伝説のチャンピオン
「伝説のチャンピオン」 | ||||||||
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クイーン の シングル | ||||||||
初出アルバム『世界に捧ぐ』 | ||||||||
B面 | ウィ・ウィル・ロック・ユー | |||||||
リリース | ||||||||
ジャンル | スタジアム・ロック | |||||||
時間 | ||||||||
レーベル |
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作詞・作曲 | フレディ・マーキュリー | |||||||
プロデュース | マイク・ストーン | |||||||
チャート最高順位 | ||||||||
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クイーン シングル 年表 | ||||||||
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「ユー・アー・ザ・チャンピオンズ」 | ||||||||
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クイーン + アダム・ランバート の シングル | ||||||||
リリース | ||||||||
録音 | 2020年 | |||||||
ジャンル | ロック | |||||||
時間 | ||||||||
レーベル | ヴァージンEMI | |||||||
作詞・作曲 | フレディ・マーキュリー | |||||||
プロデュース |
ブライアン・メイ ロジャー・テイラー | |||||||
クイーン + アダム・ランバート シングル 年表 | ||||||||
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「伝説のチャンピオン」(でんせつのチャンピオン、原題: We Are the Champions)は、イギリスのロックバンド、クイーンの楽曲である。作詞・作曲は、フレディ・マーキュリー。日本でもしばしば原題に合わせて「ウィー・アー・ザ・チャンピオンズ」と呼ばれる事もある。
解説[編集]
初出アルバムは1977年の『世界に捧ぐ』[3]。1975年リリースの『オペラ座の夜』に収録された「ボヘミアン・ラプソディ」よりも曲自体は先に完成していたが、フレディの「時期が早すぎる」という判断で発表を先送りした。1985年にロンドンのウェンブリー・スタジアムで開催されたチャリティー・コンサート「ライヴエイド」出演時に演奏された楽曲の一つ[4]。この時の音源は、映画『ボヘミアン・ラプソディ』で使用され、同映画のサウンドトラック盤『ボヘミアン・ラプソディ (オリジナル・サウンドトラック)』に収録されている。
先行シングルとして発売され、全英最高2位、全米最高4位、カナダで3位のヒットを記録し、アメリカにおいてはその時点で最も売れたクイーンの曲となった[5] [6]。この2曲は、両者がラジオで続けて流されることの多かったアメリカを中心に、つながった1曲と解釈されることが多く、発表以降のクイーンのライヴでも決まって最後に2曲続けて演奏される、テーマソング的な地位を占めることとなった。1986年にアルバム『カインド・オブ・マジック』の発売にあわせて敢行されたツアーでは、両曲の間に、「心の絆(Friends Will Be Friends)」を挟むかたちで演奏された。
2020年には、クイーン + アダム・ランバート名義で新バージョン「ユー・アー・ザ・チャンピオンズ」を発表した[7]。
シングルが発売された当時は「歌詞のチャンピオンというのは自分たちのことを指し、自分たちが世界一だと思い上がっているのではないか」と批判されたが、後にブライアン・メイは「この曲は自分たちをチャンピオンだと歌っているのではなく、世界中の一人ひとりがチャンピオンなのだと歌っている」と反論している。
NME誌は、この曲がイギリス中のサッカーの試合で使用されるようになったことを受け、『あの曲は世界中のサッカーファンのために作られたようなものだよ。あっというまにスタンド席でヒットするだろうね。バカな奴らにはピッタリな作戦だ』と批判記事を掲載した。さらに、パンクが世界的にブームになり始めた1977年以降には「時代遅れ」として非難し、アルバム『ジャズ』が発表された際には「あなたに聴覚障害の親戚がいたら、是非クリスマスの贈り物には『ジャズ』を差し上げて下さい」と評した。
2011年に英ゴールドスミス大学の研究チームは、音楽心理分析学の観点から、「伝説のチャンピオン」はポップ・ミュージック史上最もキャッチーな曲だという研究結果を発表した。彼らは被験者を使った実験を通じて、一緒に口ずさみたくなるようなヒット曲は総じて次のような要素を持つことを見出した。(1) 長くて起伏も細やかなフレーズを含んでいること。(2) 曲のフックとなるところではピッチが高低に急激に変化すること。(3) ボーカルは男性であること。(4) 男性ボーカルが高音部で特徴的なボーカルを聴かせること。そしてこれら4要素を最もよく兼ね備えた曲は「伝説のチャンピオン」だとし、これに続くものとしてヴィレッジ・ピープルの「Y.M.C.A.」、ヨーロッパの「ファイナル・カウントダウン」、ジ・オートマティックの「モンスター」を挙げた[8][9]。
ハ短調(Cマイナー)でピアノとボーカルのみの弾き語りからスタートし、前半は落ち着いたバラード調。その後曲のタイトルを歌詞にしたヘ長調(Fメジャー)に転調してサビに移る。これを2コーラス繰り返し、最後に再びサビに移ってエンディングを迎える。
アルバム収録版の最後は "We are the champions……" という歌詞の後で打ち鳴らされるCメジャーの音でカットアウトされて終わっているが、ライヴでは "of the world" まで歌いきってFメジャーの完全終止形で終わることが多い。
ミュージック・ビデオでは、ステージで演奏しているメンバーと、白と黒のタイツを身に着けたマーキュリーがスタンドマイクで歌う様子が収められている。曲の後半には、観客をバックに上からのカメラに向かってマーキュリーが歌い、カメラが一気にマーキュリーを下から見上げるように写すのと同時に、マーキュリーと観客が高らかに手を振り上げている。曲の最後には、Cメジャーの音の中で観客が騒ぎ立てている様子が静かに映し出される。このPVではクイーンのファンクラブのメンバーが観客として出演しており、撮影終了後には特別コンサートが行われた。
パーソネル[編集]
- フレディ・マーキュリー - リード・ボーカル、バッキング・ボーカル、ピアノ
- ブライアン・メイ - エレクトリック・ギター、バッキング・ボーカル
- ロジャー・テイラー - ドラムス、バッキング・ボーカル
- ジョン・ディーコン - エレクトリックベース
シングル収録曲[編集]
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
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1. | 「伝説のチャンピオン」(We Are the Champions) | Mercury | |
2. | 「ウィ・ウィル・ロック・ユー」(We Will Rock You) | May | |
合計時間: |
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
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1. | 「伝説のチャンピオン」(We Are the Champions) | Mercury | |
2. | 「ウィ・ウィル・ロック・ユー」(We Will Rock You) | May | |
3. | 「ファット・ボトムド・ガールズ」(Fat Bottomed Girls) | May | |
合計時間: |
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
---|---|---|---|
1. | 「伝説のチャンピオン」(We Are the Champions) | Mercury | |
2. | 「ウィ・ウィル・ロック・ユー / 伝説のチャンピオン」(We Will Rock You/We Are the Champions) | May/Mercury | |
合計時間: |
楽曲の使用[編集]
その歌詞から、「ウィ・ウィル・ロック・ユー」と並んでサッカーを初めとした、世界的なスポーツ・イベントで用いられることも多い。
- 国際サッカー連盟(FIFA)主催のサッカー大会。
- 欧州サッカー連盟(UEFA)主催のサッカー大会の決勝戦後の表彰式。
- ウイニングイレブン2002でのエンディング曲。
- NBAファイナルで優勝チーム決定後の表彰式。
- プロレスのタッグチーム、ダイナミック・デュオ(ジノ・ヘルナンデス&クリス・アダムス)の入場テーマ曲。
- 大井競馬におけるJPN1、S1競走のウイニングラン。
- 近年、Jリーグやプロ野球の優勝決定時にスタジアムで流れることもある。
- 1990年の鈴鹿8時間耐久レースでのエディローソンによるウイニングランの際の場内BGM。
- JFN(TFM系)のラジオミニ番組「MY OLYMPIC」エンディング曲。
- 映画『ROCK YOU!』
- 大学ラグビー選手権決勝、表彰式後のイベントにおいて(2019年)。
- 日産自動車のル・マン24時間CM曲。
- スズキ「スイフト」のCMソング(2012年)
- ベスコングルメ(TBSテレビ)のウォーキングゴール時。
カヴァー[編集]
- 矢野顕子は、1979年にインストゥルメンタルでカヴァーしている。「QUEEN SONGS」(1993年8月21日)収録。
- アンジェラ・アキはかねてからライブで自分のテンションを高めようと、この曲をはじめクイーンの曲をカヴァーしていたという。2006年の日本武道館のライブでもこの曲をカヴァーした。
- アメリカのロックバンド、グリーン・デイも2005年のLIVE 8のライブでこの曲をカバーした。
- アコーディオニストのcobaがインストゥルメンタルとしてカバーした。
- オペラ歌手の錦織健がNHKの「スタジオパークからこんにちは」に出演した際(2006年2月21日)歌唱した。錦織は高校時代にバンドでクイーンのコピーをしていた。
- 1992年のフレディ・マーキュリー追悼コンサートでは、ライザ・ミネリとフレディを除くクイーンメンバー、そしてその日の出演者全員によって歌われ、コンサートの掉尾を飾った。
- 女王様(爆風スランプのパッパラー河合)が、「我ら横綱」なるタイトルをつけ、日本的解釈による直訳でカヴァーしたこともある。クイーンを直訳カヴァーしたメドレー曲「女王様物語」(1996年1月21日)に収録されている。
- NHK Eテレの「コレナンデ商会」でもカバーされたことがあり、この時は全部英語の歌詞で、ジェイが熱唱した。ブルブルとキーウィとターキーはコーラスを担当した。
脚注[編集]
- ^ UK Singles Chart Chartstats.com (2019年1月2日閲覧)
- ^ Billboard allmusic.com (2019年1月2日閲覧)
- ^ BRITs 25 Song Award: We Are The Champions – Queen BBC2019年1月2日閲覧
- ^ "Sacha Baron Cohen to play Freddie Mercury" BBC News 2019年1月2日閲覧
- ^ BRITs 25 Song Award: We Are The Champions – Queen BBC Retrieved 2 April 2021
- ^ We Are the Champions: Song Review AllMusic Retrieved 2 April 2021
- ^ “クイーン+アダム・ランバート「ユー・アー・ザ・チャンピオンズ」 緊急リリース!”. ユニバーサルミュージック. (2020年5月1日) 2020年10月28日閲覧。
- ^ NME.COM / IPC Media (2011年10月3日). “「音楽史上最も憶えやすいキャッチーな曲」にクィーンの“伝説のチャンピオン”が認定”. RO69. ロッキング・オン. 2013年9月8日閲覧。
- ^ “We Are The Champions voted catchiest pop song of all time... by scientists” (英語). Daily Mail (2011年9月29日). 2013年9月8日閲覧。