVER 20TH』 試聴・音楽ダウンロード mysound 2021年12月10日閲覧。
  2. ^ The Record vol.443 p4 日本レコード協会 2020年10月1日閲覧
  3. ^ a b c “音楽シーンで振り返る“平成” 際立つビーイングの存在感”. ORICON NEWS (オリコン). (2018年12月3日). https://www.oricon.co.jp/confidence/special/52180/ 2018年12月25日閲覧。 
  4. ^ Billboard Japan Hot 100 2014年6月2日公開 ランキング Billboard JAPAN 2021年6月4日閲覧。
  5. ^ a b c 別冊カドカワ 完全保存版430ページ CHAGE&ASKA『大事なものは変わっていく』(2000年) 角川書店 p1-430
  6. ^ YAH YAH YAH CHAGE and ASKA Official Web Site 2021年5月19日閲覧
  7. ^ CHAGE&ASKA 実は理性の大切さを教える「YAH YAH YAH」 WHAT's IN? tokyo 2019年5月10日配信, 2021年5月19日閲覧
  8. ^ a b 産経新聞』1993年3月11日付東京朝刊。
  9. ^ 第8回日本ゴールドディスク大賞 日本ゴールドディスク大賞 2017年4月25日閲覧
  10. ^ CHAGE and ASKAが無期限活動休止 オリコン 2009年1月30日配信, 2021年5月19日閲覧。
  11. ^ 歴代1位の記録も! CHAGE and ASKAの凄さを改めて振り返る! exciteニュース 2016年12月2日配信, 2021年5月19日閲覧。
  12. ^ トレンディドラマとともに訪れた90年代のミリオンセールス時代 オリコン 2017年11月29日閲覧
  13. ^ 【オリコン“平成セールス”ランキング】シングルはSMAP、アルバムは宇多田ヒカルが1位 “平成No.1”アーティスト別セールスのB’zからはコメント到着 オリコン p3 2019年4月11日閲覧、2019年4月11日配信
  14. ^ 2004年度の記録アラカルト ~シングル編~”. ORICON STYLE. オリコン. 2005年3月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月31日閲覧。
  15. ^ アスカ残し、チャゲ逝く 「なんかショック…」ちょっとした騒動に with news 2016年2月15日閲覧
  16. ^ a b c 「YAH YAH YAH」 CHAGE and ASKA Official Web Site 2019年2月24日閲覧
  17. ^ 【特集】『CHAGE&ASKA VERY BEST ROLL OVER 20TH』時代とともに進化し続けたCHAGE and ASKAの音楽 mysound 2017年8月7日閲覧
  18. ^ “ASKAが「YAH YAH YAH」で殴りに行こうとした“相手”が判明 約30年前にあった騒動とは”. スポニチANNEX (スポーツニッポン新聞社). (2022年6月16日). https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2022/06/16/kiji/20220616s00041000428000c.html 2022年6月26日閲覧。 
  19. ^ レコチョクが“カラオケで盛り上がる90年代ソングランキング”を発表! CDjournal 2016年12月23日閲覧
  20. ^ Chage、中居正広や草なぎ剛らと「YAH YAH YAH」熱唱。TBS『UTAGE!』スペシャル番組にて BARKS 2016年3月17日配信・閲覧
  21. ^ ChageとSMAP中居正広が歌った「YAH YAH YAH」が大絶賛。「YAH YAH YAHで泣けたの初めて」 イータレントバンク 2016年3月30日配信・閲覧
  22. ^ Chage、10年ぶりに「YAH YAH YAH」披露 中居正広が背中を押す スタジオ中が拳を突き上げ熱唱 Music Voice 2016年3月31日配信・閲覧

関連項目[編集]

外部リンク[編集]