ボヘミアン・ラプソディ (映画)

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ボヘミアン・ラプソディ
Bohemian Rhapsody
監督
脚本 アンソニー・マクカーテン英語版
原案
製作
製作総指揮
出演者
音楽 ジョン・オットマン
撮影 ニュートン・トーマス・サイジェル
編集 ジョン・オットマン
製作会社
配給 20世紀フォックス
公開 イギリスの旗 2018年10月24日
アメリカ合衆国の旗 2018年11月2日
日本の旗 2018年11月9日
製作国
言語 英語
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ボヘミアン・ラプソディ』(Bohemian Rhapsody)は、イギリスのロックバンドのクイーンの結成から1985年のライヴエイド・パフォーマンスを描いた伝記ミュージカル映画である。脚本はアンソニー・マクカーテン英語版が執筆し、ラミ・マレックフレディ・マーキュリー役を務めるほか、ルーシー・ボイントングウィリム・リー英語版ベン・ハーディ英語版ジョゼフ・マゼロエイダン・ギレントム・ホランダーアレン・リーチマイク・マイヤーズらが出演する。

主要撮影は2017年9月にロンドンでブライアン・シンガー監督の指揮下で始まった。2017年12月、シンガーが現場を空けた上にキャストやスタッフと衝突したことにより解雇され、代わりにデクスター・フレッチャーが完成のために起用された。2018年1月に撮影は完了した。

クイーンのギタリストのブライアン・メイとドラマーのロジャー・テイラーが音楽プロデューサーを務めている。イギリスでは2018年10月24日、アメリカ合衆国では11月2日、日本では9日に20世紀フォックス配給で封切られる。

キャスト[編集]

製作[編集]

企画[編集]

『ボヘミアン・ラプソディ』の企画は2010年に発表された。2010年9月17日発表のBBCのインタビューでクイーンのギタリストのブライアン・メイはバンドの歴史に関する今後の映画プロジェクトについて語った。インタビューによるとサシャ・バロン・コーエンがフレディ・マーキュリーを演じ、グレアム・キングがプロデューサーの1人を務める予定であった。キングはモハメド・アリの伝記映画『ALI アリ』の製作総指揮を務めた経験があった。脚本は『クィーン』や『フロスト×ニクソン』のピーター・モーガンが予定された[10]

2011年4月、メイは製作の前進を明かした。彼はバロン・コーエンのキャスティングを強く承認しただけでなく、プロジェクトが行く可能性がある方向性について注意を払った。クイーンの関心はマーキュリーの遺産への損害を避けることが焦点であった[11]。2013年7月、バロン・コーエンは創造性の違いによってプロジェクトから去った。彼は大人向けの映画を構想していたが、クイーン側はファミリー層にアプローチしたいと考えていた[12]。2013年後半、メイはバロン・コーエンがプロジェクトから円満に去ったことを明かした。 メイとロジャー・テイラーはバロン・コエーンがコメディアンでプランクスター(主に架空の人物のアリ・G英語版ボラット)で知られており、その存在が気を散らせてしまうだろうと主張した[13]

2016年3月、バロン・コーエンは映画の主題、特に1991年にマーキュリーが死亡した以降の話も描くべきかについて、バンドの存命メンバーとの創造性の違いを語った。彼はまたモーガン、デヴィッド・フィンチャートム・フーパーを中心とした製作チームの構成することについてもクイーン側との食い違いがあったことを明かした[14]

バロン・コーエンの降板後、2013年12月にベン・ウィショーがフレディ・マーキュリー役になる可能性があることが報じられた。またこの時点ではデクスター・フレッチャーが監督に選ばれていた[15]。フレッチャーはキングとの創造性の不一致が報じられ、翌年すぐにプロジェクトから去った[16]。2014年8月、ウィショーは企画が順調に進行しておらず、脚本執筆に問題があることを示唆した[17]。7か月後、ウィショーはプロジェクトを去った[18]。その後2015年にバロン・コーエン[18]やウィショーの復帰の噂が流れた[19]

2015年11月、脚本家のアンソニー・マクカーテン英語版がプロジェクトに加わり、クイーンの同名の楽曲に因んだ『Bohemian Rhapsody』というワーキングタイトルで動いていることが報じられ[19]。1年後、ブライアン・シンガー監督との交渉に入り、ラミ・マレックがマーキュリー役にキャスティングされ、20世紀フォックスニュー・リージェンシーが取り仕切ることが報じられた[20]。同年内にジョニー・フリンがロジャー・テイラー役、ジェマ・アータートンがマーキュリーの長年のガールフレンドのメアリー・オースティンを演じる予定であることが報じられた[21]が、後述するようにこの2名のキャスティングは変更された。

2017年5月、マレックがアビー・ロード・スタジオで録音を行い、テイラーのアパートでテイラーとメイと直接相談したことが報じられた[22]。同月、『エンターテインメント・ウィークリー』はテイラーとメイが本作の音楽プロデューサーとして働いていることを報じた[22]

キャスティング[編集]

2016年11月4日、ラミ・マレックフレディ・マーキュリー役に決定したことが発表された[23]。2017年8月21日、ドラマーのロジャー・テイラー役のベン・ハーディ英語版、リードギタリストのブライアン・メイ役のグウィリム・リー英語版、ベーシストのジョン・ディーコン役のジョゼフ・マゼロといった追加キャストが発表された[5]。2017年8月30日、1977年から1986年までにマーキュリーの個人マネージャーを務めたが英国の新聞に個人情報を売って裏切ったポール・プレンター役にアレン・リーチがキャスティングされたことが報じられた[7]

2017年9月6日、ルーシー・ボイントンがメアリー・オースティン役で加わった[4]。2017年9月11日、マイク・マイヤーズがキャストに加わった[8]。2017年9月22日、アーロン・マカスカー英語版がマーキュリーのボーイフレンドのジム・ハットン役で加わった[9]

撮影[編集]

プリプロダクションは2017年7月にイギリスで始まり、主要撮影は同年9月にロンドンで始まった[24]。1985年のウェンブリー・スタジアムで行われたライヴエイド・セットの正確なレプリカが構築され、2017年9月7日のリハーサルに向けてボービンドン空軍基地に運ばれた [25]

2017年12月1日、『ハリウッド・リポーター』はシンガーが感謝祭休暇後にも現場に戻らずに撮影監督のニュートン・トーマス・サイジェルが指揮を執り続けていたために20世紀フォックスが撮影を中断させ、監督交代を検討し始めていることを報じた[26]。シンガーの不在理由は「ブライアンとその家族に関する健康問題」と報じられたが[27]、一方でラミ・マレックやスタッフたちがシンガーと衝突していることが明かされた[28]。2017年12月4日、シンガーは撮影終了2週間前にして監督を解雇された[29]。また20世フォックスはシンガーのバッド・ハット・ハリー・プロダクションズ英語版との契約を打ち切った。

2017年12月6日、シンガーの代理として2013年に一度監督に選ばれたが降板したデクスター・フレッチャーの起用が発表された[30]。2017年12月15日、フレッチャーはロンドンでの撮影を再開した[31]。フレッシャーは監督を引き継いだ後に大きな重圧を感じた。主要撮影は3分の2が完了していた。全米監督協会(DGA)によると映画にクレジットされる監督の名前は1人のみであり、DGAがそれが決定される[32][33]

公開[編集]

アメリカ合衆国では2018年11月2日、イギリスでは2018年10月24日に20世紀フォックス配給で封切られる[34]

マーケティング[編集]

ティーザー予告は2018年5月18日に公開され、最初の24時間での再生回数は500万人以上を記録し、YouTubeのトレンド・ビデオで1位となった[35]。脚本家のブライアン・フラーは予告編でマーキュリーの男性関係ではなく女性関係が映され、さらに宣伝でAIDSではなく「命にかかわる病気」とだけ表記されていることを指摘した[36]

備考[編集]

・歌唱パートは生前のフレディのマスターテープと、クイーンのトリビュートバンドで話題を呼んだマーク・マーテルによる吹き替えである。

脚注[編集]

  1. ^ 当初シンガーが監督を務めていたが、数か月の撮影の後に解雇された。残り2週間の撮影からポストプロダクション時まではフレッチャーが雇われた。最終的にどちらか1人のみがクレジットされる予定である。

参考文献[編集]

  1. ^ a b c d Film releases”. Variety Insight. 2017年9月24日閲覧。
  2. ^ a b Bohemian Rhapsody (2018)”. AllMovie. 2017年9月24日閲覧。
  3. ^ Mr Robot star Rami Malek to play Freddie Mercury in Queen biopic”. theguardian. 2016年11月4日閲覧。
  4. ^ a b Pedersen, Erik (2017年9月6日). “‘Bohemian Rhapsody’: Lucy Boynton Joins Queen Pic As Mary Austin”. http://deadline.com/2017/09/bohemian-rhapsody-lucy-boynton-mary-austin-queen-biopic-1202162755/ 2017年9月6日閲覧。 
  5. ^ a b c d Busch, Anita (2017年8月21日). “Queen Pic ‘Bohemian Rhapsody’ Finds Bandmates In Ben Hardy, Gwilym Lee & Joe Mazzello”. http://deadline.com/2017/08/queen-movie-cast-ben-hardy-gwilym-lee-joe-mazzello-bohemian-rhapsody-1202153081/ 2017年8月21日閲覧。 
  6. ^ a b Galuppo, Mia (2017年9月26日). “Aidan Gillen, Tom Hollander Join Cast of Queen Biopic 'Bohemian Rhapsody'” (英語). The Hollywood Reporter. http://www.hollywoodreporter.com/news/aidan-gillen-tom-hollander-join-cast-bohemian-rhapsody-1043083 2017年9月26日閲覧。 
  7. ^ a b Busch, Anita (2017年8月30日). “Allen Leech Joins ‘Bohemian Rhapsody’ As Paul Prenter, Freddy Mercury’s Judas”. http://deadline.com/2017/08/allen-leech-queen-movie-bohemian-rhapsody-paul-prenter-freddie-mercury-1202158400/ 2017年8月30日閲覧。 
  8. ^ a b Jr, Mike Fleming (2017年9月11日). “Mike Myers Comes Full Circle With ‘Bohemian Rhapsody’”. 2018年5月26日閲覧。
  9. ^ a b Busch, Anita (2017年9月22日). “‘Bohemian Rhapsody’: Aaron McCusker Cast As Freddie Mercury Boyfriend Jim Hutton”. 2018年5月26日閲覧。
  10. ^ “Sacha Baron Cohen to play Freddie Mercury”. BBC News. (2010年9月17日). http://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-11340336 2010年9月22日閲覧。 
  11. ^ Sacha Baron Cohen is perfect to play Freddie Mercury but we can't mess up his legacy, says Brian May”. dailyrecord.co.uk (2011年4月27日). 2014年9月27日閲覧。
  12. ^ Finke, Nikki (2013年7月22日). “Sacha Baron Baron Cohen Exits Freddie Mercury Biopic Over Creative Differences With Queen”. Deadline Hollywood. 2013年7月22日閲覧。
  13. ^ Brian May Speaks on Queen Biopic Problems”. Ultimate Classic Rock. 2014年9月27日閲覧。
  14. ^ Sacha Baron Cohen Says David Fincher Eyed Queen Biopic, Producers Wanted Freddie Mercury To Die Mid-Movie” (2016年3月8日). 2018年5月26日閲覧。
  15. ^ “Ben Whishaw joins Freddie Mercury biopic”. BBC News. (2013年12月10日). http://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-25314219 2013年12月10日閲覧。 
  16. ^ Dexter Fletcher Drops Out Of Freddie Mercury Biopic”. www.yahoo.com. Yahoo News (2014年3月14日). 2018年5月26日閲覧。
  17. ^ Ben Whishaw says Freddie Mercury film is on hold”. www.telegraph.co.uk. The Daily Telegraph (2014年8月6日). 2018年5月26日閲覧。
  18. ^ a b Sacha Baron Cohen rejoins troubled Freddie Mercury biopic”. www.telegraph.co.uk. The Daily Telegraph (2015年3月28日). 2018年5月26日閲覧。
  19. ^ a b Mike Fleming Jr (2015年11月18日). “‘Theory Of Everything’s Anthony McCarten Scripting Freddie Mercury Pic For GK Films; Ben Whishaw In The Wings?”. Deadline Hollywood. 2016年11月5日閲覧。
  20. ^ Mike Fleming Jr (2016年11月4日). “Queen Movie Amping Up With Bryan Singer & Rami Malek As Freddie Mercury”. Deadline Hollywood. 2016年11月5日閲覧。
  21. ^ Freddie Mercury biopic starring Ben Whishaw 'will start shooting in June 2016'”. www.nme.com. NME (2015年11月19日). 2018年5月26日閲覧。
  22. ^ a b Rami Malek on playing Freddie Mercury: 'I could have my Beyoncé moment'”. www.ew.com. Entertainment Weekly (2017年5月9日). 2018年5月26日閲覧。
  23. ^ Busch, Anita (2016年11月5日). “‘Mr. Robot’ Star Rami Malek to Play Freddie Mercury in Queen Biopic”. http://variety.com/2016/film/news/rami-malek-to-play-freddie-mercury-in-queen-biopic-bohemian-rhapsody-1201910261/ 2018年5月20日閲覧。 
  24. ^ Tartaglione, Nancy (2017年7月16日). “Queen Pic ‘Bohemian Rhapsody’ Tunes Up For Fall Start With Bryan Singer, Rami Malek”. http://deadline.com/2017/07/queen-movie-shooting-start-bryan-singer-rami-malek-bohemian-rhapsody-1202129667/ 2017年8月25日閲覧。 
  25. ^ “Live Aid 1985 set transported to field for Freddie Mercury biopic”. Mail Online. http://www.dailymail.co.uk/news/article-4866464/Live-Aid-set-transported-field-Queen-biopic.html 2017年10月4日閲覧。 
  26. ^ Fox Halts Production on Queen Biopic Due to Bryan Singer Absence The Hollywood Reporter. Retrieved December 1, 2017.
  27. ^ Bryan Singer: Illness forces director to stop work on Freddie Mercury film BBC News. Retrieved December 1, 2017.
  28. ^ Fox Halts Production on Bryan Singer’s Queen Biopic Bohemian Rhapsody ScreenRant. December 1, 2017.
  29. ^ Bryan Singer Fired From Directing Queen Biopic After On-Set Chaos (Exclusive) The Hollywood Reporter. Retrieved December 4, 2017.
  30. ^ Dexter Fletcher Replaces Bryan Singer On ‘Bohemian Rhapsody’ Deadline. Retrieved December 6, 2017.
  31. ^ ‘Bohemian Rhapsody’ + ‘Doctor Who’ Filming Now in the U.K. Backstage. Retrieved December 15, 2017.
  32. ^ Marotta, Jenna (2018年5月10日). “‘Bohemian Rhapsody’ Director Dexter Fletcher on the Pressure of Replacing Bryan Singer — Exclusive” (英語). IndieWire. http://www.indiewire.com/2018/05/bohemian-rhapsody-director-dexter-fletcher-bryan-singer-exclusive-1201962712/ 2018年5月15日閲覧。 
  33. ^ Fox Fired Bryan Singer, but It Won’t Be Able to Remove Him as the Director of ‘Bohemian Rhapsody’”. Indiewire (2017年12月4日). 2018年5月15日閲覧。
  34. ^ Ramos, Dino-Ray (2018年3月26日). “20th Century Fox Shuffles Release Dates For ‘Bohemian Rhapsody’, ‘Dark Phoenix’ & More”. Deadline Hollywood. 2018年3月27日閲覧。
  35. ^ Rolli, Bryan. “The First 'Bohemian Rhapsody' Trailer Gets One Key Aspect Right” (英語). Forbes. https://www.forbes.com/sites/bryanrolli/2018/05/15/bohemian-rhapsody-first-trailer-watch/#29cc07e12b7c 2018年5月16日閲覧。 
  36. ^ “Bohemian Rhapsody trailer sparks controversy for 'ignoring' Freddie Mercury's sexuality” (英語). Independent.co.uk. https://www.independent.co.uk/arts-entertainment/films/news/bohemian-rhapsody-tailer-freddie-mercury-sexuality-twitter-rami-malek-bryan-fuller-a8354276.html 2018年5月17日閲覧。 

外部リンク[編集]