中国人民解放軍
| 中国人民解放軍 中国人民解放军 |
|
|---|---|
中国人民解放軍軍旗
|
|
| 創設 | 1927年8月1日 |
| 派生組織 | |
| 本部 | 北京 |
| 指揮官 | |
| 司令官 | |
| 総人員 | |
| 徴兵制度 |
リスト
|
| 財政 | |
| 予算 |
リスト
|
| 関連項目 | |
| 歴史 | |
中国人民解放軍(ちゅうごくじんみんかいほうぐん、拼音: Zhōngguó rénmín jiěfàngjūn )は、最高軍事指導機関の中国共産党中央軍事委員会(胡錦濤主席)の指揮下にある中国共産党の軍事部門である。中国軍とも略称される。
目次 |
[編集] 概要
|
||||||||||||||||||||||||||||||||
総兵力224万人、予備役約50万人、他に人民武装警察66万人(2007年)。1980年代から1990年代にかけて、軍事力の質的向上のため大幅な兵力削減と軍近代化が行われた。1927年8月1日の南昌起義を建軍記念日とし、軍の徽章には紅星に「八一」の字が、軍旗は紅地に黄色で星と「八一」の字があしらわれている。軍区司令官級の将軍は、原則的に中国共産党中央軍事委員会の中央委員または中央委員候補の地位にある。
中国政府は湾岸戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争などでのアメリカ合衆国軍による軍事的成果に影響されて、近年は軍事兵器や軍事システムや戦闘スタイルの革新に力を入れ、通常兵器による軍事力も強力になりつつある。ロシアの専門家によれば2015年頃には第5世代戦闘機が配備されるのではないかと指摘している[1]。また、ロシアの兵器輸出企業の重役によれば中国はインドとは違い陸上兵器の近代化が進んでいるため、陸上兵器は地対空ミサイル以外はほとんど輸入してくれないと語っている[2]。そして新式装備の絶対数は多く、Su-27/Su-30MKKシリーズは300機以上ある。これは日本や韓国のF-15保有機数を凌駕している。また、空軍兵器の取引においては完成した機体を購入する時代は終わり、エンジンやレーダーなどのような装備単位で買う段階になったと言われている。その象徴がJ-10である[3]。また、特殊部隊の育成も進んでおり、最近では世界最難関である(世界中の優秀な特殊部隊員が参加しほとんどが脱落する)Army international Bootcampの合格者も輩出している(瀋陽軍区所属の将校)。この時の詳細については瀋陽軍区#Army international Bootcampの合格者輩出にある、中国中央テレビの番組で、Youtubeなどでも公開されている動画を参照。
経済成長を続ける中国において公務員である軍隊への就職は減っているため、政府は軍人に日常生活において映画館、バス代の免除、文房具の優先的購入などの様々な特権を与えている。
[編集] 法的規定
中華人民共和国憲法93条には中華人民共和国中央軍事委員会は全国の武力(武装力量)のリーダーであるとの記載はあるが、人民解放軍のみを国軍と規定した条文は無い。
中華人民共和国国防法22条では中国の武装力量を構成するのは中国人民解放軍現役部隊と予備役部隊、中国人民武装警察部隊、民兵組成と規定され、その中で中国人民解放軍現役部隊については国家の常備軍であると規定されている。
憲法第93条第1項では、国家中央軍事委員会が「全国の武装力を領導する」としているが、一方で憲法前文に中国共産党が国家を領導することが謳われており、また中華人民共和国国防法では、「中華人民共和国の武装力は中国共産党の領導を受ける」「武装力の中の共産党組織は、共産党規約に従って活動する」とあるため、中国共産党が軍事を支配する事になっている。中国共産党中央軍事委員会と国家中央軍事委員会の構成員は同一であり、中国人民解放軍は「党の軍隊」とも言われる。
[編集] 軍事予算
2009年3月4日に全人代の李肇星報道官が記者会見を行い、中国の2009年度(1 - 12月)国防予算は前年度実績比14.9%増の4806億人民元(約6兆9000億円)で、中国のGDPに占める国防費率は1.4%で、財政支出予算に占める国防費率は6.3%であると発表した[1]。西側諸国の見解によれば後述の通り実際の軍事費はさらに大きいとみられるが、公表額においてもアメリカ、イギリスに次ぐ世界3位の軍事費である。 中国は1989年度以降21年間連続で軍事支出を20%以上拡大させ続けていることになる。
このような「公表額」に対して、世界各国の政府や軍事研究機関は、「中国政府が、所謂中国脅威論によって軍備拡張が抑え込まれることを警戒して、軍事支出が小さく見えるように操作している」との見解を持っている。ストックホルム国際平和研究所の統計によると、2008年度の中国の軍事費は為替レートベースで849億ドル[2]で、アメリカ合衆国に次いで世界で2位(世界シェア5.8%)であり、1999年~2008年の10年間で194%増加した。アメリカ国防総省/台湾国防部の議会への報告によれば、中国の為替換算「軍事支出」は2007年で1100億ドル前後で、世界的に一般的な軍事費の範囲定義をあわせた中国の実態「軍事支出」は中国政府発表の公称「軍事予算」の2-3倍であるとしている。2009年秋に作成された人民解放軍の内部報告書によって、「軍事費」が公表されている「国防費」の1.5倍と記載されていることが2010年7月に明らかになった[3]。
中国の軍事支出は数字の取り方によってまちまちである。例えば同じ2007年でも大きく分けて3種類に分かれる。すなわち購買力平価軍事「支出」4400億ドル(世界1位)、為替換算軍事「支出」1100億ドル(世界2位)、為替換算軍事「予算」351億ドル(世界4位)である。為替ベースか購買力平価かによって戦力を計る上での予算の意味も変わってくるが、これは、物価の安い国は同じ予算金額で物価の高い国の数倍の軍備が購入可能という問題を指す。例えば、陸上自衛官1人の給与金額で中国兵20人を雇用可能であり、物価の違いを修正しないで単純に金額を比較しても実際の単年度軍事資産購入量と乖離してしまう。現に、CIAの各国国力・GDP分析は購買力平価で比較されていることは有名である。なお、購買力平価軍事支出で中国が世界1位になったといっても、それは新興中国軍が「単年度の増加量」では世界1位になったというだけにすぎず、過去の膨大な軍事資産蓄積がある米露両国に軍事資産蓄積=軍事力で追いつくには時間を要する事はいうまでもない。一般的には現在の購買力平価軍事支出順位が続けばロシアには2015年前後、米国には2030-2045年に追いつく可能性があると見られている。
中国の軍事支出が明確でないという見解の論拠の一般論としては、民主的政治制度が確立している国では、政府の収入と支出の予算案も、立法過程も、可決された予算も、予算の執行も、今年度および過去年度も含めて書籍とウェブで公表され、誰でも閲覧できるが、独裁政権が統治している国は、民主国家と比較して政府の情報公開度が低く、公開された情報には隠蔽・歪曲・誇張された情報が含まれているので、公開された情報の信用性は低いということがしばしば指摘される。
中国の軍事支出が明確でないという見解の論拠の具体論としては、中国の予算制度は、ミサイル開発費などの国防科学研究費や軍事教育費用が文教科学予算項目に分類されていたり、戦略核弾道弾部隊(第二砲兵部隊)の維持費が宇宙開発予算に分類されている。また、沿岸・国境警備や内部防衛を担当する武装警察部隊の費用も公安予算に計上され、民間防衛や民兵予備役の費用も国防予算の項目に含、民主国家の軍事予算や、世界的に一般的な定義の軍事予算と比較することは、統計比較手法としては不正確である。ただし、軍事も他の分野も、統計や分類の方法は個々の国や研究機関により異なるので、軍事予算の範囲としてどこまで含めるかは各国政府や軍事研究機関により異なる。統計を国際比較する場合は各国政府や個々の研究機関により異なる統計や分類の方法を、何らかの基準(通常は一般的な定義、多数派の定義)に補正・整合して比較する。
軍事予算の一般的な(多数派の)定義で軍事予算に含む経費とは、人件費、組織の運営費(食料・飲料費、水道・電気・燃料(石油・ガス・ウラン・プルトニウム)費、通信費、医薬品の購入費、軍の医療施設の運営費、軍事施設の運営費)、武器の購入費や補修費(外国からの輸入分も含む)、軍事目的の研究開発費、軍事施設の建設費、沿岸警備隊や国境警備隊の経費、軍人の教育研修費、軍人や家族の住宅の建設費や運営費である。
軍事予算の一般的な(多数派の)定義で軍事予算に含まない経費とは、政治・軍事目的の対外的な資金援助は外交予算、退役軍人に対する医療費・老齢年金・遺族年金・障害者年金は社会保障予算、軍歴に対する報奨としての奨学金は教育予算に分類するので、軍事予算には含まない。
2000年代に入ってからアメリカやイギリスや日本は、中国に対して国防予算の内訳の透明性を向上させることを求めている。2008年3月4日には、日本国官房長官の町村信孝が中国の国防予算について「とても周辺の国々、世界の国々には理解できない。その中身がはっきりせず、透明性の欠如は大きい」とし、さらに「五輪を開き、平和的に発展していこうというお国であるならば、自らの努力で(中身を)明らかにしてもらいたい」と批判した。また2009年3月4日には河村建夫官房長官が「発表されたものは依然として不透明な部分があり、国防政策、軍事力の透明性を一層高めていただくことが望ましい」と中国の国防予算の内訳について透明性の向上を求めた。
中国人民解放軍には他国の軍隊には見られない「自力更生」と呼ばれる独特のシステムが存在した。これは、簡単に言ってしまうと、「国家などの公的予算に頼らず軍が自分で自分の食料や装備を調達する」ということである。元々は軍人が自力で耕作して食料を調達して戦い続けたことを意味するが、1980年代になると軍事費の削減によって「軍事費は軍自らが調達する」という方針が共産党からだされたことにより国の近代化と資本導入が始まったことにあわせ、軍の近代化に伴う人員削減で生み出される失業対策も含めて、各部隊が幅広く企業経営へ乗り出していた。これは1998年に中国共産党が人民解放軍の商業活動を禁止するまで続いた。実際には現在も一般人も利用できる又は一般人向けの各種学校、食堂やクラブなどの飲食店、射撃場など娯楽施設、病院、宿泊施設、食品加工や機器製造等の工場、農牧場、養殖場、炭鉱など鉱山、出版社などあらゆる企業、施設、設備を運営している。イギリスBBCの報道によると、食料の90%を外部からの調達に頼っているということである。人員規模を考慮すると、およそ20万人以上の食料を自給できているということであり、他の軍隊に見られない驚異的な特徴の一つとなっているといえる。
[編集] 歴史
対日戦争を第二次国共合作によって乗り切り、第二次世界大戦終結後の1947年9月に「人民解放軍総反抗宣言」を発表し初めて人民解放軍の名称を使用。国共内戦により中国国民党勢力を大陸から台湾へ駆逐する。これらの戦いで功績のあった軍の長老が長く君臨し、今の政治人脈に引き継ぐ事となる。
- 1937年 - 1945年 日中戦争。
- 1946年 国共内戦が始まる。
- 1949年 蒋介石が南京を脱出し中華民国国軍とともに台北へ。 国共内戦の休戦。
- 1950年10月 一部は中国人民志願軍として朝鮮戦争に参戦。1953年まで (中国人民志願軍も参照)
- 1950年 チベット侵攻 (1950-1951)
- 1954年 - 1955年 第一次台湾海峡危機
- 1958年 第二次台湾海峡危機 (金門砲戦)
- 1959年9月 - 1962年11月 中印国境紛争
- 1969年 - 1978年 中ソ国境紛争(中ソ対立も参照)
- 1974年 南ベトナムと西沙海戦
- 1979年 中越戦争
- 1986年 - 1988年 ベトナムと国境紛争、赤瓜礁海戦(南沙海戦)
- 1989年 六四天安門事件
- 1995年 - 1996年 第三次台湾海峡危機(w:Third Taiwan Strait Crisis、台湾有事も参照)
[編集] 国共合作から国共内戦時の構成
元老には十大元帥と呼ばれる軍閥代表者がいる。彭徳懐・劉伯承・陳毅・林彪・羅栄桓・聶栄臻・賀竜・朱徳・徐向前・葉剣英がそのメンバーであり、老総(ラオゾン)とも呼ばれる。
各軍管区へは、軍閥の影響力を削ぐ為に各野戦軍より選出した部隊で混成される。主力に位置される部隊は、権力闘争に勝ち残った第3野戦軍系部隊があげられる。
[編集] 組織・機構
最高軍事指導機関である中華人民共和国中央軍事委員会の下に総参謀部、総政治部、総後勤部、総装備部の四総部があり、その下に海軍、空軍、第二砲兵(戦略ミサイル部隊)および七大軍区が置かれている。
また国防科学技術工業委員会、軍事科学院、国防大学なども軍区級組織である。
国務院の国防部は外国との軍事交流などを担当しているだけで、人民解放軍に対する指揮権を持っていない。国務院の管轄下にない解放軍はあくまで党の軍隊であり、国家の軍隊ではないとする。党と軍の関係については、憲法で中央軍事委員会の指導下にあると規定されているが党主席とは記載されていない。そのため、毛沢東など歴代の最高指導者は中央軍事委員会主席を兼任している。
人民解放軍が党の軍である、という立場をとるのは暴力装置である国家を操作する立場である共産党が、国家の最大の暴力装置である軍隊を管理するのは当然であると考えられたからである。建前上、人民解放軍は人民の軍隊であり、革命を遂行・防衛するための軍隊であるとされている。しかし、ソビエト連邦では第二次世界大戦後の1946年に赤軍を国家の軍隊であるソビエト連邦軍に改組している。
第二次天安門事件が発生した時に、人民解放軍が、民主化勢力(民主化運動に理解を示していた一部の政府中枢を含む)と共産党保守派のどちらかに付くかを、全世界が注視したが、中央軍事委員会主席の命令によって民主化勢力の弾圧を行った。人民解放を冠した軍隊が人民を弾圧した光景は第一次天安門事件の時に四人組からの命令を最後まで無視した姿とは余りにも対照的であったが(四人組は最終的には民兵を動員した)、人民解放軍の行動は中央軍事委員会主席の一言に左右されている事を知らしめた。この弾圧によって、国際社会の人民解放軍を見る目がいっそう厳しくなり、中国人の中にも「人民を抑圧している軍隊」という印象を持ち、人民解放軍に失望した人がいた。そのため、災害派遣等での活躍と党を挙げた宣伝活動等により、イメージの改善が行われた[4]。
[編集] 中国共産党中央軍事委員会
詳細は「中国共産党中央軍事委員会」を参照
「中華人民共和国中央軍事委員会」も参照
- 主席:胡錦涛(党総書記、国家主席)
- 副主席:
- 委員:
※ 習近平以外は、中国共産党第17期中央委員会第1回全体会議(2007年10月22日)選出
[編集] 三軍等
[編集] 陸軍
詳細は「中国人民解放軍陸軍」を参照
兵力140万人(2007年度)、近代化のため兵力削減傾向にあり、最新鋭戦車の生産数よりも旧式の59式戦車などの退役数が上回っているため、MBT保有数は段階的に縮小している。兵役は志願兵制をしいている。法律では不足に応じて、選抜徴兵制を実施することになっているが、不足した事は今までにない。
全体として近代化を進めつつある。陸軍は地域別の軍区に区分されるが、軍近代化により多くの軍区が削減され、現在は七大軍区制となっている。軍区司令官は所属の空軍及び海軍に指揮権を有する。
[編集] 海軍
詳細は「中国人民解放軍海軍」を参照
1949年4月23日創立。兵力約26万人、うち海軍航空部隊約35,000人、沿岸警備隊約25,000人、海兵隊約1万人を有する。駆逐艦29隻、フリゲート45隻、弾道ミサイル搭載原子力潜水艦3隻(夏級を1隻と晋級を2隻)、攻撃型原子力潜水艦の漢級を3隻(稼働するのは2隻のみ)、商型原子力潜水艦を2隻、通常動力型潜水艦61隻(うち30隻以上は旧式化したロメオ級、明型、宋型)を保有する。また、海軍航空隊は、7個海航師(海軍航空師団)、7個独立飛行団から成り、各種軍用機620機を保有する。沿岸防衛部隊として、35個岸防導弾砲兵団(海岸防衛ミサイル砲兵団。65,300人)が存在する。
当初はソ連より艦艇およびその技術を導入していたが、1960年代以降の中ソ対立によって新技術の提供が打ち切られたことから、これらをベースとして独自に設計した艦艇の開発に転じ、旅大型駆逐艦や091型原子力潜水艦を就役させた。しかしこれらは、技術的に見て当時の一級品とは言いがたいものであった。現在は、ロシアとの関係改善や中国自身の経済発展などを背景に、ロシアより駆逐艦や潜水艦を購入したほか、ヨーロッパやロシアの技術を導入した国産艦艇の設計・配備を進めており、戦力の質的向上を図っている。
中国人民解放軍海軍は、その艦艇部隊に航空援護を提供するため、ある程度の規模の戦闘用航空機部隊を有している。艦艇部隊の外洋志向に呼応して、航空部隊はその覆域を広げる努力を続けており、空中給油による航続距離の延伸のほか、空母の導入も模索していると伝えられている。空母の技術を研究するため、中国はオーストラリア、ウクライナ、ロシアの中古ないし建造途中の航空母艦を計3隻購入した。このうち、75%まで完成した状態でウクライナより購入したヴァリャーグ(アドミラル・クズネツォフを参照)は、大連において整備中であり、将来的な就役を目指しているとも伝えられている。本艦については、機関は修理不能な状態で再就役は困難とする見方もあるが、機関は再生可能で、各種資料や技術者なども確保しており再就役は容易であるとする見方もあり、2009年の5月には機関部の修復が完了し、ドックに移された事が確認された。[5]
2008年に通常動力の空母建造を開始した。艦載機は60機以下である。就役は4年後の予定である。
[編集] 空軍
詳細は「中国人民解放軍空軍」を参照
1949年11月12日創立。総兵力38万人(空挺部隊を含む)。作戦機約1950機。このうち、数における主力は、中国がMiG-21を国産化したJ-7、およびこれをベースに開発した拡大改良版のJ-8II、またSu-27、さらに旧式のQ-5などである。以前数千機という多数を保有していたMiG-19の国産型機J-6は既に退役している。
設立時には満州で捕虜となった日本軍人や整備士が中国兵を訓練している。ソ連からの軍事援助を受けるまでの訓練機及び主力機は日本軍が満州に残した日本軍機であった。
当初はソ連から航空機およびその技術を導入していたが、1960年代以降の中ソ対立によって新技術の提供が打ち切られたことから、これらをベースとして発展させた航空機の開発に転じた。現在は、ロシアとの関係改善や中国自身の経済発展などを背景に、ロシアからの完成機の購入およびライセンス生産、また国産の航空機に西側の技術を導入することによって、保有する航空機の質的向上を図っている。戦闘機については、ロシア製のSu-27およびSu-30の導入、および国産のJ-10戦闘機の量産が進められている。その第4世代戦闘機勢力は、現時点では海軍機とあわせ383機と全体の2割程度であるが、将来的には増勢が確実視されている。 近代化のペースは非常に早く、米国国防省のQDRでは、すでに中台海峡は中国圧倒的有利、さらに周辺先進国への重大な脅威となりつつあるという判定を下している。実際、人民解放軍空軍の実質的な空軍力は、日本、韓国、在日在韓米軍をあわせたものに匹敵し、インドを含むアジアの空軍で最強であり、その急激な近代化がアジアの軍拡を誘発しているとされる。[6][7]
空輸戦力としては、旧ソ連のAn-12を国産化したY-8を主力とする。また、大型の戦略輸送機として、1990年代前半よりIL-76MDを調達しているほか、これをベースとした空中給油機であるIl-78の購入も予定されている。また、ロシアのIl-76をもとに開発し、イスラエル製の早期警戒装置を搭載した空警2000の導入により、空中早期警戒能力の獲得を図っている。
[編集] 戦略ミサイル部隊
詳細は「中国人民解放軍第二砲兵部隊」を参照
1966年7月1日に極秘裏に成立され、1984年10月1日の建国35周年記念軍事パレードにおいて初めて公開された。中国は当時の国際国内情勢を考慮し、戦略ミサイル部隊とは呼ばず、第二砲兵と周恩来総理が命名した。
[編集] 人民武装警察部隊
詳細は「中国人民武装警察部隊」を参照
名目的には公安部(警察担当省庁)に所属し、非武装の公安警察とともに警察活動を行うほか、重要施設の警備や辺境警備にも従事する。しかし解放軍部隊を国内治安維持に転用したものであり、各軍区ごとに編成されており、戦時には人民解放軍の指揮下に入る。1982年の創設時の兵力は40万人だったが、人民解放軍の近代化による兵力削減にともない人民武装警察に転用される部隊が増え、現在の兵力は66万人と発表されている。北京の武警総隊が主管している。
[編集] 諜報活動・政治工作
[編集] 中国人民解放軍政治工作条例改正と「三戦」
詳細は「中国人民解放軍政治工作条例」を参照
2003年12月5日、中国人民解放軍政治工作条例が修正され、解放軍に「三戦」の任務を与えることが明記された。
三戦とは、世論戦、心理戦、法律戦の3つの戦術を指す。経済・文化交流を通じて世論誘導あるいは分断をし、敵の戦闘意思を削ぎ、戦わずして中国に屈服するよう仕向けるものを目的としている[8]。
- 輿論戦は、中国の軍事行動に対する大衆および国際社会の支持を築くとともに、敵が中国の利益に反するとみられる政策を追求することのないよう、国内および国際世論に影響を及ぼすことを目的とする[9]。
- 心理戦は、敵の軍人およびそれを支援する文民に対する抑止・衝撃・士気低下を目的とする心理作戦を通じて、敵が戦闘作戦を遂行する能力を低下させようとする[10]。
- 法律戦は、国際法および国内法を利用して、国際的な支持を獲得するとともに、中国の軍事行動に対する予想される反発に対処する[11]。
[編集] 関連事例
[編集] サイバー攻撃
中国政府や人民解放軍自体がこの事実を認めることは諜報活動の性格上ありえないと思われるが、時折各国によって人民解放軍の活動であると認定される場合がある。ここでは諜報活動の事例を概説する。en:Chinese intelligence activity in other countriesも参照。
- 2007年、ドイツ首相府、経済省、外務省、教育研究省へのサイバー攻撃[13]。
- 2007年6月、アメリカ国防総省にあるロバート・ゲーツ国防長官のコンピューター・システムへの不正侵入が確認された。[14]
- 2007年、イギリス外務省ら複数の政府機関へ不正侵入の可能性[15]
[編集] 陸水信号部隊の関与
2010年7月6日に、米国の調査機関メディアス・リサーチは、「中国・サイバー・スパイと米国の国家安全保障」を発表、同報告書のなかで、2009年から2010年にかけて米国の政府・軍機関や民間企業に対して頻発したサイバー攻撃の発信源は中国人民解放軍海南島基地の陸水信号部隊(隊員数は約1100人)であるとした[16]。IPアドレスをはじめ、各種データの分析より分析され、発信源は「海南テレコム」と認定されたが、この海南テレコムは事実上、陸水信号部隊と同一である[17]。サイバー攻撃の標的は米国や台湾の軍事関連施設、チベット関連施設であった。また同報告書は、陸水信号部隊は中国人民解放軍総参謀部第3部の指揮下で育成されたサイバー戦争用部隊とした。
中国政府は政府は無関係と主張したが、中国政府に自国内からのサイバー攻撃の調査を実施し、その結果を米国に伝えるよう求める決議案が米国議会上院に提出された。[18]
また、2010年9月に日本の政府系機関に対して行われた中国からのサイバー攻撃について、警察庁は「サイバーテロの脅威はますます現実のものになっている」と警戒感を示し[19]、日本だけでなく米国などの各国機関に対して行われた一連のサイバー攻撃に関して、「米国の民間機関が、単一で最大の発信源は中国の海南島に拠点を置く中国人民解放軍の部隊と断定した」と指摘した。更に、中国の情報収集活動について、「諸外国にて違法な活動を行っている」と言及した。「日本国内でも防衛関連企業や先端科学技術保有企業、研究機関に中国人留学生や中国人研究者を派遣するなどして、巧妙かつ多様な手段で情報収集活動を行っている」と警戒感を示した[20]。
2011年5月25日、中国国防省の耿雁生報道官は、定例記者会見において広東省広州軍区のサイバー軍に関する質問を受け、その存在を認めた[21] [22]。中国軍のインターネットセキュリティーの水準向上が目的と説明した。
2011年11月3日、米国の国家防諜局は報告書「サイバー空間で米国の経済機密を盗む外国スパイ」を議会に提出し、そのなかで中国は「世界で最も活発かつ執拗な経済スパイ」とし、他ロシアを含め、スパイ活動の実行者として非難した[23]。
[編集] 日本との関係
- 空軍は捕虜となった日本軍人、整備士が満州の日本軍機を修理、中国兵を訓練することで設立された。(1946-1949)
- 捕虜となった日本の技術者や看護婦が多数参加している。(1946-1950)
笹川日中友好基金による佐官級の交流は2001年から始まっている。
- 中国人民解放軍中青年将校研修団の受け入れ。(2005年8月22日)
- 中国人民解放軍交響楽団日本初公演。(2007年10月7日)
- 中国人民解放軍佐官級訪日研修団の受け入れ。(2007年10月25日)
- 中国人民解放軍ミサイル駆逐艦「深圳」東京湾に親善入港。(2007年11月28日)
[編集] 盗難事件
中華人民共和国の中央軍事委員会らが構成した「2004-5特殊案件調査チーム」の報告によると、中華人民共和国人民解放軍の各軍需庫に保管されていた廃棄処分予定の軍備品などが盗まれていたことが発覚した。ミグ15戦闘機360台、T-48およびT-50戦車1,800台、小銃30万丁、軽油17000バレル、野戦ベッド20万床、軍靴・テント20万セット、その他大量の薬品などが盗難被害にあっていたことが判った [24]。
[編集] 脚注
- ^ 中国の国防予算、21年連続2ケタ増 全人代報道官(産経新聞、2009年3月4日)
- ^ SIPRI. “Military Expenditure and Arms Production>data on military expenditure>The 15 major spender countries in 2008(table)”. 2009年6月15日閲覧。
- ^ “中国軍事費は公表の1・5倍 軍幹部、初めて認める”. 47NEWS. (2010年7月8日) 2010年7月8日閲覧。
- ^ 災害派遣の映像災害派遣の特集番組
- ^ 朝日新聞「中国の訓練用空母、主要部分が完成 旧ソ連艦を改修」(2009年5月1日/峯村健司)
- ^ http://www.nids.go.jp/publication/commentary/pdf/commentary016.pdf
- ^ http://www.nids.go.jp/publication/commentary/pdf/commentary017.pdf
- ^ 参照一般財団法人 平和・安全保障研究所 小谷 哲男
- ^ 防衛白書は、米国防省「中華人民共和国の軍事力に関する年次報告」を元に記載している。
- ^ 防衛省 2009, 第I部 2節
- ^ 防衛省 2009
- ^ “南シナ海に先例 中国“実効支配”の手法 今後の対中外交に求められる大局観”. WEDGE Infinity. (2010年10月12日)
- ^ 2007年シュピーゲルの発表による
- ^ 2007年9月4日付のイギリス、フィナンシャル・タイムズ。(なお、電子版では9月3日に発表)
- ^ 9月4日英ガーディアン紙による報道。英国政府は犯人が中国人民解放軍の可能性があるとして捜査中。
- ^ 産経新聞2010年7月10日記事
- ^ 産経新聞2010年7月10日記事
- ^ 産経新聞2010年7月10日記事
- ^ 平成22年版の「治安の回顧と展望」
- ^ 「サイバーテロの発信源は中国人民解放軍と米機関断定」 22年治安の回顧と展望 - MSN産経ニュース
- ^ “中国国防省、広州でサイバー軍創設「ネット安全向上」目的に”. 毎日中国経済. (2011年5月27日) 2011年6月5日閲覧。
- ^ “China's Blue Army of 30 computer experts could deploy cyber warfare on foreign powers”. THE AUSTRALIAN(英語). (2011年5月27日) 2011年6月5日閲覧。
- ^ 2011年11月7日 読売新聞
- ^ “中国人民解放軍、大量の装備品が「紛失」横流し”. 大紀元. (2007年1月12日)
[編集] 参考文献
- 浅野亮 『中国の軍隊』 創土社、2009年3月。ISBN 978-4-7893-0003-2。
- 茅原郁生編著 『中国軍事用語事典』 蒼蒼社、2006年11月。ISBN 4-88360-067-X。
- 茅原郁生編著 『中国の軍事力 2020年の将来予測』 蒼蒼社、2008年10月。ISBN 978-4-88360-080-9。
- 平松茂雄 『中国の軍事力』 文藝春秋〈文春新書〉、1999年1月。ISBN 4-16-660025-7。
- 平松茂雄 『中国の安全保障戦略』 勁草書房、2005年12月。ISBN 4-326-35136-5。
- 米国防総省 『ペンタゴン報告書 中華人民共和国の軍事力』 国際情報センター、2009年、2009年版。ISBN 978-4-9904741-0-2。
- 『中国安全保障レポート』 防衛省防衛研究所編、防衛省防衛研究所、2011年3月。ISBN 978-4-939034-79-4。
- David Shambaugh [2002] (April 2004). Modernizing China's Military: Progress, Problems, and Prospects, A Philip E. Lilienthal Book in Asian Studies. University of California Press. ISBN 0520242386.
- 防衛省 (2009). 平成21年版 防衛白書 (Report). 日本国.
[編集] 関連項目
- 軍服 (中華人民共和国)
- 中国脅威論
- 中国人民解放軍海軍
- 中国人民解放軍空軍
- 中国人民解放軍進行曲
- 中国人民解放軍第二砲兵部隊
- 中国人民解放軍の教育機関一覧
- 中国人民解放軍陸軍
- 中国人民武装警察部隊
- 中国北方工業公司
- 六四天安門事件
- 八一足球隊 - 中国人民解放軍により結成されていたサッカークラブ
- 八路軍
- en:China and weapons of mass destruction
- en:Chinese strategic thought
- en:Military budget of the People's Republic of China
[編集] 外部リンク
- 平成19年版防衛白書 中国(日本語)
- 中華民国九十五年国防報告書(繁体字、英語)
- 中国の政治制度(軍事)(日本語)
- CHINA7-中国の軍事(日本語)
- 解放軍報(中国語)
- Globalsecurity.org/China(英語)
- アメリカ国防省議会報告 中国の軍事力(英語)
- Chinese Defense Today(英語)
- 中国軍装備の写真
- 中国人民解放軍軍歌(音声ファイルと歌詞) - 中国共産党新聞網(中国語)
| この「中国人民解放軍」は、軍事に関連した書きかけ項目です。この項目を加筆・訂正等して下さる協力者を求めています。 (ポータル:軍事/PJ軍事/PJ軍事史) |