世界に捧ぐ

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世界に捧ぐ
クイーンスタジオ・アルバム
リリース
録音 1977年7月 - 9月
ジャンル ハードロック
スタジアム・ロック
時間
レーベル イギリスの旗EMI
アメリカ合衆国の旗エレクトラ・レコード
キャピトル・レコード(再発売)
ハリウッド・レコード(再々発)
日本の旗ワーナー・パイオニアエレクトラ
東芝EMIユニバーサルミュージック(再発売)
プロデュース クイーンマイク・ストーン英語版
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 4位イギリス、ミュージック・ウィーク)[1]
  • 3位アメリカBillboard 200[2]
  • 2位日本オリコン
  • クイーン アルバム 年表
    Queen's First EP
    1977年
    世界に捧ぐ
    (1977年)
    ジャズ
    1978年
    『世界に捧ぐ』収録のシングル
    1. 伝説のチャンピオン/ウィ・ウィル・ロック・ユー
      リリース: 1977年10月7日
    2. 永遠の翼
      リリース: 1978年2月10日
    3. イッツ・レイト
      リリース: 1978年
      (アメリカ、カナダ、ニュージーランド、日本)
    テンプレートを表示

    世界に捧ぐ』 (英語: News Of The World) は、イギリスロックバンドクイーンの6枚目のアルバムである。

    解説[編集]

    パンク・ロック全盛期に制作された、シンプル・イズ・ザ・ベスト的な作品。スポーツ中継などによく使われる曲が2曲収録されている。 本国イギリスよりアメリカの方で多く売れたアルバム。

    前作アルバム『華麗なるレース』で一度ピークとなり、一部で前作以前からの作風やサウンドを継承した。作品の枠を広げながらサウンドの一部解体、ソロワークに近い録音方法を用いた結果、閉鎖性が減り周辺の音楽とも関連が出てきた。なお、前作の制作期間は5ヶ月だったが、本作はサーム・ウェスト・スタジオとウェセックス・スタジオにて2ヶ月という短期間で制作された[3]。なお、ウェセックス・スタジオでレコーディングが行なわれていた当時、セックス・ピストルズがアルバム『勝手にしやがれ!!』の制作を行なっており、両者の間で蟠りがあったことが後に語られている[4]

    ファースト・アルバムから明示されてきたNo Synths'クレジットが、このアルバムより抜けているが、おそらく「ゲット・ダウン・メイク・ラヴ」でのハーモナイザーの使用によるものと思われる。

    アートワーク[編集]

    ジャケットは、アメリカのSF画家フランク・ケリー・フリース英語版によるイラストで、アスタウンディング1953年10月号に掲載された「The Gulf Between」と題されたトム・ゴドウィンの小説のために描かれたもの[5]が元になっている。SF好きとしても知られるロジャー・テイラーがこの絵を気に入り、ジャケットに使うことを提案。そこでジャケット用に描き直すことを要請し、オリジナルではロボットの手のひらに殺された人間がひとりいる構図が、意識を失っているブライアン・メイと流血しているフレディ・マーキュリーがロボットにすくい上げられ、そこから落下するジョン・ディーコンとテイラーの4人に描き換えられている[6]

    インナー・カバーは、講堂の屋根を突き破ったロボットの手が逃げ惑う人々を捕まえようとしている様子が描かれている[7]

    40周年記念スーパー・デラックス・エディション[編集]

    2017年11月17日に発売40周年を記念した『世界に捧ぐ (40周年記念スーパー・デラックス・エディション)』が3CD+DVD+LPの仕様で発売された[8]

    DISC 1(日本盤のみSHM-CD仕様)はボブ・ラドウィックが手がけた2011年リマスター音源、DISC 2「ロウ・セッションズ」には倉庫から発見されたマルチ・トラック・テープを元に制作された別バージョンやラフ・ミックス、デモ音源など未発表音源、DISC 3「ボーナス・トラックス」にはライヴ音源やラジオ出演時の音源のほか、バッキング・トラックなどが収録された[8]

    また、DVDには1977年12月にテキサス州ヒューストンで開催された「ニュース・オブ・ザ・ワールド・ツアー」のバックステージ映像を中心に制作された約1時間のドキュメンタリー『クイーン: ジ・アメリカン・ドリーム』、LPには、マスタリングされる前のアナログ・マスター・ミックス・テープから直接カッティングが施された音源が収録された[8]

    収録曲[編集]

    特記を除き、リード・ボーカルはフレディ・マーキュリーが担当。

    アナログA面
    #タイトル作詞・作曲リード・ボーカル時間
    1.ウィ・ウィル・ロック・ユー(We Will Rock You)メイ 
    2.伝説のチャンピオン(We Are The Champion)マーキュリー 
    3.シアー・ハート・アタック(Sheer Heart Attack)テイラーマーキュリー
    テイラー
    4.オール・デッド(All Dead, All Dead)メイメイ
    5.永遠の翼(Spread Your Wings)ディーコン 
    6.「秘めたる炎」(Fight From The Inside)テイラーテイラー
    アナログB面
    #タイトル作詞・作曲リード・ボーカル時間
    1.「ゲット・ダウン・メイク・ラヴ」(Get Down, Make Love)マーキュリー 
    2.「うつろな人生」(Sleeping On The Sidewalk)メイメイ
    3.「恋のゆくえ」(Who Needs you)ディーコン 
    4.イッツ・レイト(It's Late)メイ 
    5.「マイ・メランコリー・ブルース」(My Melancholy Blues)マーキュリー 
    合計時間:
    ボーナス・トラック(1991年ハリウッド・レコード再発盤)
    #タイトル作詞・作曲リード・ボーカル時間
    1.「ウィ・ウィル・ロック・ユー (リック・ルービン・リミックス)」(We Will Rock You (Rick Rubin Remix))メイ 
    合計時間:
    ボーナスEP(2011年ユニバーサルミュージック再発盤)
    #タイトル作詞・作曲リード・ボーカル時間
    1.「フィーリングス・フィーリングス (テイク10 1977/7)」(Feelings Feelings (Take 10, July 1977))メイ 
    2.「永遠の翼 (BBCセッション 1977/10)」(Spread Your Wings (BBC session, October 1977))ディーコン 
    3.「マイ・メランコリー・ブルース (BBCセッション 1977/10)」(My Melancholy Blues (BBC session, October 1977))マーキュリー 
    4.「シアー・ハート・アタック (ライヴ・イン・パリ 1979/2)」(Sheer Heart Attack (Live in Paris, France, 28 February 1979))テイラー 
    5.「ウィ・ウィル・ロック・ユー (ファスト) (ライヴ・イン・東京 1982/11)」(We Will Rock You (Fast) (Live in Tokyo, Japan, November 1982))メイ 
    合計時間:
    ボーナス・ビデオ(2011年iTunesデラックス・エディション)
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.「My Melancholy Blues (Live at the Summit, 1977)」  
    2.「Sheer Heart Attack (Live at Hammersmith, 1979)」  
    3.「We Will Rock You (Queen Rocks Version, 1998)」  
    合計時間:

    40周年記念エディション[編集]

    LP(オリジナル・アルバム)
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.「ウィ・ウィル・ロック・ユー」(We Will Rock You)  
    2.「伝説のチャンピオン」(We Are The Champion)  
    3.「シアー・ハート・アタック」(Sheer Heart Attack)  
    4.「オール・デッド」(All Dead, All Dead)  
    5.「永遠の翼」(Spread Your Wings)  
    6.「秘めたる炎」(Fight From The Inside)  
    7.「ゲット・ダウン・メイク・ラヴ」(Get Down, Make Love)  
    8.「うつろな人生」(Sleeping On The Sidewalk)  
    9.「恋のゆくえ」(Who Needs you)  
    10.「イッツ・レイト」(It's Late)  
    11.「マイ・メランコリー・ブルース」(My Melancholy Blues)  
    合計時間:
    CD1(ボブ・ラドウィックによるリマスター)
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.「ウィ・ウィル・ロック・ユー」(We Will Rock You)  
    2.「伝説のチャンピオン」(We Are The Champion)  
    3.「シアー・ハート・アタック」(Sheer Heart Attack)  
    4.「オール・デッド」(All Dead, All Dead)  
    5.「永遠の翼」(Spread Your Wings)  
    6.「秘めたる炎」(Fight From The Inside)  
    7.「ゲット・ダウン・メイク・ラヴ」(Get Down, Make Love)  
    8.「うつろな人生」(Sleeping On The Sidewalk)  
    9.「恋のゆくえ」(Who Needs you)  
    10.「イッツ・レイト」(It's Late)  
    11.「マイ・メランコリー・ブルース」(My Melancholy Blues)  
    合計時間:
    CD2(ロウ・セッションズ)
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.「ウィ・ウィル・ロック・ユー (オルタナティヴ・ヴァージョン)」(We Will Rock You (Alternative Version))  
    2.「伝説のチャンピオン (オルタナティヴ・ヴァージョン)」(We Are The Champion (Alternative Version))  
    3.「シアー・ハート・アタック (オリジナル・ラフ・ミックス)」(Sheer Heart Attack (Original Rough Mix))  
    4.「オール・デッド (オリジナル・ラフ・ミックス)」(All Dead, All Dead (Original Rough Mix))  
    5.「永遠の翼 (オルタナティヴ・テイク)」(Spread Your Wings (Alternative Take))  
    6.「秘めたる炎 (デモ・ヴォーカル・ヴァージョン)」(Fight From The Inside (Demo Vocal Version))  
    7.「ゲット・ダウン・メイク・ラヴ (アーリー・テイク)」(Get Down, Make Love (Early Take))  
    8.「うつろな人生 (ライヴ・イン・USA, 1977)」(Sleeping On The Sidewalk (Live in the USA, 1977))  
    9.「恋のゆくえ (アコースティック・テイク)」(Who Needs you (Acoustic Take))  
    10.「イッツ・レイト (オルタナティヴ・ヴァージョン)」(It's Late (Alternative Version))  
    11.「マイ・メランコリー・ブルース (オリジナル・ラフ・ミックス)」(My Melancholy Blues (Original Rough Mix))  
    合計時間:
    CD3(ボーナス・トラックス)
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.「フィーリングス・フィーリングス (テイク10 1977/7)」(Feelings Feelings (Take 10, July 1977))  
    2.「ウィ・ウィル・ロック・ユー (BBCセッション)」(We Will Rock You (BBC Session))  
    3.「ウィ・ウィル・ロック・ユー (ファスト・ヴァージョン) (BBCセッション)」(We Will Rock You (Fast) (BBC Session))  
    4.「永遠の翼 (BBCセッション)」(Spread Your Wings (BBC Session))  
    5.「イッツ・レイト (BBCセッション)」(It's Late (BBC Session))  
    6.「マイ・メランコリー・ブルース (BBCセッション 1977/10)」(My Melancholy Blues (BBC session, October 1977))  
    7.「ウィ・ウィル・ロック・ユー (バッキング・トラック)」(We Will Rock You (Backing Track))  
    8.「伝説のチャンピオン (バッキング・トラック)」(We Are The Champions (Backing Track))  
    9.「永遠の翼 (インストゥルメンタル)」(Spread Your Wings (Instrumental))  
    10.「秘めたる炎 (インストゥルメンタル)」(Fight From The Inside (Instrumental))  
    11.「ゲット・ダウン・メイク・ラヴ (インストゥルメンタル)」(Get Down, Make Love (Instrumental))  
    12.「イッツ・レイト (USA ラジオ・エディット 1978)」(It's Late (USA Radio Edit 1978))  
    13.「シアー・ハート・アタック (ライヴ・イン・パリ 1979/2)」(Sheer Heart Attack (Live in Paris, France, 28 February 1979))  
    14.「ウィ・ウィル・ロック・ユー (ファースト) (ライヴ・イン・東京 1982)」(We Will Rock You (Fast) (Live in Tokyo 1982))  
    15.「マイ・メランコリー・ブルース (ライヴ・イン・ヒューストン 1977)」(My Melancholy Blues (Live in Houston 1977))  
    16.「ゲット・ダウン・メイク・ラヴ (ライヴ・イン・モントリオール)」(Get Down, Make Love (Live in Montreal 1981))  
    17.「永遠の翼 (ライヴ・イン・ヨーロッパ 1979)」(Spread your Wings (Live in Europe 1979))  
    18.「ウィ・ウィル・ロック・ユー (ライヴ・アット・ミルトン・キーンズ・ボウル 1982)」(We Will Rock You (Live at the Milton Keynes Bowl 1982))  
    19.「伝説のチャンピオン (ライヴ・アット・ミルトン・キーンズ・ボウル 1982)」(We Are The Champions (Live at the Milton Keynes Bowl 1982))  
    合計時間:
    DVD:ドキュメンタリー『クイーン: ジ・アメリカン・ドリーム』
    #タイトル作詞作曲・編曲
    1.「Back Into The Studio」  
    2.「We Will Rock You / We Are The Champions」  
    3.「Taking Control」  
    4.「Sheer Heart Attack」  
    5.「The American Tour」  
    6.「It's Late」  
    7.「Spread Your Wings」  
    8.「My Melancholy Blues」  
    9.「Get Down, Make Love」  
    10.「We Are The Champions」  

    曲の解説[編集]

    ウィ・ウィル・ロック・ユー (We Will Rock You)[編集]

    伝説のチャンピオン (We Are The Champions)[編集]

    シアー・ハート・アタック (Sheer Heart Attack)[編集]

    オール・デッド (All Dead, All Dead)[編集]

    永遠の翼 (Spread Your Wings)[編集]

    秘めたる炎 (Fight From The Inside)[編集]

    テイラー作の楽曲。アメリカを意識したサウンドともいわれている。この楽曲ではボーカルとドラムスのほか、リズムギターベース、コーラスも含めテイラーがほとんど1人で演奏している。ギタリストのスラッシュは、この曲のギターリフをお気に入りの一つとして挙げている[9]

    ゲット・ダウン・メイク・ラヴ (Get Down, Make Love)[編集]

    マーキュリー作の楽曲。リリース後のライブで演奏された後、1982年の「ホット・スペース」ツアーまでメドレーの定番曲とされていた。

    うつろな人生 (Sleeping On The Sidewalk)[編集]

    メイ作の楽曲。バッキング・トラックは、メイとテイラー、ジョン・ディーコンの3人が1テイクで録音している[10]

    恋のゆくえ (Who Needs You)[編集]

    ディーコン作の楽曲。この曲においてディーコンは、メイと共にスパニッシュ・ギターを演奏している。

    イッツ・レイト (It's Late)[編集]

    マイ・メランコリー・ブルース (My Melancholy Blues)[編集]

    マーキュリー作の楽曲。タイトルにブルースと入っているが、楽曲はジャズ調のアレンジとなっている。ライブでディーコンはフレットレス・ベースを演奏しているが、レコーディングでは通常のベースを演奏している。なお、この曲にはコーラスやギターが入っていない。

    担当[編集]

    脚注[編集]

    [脚注の使い方]

    注釈[編集]

    出典[編集]

    1. ^ Queen - full Official Chart History - Official Charts Company”. www.officialcharts.com. 2019年4月5日閲覧。
    2. ^ Queen”. AllMusic. 2019年4月5日閲覧。
    3. ^ Mick Wall (2017年7月13日). “News Of The World: How Queen rose from the ashes”. Loudersound. 2019年4月5日閲覧。
    4. ^ “クイーン最大のヒット作『世界に捧ぐ』あなたが知らない10のこと(1/4)”. Rolling Stone Japan (CCCミュージックラボ株式会社). (2018年11月18日). https://rollingstonejapan.com/articles/detail/29447 2019年4月5日閲覧。 
    5. ^ As the Symphony gets ready to rock, we remember a local artist, The Virginian-Pilot
    6. ^ “クイーン最大のヒット作『世界に捧ぐ』あなたが知らない10のこと(4/4)”. Rolling Stone Japan (CCCミュージックラボ株式会社). (2018年11月18日). https://rollingstonejapan.com/articles/detail/29447/4/1/1 2019年4月5日閲覧。 
    7. ^ News of the World: Album Details”. Queen Online. 2019年4月5日閲覧。
    8. ^ a b c “クイーン(Queen)『世界に捧ぐ』の40周年記念盤が3CD + DVD + LPの豪華仕様で発売決定”. CDJournal ニュース (株式会社シーディージャーナル). (2017年9月5日). https://www.cdjournal.com/main/news/queen/77169 2019年9月29日閲覧。 
    9. ^ Sutcliffe, Phil; Hince, Peter; Mack, Reinhold (2009). Queen: The Ultimate Illustrated History of the Crown Kings of Rock. London: Voyageur Press. ISBN 0-7603-3719-5 
    10. ^ “クイーン最大のヒット作『世界に捧ぐ』あなたが知らない10のこと(3/4)”. Rolling Stone Japan (CCCミュージックラボ株式会社). (2018年11月18日). https://rollingstonejapan.com/articles/detail/29447/3/1/1 2019年4月5日閲覧。 
    11. ^ Letters April 03”. BRIANMAY.COM || THE OFFICIAL BRIAN MAY WEBSITE (2003年4月22日). 2020年4月5日閲覧。