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キヤノン

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キヤノン株式会社
CANON INC.
本社社屋
種類 株式会社
機関設計 監査役会設置会社[1]
市場情報
東証プライム 7751
1949年5月16日上場
名証プレミア 7751
1954年6月21日上場
福証 7751
1954年6月22日上場
札証 7751
1970年1月5日上場
本社所在地 日本の旗 日本
146-8501
東京都大田区下丸子三丁目30番2号
設立 1937年昭和12年)8月10日
精機光学工業株式会社)
業種 電気機器
法人番号 6010801003186 ウィキデータを編集
事業内容 電子部品
光学機器
OA
半導体
代表者 御手洗冨士夫代表取締役会長社長CEO[2]
田中稔三(代表取締役副社長CFO[2]
本間利夫(代表取締役副社長兼CTO兼プリンティング事業管掌)[2]
資本金 1,747億62百万円
(2021年12月現在)
発行済株式総数 13億3376万3464株(2021年12月現在)[3]
売上高 連結:3兆5,133億57百万円
(2021年12月期)
売上事業割合
オフィス53.1% 
イメージングシステム32.2%  
産業機器その他17.2%
売上地域割合
日本20.8% 
米州28.3% 
欧州26.9% 
アジア・オセアニア24.0%
営業利益 連結:2,819億18百万円
(2021年12月期)
純利益 連結:2,147億18百万円
(2021年12月期)
純資産 連結:3兆984億29百万円
(2021年12月期)
総資産 連結:4兆7,508億88百万円
(2021年12月期)
従業員数 連結:180,775人
単独:24,717人
(2022年12月31日現在)
決算期 12月31日
主要株主 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)12.46%
日本カストディ銀行株式会社 (信託口) 4.67%
バークレイズ証券
第一生命保険(株)[常任代理人]
ステート ストリート バンク ウェスト クライアント トリーティー505234[常任代理人]みずほ銀行
SMBC日興証券
大林組
ジェーピー モルガン チェース バンク 385151[常任代理人]みずほ銀行
(2021年12月31日現在)
主要子会社 主な連結子会社を参照
連結子会社数329社(2021年12月期)
関係する人物 吉田五郎
御手洗毅
外部リンク global.canon
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キヤノン株式会社(読みはキャノン: CANON INC.[4])は、東京都大田区に本社を置く、カメラビデオをはじめとする映像機器、プリンタ複写機をはじめとする事務機器、デジタルマルチメディア機器や半導体・ディスプレイ製造装置(露光装置蒸着装置)などを製造する日本の大手精密機器メーカーである[5][6][7]

芙蓉グループみずほ銀行系)に属する東証プライムおよびニューヨーク証券取引所(ティッカー: CAJ)上場企業である。日経平均株価およびTOPIX Large70の構成銘柄の一つ[8][9]

製販が分離しており、マーケティング・販売業務は、地域統括販売会社(キヤノンMJ(CMJ)、キヤノンUSAキヤノンヨーロッパキヤノン中国佳能)、キヤノンオーストラリア)を中心に展開されている。

概要

1937年設立のOA機器の総合メーカーである。おもな事業内容として、オフィスビジネスユニット(オフィス向け複合機、レーザー複合機、レーザープリンターなど)、イメージングシステムビジネスユニット(レンズ交換式デジタルカメラ、コンパクトデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、交換レンズ、インクジェットプリンターなど)、産業機器その他ビジネスユニット(半導体露光装置、フラットパネルディスプレー露光装置、医療画像記録機器など)を展開している。米州、欧州など海外売上高比率がきわめて高い。

1949年の上場以来、年間での赤字は一度もない。

経営状況

連結業績のセグメント別売上高構成比は、オフィス53.1%、イメージングシステム32.2%、産業機器その他17.2%である。地域別売上高では、国内より欧米市場など海外が大きなウエイトを占めており、国内が20.8%、海外が79.2%となっている。海外生産比率は同60%。17年12月期第3四半期累計(17年1月から9月)の連結業績(米会計基準)は、売上高2兆9597億円(前年同期比21.5%増)、営業利益2524億円(同69.8%増)だった。第3四半期(7月から9月)に限ると、売上高9945億円(前年同四半期比27.7%増)で、営業利益は805億円(同2.0倍)。レーザープリンターの回復が継続し、カメラは新製品を中心に堅調に推移。フラットパネルディスプレー露光装置、有機EL蒸着装置の大幅な伸長、TMSCの新規連結影響も寄与した。損益面では、継続的なコストダウン活動が奏功している。17年12月期の連結業績は、売上高4兆800億円(前期比19.9%増)、営業利益3500億円(同52.9%増)を計画。第3四半期決算発表時に売上高で300億円、営業利益で200億円それぞれ上方修正した。為替前提の円安への見直し、TMSCの寄与などが要因である。

特許戦略

海外での特許出願も重視しており、2014年末時点での特許・実用新案の保有件数は、世界全体で約9万2000件である。海外出願に際しては、地域ごとに事業戦略や技術・製品動向を踏まえて出願戦略を綿密に立て、必要な国や地域を見極めたうえで出願し、なかでも、ハイテク企業が多く、市場規模も大きい米国での出願に注力している。結果として近年登録数が増加し、2014年には日本企業として初めて4,000件を突破した。米国特許取得件数における日本企業中のキヤノンのランキングは11年連続1位を獲得している。

雇用形態

社員の役割や実績に応じて賃金を決める役割給制度を採用している。制度上、給与のベースアップは長らく実施しなかったが、2023年1月、物価高に対応するため20年ぶりにベースアップを実施。全従業員2万5000人の基本給を一律で7000円引き上げた[10]

社名

由来

キヤノンの前身は、1933年(昭和8年)11月12日頃に、内田三郎・吉田五郎(吉田は翌年の9月末までに退所)によって創立された精機光学研究所[11]観音菩薩の慈悲にあやかりたいという気持ちから、1934年(昭和9年)に完成した日本産初の精密小型カメラの試作機を「KWANON」(カンノン)[12]、そのレンズを「KASYAPA」(カシャパ)と命名した[13]KASYAPAは、釈迦の弟子のひとりである大迦葉: Mahākāśyapa マハーカーシャパ、: Mahākassapa マハーカッサパ)に由来している[14]

1935年(昭和10年)、世界で通用するカメラのブランド名として、Canon(キヤノン)が採用された[12]。「正典」「規範」「標準」という意味を持ち[15]、正確を基本とする精密工業の商標にふさわしいことと、KWANONに発音が似ていることが、この名称を採用した理由とされている[12]。現在のロゴ(右上テンプレート内の形)は1956年(昭和31年)より使用されており、1974年(昭和49年)からロゴの色がキヤノンレッドになっている[16]

正式な表記

日本語における正式な表記は「キノン」であり、小字を用いた「キノン」ではない。拗音の「ヤユヨ」を大書きするのは、かつて(第二次世界大戦前から終戦直後まで)の歴史的仮名遣で当たり前の表記法だったが、現代仮名遣いでは一般的でない。この表記を続ける理由は、バランスを考慮して、小字の「ャ」の上の空白によって穴が空いたように感じられることを避けたためである[17]

歴史

沿革

ライカが輸入されはじめて間もない1932年吉田五郎はライカII型を購入し、その模倣品を製作した。1933年10月に、それを持って義弟であった内田三郎の元を訪ね、ライカに匹敵する高級カメラ製造事業化を熱心に勧めたが、この時点で内田は山一證券の外務員として法人相手の大口証券取引を扱っており、カメラ製造にはまったく興味を示さなかった。しかし証券売買で知り合った鮎川義介の事業観「資源が少ない我が国では、材料の原価に占める割合が少なく、たとえば光学精密機械や純度の高い化学工業が有望である」に接して一転カメラ製造を決意し、3年の研究期間を設定し1933年11月研究所を立ち上げた。この研究所がキヤノンのルーツで、吉田の発案で「精機光学研究所」という名称が決められた。場所は吉田が乃木坂の自宅から歩いて数分、東京市麻布区六本木町62番地[注 1]に存在した新築洋風三階建ての「竹皮屋ビル」を見つけてきてその一角を借りた。竹皮屋とは、オーナーの家系が江戸時代から竹の皮で被り笠を編んでいたことに由来する。日本光学工業(現・ニコン)から精度にうるさい金子富太郎、型削り盤を扱う油山が移り、また腕が悪くて困り者であった旋盤工の加藤が最初期の従業員であった。そのうち外装部品の調達や金銭管理が必要になり、内田が山一證券から部下であった前田武男を連れてきた。

カメラ開発は吉田に一任され、内田は言われるまま金を工面した。部品の外注は吉田がトーキー製造をしていたころに親しくなった一の橋の和田兄弟がやっていた機械工場や、狸穴の坂口時計歯車店に依頼していたが、図面で渡すより現物渡しで依頼したほうがかえってうまくいったという。1933年、国産で初めての35ミリフォーカルプレーンシャッターカメラ「Kwanon(カンノン)」を試作した。開発は難航し、吉田の在職中に1台も販売できていないが、アサヒカメラ1934年6月号には有名な「潜水艦ハ伊號 飛行機ハ九二式 カメラハKWANON 皆世界一」というコピーで広告を出した。7月号、8月号、9月号にも広告を出したがカメラの仕様が吉田の試作機に対応して少しずつ変わっている。

吉田がこだわった、コンタックスI型のようなボディー前面巻き上げ方式はベベルギアが必要になるが、坂口時計歯車店では歯切り機がよくなくうまく切れなかった。吉田が夏の暑い日にフォーカルプレーンシャッター幕のべとつきで苦労していると、内田は知人で第一師団麻布歩兵第一連隊中隊長だった山口一太郎大尉を連れてきて、山口は輸入物で軍用航空写真機用ゴム引き布幕を1反ほど持ってきた。この布幕について小倉磐夫は小西六[注 2]から持ってきたと推定している。そのほかにも連動距離計、撮影レンズ、ヘリコイドの工作と問題山積の1934年11月、経理担当の前田が5,000円の使途不明金があった旨を内田に告げ、吉田は濡れ衣を着せられて退職した。吉田の退職と前後し、内田は山口の指導を受け、手作りによる試行錯誤の手法から脱し、設計図に従って試作し改良する手法へと転換した。光学系も日本光学工業の監督官をしていた次兄内田亮之輔のつてで日本光学工業の取締役顧問であった堀豊太郎を紹介してもらい、1934年9月、内田と前田は日本光学工業を訪れてレンズと距離計を依頼した。営業課課長の山本茂治と民需品担当の浜島昇係長が応対してこれを引き受け、レンズ設計者の砂山角野を電話で呼んだ。軍需製品では実際の設計者の功績は明らかにされず、軍人が評価されることが多いことに不満を感じていた砂山角野も乗り気となり、1935年始めにはニッコール50mmF3.5とニッコール50mmF4.5が完成した。なお、カメラの心臓部とも言える連動式焦点調節機構やヘリコイドの設計・制作は日本光学工業で民需品の設計を担当していた山中栄一の手によるものである。

1935年(昭和10年)には「キヤノン」「Canon」を商標登録し[18]、無名でかつ販売ルートを持たないため近江屋写真用品と独占販売契約を結んでそのブランドであるハンザを冠し最初のカメラ製品、ハンザキヤノン標準型ニッコール50mmF3.5付きを1936年2月発売したが、ちょうどそのとき目の前の第一師団麻布歩兵第一連隊も舞台のひとつとして二・二六事件が起こり、山口も収監された。驚いた精機光学は1936年6月目黒区中根町に移転した。

年表

  • 2000年(平成12年)- ニューヨーク証券取引所に上場。
  • 2001年(平成13年)- 「グローバル優良企業グループ構想」フェーズIIスタート。
  • 2002年(平成14年)- 35mmフルサイズ、約1,110万画素CMOSセンサーを搭載したプロ用最高級デジタルAF一眼レフカメラ「EOS-1Ds」発売。
  • 2003年(平成15年)- 世界最高倍率の100倍ズームTVレンズ「DIGISUPER 100 xs」発売。
  • 2004年(平成16年)- 初の個人投資家説明会を開催。
  • 2005年(平成17年)- 下丸子本社に先端技術研究棟を開設。
  • 2006年(平成18年)- 「グローバル優良企業グループ構想」フェーズIIIスタート。
  • 2007年(平成19年)- 5,000万画素CMOSセンサーの試作に成功。
  • 2008年(平成20年)- 一眼レフカメラ生産5,000万台を達成。コンパクトデジタルカメラ生産1億台を達成。
  • 2009年(平成21年)- EFレンズ生産5,000万本を達成。
  • 2010年(平成22年)- APS-Hサイズで世界最高の約1億2,000万画素CMOSセンサーの開発に成功。
  • 2011年(平成23年)- 「グローバル優良企業グループ構想」フェーズIVスタート。
  • 2012年(平成24年)- 御手洗冨士夫、キヤノン株式会社代表取締役会長兼社長CEOに就任。
  • 2013年(平成25年)- 業務用30型4Kディスプレイ「DP-V3010」を発売し、4K映像制作ディスプレイ市場に参入。
  • 2014年(平成26年)- デジタルカメラ生産2億5,000万台を達成。
  • 2015年(平成27年)- ネットワークカメラ事業の強化に向けてスウェーデン・アクシス社を連結子会社化。
  • 2016年(平成28年)- 「グローバル優良企業グループ構想」フェーズVスタート。東芝メディカルシステムズを連結子会社化。
  • 2023年(令和5年)3月6日 - ニューヨーク証券取引所での米国預託証券(ADR)上場を廃止する予定[19]

歴代社長

氏名 在任期間 備考
初代 御手洗毅[18] 1942年 - 1975年
2代 前田武男[20] 1975年 - 1977年
3代 賀来龍三郎[21] 1977年 - 1989年
4代 山路敬三[22] 1989年 - 1993年
5代 御手洗肇[22] 1993年 - 1995年
6代 御手洗冨士夫[22] 1995年 - 2006年
7代 内田恒二[23] 2006年 - 2012年
8代 御手洗冨士夫[23] 2012年 - 2016年
9代 真栄田雅也[2] 2016年4月[24] - 2020年5月 健康上の理由で退任[25]
10代 御手洗冨士夫 2020年5月 - 現職 会長兼務[25]

不祥事・事件

  • 2005年に労働局から文書指導を受けて以降の一連の宇都宮工場や大分キヤノン(子会社)における偽装請負事件[26][27][28][29][30][31] - 詳細は偽装請負#キヤノンを参照のこと。
  • 2016年3月17日の東芝の子会社である東芝メディカルシステムズ買収契約の発表に関して各国政府、機関から独占禁止法違反で厳重注意、罰金などの制裁が科された。
    • 日本:2016年6月30日、公正取引委員会がキヤノンへの厳重注意を発表[32][33][34]
    • 中国:2017年1月4日、中国商務省はキヤノンに30万元(約500万円)の 罰金を科す「行政処罰決定書」を公表した[35]
    • アメリカ:2019年6月10日、アメリカ司法省から事前の通知義務に違反したとして訴えられ、キヤノンと東芝は罪を認めて罰金500万ドル(約5億4,000万円)を払うことで解決した[36]
    • EU:2019年6月27日、欧州委員会は、キヤノンがEUの買収規則に違反したとして2,800万ユーロ(約34億円)の制裁金を科したと発表した。キヤノンは承服せず提訴する予定[37][38][39]
  • 2020年7月28日、ハッカーグループからランサムウェア攻撃を2回受け、最低でも10TBの全社にわたるデータがランサムウェアによって「人質」になっていたことを発表[40]。ランサムウェア攻撃によりキヤノンUSAのホームページや、画像共有クラウドサービス「image.canon」が一時閉鎖した。

主な事業・製品

EOS-1Ds MarkIII
EF135mmF2Lと24-70mmF2.8L
Canon IXY 1

入力機器

原点である銀塩カメラデジタルカメラ写真レンズを中心に、デジタルビデオカメラ双眼鏡液晶プロジェクタなどを加えた映像機器の開発・製造・発売を手がけている。デジタル一眼レフ市場ではシェア1位の地位を時にニコンに逆転されるなど、熾烈な戦いが展開されている。放送・業務用ビデオカメラ用レンズ分野では世界トップシェアを誇り、一時参入していたニコンの追随を許さなかったほどである。その他にも業務用として、XL-H1シリーズをはじめとしたHDVカメラや監視カメラ用のCCTVレンズ、テレビ会議・Web会議システム、ネットワークカメラでも高いシェアを誇っている。近年ではディスプレイ事業への進出を目指し、SED有機EL、薄型リアプロジェクションテレビの開発も行っている。このほか、中小型有機ELメーカーの日立ディスプレイズに出資している。

CMOSセンサー

高精細化しているFPD(フラット・パネル・ディスプレイ)の検査を行うパネルメーカーや、検査用カメラを設計・製造するメーカーのニーズに応えるため、出荷検査基準をより高めたモノクロ対応の1.2億画素CMOSセンサー120MXSを2018年7月に発売。

デジタル一眼レフカメラ

キヤノンは創立以来、究極の一眼レフカメラを追求し、自社開発のレンズ、CMOSセンサー、映像エンジンなどの革新的技術から生み出されるイノベーティブな製品が高画質画像で、世界をリードしている。2021年度の「BCNランキング」によると、キヤノンは販売台数シェアは首位の59.8%を獲得している[41]

ミラーレス一眼カメラ

2012年9月29日APS-Cサイズイメージセンサを搭載し、EF-Mレンズマウントを採用したキヤノン EOS Mを発売し、ミラーレスカメラ市場に参入した[42]。その後、同シリーズのEOS Mシリーズを開発・発売していたが、2018年10月25日にはキヤノン初のフルサイズセンサーを搭載しキヤノンRFマウントを採用したミラーレス一眼カメラとなるキヤノン EOS Rを発売した[43]。2021年度の「BCNランキング」によると、キヤノンは販売台数シェアは首位の34.1%を獲得している[41]

交換レンズ

キヤノンの交換レンズは、35mm判に対応する一眼レフ用のEF、TS-E、MP-Eレンズがそれぞれ49本、4本、1本、コンバーター類が3本。APS-Cサイズ一眼レフ専用のEF-Sレンズが13本、APS-Cサイズミラーレスカメラ用のEF-Mレンズが5本の、合計75本もの陣容を誇る。

コンパクトデジタルカメラ

コンパクトカメラは1961年の「キヤノネット」に始まる。2008年にはコンパクトデジタルカメラ生産1億台を達成。近年はデジカメの販売台数は縮小傾向。

デジタルビデオカメラ

民生用ビデオカメラ事業からは撤退し[44]、高速データ処理、小型化、省電力化を実現した高品質フルHD業務用ビデオカメラのみ生産している。

デジタルシネマカメラ

2015年にはキヤノンは4K動画撮影に対応したビデオカメラの新シリーズ『XC10』を発表。8K映像の撮影・表示が可能な業務向け「CINEMA EOS SYSTEM」のカメラやディスプレイも開発中。

放送機器

記者会見・ニュース撮影など報道用途や屋内外のロケなど、番組制作のさまざまな場面で使用される。2015年末現在、国内シェア1位を獲得している。2020年の東京オリンピックに向けた取り組みを実施している。

ネットワークカメラ

カメラと事務機に次ぐ3本目の柱として進められている事業のひとつ。ネットワークカメラの世界シェアトップであるアクシスを子会社化。これまでにもビデオ管理システムを持つマイルストーンを買収するなど法人向けのネットワークカメラビジネスについて体制を整えている。

医療機器

医療機器分野では、眼科用測定機器(眼底カメラ)、X線写真撮影機器(デジタルラジオグラフィ)、医療画像記録機器の開発・製造を手がけている。2016年12月に東芝メディカルシステムズ(現・キヤノンメディカルシステムズ)を子会社化[45]

スキャナー

フィルムや写真、文書などをデジタルデータ化するスキャン技術には、高精細スキャンを追求するキヤノンの高度な光学技術、電子デバイス技術、ソフトウェア技術などの独自技術が数多く盛り込まれている。現在はスキャナーを備えた複合プリンターが多くCCDモデルとCISモデルの2機種が販売されている。

出力機器

各種プリンター(PIXUS、Satera、imagePROGRAF、SELPHY)や複写機/複合機(PIXUS、Color imageRUNNER、imageRUNNER、ファミリーコピア、ミニコピア、Satera MULTI FUNCTION PRINTER、imagePRESS)、イメージスキャナドキュメントスキャナ(CanoScan、imageFORMULA)、プロジェクタファクシミリ(キヤノフアクス)などといったOA機器やコンピュータ用周辺機器、関連ソフトウェアを開発・製造・発売している。なおファクシミリについては個人用を2006年12月に、複写機も個人用を2016年3月に販売終了し[注 3]、現在は業務用のみとなっている。さらに、オランダ・オセ社が傘下に入り、基幹系プリンター、連帳プリンター、オンデマンドプリンターなどのラインナップが強化されているほか、業務用フォトプリンター(DreamLabo)などの新規ジャンルも増やしている。

インクジェットプリンター

キヤノンインクジェットプリンター PIXUS560i

1980年代にインクノズル内のヒーターを加熱して発生させた泡(バブル)の圧力によりインクを噴出させることにより精密なイメージを印刷可能にした「バブルジェット方式」(サーマル方式インクジェット)を開発、1985年からこの方式を採用した「BJプリンタ」を発売。オフィスから家庭まで幅広く普及し、現在のキヤノンの売り上げの大きな核となった。現在ではピクサスブランドで展開、日本市場ではセイコーエプソンカラリオと激しいトップシェア争いを繰り広げている。また現在では、PictBridgeなどに対応し、カメラからのダイレクトプリントも可能なものがある。なるべく独自技術の特許を他社に開放せず、技術を囲い込む戦術はキヤノンの特徴的なマーケティング戦略であると言える。また、ポスターなどの印刷を行う大判プリンターは「imagePROGRAF」ブランドとして販売している。imagePROGRAFは、「綴プロジェクト(文化財未来継承プロジェクト)」の出力機器として使用されている。高速・大量の写真・アルバムの印刷を行う業務用フォトプリンターは「DreamLabo」ブランドとして販売している。インクジェットプリンタ/複合機「PIXUS」と機動戦士ガンダムのコラボレーション、「PIXUS GUNDAM PROJECT」の「機動」として、シャア専用カスタマイズキット付きの限定モデルを販売した。

大判インクジェットプリンター

基本性能である高速出力・高画質・低コストをさらに進化させ、ソフトウエアを拡充することで、生産性と出力ワークフローの利便性が向上している。CAD/GIS図面を出力する建築、土木、製造、官公庁などの大規模ネットワーク環境から中規模ワークグループだけでなく、高品位ポスターを出力する流通業や小売店、教育現場など、幅広い大判プリントニーズに対応している。大判機の中心に据える水性インクジェットタイプは、世界シェアが台数ベースで2014年末現在27%で2位。

業務用フォトプリンター

リテイルフォト業界向けとして新展開する業務用フォトプリンター「DreamLabo」には、家庭用インクジェットプリンターから業務用デジタル複合機まで、幅広い製品開発を続けてきたキヤノンのプリンター技術が投入されている。一般的なプリンターはCMYKの4色、画質を重視する業務用プリンターでも6色での印刷が主流だが、キヤノン「DreamLabo 5000」は、CMYKの4色に加え、さらにフォトシアン、フォトマゼンタ、グレーを加えた7色のインクで印刷を行う。これにより、従来のカラーレーザー印刷では表現できなかった写真画質が表現できるようになった。銀塩方式の「立体感」「重厚感」とインクジェット方式の「透明感」、それぞれの強みを融合したインクジェットならではの広い再現色域を活かして、より豊かな深みのある色表現を実現している。

レーザープリンター・複合機

オフィス向け複合機 iR2270

1960年代に複写機の開発を開始。それまで米・ゼロックスが特許を盾に市場を独占していたが、ゼロックスの特許をまったく使わずに独自の電子写真方式「NP方式」の開発に成功、1969年に初の製品を発売した[注 4]。以後複写機の分野ではゼロックスと並ぶシェアを占めた。現在ではほとんどの製品がデジタル複合機に移行し、「imageRUNNER(イメージランナー、iR(カラーはiRC))」「imagePRESS(イメージプレス)」のブランドで発売している。また、電子写真技術をもとにレーザープリンター(LBP)を開発し、かつては「LASER SHOT(レーザショット)」、現在では「Satera(サテラ)」のブランドで発売している。なお、レーザープリンター商品はオンデマンド定着式[46] を採用しており省エネに貢献している。これら製品に関連し、文書管理やプリンター管理、帳票設計などのソフトウエア製品群を、「imageWARE(イメージウェア、iW)」ブランドで開発・販売している。

オフィス向け複合機

オフィスドキュメントの入出力・保管・送受信など、あらゆる業務をこなす複合機。ネットワーク技術をはじめ、ドキュメント処理技術やソフトウェア技術など、キヤノンの先進の技術が投入されている。レーザープリンター、オフィス向け複合機、デジタルプロダクションプリンティングシステムなどは、同じ原理でプリントを行っている。

デジタルプロダクションプリンティングシステム

デジタルプロダクションプリンティングシステム「imagePRESS」は、キヤノン初のプロフェッショナル向けカラーオンデマンド機で、オフセット印刷に迫る高画質・高精細を実現し、少部数印刷にも対応できる生産性と優れた耐久性・信頼性を備えている。

プロジェクター

従来より小型化・軽量化に成功した業務用4Kプロジェクター『4K500ST』を2015年から発売している。解像度は4,096×2,400、輝度は5,000ルーメン。シミュレーターやデジタルサイネージ、医療、美術館など高画質を望む市場をターゲットにしている。

自由視点映像生成システム

スタジアムやスタジオを取り囲むように多数のカメラを設置し、撮影された映像を3Dデータ化することにより任意の視点、視線による映像を再現するシステムを提供している。光学技術、映像処理技術、並列分散画像処理技術、ネットワーク伝送技術、ユーザーインターフェース技術などにより広範囲の映像を高速、高画質で提供する。キヤノン株式会社川崎事業所内にボリュメトリックビデオスタジオ-川崎(Volumetric Video Studio - Kawasaki(VVS-K))を開設し、自由視点映像の作成サービスを実施している。

露光装置

製造機器分野では、半導体露光装置(ステッパーなど)および液晶基板露光装置の開発・製造を手がけており、キヤノンの半導体製造装置は世界の企業の半導体・製造装置メーカー売上高ランキングで2019年(令和元年)度は15位につけている。

半導体露光装置

半導体露光装置市場では、1970年(昭和45年)に日本初のマスクアライナーを発表。同製品で世界トップの地位になったがステッパーへの移行が遅くなり、平成以降にはニコンオランダASMLとの技術競争で押され、市場シェアが低迷した。

巻返しのために次世代露光技術の一つであるナノインプリントに注目し、その開発に取り組んでいる。2014年(平成26年)には関連技術を持つ米国モレキュラー・インプリント社(テキサス州、現・キヤノンナノテクノロジーズ)を買収した。製品の量産化は2021年以降になる。

フラットパネルディスプレイ(FPD)露光装置

大型液晶テレビに使用される液晶パネルは、大型ガラス基板に微細な画素回路を露光する技術で作られるが、キヤノンのFPD露光装置は、57型ワイドテレビの一括露光も可能。2015年末現在、この装置のトップメーカーとなっている。

その他製品

要素技術

光学コンポーネントを開発・製造・販売している。また、バーチャルリアリティ技術の一種である拡張現実/複合現実en:Mixed reality)を実現する機器(ヘッドマウントディスプレイ)やプラットフォームを開発している[49]

共通基盤技術

  • カラーマネジメントシステム -(入出力機器において高画質かつ統一感のある色を再現するための技術)
  • 映像認識技術 -(映像データの内容を理解するための認識技術)
  • ユーザーインターフェース -(使い手の目的や意図を的確にくみ取り、使いやすさを追求するための技術)
  • 通信ネットワーク技術 -(高画質映像を「簡単・セキュアかつ高速・省電力」で高品位に伝送するための技術)
  • クラウドサービス基盤技術 -(クラウドサービスへの対応と短期間でのサービス構築するための技術)
  • セキュリティ技術 -(製品・サービスの安全性を確保するための技術)
  • 画像検索技術-(欲しい画像をすばやく的確に検索するための技術)
  • OS技術 -(デジタルカメラをはじめとした、数多くのキヤノン製品に採用されているOS技術)
  • システムLSI統合設計環境 -(ハードウェア・ソフトウェアのシステム全体を1チップに搭載するための技術)
  • ソフトウェア設計・検証技術 -(設計されたソフトウェアの動作モデルが正しいことを数学的に検証する技術)
  • ディペンダビリティ -(安全で信頼できるサービスをユーザーに提供する技術)
  • インプロセス可視化技術 -(製品の動作メカニズムを明確にする技術)
  • シミュレーション技術 -(製品開発段階で、製品内で起きる現象を分析する技術)
  • 超音波モーター -(USMを世界で初めて実用化した、超音波振動で駆動するモーター技術)
  • エンコーダー -(角度や移動距離を測定するセンサー技術)
  • レーザードップラー速度計 -(レーザー光を照射し、移動・回転している対象物の速度を非接触で計測する技術)
  • ガルバノスキャナー -(レーザー光の位置決めをして穴あけやカッティング、トリミングなどを行う装置)

環境配慮技術

  • 高機能バイオマスプラスチック -(環境負荷の低減に有用な材料技術)
  • 揮発性有機化合物の代替技術 -(VOCs(揮発性有機化合物)の排出量の削減技術)
  • クリーナーレス現像技術 -(感光ドラムの現像ローラーによる残トナーの回収を安定させる技術)
  • オゾンレス帯電技術 -(感光ドラムのローラーに交流と直流を重畳した電圧をかけて感光ドラムを帯電させる技術)
  • トナー定着技術 -(フィルムを介してトナーに熱を与えて画像を定着させる技術)
  • トナーカートリッジリサイクル技術 -(再び新品のトナーカートリッジとして使用可能にする技術)

品質技術

  • 人間・生理計測評価技術 -(脳波や筋電位、血流・汗・視線などの生理的な反応を測定する技術)
  • 化学物質安全性評価技術 -(VOC (揮発性有機化合物)、粉じん、オゾン、微粒子などの放散化学物質の測定技術)
  • LSI故障解析技術 -(IR-OBIRCH法による電子部品評価・解析技術)

生産技術

  • トナーカートリッジ生産システム -(カートリッジ生産の100以上もの工程を24時間365日稼動する自動化ライン技術)
  • ケミカルコンポーネント技術 -(機能をバランスよく発揮させる素材の独自開発技術)
  • 金属高精度切削技術 -(数十マイクロメートルといった高精度加工を実現する技術)
  • 加工・計測装置技術 -(ナノメートルオーダーの独自の加工・計測装置の開発技術)
  • IBF (Ion Beam Figuring) 加工技術 -(原子サイズの精度が要求される多層膜ミラーを作る技術)
  • モールド技術 -(高精度の非球面レンズ、DOレンズの金型製造技術)
  • 高密度実装技術 -(半導体の微細化、機器の小型化、軽量化技術)
  • 仮想試作技術 -(機器全体の駆動機構解析を実施するための技術)

関連会社の事業

キヤノン株式会社からの事業移管、あるいはグループ会社の自主事業として、関連領域のビジネスを展開している。

情報機器

キヤノンが世界で初めてテンキー式入力の電卓の製品化に成功した。現在は、キヤノン電子が、ハンディターミナルを、キヤノン電産香港有限公司電卓電子辞書などのパーソナル情報機器を、キヤノンファインテックニスカRFIDカードプリンターを、それぞれ開発・製造・販売している。電子辞書はwordtank(ワードタンク)シリーズとして好評を博している。

ITサービス

キヤノンMJグループをはじめ、キヤノン電子グループ、Canon Information and Imaging Solutions(キヤノンUSAグループ)などの関係会社が、インターネットサービスやSI、各種ソフトウェアの販売、エンベデッドBPOなどのITサービス事業を展開している。また、画像処理やネットワーク接続技術(BluetoothやIEEE.802.11)を得意とするキヤノンアイテックおよびキヤノンイメージングシステムズでもエンベデット事業を手がけているほか、キヤノン製品の開発関連会社[50]にも、ソフトウエア開発に携わる企業が多くある。

製造装置

真空技術やメカトロ技術をコアに、半導体をはじめディスプレイや太陽電池、ストレージなどのさまざまな製造装置を開発・製造・販売している。これらのビジネスは、キヤノンマシナリーキヤノンアネルバキヤノントッキの各社が中心となって展開されており、キヤノングループの生産自動化や内製化の推進にも貢献している。また、キヤノンMJ では、RAVE社やmattoson、Zygoなどの日本国外メーカーの関連装置を輸入・販売している。

コンポーネント機器

モータ、TMFセンサ、産業用磁気ヘッド、コンタクトイメージセンサ、電子回路などのコンポーネント製品を開発・製造・販売している。これらのビジネスは、キヤノン電子キヤノンプレシジョンキヤノン・コンポーネンツなどが展開している。

医療機器

眼科機器や遺伝子診断機器、血圧計などの医療機器を開発・製造・販売している。これらのビジネスは、OPTOPOL Technology S.A.やU.S Life Science、Virtual Imaging、キヤノンライフケアソリューションズエルクエストなどが展開している。また、キヤノンMJがフィリップス社製AEDの販売を行っている。2016年12月には東芝メディカルシステムズを完全子会社化し、東芝メディカルシステムズは2018年1月4日にキヤノンメディカルシステムズへ商号変更。

その他

イオンビーム(IBE)関連装置、業務用生ごみ処理装置、スピーカーなどの開発・製造・販売を行っている。

撤退した事業

シンクロリーダー(東京工業大学博物館所蔵)
キヤノワード NX700
  • 視聴覚教育用磁気シートレコーダー(シンクロリーダー)- 1957年発売。後発のリコーの廉価機に敗れ事業としては失敗したが、このときに採用したエレクトロニクス関連の人材、技術が電卓や複写機・プリンターの開発に生かされた。
  • 強誘電性液晶ディスプレイ(FLCD)
  • ワープロ(キヤノワード)
  • 業務用DTP専用機(EZPS)
  • パーソナルコンピュータ
    • Macintosh 512Kを日本語対応化したDynaMacMSX規格機、AX規格機、DOS/V機(INNOVAシリーズ)、キヤノン・キャットのようなオフィス専用機、またNeXTからハードウェア部門を買収して、PowerPC用のチップセット事業も行っていた。
    • PERSONAL STATION NAVI
      • 独自OS搭載のタッチパネル画面GUIインターフェース型モノクロパソコン。電話機、FAXも一体型で搭載し、グリーンCRT使用。初代機種は各界からデザインの秀逸さが評価され、通産省グッドデザイン賞を受賞。コミックス「コブラ」作者で知られる寺沢武一など著名イラストレーターにも重宝された(初代機種 解説HP1初代機種 解説HP2)。最終機種となる二代目機種はデザインが大幅に変更され、ラップトップパソコンに近くなっている。初代機種を見学したスティーブ・ジョブズはこれを絶賛し、着想を得て後のiPhone、iPadにつながっていった[51]
    • NECPC-9801シリーズに乗っかろうとしてか、下丸子工場でPC98互換機を作っていた。
      • 完成度はかなり良く、PC-98のソフトウェアの80%は完全起動していた。
    • ハンドヘルドコンピュータ X-07
      • CPUはZ80バイナリ互換のNSC800、ROM 16Kbyte、RAM 8Kbyte、液晶ディスプレイ120x32ドット、20文字x4行のキャラクタ表示、周辺装置として赤外線を用いた光カプラが用意されており、別の X-07 や周辺装置とデータやプログラムを(室内直進の場合、距離5m、1200ボーで)送受信が可能であった[52]
    • パーソナルコンピューター AS-100
      • 1982年に、パーソナルコンピューターとしてAS-100(i8088、標準OSは、MS-DOSCP/M-86)を開発・販売した[53][54]
  • パーソナル向けファクシミリ(ファクスホン)
  • デジタル印刷機(DPシリーズ)
  • フォント
    • TrueTypeフォント「FontGallery」シリーズを発売していた(Windows 3.0時代にはWIFEフォントとして発売された)が、2007年1月31日で販売終了した。安価な割にデザインがいいことに加え、ほかのフォントベンダーに比べ使用条件が緩い。中でも「FG角ゴシック体Ca」「FG丸ゴシック体Ca」は、販売終了した現在でもテレビ番組テロップ表示で多く使われている。使用場面も多く、一部の放送局では標準のニューステロップとして採用している例もある(後継フォントとしては、フォントワークスのニューロダンがよく採用される)。また、数多くのバラエティ番組アニメ番組でも使用されており、過去には「サザエさん」をはじめ(現在は平成角ゴシック体を使用)、特に2000年代のアニメでは使用例が多く見られた。また、「角ゴシック体Ca」が東京ドームのスコアボードに採用されている。

組織

事業所

事業所は関東地方、とりわけ東京都・神奈川県境の多摩川沿いに集中している。関東地方以外では、大分県に事業所がある。

本社社屋遠景
本社ビル群
宇都宮光学機器事業所
過去
  • 新宿本社(東京都新宿区西新宿)
  • 目黒事業所(東京都目黒区中根)
  • 新川崎事業所(神奈川県川崎市幸区鹿島田)
  • 中央研究所(神奈川県厚木市森の里)
  • エコロジー研究所(京都府相楽郡木津町)
  • 茂原事業所(千葉県茂原市早野)
  • 溝の口研修センター(神奈川県川崎市高津区)
  • 上里事業所(埼玉県児玉郡上里町)

おもな連結子会社

ただし、キヤノンITソリューションズ株式会社に代表されるキヤノン株式会社の孫会社も含む。

製造会社

・日本

販売会社

・日本

研究開発・ソフトウエア会社

・日本

その他関係会社等

・日本

広報・広告

コーポレート・ステートメント

現在
  • make it possible with canon(日本、「それ、キヤノンでできるようにしましょう」の意)
  • Delighting You Always 感動常在(日本以外のアジア)
  • image ANYWARE(北アメリカおよび南アメリカ、「あらゆる事を想像する」の意)
  • you can(ヨーロッパ)
  • advanced simplicity(オセアニア)
過去
  • 光と電子を未来に結ぶ
  • 映像と情報のワンダーランドへ
  • 世界のブランド

CM

現在の提供番組

2022年4月現在のもの。

CM出演者

キヤノンではCMイメージキャラクターを「コミュニケーションパートナー」という名称で呼んでいる。

CMソング

契約スポンサー

現在
過去

スポーツ活動

地球温暖化対応

防止への取組み

気候変動の主な原因とみられるCO2の排出削減に向け、製品の省エネルギー化をはじめ、オフィスや工場での省エネ、物流の効率化など、製品のライフサイクル(一生)全体で取り組んでいるとしている[57]。オフィス機器の省エネルギー技術は、2008年から2020年までの累計で55,218GWhの省エネルギー効果を生み出してきた。事業所の使用電力についても、特に欧州を中心に再生可能エネルギー利用に努め、欧州では約83%が再生可能エネルギーである。

懐疑論の発信

本社が地球温暖化防止を掲げる一方、傘下のキヤノングローバル戦略研究所では、人為起源地球温暖化懐疑論者の杉山大志を研究主幹に起用し、人為地球温暖化懐疑論および反再生可能エネルギー論を発信している。[58]

ソニーリコー富士フイルムニコンパナソニックなどの同業他社が再生可能エネルギー100%を約束しているのに対し、キヤノンは4.85%の再生可能エネルギー目標しか約束していない。[59]

関連する企業・人物

  • 昭栄(東証一部上場) - 「みずほ信託退職給付信託キヤノン口再信託受託者資産管理サービス信託」として保有している[60]。また、1944年にキヤノンの前身である精機光学工業は昭栄が前年1943年に買収した大和光学製作所を合併した[61]
  • アキハバラデパート - 創業者の吉田五郎が外商の売掛金の集金係として働いていた[62]
  • オハラ - セイコー系の光学レンズメーカー。キヤノンが取引面での関係強化から資本介入に踏み切った。
  • 鉄道ファン (雑誌) - 1977年から共同で「鉄道ファンフォトコンテスト」を主催。優秀作品には賞品で同社のカメラが贈呈される。それ以外でも裏表紙に同社製品の広告が掲載されることが多い。
  • 星野愷 - 東京工業大学名誉教授。シンクロリーダーの発明者。

脚注

注釈

  1. ^ 港区六本木七丁目14番4号。のち1976年から2014年まではホテルアイビス六本木、2017年からはレム六本木が所在。
  2. ^ コニカを経て現コニカミノルタホールディングス→コニカミノルタ
  3. ^ 個人向けの複写機については、印刷方式は異なるが現在はPIXUSのオールインワンモデルに複写機能が備わっており、事実上これらが後継モデルとなっている。
  4. ^ このときの田中宏、丸島儀一を中心とした攻防が「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」(NHK)、「キヤノン特許部隊」(光文社新書・丸島儀一(著))で紹介された。
  5. ^ なお、2014年11月は番組編成の都合上テレビ朝日系の場合「世界の街道を行く」以外の2番組のレギュラー提供を見合わせる代わりに「全日本大学駅伝」(2014年11月2日放送)と「フィギュアスケートグランプリシリーズ2014第3戦中国大会・男女ショート」(2014年11月7日放送)に振り替えた他BS朝日で編成する特番などに振替。

出典

  1. ^ コーポレート・ガバナンス - キヤノン株式会社
  2. ^ a b c d キヤノン株式会社(会社情報・役員一覧)
  3. ^ 有価証券報告書(第115期)” (PDF). キヤノン株式会社 (2016年3月30日). 2016年5月22日閲覧。
  4. ^ キヤノン株式会社 定款 第1章第1条
  5. ^ インダストリー製品 キヤノン公式ページ 09-10-17閲覧
  6. ^ ビジネス製品 キヤノン公式ページ 09-10-17閲覧
  7. ^ パーソナル製品 キヤノン公式ページ 09-10-17閲覧
  8. ^ 構成銘柄一覧:日経平均株価 Nikkei Inc. 2021年10月8日閲覧。
  9. ^ 「TOPIXニューインデックスシリーズ」の定期選定結果及び構成銘柄一覧 (PDF) jpx.co.jp 2020年10月7日公表 2021年10月8日閲覧。
  10. ^ キヤノン、20年ぶりベア 物価高で全従業員に7000円”. 日本経済新聞 (2022年12月26日). 2023年1月4日閲覧。
  11. ^ キヤノンのいまができるまで キヤノン公式ページ 09-10-17閲覧
  12. ^ a b c ロゴの由来”. キヤノン公式ページ. 2013年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。13-12-05閲覧。
  13. ^ カメラ最初の試作機「カンノン」誕生から80周年 キヤノン株式会社、2014年8月19日
  14. ^ キヤノンカメラミュージアム カンノン(試作機) キヤノン株式会社
  15. ^ 英語のcanonの意味三省堂提供英和辞典
  16. ^ 高橋書店編集部『思わず話したくなる ロゴの秘密』
  17. ^ キヤノンロゴ”. 2020年6月26日閲覧。 キヤノン株式会社
  18. ^ a b 誕生から創業 キヤノン公式ページ 09-10-17閲覧
  19. ^ キヤノン、ニューヨークでADR上場廃止へ 取引低調で”. 時事通信 (2023年2月10日). 2023年2月17日閲覧。
  20. ^ 第一次5カ年計画を策定 キヤノン公式ページ 09-10-17閲覧
  21. ^ 第一次優良企業構想スタート キヤノン公式ページ 09-10-17閲覧
  22. ^ a b c グローバル企業構想(5カ年)スタート キヤノン公式ページ 09-10-17閲覧
  23. ^ a b 「グローバル優良企業グループ構想」スタート キヤノン公式ページ 09-10-17閲覧
  24. ^ 日本経済新聞、2016年1月27日
  25. ^ a b キヤノン、真栄田社長が健康上の理由で社長を退任、御手洗会長が社長兼務に”. BCN+R (2020年5月1日). 2022年1月27日閲覧。
  26. ^ 朝日新聞、2006年7月31日
  27. ^ 朝日新聞、2006年10月18日
  28. ^ 「『抜け殻』正社員:派遣・請負依存経営のツケ」日経ビジネス2007年4月2日号
  29. ^ 「「偽装請負」労働が製造業で横行」朝日新聞、2006年7月31日
  30. ^ 「偽装請負への思い、国会で訴えへ キヤノン工場の男性」朝日新聞、2007年2月21日
  31. ^ 「キヤノン請負労働者「生身の人間。正社員と同じ賃金を」朝日新聞、2007年2月22日
  32. ^ (平成28年6月30日)キヤノン株式会社による東芝メディカルシステムズ株式会社の株式取得について:公正取引委員会
  33. ^ 「当社は不正はしない」と富士フイルム古森会長 買収合戦、キヤノンの手法に納得できず - SankeiBiz(サンケイビズ)2016年12月6日
  34. ^ 公取による異例の注意 キヤノンによる東芝メディカルシステムズの株式取得は一体何が問題だったのか? - BUSINESS LAWYERS
  35. ^ 中国、キヤノンに500万円支払い科す 東芝メディカル買収巡り   日本経済新聞 2017年1月6日
  36. ^ キヤノンと東芝、和解金5億円 M&A巡り米当局と和解   日本経済新聞 2019年6月12日
  37. ^ 欧州委、キヤノンに制裁金34億円 医療機器買収で   日本経済新聞 2019年6月27日
  38. ^ キヤノン、東芝メディカルシステムズ買収巡りEUが罰金2800万ユーロ - ロイター 2019年6月27日
  39. ^ Canon Gets $32 Million EU Fine for Jumping Gun on Toshiba Deal - Bloomberg 2019年6月27日
  40. ^ 【追記あり】キヤノンUSAがランサムウェアのターゲットに?”. ギズモード. 2021年11月9日閲覧。
  41. ^ a b カメラ”. BCN AWARD・BCN IT ジュニア賞. 2022年2月18日閲覧。
  42. ^ キヤノン、同社初のミラーレスカメラ「EOS M」。APS-Cセンサー採用”. デジカメwatch. 2019年10月15日閲覧。
  43. ^ Canon EOS R(実写編)”. デジカメwatch. 2019年10月15日閲覧。
  44. ^ パーソナル向けデジタルビデオカメラ「iVIS」販売終了のご案内 キヤノン:パーソナル向けデジタルビデオカメラ iVIS(アイビス) 商品一覧 2019年12月20日
  45. ^ キヤノン、東芝メディカル買収を発表 6655億円で - 日本経済新聞 2016年3月17日
  46. ^ キヤノンビデオスクエア
  47. ^ キヤノン用紙 香りペーパー
  48. ^ キヤノン 香りペーパーSpecial Site
  49. ^ Reality Media Lab.
  50. ^ キヤノン:キヤノン株式会社 会社情報|開発関連会社
  51. ^ 日本でiPhoneが生まれなかったワケ 専門家に聞く 日本経済新聞 2012年12月2日
  52. ^ ASCII 1983年4月, p. 100-101.
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  54. ^ ASCII 1983年2月号, p. 114.
  55. ^ キヤノン株式会社宇都宮事業所”. 企業立地に関するご案内. 栃木県産業労働観光部産業政策課企業立地班. 2020年11月25日閲覧。
  56. ^ キヤノンアイテック株式会社との合併のお知らせ”. キヤノンイメージングシステムズ. 2021年5月24日閲覧。
  57. ^ 地球温暖化の防止に向けて”. キヤノンGlobal. 2022年1月30日閲覧。
  58. ^ 人工説隠蔽のコロナと嘘だらけの脱炭素はよく似ている”. キヤノングローバル戦略研究所. 2022年1月30日閲覧。
  59. ^ グローバル・クライメート写真コンテストの開催を発表 写真家たちがキヤノンに気候変動懐疑論への支援停止を要求”. 2023年2月16日閲覧。
  60. ^ 昭栄株式会社”. 2005年3月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月30日閲覧。
  61. ^ 昭栄株式会社”. 2005年3月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月30日閲覧。
  62. ^ 小倉磐夫『国産カメラ開発物語』p. 44

参考文献

  • 小倉磐夫カメラと戦争 光学技術者たちの挑戦朝日新聞社、1994年12月。ISBN 4-02-330311-9https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002379124-00 
  • 小倉磐夫『国産カメラ開発物語』朝日新聞社、2001年9月。ISBN 4-02-259784-4https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003024034-00 
  • 丸島儀一『キヤノン特許部隊』光文社新書、2002年2月。ISBN 4-33-403126-9
  • 坂爪一郎『御手洗冨士夫キヤノン流現場主義』東洋経済新報社、2004年11月。ISBN 4-49-250125-8
  • 酒巻久『キヤノンの仕事術』祥伝社黄金文庫、2008年12月。ISBN 4-39-631472-8
  • 「キャノン、光コミュニケーション可能なハンドヘルドコンピュータ X-07を発表」『ASCII』第7巻第4号、アスキー、1983年4月1日、ISSN 0386-5428 
  • 「ASCII 1983年2月号」第7巻第2号、株式会社アスキー出版、1983年2月1日。 

関連項目

外部リンク