北京市

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中華人民共和国 北京市
上から時計回り: 北京商務中心区、八達嶺長城、天壇、中国国家大劇院、北京国家体育場、天安門
上から時計回り: 北京商務中心区八達嶺長城天壇中国国家大劇院北京国家体育場天安門
上から時計回り: 北京商務中心区八達嶺長城天壇中国国家大劇院北京国家体育場天安門
略称:
別称:燕京、北平
旧称:燕京、中都、大都、北平
中華人民共和国中の北京市の位置
中華人民共和国中の北京市の位置
中華人民共和国中の北京市の位置
中心座標 北緯39度54分20秒 東経116度23分29秒 / 北緯39.90556度 東経116.39139度 / 39.90556; 116.39139
簡体字 北京
繁体字 北京
拼音 Běijīng
カタカナ転写 ペイチン
国家 中華人民共和国の旗 中華人民共和国
行政級別 直轄市
成立 紀元前473年
市党委書記 蔡奇(19期中国共産党中央政治局委員、前北京市長、元中央国家安全委員会弁公室常務副主任、元浙江省常務副省長)
市長 陳吉寧(前環境保護相、元清華大学校長)
面積
総面積 16,410.54[1] km²
海抜 43.5 m
人口
総人口(2015) 2170.5 万人
経済
GDP(2015) 22968.6億元
一人あたりGDP 106284元
電話番号 010
郵便番号 100000 - 102600
ナンバープレート 京A, C, E, F,G, H, J, K, L, M, P, N, Q, Y(小型自動車)(藍地に白字)
京A,G(大型自動車)(黄地に黒字)
京E(中型バス)(黄地に黒字)
京B(タクシー)(藍地に白字)
京A, D(警察)(白地に黒字)
京O(当局により廃止)(藍地に白字)
行政区画代碼 110000
市樹 側柏、エンジュ
市花 月季、
2015年のHDIは 0.882。
公式ウェブサイト http://www.beijing.gov.cn/
北京市
中国語 北京
郵政式Peking
発音記号
標準中国語
漢語拼音Běijīng
ウェード式Pei3ching1 or Pei3-ching1
注音符号ㄅㄟˇ ㄐㄧㄥˉ
呉語
ローマ字pohcin
客家語
客家語拼音Pet-kîn
粤語
粤拼bak1ging1
閩南語
閩南語白話字Pak-kiaⁿ
北京のスカイライン

北京市(ペキンし、日本音読み:ほくきょうし/ほっきょうし、中国語: 北京市拼音: Běijīng)は、中華人民共和国首都

行政区画上は直轄市であり、中国の華北の中央に位置する。人口は2171万(2015年)。中国の政治の中枢であり、上海と並ぶ経済・学術・文化の中心地である。アジア屈指の世界都市。古くは大都燕京北平とも呼ばれた。

北京の読み方

日本では一般的に「ペキン」と読む。このペキンという読みは中国南部の方言の唐音に由来する歴史的な読み方である[2]1906年制定の郵政式アルファベット表記でもPekingと表記されている。

中国の共通語である普通話では、Zh-Beijing.ogg Běijīng[ヘルプ/ファイル]と発音し、カタカナに転記すると「ペイチン」。英語ではBeijingと表記し、 en-us-Beijing.ogg [beɪˈdʒɪŋ][ヘルプ/ファイル]ベイジン」と発音している[3]国連や北京市の公式サイトにおいても、Beijingを英語の名称として採用している[4][5][6]。ただ以前は英語圏でもPekingという表記を多用していたこともあり、北京大学を英語でPeking Universityと表記するなど[7]、その名残を残している。

満州語ではベギン(満洲文字:ᠪᡝᡤᡳᠩメレンドルフ転写:beging)またはゲムン・ヘチェン(満洲文字:ᡤᡝᠮᡠᠨ
ᡥᡝᠴᡝᠨ
、転写:gemun hecen、「京城」の意)、ギン・ヘチェン(満洲文字:ᡤᡳᠩ
ᡥᡝᠴᡝᠨ
、転写:ging hecen)[8]と呼ばれていた。

江戸時代の書物(江原某『長崎虫眼鏡』など)では、「北京」のふりがなは「ほつきん(発音はホッキン)」となっている。幸田露伴の小説「運命」では読みを漢音で「ほくけい」としている。諸橋轍次大漢和辞典」では「ほくけい」「ぺきん」の二つの読みを併記している。「ほっけい」とも言う。

歴史

天寧寺塔は遼代に建てられ、の末期の戦火による天寧寺焼失を免れた塔。
中国地名の変遷
建置 古代
使用状況 北京市
春秋
戦国
薊県
広陽郡
前漢燕国
広陽郡
燕国
広陽郡
広陽国
後漢上谷郡
広陽郡
三国燕国
西晋燕国
東晋十六国燕郡
南北朝燕郡
幽州
涿郡
幽州
幽都県
幽州
五代幽州
北宋/薊北県
幽都府
南京
燕京
析津府
析津県
宛平県
南宋/中都
大興府
大興県
大都
大都路
北平府
順天府
北京
順天府
北京
中華民国京兆地方
北平特別市
北平市
現代北京市

春秋戦国時代にはの首都で(けい)と称された。の国都洛陽からは遠く離れ、常に北方の匈奴などの遊牧民族の侵入による被害を受ける辺境であった。漢代には北平(ほくへい)と称されるが、満州開発が進み、高句麗など周辺国の勢力が強大となると、戦略上、また交易上の重要な拠点として重視されるようになった。北京市に隣接する河北省涿郡(たくぐん)は三国志の英雄劉備の故郷で知られるとともに煬帝が築いた大運河の北の起点とされている。

唐末五代の騒乱期、内モンゴルから南下してきた遼朝は、後晋に対し軍事支援を行った代償として北京地方を含む燕雲十六州を割譲された。遼はこの都市を副都の一つ南京と定めた。その後金朝が遼を滅ぼし支配権を獲得すると、金は北京に都城を定め中都とした。更にモンゴル帝国元朝)が金を滅ぼすと大都として元朝の都城となり、カラコルムに代わってモンゴル帝国の中心となった。

朱元璋が元を北方に駆逐し明朝が成立すると、名称は北平に戻され、都城は南京に定められた。しかし、燕王に封じられ北平を拠点とした朱棣(後の永楽帝)は、1402年建文帝に対し軍事攻撃を行い政権を奪取。皇帝に即位し1421年には北平遷都を実行。地名を北京に改めた。明が滅んだのち、清もこの地を都とした。1911年辛亥革命後は中華民国北洋政府は北京を首都と定めた。1928年蔣介石を中心とする国民政府は、南京を首都に定め、6月には「政府直轄地域」を意味する直隷省を河北省へ、北の首都を意味する北京を北平(ほくへい、ペイピンBěipíng)へと、改称した。1937年から1945年まで続いた日本軍占領期は北京の名称が用いられた。(公式には1940年に改名)。1945年の日本の敗戦によって、再び北平に改称された[9][10][11]

1949年10月1日中華人民共和国成立により新中国の首都とされた北平は再び北京と改称され現在に至っている。しかし、中華人民共和国の存在を承認せず、南京を公式な首都として大陸地区への統治権を主張する中華民国(台湾)では、現在でも公式名称として「北平」の名称が用いられている。

地理

北京は華北平原の東北端に位置する。東部は山地、西部は太行山脈、北部は燕山山脈の一部である軍都山に接しており、南部以外は山に囲まれていて全市域の約62%を山地が占めている。北京の最高峰は万里の長城が延々と続いている北部山脈にある東霊山である。北京市街地はこうした山岳地域に囲まれた盆地の中にあり、その平均海抜は20〜60mである。海河流域に属し、永定河や潮白河などが流れるが、これらの河川には普段水が流れておらず水不足が深刻になっている。面積は日本四国に相当する。

気候

ケッペンの気候区分では、かつては亜寒帯冬季少雨気候(Dwa)に属していたが、最新の平年値ではステップ気候(BSk)に移行した[12]。気温の年較差が大きい。また、春と秋はとても短い。は乾燥していて強い砂埃の風が立つ。は高温多湿となり、霧や靄が降りる日が比較的多く雨は少ない。には雨がやや増えるが夕立など特定の時刻に集中的に降ることが多い。は低温乾燥で厳しい寒波が襲うが、乾燥のため雪はそれほどは降らない。1981~2010年平年値では1月の平均気温が-3.1度、7月の平均気温が26.7℃、年平均気温が12.9℃、年降水量は532.0mmである。最高気温極値は41.9℃(1999年7月24日)で最低気温極値は-27.4℃(1966年2月22日)。

北京市(1991年 - 2020年平均、極値1951年 - 現在)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 14.3
(57.7)
25.6
(78.1)
29.5
(85.1)
33.5
(92.3)
41.1
(106)
41.1
(106)
41.9
(107.4)
38.3
(100.9)
35.9
(96.6)
31.0
(87.8)
23.3
(73.9)
19.5
(67.1)
41.9
(107.4)
平均最高気温 °C°F 2.3
(36.1)
6.1
(43)
13.2
(55.8)
21
(70)
27.2
(81)
30.8
(87.4)
31.8
(89.2)
30.7
(87.3)
26.5
(79.7)
19.3
(66.7)
10.3
(50.5)
3.7
(38.7)
18.58
(65.45)
日平均気温 °C°F −2.7
(27.1)
0.6
(33.1)
7.5
(45.5)
15.1
(59.2)
21.3
(70.3)
25.3
(77.5)
27.2
(81)
26.1
(79)
21.2
(70.2)
13.8
(56.8)
5.2
(41.4)
−1
(30)
13.3
(55.92)
平均最低気温 °C°F −6.9
(19.6)
−4.2
(24.4)
1.9
(35.4)
9
(48)
15.1
(59.2)
20
(68)
23
(73)
22
(72)
16.3
(61.3)
8.8
(47.8)
0.7
(33.3)
−5
(23)
8.39
(47.08)
最低気温記録 °C°F −22.8
(−9)
−27.4
(−17.3)
−15.0
(5)
−3.2
(26.2)
2.5
(36.5)
9.8
(49.6)
15.3
(59.5)
11.4
(52.5)
3.7
(38.7)
−3.5
(25.7)
−12.3
(9.9)
−18.3
(−0.9)
−27.4
(−17.3)
降水量 mm (inch) 2.2
(0.087)
5.8
(0.228)
8.6
(0.339)
21.7
(0.854)
36.1
(1.421)
72.4
(2.85)
169.7
(6.681)
113.4
(4.465)
53.7
(2.114)
28.7
(1.13)
13.5
(0.531)
2.2
(0.087)
528
(20.787)
平均降水日数 1.6 2.3 3 4.7 6 10 11.9 10.5 7.1 5.2 2.9 1.6 66.8
湿度 43 42 40 43 47 58 69 71 64 58 54 46 52.9
平均月間日照時間 188.1 189.1 231.1 243.2 265.1 221.6 190.5 205.3 206.1 199.9 173.4 177.1 2,490.5
出典:中国气象局 国家气象信息中心 2020-12-31


市政

  • 中国共産党北京市委員会書記:蔡奇(2017年5月27日 -)
  • 北京人民政府市長:陳吉寧(2017年5月27日 -)
  • 北京市人民代表大会常務委員会主任:李偉
  • 中国人民政治協商会議北京市委員会主席:吉林

行政区域

下部には16市轄区を管轄する。

北京市の地図
北京の城門
北京の古地図(1914年)
旧城区
  • 2010年7月1日まで崇文区(中心市街地南東部)と宣武区(中心市街地南西部)があるが、それぞれ旧東城区・旧西城区と新設合併した。旧城区を構成する元の四区から一文字ずつとって、この地域を「東西文武」と呼ぶことがある。
新城区
その他
  • 順義区 市東北部に位置し、1998年県から区に昇格した。北京順義国際学校 (International School of Beijing) が所在。
  • 昌平区 市北西部に位置し、明の十三陵がある。
  • 門頭溝区 市西部の山間部に位置し、1958年区成立。
  • 通州区 市東部に位置する。1958年市に編入、1997年区に昇格。
  • 房山区 市南西部に位置する。周口店がある。1999年区に昇格。
  • 大興区 市南部に位置する。1958年市に編入、2001年区に昇格。2019年9月25日開港の北京大興国際空港を含む。
  • 懐柔区 市北部の山間部に位置する。1368年建県、2001年区に昇格。
  • 平谷区 市東北部に位置する。1958年北京市に編入、2002年区に昇格。
  • 延慶区 市北西部に位置する。2015年区に昇格。
  • 密雲区 市東北部に位置する。2015年区に昇格。北京の水源である密雲ダムがある。

年表

人口

北京市の人口は2000万人を突破し、2014年には2152万人となった[13]。戸籍人口1,755万人(2009年末)あまりで、他に公安機関(警察)に一時住居登録している流動人口が364.9万人いる、都心人口917.61万人(2008年12月)いる。構成は96%が漢民族で、残り4%は55の少数民族で構成されている。

都市的地域の人口は1,395万人であり、世界第16位である[14]

経済

西二環路にある北京金融街は、北京経済の中心地である
IT産業や研究所が集積し、中国のシリコンバレーとも呼ばれる中関村

2014年の北京市の市内総生産は約2兆1320億元であり[15]上海市に次いで中国本土第2位である。2014年の北京都市圏の総生産は4811億ドルであり、世界11位の経済規模を有する[16]

アメリカのシンクタンク2020年に発表した総合的な世界都市ランキングにおいて、ニューヨークロンドンパリ東京に次ぐ世界5位の都市と評価され、特にビジネス活動の分野ではニューヨークに次いで高い評価を受けた[17]2020年3月のイギリスのシンクタンクによると、世界7位の金融センターであり、中国では上海や香港に次ぐ3位である[18] イギリスの「グローバリゼーションと世界都市研究ネットワーク」(GaWC)が2020年に公表した金融会計法律広告経営コンサルタントなどビジネス分野を対象とした世界都市格付けにおいて、最高峰のロンドンニューヨークの2都市に次ぎ、パリ東京と同じく"アルファ+"級世界都市として選定された[19]2013年からはフォーチュン・グローバル500においては、東京を超えて世界で最も大企業の本社が集積している都市との評価を受けている[20]2015年にはニューヨークロシアモスクワを超えて世界で最も億万長者が多い都市となった[21]

北京市統計局が公表した2010年の全従業員の平均賃金は年50,415元(約63万円)である[22]。月当たりだと4,201元(約5万円)である。また、2012年の最低賃金基準は1時間当たり7.2元(約90円)、月当たり1,260元(約1万6000円)である[23]。一方、非全日制就業労働者の1時間あたり最低賃金は14元(約170円)である。

北京市は、ハイテク民営企業、研究開発拠点、中国ビジネスの統括拠点としての発展を目指すものと見られる。産業構造では第三次産業への依存が高い。2003年GDPの61.4%が第三次産業である一方、第二次産業の比率は36.0%で、第一次産業に至ってはわずか2.6%に過ぎない。ちなみに中国全体では第三次産業の比率は32.3%で、上海でも48.4%である。近年では外資企業の第三次産業での進出も加速している。市中心部では、CBD構想(北京CBD計画)が着々と進むなど、北京市は上海と並ぶ中国ビジネスの統括拠点としての役割も強めている。この他、北京市は環渤海経済圏、京津冀都市経済圏における中心都市として、周辺地域との経済的な協調を図りながら効率性の高い発展を志向するものとみられる。 また、北京には多くの大学・研究機関が集中しており、多くの優秀な人材が社会へと巣立っている。

政治

中国の権力の象徴である中南海

故宮の西側に隣接する中南海には最高領導人(最高指導者)の居住地や中国共産党の本部と中央政府の国務院などが所在し、人民大会堂では最高権力機関である全国人民代表大会が毎年開催されている。

軍事

中部戦区司令部所在地であり、首都警備の任にあたる衛戍部隊3個師団が市内に駐屯する。国際的な国境警備の任にあたる上海協力機構の本部も所在する。

交通

長安街
北京駅
北京西駅
北京南駅

道路

1960年代 - 70年代に街の交通の障害になるという理由で、明代の内城の城壁が撤去された。その跡には新たに移動の大動脈として一周約32kmの第二環状線が築かれている。その外側にさらに3つの環状線が敷かれており、現在6つの環状道路が開通。第7環状道路は現在計画中である。さらに環状2号線から放射状に12の国道が国内各地にのびる。北京から天津を経由して、渤海沿岸の塘沽までなど、6本の高速道路が建設された。

2010年、北京では、自動車の登録台数が1年で75万台超も増え、470万台を突破している。自動車の普及に道路や駐車場などインフラ整備が追いつかず、渋滞が深刻化している。8月の米誌フォーリン・ポリシーの記事では、世界で最も交通渋滞が深刻な都市に北京を挙げている。北京市ではこの状態を少しでも改善するため、公共交通優先措置、自動車のナンバープレートによる運行制限などを実施、年間の登録台数の制限も実施するとしている[24]

2013年になり大気汚染は悪化の一途をたどり、北京市も対策に乗り出した。

同年9月29日には市の大気汚染が最悪レベルになった[25]

鉄道

北京は中国国鉄の中心地であり、国内全省都への直通列車や、近隣諸国への国際列車が発着する。モスクワウランバートル平壌行きの国際列車をはじめ、国内全ての省、市、自治区の首府を結ぶ直行列車が発着する。2011年6月には、経済の中心地である上海とを結ぶ京滬高速鉄道が開業した[26][27]。巨大ターミナル駅として、中央駅の北京駅北京西駅北京南駅が挙げられる。またその他に大きな駅として、北京東駅北京北駅黄村駅豊台駅通州西駅がある。

市中心部、郊外の交通は、北京地下鉄が担っている。また、2006年には北京市政交通カードとよばれるICカードを導入、自動改札機も全線・全駅で導入されている。2008年8月の北京オリンピックの開催を契機に路線網が急速に拡大し、2018年末現在では総延長はおよそ710Kmとなる[28]

北京市の主な鉄道路線一覧

中国国鉄の主な路線
地下鉄の路線
2016年12月31日現在の地下鉄路線図
ライトレールの路線

航空

北京大興国際空港
北京の衛星写真

文化

中国国家大劇院

メディア

北京電視台が国営放送網として北京に所在し、主として1から10までの番号をふられたチャンネルをそれぞれ放送する。

スポーツ

2008年8月8日 - 8月24日夏季オリンピック北京オリンピック)が開催された。北京オリンピック北京パラリンピックの開催で、通称「鳥の巣」と呼ばれるメイン会場の北京国家体育場を建設するのに、およそ350,000人もの人々が強制移動させられたとされ、この強制移動は2008年7月28日にようやく完了した。また、毎年10月には天安門広場をスタート地点とする北京国際マラソンが開催される。

北京を本拠地とするプロスポーツチームとして、中国サッカー・スーパーリーグの「北京国安」・「北京人和」、中国プロバスケットボールリーグの「北京ダックス」、アジアリーグアイスホッケーの「チャイナドラゴン」がある。プロテニスチャイナ・オープン (テニス)も開催される。

2015年7月31日に2022年冬季オリンピックの開催都市に選ばれる。同一都市が夏季オリンピック冬季オリンピックを開催するのは北京が史上初である[30]

現代音楽

多くのロック専門ミュージシャンがここに集まり、北京を彼らの音楽人生の始まりとして見る。前衛的なアーティスト達も北京で活躍している[31]

教育

北京は、中国国内で最も大学の数が多い。また、清華大学北京大学など、国内最上級の優秀な大学が所在している。

日本人の語学留学生(標準中国語)の行き先は、北京が一番多い。これは語学留学生を受け入れている学校(大学)数が、中国国内で最も多いことが関係している。また、中国の中心地であるため有名な建築物が多く、比較的標準語に近い言葉を話している地域である。

大学

日本人学校

博物館

中秋帖(王献之作、東晋時代)

観光

紫禁城

中国の代表的な観光都市として知られ、50万年前からの人類が生活してきた歴史、3000余年の街造りの歴史、700余年も全国的な政権が都をこの地に置いた歴史があり、中国の七大古都の1つである。北京は古都にふさわしい第一級の名勝史跡に恵まれており、外国人観光客数、観光外貨収入は国内第1位である。紫禁城天安門広場庭園、古くから市民の居住する街並みである衚衕などがあり海外からの観光客も多く訪れる都市である。

世界遺産

娯楽施設

姉妹都市

都市 姉妹都市になった日付[32] 姉妹都市関係終了の日付
東京都 日本の旗 日本 1979年3月14日
ニューヨーク アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1980年2月25日
ベオグラード セルビアの旗 セルビア 1980年10月14日
リマ ペルーの旗 ペルー 1983年11月21日
ワシントンD.C. アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1984年5月15日
マドリード スペインの旗 スペイン 1985年9月16日
リオデジャネイロ ブラジルの旗 ブラジル 1986年11月24日
イル・ド・フランス地域圏 フランスの旗 フランス 1987年7月2日
ケルン ドイツの旗 ドイツ 1987年9月14日
アンカラ トルコの旗 トルコ 1990年6月20日
カイロ県  エジプト 1990年10月28日
ジャカルタ インドネシアの旗 インドネシア 1992年8月4日
イスラマバード パキスタンの旗 パキスタン 1992年10月8日
バンコク タイ王国の旗 タイ 1993年5月26日
ブエノスアイレス アルゼンチンの旗 アルゼンチン 1993年7月13日
ソウル特別市 大韓民国の旗 大韓民国 1993年10月23日
キエフ  ウクライナ 1993年12月13日
ベルリン ドイツの旗 ドイツ 1994年4月5日
ブリュッセル ベルギーの旗 ベルギー 1994年9月22日
ハノイ  ベトナム 1994年10月6日
アムステルダム オランダの旗 オランダ 1994年10月29日
モスクワ ロシアの旗 ロシア 1995年5月16日
パリ フランスの旗 フランス 1997年10月23日
ローマ イタリアの旗 イタリア 1998年5月28日
ハウテン州 南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国 1998年12月6日
オタワ カナダの旗 カナダ 1999年10月18日
キャンベラ オーストラリアの旗 オーストラリア 2000年9月14日
マドリード州 スペインの旗 スペイン 2005年1月17日
アテネ ギリシャの旗 ギリシャ 2005年5月10日
ブダペスト  ハンガリー 2005年6月16日
ブカレスト  ルーマニア 2005年6月21日
ハバナ  キューバ 2005年9月24日
マニラ フィリピンの旗 フィリピン 2005年11月14日
ロンドン イギリスの旗 イギリス 2006年4月11日
ウェリントン ニュージーランドの旗 ニュージーランド 2006年5月10日
アディスアベバ エチオピアの旗 エチオピア 2006年4月17日
ヘルシンキ  フィンランド 2006年7月14日
ヌルスルタン カザフスタンの旗 カザフスタン 2006年11月16日
テル・アビブ イスラエルの旗 イスラエル 2006年11月21日
サンティアゴ  チリ 2007年8月6日
リスボン ポルトガルの旗 ポルトガル 2007年10月22日
ティラナ アルバニアの旗 アルバニア 2008年3月21日
ドーハ カタールの旗 カタール 2008年6月23日
サンホセ コスタリカの旗 コスタリカ 2009年10月17日
メキシコシティ メキシコの旗 メキシコ 2009年10月19日
ダブリン アイルランドの旗 アイルランド 2011年6月2日
コペンハーゲン  デンマーク 2012年6月28日
ニューサウスウェールズ州 オーストラリアの旗 オーストラリア 2012年8月3日
デリー インドの旗 インド 2013年10月23日
テヘラン イランの旗 イラン 2014年2月27日
ウランバートル モンゴルの旗 モンゴル 2014年8月17日
ヴィエンチャン ラオスの旗 ラオス 2015年4月24日
プラハ  チェコ 2016年3月29日[33] 2019年10月9日[34]
ミンスク  ベラルーシ 2016年4月26日
リガ  ラトビア 2017年9月15日
プノンペン カンボジアの旗 カンボジア 2018年5月21日

北京を舞台とした作品

Category:北京を舞台とした作品を参照。

関連項目

脚注

  1. ^ 北京市 概況と投資環境 日本貿易振興機構(JETRO)北京センター
  2. ^ 京都産業大学 大学院 外国語学研究科 中国語学専攻/研究紹介/矢放昭文教授 インタビュー
  3. ^ Dictionary Beijing
  4. ^ UNdata China
  5. ^ Geographic Names
  6. ^ 北京市公式サイトの英語版
  7. ^ 北京大学の公式ホームページ
  8. ^ 『清文鑑外新語』
  9. ^ 人民中国 北京の歴史
  10. ^ 世界史の窓 北京/北平
  11. ^ 日本大百科全書 北京 歴史 (星斌夫)
  12. ^ 世界の気候区の更新
  13. ^ [1]
  14. ^ Demographia: World Urban Areas & Population Projections
  15. ^ [2]
  16. ^ Cities Rank Among the Top 100 Economic Powers in the World Chicago Council on Global Affairs 2016年10月28日閲覧。
  17. ^ Read @Kearney: 2020 Global Cities Index: New priorities for a new world” (英語). www.kearney.com. 2021年1月27日閲覧。
  18. ^ The Global Financial Centres Index Long Finance 2020年5月13日閲覧。
  19. ^ GaWC - The World According to GaWC 2020”. www.lboro.ac.uk. 2021年1月27日閲覧。
  20. ^ フォーチュン500社の企業、北京本社が最多に 東京抜く―中国メディア”. フォーカス・アジア (2014年6月22日). 2016年7月31日閲覧。
  21. ^ 北京、世界で最も多く億万長者が住む都市にNYを上回る”. AFP (2016年2月25日). 2016年3月1日閲覧。
  22. ^ 北京:従業員平均月収は4201元
  23. ^ 北京市2012年最低賃金基準調整に関する通知
  24. ^ 渋滞に大気汚染…まん延する「自動車病」―中国
  25. ^ 北京の大気汚染、最悪レベルに=中国 - びわ湖大津経済新聞(2013年9月29日閲覧)
  26. ^ 京滬高速鉄道開通、中国鉄道の新時代を切り開く[リンク切れ]
  27. ^ 小谷まなぶ (2011年7月11日). “北京-上海間の高速鉄道に乗ってみる”. アゴラ. 2020年5月23日閲覧。
  28. ^ “【中国を読む】中国の都市鉄道拡大 ソフト面に課題も”. 産経デジタル. (2019年5月13日). https://www.sankeibiz.jp/smp/macro/news/190513/mcb1905130500004-s1.htm 2020年5月23日閲覧。 
  29. ^ “世界最大規模の北京大興国際空港が開港”. 会報「日本と中国」 (公益社団法人日本中国友好協会). (2020-1-1). https://www.j-cfa.com/report/feature/世界最大規模の北京大興国際空港が開港/ 2020年5月23日閲覧。. 
  30. ^ 競技だけであれば軽井沢町1964年東京オリンピック馬術長野オリンピックカーリング)、札幌市(1972年札幌オリンピック2020年東京オリンピックサッカー)が既に夏季・冬季五輪を開催している)
  31. ^ [3]
  32. ^ 北京統計年鑑2018 10-12 北京市級友好城市”. 北京市統計局. 2019年10月9日閲覧。
  33. ^ 北京与布拉格缔结国际友好城市关系 _ 中国网”. beijing.china.org.cn. 2019年10月9日閲覧。
  34. ^ 布拉格解除與北京姐妹市關係 中國:背信棄義 | 國際 | 中央社 CNA” (中国語). www.cna.com.tw. 2019年10月9日閲覧。
  35. ^ “北京市、「非文明的」行為を禁止 公衆衛生の向上目指す”. AFPBB News. (2020年4月27日). https://www.afpbb.com/articles/-/3280613 2020年5月23日閲覧。 
  36. ^ “男性が腹を出す「北京ビキニ」、中国済南市で禁止に 「非文明的」”. CNN.co.jp. (2019年7月5日). https://www.cnn.co.jp/travel/35139528.html 2020年5月23日閲覧。 

参考文献

  • 櫻井澄夫、人見豊、森田憲司編『北京を知るための52章』明石書店、2017年。
  • 竹内実 『世界の都市の物語(9) 北京』 文藝春秋、1992年、ISBN 4-16-509610-5
  • 陣内秀信ほか編 『北京都市空間を読む』 鹿島出版会、1998年、ISBN 4-306-07212-6
  • 多田貞一 『北京地名誌』 1938年  新民印書館 (北京で中国語版も出版された)
  • 松木民雄 『北京地名考』 朋友書店、1988年、ISBN 978-4892810145
  • 櫻井澄夫 『中国・食と地名の雑学考』 田畑書店、2005年、ISBN 978-4803803181

外部リンク

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