マスターズ・トーナメント
![]() Masters Tournament | |
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創設 | 1934年 |
開催地 |
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オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ | |
基準打数 | Par72(2017年) |
ヤーデージ | 7,435ヤード (6,799 m) (2017年)[1] |
主催 | オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ |
ツアー |
PGAツアー ヨーロピアンツアー 日本ゴルフツアー |
競技方法 | ストロークプレー |
賞金総額 | 1150万ドル(2019年) |
開催月 | 4月 |
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最少打数 |
268 ![]() |
通算スコア | -20 同上 |
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マスターズ・トーナメント(英語: Masters Tournament)は、アメリカ合衆国ジョージア州のオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブを会場に開かれている、ゴルフのメジャー選手権のひとつ。
概要[編集]
1934年にボビー・ジョーンズと友人で実業家のクリフォード・ロバーツの企画により"Augusta National Invitation Tournament"と題して開幕したが、1939年に当初ロバーツが考えていたものの、ジョーンズが嫌っていたマスターズというタイトルに変更された[2]。
毎年4月2週目の日曜日に最終日を基準に開催される[2]。出場選手は前年度の世界各地のツアーでの賞金ランキング上位者、メジャー優勝者など。招待資格を満たす名手(マスター)たちしか出場できないことから「ゴルフの祭典」として敬愛されている。
1960年から本戦の前日の水曜日に「パー3コンテスト」が開催されている。オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブに隣接する9ホール(パー27)の特設コースで行われ、歴代最少スコアは19。過去の優勝者にはサム・スニード(1960年・1974年)、アーノルド・パーマー(1967年)、青木功(1975年・1981年)、トム・ワトソン(1982年・2018年)、中嶋常幸(1988年)、ビジェイ・シン(1994年)などがいる。出場選手の子供がキャディーを務めるなど和やかな雰囲気で行われる伝統のイベントであるが、優勝するとその年の本選では優勝できないというジンクスがあることでも知られる(ただし、後述の記録にあるように連覇を果たした選手はいる)。2017年は雨のため初めて中止された。
優勝賞金は開幕当初は特に定めないで、3日間の入場収入などを基に決定する。優勝者には優勝賞金に加えてグリーン・ジャケットが贈られ、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブの名誉会員となり、当大会への生涯出場権が与えられる。「ゴルフの祭典」という大会の性格上、この生涯出場権により、2000年代までは年齢が70代や80代に達した往年の名プレーヤーが出場を続けていた。しかし、2002年に大会を主催するマスターズ委員会が、一定水準のスコアでラウンドできなくなった選手に対して出場辞退を要請する手紙を送るようになったこと[3]や、コース改造(全長を約300ヤード延長)を契機として、ダグ・フォードやビリー・キャスパー、ゲイ・ブリュワーなどが出場を取りやめるようになった。その後、BIG3と呼ばれたアーノルド・パーマーは2004年(当時74歳)、ジャック・ニクラスは2005年(当時65歳)、ゲーリー・プレーヤーは2009年(当時73歳)に引退を表明し、競技者としての出場を終えている(この3人は2012年から名誉スターターとして大会初日に始球式を行っているが、2016年はパーマーが辞退を表明した)。
他のメジャーは毎回開催コースが異なるが、マスターズは毎年同じオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブで開催される。このコースはとりわけグリーンの難度が高く、「オーガスタのグリーンには“魔女”が棲(す)む」とよく言われる。更にINの11番・12番・13番の3つのホールに至っては「神に祈る」と言う意味も込められたのかは分からないが別名・《アーメンコーナー》と言われて恐れられている。フェアウェイもアンジュレーションが大きく、バーディを狙うにはティショットを正確に理想的なセカンドショットのポジションに運ぶ必要がある。また、谷と森が作り出す気まぐれな風も起こる。こうした環境が、トーナメント名の通り、名手に相応しい技術の持ち手を選ぶことになる。一方、ラフはセカンドカットまでとなっており、長いラフのセットとなる全米オープンとの違いが顕著に表れる部分である。
1961年に南アフリカのゲーリー・プレーヤーが優勝し、初のアメリカ人以外の優勝者となった。1975年にはリー・エルダーが黒人選手として初めて出場した。2009年にアルゼンチンのアンヘル・カブレラが初の南米勢優勝を果たした。
グレグ・ノーマンら世界的強豪選手の多いオーストラリア勢だがマスターズでは1996年の大会でノーマンがニック・ファルドに最終日に大逆転負けを喫するなどなかなか勝てなかったが、2013年の大会でついにアダム・スコットがオーストラリア勢として初の優勝を果たした。
2014年には、1982年大会優勝者のクレイグ・スタドラーと息子のケビン・スタドラーが史上初の親子同時出場を果たした。
意外な伏兵が優勝することが多い他のメジャーと違い、ビッグネームが順当に優勝することの多いトーナメントとして有名だった。これは毎年同じゴルフコースで開催されるという特性から、ベテランほどこのコースの経験を多く持っていることが原因と考えられる。だが、2007年大会は世界ランキング56位(当時)でツアー1勝しかしていないザック・ジョンソンが優勝し、大会史上初といってもいい伏兵の優勝となった。近年はコースの長距離化などの影響で若手プロの初優勝が相次いでおり、ベテランに有利とは限らなくなっている。
尚、予選通過ラインは、予選カットができた1957年以降「上位40位タイまで」だったが、1962年に「44位タイまで」と「首位から10打差以内」に変更、2013年には約半世紀ぶりに「50位タイまで」と「首位から10打差以内」に変更された。しかし2020年は「50位タイまで」のみとした。
4日間終了時点で1位が2人以上いた場合、プレーオフはサドンデスによって争われる。以前は、翌日に18ホールのストローク・プレーや、4ホールのストロークで争っていた。プレーオフは18番と10番ホールで行われる。
例年4月に開催しているが、2020年は世界で感染が拡大している新型コロナウイルスによる影響で開催を同年秋に延期することを3月13日に発表した。本大会が4月に行われないのは第二次世界大戦中以来となる[4]。その後、11月9日から15日にかけて無観客で開催することを発表した[5]。
招待条件[編集]
招待条件は下記の通りであるが[6]、カテゴリー7から11までについてはアマチュア選手は大会初日時点でアマチュアでなければならない。
- 歴代優勝者 (生涯)
- 全米オープン優勝者(過去5年間)
- 全英オープン優勝者(過去5年間)
- 全米プロゴルフ選手権(PGA選手権)優勝者(過去5年間)
- ザ・プレーヤーズ選手権優勝者(過去3年間)
- オリンピックにおけるゴルフ競技優勝者(オリンピックの翌年のみ・直近の場合は2017年が該当)
- 前年全米アマ優勝者および2位
- 前年全英アマ優勝者
- 前年アジアパシフィックアマチュア選手権優勝者
- 当年ラテンアメリカアマチュア選手権優勝者
- 前年全米ミッド・アマ優勝者
- 前年マスターズ大会12位以内(タイを含む)入賞者
- 前年全米オープン4位以内(タイを含む)入賞者
- 前年全英オープン4位以内(タイを含む)入賞者
- 前年PGA選手権4位以内(タイを含む)入賞者
- 前年マスターズ大会翌週から、本大会前週までのPGAツアー(フェデックスカップポイントに加算される試合)優勝者
- 前年ザ・ツアーチャンピオンシップ出場者
- 前年最終週の公式世界ランキング50位以内
- 同年公式世界ランキング50位以内(マスターズ大会開催前週に発表のもの)
その他、特別招待枠がある。
記録[編集]
- 大会歴代2位の優勝回数は5回、タイガー・ウッズ(1997年、2001年、2002年、2005年、2019年)。歴代3位は4回優勝、アーノルド・パーマー(1958年、1960年、1962年、1964年)
- 最多2位回数:4回、ベン・ホーガン(1942年、1946年、1954年、1955年)、ジャック・ニクラス(1964年、1971年、1977年、1981年)、トム・ワイスコフ(1969年、1972年、1974年、1975年)
- 最多トップ10回数:22回、ジャック・ニクラス
- 最多予選通過回数:37回、ジャック・ニクラス
- 最年少優勝者:タイガー・ウッズ(21歳3ヶ月14日)、1997年
- 最年長優勝者:ジャック・ニクラス(46歳2ヶ月23日)、1986年
- 72ホール最少スコア:268、ダスティン・ジョンソン(2020年)
- 54ホール最少スコア:200、ジョーダン・スピース(2015年)
- 18ホール最少スコア:63、ニック・プライス(1986年3日目、10バーディー・1ボギー)、グレグ・ノーマン(1996年1日目、9バーディー)
- 18ホール最多バーディー:11、アンソニー・キム(2009年2日目、11バーディー・2ボギー・1ダブルボギー)
- 最多連続バーディー:7、スティーブ・ペイト(1999年3日目7~13番)、タイガー・ウッズ(2005年3日目7~13番)
- 最年少出場者:関天朗(グァン・ティンラン)(14歳5ヶ月、2013年)
- 最年少予選通過者:関天朗(14歳5ヶ月、2013年)
- 最年長予選通過者:トミー・アーロン(63歳1ヶ月、2000年)
- 最多出場回数:52回、ゲーリー・プレーヤー(1957年 - 2009年(1973年は病気のため不出場))
- 最多連続出場回数:50回、アーノルド・パーマー(1955年 - 2004年)
歴代優勝者[編集]
年 | 国 | 優勝者 | 合計スコア | 合計パー | 優勝賞金 ($) |
---|---|---|---|---|---|
1934 | ![]() |
ホートン・スミス | 284 | -4 | 1,500 |
1935 | ![]() |
ジーン・サラゼン | 282 | -6 | 1,500 |
1936 | ![]() |
ホートン・スミス | 285 | -3 | 1,500 |
1937 | ![]() |
バイロン・ネルソン | 283 | -5 | 1,500 |
1938 | ![]() |
ヘンリー・ピカード | 285 | -3 | 1,500 |
1939 | ![]() |
ラルフ・ガルダール | 279 | -9 | 1,500 |
1940 | ![]() |
ジミー・デマレー | 280 | -8 | 1,500 |
1941 | ![]() |
クレイグ・ウッド | 280 | -8 | 1,500 |
1942 | ![]() |
バイロン・ネルソン | 280 | -8 | 1,500 |
1943-45: 第二次世界大戦のため中止 | |||||
1946 | ![]() |
ハーマン・カイザー | 282 | -6 | 2,500 |
1947 | ![]() |
ジミー・デマレー | 281 | -7 | 2,500 |
1948 | ![]() |
クロード・ハーモン | 279 | -9 | 2,500 |
1949 | ![]() |
サム・スニード | 282 | -6 | 2,750 |
1950 | ![]() |
ジミー・デマレー | 283 | -5 | 2,400 |
1951 | ![]() |
ベン・ホーガン | 280 | -8 | 3,000 |
1952 | ![]() |
サム・スニード | 286 | -2 | 4,000 |
1953 | ![]() |
ベン・ホーガン | 274 | -14 | 4,000 |
1954 | ![]() |
サム・スニード | 289 | +1 | 5,000 |
1955 | ![]() |
ケリー・ミドルコフ | 279 | -9 | 5,000 |
1956 | ![]() |
ジャック・バーク・ジュニア | 289 | +1 | 6,000 |
1957 | ![]() |
ダグ・フォード | 283 | -5 | 8,750 |
1958 | ![]() |
アーノルド・パーマー | 284 | -4 | 11,250 |
1959 | ![]() |
アート・ウォール・ジュニア | 284 | -4 | 15,000 |
1960 | ![]() |
アーノルド・パーマー | 282 | -6 | 17,500 |
1961 | ![]() |
ゲーリー・プレーヤー | 280 | -8 | 20,000 |
1962 | ![]() |
アーノルド・パーマー | 280 | -8 | 20,000 |
1963 | ![]() |
ジャック・ニクラス | 286 | -2 | 20,000 |
1964 | ![]() |
アーノルド・パーマー | 276 | -12 | 20,000 |
1965 | ![]() |
ジャック・ニクラス | 271 | -17 | 20,000 |
1966 | ![]() |
ジャック・ニクラス | 288 | 0 | 20,000 |
1967 | ![]() |
ゲイ・ブリュワー | 280 | -8 | 20,000 |
1968 | ![]() |
ボブ・ゴールビー | 277 | -11 | 20,000 |
1969 | ![]() |
ジョージ・アーチャー | 281 | -7 | 20,000 |
1970 | ![]() |
ビリー・キャスパー | 279 | -9 | 25,000 |
1971 | ![]() |
チャールズ・クーディー | 279 | -9 | 25,000 |
1972 | ![]() |
ジャック・ニクラス | 286 | -2 | 25,000 |
1973 | ![]() |
トミー・アーロン | 283 | -5 | 30,000 |
1974 | ![]() |
ゲーリー・プレーヤー | 278 | -10 | 35,000 |
1975 | ![]() |
ジャック・ニクラス | 276 | -12 | 40,000 |
1976 | ![]() |
レイモンド・フロイド | 271 | -17 | 40,000 |
1977 | ![]() |
トム・ワトソン | 276 | -12 | 40,000 |
1978 | ![]() |
ゲーリー・プレーヤー | 277 | -11 | 45,000 |
1979 | ![]() |
ファジー・ゼラー | 280 | -8 | 50,000 |
1980 | ![]() |
セベ・バレステロス | 275 | -13 | 55,000 |
1981 | ![]() |
トム・ワトソン | 280 | -8 | 60,000 |
1982 | ![]() |
クレイグ・スタドラー | 284 | -4 | 64,000 |
1983 | ![]() |
セベ・バレステロス | 280 | -8 | 90,000 |
1984 | ![]() |
ベン・クレンショー | 277 | -11 | 108,000 |
1985 | ![]() |
ベルンハルト・ランガー | 282 | -6 | 126,000 |
1986 | ![]() |
ジャック・ニクラス | 279 | -9 | 144,000 |
1987 | ![]() |
ラリー・マイズ | 285 | -3 | 162,000 |
1988 | ![]() |
サンディ・ライル | 281 | -7 | 183,800 |
1989 | ![]() |
ニック・ファルド | 283 | -5 | 200,000 |
1990 | ![]() |
ニック・ファルド | 278 | -10 | 225,000 |
1991 | ![]() |
イアン・ウーズナム | 277 | -11 | 243,000 |
1992 | ![]() |
フレッド・カプルス | 275 | -13 | 270,000 |
1993 | ![]() |
ベルンハルト・ランガー | 277 | -11 | 306,000 |
1994 | ![]() |
ホセ・マリア・オラサバル | 279 | -9 | 360,000 |
1995 | ![]() |
ベン・クレンショー | 274 | -14 | 396,000 |
1996 | ![]() |
ニック・ファルド | 276 | -12 | 450,000 |
1997 | ![]() |
タイガー・ウッズ | 270 | -18 | 486,000 |
1998 | ![]() |
マーク・オメーラ | 279 | -9 | 576,000 |
1999 | ![]() |
ホセ・マリア・オラサバル | 280 | -8 | 720,000 |
2000 | ![]() |
ビジェイ・シン | 278 | -10 | 828,000 |
2001 | ![]() |
タイガー・ウッズ | 272 | -16 | 1,080,000 |
2002 | ![]() |
タイガー・ウッズ | 276 | -12 | 1,080,000 |
2003 | ![]() |
マイク・ウェア | 281 | -7 | 1,080,000 |
2004 | ![]() |
フィル・ミケルソン | 279 | -9 | 1,117,000 |
2005 | ![]() |
タイガー・ウッズ | 276 | -12 | 1,260,000 |
2006 | ![]() |
フィル・ミケルソン | 281 | -7 | 1,260,000 |
2007 | ![]() |
ザック・ジョンソン | 289 | +1 | 1,305,000 |
2008 | ![]() |
トレバー・イメルマン | 280 | -8 | 1,350,000 |
2009 | ![]() |
アンヘル・カブレラ | 276 | -12 | 1,350,000 |
2010 | ![]() |
フィル・ミケルソン | 272 | -16 | 1,350,000 |
2011 | ![]() |
シャール・シュワーツェル | 274 | -14 | 1,440,000 |
2012 | ![]() |
バッバ・ワトソン | 278 | -10 | 1,440,000 |
2013 | ![]() |
アダム・スコット | 279 | -9 | 1,440,000 |
2014 | ![]() |
バッバ・ワトソン | 280 | -8 | 1,620,000 |
2015 | ![]() |
ジョーダン・スピース[1] | 270 | -18 | 1,800,000 |
2016 | ![]() |
ダニー・ウィレット | 283 | -5 | 1,800,000 |
2017 | ![]() |
セルヒオ・ガルシア | 279 | -9 | 1,980,000 |
2018 | ![]() |
パトリック・リード | 273 | -15 | 1,980,000 |
2019 | ![]() |
タイガー・ウッズ [7] | 275 | -13 | 2,070,000 |
2020 | ![]() |
ダスティン・ジョンソン | 268 | -20 | 2,070,000 |
ローアマチュア[編集]
放送[編集]
アメリカ[編集]
アメリカでは、テレビが本戦がCBS系列の局で放送されている。予選ラウンドについては、それまでUSAネットワークで放送されていたが[8]、2008年からはESPNで中継されている[9]。そのためCBSはザ・レイト・ショー放映前に15分のハイライトを放送されている。さらに、本戦前日に行われる恒例のパー3コンテストもESPNで2008年から放送されている。
また表彰式はバトラーキャビンにおいてCBSスポーツアナウンサーのジム・ナンツとの優勝者インタビューの後グリーンジャケット贈呈式を行い、バトラーキャビン前で正式な表彰式が実施される。
CBSとオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブはアメリカにおける放送パートナーとして毎年放映権を更新している[10]。CBSは番組のテーマ曲としてデイヴ・ロギンス(Dave Loggins)の『オーガスタ』を使用している。TBSの中継も同様である。
テレビ中継のスポンサーはIBM、エクソンモービル、AT&Tであるが、2014年はエクソンモービルに代わってメルセデス・ベンツが勤めた。またオフィシャルタイムキーパーのロレックス、UPSもスポンサーとして名乗っている。
ラジオではウェストウッド・ワンが4日間中継されている。
アメリカ以外[編集]
大会公式YouTubeでは2018年大会にて全ラウンド完全生中継を実施。米国内やカナダ、英国、日本、オーストラリアなど一部放映権を持つ国を除き配信された。
BBCは1986年以来マスターズの放映権を持っている。BBCはCMなしで放送されている。ラジオではBBC Radio Five Liveで放送される。アイルランドはSetanta Irelandで4日間放送。2017年以降は前半をEir Sport、RTÉが後半の2日間放送[11]。カナダ国内ではグラハム・サンボーン・メディアがマーケティングセールスを行い[12]、英語は前半の2日間はTSN、後半の2日間はグローバルで放送されている。フランス語はTVAで放送。
日本での地上波テレビ放送は1976年よりCBSと業務提携しているTBSが製作を務めており、JNN系列全国28局ネットで放送している。[13] オープニング映像はデイブ・ロギンズが歌う『Augasta』をバックに、過去の名場面と前年度王者のグリーンジャケット着用の場面を編集したものである。
番組開始当初は2日間の決勝ラウンドの中継とこの日のハイライトを放送していたが、1983年からは2日間の予選ラウンドの放送、1988年にはゴールデンウィークに総集編(一部地域を除く)、その後2日間の予選ラウンドのダイジェスト版が加わり、現在の放送体制となっている。2014年は4日間合計で24時間の放送を実施。特に最終日は中断無しで約8時間生放送した。地上波のほか、BSデジタル放送BS-TBSで放送。また、CS放送(2時間のダイジェスト版のみ)では当初はJNNニュースバード(現・TBS NEWS)で放送されていたが後にTBSチャンネルでの放送に移行した(TBSチャンネルでの放送素材は地上波のものでなくBS-TBSでの放送素材が使われている)。そのため、地上波放送分とBS・CS放送分で実況・解説の担当者が異っている。地上波放送ではリアルタイム字幕放送(2007年大会のダイジェストから)を、BS-TBSは2013年まで2ヶ国語放送(英語副音声 ステレオ2音声)を実施。セールスはテレ・プランニング・インターナショナルとビデオプロモーションが担当しており、全米オープンテニスと同様、アナウンサーによる提供コメントなしで放送している。一方、BS-TBSでは提供クレジットは前クレのみで提供コメントはしている。TBSチャンネルでは有料放送であるためスポンサーそのものは一切なく、提供クレジットの表示も提供コメントもまったくない。その影響のため、朝の報道番組が休止になったり、繰り下げ放送になることがある。なお、パー3コンテストについては、日本でもBS-TBSで録画放送された。2014年は初めてインターネットによる生中継を行い、アーメンコーナー、15・16番ホール、注目組のプレーを配信した。(日本以外は視聴不可、CBS・マスターズ公式サイトでも米国のみでライブ配信されている。)2017年はアニメサタデー630開始前の4月1日6:30 - 7:30に大会直前スペシャルを編成[14]し、過去の名場面などが放送される。
チケット[編集]
マスターズの入場券はライダーカップと並び、世界で一番取れにくいゴルフトーナメントとしても知られており、通称「パトロン」と呼ばれている。スポンサーや関係者、オーガスタの地元住民だけしか入場できない。2012年以降の一般入場券はインターネットで抽選販売されている。また2008年以降、パトロン保持者の8~16歳のジュニアにつき1名無料入場している[15]。
脚注[編集]
- ^ a b “21歳スピースが最少スコアタイで完全優勝 松山英樹5位”. ゴルフダイジェスト・オンライン (2015年4月13日). 2015年4月13日閲覧。
- ^ a b “History”. www.masters.com. 2014年6月20日閲覧。
- ^ “The Masters: Augusta bows to change with a pompous flourish”. 2015年7月21日閲覧。
- ^ “延期の「マスターズ」放送局TBSはどうする ゴルフ中継の難題とは”. ゴルフダイジェスト・オンライン (2020年4月1日). 2020年4月1日閲覧。
- ^ “2020 Masters to be Conducted Without Patrons or Guests”. www.masters.com (2020年8月12日). 2020年9月22日閲覧。
- ^ “Invitees - 2017 Masters Tournament” (英語). 2017年8月18日閲覧。
- ^ タイガー・ウッズがマスターズ優勝 11年ぶりメジャー制覇 ゴルフダイジェスト・オンライン 2019年4月15日
- ^ Ratings For Each Round of The Masters Since '82 (First/Second Rounds Since '99)
- ^ “ESPN will show first two rounds of 2008 Masters tournament”. ESPN (2007年10月10日). 2008年3月23日閲覧。
- ^ McDonald, Tim. “Is the Masters really the most prestigious sporting event in America?”. WorldGolf.com. 2008年12月23日閲覧。
- ^ CEO Setanta Ireland (2007年8月12日). “We are fully committed to providing a public service – without public funding”. Independent.ie 2008年12月23日閲覧。
- ^ William Houston (2008年4月10日). “As usual, Woods is the star of Masters coverage”. The Globe and Mail (Toronto) 2009年4月10日閲覧。
- ^ ABS秋田放送、RNB南海放送でもTBSの朝ワイドをネットしている関係で1992年まで番販ネットにて放送していた。
- ^ 大会の中継と異なり全編ローカルセールス枠。このため一部系列局は別番組に差し替え。
- ^ “Ticket Information”. Masters.org. 2008年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年4月12日閲覧。
外部リンク[編集]
- 公式ウェブサイト(英語)
- Masters Tournament (@TheMasters) - Twitter
- マスターズ|TBSテレビ
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