ティム・スタッフェル

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Tim Staffell
ティム・スタッフェル
出生名 ティモシー・ジョン・スタッフェル
英: Timothy John Staffell
生誕 (1948-02-24) 1948年2月24日(71歳)
イングランドの旗 イングランド ロンドンイーリング
ジャンル ロックプログレッシブ・ロック
担当楽器 ベースギターヴォーカルハーモニカ
活動期間 1960年代 – 現在
共同作業者
公式サイト timstaffell.com

ティム・スタッフェル[1]: Tim Staffell1948年2月24日 - )、本名ティモシー・ジョン・スタッフェル(英: Timothy John Staffell[2])は、イングランドロックミュージシャン視覚芸術家、模型制作者、デザイナーである。ブライアン・メイ(ギター)とロジャー・テイラー(ドラムス)を擁し、クイーンの前身となったバンド、スマイルのメンバーだったことで知られる[1]。また、モット・ザ・フープルのメンバー、モーガン・フィッシャーと共に、バンド・モーガンに所属していたこともあった。その後は音楽活動から引退し、『きかんしゃトーマス』シリーズなどを手掛ける模型制作者になっていたこともあったが、2003年にはアルバム "aMIGO" を発売するなど、再び音楽活動に戻っている[1]

幼少期から音楽活動開始まで[編集]

スタッフェルは、ロンドンイーリングで生まれた[3]ハンプトン・グラマー・スクール英語版に通い、「ザ・レイルローダーズ」(the Railroaders) という名前のバンドでシンガーを務め、1964年に出たコンサートで、同じくハンプトンの生徒だったブライアン・メイと出会った[4]。その後、スタッフェルとメイは、ジョン・ガーナム(John Garnham、ギター)、デイヴ・ディロウェイ(Dave Dilloway、ベース)、ジョン・サンガー(John Sanger、キーボード)、リチャード・トンプソン(Richard Thompson、ドラムス)を集め、ジョージ・オーウェル同名小説から名前を取ったブルースロックバンド「1984」を旗揚げする[5][6][7]。スタッフェルは1965年にイーリング・アート・カレッジ英語版でグラフィックと絵画を学ぶコースに進学し、ここで後のフレディ・マーキュリーことファルーク・バルサラと知り合った[5]。一方のメイはインペリアル・カレッジ・ロンドンに進学した。1984は1969年に解散した。

スタッフェルとメイは、ドラマー募集の広告に応じてきたロジャー・テイラーをドラムスに迎え、スマイルという新バンドを結成する[5][8]。スマイルは自分たちのバンド活動や収録に加え、ジミ・ヘンドリックスピンク・フロイドの前座、サポート・アクトを務めるなどした[5][9][10]。この頃スタッフェルとメイが共作した作品が『ドゥーイン・オール・ライト』"Doin' All Right" で、後にやや改名された上でクイーンの第1アルバム『戦慄の王女』"Queen" に収録された。この際スタッフェルはメイとの共作クレジットを得て、アルバム売り上げからロイヤルティーを得ることができ、充分に補償された様子である[11]

その後スタッフェルは、別バンドハンピー・ボング英語版に加入するためスマイルを脱退する(1970年)[12][13]。また、プログレッシブ・ロックの実験的バンド、モーガンに参加し、第1アルバム『ノヴァ・ソリス英語版』"Nova Solis"(1972年)と、第2アルバム『ブロウン・アウト』"Brown Out"(後に『ザ・スリーパー・ウェイクス』"The Sleeper Wakes" と改題)を手掛けた[14]。『ノヴァ・ソリス』のタイトルトラックには、スマイル時代の曲『アース』"Earth" が新録されて組み込まれている[1]

模型制作者、デザイナー、アニメーターとして[編集]

スタッフェルはその後、模型制作者デザイナーアニメーター、CM監督の道に進むことを決意する。彼はBBCで放送された『銀河ヒッチハイクガイド』のテレビ翻案を手掛けたほか、子ども向けテレビ番組『きかんしゃトーマス』第1シリーズでは模型制作のチーフを務めた[1]。また、1981年にロジャー・テイラーが出した初のソロアルバム『ファン・イン・スペース』では、ジャケットのエイリアンの模型を製作したが、これは全くの偶然だったという[1]

音楽活動に戻る[編集]

2001年、スタッフェルは音楽業界に戻り、長年コラボしていたリチャード・ライトマン (Richard Lightman) と共に、新しくブルース・ファンクバンド「aMIGO」を結成した[15]。2003年には同名のアルバムを発表し、スマイル時代の曲『アース』"Earth" と『ドゥーイン・オールライト』"Doin' Alright" を再録して収録したほか、この曲にはかつてのバンド仲間だったブライアン・メイがギターとヴォーカルで参加した[1]。また『アース』にはモーガンモーガン・フィッシャーも参加した[1]。このアルバムはCDで限定発売され(販売枚数は300枚以下だった)、その後iTunesで配信された。

音楽・音声外部リンク
saltim - Sal Tim Gargiulo Staffell”. London, United Kingdom: SoundCloud. 2018年12月15日閲覧。

2013年にはサル・ガルジューロ (Sal Gargiulo) とサルティム (saltim) というデュオを結成し、翌年7曲を収録してSoundCloudの公式ページにアップロードしている。

2015年にはバンド「ジ・アザーズ」(The Others) のメンバーとツアーを行い、数ヶ月後には「ビッグ・スティーム」(Big Steam) との名前で共作を始めた。彼らは5曲を収録し、EP盤『リズム・オブ・ザ・ブルース』"Rhythm of the blues" にこれを収録した。2016年にはイギリスでいくつかの祭りやパブに出演したほか、翌年にはクロアチアなどヨーロッパ各国を訪れた。このバンドから派生したバンド、リトル・スティーム (Little Steam) は、スタッフェルがポール・ステュアート(Paul Stewart、ジ・アザーズのオリジナル・シンガー、ハープ奏者)と組んだセミ・アコースティック・デュオで、ロンドン周辺で定期的にギグを行っている。

2018年4月、スタッフェルはメイとテイラーから、2018年の伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』に向けてスマイル時代の『ドゥーイン・オール・ライト』"Doin' All Right" を再録するため招かれた[1]。この曲はスマイル名義になり、"Doing All Right ... Revisited" という曲名で映画のサウンドトラックに収録された[16]。スコアは映画のプレミア3日前の2018年10月19日に発売された[17]。サウンドトラックは2018年10月26日付けのイギリスのアルバムチャートで、初登場第5位にランクインしたり[18]、アメリカでクイーンのアルバムとして1980年以来のチャート順位に付けるなど大ヒットした[19]

2番目のソロアルバム『2Late』は2007年に収録されたものの、マスターされることなくお蔵入りしており、10年以上経ってからリミックス・マスターされ、2018年に "Two Late" と改題されて発売された[20]。まず2018年10月26日にデジタル配信で発売され、11月半ばにディスクが限定発売された[21]。スタッフェルは映画『ボヘミアン・ラプソディ』に関連したインタビューで、2019年にかけて3作目のソロアルバムに取り掛かる予定だと明かしている[1]

関連項目[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e f g h i j パトリック・ルミュー(Patrick Lemieux) (2018年11月27日). “クイーンの前身バンド「スマイル」の中心メンバー、ティム・スタッフェルのインタビューを掲載”. ユニバーサル・ミュージック・ジャパン. 2018年12月11日閲覧。
  2. ^ Queen – Doing All Right lyrics | Musixmatch – The world's largest lyrics catalog”. Community.musixmatch.com (1973年7月1日). 2014年8月25日閲覧。
  3. ^ England & Wales births: Tim Staffel”. 2012 brightsolid online publishing limited. 2012年5月16日閲覧。
  4. ^ Jackson, Laura (2011-12-20). Brian May: The definitive biography. Hachette UK. ISBN 1405513721. https://books.google.co.jp/books?id=9bMW7YFSiuoC&pg=PT7&lpg=PT7 2018年12月15日閲覧。. 
  5. ^ a b c d Chiu, David (2018年11月5日). “The History of Smile: The Band That Set the Stage for Queen”. Ultimate Classic Rock. 2018年12月12日閲覧。
  6. ^ Eicher, David J. (2012年7月23日). “Brian May: A life in science and music — the full story”. アストロノミー. 2018年12月15日閲覧。
  7. ^ biography”. brianmay.com. 2018年12月15日閲覧。
  8. ^ Tim Staffell Biography”. Queenzone.com. 2014年5月24日閲覧。
  9. ^ Orens, Geoff. Smile - オールミュージック. 2018年12月12日閲覧。
  10. ^ May, Brian (2015年10月30日). “Brian May: “I paid a thousand pounds for Jimi Hendrix!””. loudersound.com. 2018年12月15日閲覧。
  11. ^ Hodkinson 2009Googleブックス
  12. ^ Queen Biography 1970, Queen Zone, オリジナルの23 July 2011時点によるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20110723131648/http://queenzone.com/biography/queen-biography-for-1970.aspx 
  13. ^ Hodkinson 2009Googleブックス
  14. ^ the Love Affair pages”. Home.lyse.net. 2011年10月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年10月2日閲覧。
  15. ^ Maintenance Mode”. Tim Staffell. 2014年5月24日閲覧。
  16. ^ Grow, Kory (2018年10月22日). “Review: Queen’s ‘Bohemian Rhapsody’ Soundtrack is More Than Just a Greatest Hits”. ローリング・ストーン. 2018年12月15日閲覧。
  17. ^ Peacock, Tim (2018年9月5日). “‘Bohemian Rhapsody’ Original Film Soundtrack Set For October Release”. uDiscoverMusic.. 2018年12月15日閲覧。
  18. ^ Official Albums Chart Top 100”. Official Charts Company (2018年10月26日). 2018年12月15日閲覧。
  19. ^ Kielty, Martin (2018年11月13日). “‘Bohemian Rhapsody’ Gives Queen Highest Chart Position Since 1980”. ultimateclassicrock.com. 2018年12月15日閲覧。
  20. ^ Tim Staffell – Two Late - Discogs - 2018年12月14日閲覧。
  21. ^ Two Late”. Amazon.co.uk (2018年11月16日). 2018年12月15日閲覧。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]